説明

電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置{CylindricalElectronicLockingApparatusbyUsingElectronicControlDevice}

発明は、アンロッキング暗号などアンロッキング関連データの貯蔵及び変更が可能な電子キー及び電子制御装置により駆動されるソレノイド装置を用いて、ロッキング及びアンロッキングが行われるようにした電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置に関するものであって、本発明によると、アンロッキング暗号など、アンロッキング関連データの貯蔵及び変更が可能な電子キー及び電子制御装置により駆動されるソレノイド装置を用いてロッキング及びアンロッキングを行うことによって、針金や手工具などを用いて無断アンロッキングが可能であった既存の機械式ロッキング装置が有する保安上の問題を解決し、使用者が電子キーを紛失した場合でも、ロッキング装置全体を交換する必要がなく、電子キーだけを交替して新しいアンロッキング暗号を付与することによって、再利用が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置に関するものである。さらに詳しくは、アンロッキング暗号などアンロッキング関連データの貯蔵及び変更が可能な電子キー及び電子制御装置により駆動されるソレノイド装置を用いて、ロッキング及びアンロッキングが行われるようにした電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ドアの開閉のためのロッキング装置は、機械式ロッキング装置と電子式ロッキング装置があるが、現在、一般的に使用されているロッキング装置は、機械式ロッキング装置の場合が大部分である。
【0003】
図1は、従来のシリンダー型機械式ロッキング装置の構成を示す図である。
【0004】
従来のシリンダー型機械式ロッキング装置は、図1に示すように、内筒(2)を外筒(3)の貫通孔(7)に嵌め込み、外筒(3)の支持突部(6)で内筒(2)を支持して、シリンダーケースを成す。
【0005】
この際、内筒(2)と外筒(3)に長手方向に等間隔で形成された内側ピン孔とピン孔は、一直線上に置かれることになり、棒状のピン(14)とバネ(15)が嵌合され、その上に、バネ(15)が弾支されるように薄板(12)を凹部(13)に嵌め込む。
【0006】
一方、ピン(14)の一つは内筒(2)の内側ピン孔に位置し、他の一つは外筒(3)のピン孔に位置することにより、内筒(2)が外筒(3)の貫通孔(7)内で回転するようになる。
【0007】
すなわち、鍵が内筒(2)の鍵挿入孔(4)に挿入されると、断面上、下方に垂下したピン(14)が接する線は、挿入された鍵により内筒(2)と外筒(3)が接する境界線と一致するため、外筒(3)内で内筒(2)は回転するようになる。
【0008】
この際、鍵挿入孔(4)に挿入された鍵が完全に挿入されていないと、又は合わない鍵が鍵挿入孔(4)に挿入されると、ピン(14)が接する線と、内筒(2)及び外筒(3)が接する線が一致しないため、内筒(2)は回転しなくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、このような従来のシリンダー型機械式ロッキング装置は、本来の鍵以外の様々な手段、例えば、針金や手工具、万能鍵などでピン(14)の高さを操作することにより、無断アンロッキングが可能であったため、保安性に問題があった。
【0010】
また、使用者がキーを紛失した場合、ロッキング装置全体を交替しなければならない問題があった。
【0011】
このような問題を解決するための先行技術として、PCT出願WO 01/55539号(VIDEX社)に開示されているElectronic Locking Systemがある。
【0012】
上記Electronic Locking Systemは、ロッキング装置のロッキング及びアンロッキングのための電動ソレノイド組立て体や、上記電動ソレノイド組立て体を制御するためのマイクロプロセッサーなどが装着されたPCBを備えた電子制御装置を含み、シェル(Shell)内で回転可能に構成されたシリンダーを備えたロック(Lock)装置及び電子キー装置から構成され、電子キー装置とロック装置の電気的な交信を通じロッキング装置のロッキング及びアンロッキングが行われるようにしたものである。
【0013】
しかし、上記Electronic Locking Systemにおいては、次のような問題がある。すなわち、ロッキング装置のロッキング及びアンロッキングのために必要な電動ソレノイド組立て体、及び上記電動ソレノイド組立て体を制御するためのマイクロプロセッサーなどが装着されたPCBを備えた電子制御装置を、シェル(Shell)内で回転するシリンダー内に装着することにより、誤作動が起こったり、その寿命が縮まったりするなどの問題があった。
【0014】
それは、マイクロプロセッサーなどが装着されたPCBを含んで構成される電子制御装置は、一般的に、外部で作用する物理的な力や衝撃などに敏感な電子部品から構成されるため、上記ソレノイド組立て体及び電子制御装置を、シェル(Shell)内で回転するシリンダー内に装着することにより、ロッキング装置の頻繁なロッキングおよびアンロッキングの過程で起こるシリンダーの回転による影響を受け、誤作動が起こったり、その寿命が縮まったりしたのである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
従って、本発明は、上記の問題を解決するために行われたもので、アンロッキング暗号など、アンロッキング関連データの貯蔵及び変更が可能な電子キー、及び電子制御装置により駆動されるソレノイド装置を用いてロッキング及びアンロッキングを行うことにより、針金や手工具などを用いて無断アンロッキングが可能であった従来の機械式ロッキング装置が有する保安上の問題を解決し、使用者がキーを紛失した場合でも、ロッキング装置全体を交換する必要なく、電子キーだけを交替して新しいアンロッキング暗号を付与することにより、再利用が可能になる電子式ロッキング装置を提供することがその目的である。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明によると、アンロッキング暗号など、アンロッキング関連データの貯蔵及び変更が可能な電子キー及び電子制御装置により駆動されるソレノイド装置を用いてロッキング及びアンロッキングを行うことによって、針金や手工具などを用いて無断アンロッキングが可能であった既存の機械式ロッキング装置が有する保安上の問題を解決し、使用者が電子キーを紛失した場合でも、ロッキング装置全体を交換する必要がなく、電子キーだけを交替して新しいアンロッキング暗号を付与することにより、再利用が可能である。
【0017】
更に、衝撃に敏感な電子制御装置及びソレノイド装置を、電子キーの操作によって回転される部分であるシリンダーシャフトではなく、インシュレータシリンダー及びコアシリンダーに各々装着することによって、ロッキング装置の頻繁なアンロッキング及びロッキングの過程で起こるシリンダーシャフト回転から影響を受けずに使用することができる耐久性を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
上記の目的を達成するため、本発明は、ソレノイド装置(330)のプランジャー(334)がシャフトシリンダー(310)の回転軸に垂直に作用するシリンダー型電子式ロッキング装置において、上記電子式ロッキング装置のアンロッキングのための電子キー(200)、ボディーシリンダー(250)内に一部が受容され、上記電子キー(200)の作用によって上記ボディーシリンダー(250)内で回転可能であり、上記電子式ロッキング装置のロッキング及びアンロッキングのためのロッキング溝(322)が形成された上記シャフトシリンダー(310)、ソレノイドコイル(331)が巻かれたソレノイドボビン(332)、上記ソレノイドボビン(332)内に受容され、ソレノイドバネ(335)により弾支されて直線運動する上記プランジャー(334)、及び上記ソレノイドボビン(332)と結合して上記プランジャー(334)の移動を制限するピンコア(333)を含み、上記シャフトシリンダー(310)の回転を制御するため、上記プランジャー(334)は上記シャフトシリンダー(310)の回転軸に垂直に、上記シャフトシリンダー(310)に形成されたロッキング溝(322)に作用する上記ソレノイド装置(330)、上記ソレノイド装置(330)の駆動を制御するための電子制御装置(340)、上記シャフトシリンダー(310)が嵌め込まれた状態で、上記ボディーシリンダー(250)内に受容され、上記電子制御装置(340)を支持するインシュレータシリンダー(350)、上記シャフトシリンダー(310)に固定され上記電子制御装置(340)に電源を伝達し、上記電子キー(200)と上記電子制御装置(340)との間にデータを交換するためのコネクター(360)、上記シャフトシリンダー(310)に嵌め込まれた状態で、上記ボディーシリンダー(250)内に受容され上記ソレノイド装置(330)を支持して、上記プランジャー(334)の作動のためのプランジャー貫通孔(373)が形成されたコアシリンダー(370)、及び上記ボディーシリンダー(250)の一端に結合し、上記ボディーシリンダー(250)内に受容される内容物を保護するためのキャップボディー(380)を含むことを特徴とする電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置を提供する。
【0019】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を用いて詳細に説明する。まず、各図面の構成要素に参照符合を付加することにおいて、同一の構成要素に対しては、仮に違う図面上に表示されるとしてもなるべく同一の符合を有していることに留意すべきである。また、本発明を説明することにおいて、関連された公知構成又は機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を汚しかねないと判断される場合は、その詳細な説明は省略する。
【0020】
図2は本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置の斜視図であり、図3aは本発明の実施の形態において、電子キーを除いた電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置の構成を示す分解斜視図であり、図3bは図3aでのインシュレータシリンダーの詳細図である。
【0021】
まず、図2乃至図3を用いて電子キー(200)について説明すると、電子キー(200)はロッキング装置のアンロッキングのための手段であって、電源供給のためのバッテリー(210)を備え、マイクロプロセッサー(図示せず)及びEEPROM(Electrically Erasable Programable Read Only Memory、図示せず)が装着されたPCB(Printed Circuit Board、220)を備える。
【0022】
この際、マイクロプロセッサー(図示せず)は、ボディーシリンダー(250)内に備えた電子制御装置(340)への電源供給及びアンロッキング暗号など、アンロッキング関連データの伝達・交換を制御する電子キー(200)の主制御部であり、EEPROM(図示せず)は、アンロッキング関連データを貯蔵し、又は貯蔵された既存のアンロッキング関連データを削除して新しい情報を貯蔵することができる。
【0023】
また、電子キー(200)には、グラウンド端子(234)を備え、ボディーシリンダー(250)内に備えたソレノイド装置(330)及び電子制御装置(340)への電源供給のための電源供給端子(230)、及びボディーシリンダー(250)内に備えた電子制御装置(340)とのアンロッキング暗号などアンロッキング関連データの交換のためのデータ交換端子(232)を備えて、シャフトシリンダー(310)に作用する作用片(240)を形成している。
【0024】
この際、電子キー(200)に形成された作動片(240)はシャフトシリンダー(310)を回転する一方、シャフトシリンダー(310)を回転させる間に電子キー(200)がボディーシリンダー(250)から離脱しないようにする機能を行う。
【0025】
次に、図2乃至図3を用いて、ボディーシリンダー(250)について説明すると、ボディーシリンダー(250)はロッキング装置のカバーであり、左右両側が一部切断された形態の螺子部A(300)を備えた円筒形であって、ボディーシリンダー(250)の一端には電子キー(200)を受容するための電子キー受容孔(302)を備え、電子キー受容孔(302)の上端部には電子キー(200)に形成された作動片(240)を受容するための作動片受容溝(304)を形成する一方、ボディーシリンダー(250)の他端にはキャップボディー(380)を連結し固定するための雌螺子部A(308)が形成されている。
【0026】
また、ボディーシリンダー(250)には電子キー(200)でシャフトシリンダー(310)を回転させる間に電子キー(200)に形成された作動片(240)を受容し、電子キー(200)がボディーシリンダー(250)から離脱しないようにするキー掛け溝(306)が形成されている。
【0027】
一方、図3を用いてボディーシリンダー(250)内に受容される各構成部品について詳細に説明する。
【0028】
まず、シャフトシリンダー(310)について説明すると、シャフトシリンダー(310)はボディーシリンダー(250)内に一部が受容され、電子キー(200)の作用によってボディーシリンダー(250)内で回転が可能であり、ボディーシリンダー(250)内に受容されない一部には、左右両側が一部切断された形態の螺子部B(312)が形成されている。
【0029】
シャフトシリンダー(310)の一端には電子キー(200)との連結のための電子キー連結孔(314)が形成され、電子キー連結孔(314)の上端部には電子キー(200)に形成された作動片(240)を受容して作動片(240)のより回転可能になるようにする作動片作用孔(315)が形成され、グラウンド役割を行うピンコネクターC(316)を受容するためのピンコネクターC受容孔(317)が形成されている。
【0030】
また、シャフトシリンダー(310)には、コネクター(360)を受容するためのコネクター受容部(318)、及びコネクター(360)をシャフトシリンダー(310)に固定するためのコネクター固定溝(320)を備え、ソレノイド装置(330)に備えたプランジャー(334)を受容してシャフトシリンダー(310)の回転を不可能にすることによりロッキング装置をロッキング状態に固定するためのロッキング溝(322)を形成している。
【0031】
次に、ロッキング装置のロッキング及びアンロッキングのためにシャフトシリンダー(310)の回転を制御するソレノイド装置(330)の構成について説明すると、ソレノイド装置(330)は、ソレノイドコイル(331)が巻かれたソレノイドボビン(332)、ソレノイドボビン(332)の内部に受容され、ソレノイドバネ(335)により弾支されて直線運動するプランジャー(334)、及びソレノイドボビン(332)と結合しプランジャー(334)の移動を制限するピンコア(333)を含んで構成される。
【0032】
この際、ソレノイドコイル(331)は、半田付けなどの手段により電子制御装置(340)のPCB(341)に備えたコイル線連結部(344)に連結される。
【0033】
また、シャフトシリンダー(310)の回転を制御するため、プランジャー(334)はシャフトシリンダー(310)の回転軸に垂直に、シャフトシリンダー(310)に形成されたロッキング溝(322)に作用する。
【0034】
一方、ソレノイド装置(330)の駆動を制御するための電子制御装置(340)の構成について説明すると、電子制御装置(340)はPCB(341)、電源及びデータを伝達するためのバネピンコネクター(342)、マイクロプロセッサー(343)及びEEPROM(図示せず)を含んで構成される。
【0035】
マイクロプロセッサー(343)は、ソレノイド装置(330)への電源供給及び電子キー(200)とのアンロッキング暗号など、アンロッキング関連データの伝達・交換を制御する電子制御装置(340)の主制御部であり、EEPROM(図示せず)は、アンロッキング暗号など、アンロッキング関連データを貯蔵し、又は、貯蔵された既存のアンロッキング暗号やその他のアンロッキング関連データを削除し、新しい情報を貯蔵することができる。
【0036】
一方、ソレノイドコイル(331)が連結されるコイル線連結部(344)を備え、バネピンコネクター(342)、マイクロプロセッサー(343)及びEEPROM(図示せず)が装着されたPCB(341)は、グラウンド役割を行うグラウンドプレイト(345)と共にPCB固定ボルト(346)によりインシュレータシリンダー(350)に固定される。
【0037】
次に、シャフトシリンダー(310)が嵌め込まれた状態でボディーシリンダー(250)内に受容され電子制御装置(340)を支持するインシュレータシリンダー(350)について説明すると、インシュレータシリンダー(350)はシャフトシリンダー貫通孔(351)を備えて、電子制御装置(340)を支持するためのPCB支持溝(352)、PCB支持台(353)及びPCB固定雌螺子部(354)を備え、バネピンコネクター(342)とコネクター(360)を連結するための連結孔(356)、及びコアシリンダー(370)との連結のためのコアシリンダー連結溝(357)を備えて、インシュレータシリンダー(350)は、電子制御装置(340)を支持するため、電子制御装置(340)から発生する電気的な影響に絶縁体として作用するための絶縁用素材で構成される。
【0038】
一方、シャフトシリンダー(310)が嵌め込まれた状態でボディーシリンダー(350)内に受容されソレノイド装置(330)を支持するコアシリンダー(370)について説明すると、コアシリンダー(370)にはシャフトシリンダー(310)が嵌め込まれるシャフトシリンダー貫通孔(371)が形成され、ソレノイド装置(330)を支持するためのソレノイドボビン支持部(372)とプランジャー(334)の作動のためのプランジャー貫通孔(373)が形成されている。
【0039】
また、コアシリンダー(370)にはインシュレータシリンダー(350)との連結のための連結片A(374)とキャップボディー(380)との連結のための連結片B(375)が形成されている。
【0040】
以上のように、本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置において、ロッキング装置のロッキング及びアンロッキングのためのソレノイド装置(330)、及びソレノイド装置(330)の駆動を制御するための電子制御装置(340)は、電子キー(200)の操作によって回転される部分であるシャフトシリンダー(310)ではなく、コアシリンダー(370)及びインシュレータシリンダー(350)に各々装着されることを特徴とする。
【0041】
もちろん、シャフトシリンダー(310)の構造を変更してソレノイド装置(330)及び電子制御装置(340)をシャフトシリンダー内に装着するように構成することもできるが、電子制御装置(340)は外部で作用する物理的な力や衝撃などに敏感な電子部品から構成されるため、ソレノイド装置(330)及び電子制御装置(340)をシャフトシリンダー内に装着する場合、ロッキング装置の頻繁なアンロッキング及びロッキングの過程で起こるシャフトシリンダーの回転による影響を受けて、誤作動が起こったりその寿命が縮まったりする問題が発生しかねないのである。
【0042】
従って、本発明の実施の形態においては、衝撃に敏感な電子制御装置(340)及びソレノイド装置(330)を、電子キー(200)の操作によって回転されない部分であるインシュレータシリンダー(350)及びコアシリンダー(370)に各々装着することによって、ロッキング装置の頻繁なアンロッキング及びロッキングの過程で起こるシャフトシリンダー(310)の回転から全く影響を受けずに使用することができる耐久性を有するようにした。
【0043】
一方、シャフトシリンダー(310)に固定されて、電子キー(200)から電子制御装置(340)に電源を伝達し、電子キー(200)と電子制御装置(340)間にアンロッキング暗号など、アンロッキング関連データを交換するためのコネクター(360)について説明する。
【0044】
コネクター(360)は、絶縁性材質から構成されたコネクターボディー(361)内に電子キー(200)から電子制御装置(340)に電源を伝達するための導電性材質からなるピンコネクターA(362)、ピンターミナルA(363)及びピンコネクターA(362)とピンターミナルA(363)を連結するバネA(364)を備え、またコネクターボディー(361)内に、電子キー(200)と電子制御装置(340)間にアンロッキング暗号やその他のアンロッキング関連データを伝達・交換するための導電性材質からなるピンコネクターB(365)、ピンターミナルB(366)及びピンコネクターB(365)とピンターミナルB(366)を連結するバネB(367)を備えて、シャフトシリンダー(310)に形成されたコネクター受容部(318)に受容されピンターミナルC(368)によりシャフトシリンダー(310)に固定される。
【0045】
一方、ボディーシリンダー(250)の一端に結合し、ボディーシリンダー(250)内に受容される内容物を保護するためのキャップボディー(380)について説明すると、キャップボディー(380)にはシャフトシリンダー貫通孔(381)とコアシリンダー(370)との連結のためのコアシリンダー連結孔(382)が形成され、突出部(383)が形成されている。この際、キャップボディー(380)はキャップボディー固定ボルト(384)によりボディーシリンダー(250)に固定される。
【0046】
最後に、シャフトシリンダー(310)に結合してシャフトシリンダー(310)の回転を制限するプレイトストッパー(390)について説明すると、プレイトストッパー(390)には、第1係止突起(392)及び第2係止突起(393)を備え、シャフトシリンダー貫通孔(391)が形成されて、シャフトシリンダー(310)の回転と共に回転する。
【0047】
電子キー(200)の作用によりシャフトシリンダー(310)が回転すると、プレイトストッパー(390)も共に回転する中、プレイトストッパー(390)に形成された第1係止突起(392)に、キャップボディー(380)に形成された突出部(383)が係止されることで、使用者にロッキング装置のアンロッキングのためのシャフトシリンダー(310)の回転終了時点を知らせるようになり、またロッキング状態に復帰するためにシャフトシリンダー(310)を逆に回転させる場合、プレイトストッパー(390)に形成された第2係止突起(393)にキャップボディー(380)に形成された突出部(383)が係止されることで、使用者にロッキング状態への復帰のためのシャフトシリンダー(310)の回転終了時点を知らせるようになる.
【0048】
図4は本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置のロッキング状態を示す縦断面図で、図5は本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置のアンロッキング可能状態を示す縦断面図で、図6及び図7は本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置のアンロッキング状態を示す正面図及び背面図である。
【0049】
以下、図4、図5、図6及び図7を用いて本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置のアンロッキング及びロッキング過程について詳細に説明する。
【0050】
図4に示すように、ソレノイド装置(330)のプランジャー(334)がシャフトシリンダー(310)に形成されたロッキング溝(322)内に引き入れられロッキング状態にある場合、シャフトシリンダー(310)の回転は不可能である。
【0051】
まず、アンロッキング過程について詳細に説明すると、ロッキング装置のアンロッキングのために、図5に示すように、電子キー(200)をシリンダーボディー(250)に形成された電子キー受容孔(302)に嵌め込み、電子キー(200)に備えた電源供給端子(230)、データ交換端子(232)及びグラウンド端子(234)をピンコネクターA(362)、ピンコネクターB(365)及びピンコネクターC(316)に各々接触させると、電子キー(200)に付与されたアンロッキング暗号が電子キー(200)から電子制御装置(340)に伝達され、電子制御装置(340)では、伝達されたアンロッキング暗号を認証する過程を行うこととなる。
【0052】
この際、電子キー(200)に付与されたアンロッキング暗号と電子制御装置(340)に登録されたアンロッキング暗号が一致しアンロッキング暗号認証が行われると、電子制御装置(340)は、電子キー(200)に備えたバッテリー(210)から電源の供給を受けて、ソレノイド装置(330)を駆動させ、シャフトシリンダー(310)のロッキング溝(322)内に引き入れられていたプランジャー(334)を、図5に示すように、シャフトシリンダー(310)のロッキング溝(322)の外に突出させることにより、シャフトシリンダー(310)が回転可能な状態、即ちロッキング装置のアンロッキング可能状態となる。
【0053】
その後、使用者は電子キー(200)を操作してシャフトシリンダー(310)を、図6に示すように、時計周りに90°回転させることにより、ロッキング装置をアンロッキングすることが可能になる。
【0054】
一方、シャフトシリンダー(310)を回転させる場合、プレイトストッパー(390)はシャフトシリンダー(310)に連結され、シャフトシリンダー(310)と共に回転することとなる。この際、図7に示すように、プレイトストッパー(390)の第1係止突起(392)が、ボディーシリンダー(250)に固定されるキャップボディー(380)に形成された突出部(383)に係止されることにより、使用者にロッキング装置のアンロッキングのためのシャフトシリンダー(310)の回転終了時点を知らせることとなる。
【0055】
一方、電子キー(200)でシャフトシリンダー(310)を回転させる間は、電子キー(200)に形成された作動片(240)がボディーシリンダー(250)に形成されたキー掛け溝(306)に受容され、電子キー(200)がボディーシリンダー(250)から離脱されることを防止する。
【0056】
次に、ロッキング過程について詳細に説明すると、使用者がアンロッキング状態で電子キー(200)を操作してアンロッキングとは逆にシャフトシリンダー(310)を反時計回りに90°回転させると、シャフトシリンダー(310)に形成されたロッキング溝(322)とソレノイド装置(330)のプランジャー(334)が一直線上に位置することとなり、圧縮されていたソレノイドバネ(335)の弾性作用によってプランジャー(334)がシャフトシリンダー(310)に形成されたロッキング溝(322)内に引き入れられることにより、シャフトシリンダー(310)が回転不可能な状態、即ちロッキング状態となる。
【0057】
一方、上記のようなロッキング過程におけるプレイトストッパー(390)の作用について説明すると、ロッキング状態に復帰するため、シャフトシリンダー(310)を反時計回りに回転させる場合、プレイトストッパー(390)に形成された第2係止突起(393)がキャップボディー(380)に形成された突出部(383)に係止されることにより、使用者にロッキング状態への復帰のためのシャフトシリンダー(310)の回転終了時点を知らせることとなる。
【0058】
一方、本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置において、電子キー(200)及び電子制御装置(340)にはアンロッキング暗号など、アンロッキング関連データの貯蔵及び変更が可能であるEEPROM(図示せず)が装着されるため、使用者がキーを紛失した場合、装置全体を交換しなければならなかった既存の機械式ロッキング装置の問題を解決することができる。
【0059】
即ち、使用者が電子キー(200)を紛失した場合でも、電子キー(200)だけを交替して新しい暗号を付与し、電子制御装置(340)に備えたEEPROM(図示せず)に登録されていた既存のアンロッキング暗号を削除した後、新しいアンロッキング暗号を登録することにより、ロッキング装置全体を交換する必要がなく、再利用が可能である。
【0060】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者なら、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変更を加えることができる。従って、本発明に開示された実施の形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施の形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるのではない。本発明の保護の範囲は請求範囲により解釈すべきであって、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】従来のシリンダー型機械式ロッキング装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置の斜視図である。
【図3】図2における電子キーを除いた電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置の構成を示す分解斜視図る。
【図4】本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置のロッキング状態を示す縦断面図である。
【図5】本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置のアンロッキング可能状態を示す縦断面図である。
【図6】本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置のアンロッキング状態を示す正面図である。
【図7】本発明の実施の形態による電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置のアンロッキング状態を示す背面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイド装置(330)のプランジャー(334)がシャフトシリンダー(310)の回転軸に垂直に作用するシリンダー型電子式ロッキング装置において、
上記電子式ロッキング装置のアンロッキングのための電子キー(200)、
ボディーシリンダー(250)内に一部が受容され、上記電子キー(200)の作用によって上記ボディーシリンダー(250)内で回転可能であり、上記電子式ロッキング装置のロッキング及びアンロッキングのためのロッキング溝(322)が形成された上記シャフトシリンダー(310)、
ソレノイドコイル(331)が巻かれたソレノイドボビン(332)、上記ソレノイドボビン(332)の内部に受容され、ソレノイドバネ(335)により弾支されて直線運動する上記プランジャー(334)、及び上記ソレノイドボビン(332)と結合して上記プランジャー(334)の移動を制限するピンコア(333)を含み、上記シャフトシリンダー(310)の回転を制御するため、上記プランジャー(334)は上記シャフトシリンダー(310)の回転軸に垂直に、上記シャフトシリンダー(310)に形成されたロッキング溝(322)に作用する上記ソレノイド装置(330)、
上記ソレノイド装置(330)の駆動を制御するための電子制御装置(340)、
上記シャフトシリンダー(310)が嵌め込まれた状態で、上記ボディーシリンダー(250)内に受容され、上記電子制御装置(340)を支持するインシュレータシリンダー(350)、
上記シャフトシリンダー(310)に固定され上記電子制御装置(340)に電源を伝達し、上記電子キー(200)と上記電子制御装置(340)との間にデータを交換するためのコネクター(360)、
上記シャフトシリンダー(310)に嵌め込まれた状態で、上記ボディーシリンダー(250)内に受容され上記ソレノイド装置(330)を支持して、上記プランジャー(334)の作動のためのプランジャー貫通孔(373)が形成されたコアシリンダー(370)、及び
上記ボディーシリンダー(250)の一端に結合し、上記ボディーシリンダー(250)内に受容される内容物を保護するためのキャップボディー(380)を含むことを特徴とする電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置。
【請求項2】
上記コネクター(360)は、絶縁性材質から構成されたコネクターボディー(361)内に受容され上記電子キー(200)から上記電子制御装置(340)に電源を伝達するための導電性材質のピンコネクターA(362)、ピンターミナルA(363)及び上記ピンコネクターA(362)と上記ピンターミナルA(363)を連結するバネA(364)を含み、また上記コネクターボディー(361)内に受容され上記電子キー(200)と上記電子制御装置(340)との間にデータを伝達するための導電性材質のピンコネクターB(365)、ピンターミナルB(366)及び上記ピンコネクターB(365)と上記ピンターミナルB(366)を連結するバネB(367)を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置。
【請求項3】
上記インシュレータシリンダー(350)は上記電子制御装置(340)を支持するため、上記電子制御装置(340)から発生する電気的な影響に絶縁体として作用するための絶縁用素材で構成されたことを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置。
【請求項4】
上記キャップボディー(380)には突出部(383)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置。
【請求項5】
上記電子式ロッキング装置には、第1係止突起(392)及び第2係止突起(393)を備え、上記シャフトシリンダー(310)に結合して上記シャフトシリンダー(310)の回転を制御するプレイトストッパー(390)を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の電子制御装置を用いたシリンダー型電子式ロッキング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−513639(P2008−513639A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532234(P2007−532234)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【国際出願番号】PCT/KR2005/003009
【国際公開番号】WO2006/033530
【国際公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(505454018)アイレボ インコーポレーテッド (3)
【Fターム(参考)】