説明

電子写真用帯電ローラ

【課題】高画質、高耐久化に対応し、均一化分散の精度向上させることで電気的特性が良好で、簡便かつ精度よく制御可能な電子写真用帯電ローラを提供する。
【解決手段】導電性支持体の外周上に形成された導電性弾性層の外周上に被覆層用塗工液を塗工して形成した被覆層を有する電子写真用帯電ローラであって、該塗工液は、アグリゲート径Aが100nm以上300nm以下であるカーボンブラックと一次粒径Bが50nm以下である絶縁性粒子を含有し、かつ、レーザ回折/散乱法又は動的光散乱法で測定した粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度が3%以上50%以下であることを特徴とする電子写真用帯電ローラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性支持体の外周面上に形成された導電性弾性層の外周面上に形成された被覆層を有する電子写真用帯電ローラ。
【背景技術】
【0002】
プリンタ・複写機等の電子写真装置においては、表面に電荷を担持するドラム等の感光体が設けられ、担持した電荷のうちの一部が除電されることで、感光体表面に静電潜像が形成される。現像は、静電潜像に帯電したトナーが供給されることで行われる。こうして得られた感光体上のトナー像が紙に転写され、定着されることで電子写真装置における画像の出力が完了する。
【0003】
従来、感光体表面がコロナ放電で均一に帯電されることにより、出力画像は濃度の均一性が得られていた。しかし、コロナ放電方式は、例えば6kV乃至10kVの高電圧を要し、エネルギー効率が悪い上、安全保守の点からも望ましくない。その上、有害なオゾンやNOxを発生させることも環境衛生上問題となっている。このため、近年は、消費電力が節減され、有害物質の発生も極力抑制された、低い印加電圧でよい帯電方式への切り替えが進んでいる。接触式の帯電ローラを用いる方式はその1つである。帯電ローラは感光体に接触する部分の近傍でコロナ放電して、感光体を帯電させることができるので、極僅かなオゾンの発生で済む。
【0004】
この方式では、発生するコロナの量はコロナ放電方式に比べれば僅かであるが故に、帯電ローラには物性上、非常に高い、導電性が均一であることが求められている。しかし、帯電ローラに求められている導電性の均一性を達成することは容易でない。そこで、導電性の均一性が要求水準として不十分でもあっても、感光体を均一に帯電することが可能となるように電源部に工夫を凝らすことが試みられ、交流と直流の重畳電圧によって帯電させる方式が実用化されている。
【0005】
この帯電方式は帯電の均一性を確保するため、直流電圧印加時における帯電開始電圧の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧を、直流電圧に付加(重畳)したものである。これにより帯電ローラに要求される導電性に対する均一性はだいぶ緩和される。しかし、直流電圧だけを印加するDC帯電方式に比べ、電子写真装置に交流電源を設けるためのコストが余分に掛かってしまう。取り分け、最近はコスト低減の要求が強いので、より良いDC帯電方式についての提案も数多く行われている(特許文献1参照)。
【0006】
その上、最近の電子写真装置はさらに高速での高画質が求められ、帯電ローラは極僅かな放電量の揺らぎであっても均一に感光体を帯電できなければならない。しかし、現状の帯電ローラでこのような要求水準を満足する、高い、帯電の均一性を獲得することは非常に困難である。
【0007】
そこで、帯電性能の不足を補うために、感光体を帯電する前にレーザ光を照射して直前の画像出力で残った電荷を完全に除去する前露光という機構も提案されているが、こうすると画像の出力に余分な時間が掛かってしまう。結局、帯電ローラの帯電能力が充分で且つ均一なものでなければならず、そのためには数ある特性の中でも電気的特性の均一化は必須である。このような電気的特性の均一性を得るためには、少なくとも帯電ローラの表面において導電剤が可能な限り均一に分散されていることが必要である。
【0008】
そこで、帯電ローラの抵抗を容易に調整するため、ローラ外周に設けた抵抗制御層(本明細書中では、「被覆層」、「表面層」ともいう)中に導電フィラーと絶縁性フィラーを併用する方法が提案されている(特許文献2参照)。
【0009】
また、この抵抗制御層を、その構成に必要な材料である導電剤やバインダーを溶剤中に溶解又は分散させた塗工液を調製しておき、ディップ方式やスプレー方式などにより、該塗工液を導電性弾性ローラ外周にコートする方法がよく採用されている。しかし、帯電ローラには、さらなる高画質、高耐久化に対応するため、導電剤やバインダーがより均一に分散していることが求められている。
【特許文献1】特開平5−341627号公報
【特許文献2】特開平7−20685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明は、カーボンブラックと絶縁性粒子を含有する被覆層を有し、かつ、高画質、高耐久化に対応した、電気的特性が良好である電子写真用帯電ローラを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、塗工液に配合する粒子の粒径と共に、該塗工液中の粒子の粒度分布を特定の粒径測定方法により測定したときに、塗工液がある粒度分布を有することが、電気的特性が均一である被覆層を容易に形成できることを見出し、ついに発明に至った。
【0012】
すなわち、本発明は、導電性支持体の外周上に形成された導電性弾性層の外周上に被覆層用塗工液を塗工して形成した被覆層を有する電子写真用帯電ローラであって、該塗工液は、アグリゲート径Aが100nm以上300nm以下であるカーボンブラックと一次粒径Bが50nm以下である絶縁性粒子を含有し、かつ、レーザ回折/散乱法又は動的光散乱法で測定した粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度が3%以上50%以下であることを特徴とする電子写真用帯電ローラである。
【0013】
また、本発明は、前記塗工液をレーザ回折/散乱法又は動的光散乱法で測定した粒度分布で、カーボンブラックのアグリゲート径Aと絶縁性粒子の一次粒径Bとの相加平均値{(A+B)/2}以下の粒径に計測される頻度が5%以下であることを特徴とする上記電子写真用帯電ローラである。
【0014】
さらに、本発明は、前記絶縁性粒子の屈折率が、1.5以上であることを特徴とする上記電子写真用帯電ローラである。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、表面の均一性が向上した、高画質、高耐久化に対応した、電気的特性が良好でドラムリークし難い、電子写真用帯電ローラが提供される。また、本発明により、カーボンブラックと絶縁性粒子が被覆層用塗工液中に均一に分散しているか否かが容易にモニターできるので、簡便かつ精度よく電気抵抗が制御された電子写真用帯電ローラが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
[電子写真用帯電ローラ]
図1は、本発明の電子写真用帯電ローラの一例の概略断面図である。なお、(a)は導電性支持体に直交する断面図であり、(b)は導電性支持体に沿う断面図である。
【0018】
図1において、1は導電性支持体であり、その外周面上に導電性の弾性体層2が形成されている。さらに、該弾性体層2の外周面上に被覆層3が形成されている。
【0019】
[導電性支持体]
導電性支持体1を構成する材料として、少なくとも表面が導電性であり、剛直なものであればいずれの材料ででも使用できる。例えば、鉄、アルミニウム、チタン、銅及びニッケル等の金属やステンレス、ジュラルミン、真鍮、青銅等の合金、更にカーボンブラックや炭素繊維をプラスチックで固めた複合材料等を挙げることができる、また、形状としては、円柱形状の他に、中心部分を空洞とした円筒形状とすることもできる。なお、導電性支持体として、導電性、剛性等から、例えば、炭素鋼円柱の表面に厚さ5μm程度のニッケルメッキを施したものが好ましい。また、導電性支持体の径としては、帯電ローラとしての強度が保たれれば特に制限されないが、通常、3mm乃至30mm、好ましくは4mm乃至20mmが適当である。
【0020】
[弾性体層]
本発明では、弾性体層2は、ゴム等の弾性材料中に導電性材料を添加して均一に混合した導電性を有するものを、上記導電性支持体1の外周面上に少なくとも1層が形成されている。なお、弾性体層2は導電性、弾性等を調整するために、それぞれの機能を有する層が複数重ねて形成されていても良い。また、弾性体層2の硬さは、帯電ローラとして通常使用される弾性体層と同様でよく、例えば、マイクロゴム硬さで20度乃至80度が適当である。マイクロゴム硬さは、高分子計器株式会社製のマイクロゴム硬度計MD−1(商品名)等のゴム硬度計を用いて測定できる。
【0021】
弾性体層に用いる弾性材料としては、一般に電子写真用導電性ローラの弾性体層として使われるものが支障なく使用できる。具体的には、下記の樹脂類やゴム材料を挙げることができる。ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂などの樹脂類。EPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴムなどのゴム材料。
【0022】
この弾性材料に添加する導電性材料として、カーボンブラック、グラファイト、金属粉、導電性絶縁性粒子等の電子伝導機構を有する導電性粒子や、アルカリ金属塩、四級アンモニウム塩等のイオン伝導機構を有する導電性材料を挙げることができる。これらの導電性材料は、単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。弾性体層の電気抵抗は1010Ω・cm未満に調整されるのが好ましい。これらの導電性材料の配合量は弾性材料100質量部に対し、好ましくは0.1質量部乃至100質量部である。なお、電気抵抗が上記範囲にすることが可能な弾性材料、例えばエピクロルヒドリンゴム、NBRなどを用いる時は、導電性材料を改めて添加する必要は無い。
【0023】
また、これら弾性材料に対して、加硫剤や加硫促進剤、炭酸カルシウムなどの充填剤、可塑剤、難燃剤、老化防止剤、発泡剤、シランカップリング剤、高分子系分散剤、顔料誘導体及び界面活性剤などを適宜配合することができる。配合量は配合成分により異なり、例えば、可塑剤や界面活性剤では、ブリードなどによる感光体の汚染を防ぐため、通常、弾性材料100質量部に対し、20質量部以下とすることが望ましい。
【0024】
これらの材料を均一に混合するには、例えば、プラネタリーミキサー、ニーダー、2本ロールなどの混合機や混練機を用いることが好ましい。
【0025】
上記混合機や混練機を用いて混合し均一に分散して得られた材料を、予め所定の膜厚に形成されたシート形状又はチューブ形状に成形し、これを導電性支持体の外周面上に接着又は被覆することにより弾性体層を形成することができる。また、押出成形法によって導電性支持体の外周面上に弾性体層を形成した後、研磨などによって形を整える方法であってもよい。導電性支持体を配置したローラ成形型内に弾性体層を形成するための材料を注入し、硬化する方法であってもよい。さらに、弾性体層に用いる材料を溶剤と混合し、塗工液として導電性支持体に塗工した後乾燥して弾性体層を形成してもよい。この場合には、スプレー塗工、浸漬塗工などの塗工法によって行ってもよい。なお、弾性体層を複層とする際は、上記した方法を適宜組み合わせることができる。また、弾性体層の厚みとしては1mm乃至20mmの範囲とするのが適当である。
【0026】
弾性体層は、必要に応じて導電性支持体と接着剤を介して接着される。この場合、接着剤は導電性であることが好ましい。導電性とするため、接着剤には公知の導電材料を含有させることができる。接着剤のバインダーとしては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等の樹脂が挙げられ、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系、エポキシ系等の公知のバインダーを用いることができる。なお、接着剤層としては5μm乃至10μm程度とするのが適当である。
【0027】
[表面層]
導電性支持体の外周上に弾性体層を形成してローラを形成した後に、その外周上に表面層が塗工液として浸漬塗工、スプレー塗工、ロール塗工、リング塗工などにより塗工し、乾燥、硬化して形成される。
【0028】
この表面層の形成により電子写真用帯電ローラとしての導電性、表面粗さなどが調製されて、帯電性能向上や、弾性体層に含まれる感光体汚染物質が感光体表面へブリードするのが防止される。
【0029】
本発明では、この塗工液に、カーボンブラックと絶縁性粒子を含有させる。
【0030】
良導電性であるカーボンブラックは少量の添加により、帯電ローラの導電性付与できるため有用である。さらに絶縁性粒子を添加することにより、表面層の耐久性向上や導電性調整により帯電性能向上が図られる。
【0031】
そのためには、カーボンブラックと絶縁性粒子が塗工液中に均一に分散していることが必要であり、塗工液中のこれら成分、特にカーボンブラックの分散性を評価することが、良好な表面層形成にとり好ましいことである。しかし、カーボンブラックと絶縁性粒子とを含む塗工液では、既存の粒度分布計で計測しても、カーボンブラックと絶縁性粒子の分布領域が重なってしまい、導電性制御に最も重要なカーボンブラックの分散度の計測が困難である。
【0032】
本発明者らは、特定範囲の粒径のカーボンブラックを特定の絶縁性粒子と組み合わせを用いることにより、塗工液のレーザ回折/散乱法による粒度分布測定で明確にカーボンブラックの分散状況が把握でき、かつその分散性制御が可能であることを見出した。すなわち、表面層の導電性制御が容易に行えることを見出した。なお、塗工液の粒度分布測定はレーザ回折/散乱法以外にも動的光散乱法によっても構わない。
【0033】
ここで、特定範囲の粒径のカーボンブラックと特定の絶縁性粒子の組み合わせにより、レーザ回折/散乱法又は動的光散乱法による粒度分布の観察で、導電性制御が容易となるメカニズムは定かではないが、次のように推察している。
【0034】
レーザ回折/散乱法又は動的光散乱法で、分散粒子による光の回折/散乱状況を検出する粒度分布計では、分散粒子の径が小さくなるにつれ、光散乱(ミー散乱)が強くなる。すなわち、計測に使用する光として紫外線や可視光領域のレーザ光を使用したとき、その波長の1/2程度である100nm乃至300nmの粒径を有する分散粒子による光散乱強度が最も高くなる。しかし、100nmよりさらに粒径が小さくなると、レイリー散乱領域となり、微小粒子による光散乱は弱くなると共に粒径による情報が得られにくくなる。
【0035】
このような粒径による光の散乱状況の変動に対して、通常、体積頻度変換する際に補正され、適正な体積粒度分布として計算される。しかし、本発明で使用するように異なる材質の分散粒子が混在する塗工液においては、そのままでは体積頻度変換が適正に補正されにくい。
【0036】
そこで、カーボンブラックとして、通常アグリゲート径A(後記するストークスモード径)が30nm乃至300nmであるものの中から、波長感度が良好である100nm以上300nm以下の径を有するもの、すなわちミー散乱を強いものを選択して使用する。一方、絶縁性粒子として、塗工液中での分散経過と共に絶縁性粒子に基づくミー散乱強度が低下する一次粒径が50nm以下であるものを使用する。これにより、カーボンブラックと絶縁性粒子の併用においても分散経過とともにカーボンブラックに起因する分散度を識別測定することが可能となる。
【0037】
なお、一次粒径が50nmを超える絶縁性粒子では、未分散時には粒径が300nmを超えるものが発生し、かつ、絶縁性粒子自体のミー散乱が分散経過とともに一義的に低下しないことがある。
【0038】
ここで、塗工液中のカーボンブラックに起因する400nm以上の粗大粒子分の頻度が3%以上50%以下に、好ましくは10%以上30%以下に収まるように分散処理されていると、その塗工液から形成される帯電ローラの性能が良好となる。なお、400nm以上の粗大粒子分の頻度が50%超であると、接触帯電に際し、感光体表面のピンホールなどの欠陥に伴う、印字画像に黒いスジ状の画像不良(いわゆるピンホールリーク)が発生しやすくなる。一方、400nm以上の粗大粒子分の頻度が3%より小さいと、帯電ローラはその抵抗値が高くなり過ぎ、感光体が帯電不良になり、白いスジ状の画像不良となってしまうことがある。
【0039】
さらに、塗工液中の粒子の粒度分布を測定した時、カーボンブラックのアグリゲート径Aと絶縁性粒子の一次粒径Bとの相加平均値((A+B)/2)以下の粒径に計測される頻度が5%以下であると、その塗工液から形成される帯電ローラの性能が良好となる。これは、カーボンブラックが塗工液中で均一に分散していると共に、絶縁性粒子が均一に分散し、ミー散乱による計測可能な粒径以下になっている。
【0040】
さらに、絶縁性粒子は、屈折率が1.5以上であると散乱効率が高くなるため、この効果が効果的に検証できる。
【0041】
(カーボンブラックとアグリゲート径)
本発明に使用するカーボンブラックとしては、アセチレン法によるアセチレンブラック、ファーネス法によるファーネスブラック、シェル法のガス化炉による特殊カーボンブラック、ケッチェンブラック等の導電性カーボンブラック等が好ましい。その配合量は、表面層の導電性が適正にできるので、表面層原料の固形分の1乃至80質量%が好ましく、特に5乃至60質量%がより好ましい。
【0042】
カーボンブラックのアグリゲート径は、以下の方法により求められる、いわゆる凝集体径あるいはストークスモード径とも呼ばれているものである。これは、複数の1次粒子が連なって構成されているカーボンブラックの凝集体を、1つの粒子と見なした場合の粒径に相当するものである。通常、塗工液中でカーボンブラックを分散処理する場合、このアグリゲート径がカーボンブラックの理想分散最小粒径ということになる。
【0043】
本発明では、カーボンブラックのアグリゲート径は、遠心沈降法によるストークスモード径として測定する。なお、測定装置として、例えば、Brookhaven Instruments社製の遠心沈降式粒度分布測定装置を用いたとき、測定条件は以下のようである。
【0044】
少量の界面活性剤を含む10容量%エタノール水溶液50ml中にカーボンブラック10mgを超音波により分散させる。8000rpmの回転数でスピン液(純水)を10ml加えた後、1mlのバッファー液(10溶液%エタノール水溶液)を注入する。その後、カーボンブラック分散液0.5mlを注射器で加えて遠心沈降させてストークスモード径を計測する。
【0045】
(絶縁性粒子)
本発明では、絶縁性粒子として、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、ジルコン酸カリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム等を用いうる。
【0046】
絶縁性粒子の一次粒径は、二次凝集した粒子は除いた一次粒子のみを透過型電子顕微鏡(TEM)にて100個観察し、その投影面積を求め、得られた面積の円相当径を計算し、これを体積に転換して体積分布とし、その平均から求めたものである。
【0047】
絶縁性粒子の配合量としては、導電性の調製が上手く行えるので、表面層の質量に対して1乃至50質量%とすることが好ましく、特に5乃至30質量%とするとより好ましい。
【0048】
本発明に使用する塗工液には、適宜溶剤や塗工膜形成のためのバインダーを使用する。
【0049】
溶剤としては、具体的には、以下のものが挙げられる。メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;クロロホルム、塩化エチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合物など。
【0050】
バインダーとしては、具体的には、以下のものがあげられる。ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂等の樹脂類;EPDM、ポリブタジエン、天然ゴム、ポリイソプレン、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴム材料など。
【0051】
(粒度分布計)
本発明に使用する粒度分布計は、レーザ回折/散乱法又は動的光散乱法によるものであり、測定領域10乃至5000nm内で30以上の分割数で測定できるものであれば、既存のものが支障なく使用できる。具体的には、以下のものが市販されている。
レーザ回折/散乱法によるもの:島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2200(商品名、株式会社島津製作所)、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置Partica LA−950、同920、同750(いずれも商品名、株式会社堀場製作所)、マイクロトラック粒度分布測定装置MT3000、同HRA(いずれも商品名、日機装株式会社)、レーザ回折散乱法粒子径分布測定装置LS13 320(商品名、ベックマン・コールター社)、レーザ回折式粒度分布測定装置マスターサイザー2000(商品名、シスメックス株式会社)等。
また、動的光散乱法によるもの:島津ナノ粒子径分布測定装置SALD−7100(商品名、株式会社島津製作所)、動的光散乱式粒度分布測定装置LB−550(商品名、株式会社堀場製作所)、マイクロトラック粒度分布測定装置UPA、ナノトラック粒度分布測定装置UPA(いずれも商品名、日機装株式会社)、サブミクロン粒子アナライザーDelsaNano(商品名、ベックマン・コールター社)、動的光散乱式粒度分布計ゼータサイザーナノ(商品名、シスメックス株式会社)、動的光散乱式粒度分布計ELS-Z2(商品名、大塚電子株式会社)等。
【0052】
(表面層の形成)
上記表面層用原料を、溶剤に入れ、例えば、ビーズを用いたミルにより分散処理を行う。この分散処理途中で、上記粒度分布計にて、適宜カーボンブラックの分散状態を測定し、所定の分散状態になったときに、ビーズをろ別して塗工液を得る。得られた塗工液を、導電性支持体の外周面上に弾性体層が形成されたローラの弾性体層の外周面上に、浸漬塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、リング塗工法などにより塗工し、次いで、乾燥し、あるいはさらに硬化して、表面層を形成し、本発明の電子写真用帯電ローラを得る。
【0053】
本発明の電子写真用帯電ローラは、プリンタ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置(電子写真装置)の感光体を帯電するのに用いると、感光体の帯電が均一であり、感光体のピンホールがあっても問題が生ぜず、良好である。
【0054】
本発明の電子写真用帯電ローラを組み込んだ画像形成装置の一例の概略構成図を図2に示す。
【0055】
像担持体である感光体ドラム5は矢印の方向に回転しながら、帯電ローラ6によって一次帯電され、次に露光手段により露光11が照射され静電潜像が形成される。現像手段である現像ローラ4上の薄層になったトナーは、感光体ドラム5の表面と接触することによって、静電潜像が現像され、可視化したトナー像が形成される。本図では現像ローラ4上のトナーの帯電量を適正にするために、トナー帯電ローラ29を用いている。
【0056】
現像されたトナー像は、転写ローラ8と感光体ドラム5の間の転写部において、感光体ドラム5から紙等の被転写部材77に転写され、その後定着部9で熱と圧力により定着され、永久画像となる。なお、必要により、感光体ドラムに残った電荷が露光等により消去され、感光体ドラムはアース電位に戻される。その後、転写されなかった感光体ドラム上の転写残トナーは、クリーニングブレード10で除去される。
【0057】
現像ローラ4、トナー帯電ローラ29、帯電ローラ6及び転写ローラ8には画像形成装置の電源18、19、20及び22から、それぞれ電圧が印加され、所定の作動が担保されている。なお、28は現像ローラ4にトナーを供給するトナー搬送ローラであり、30は現像ローラ4上のトナーに摩擦帯電を与えると共に担持されるトナー量を規制する弾性規制ブレードである。また、31はトナー容器である。
【0058】
ここでは、帯電ローラ6には、電源20から電圧が印加される。なお、本発明の電子写真用帯電ローラを用いているので、印加電圧を直流電圧とすると、電源のコストを低く抑えることができ、交流電圧を用いたときには、発生する帯電音が発生しないという利点がある。
【0059】
印加する直流電圧であるとき、その絶対値は、空気の放電開始電圧と被帯電体表面(感光体表面)の一次帯電電位との和とすることが好ましい。通常空気の放電開始電圧は600〜700V程度、感光体表面の一次帯電電位は300〜800V程度であるので、具体的な一次帯電電圧としては900〜1500Vとする。
【実施例】
【0060】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。また、特に断らない限り、実施例中の「部」は質量部を示す。
【0061】
製造例1(弾性体層を有する原料ローラの製造)
エピクロルヒドリンゴム100部に、四級アンモニウム塩2部、炭酸カルシウム30部、酸化亜鉛5部及び脂肪酸5部を加え、60℃に調節した密閉型ミキサーにて10分間混練した。その中に、エーテルエステル系可塑剤15部を加え、20℃に冷却した密閉型ミキサーで更に20分間混練して、コンパウンドを調製した。このコンパウンドに、硫黄(加硫剤)1部と、加硫促進剤としてノクセラーDM(商品名、大内新興化学工業株式会社製)1部とノクセラーTS(商品名、大内新興化学工業株式会社製)0.5部を加え、20℃に冷却した2本ロールにて10分間混練した。
【0062】
得られた原料コンパウンドを、押出成型機にて直径6mm長さ252.5mmの金属製の導電性支持体と共に押し出し、導電性支持体の外周面上に未硬化の弾性体層を形成した。次いで、電気オーブン中で160℃1時間加熱して加硫し、その後、導電性支持体の両端部の不要な弾性体層を切り取り、さらに、φ8.5mmになるように研磨して、導電性支持体の外周面上に弾性体層を有する原料ローラを得た。
【0063】
実施例1
・アクリルポリオール溶液(有効成分70質量%、希釈溶媒としてキシレン30質量%含有) 100部
・イソシアネートA(イソホロンジイソシアネート(IPDI)、有効成分60質量%、希釈溶媒としてn−酢酸ブチル15質量%及びキシレン25質量%含有) 40部
・イソシアネートB(ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、有効成分80質量%、希釈溶媒として酢酸エチル20質量%含有) 30部
・カーボンブラック(アグリゲート径150nm) 30部
・SH28PA(シリコーンオイル、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)0.1部
・アルミナ・ジルコニア表面処理酸化チタン(一次粒径20nm、屈折率2.7)25部
・メチルイソブチルケトン 200部
以上の原材料をミキサーにより30分撹拌混合した後、φ0.8mmガラスビーズを分散メディアとした横型ビーズミル分散機にて分散処理を行った。この分散処理実施中の分散処理液の一部をサンプリングし、適正濃度になるようメチルイソブチルケトンにて希釈して、粒度分布計測を行った。このとき、粒径400nm以上に計測される頻度が10%乃至30%となるよう、分散処理時間で制御したところ、20時間で該頻度は20%であった。また、カーボンブラックのアグリゲート径150nmと絶縁性粒子の一次粒径20nmの相加平均である85nm以下の粒径に計測される頻度は2%であった。なお、粒度分布測定には、動的光散乱式の粒度分布計(マイクロトラックUPA(商品名))を用い、測定時間5分間で、測定を行い、得られた粒度分布からそれぞれ得られた測定結果を平均して、当該サンプルのデータとした。
【0064】
分散状態が適正になった塗工液からガラスビーズをろ別し、その300mlをメスシリンダーに取った。その中に、上記製造例1で作成した原料ローラを前記塗工液の表面に対して垂直状態に保持して、塗工液中に浸漬し、ディップ塗工した。その後、30分間室温(23℃)放置し、溶媒を蒸発させた。次いで、塗工液が塗布されたローラを160℃に調整した乾燥機中で1時間硬化反応させ、膜厚が18.5μmである表面層が形成された電子写真用帯電ローラを得た。
【0065】
実施例2
カーボンブラックとしてアグリゲート径が100nmであるものを、絶縁性粒子としてコロイダルシリカ(一次粒径40nm、屈折率1.4)を用い、ビーズ分散機での分散処理時間を18時間とする以外は、実施例1と同様にして、電子写真用帯電ローラを得た。なお、塗工液は粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度は22%であり、カーボンブラックのアグリゲート径と絶縁性粒子の一次粒径の相加平均である70nm以下の粒径に計測される頻度は3%であった。
【0066】
実施例3
カーボンブラックとしてアグリゲート径が300nmであるものを用い、ビーズ分散機での分散処理時間を35時間とすること以外は、実施例1と同様にして、電子写真用帯電ローラを得た。なお、塗工液は粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度は23%であり、カーボンブラックのアグリゲート径と絶縁性粒子の一次粒径の相加平均である160nm以下の粒に計測される頻度は5%であった。
【0067】
実施例4
絶縁性粒子として一次粒径50nm、屈折率2.7のアルミナ・シリカ表面処理酸化チタンを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電子写真用帯電ローラを得た。なお、塗工液は粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度は18%であり、カーボンブラックのアグリゲート径と絶縁性粒子の一次粒径の相加平均である100nm以下の粒径に計測される頻度は5%であった。
【0068】
実施例5
ビーズ分散機の分散処理時間を40時間とすること以外は、実施例1と同様にして、電子写真用帯電ローラを得た。なお、塗工液は粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度は3%であり、カーボンブラックのアグリゲート径と絶縁性粒子の一次粒径の相加平均である85nm以下の粒径に計測される頻度は1%であった。
【0069】
実施例6
ビーズ分散機の分散処理時間を9時間とすること以外は、実施例1と同様にして、電子写真用帯電ローラを得た。なお、塗工液は粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度は3%であり、カーボンブラックのアグリゲート径と絶縁性粒子の一次粒径の相加平均である85nm以下の粒径に計測される頻度は7%であった。
【0070】
比較例1
カーボンブラックとしてアグリゲート径が60nmであるものを用い、ビーズ分散機の分散処理時間を12時間とすること以外は、実施例1と同様にして、電子写真用帯電ローラを得た。なお、塗工液は粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度は20%であり、カーボンブラックのアグリゲート径と絶縁性粒子一次粒径の相加平均である40nm以下の累積体積頻度の値は7%であった。
【0071】
比較例2
絶縁性粒子として一次粒径180nm、屈折率2.7のアルミナ表面処理酸化チタンを用い、ビーズ分散機の分散処理時間を62時間とすること以外は、実施例1と同様にして、電子写真用帯電ローラを得た。なお、塗工液は粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度は21%であり、カーボンブラックのアグリゲート径と絶縁性粒子の一次粒径の相加平均である165nm以下の粒径に計測される頻度は33%であった。
【0072】
比較例3
ビーズ分散機の分散処理時間を60時間とすること以外は、実施例1と同様にして、電子写真用帯電ローラを得た。なお、塗工液は粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度は1%であり、カーボンブラックのアグリゲート径と絶縁性粒子の一次粒径の相加平均である85nm以下の粒径に計測される頻度は0%であった。
【0073】
比較例4
ビーズ分散機の分散処理時間を4時間とすること以外は、実施例1と同様にして、電子写真用帯電ローラを得た。なお、塗工液は粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度は57%であり、カーボンブラックのアグリゲート径と絶縁性粒子の一次粒径の相加平均である85nm以下の粒径に計測される頻度は16%であった。
【0074】
(帯電ローラの抵抗値と周ムラ)
上記実施例、比較例で作成した電子写真用帯電ローラについて、ローラの導電性について、図3の抵抗測定装置を用い、下記にて抵抗値及びその周ムラを測定した。結果を表1に示す。
【0075】
図3は、電子写真用帯電ローラの抵抗値を測定するのに用いた抵抗測定装置の概略を説明する図である。アルミニウム製の円筒電極32に、電子写真用帯電ローラ6が、導電性支持体の両端部において、各500gの荷重で押し圧されている。この状態で円筒電極32を回転させ、電子写真用帯電ローラ6を連れ回りさせる。回転している電子写真用帯電ローラ6の導電性支持体に電源23より−200Vの電圧をかけ、円筒電極32に直列につないだ固定抵抗器(1kΩ)にかかる電圧値を電圧計34にて測定する。これによりローラ6に流れる電流値(=電圧値/固定抵抗器抵抗値)が求められる。ここで、固定抵抗器の抵抗値は電子写真用帯電ローラ6の抵抗値と比較して十分に小さいので、得られた電流値で回路電圧値(−200V)を除した値を、電子写真用帯電ローラ6の抵抗値と見なす。この方法により電子写真用帯電ローラ6の抵抗値として一周分算出し、その最大値、最小値及び平均値を求める。ここで、log(最大値/最小値)を周ムラとした。
【0076】
(画像評価)
また、上記実施例、比較例で得た電子写真用帯電ローラを、画像形成装置「レーザビームプリンタLBP−5400」(商品名、キヤノン株式会社製)に、帯電ローラとして取り付け、15℃/10%RHの環境下で標準チャートを出力して、画像評価した。
【0077】
出力5枚目(初期)及び10000枚目(耐久)に得られた出力画像を目視にて観察し、帯電ローラの抵抗値に起因する画像不良(スジ状欠陥)や抵抗ムラに起因した画像濃度ムラの発生について下記基準に基づき評価した。
A:ハーフトーン画像部に欠陥が全くない(画像が非常に良い)
B:ハーフトーン画像部に極めて緩やかな濃度ムラ又はスジ状は見られるが、画像は良い
C:ハーフトーン画像部に濃度ムラ又は、スジ状の欠陥がある
【0078】
(ピンホールリーク)
さらに、感光体ドラムにピンホールがあった時、ピンホールに電流が集中し、該ピンホール以外の部分のハーフトーン画像に発生する異常(画像上に濃度が変化して濃度の違う帯が表れる)を、下記にて調べた。結果を表1に示す。
【0079】
感光体ドラムとしてピンホールを空けたピンホールドラムを使用した以外は上記画像評価におけると同様に、帯電ローラとして、実施例、比較例で得た電子写真用帯電ローラを用いた。なお、画像出力は、低抵抗化する30℃/80%RHの高温高湿環境下にて、ハーフトーン画像を出力した。得られた画像を目視により、下記基準にて評価した。
◎:濃度ムラがない
○:僅かに濃度ムラが発生したが、実用上は問題ない
×:ピンホールリークによる濃度ムラがある
【0080】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】電子写真用帯電ローラの概略断面図である。
【図2】画像形成装置の概略構成図である。
【図3】帯電ローラの抵抗測定装置の概略説明図である
【符号の説明】
【0082】
1 導電性支持体
2 弾性体層(導電性弾性体層)
3 表面層(抵抗調整層、被覆層)
4 現像ローラ
5 電子写真感光体ドラム
6 帯電ローラ
7 被記録媒体
8 転写ローラ
9 定着部
10 クリーニングブレード
11 露光光(レーザ)
18 現像ローラ、トナー供給ローラ及び弾性規制ブレード用バイアス印加電源
19 トナー帯電ローラ用バイアス印加電源
20 帯電ローラ用バイアス印加電源
22 転写ローラ用バイアス印加電源
23 抵抗測定用バイアス印加電源
28 トナー供給ローラ
29 トナー帯電ローラ
30 弾性規制ブレード
31 トナー容器
32 円筒電極(金属ローラ)
33 固定抵抗器
34 電圧計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性支持体の外周上に形成された導電性弾性層の外周上に被覆層用塗工液を塗工して形成した被覆層を有する電子写真用帯電ローラであって、
該塗工液は、アグリゲート径Aが100nm以上300nm以下であるカーボンブラックと一次粒径Bが50nm以下である絶縁性粒子を含有し、かつ、レーザ回折/散乱法又は動的光散乱法で測定した粒度分布で粒径400nm以上に計測される頻度が3%以上50%以下である
ことを特徴とする電子写真用帯電ローラ。
【請求項2】
前記塗工液をレーザ回折/散乱法又は動的光散乱法で測定した粒度分布で、カーボンブラックのアグリゲート径Aと絶縁性粒子の一次粒径Bとの相加平均値{(A+B)/2}以下の粒径に計測される頻度が5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用帯電ローラ。
【請求項3】
前記絶縁性粒子の屈折率が、1.5以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用帯電ローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−294241(P2009−294241A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144632(P2008−144632)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】