説明

電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア及びその製造方法、並びに該樹脂被覆フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤

【課題】均一な樹脂被覆が得られる樹脂被覆フェライトキャリア及びその製造方法等の提供を目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するため、フェライト粒子の表面が、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体からなるフッ素樹脂と無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノフェニルメタンとの共重合体からなるポリアミドイミド樹脂との混合樹脂で被覆されており、該混合樹脂が酸化ケイ素を含有しており、該混合樹脂が無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノフェニルメタンとの共重合体からなるポリアミドイミド樹脂を有機系溶剤に溶解した樹脂溶液に、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体からなるフッ素樹脂と酸化ケイ素とを分散させて樹脂含有溶液を調製し、該樹脂含有溶液を用いることにより得られることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア等を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤用の樹脂被覆フェライトキャリア及びその製造方法、並びに該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関し、詳しくは均一で異臭等の問題を生じない樹脂被覆フェライトキャリア及びその製造方法、並びに該フェライトキャリアを用い、長期に渡って良好な特性を有し、高速化及びフルカラー化に充分に対応できる電子写真現像剤に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法に使用される二成分系現像剤はトナーとキャリアとにより構成されており、キャリアは現像剤ボックス内でトナーと混合攪拌され、トナーに所望の電荷を与え、電荷を帯びたトナーを感光体上の静電潜像に運び、トナー像を形成させる担体物質である。キャリアはトナー像を形成した後も、マグネットに保持され現像ロール上に残り、さらに再び現像ボックスに戻り、新たなトナー粒子と再び混合攪拌され、一定期間繰り返し使用される。
【0003】
この二成分系現像剤は、一成分系現像剤と異なり、キャリアが、トナー粒子を攪拌し、トナー粒子に所望の帯電性を付与すると共に、トナーを搬送する機能を有しており、現像剤設計において制御性がよいため、特に高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機の分野に広く使用されている。
【0004】
このような二成分系電子写真現像剤においては、従来、キャリアとして酸化皮膜鉄粉、樹脂被覆鉄粉等の鉄粉系キャリアが用いられていた。例えば特許文献1(特開平6−19214号公報)には、キャリア芯材として鉄粉及び球形フェライトの混合物を用い、被覆樹脂は2層からなり、下層被覆材がポリアミドイミド樹脂を含む四フッ化エチレン系樹脂であり、表面被覆材が四フッ化エチレンパーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂であるフルカラー複写機用キャリアが記載されている。
【0005】
特許文献1に記載されているような鉄粉系キャリアは、一粒子の真比重が大きいため、現像機内でのストレスが大きく、その長寿命化が困難である。また、2層からなる樹脂被覆キャリアは、層間剥離の問題が生じる。
【0006】
そこで、鉄粉系キャリアに比べて真比重が小さい、Cu−Znフェライト、Ni−Znフェライト等のフェライトキャリアが用いられている。また、これらのフェライトキャリアは従来の鉄粉系キャリアに比べ高画質画像を得るのに有利な特質を多く持っている。
【0007】
これらフェライトキャリアとしては球状のものが一般に用いられている。しかし、球状フェライトキャリアのみでは、耐トナースペント性に劣るため、近年の高耐久化に対応できなくなっている。
【0008】
このため、フェライト粒子をキャリア芯材とし、その表面に樹脂を被覆した樹脂被覆フェライトキャリアが用いられている。ここに用いられる被覆樹脂としては、シリコーン樹脂やフッ素エポキシ樹脂等が用いられている。
【0009】
しかし、シリコーン樹脂を被覆した樹脂被覆フェライトキャリアにおいては、連続印刷における機内温度上昇に伴う、帯電量変化により、カブリ及びキャリア付着の発生が問題となった。また、フッ素エポキシ樹脂を被覆した樹脂被覆キャリアにおいては、耐刷に伴うトナースペントによる帯電低下により、トナーの飛散及びカブリの発生が問題となり、また経時において帯電量も低下し、耐久性に劣る。また、フッ素エポキシ樹脂を用いる場合には、溶剤はメチルイソブチルケトンのような臭気強度の強い有機溶剤を含む必要があるが、この場合には製造時に異臭等の問題があった。
【0010】
このため、被覆樹脂としてフッ素系樹脂を用いることが提案されている。特許文献2(特開昭55−67754号公報)には、ポリテトラフルオロエチレン5〜55%、フッ素化されたポリエチレンプロピレン5〜55%、ポリ(アミド─イミド)からなる樹脂系被覆によってコアが覆われているキャリアを用いた現像剤が記載されている。
【0011】
しかし、特許文献2で用いられるキャリア芯材はキャリアビーズであり、フェライト粒子ではない。また、特許文献2で用いられる被覆樹脂は、ポリテトラフロロエチレンを含むものであり、ポリテトラフロロエチレンを含む樹脂をキャリア芯材に被覆した場合には、被覆樹脂は粘土状となり、良好な被覆が得られない。このため、このような樹脂被覆キャリアを用いた現像剤は、種々の特性が劣ったものとなる。
【0012】
また、特許文献3(特開昭54−126040号公報)には、キャリア芯材の表面にフルオロポリマーより低融点で誘電率の大きな樹脂を含む中間層を介してフルオロポリマーを含む材料からなる外皮層を設けた電子写真現像剤用キャリア材が記載されています。そして、中間層としてポリアミド樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂が例示されている。
【0013】
しかし、この特許文献3においても用いられるキャリア芯材は鋼ビーズであり、フェライト粒子ではない(実施例参照)。また、2層からなる樹脂被覆キャリアは、層間剥離の問題が生じ、しかもポリアミドイミド樹脂を被覆樹脂の成分として用いるものでもない。
【0014】
このように、樹脂被覆キャリアを用いる試みは種々なされているが、均一な被覆がなされ、また異臭等の問題を生じず、しかも電子写真現像剤としたときに長期にわたって良好な種々の特性を有する樹脂被覆キャリアは得られてない。
【0015】
一方、特許文献4(特開2002−148869号公報)には、樹脂コートキャリアの被覆樹脂層が、フッ素樹脂、バインダー樹脂及び特定比表面積及び特定平均粒径を有するシリカ粒子を含む樹脂コートキャリアが記載されている。このシリカ粒子は、フッ素樹脂との相乗作用により、キャリア表面へのトナーによるスペントが防止され、シリカ粒子によりキャリアの流動性が良好となるとされている。
【0016】
しかし、この特許文献4においても、上記したのと同様に、均一な被覆がなされ、また異臭等の問題を生じず、しかも電子写真現像剤としたときに長期にわたって良好な種々の特性を有する樹脂被覆キャリアは得られてない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平6−19214号公報
【特許文献2】特開昭55−67754号公報
【特許文献3】特開昭54−126040号公報
【特許文献4】特開2002−148869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、本発明の目的は、均一な樹脂被覆が得られる樹脂被覆フェライトキャリア及びその製造方法、並びに該樹脂フェライトキャリアを用い、長期に渡り帯電安定性及び画質安定性に優れ、しかもカブリやキャリア付着も少なく、また画像濃度及び環境依存性も良好な、高速化及びフルカラー化に充分に対応できる電子写真現像剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者らは、鋭意検討の結果、バインダー樹脂を有機系溶剤に溶解した樹脂溶液に、特定のフッ素系樹脂及び酸化ケイ素を分散させることによって得られた樹脂含有溶液によって、フェライト粒子(キャリア芯材)の表面を被覆することによって、上記目的が達成し得ることを知見し、本発明に至った。
【0020】
すなわち、本発明は、フェライト粒子の表面が、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体からなるフッ素樹脂と無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノフェニルメタンとの共重合体からなるポリアミドイミド樹脂との混合樹脂で被覆されており、該混合樹脂が酸化ケイ素を含有しており、該混合樹脂が無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノフェニルメタンとの共重合体からなるポリアミドイミド樹脂を有機系溶剤に溶解した樹脂溶液に、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体からなるフッ素樹脂と酸化ケイ素とを分散させて樹脂含有溶液を調製し、該樹脂含有溶液を用いることにより得られることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアを提供するものである。
【0021】
本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリアにおいて、上記混合樹脂中の上記フッ素樹脂と上記ポリアミドイミド樹脂との混合重量比が9:1〜6:4であることが好ましい。
【0022】
本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリアにおいて、また、上記酸化ケイ素を混合樹脂中に0.1〜5重量%含有することが好ましい。
【0023】
本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリアにおいて、上記混合樹脂の被覆量が、上記フェライト粒子に対して0.01〜10重量%であることが好ましい。
【0024】
また、本発明は、無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノフェニルメタンとの共重合体からなるポリアミドイミド樹脂を有機系溶剤に溶解した樹脂溶液に、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体からなるフッ素樹脂と酸化ケイ素とを分散させて樹脂含有溶液を調製し、該溶液を用いてフェライト粒子表面に上記ポリアミドイミド樹脂と上記フッ素樹脂との混合樹脂を被覆することを特徴とする上記電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアの製造方法を提供するものである。
【0025】
また、本発明、上記樹脂被覆フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリアの製造方法によって、キャリア粒子表面に均一な樹脂被覆が得られる。また、本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤は、長期に渡り帯電安定性及び画質安定性に優れ、しかもカブリやキャリア付着も少なく、また画像濃度及び環境依存性も良好である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】初期の画像評価及び100K後の画像評価結果をまとめた一覧表である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0029】
<本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリア>
本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリアは、フェライト粒子(キャリア芯材)の表面が、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体からなるフッ素樹脂と無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノフェニルメタンとの共重合体からなるポリアミドイミド樹脂との混合樹脂で被覆されている。この混合樹脂の調製方法については後述する。
【0030】
本発明に用いられるフェライト粒子(キャリア芯材)としては、その組成は特に限定されないが、好ましくは化1に示す下記式(1)の組成を有するものである。
【0031】
【化1】

【0032】
また、上記(1)式中の(MnO)及び/又は(MgO)の一部を、SrO、LiO、CaO、TiO、CuO、ZnO、NiO、Bi、ZrOから選ばれる1種類以上の酸化物で置換してもよい。
【0033】
このような特定組成のフェライト粒子は、磁化が高く、磁化の均一性がよいため(磁化のばらつきが少なく)、本発明において好ましく用いられる。
【0034】
本発明に用いられる4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体(以下、場合によりFEPと称する)は、融点250〜270℃のフッ素樹脂である。また、本発明に用いられる4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、場合によりPFAと称する)は、融点300〜310℃のフッ素樹脂である。
【0035】
本発明に用いられるポリアミドイミド樹脂はバインダー樹脂として用いられるもので、無水トリメリット酸と4,4′─ジアミノジフェニルメタンとの共重合体が用いられる。このような共重合体の平均分子量は代表的には15000〜30000、好ましくは20000〜25000である。このようなポリアミドイミド樹脂をバインダー樹脂として用いることにより、現像剤に高帯電性や機内環境変化に対する安定性、良好な耐スペント性を付与する。
【0036】
上記混合樹脂中のフッ素樹脂(4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体(FEP)又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA))とポリアミドイミド樹脂(無水トリメリット酸と4,4′─ジアミノジフェニルメタンとの共重合体)との混合重量比は、好ましくは9:1〜6:4であり、さらに好ましくは8:2〜6:4である。フッ素樹脂(FEP又はPFA)とポリアミドイミド樹脂(無水トリメリット酸と4,4′─ジアミノジフェニルメタンとの共重合体)の混合重量比において、フッ素樹脂(FEP又はPFA)が上記範囲より混合量が少ないと耐スペント性及び帯電安定性が悪化し、上記範囲より混合量が多いと耐久性が低下する。
【0037】
本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリアにおいては、混合樹脂中に酸化ケイ素を含有する。混合樹脂中に酸化ケイ素を含有することによって、均一な樹脂皮膜が得られ、コア粒子との密着性が向上する。酸化ケイ素の含有量は、混合樹脂中、好ましくは0.1〜5重量%である。酸化ケイ素の含有量が0.1重量%未満では含有効果がなく、5重量%を超えると耐久性が低下する。
【0038】
上記混合樹脂の被覆量は、上記フェライト粒子(キャリア芯材)に対して、好ましくは0.01〜10重量%であり、0.3〜7重量%がさらに好ましい。最も好ましくは0.5〜5重量%である。被覆量が0.01重量%未満ではキャリア表面に均一な被覆層を形成することが難しく、また10重量%を超えるとキャリア同士の凝集が発生してしまい、歩留まり低下等の生産性の低下と共に、実機内での流動性あるいは帯電量等の現像剤特性変動の原因となる。
【0039】
本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリアは、球状であることが望ましく、その平均粒径は、好ましくは20〜100μmであり、さらに好ましくは30〜70μmである。平均粒径が20μm未満であると、キャリア付着が発生しやすくなり、白斑の原因となる。また、100μmを超えると、画質が粗くなり、所望の解像度が得られにくくなる。
【0040】
また、上記被覆樹脂中には、帯電制御剤としてシランカップリング剤を含有することができる。使用できるカップリング剤の種類は特に限定されないが、負極性トナーの場合はアミノシランカップリング剤が、正極性トナーの場合はフッ素系シランカップリング剤が好ましい。
【0041】
また、上記被覆樹脂中には、導電性微粒子を添加することができる。導電性微粒子としては、導電性カーボンや酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤等が挙げられる。
【0042】
<本発明に係る現像剤用フェライトキャリアの製造方法>
次に、本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリアの製造方法について説明する。
【0043】
先ず、所定組成となるように、フェライト原料を適量秤量した後、ボールミル又は振動ミル等で0.5時間以上、好ましくは1〜20時間粉砕、混合する。このようにして得られた粉砕物を加圧成型器等によりペレット化した後、700〜1200℃の温度で仮焼成する。加圧成型器を使用せずに、粉砕した後、水を加えてスラリー化し、スプレードライヤーを用いて粒状化しても良い。また見掛け密度を下げたい場合は仮焼成の工程は省いてもよい。
【0044】
仮焼成後、さらにボールミル又は振動ミル等で粉砕した後、水及び必要に応じ分散剤、バインダー等を添加し、粘度調整後、造粒し、酸素濃度を制御し、1000〜1500℃の温度で1〜24時間保持し、本焼成を行う。仮焼後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミルや湿式振動ミル等で粉砕してもよい。
【0045】
このように本焼成して得られた焼成物を、粉砕し、分級する。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法等を用いて所望の粒径に粒度調整する。
【0046】
その後、必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化被膜処理を施し、電気抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば、300〜700℃で熱処理を行う。この処理によって形成された酸化被膜の厚さは、0.1nm〜5μmであることが好ましい。0.1nm未満であると、酸化被膜層の効果が小さく、5μmを超えると、磁化が低下したり、高抵抗になりすぎるため、現像能力が低下する等の不具合が発生しや易くなる。また、必要に応じて、酸化被膜処理の前に還元を行ってもよい。
【0047】
次いで、上記フェライト粒子(キャリア芯材)の表面に、フッ素樹脂(FEP又はPFA)とポリアミドイミド樹脂(無水トリメリット酸と4,4′─ジアミノジフェニルメタンとの共重合体)とからなる混合樹脂(被覆樹脂)を被覆する。本発明に係る製造方法では、上記ポリアミドイミド樹脂(無水トリメリット酸と4,4′─ジアミノジフェニルメタンとの共重合体)を有機系溶剤に溶解した樹脂溶液に、上述したフッ素樹脂(FEP又はPFA)と酸化ケイ素を分散させて樹脂含有溶液を調製し、該溶液を用いて上記フェライト粒子の表面に上記混合樹脂を被覆する。有機系溶剤としてはメチルエチルケトン等が挙げられる。
【0048】
被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能攪拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。
【0049】
樹脂をキャリア芯材に被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。
【0050】
<本発明に係る電子写真現像剤>
本発明に係る電子写真現像剤について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤は、上記した樹脂被覆キャリアとトナーとからなる。
【0051】
本発明の現像剤を構成するトナー粒子には、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナー粒子を使用することができる。
【0052】
粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
【0053】
粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、さらにはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独または混合して用いられる。
【0054】
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
【0055】
着色剤(色剤)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナー粒子に応じて加えることができる。
【0056】
重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナー粒子である。このような重合法トナー粒子は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナー粒子を得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナー粒子に外添剤を添加する。
【0057】
さらに、この重合トナー粒子を製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
【0058】
上記重合トナー粒子の製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
【0059】
上記重合トナー粒子の調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
【0060】
上記重合トナー粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
【0061】
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。さらに、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
【0062】
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01〜10重量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤の使用量は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナー粒子の環境依存性にも影響を及ぼすことから、単量体の分散安定性が確保され、かつ重合トナー粒子の環境依存性に過度の影響を及ぼしにくい上記範囲内の量で使用することが好ましい。
【0063】
重合トナー粒子の製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれをも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
【0064】
また、本発明において連鎖移動剤を使用する場合には、この連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を挙げることができる。
【0065】
さらに、本発明で使用する重合トナー粒子が、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
【0066】
また、本発明で使用する重合トナー粒子が、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
【0067】
また、重合トナー粒子の流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
【0068】
さらに、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
【0069】
上記のようにして製造されたトナー粒子の平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜10μmの範囲内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナー粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー粒子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低下しカブリやトナー飛散を引き起こし易く、15μmを超えると、画質が劣化する原因となる。
【0070】
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し、電子写真用現像剤を得ることができる。キャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は、3〜15%に設定することが好ましい。3%未満であると所望の画像濃度が得にくく、15%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生し易くなる。
【0071】
上記のように調製された現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
【0072】
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
【実施例1】
【0073】
<キャリア製造実施例1>
MnO換算で39.7mol%、MgO換算で9.9mol%、Fe換算で49.6mol%、SrO換算で0.8mol%になるように各原材料を適量配合し、水を加え、湿式ボールミルで10時間粉砕、混合し、乾燥させ、950℃で4時間保持した後、湿式ボールミルで24時間粉砕を行ったスラリーを造粒乾燥し、酸素濃度2%雰囲気の中で1270℃、6時間保持した後、解砕、粒度調整を行い、マンガン系フェライト粒子(キャリア芯材)を得た。このマンガンフェライト粒子は、平均粒径が35μmであり、印加磁場が3000(10/4π・A/m)の時の飽和磁化が70Am/kgであった。
【0074】
次に、ポリアミドイミド樹脂(無水トリメリット酸と4,4′─ジアミノジフェニルメタンとの共重合体)をメチルエチルケトンで希釈し、樹脂溶液を調製し、次いでフッ素樹脂としての4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体(FEP)を分散させ、さらに酸化ケイ素(樹脂全体量の2重量%)を分散させた被覆層形成液を固形分換算で150g得た。この時の樹脂溶液の固形分比は10重量%であった。この際のポリアミドイミド樹脂とFEPの重量組成比は2/8であった。この被覆層形成液を用い、上記フェライト粒子10kgと共に流動床被覆装置に投入して被覆を行った。その後、250℃で1時間、焼付けを行い、樹脂被覆量1.5重量%の樹脂被覆フェライトキャリア1を製造した。
【0075】
<現像剤製造実施例1>
上記キャリア1とトナー1(京セラミタ社製KM−C2630トナー、色:マゼンタ、組成:ポリエステル、製法:粉砕法)とを用い、トナー濃度6重量%の現像剤Aを調製し、評価機としてKM−C2630(京セラミタ社製)を用い、初期及び100K後の画像評価を行った。初期の画像評価は、帯電量、トナー濃度、画像濃度、カブリ、画質及びキャリア付着について行い、100K後の画像評価は、帯電量、トナー濃度、画像濃度、カブリ、画質、環境依存性及びキャリア付着について行った。結果を図1に一覧表にして示す。また、評価方法を下記に示す。
【0076】
(帯電量)
Epping社製Q/Mメーターを使用して測定した。
【0077】
(画像濃度)
適正露光条件下で現像を行い、ベタ部の画像濃度を日本平版機材社製X−Rite938によって測定し、ランク付けを行った。画像濃度目標値は1.25以上である。
【0078】
(カブリ)
日本電色工業社製色差計Z−300Aを使用して測定した。カブリ目標値は5以下である。
【0079】
(画質)
適正露光下で現像を行い、画質評価を目視によって判定し、下記の基準で評価した。
○:良好
△:実用レベルでの使用は問題なし
×:使用不可
【0080】
(キャリア付着)
適正露光条件下で現像を行い、画像上のキャリア付着、白斑のレベルを目視によって判定し、下記の基準で評価した。
○:良好
△:実用レベルでの使用は問題なし
×:使用不可
【0081】
(環境依存性)
L/L及びH/H環境下において、適正露光下で現像を行い、画質評価を目視によって判定し、下記の基準で評価した。
○:良好
△:実用レベルでの使用は問題なし
×:使用不可
【比較例】
【0082】
(比較例1)
<キャリア製造比較例2>
実施例1と同様の方法でフェライト粒子を製造し、フッ素樹脂としてFEPに代えてテトラフロロエチレン樹脂(PTFE)を用い、溶剤としてメチルエチルケトンに代えて水を用いた以外は、実施例1と同様にして混合樹脂をキャリア粒子の表面に被覆し、樹脂被覆量1.5重量%の樹脂被覆フェライトキャリア2を製造した。
【0083】
<現像剤製造比較例2>
上記キャリア2と実施例1で使用したのと同様のトナー1とを用い、トナー濃度6重量%の現像剤Bを調製し、実施例1と同様に初期及び100K後の画像評価を行った。結果を図1の一覧表に示す。
【0084】
(比較例2)
<キャリア製造比較例3>
実施例1と同様の方法でフェライト粒子を製造し、バインダー樹脂としてポリアミドイミド樹脂に代えてエポキシ樹脂を用いた以外は、比較例1と同様にして混合樹脂をキャリア粒子の表面に被覆し、樹脂被覆量1.5重量%の樹脂被覆フェライトキャリア3を製造した。
【0085】
<現像剤製造比較例3>
上記キャリア3と実施例1で使用したのと同様のトナー1とを用い、トナー濃度6重量%の現像剤Cを調製し、実施例1と同様に初期及び100K後の画像評価を行った。結果を図1の一覧表に示す。
【0086】
(比較例3)
<キャリア製造比較例4>
実施例1と同様の方法で製造したフェライト粒子に扁平鉄粉を混合(重量比40/60)してキャリア芯材を製造した。
【0087】
次に、このキャリア芯材の表面に、比較例1と同様に混合樹脂を被覆し、樹脂被覆量1.5重量%の樹脂被覆フェライトキャリア4を製造した。
【0088】
<現像剤製造比較例4>
上記キャリア4と実施例1で使用したのと同様のトナー1とを用い、トナー濃度6重量%の現像剤Dを調製し、実施例1と同様に初期及び100K後の画像評価を行った。結果を図1の一覧表に示す。
【0089】
(比較例4)
<キャリア製造比較例5>
実施例1と同様の方法で製造したフェライト粒子に球状マグネタイトを混合(重量比20/80)してキャリア芯材を製造した。
【0090】
次に、このキャリア芯材の表面に、比較例1と同様に混合樹脂を被覆し、樹脂被覆量1.5重量%の樹脂被覆フェライトキャリア5を製造した。
【0091】
<現像剤製造比較例5>
上記キャリア5と実施例1で使用したのと同様のトナー1とを用い、トナー濃度6重量%の現像剤Eを調製し、実施例1と同様に初期及び100K後の画像評価を行った。結果を図1の一覧表に示す。
【0092】
(比較例5)
<キャリア製造比較例6>
実施例1と同様の方法でフェライト粒子を製造し、樹脂中に酸化ケイ素を添加しない以外は、比較例1と同様の方法で樹脂被覆量1.5重量%の樹脂被覆フェライトキャリア6を製造した。
【0093】
<現像剤製造比較例6>
上記キャリア6と実施例1で使用したのと同様のトナー1とを用い、トナー濃度6重量%の現像剤Fを調製し、実施例1と同様に初期及び100K後の画像評価を行った。結果を図1の一覧表に示す。
【0094】
実施例と比較例との対比:図1の一覧表から明らかなように、実施例1は、経時においても高い帯電量を維持し、カブリ、画質、環境依存性及びキャリア付着も良好である。これに対して、比較例1〜4は、経時において帯電量が低下し、カブリ、画質及び環境依存性等に劣ったものとなる。また、樹脂中に酸化ケイ素を含有しない比較例5は、被膜が均一に形成されないため、耐久性が劣ったものと思われる。なお、実施例1は、フッ素樹脂としてFEPを用いたものであるが、フッ素樹脂としてPFAを用いた場合にも同様な結果が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリアの製造方法によって、キャリア粒子表面に均一な樹脂被覆が得られる。また、本発明に係る樹脂被覆フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤は、長期に渡り帯電安定性及び画質安定性に優れ、しかもカブリやキャリア付着も少なく、また画像濃度及び環境依存性も良好である。
従って、本発明に係る電子写真現像剤は、複写機、プリンター等の用途に用いられ、現像機の高速化及びフルカラー化に充分対応することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フェライト粒子の表面が、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体からなるフッ素樹脂と無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノフェニルメタンとの共重合体からなるポリアミドイミド樹脂との混合樹脂で被覆されており、該混合樹脂が酸化ケイ素を含有しており、該混合樹脂が無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノフェニルメタンとの共重合体からなるポリアミドイミド樹脂を有機系溶剤に溶解した樹脂溶液に、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体からなるフッ素樹脂と酸化ケイ素とを分散させて樹脂含有溶液を調製し、該樹脂含有溶液を用いることにより得られることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア。
【請求項2】
上記混合樹脂中の上記フッ素樹脂と上記ポリアミドイミド樹脂との混合重量比が9:1〜6:4である請求項1に記載の電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア。
【請求項3】
上記酸化ケイ素を混合樹脂中に0.1〜5重量%含有する請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア。
【請求項4】
上記混合樹脂の被覆量が、上記フェライト粒子に対して0.01〜10重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリア。
【請求項5】
無水トリメリット酸と4,4’−ジアミノフェニルメタンとの共重合体からなるポリアミドイミド樹脂を有機系溶剤に溶解した樹脂溶液に、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合体又は4フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体からなるフッ素樹脂と酸化ケイ素とを分散させて樹脂含有溶液を調製し、該溶液を用いてフェライト粒子表面に上記ポリアミドイミド樹脂と上記フッ素樹脂との混合樹脂を被覆することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂被覆フェライトキャリアの製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂被覆フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。

【図1】
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【公開番号】特開2011−8298(P2011−8298A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−225710(P2010−225710)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【分割の表示】特願2005−319895(P2005−319895)の分割
【原出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000231970)パウダーテック株式会社 (91)
【Fターム(参考)】