説明

電子写真装置

【課題】黒ポチや残像の発生の防止し、優れた細線再現性を有し、多種の紙サイズを用いることに起因する紙サイズ跡を簡易な構成で防止することが可能な電子写真装置を提供すること。
【解決手段】電子写真感光体1の周りに帯電手段2、露光手段、現像手段4、転写部材幅以外の部分の転写電荷を遮蔽する部材を有する転写手段5、クリーニング手段9、除電手段10を設けた電子写真装置において、前記電子写真感光体1は、支持体としてアルミニウム支持体を備え、該アルミニウム支持体は、電子移動物質を含有した超臨界流体及び/または亜臨界流体に接触させて封孔処理をしたアルマイト層を表面に有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスを利用したレーザービームプリンタやファクシミリ装置、複写機等の電子写真装置に関し、特に、耐久性に優れ高画質な電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式を用いた電子写真装置において高画質化への要請から、画像の有色部に対応して電子写真感光体に画像露光して表面電荷を消失させ、その露光部にトナー像を形成し、未露光部にはトナー像を形成しない現像法、所謂反転現像が主に用いられている。
【0003】
電子写真感光体には大きく分けて有機電子写真感光体と無機電子写真感光体とがあるが、高生産性、材料設計の容易性および将来性の観点から、有機光導電性物質による有機電子写真感光体の開発が盛んに行われ、支持体上に電荷発生層、電荷輸送層等が積層されたものが一般的に用いられている。
【0004】
有機電子写真感光体(以下、単に電子写真感光体、感光体とも呼ぶ)を反転現像で用いた場合、白地にトナーが局所的に付着する「黒ポチ」、「地汚れ」といった画像欠陥が生じることが知られている。これは導電性支持体からの電荷注入による表面電荷の局部的中和により発生する。
【0005】
この反転現像時に発生する黒ポチや地汚れを防止するために、特許文献1では、表面を電解処理して生成したアルマイト層を有するアルニウム基体に、電荷発生層と電荷輸送層とを順に積層した電子写真感光体が、特許文献2では、アルマイト層を有する支持体と、オキソチタニルフタロシアニン及び特定の構造の物質を含有する感光層とを備える電子写真感光体が提案されている。また、特許文献3では、アルマイト層を有するアルニウム基体に、中間層(下引き層とも呼ぶ)である無機顔料分散層と、電荷発生層と、電荷輸送層と、を順に積層した電子写真感光体が提案されている。アルマイト層や中間層を有することで、支持体から感光層(電荷発生層および電荷輸送層)への電荷注入を防ぎ、繰り返し使用しても高品質な画像を出力できる。
【0006】
さらに特許文献4では、中間層に特定の電子輸送物質を含有させることで電子輸送能を高め、中間層の膜厚が厚い構成を可能とし、結果として支持体から感光層への正孔の注入を防ぐことができる電子写真感光体が提案されている。
またさらに、特許文献5では、中間層に特定の電子輸送物質を含有させることで電子輸送能を高めると共に、他の層への溶解または溶出することなく容易に形成することが可能な電子写真感光体が提案されている。
【0007】
しかし、上記特許文献1〜5に記載の発明によっても耐久性が充分でなく、経時的な劣化に伴い黒ポチや地汚れ、残像といった画像欠陥を生じ、さらには細線再現性が劣化する。特に、近年の電子写真装置の高速化の傾向から更なる印刷枚数の増加が見込まれ、より高度な耐久性を有する電子写真感光体が必要とされている。
【0008】
一方、特許文献6には、感光体上に形成されたトナー像を所定方向に通紙される記録紙に転写させる転写手段を備えた画像記録装置において、感光体の片側を基準としトナー像を形成すると共に、この画像形成域に合わせて記録紙を端面基準で通紙し、記録紙の通紙幅に応じて転写手段自体の配設位置を可変するように転写手段を駆動する駆動手段を備えたことを特徴とする画像記録装置が記載されている。
【0009】
しかし、特許文献6に記載の発明によって、転写手段から直接刺激される感光体の領域を低減でき、直接刺激領域に発生する「紙サイズ跡」等の画像異常を防ぐことができ、また、結果として感光体の耐久性が向上するが、転写手段自体の配設位置を可変するための駆動手段が必要になること、及び通常より長い配設スペースが必要になる不具合がある。広幅の転写紙まで対応する必要のある場合には装置構成上難しい等の欠点がある。
【0010】
また一方、特許文献7には、感光体と、感光体を帯電する手段を含む静電潜像形成手段と、静電潜像形成手段による静電潜像形成位置より感光体の移動方向下流側に設けられ感光体に形成された静電潜像を反転現像する現像手段と、帯電手段とは逆極性の電圧が印加され感光体上の現像画像を被転写体に転写する転写手段とを有する画像形成装置において、感光体は、少なくとも、光導電性を有し、電荷発生層と電荷発生層上に設けられた電荷輸送層とを有する感光層と、電荷輸送層上に設けられ電荷輸送層と異型の半導体を含有し電荷輸送層への転写電荷の移動に対して障壁となる表面層を有することを特徴とする画像形成装置が記載されている。
【0011】
しかし、特許文献7に記載の発明によって、感光体の帯電極性と転写極性が互いに逆極性であることに起因しての感光体の所謂プラスメモリー現象の発生が防止されるので、転写手段がコロナ転写器である場合においては、紙間等の転写材非通紙時における転写バイアスのON/OFF制御等を必要とせず、簡単な構成で、トナーの飛び散り、画像濃度ムラ、転写材先端・後端における画像乱れ等の画像不良を防止することが可能となったが、紙サイズ跡に関する記載は無く、紙サイズ跡の異常画像の問題は依然として解決するには至らない。
【0012】
【特許文献1】特開2001−255679号公報
【特許文献2】特開平11−282183号公報
【特許文献3】特開2005−99077号公報
【特許文献4】特開2005−162758号公報
【特許文献5】特開平11−174707号公報
【特許文献6】特許第3184285号公報
【特許文献7】特許第3216254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、黒ポチや残像の発生の防止し、優れた細線再現性を有し、多種の紙サイズを用いることに起因する紙サイズ跡を簡易な構成で防止することが可能な電子写真装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、電子写真感光体は、支持体としてアルミニウム支持体を備え、該アルミニウム支持体は、電子移動物質を含有した超臨界流体及び/または亜臨界流体に接触させて封孔処理をしたアルマイト層を表面に有することで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、上記課題を解決するために本発明に係る電子写真装置は、具体的には下記(1)〜(9)に記載の技術的特徴を有する。
(1):電子写真感光体の周りに帯電手段、露光手段、現像手段、転写部材幅以外の部分の転写電荷を遮蔽する部材を有する転写手段、クリーニング手段、除電手段を設けた電子写真装置において、前記電子写真感光体は、支持体としてアルミニウム支持体を備え、該アルミニウム支持体は、電子移動物質を含有した超臨界流体及び/または亜臨界流体に接触させて封孔処理をしたアルマイト層を表面に有することを特徴とする電子写真装置である。
【0016】
上記(1)に記載の構成によれば、通紙、非通紙部での濃度差が生ずるのを低減し、感光体同一部への繰返露光時の残留電位上昇による残像の低減、さらに高速の電子写真システムでの飛散トナーによるチャージワイヤー、ケーシングの汚れを防止することができる。
【0017】
(2):前記電子移動物質が少なくともナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする上記(1)に記載の電子写真装置である。
【0018】
上記(2)に記載の構成によれば、通紙、非通紙部での濃度差が生じるのを低減すると共に、微小黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止すること、また、酸を使用していない為、封孔後の洗浄を簡略化することができる。
【0019】
(3):前記電子写真感光体は、前記電子写真装置内で回転させながら前記転写手段のみで1500Vに帯電させ、1500Vに30分間保持した前後で計測した露光後電位差が20V以下であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の電子写真装置である。
【0020】
上記(3)に記載の構成によれば、通紙、非通紙部での濃度差が生じるのを低減すると共に、微小黒ポチ等の画像欠陥の発生を防止することができる。
【0021】
(4):前記アルマイト層の厚さが2〜10μmで有り、且つ電子移動物質を含有した超臨界流体及び/または亜臨界流体が二酸化炭素であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真装置である。
【0022】
上記(4)に記載の構成によれば、黒ポチ、白ポチ等の画像欠陥の発生を防止すると共に転写でのプラス電荷注入による露光後電位の変動を低減することができる。
【0023】
(5):前記アルマイト層が超臨界流体または亜臨界流体温度30〜90℃で封孔処理を行ったものである事を特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真装置である。
【0024】
上記(5)に記載の構成によれば、電子移動物質が分解することなくアルマイト層に注入させることができる。
【0025】
(6):前記電子写真感光体が電荷発生物質としてチタニルフタロシアニンを含有し、電子写真プロセス速度が1m/sec以上であり、前記転写手段が転写チャージャーであり、前記転写電荷を遮蔽する部材が厚さ20〜100μmのポリエステルフィルムであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真装置である。
【0026】
上記(6)に記載の構成によれば、転写チャージャーの汚染低減し、転写電流を安定化させて常に良好な印字品質を維持することができる。
【0027】
(7):前記転写電荷を遮蔽する部材が前記転写部材の幅に応じて転写部材の外側のチャージャー長手方向を遮蔽する機構を有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真装置である。
【0028】
上記(7)に記載の構成によれば、非転写部に対応した感光体部への転写電荷による繰り返しハザードを低減することができる。
【0029】
(8):前記転写部材の幅によらず単位面積あたりの転写電荷量を一定に制御することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真装置である。
【0030】
上記(8)に記載の構成によれば、転写電荷量を一定に制御することで良好な印字品質を維持することができる。
【0031】
(9):前記電子写真感光体と現像手段のギャップが0.5mm〜1mmであり、クリーニング手段がファーブラシであることを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の電子写真装置である。
【0032】
上記(9)に記載の構成によれば、高解像度で且つ感光体を高速回転させた場合でも良好なクリーニング性と感光体傷を発生させない電子写真装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、黒ポチや残像、多種の紙サイズを用いることに起因する紙サイズ跡の発生の防止し、優れた細線再現性を有するな電子写真装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明は、電子写真感光体の周りに帯電手段、露光手段、現像手段、転写部材幅以外の部分の転写電荷を遮蔽する部材を有する転写手段、クリーニング手段、除電手段を設けた電子写真装置において、前記電子写真感光体は、支持体としてアルミニウム支持体を備え、該アルミニウム支持体は、電子移動物質を含有した超臨界流体及び/または亜臨界流体に接触させて封孔処理をしたアルマイト層を表面に有することを特徴とする電子写真装置である。
【0035】
図1は本発明の電子写真装置の概略構成を示したものであり、感光体ドラム(電子写真感光体)1は矢印A方向に回転する。まず、感光体ドラム1は、帯電チャージャー(帯電手段)2により均一に帯電された後、不図示の露光手段より照射されるレーザー光によるイメージ露光3を受け、露光された部分で、電荷が発生し、感光体ドラム1表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム1表面に静電潜像を形成した後、現像手段4を介して現像剤と接触し、トナー像を形成する。感光体ドラム1表面に形成されたトナー像は、転写チャージャー(転写手段)5により紙などの転写部材6へ転写され、定着手段(図示せず)を通過してハードコピーとなる。感光体ドラム1上の残留トナーは交流チャージャー7、光照射装置8より照射される除電光により除電された後ファーブラシクリーニング手段(クリーニング手段)9により除去される。さらに残留電荷は必要に応じては除電手段10より照射される除電光で除電されて、次の電子写真サイクルに移る。
【0036】
帯電チャージャー2はマイナスの高電圧を印加して感光体ドラム1を帯電するチャージワイヤー21、一定のバイアス電位を印加して感光体をマイナス600付近に帯電させるためのグリッド22から構成されている。現像手段4は3本の現像ローラ41,42,43を有し、高品質な画像を維持するため、感光体ドラム1とのギャップDgは0.5〜1mmが好ましい。0.5mm未満ではプロセス速度1m/秒以上の高速システムにおいては現像剤の飛散、現像ローラを回転時の現像剤と周囲の部材との摩擦熱、現像剤による感光体ドラム表面の摩耗等が著しく実用上好ましくない。転写チャージャー5は転写部材6の裏面からプラス電荷を印加する。プラス電荷はトナー像を効率良く転写部材に転写する。交流チャージャー7、除電光8は感光体ドラム1上の残留トナーを除電してファーブラシクリーニング手段9により除去され易くすると共に、感光体ドラム1を均一に除電する。また1mmよりも広い場合は、現像が十分に行われず筋状画像になったり、現像ムラや画像後端で白抜けが起こり、階調性、画像のシャープネスが低下してしまう。また現像スリーブからキャリアが離れ易くなるため、感光体へのキャリア付着が発生しやすい。
【0037】
図2はコロナワイヤー51、コロナワイヤー51を張架するためのバネ52、転写部材幅以外の部分の転写電荷を遮蔽する部材である遮蔽部材11からなる転写チャージャー5の構成略図を示したものであり、コロナワイヤー51には高圧電源12によりプラス電荷が供給される。遮蔽部材11は図示せぬ駆動手段によりB方向に可動できるよう構成されており、転写部材6の幅に応じて転写部材6以外の部分の転写電荷を遮蔽する。遮蔽部材11の厚みは20〜100μが好ましく、材質としてはポリエステル等の絶縁性シート部材が用いられる。また、転写電荷は遮蔽部材11により非転写部に対応する感光体ドラム1は流れないが、転写部材6の幅によらず均一となるよう遮蔽部材11の幅情報を用いて転写チャージャー5に流れる総電流を制御することにより常に安定した転写を行なうことができる。遮蔽部材11は本発明の様なプロセス速度1m/秒以上の高速システムにおいては現像剤、トナーの飛散によるコロナワイヤーの汚れを低減するために必須である。
【0038】
次に本発明の電子写真装置に用いられる電子写真感光体について説明する。
感光体は円筒状アルミニウム支持体上にアルマイト層、感光層を形成したものである。
アルマイト層は陽極酸化により形成する。陽極酸化処理する前に、酸、アルカリ、有機溶剤、界面活性剤などの各種脱脂洗浄方法によって、脱脂処理を行なうことが望ましい。さらにその後、アルカリ、酸、弗化物等で表面エッチング処理を行なうことが好ましい。陽極酸化処理は、通常例えばクロム酸、硫酸、しゅう酸、ほう酸、スルファミン酸などの酸性浴中で、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成された導電性支持体を陽極にして電解処理を行ない、支持体表面にアルマイト層を形成する。この場合、直流交流いずれでもよいが、電圧は2〜160V、電流密度は0.1A/dm2〜0.7A/dm2、液温10〜40℃が好ましい。
【0039】
アルマイト層の膜厚は2〜10μmが好ましく、5〜8μmであることがより好ましい。2μm未満では感光体の繰返使用時に帯電性の低下、局部的な地肌汚れ発生の懸念、また10μmを超えると繰返使用時に露光後電位の上昇が著しい。
【0040】
図3は陽極酸化処理により形成されたアルマイト層の構成を示す斜視概略図であり、図4は陽極酸化処理により形成されたアルマイト層の構成を示す断面概略図である。
陽極酸化処理により形成したアルマイト層は、図3及び図4に示すように、アルミニウム上に均一に形成された薄いバリヤー層を有し、さらにその上層に蜂の巣のような細孔を有する六角柱のセルの集合体からなる。無数の微細孔は多孔質膜の為、封孔処理を施すことが好ましい。
【0041】
封孔処理は、通常行なわれる方法ではなく、図5に示す装置により行う。陽極酸化処理を行った導電性支持体(ドラム)1を蓋63を有する耐圧容器62に設けたドラム支持台64の上に鉛直に配設した後、分散槽65から電子移動物質が分散した超臨界流体75を弁71、3方弁74を開き、ポンプ72により耐圧容器62中に導入し、導電性支持体61を電子移動物質分散超臨界流体に浸漬した。分散槽65は攪拌機66を備え、電子移動物質分散超臨界流体を分散槽65内で攪拌することで、電子移動物質を均一に分散させる。尚、加熱器73は電子移動物質を分散した超臨界流体を30〜90℃に加熱する。封孔処理後、ポンプ72を逆転させて塗工液を徐々に耐圧容器62の外に排出し、分散槽65に戻す事により導電性支持体表面の陽極酸化膜に電子移動物質により封孔したアルマイト層を形成する。
【0042】
尚、アルマイト層の形成に先立ち、弁68、3方弁70、74を調節し、ポンプ69によりタンク67から超臨界流体または亜臨界流体を耐圧容器62中に導入して、導電性支持体61を洗浄する事により、塗膜欠陥を少なく、さらにアルマイト層を設けた導電性支持体61と感光層の接着性を向上させる事が出来る。
【0043】
本発明に用いる電子写真感光体の封孔処理に用いられる電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、フタルイミド、4−ニトロフタルイミド、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ニトロ安息香酸、トリニトロフルオレノン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド顔料、ペリレンテトラカルボン酸ジイミダゾール顔料、多環キノン顔料、アントラキノンアクリドン顔料、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミダゾール顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料などが挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。この中でも、特に本発明で有効に用いられるのは、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料や多環キノン顔料などであり、以下に具体例を示すが、本発明はこれに限られるものではない。
【0044】
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料の一例として下記構造式1で表される物質が本発明において用いられる。
【0045】
【化1】

【0046】
式中、XおよびYは置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環基を示し、同一であっても異なっていてもよい。また、R1、R2、R3、R4は水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環基、ハロゲン原子、ニトロ基、またはシアノ基を示す。
【0047】
また、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料の中でも下記構造式2で表される化合物は特に有効に用いられる。
【0048】
【化2】

【0049】
式中、R5、R6は、それぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表し、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置換または無置換のアラルキル基からなる群より選ばれる基を表す。
【0050】
上記構造式1及び2で表されるもののうち、好ましい具体例を下記化学式1−1〜1−14に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

【0053】
これらの化合物は米国特許第4442193号明細書,米国特許第5468583号明細書、平4−12466号公報、昭59−164559号公報、米国特許6794102号公報、Industrial Organic Pigments 2nd edition,VCH,485(1997)などに掲載されている。
【0054】
次に多環キノン顔料の具体例を下記化学式2−1〜2−8に示す。
【0055】
【表3】

【0056】
アゾ顔料としては、カルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾ−ル骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾ−ル骨格を有するアゾ顔料が挙げられる。
【0057】
本発明で用いる超臨界流体としては、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮を起こさず、臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上の状態にある流体である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、臨界温度が低いものが好ましい。また、亜臨界流体としては、前記臨界点近傍の温度・圧力領域において高圧液体として存在する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。これらの流体の一例としては、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、窒素、メタノール、エタノール、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、ベンゼン、クロロトリフロロメタン、ジメチルエーテルなどが好適に挙げられる。これらの超臨界流体及び亜臨界流体は単独でも2種類以上混合して併用する事も出来る。また、これらの中でも、超臨界流体及び亜臨界流体には二酸化炭素を用いることが好ましい。一方、超臨界流体及び亜臨界流体に有機溶媒(エントレーナー)を混合することもできる。エントレーナーとしてはヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒など、特に制限はないが、これらの中でも、電子輸送材を融かしやすいことからトルエンが特に好ましい。
【0058】
臨界温度が30〜40℃と常温に近い超臨界流体、例えば超臨界二酸化炭素や超臨界一酸化炭素は、20〜100℃の温度、及び5〜70MPaの圧力で使用するのが望ましく、30〜100℃、7〜60MPaがより好ましい。20℃未満の温度や5MPa未満の圧力では、二酸化炭素や亜酸化窒素は超臨界状態になりにくい事から好ましくない。100℃を超える温度では、感光体の構成材料を溶解する恐れや、アルマイトの耐熱性の問題があるため好ましくない。また、70MPaを超える圧力では流体ポンプ等を具備する装置の運転に支障を生ずる恐れがあるため好ましくない。尚、二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は7.53MPaで、一酸化炭素の臨界温度は37℃、臨界圧力は7.26MPaである。
【0059】
本発明に用いられる電子写真感光体は、感光層としてアルマイト層を設けた支持体上に電荷発生層、電荷輸送層を順に積層した構成を有する。また必要に応じて電荷輸送層上に保護層を設けることもできる。支持体としては、不純物として鉄、銅を併せて0.3wt%以上含有するアルミニウム、例えばJIS3003、5052、6063等の材質からなるアルミニウムが用いられる。これらのアルミニウムはJIS 1070等の不純物の少ないものに比べて鉄、銅を併せて0.3wt%以上含有することにより同一熱処理条件において機械的強度が向上しており、薄膜軽量化が可能である。
【0060】
支持体の寸法精度としては全フレ量を0.05mm以下とすることが好ましい。全フレ量は感光体と現像手段とのギャップ精度に影響し、全フレ量が0.05mmを越えるとギャップ精度0.1mm未満を維持することが難しい。ギャップ精度が0.1mm以上では偏摩耗による長手方向での濃度バラツキが起こる場合が有る。支持体の表面粗さRzは加工性、支持体の反射によるモアレ等を考慮すると0.05〜1.5μmが好ましい。アルマイト層を設けることにより表面が荒れるため、鏡面に近い粗さでもモアレは発生しにくい。
【0061】
電荷発生層は電荷発生物質を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を用いることもある。電荷発生物質としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
【0062】
無機系材料には、結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物等が挙げられる。
【0063】
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらの電荷発生物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。アゾ顔料としては、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料が挙げられる。また、アゾ顔料に加えて金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などを1種以上含有しても良い。
【0064】
これら有機系電荷発生材料の中でもチタニルフタロシアニン、特にCuKαの特性X線(波長1.514Å)に対するブラッグ角2θの最大回折ピークを27.2±0.2゜に有するチタニルフタロシアニンが高感度である。特にプロセス速度が1m/秒以上の高速領域ではチタニルフタロシアニンが好適である。
【0065】
本発明に用いる電子写真感光体の電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが用いられる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0066】
また、本発明に用いる電子写真感光体には、必要に応じて電荷輸送物質を添加してもよい。また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、高分子電荷輸送物質が良好に用いられる。
【0067】
電荷発生層の電荷発生材料と樹脂との比率は重量比で1/1〜10/1であることにより感光層と下引層との接着性向上、露光後電位の安定化させることができる。
【0068】
電荷発生層を形成する方法には、溶液分散系からのキャスティング法が主に用いられる。キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、ジオキサン、ジクロロエタン、ブタノン、メチルエチルケトン等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
【0069】
電荷輸送層は帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。さらに電荷輸送層は帯電電荷を保持させる目的達成のために電気抵抗が高いことが要求され、また保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さくかつ電荷移動性が良いことが要求される。
【0070】
これらの要件を満足させるための電荷輸送層は、電荷輸送物質、バインダー樹脂を、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジメトキシメタンなどの環状エーテル系溶剤に溶解した塗工液を塗布して形成される。必要により電荷輸送物質及びバインダー樹脂以外に、可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。環境面からはジクロロメタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、トリクロロエタン、トリクロロメタンなどの塩素系溶媒が敬遠されている。これらの環状エーテル系溶剤を用いることにより感光層と支持体又は下引き層との接着性を向上させることができる。
【0071】
本発明に用いる電子写真感光体は、電荷輸送層中の残留環状エーテル系溶剤量は20〜5000ppmが好ましい。20ppm未満では支持体、又は下引き層との接着性低下、5000ppmを越えると感光体露光後電位の上昇の不具合が発生してしまう。
【0072】
電荷輸送物質としては、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
電子輸送物質としては、たとえばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイドなどの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。また、ハイドロキノン系以外のモノフェノール系化合物、高分子フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、有機硫黄化合物類等の酸化防止剤も併用して使用しても良い。
【0073】
パラフェニレンジアミン類としては、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−tーブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
【0074】
有機硫黄化合物類としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
【0075】
有機燐化合物類としては、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
【0076】
正孔輸送物質としては、以下に表される電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。
たとえば、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−ジエチルアミノスチリルアントラセン)、1,1−ビス−(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾン類、α−フェニルスチルベン誘導体、チアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナジン誘導体、アクリジン誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、チオフェン誘導体などが挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0077】
本発明に用いる電子写真感光体の電荷輸送層の膜厚は、5〜100μm程度が適当である。
【0078】
本発明に用いる電子写真感光体の電荷輸送層に併用できるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート(ビスフェノールAタイプ、ビスフェノールZタイプ)、ポリエステル、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、フェノキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダーは、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
【0079】
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ビスベンジルベンゼン誘導体などの可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。
【0080】
酸化防止剤としては、例えば以下のものが使用される。
<モノフェノール系化合物>
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3−t−ブチル−4−ヒドロキシニソールなど。
【0081】
<ビスフェノール系化合物>
2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)など。
【0082】
<高分子フェノール系化合物>
1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、トコフェノール類など。
【0083】
<パラフェニレンジアミン類>
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
【0084】
<ハイドロキノン類>
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
【0085】
<有機硫黄化合物類>
ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなど。
【0086】
<有機燐化合物類>
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
【0087】
本発明に用いる電子写真感光体には、電荷輸送層塗工液中にレベリング剤を添加してもかまわない。レベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、測鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して、0.001〜1重量部が適当である。
【0088】
本発明に用いる電子写真感光体は、電荷輸送層上に保護層を設けても良い。
保護層は結着樹脂中に金属、又は金属酸化物の微粒子を分散した層である。結着樹脂としては可視、赤外光に対して透明で電気絶縁性、機械的強度、接着性に優れたものが望ましい。保護層の結着樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。金属酸化物としては酸化チタン、酸化錫、チタン酸カリウム、TiO、TiN、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化アンチモン等が挙げられる。保護層にはその他、耐摩耗性を向上する目的でポリテトラフルオロエチレンのような弗素樹脂、シリコーン樹脂、及びこれらの樹脂に等の無機材料を分散したもの等を添加することができる。保護層の形成法としては通常の塗布法が採用される。なお保護層の厚さは0.1〜10μm程度が適当である。
【実施例】
【0089】
以下に本発明の電子写真装置の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。また、「部」は重量部を意味する。
(実施例1)
〔アルミニウム支持体の作製〕
φ262mm×L530mm、厚さ6mm、表面粗さRZ0.1μm、全フレ量0.045mmの円筒状アルミニウム支持体表面を脱脂洗浄し、以下の浴組成中で浴温60℃に保ち5分間浸漬しエッチング処理を行なった。
【0090】
<浴組成>
水酸化ナトリウム 5%
弗化ソーダ 2%
蒸留水 残余
【0091】
その後、水洗いを繰り返した。次に、15%の硫酸電解液(溶存アルミニウム濃度5g/l)を使用し、浴温21℃、1.5A/dm2の直流電流密度で陽極酸化を行なった。
【0092】
次に、図5に示す装置を用いて、化学式(1−1)で表わされる電子輸送物質を5g/L含有した温度80℃の超臨界二酸化炭素流体に1時間接触させ、陽極酸化膜の微細孔を封孔した。その後、温度80℃を保持したまま、圧力を10MPaまで低下させ、この圧力を維持したまま加圧ポンプと排圧弁を使用して、流量8L/minで30分間二酸化炭素を流すことによって、下引き層に注入されなかった電子輸送物質を耐圧セルから除去した。除去後、温度・圧力を徐々に大気圧雰囲気まで低下させることによって、超臨界流体処理を終了した。
【0093】
30MPa、80℃に調節し、温度および圧力が安定した後に1時間静置した。静置後、温度は80℃に保ったまま圧力を10MPaまで低下させ、この圧力を維持したまま加圧ポンプ72を逆転させ、電子輸送物質を分散した超臨界二酸化炭素流体を分散槽65に戻す事により導電性支持体表面の陽極酸化膜に電子移動物質を用いて封孔したアルマイト層を形成した。
【0094】
感光層の形成に先立ち、弁68、3方弁70、74を調節し、ポンプ69によりタンク67から超臨界二酸化炭素流体を耐圧容器62中に導入して、導電性支持体61を30分間洗浄した。
封孔処理後、アルマイト層の厚さは7.5μmであった。
【0095】
[電荷発生層の形成]
続いて下記化学式3の電荷発生物質2部、固形分濃度2wt%のポリビニルブチラール樹脂(BX−1;積水化学製)/メチルエチルケトン溶液60部からなる混合物をボールミルポットに取りφ2mmのYTZボールを使用し24時間ボールミリングして電荷発生層塗布液を調整した。この塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、95℃で20分間乾燥し、厚さ0.1μmの電荷発生層を形成した。尚、化学式3の電荷発生物質はX線回折測定で27.2°にピークを有していた。
【0096】
【化3】

【0097】
[電荷輸送層の形成]
次いで、下記組成により電荷輸送層用塗工液を調製し、この塗工液を用いて上記形成した電荷発生層上に浸漬塗布し、135℃で25分間乾燥し、厚さ32μmの電荷輸送層を形成した。
【0098】
<電荷輸送層用塗工液の組成>
電荷輸送物質(下記化学式4:リコー製) 7 部
ポリカーボネート樹脂(TS−2050:帝人化成製) 10 部
シリコーンオイル(KF−50:信越化学製) 0.002部
テトラヒドロフラン(関東化学製) 77.4 部
【0099】
【化4】

【0100】
(実施例2)
実施例1において封孔処理に用いた電子輸送物質を化学式1−11に変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0101】
(実施例3)
実施例1において封孔処理に用いた電子輸送物質を化学式2−8に変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0102】
(実施例4)
実施例1において封孔処理に用いた電子輸送物質を下記化学式5に変えた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0103】
【化5】

【0104】
(実施例5)
実施例1においてアルマイト層の膜厚を1.6μmにした以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0105】
(実施例6)
実施例1においてアルマイト層の膜厚を11.5μmにした以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0106】
(比較例1)
実施例1と全く同一にしてエッチング処理、陽極酸化、水洗を行った後、酢酸ニッケル5g、ほう酸5gを蒸留水1リットルに溶解し、浴温100℃に保った中に25分間浸漬して封孔処理を行った。その後、再び十分な水洗を行ない自然乾燥させ、7.5μmのアルマイト層を形成した。続いて実施例1と全く同様にして電荷発生層、電荷輸送層を設けた。
【0107】
(比較例2)
比較例1において封孔処理を行わなかった以外、比較例1と全く同様にして感光層を設けた。
【0108】
(比較例3)
下記組成の混合物をボールミルポットに取りφ10mmアルミナボールを使用し120時間ボールミリングした。
【0109】
<ミリング液組成>
酸化チタン(CR−60:石原産業製) 60 部
アルキッド樹脂 18.5 部
(ベッコライトM6401−50大日本インキ化学工業製;固形分50wt%)
メラミン樹脂 10.3 部
(スーパーベッカミンL-121-60、大日本インキ化学工業製;固形分60wt%)
メチルエチルケトン(関東化学製) 21 部
シクロヘキサノン(関東化学製) 9 部
【0110】
このミリング液を実施例1の陽極酸化処理前のアルミニウム支持体に浸漬塗布し、130℃で30分間乾燥して、膜厚3.5μmの下引き層を形成した。
続いて電荷発生層、電荷輸送層塗工液を実施例1と全く同様にして形成した。
【0111】
(比較例4)
円筒状アルミニウム支持体としてフレ精度0.14mmの素管を用いた以外は実施例1と全く同様にして電子写真感光体を作成した。
【0112】
〔トナーの作製〕
(ポリエステル樹脂の合成例)
攪拌装置、温度計、窒素導入口、流下式コンデンサー、冷却管付き4つ口セパラブルフラスコに、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン740g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン300g、テレフタル酸ジメチル466g、イソドデセニル無水コハク酸80g、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリn−ブチル114gをエステル化触媒とともに加えた。窒素雰囲気下で前半210℃まで常圧昇温し、後半210℃減圧にて撹拌しつつ反応させた。酸価2.3KOHmg/g、水酸基価28.0KOHmg/g、軟化点106℃、Tg62℃のポリエステル樹脂を得た。
【0113】
(母体トナーの製造例)
処方
結着樹脂 :ポリエステル樹脂 85.6部
着色剤 :カーボンブラック 8.6部
帯電制御剤 :サリチル酸の亜鉛化合物 0.9部
離型剤 :カルナバロウ 4.3部
【0114】
上記処方の原材料を下記1〜4に記載の手順に従い母体トナーを作製し体積平均粒径:6.8μmのブラック母体トナーを得た。
手順1.上記原析料を、ヘンシェルミキサーにより混合
手順2.120℃に設定したブスコニーダー(ブス社製)によって溶融混練
手順3.混練物を冷却後、ターボミル(ターボ工業社製)を用いた粉砕機によって微粉砕
手順4.風力分級機を用いて、分級
【0115】
(製品トナーの製造例)
母体トナーの製造例で得られた母体トナー100部に対し、シリカ(AEROSIL TT600;日本アエロジル社製)を1.5重量%、酸化チタン(MT−150M;テイカ製)を0.7重量%添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)により1000rpmで10分間混合して、目開き50μmの篩を通過させ電子写真用トナーを得た。
【0116】
(キャリアの製造例)
シリコーン樹脂(東レ・ダウコーニングシリコーン製SR−2411)100gにトルエン100gを加えてコート液とした。この溶液をキャリア芯材(平均粒径60μmCu−Znフェライト)1kgに流動床コーティング法によりスプレー塗布後、約5分間乾燥させ、200℃にて1時間加熱し、冷却後篩にて篩い、本発明のキャリアを製造した。
キャリアの平均粒径を変更してコーティングするときは、膜厚を一定にするために表面積換算してシリコーン樹脂量を調整する。
【0117】
(現像剤の製造例)
上記電子写真用トナー4部および上記キャリア96部をターブラーミキサーにて10分混合して現像剤を作成した。
【0118】
この様にして作製した電子写真感光体を反転現像方式のinfoprint solutions製デジタル式プリンターinfoprint4100の改造機(帯電極性をマイナス、転写をプラス、露光用レーザーを波長637nm、プロセス速度1.676m/秒)に取り付けた。電子写真感光体と現像ローラ間のギャップを測定した所、実施例1〜6、比較例1〜3では0.6〜0.9mmであったが、比較例4ではプリンター手前側で0.3mm、奥側で1.2mmであった。続いて現像ローラをはずして電位計のプローブを取り付けた現像ユニットで初期の帯電電位DV、露光後電位VLを測定した。この電子写真感光体を転写チャージャーのみで約1500Vに帯電させ30分間保持後、露光後電位VLを測定して露光後電位の変動量を測定した。次に現像ユニットを取り付け、上述の方法で作製した現像剤を攪拌して帯電させ、静電潜像に接触させてトナー像を形成して顕像化することで画像形成を行う。得られた画像の画像品質(サイズ跡、黒ポチ、細線の再現性、残像)を評価した。続いて紙幅15インチのロール紙を用いて300Kftの連続印字を行なった後、19.5インチのロール紙を取り付けハーフトーン画像、白紙、1ドットライン画像を印字して、画像品質(サイズ跡、黒ポチ、細線の再現性、残像)を評価した。また、現像ローラをはずして電位計のプローブを取り付けたユニットで帯電電位、露光後電位を測定した。連続印字時、15インチより外側の転写チャージャー部には厚さ50μmのポリエステルフィルムからなる遮蔽部材を取り付け、また19.5インチでの画像評価時には遮蔽部材が転写領域の外側になるような機構(図示せず)を有す。
【0119】
さらに300Kftの連続印字を行なった後、ハーフトーン画像、白紙、1ドットライン画像を印字して、画像品質(サイズ跡、黒ポチ、細線の再現性、残像)の評価、帯電電位、露光後電位を測定した。
【0120】
これらの測定は下記評価基準に従って行い、測定結果を表4に示す。なお、サイズ跡は15インチ通紙部とその外側の19.5インチ通紙部に対応した部分でのハーフトーン画像をマクベス濃度計で測定しその差で評価した。細線の再現性は1ドッド斜めラインを印字させてその再現性を評価した。残像は連続印字時の画像パターンの中に幅5mmの縦帯画像(感光体周方向)を常時印字出来る様にさせて初期、300Kft,600Kft印字後のハーフトーン画像で常時縦帯画像印字部分と他の部分での濃度差を比較した。
【0121】
〔サイズ跡評価基準〕
◎:目視で差なし
○:かすかに濃度差あり
△:殆ど目立たない
×:明確に濃度差あり
【0122】
〔残像評価基準〕
◎:0.05未満
○:0.05〜0.1
△:0.1 〜0.15
×:0.15以上
【0123】
〔細線再現性評価基準〕
◎:1ドットで形成される縦線、横線、斜め線の全てが掠れずに再現されている。
○:1ドットで形成される細線のうち斜め線が少し掠れて再現され、縦線、横線が掠れずに再現されている。
△:1ドットで形成される細線のうち斜め線、縦線が少し掠れて再現され、横線が掠れずに再現されている。
×:1ドットで形成される細線の全てが掠れて再現されている。
【0124】
〔黒ポチ評価基準〕
◎:1cm2あたりでのφ0.05mm以上の黒ポチ数が0
○:1cm2あたりでのφ0.05mm以上の黒ポチ数が1〜2
△:1cm2あたりでのφ0.05mm以上の黒ポチ数が3〜6
×:1cm2あたりでのφ0.05mm以上の黒ポチ数が7以上
【0125】
ただし、黒ポチの評価はカラーイメージプロセッサーSPICCA(日本アビオニクス社製)を用いて黒ポチの大きさと個数を測定し、1cm2あたりでのφ0.05mm以上の黒ポチ数により判定した。
ここで、判定における◎、○、△は実用上特に問題のないことを、×の場合は実用に適さないことを意味する。
尚、比較例4でトナー吹き出しが発生したのは現像ギャップの狭い手前側であった
【0126】
【表4】

【0127】
以上の結果によれば、本発明の電子写真装置は、サイズ跡、残像および黒ポチの画像不具合発生の問題を防ぎ、細線再現性に優れることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明に係る電子写真装置の一実施の形態における構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る電子写真装置における転写チャージャーの構成を示す概略図である。
【図3】陽極酸化処理により形成されたアルマイト層の構成を示す斜視概略図である。
【図4】陽極酸化処理により形成されたアルマイト層の構成を示す断面概略図である。
【図5】本発明に係る電子写真装置に用いられる電子写真感光体の製造において超臨界流体処理工程を行う超臨界処理装置の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0129】
1 感光体ドラム(電子写真感光体)
2 帯電チャージャー(帯電手段)
3 イメージ露光
4 現像手段
5 転写チャージャー(転写手段)
6 転写部材
7 交流チャージャー
8 光照射装置(除電用)
9 ファーブラシクリーニング手段(クリーニング手段)
10 除電手段
11 遮蔽部材
12 高圧電源
21 チャージワイヤー
22 グリッド
41 現像ローラ
42 現像ローラ
43 現像ローラ
51 コロナワイヤー
52 バネ
61 導電性支持体
62 圧容器
63 蓋
64 ドラム支持台
65 分散槽
66 攪拌機
67 タンク
68 弁
69 ポンプ
70 三方弁
71 弁
72 ポンプ
73 フィルター加熱器
74 三方弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真感光体の周りに帯電手段、露光手段、現像手段、転写部材幅以外の部分の転写電荷を遮蔽する部材を有する転写手段、クリーニング手段、除電手段を設けた電子写真装置において、
前記電子写真感光体は、支持体としてアルミニウム支持体を備え、
該アルミニウム支持体は、電子移動物質を含有した超臨界流体及び/または亜臨界流体に接触させて封孔処理をしたアルマイト層を表面に有することを特徴とする電子写真装置。
【請求項2】
前記電子移動物質が少なくともナフタレンテトラカルボン酸ジイミド顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料から選ばれた1種または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真装置。
【請求項3】
前記電子写真感光体は、前記電子写真装置内で回転させながら前記転写手段のみで1500Vに帯電させ、1500Vに30分間保持した前後で計測した露光後電位差が20V以下であることを特徴とする請求項1また2に記載の電子写真装置。
【請求項4】
前記アルマイト層の厚さが2〜10μmで有り、且つ電子移動物質を含有した超臨界流体及び/または亜臨界流体が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真装置。
【請求項5】
前記アルマイト層が超臨界流体または亜臨界流体温度30〜90℃で封孔処理を行ったものである事を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真装置。
【請求項6】
前記電子写真感光体が電荷発生物質としてチタニルフタロシアニンを含有し、
電子写真プロセス速度が1m/sec以上であり、
前記転写手段が転写チャージャーであり、
前記転写電荷を遮蔽する部材が厚さ20〜100μmのポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真装置。
【請求項7】
前記転写電荷を遮蔽する部材が前記転写部材の幅に応じて転写部材の外側のチャージャー長手方向を遮蔽する機構を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真装置。
【請求項8】
前記転写部材の幅によらず単位面積あたりの転写電荷量を一定に制御することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の電子写真装置。
【請求項9】
前記電子写真感光体と現像手段のギャップが0.5mm〜1mmであり、クリーニング手段がファーブラシであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−139401(P2009−139401A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312262(P2007−312262)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】