説明

電子制御装置

【課題】 放熱性や耐ノイズ性などの要求される性能を確保しながら、製造コストを抑制することができる電子制御装置を提供する。
【解決手段】 板状の回路基板4と、回路基板4の一方の面側に配置され、回路基板4が接触するように取り付けられた第1ケース2と、回路基板4の他方の面側に配置され、第1ケース2に接合された第2ケース3と、を有し、第1および第2ケースの間2,3に回路基板4を収容した筐体Hと、第2ケース3に設けられた押圧部材取付け部10と、押圧部材取付け部10によって第2ケース3の第1ケース2側に取り付けられ、第2ケース3が第1ケース2に接合された状態で、回路基板4を第1ケース2側に押圧する押圧部材5と、押圧部材5を押圧部材取付け部10に取り付けるときに、押圧部材取付け部10との間の空気を排気するための排気手段5aと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両などの制御を行うための、回路基板を筐体内部に収容した電子制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電子制御装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この電子制御装置は、電子部品を実装した回路基板を内部に収容した筐体を備えている。筐体は、下ケースおよび上ケースに分割されており、これらは、鉄やアルミなどの金属、または樹脂で構成されている。
【0003】
四角板状に形成された下ケースの隅(主に2箇所)には、台座部がそれぞれ設けられており、回路基板は台座部に載置されている。また、上ケースの天井面の隅には、下ケース側に突出する細長い突起がそれぞれ形成されており、各突起には、ゴム材で構成された弾性部材が取り付けられている。弾性部材は円柱状に形成されており、この弾性部材には、その軸線に沿って延びるとともに弾性部材を貫通する突起挿入孔が設けられている。弾性部材は、突起挿入孔に上ケースの突起が挿入されることにより、上ケースに容易に取り付けられ、上ケースに固定された状態で保持されている。
【0004】
また、弾性部材および回路基板は、上ケースの天井面と下ケースの台座部によって狭持されており、その結果、弾性部材は、弾性変形しながら回路基板を台座部側へ押圧する。このような弾性部材の弾性変形によって、筐体や回路基板の成形公差や組付け公差が吸収された状態で回路基板が押圧されるので、回路基板と筐体との間の間隔が一定に保持される。
【0005】
また、上ケースおよび下ケースをねじにより接合する場合に、ねじを締め付けることによってねじを取り付けたねじ締め部をプレス変形させることによって、上記の成形公差や組付け公差を吸収する例もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4196904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した上ケースの突起のような細長い形状のものを筐体と一体に成形するには、通常、樹脂やダイカストで筐体を構成する。しかし、電子制御装置の筐体として樹脂を用いた場合、低価格で軽量な電子制御装置を得られるものの、優れた放熱性や耐ノイズ性を確保するには、表面処理などの追加加工が必要となり、その場合、低価格で実現することが困難である。また、ダイカストの筐体を用いた場合、製造コストが比較的、高くなるとともに重量の増大を招きやすく、より軽量で低価格の電子制御装置を得ることは困難である。
【0008】
このような問題を回避するために、例えば金属をプレス成形することによってケースを構成することが考えられるが、プレス成形では微細加工性に劣るため、上述した上ケースの突起のような細長い突起物を成形することは困難であり、成形できたとしても、加工コストの増大を招いてしまう。また、ねじ締め部のプレス変形を利用して成形公差や組付け公差を吸収する場合、変形がねじ締め部だけに止まらず、他の部位も変形させてしまうおそれがあり、その場合、防水性を要するECUでは防水性を確保できないおそれがある。
【0009】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、放熱性や耐ノイズ性などの要求される性能を確保しながら、製造コストを抑制することができる電子制御装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、特許請求の範囲に記載の請求項1に係る電子制御装置は、板状の回路基板と、回路基板の一方の面側に配置され、回路基板が接触するように取り付けられた第1ケースと、回路基板の他方の面側に配置され、第1ケースに接合された第2ケースと、を有し、第1および第2ケースの間に回路基板4を収容した筐体と、第2ケースに設けられた押圧部材取付け部と、押圧部材取付け部に取り付けられ、第2ケースが第1ケースに接合された状態で、回路基板とともに第1および第2ケースに狭持されることによって、回路基板を第1ケース側に押圧する押圧部材と、押圧部材を第2ケースに取り付けるときに、押圧部材取付け部との間の空気を排気するための排気手段と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
この電子制御装置によれば、回路基板の一方の面側および他方の面側にそれぞれ配置された第1および第2ケースが互いに接合され、両ケースの間に回路基板が収容される。回路基板は、第1ケースに接触するように取り付けられており、この回路基板は、第2ケースの押圧部材取付け部に取り付けられた押圧部材とともに第1および第2ケースに狭持されている。それにより、回路基板は押圧部材によって第1ケース側に押圧されている。また、押圧部材を取り付ける際には、押圧部材取付け部との間に存在する空気が排気手段によって排気される。
【0012】
以上のように、回路基板は押圧部材によって第1ケース側に押圧されるので、回路基板を第1ケースに確実に接触させること、または成形公差や組付け公差の影響を受けずに両者の間隔を一定に保つことができる。それにより、例えば金属製の第1ケースを用いることによって、回路基板に生じた熱を第1ケースに直接または熱伝導材を経由して伝達させ、第1ケースから効果的に放熱させることができる。
【0013】
また、従来の電子制御装置のように突起物を用いることなく、押圧部材を取り付けられるので、少なくとも第2ケースをダイカスト以外で構成することが可能になる。例えば、第2ケースを金属のプレス加工により成形することによって、耐ノイズ性や放熱性を確保しながら、電子制御装置の製造コストを抑制することができる。また、押圧部材と押圧部材取付け部との間の空気が排気手段によって排気されるので、第2ケースに確実に接触した状態で、押圧部材を安定して取り付けることができ、それにより、押圧部材によって押圧された回路基板と第1ケースとの接触を確実に維持することができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る電子制御装置において、押圧部材には、排気手段として、押圧部材側排気通路が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この電子制御装置によれば、押圧部材側に設けられた押圧部材側排気通路によって、押圧部材を第2ケースに取り付ける際に、第2ケースとの間の空気が排気される。それにより、押圧部材が取り付けられる押圧部材取付け部側の構成を簡素化でき、第2ケースの製造コストを削減することができる。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の電子制御装置において、押圧部材取付け部は、第1ケース側に開放する円筒状の凹部を有し、押圧部材は、円柱状に形成され、凹部に嵌合しており、押圧部材側排気通路は、押圧部材が凹部に嵌合するときに、凹部の内側と外側とを連通することを特徴とする。
【0017】
この電子制御装置によれば、円柱状の押圧部材が、押圧部材取付け部の第1ケース側に開放する円筒状の凹部に嵌合することによって、第2ケースに取り付けられている。また、押圧部材を凹部に嵌合させる際、凹部内の空気は、凹部の内側と外側とを連通する押圧部材側排気通路を通過して、凹部から外方に排気される。
【0018】
このように、円筒状の凹部に円柱状の凹部が嵌合しているので、両者の接触面積をより大きくでき、また、押圧部材側排気通路から凹部との間の空気が排気されるので、押圧部材を隙間なく第2ケースに取り付けることができる。したがって、押圧部材を第2ケースに十分な取付け強度で取り付けることができる。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の電子制御装置において、第2ケースの周縁部には、第1ケースと接合するための第1ケースに向かって延びる周壁が形成され、凹部は、周壁よりも第2ケースの内側において周壁に隣接して配置され、凹部の内周面は、周壁の壁面から連続して延びていることを特徴とする。
【0020】
この電子制御装置によれば、第2ケースの周縁部に設けられた周壁から内周面が連続して延びるように、円筒状の凹部が周壁に隣接して周壁よりも内側に配置されており、この凹部に押圧部材が嵌合している。周壁は、第1ケースに向かって延びており、それにより、押圧部材を凹部に嵌合させると、押圧部材の外周面を周壁に接触させることができる。したがって、凹部だけでなく、第2ケースの周壁によって押圧部材を支持することができ、押圧部材を第2ケースにより確実に固定することができる。
【0021】
請求項5に係る発明は、請求項3または4に記載の電子制御装置において、押圧部材取付け部は、第2ケースの第1ケースと反対側に切欠き状の段差部を有し、段差部と第2ケースの段差部以外の部分は、第2ケースの外縁間を直線状に延びる境界面によって区分されており、凹部は段差部の第1ケース側に設けられていることを特徴とする。
【0022】
この電子制御装置によれば、第2ケースの第1ケースと反対側に切欠き状の段差部が設けられている。この段差部と第2ケースの他の部分は、第2ケースの外縁間を直線状に延びる境界面によって区分されており、この切欠き部の第1ケース側に凹部が設けられている。
【0023】
この電子制御装置によれば、押圧部材取付け部の段差部と第2ケースの他の部分との境界面が直線状に延びているので、押圧部材取付け部が例えば水などの液体にさらされても、液体は、第2ケースの外縁間を延びる直線状の境界面に沿って外縁まで流動し、外縁から流れ落ちる。したがって、押圧部材取付け部に水などが滞留するのを防止でき、その結果、筐体の腐食を抑制することができ、電子制御装置の耐久性を向上させることができる。
【0024】
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の電子制御装置において、押圧部材取付け部には、排気手段として、ケース側排気通路が設けられていることを特徴とする。
【0025】
この電子制御装置によれば、第2ケースの押圧部材取付け部側に設けられたケース側排気通路によって、押圧部材を第2ケースに取り付ける際に、第2ケースとの間の空気が排気される。それにより、押圧部材の形状を簡素化でき、押圧部材の製造コストを削減することができる。
【0026】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の電子制御装置において、押圧部材取付け部は、第1ケース側に開放する円筒状の凹部を有し、押圧部材は、円柱状に形成され、凹部に嵌合しており、ケース側排気通路は、押圧部材を凹部に嵌合させるときに、凹部内の空気を凹部の外方に排気することを特徴とする。
【0027】
この電子制御装置によれば、円柱状の押圧部材が、押圧部材取付け部の第1ケース側に開放する円筒状の凹部に嵌合することによって、第2ケースに取り付けられている。また、押圧部材を凹部に嵌合させる際、凹部内の空気は、押圧部材側排気通路を通過して、凹部の外方に排気される。
【0028】
このように、円筒状の凹部に円柱状の押圧部材が嵌合しているので、前述した請求項3に係る発明と同様に、両者の接触面積をより大きくでき、それにより、押圧部材を第2ケースに十分な取付け強度で取り付けることができる。
【0029】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の電子制御装置において、第2ケースの周縁部には、第1ケースと接合するための第1ケース側に向かって延びる周壁が形成され、押圧部材は、周壁よりも第2ケースの内側において周壁に隣接して配置され、周壁と押圧部材取付け部とによって狭持された状態で、第2ケースに取り付けられていることを特徴とする。
【0030】
この電子制御装置によれば、第2ケースの周縁部に設けられた周壁と、押圧部材取付け部とによって、押圧部材が狭持されており、その状態では、押圧部材の外周面が周壁に接触した状態に維持される。したがって、周壁で押圧部材を支持することができ、押圧部材を第2ケースにより確実に固定することができる。
【0031】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載の電子制御装置において、押圧部材取付け部は、第1ケース側に突出する凸部を有し、押圧部材は、凸部と周壁との間に狭持されていることを特徴とする。
【0032】
この電子制御装置によれば、押圧部材は、第1ケース側に突出する凸部と周壁との間に狭持された状態で、第2ケースに取り付けられる。したがって、凸部と周壁とによって狭持することが可能であれば、任意の形状の凸部および押圧部材を用いることができ、これらの形状をより簡素化することが可能になる。
【0033】
請求項10に係る発明は、請求項6に記載の電子制御装置において、第2ケースは、第1ケースと反対側の表面にラベルを取り付けて表示するための表示用凹部を有し、押圧部材は、表示用凹部および周壁によって狭持されていることを特徴とする。
【0034】
電子制御装置には、例えば型番や仕様を表示するために、これらを表記したラベルを取り付けた表示部用凹部が設けられている場合があり、このような表示部用凹部を利用し、周壁との間に押圧部材を狭持するのに用いることによって、押圧部材取付け部の構成をより簡素なものにすることができる。
【0035】
請求項11に係る発明は、請求項6に記載の電子制御装置において、押圧部材取付け部は、第1ケース側に突出する複数の凸部を有し、押圧部材は、複数の凸部によって狭持されていることを特徴とする。
【0036】
この電子制御装置によれば、押圧部材は、複数の凸部の間に配置され、複数の凸部によって押圧部材が狭持されることによって、第2ケースに取り付けられる。したがって、押圧部材を狭持することが可能な任意の形状およびサイズの凸部を用いることができる。
【0037】
請求項12に係る発明は、板状の回路基板と、回路基板の一方の面側に配置され、回路基板が接触するように取り付けられた第1ケースと、回路基板の他方の面側に配置され、貫通孔が形成されるとともに第1ケースに接合された第2ケースと、を有し、第1および第2ケースの間に回路基板を収容した筐体と、貫通孔に係合することによって第2ケースに取り付けられ、第2ケースが第1ケースに接合された状態で、回路基板を第1ケース側に押圧する押圧部材と、を備え、押圧部材は、貫通孔とほぼ同じ形状およびサイズ、且つ押圧部の他の部分よりも断面積の小さな係合部を有し、係合部を介して、貫通孔に係合していることを特徴とする。
【0038】
この電子制御装置によれば、前述した請求項1に係る電子制御装置と同様、回路基板の一方の面側および他方の面側にそれぞれ配置された第1および第2ケースが互いに接合され、両ケースの間に回路基板が収容される。回路基板は、第1ケースに接触するように取り付けられており、この回路基板は、第2ケースに設けられた押圧部材によって、第1ケース側に押圧されている。押圧部材には、第2ケースに形成された貫通孔とほぼ同じ形状およびサイズを有し、押圧部材の他の部分よりも断面積の小さな係合部が設けられており、押圧部材は、この係合部を介して貫通孔に係合している。
【0039】
以上のように、前述した請求項1に係る発明と同様、回路基板は押圧部材によって第1ケースに押圧されるので、回路基板を第1ケースに接触した状態に確実に維持することができる。それにより、例えば、第2ケースを金属のプレス加工により成形することによって、耐ノイズ性や放熱性を確保しながら、電子制御装置の製造コストを抑制することができるとともに、回路基板に生じた熱を、第1ケースから効果的に放熱させることができる。また、押圧部材の取付けのための構成として、第2ケースには貫通孔が形成されるだけなので、第2ケースの構成をより簡素化でき、電子制御装置の製造コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子制御装置を示す(A)平面図、(B)背面図および(C)下面図である。
【図2】図1の電子制御装置の下ケースおよび回路基板を示す平面図である。
【図3】図1の電子制御装置の(A)押圧部材取付け部付近を示す斜視図および図1(A)の線A−Aに沿う部分断面図である。
【図4】押圧部材取付け部への押圧部材の(A)取付け前および(B)取付け後をそれぞれ示す説明図である。
【図5】押圧部材の第1の変形例をそれぞれ示す(A)平面図および(B)正面図と、(C)第1の変形例の押圧部材を取り付けた状態を示す説明図である。
【図6】押圧部材の第2の変形例をそれぞれ示す(A)平面図および(B)正面図である。
【図7】第1実施形態に係る電子制御装置の第1の変形例を示す部分断面図である。
【図8】第1実施形態に係る電子制御装置の第2の変形例をそれぞれ示す(A)部分平面図、(B)線B−Bに沿う部分断面図、および(C)線C−Cに沿う部分断面図である。
【図9】第2実施形態に係る電子制御装置をそれぞれ示す(A)部分平面図および(B)線D−Dに沿う部分断面図である。
【図10】第3実施形態に係る電子制御装置をそれぞれ示す(A)部分平面図、(B)線E−Eに沿う部分断面図、および(C)線F−Fに沿う部分断面図である。
【図11】第4実施形態に係る電子制御装置を示す平面図である。
【図12】第4実施形態に係る電子制御装置をそれぞれ示す(A)部分平面図、(B)線G−Gに沿う部分断面図、および(C)線H−Hに沿う部分断面図である。
【図13】第5実施形態に係る電子制御装置をそれぞれ示す(A)部分平面図、(B)線I−Iに沿う部分断面図、および(C)線J−Jに沿う部分断面図である。
【図14】第6実施形態に係る電子制御装置をそれぞれ示す(A)部分平面図、(B)線K−Kに沿う部分断面図、および(C)線L−Lに沿う部分断面図である。
【図15】第7実施形態に係る電子制御装置を示す(A)部分平面図、(B)押圧部材を示す正面図、および(C)線M−Mに沿う部分断面図である。
【図16】第8実施形態に係る電子制御装置の(A)押圧部材取付け部付近を示す部分断面図と、(B)第8実施形態に係る電子制御装置の変形例を示す部分断面図である。
【図17】第9実施形態に係る電子制御装置の(A)押圧部材取付け部付近を示す部分断面図と、(B)第9実施形態に係る電子制御装置の変形例を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の第1実施形態に係る電子制御装置1について、図面を参照しながら説明する。この電子制御装置1は、例えば車両(図示せず)のエンジンルームに配置され、運転者による運転操作などに応じて、エンジン(図示せず)の制御を実行するものである。
【0042】
図1に示すように、電子制御装置1は、筐体Hと、コネクタ4aを有する回路基板4を備えている。筐体Hは、回路基板4の厚さ方向(上下方向)に分割された下ケース2(第1ケース)および上ケース3(第2ケース)によって構成されており、回路基板4のほぼ全体が、上ケース3および下ケース2によって取り囲まれたスペースに収容されている。なお、便宜上、図1(A)の上側を電子制御装置1の「前」、下側を「後」として、また、右側を電子制御装置1の「右」、左側を「左」として、以下の説明を行う。
【0043】
図2に示すように、回路基板4は、矩形の板状に形成されており、コネクタ4aは回路基板4の前端部に取り付けられている。この回路基板4の両面には、多数の電子部品(図示せず)が実装されている。コネクタ4aは、回路基板4の各種の電子部品や回路を駆動させるための電力を供給するとともに、各種の信号の送受信を行うために、外部コネクタ(図示せず)を接続するためのものである。また、回路基板4の後側の左右の隅部には、接地用ランド4b、4bがそれぞれ設けられている。各接地用ランド4bは、回路基板4の下ケース2側に形成されており、回路基板4に設けられた配線と同じ銅などの導体で構成されていて、回路基板4の各種の回路に接続されている。
【0044】
下ケース2は、アルミダイカストで一体に形成されており、底板2aと、この底板2aの外周縁のうち、コネクタ4aが露出する前側の一縁を除いた外周縁に設けられたフランジ部2bを有している。フランジ部2bは、底板2aから外方に延びており、図3(B)に示すように、上ケース側に開放し、底板2aの外周縁に沿って延びる溝2dを有している。また、フランジ部2bよりも内側の底板2aの左右の隅部には、回路基板4を下方から支持するための2つの台座2c、2cがそれぞれ設けられており、各台座2cは、底板2aの他の部位よりも厚く形成され、その上面と底板2aとの間に段差が生じている。
【0045】
上ケース3は、例えば鋼板をプレス成形することで形成されており、ほぼ矩形状の天板3dと、コネクタ4aが露出する前側の一縁を除いて、天板3dの外縁から下ケース2に向かって延びる周壁3aとを有している。周壁3aの隅部の壁面は、湾曲して延びる曲面になっており、また、周壁3aの下端部には、外方に延びるフランジ部3bが設けられている。周壁3aの屈曲した下端部は下ケース2の溝2dに進入しており、上下のフランジ部3b、2b同士が当接した状態で、フランジ部3b、2bに螺合する計4つのねじ3eによって、上ケース3および下ケース2が互いに接合されている。
【0046】
上ケース3の周壁3aよりも内側の左右の隅部には、押圧部材取付け部10、10がそれぞれ設けられている。図3(A)は、押圧部材取付け部10およびその近傍を、上下反転させて示しており、同図に示すように、押圧部材取付け部10は、天板3dとの間に段差を設けて、より下ケース2に近い高さ位置に形成された段差部11を有している。この段差部11によって、押圧部材取付け部10は、上ケース3の上方から見て、天板3dの隅部に切欠き状に構成されている。
【0047】
また、段差部11の中央には、下方の下ケース2側に開口する凹部12が形成されている。上述したように、上ケース3はプレス成型されているので、凹部12は、上方から見たときには段差部11から突出している。また、凹部12は、所定の径および深さを有する円筒状に形成されており、この凹部12には、押圧部材5が嵌合している。
【0048】
押圧部材5は、ゴムなどの弾性体で円柱状に構成されており、凹部12の径よりも若干、大きな径を有している。また、この押圧部材5には、断面円形の排気孔5a(排気手段、押圧部材側排気通路)が形成されている。この排気孔5aは、押圧部材5の軸線に沿って延びるとともに押圧部材5を貫通している。
【0049】
図4(A)に示すように、押圧部材5を押圧部材取付け部10に取り付けるときには、押圧部材5の一方の端部を凹部12に向かって押圧する。それにより、押圧部材5の他方の端部が、弾性を有することにより若干、圧縮された状態で凹部12に嵌合する。その際、凹部12の内側と外側とは、押圧部材5の排気孔5aによって連通しているので、押圧部材5と凹部12の間に存在する空気は、押圧部材5が凹部12に進入するに従って、同図(B)に矢印で示すように、排気孔5aを通過して凹部12の外に排出される。それにより、押圧部材5は、凹部12の天井面との間に隙間を生じることなく、凹部12に密着した状態で取り付けられる。
【0050】
上ケース3は、左右の押圧部材取付け部10、10に押圧部材5、5をそれぞれ取り付けた後、下ケース2に接合される。また、上述した回路基板4は、上ケース3と下ケース2の間に構成された空間に収容されており、回路基板4に取り付けられたコネクタ4aは、上ケース3および下ケース2によって狭持された状態で、筐体Hの前端部の開口から露出している。
【0051】
図3(B)に示すように、回路基板4は、下ケース2の台座2cと上ケース3に取り付けられた押圧部材5によって狭持されている。具体的には、回路基板4の前述した左右の接地用ランド4b、4bが、下ケース2の左右の台座2c、2cにそれぞれ接触するとともに、回路基板4の接地用ランド4bと反対側の面に押圧部材5が接触しており、回路基板4は、接地用ランド4bを介して、押圧部材5によって台座2cに押圧されている。これにより、回路基板4の各種の回路の接地が図られている。
【0052】
また、回路基板4と底板2aの間には、熱伝導材Cが設けられている。この熱伝導材Cは、例えば放熱ゲルや放熱グリスなどで構成されており、回路基板4の発熱量の大きな部位、および底板2aの双方に接触するように充填されている。回路基板4の各種の回路が駆動されるのに伴って生じた熱は、熱伝導材Cによって底板2aに、ひいては下ケース2全体に伝達されることによって、回路基板4からの放熱が行われる。
【0053】
以上のように、第1実施形態に係る電子制御装置1によれば、ダイカスト成形により下ケース2が形成され、鋼板のプレス成型により上ケース3が形成されているので、双方をダイカスト成形する場合と比較して、耐ノイズ性や放熱性を確保しながら、電子制御装置1の製造コストを削減することができる。
【0054】
また、押圧部材5の取付けの際、凹部12との間の空気が排気孔5aから排気されるので、上ケース3に隙間なく確実に接触した状態で、押圧部材5を安定して取り付けることができ、それにより、押圧部材5によって押圧された回路基板4と下ケース2との接触を確実に維持することができる。したがって、回路基板4と底板2aの間の間隔が一定に保持され、回路基板4の熱伝導材Cを介した底板2aとの接触が維持される。その結果、熱伝導材Cによる底板2aへの熱の伝達を安定して行うことができ、下ケース2から効果的に放熱させることができるので、回路基板4の各種の回路を安定して駆動することができる。
【0055】
また、押圧部材5側に排気孔5aが設けられていることにより、押圧部材取付け部10には単純に凹部12を設けるだけよいので、上ケース3の構成を簡素化でき、上ケース3をプレス成形で容易に形成することができる。
【0056】
図5は、前述した押圧部材5の第1の変形例を示している。同図に示すように、この第1の変形例による押圧部材6は、押圧部材5と同様に、全体として円筒状に形成されている。また、この押圧部材6には、押圧部材5の排気孔5aに代えて排気溝6aが形成されている。この排気溝6aは、断面が扇形に構成され、押圧部材6の長さ方向の中央から一方の端面まで延びており、一方の端面に開放している。また、排気溝6aの長さHは、押圧部材取付け部10の凹部12の深さhよりも大きく設定されている。
【0057】
このような第1の変形例による押圧部材6を押圧部材取付け部10に取り付けるときには、前述した押圧部材5と同様に、一方の端部を凹部12に向かって押圧することにより、排気溝6aが開口する側の端部を凹部12に嵌合させる。その際、凹部12との間の空気が、排気溝6aを通過して凹部12の外に排気されることによって、押圧部材6は、凹部12との間に隙間を生じることなく、凹部12に取り付けられる。上述したように、排気溝6aの長さHは凹部12の深さhよりも大きいので、両者12,6の間の空気は、凹部12の外に支障なく排出される。
【0058】
図6は、押圧部材5の第2の変形例を示している。同図に示すように、この第2の変形例による押圧部材7は、押圧部材5と同様に、全体として円筒状に形成されており、押圧部材5の排気孔5aに代えて、排気溝7aを有している。この排気溝7aは、第1の変形例の排気溝6aと同様、扇形の断面形状を有しており、押圧部材5の長さ方向にわたって延びていて、両端面に開放している。以上のような押圧部材7を凹部12に取り付ける際には、上述した押圧部材5,6と同様に、一端部を凹部12に向かって押圧することにより他端部を凹部12に嵌合させ、その際、凹部12との間の空気が、排気溝7aを通して外に排気される。それにより、押圧部材7は、凹部12に密着して押圧部材取付け部10に取り付けられる。
【0059】
以上のように、排気溝6aおよび7aをそれぞれ形成しただけの、単純な形状を有する押圧部材6または7を用いた場合でも、上述した第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0060】
図7は、前述した第1実施.形態に係る電子制御装置1の第1の変形例に係る電子制御装置1aを示している。この電子制御装置1aは、電子制御装置1と比較して、押圧部材取付け部の構成が主に異なっている。以下、第1の変形例に係る電子制御装置1aについて、電子制御装置1と共通する構成要素については共通の符号を用い、電子制御装置1との差異を中心として説明する。
【0061】
同図に示すように、本変形例による電子制御装置は、押圧部材取付け部10に代えて押圧部材取付け部20を有している。この押圧部材取付け部20では、その段差部21が、第1実施形態の段差部11と比較して、より低い高さ位置に、すなわち下ケース2により近い位置に設けられており、段差部21と下ケース2の台座2cとの間の間隔が、より狭くなっている。また、この狭くなった間隔に応じて、排気孔5cを有し、押圧部材5よりも短い押圧部材5bが用いられている。また、段差部21がより低い高さ位置に配置されたことに伴い、凹部22は天板3dよりも低い高さ位置に配置されている。他の構成は、前述した第1実施形態に係る電子制御装置1と同様である。
【0062】
以上のように、本変形例による電子制御装置1aによれば、凹部22が天板3dよりも低い高さ位置に配置されている。したがって、例えば上ケース3側を平坦な面に接地するように電子制御装置1aを配置した場合、平坦な接地面と凹部22との間に間隙が生じるので、接地面の振動などが押圧部材5bへ直接、伝達されることを回避できる。その結果、押圧部材5bの変形や凹部22からの脱落の発生を抑制でき、回路基板4を下ケース2側に確実に押圧することができる。
【0063】
図8は、第1実施形態に係る電子制御装置1の第2の変形例を示している。この電子制御装置1bもまた、第1実施形態に係る電子制御装置1と比較して、押圧部材取付け部の構成が主に異なっている。以下、本変形例に係る電子制御装置1bについて、電子制御装置1と共通する構成要素については共通の符号を用い、電子制御装置1との差異を中心として説明する。
【0064】
同図に示すように、本変形例による電子制御装置1bは、押圧部材取付け部30を有している。前述した第1実施形態の押圧部材取付け部10では、段差部11の中央に凹部12が設けられていたのに対し、本変形例では、同図(A)に示すように、段差部31の中央から外方にずらして周壁3aの湾曲する隅部に隣接するように、凹部32が設けられている。これにより、同図(C)に示すように、周壁3aの曲面状の壁面と、凹部32の周壁3aに隣接する部位(以下、「隣接部位」という)の内周面とが、上下方向に連続して延びている。これにより、隣接部位の近傍において、押圧部材5は、他の部位よりも上下方向により長い範囲で、凹部32および周壁3aの双方に接触している。他の構成は、前述した第1実施形態に係る電子制御装置1と同様である。
【0065】
以上のように、本変形例による電子制御装置1bによれば、押圧部材5は、凹部32の内周面および周壁3aの壁面の双方に接触しているので、特に、筐体Hの中央から外方に向かって押圧部材5に作用する応力に対し、押圧部材5を、凹部32の内周面および周壁3aの壁面によって確実に支持して固定することができる。
【0066】
図9は、第2実施形態に係る電子制御装置1cを示している。この電子制御装置1cもまた、第1実施形態に係る電子制御装置1と比較して、押圧部材取付け部の構成が主に異なっている。以下、第2実施形態に係る電子制御装置1cについて、電子制御装置1と共通する構成要素については共通の符号を用い、電子制御装置1との差異を中心として説明する。
【0067】
同図に示すように、本実施形態による電子制御装置1cは、押圧部材取付け部40を有している。この押圧部材取付け部40では、同図(A)に示すように、上述した第2の変形例と同様、上ケース3の周壁3aに隣接して凹部42が設けられている。これにより、同図(B)に示すように、凹部42の隣接部位近傍では、押圧部材5は、他の部位よりも上下方向により長い範囲で、凹部42および周壁3aに接触している。
【0068】
また、段差部41と天板3dとの境界面43が直線状に延びており、この境界面43は、天板3dの後側の外縁と右または左側の外縁との間にわたって斜めに延びている。他の構成は、前述した第1実施形態に係る電子制御装置1と同様である。
【0069】
以上のように、第2実施形態に係る電子制御装置1cによれば、押圧部材取付け部40と第2ケース3の天板3dとの境界面43が直線状に延びているので、押圧部材取付け部40が例えば水などにさらされても、水は、境界面43に沿って天板3dの外縁まで流動し、外縁から流れ落ちるので、押圧部材取付け部40に水などが滞留するのを防止することができる。その結果、筐体Hの腐食を抑制できるので、電子制御装置1cの耐久性を向上させることができる。
【0070】
図10は、第3実施形態に係る電子制御装置1dを示している。この電子制御装置1dもまた、第1実施形態に係る電子制御装置1と比較して、押圧部材取付け部の構成が主に異なっている。以下、第3実施形態に係る電子制御装置1dについて、電子制御装置1と共通する構成要素については共通の符号を用い、電子制御装置1との差異を中心として説明する。
【0071】
同図に示すように、本実施形態に係る電子制御装置1dは、押圧部材取付け部10および押圧部材5に代えて押圧部材取付け部50および押圧部材8を有している。本実施形態の凹部52は、同図(A)に示すように、上述した第2の変形例と同様、上ケース3の周壁3aに隣接して設けられている。これにより、同図(C)に示すように、凹部52の隣接部位近傍では、押圧部材8は、他の部位よりも上下方向により長い範囲で、凹部52および周壁3aに接触している。
【0072】
また、凹部52の隣接部位と反対側の部位が開放されており、これにより、段差部51は2つに分割されており、凹部52の天井面と天板3dの下面とが連続して延びている。また、押圧部材8は、このような凹部52に取り付けられており、第1実施形態の押圧部材5と同様、ゴム材によって構成され、押圧部材5と異なり、中実の円柱状に形成されている。
【0073】
押圧部材8は、第1実施形態と同様、凹部52に向かって押圧されることにより、一端部が凹部52に挿入され、凹部52に嵌合した状態で取り付けられる。その際、押圧部材8と凹部52との間の空気は、分割された段差部51、51の間の間隙を通過して排気される。すなわち、この間隙が上ケース3側の排気通路として用いられるので、押圧部材8は、凹部52に隙間なく取り付けられる。他の構成は、前述した第1実施形態に係る電子制御装置1と同様である。
【0074】
以上のように、第3実施形態に係る電子制御装置1dによれば、上ケース3側の段差部51,51の間の間隙が、ケース側排気通路として機能し、押圧部材8を第2ケースに取り付ける際に、第2ケース3との間の空気が排気される。したがって、単純な円柱状の押圧部材8を用いることができ、押圧部材8の製造コストを削減することができる。
【0075】
図11および図12は、第4実施形態に係る電子制御装置1eを示している。この電子制御装置1eもまた、第1実施形態に係る電子制御装置1と比較して、押圧部材取付け部の構成が主に異なっている。以下、第4実施形態に係る電子制御装置について、電子制御装置1と共通する構成要素については共通の符号を用い、電子制御装置1との差異を中心として説明する。
【0076】
図11に示すように、上ケース3の天板3dの後部には、表示用凹部3cが形成されている。この表示用凹部3cは、例えば、電子制御装置1eの名称や仕様など、他の電子制御装置と識別するための情報を表記したラベルLなどを貼り付けて表示するために設けられており、天板3dの左右方向のほぼ全体にわたって延びている。また、表示用凹部3cの後側の左右の隅部では、凹部3cと天板3dとの境界が斜めに延びている。
【0077】
また、本実施形態の電子制御装置1eは、押圧部材取付け部60を備えている。図12(A)〜(C)に示すように、押圧部材取付部60は、凹部3cと天板3dの境界の一部を構成する境界壁61を有しており、この境界壁61は、周壁3aの隅部と対向するように斜めに延びている。押圧部材8は、この境界壁61と周壁3aの間に取り付けられている。
【0078】
具体的には、表示用凹部3cを設けたことにより構成された境界壁61と周壁3aの湾曲した隅部との間の溝62に、押圧部材8の一端部が係合し、境界壁61および周壁3aによって狭持されている。すなわち、周壁3a、境界壁61および隅部付近の天板3dと、これらによって構成された溝62によって、押圧部材取付け部60が構成されている。他の構成は、前述した第1実施形態に係る電子制御装置1と同様である。
【0079】
以上のように、第4実施形態による電子制御装置1eによれば、ラベルLを表示するための表示用凹部3cを利用し、これを周壁3aとの間に押圧部材8を狭持するのに用いることで、より簡素な構成の押圧部材取付け部60によって、押圧部材8を取り付けることができる。
【0080】
図13は、第5実施形態に係る電子制御装置1fを示している。この電子制御装置1fもまた、第1実施形態に係る電子制御装置1と比較して、押圧部材取付け部の構成が主に異なっている。以下、第3実施形態に係る電子制御装置について、電子制御装置1と共通する構成要素については共通の符号を用い、電子制御装置1との差異を中心として説明する。
【0081】
同図に示すように、本実施形態に係る電子制御装置1fは、押圧部材取付け部70を有している。第1実施形態では、段差部11の中央に凹部12が設けられていたのに対し、本実施形態の押圧部材取付け部70は、同図(A)および(B)に示すように、上ケース3の下方から見て、円筒状の2つの凸部71、71を有している。各凸部71は、押圧部材8よりも若干、小さな径を有している。また、一方の凸部71は、左側または右側の周壁3aとの間に所定の間隔を隔てて、また、他方の凸部71は、後側の周壁3aと同じく所定の間隔を隔てて、配置されている。また、両凸部71、71の間の間隔は、押圧部材8の径よりも小さくなるように設定されている。
【0082】
また、本実施形態では、上記の凸部71,71および上ケース3の周壁3aの間に、押圧部材8が取り付けられている。具体的には、凸部71,71と周壁3aの間の領域に向かって、押圧部材8の一端部を押圧することにより、これら3者3a,71,71の間に他端部が係合し、押圧部材8は、3者3a,71,71によって狭持された状態で取り付けられる。また、取付けの際、押圧部材8と天板3dの間に存在する空気は、凸部71,71の間の間隙および凸部71と周壁3aの間の間隙から排気され、押圧部材8は、天板3dとの間に隙間なく密着した状態で、押圧部材取付け部70に固定される。他の構成は、前述した第1実施形態に係る電子制御装置1と同様である。
【0083】
以上のように、第5実施形態に係る電子制御装置1fによれば、周壁3aで押圧部材8を支持することができ、押圧部材8をより確実に第2ケースに固定することができる。また、押圧部材8は、それぞれ独立した凸部71,71によって取り付けられるので、周壁3aとの間に狭持することが可能であれば、凸部71および押圧部材8を任意の形状およびサイズに変更することができる。したがって、電子制御装置の種類に応じて、より適した形状およびサイズの押圧部材や凸部を用いることができるので、押圧部材取付け部70の構成をより簡素化することができる。
【0084】
図14は、第6実施形態に係る電子制御装置1gを示している。この電子制御装置1gもまた、第1実施形態に係る電子制御装置1と比較して、押圧部材取付け部の構成が主に異なっている。以下、第6実施形態に係る電子制御装置について、電子制御装置1と共通する構成要素については共通の符号を用い、電子制御装置1との差異を中心として説明する。
【0085】
同図に示すように、本実施形態に係る電子制御装置1gは、押圧部材取付け部80を有している。第1実施形態では、段差部11の中央に凹部12が設けられていたのに対し、本実施形態の押圧部材取付け部70は、同図(A)および(C)に示すように、天板3dから下方にそれぞれ突出する第1の凸部81および2つの凸部82、82を有している。これら3者81,82,82は、いずれも押圧部材8よりも若干、小さな径を有しており、押圧部材8を取り囲むように配置されている。
【0086】
具体的には、凸部81は、押圧部材8を間に存して、周壁3aの隅部と反対側に配置されている。また、一方の凸部82は、左側または右側の周壁3aとの間に所定の間隔を隔てて、また、他方の凸部82は、後側の側部3aと同じく所定の間隔を隔てて、それぞれ配置されている。また、両凸部82、82の間の間隔は、押圧部材8の径よりも若干、小さくなるように設定され、両凸部82、82と凸部81の間の間隔は、押圧部材8の径よりも小さくなるように設定されている。
【0087】
押圧部材8は、以上のような凸部81および凸部82,82によって取り囲まれた領域に取り付けられている。具体的には、この領域に向かって、押圧部材8の一端部を押圧することにより、これら3者81,82,82の間に他端部が係合し、押圧部材8は、3者81,82,82によって狭持された状態で取り付けられる。その際、押圧部材8と天板3dの間に存在する空気は、凸部81、82の間、および凸部82,82の間の間隙から排気され、押圧部材8は、天板3dとの間に隙間なく密着した状態で、押圧部材取付け部80に固定される。他の構成は、前述した第1実施形態に係る電子制御装置1と同様である。
【0088】
以上のように第6実施形態に係る電子制御装置1gによれば、前述した第5実施形態と同様、凸部81,82,82および押圧部材8を任意の形状およびサイズに変更することができ、電子制御装置の種類に応じてより適した押圧部材や凸部を用いて、押圧部材取付け部80の構成をより簡素化することができる。また、押圧部材8は、凸部81,82,82のみによって狭持されるので、これらを天板3dの任意の位置に配置することができる。
【0089】
図15は、第7実施形態による電子制御装置1hを示している。この電子制御装置1hもまた、第1実施形態に係る電子制御装置1と比較して、押圧部材取付け部の構成が主に異なっている。以下、第7実施形態に係る電子制御装置1hについて、電子制御装置1と共通する構成要素については共通の符号を用い、電子制御装置1との差異を中心として説明する。
【0090】
同図に示すように、本実施形態に係る電子制御装置1hは、押圧部材取付け部10に代えて押圧部材取付け部90を有している。第1実施形態では、段差部11の中央に設けた凹部12に、押圧部材5が嵌合しているのに対し、本実施形態の押圧部材取付け部90は、同図(A)および(C)に示すように、段差部91の中央に円形の貫通孔92が形成されている。
【0091】
また、本実施形態の押圧部材9は、この貫通孔92に取り付けられている。同図(B)に示すように、押圧部材9は、第1実施形態の押圧部材5と同じくゴム材で構成され、中実の円柱状に形成されており、その一端部に係合溝9a(係合部)を有している。この係合溝9aは、押圧部材9の周方向にわたって延びており、したがって、押圧部材9の係合溝9aが形成された部位の径は、他の部位よりも小さくなっており、この部位の径は、上述した貫通孔92の径とほぼ同じ、または若干、大きくなるように、係合溝9aの深さが設定されている。
【0092】
押圧部材9を貫通孔92に取り付けるときには、その係合溝9aが形成された側の端部を、上ケース3の下方から貫通孔92に向かって押圧することにより、押圧部材8を変形させながら、貫通孔92に挿入する。そして、係合溝9aに段差部91が係合することによって、押圧部材9は、上下方向および基板4の平面方向のいずれの方向への移動も阻止された状態で押圧部材取付け部90に取り付けられる。他の構成は、前述した第1実施形態と同様である。
【0093】
以上のように第7実施形態に係る電子制御装置1hによれば、前述した各実施形態と同様、回路基板4は押圧部材9によって第1ケース2に押圧されるので、回路基板4を第1ケースに接触した状態に確実に維持することができる。それにより、回路基板4に生じた熱を、第1ケース2から効果的に放熱させることができる。また、押圧部材9の取付けのための構成として、第2ケース3には貫通孔92が形成されるだけなので、第2ケース3の構成をより簡素化でき、電子制御装置1hの製造コストを抑制することができる。
【0094】
図16(A)は、第8実施形態による電子制御装置1iを示している。この電子制御装置1iもまた、電子制御装置1と比較して、押圧部材取付け部の構成が主に異なっている。以下、第8実施形態に係る電子制御装置1iについて、電子制御装置1と共通する構成要素については共通の符号を用い、電子制御装置1との差異を中心として説明する。
【0095】
同図に示すように、本実施形態の電子制御装置1iは、下ケース2の台座2cに設けられ、押圧部材5を取り付けるための押圧部材取付け部100を有している。この押圧部材取付け部100は、台座2cの中央から上方の上ケース3側に突出するように細長く形成されており、押圧部材5の排気孔5aとほぼ同じ所定の径を有する円柱状に形成されている。このような押圧部材取付け部100は、下ケース2をダイカスト成型する際に、台座2cなどとともに一体に形成される。
【0096】
また、回路基板4の接地用ランド4bが形成された部位には、回路基板4を貫通する貫通孔4cが形成されており、この貫通孔4cは、押圧部材取付け部100よりも大きな径を有している。
【0097】
押圧部材5は、上述した押圧部材取付け部100に取り付けられている。すなわち、回路基板4の貫通孔4cに押圧部材取付け部100を挿入した状態で、押圧部材5の排気孔5aに押圧部材取付け部100が挿入されるように、押圧部材5を下ケース2側に押圧し、その端面を回路基板4に接触させる。そして、そのような状態で上ケース3を下ケース2に接合させることによって、押圧部材5および回路基板4は、上ケース3の天板3dと下ケース2の台座2cによって狭持される。それにより、回路基板4は、押圧部材5によって台座2cに押圧された状態で、下ケース2に固定される。
【0098】
以上のように、第8実施形態に係る電子制御装置1iによれば、押圧部材5の排気孔5aを利用し、これに押圧部材取付け部100を挿入することによって、押圧部材5が下ケース2に取り付けられる。したがって、押圧部材取付100によって、押圧部材5の回路基板4の平面方向への移動が阻止されるので、押圧部材5を下ケース2に安定して取り付けることができ、押圧部材5によって、回路基板4を下ケース2に安定して押圧することができる。
【0099】
図16(B)は、上述した第8実施形態に係る電子制御装置1iの変形例を示している。この変形例に係る電子制御装置1jの押圧部材取付け部100は、電子制御装置1iの押圧部材取付け部100と基本的に同じ構成を有しており、台座2cに設けられた押圧部材取付け部100の根本付近に、補強部101を設けた点のみが異なっている。補強部101は、押圧部材取付け部100と同軸上に配置されており、回路基板4の貫通孔4cの深さよりも若干、高さの小さな円柱状に形成されている。また、補強部101の径は、押圧部材取付け部100の径よりも大きく、且つ回路基板4の貫通孔4cの径よりも小さく設定されている。
【0100】
以上のように本変形例に係る電子制御装置1jによれば、補強部101が設けられていることにより、押圧部材5を介して押圧部材取付け部100により大きな応力が作用しても、押圧部材取付け部100の変形を防止でき、押圧部材5を下ケース2に確実に固定することができる。
【0101】
図17は、第9実施形態に係る電子制御装置1kを示している。この電子制御装置1kもまた、第1実施形態と比較して、押圧部材取付け部の構成が主に異なっている。以下、第8実施形態に係る電子制御装置について、電子制御装置1と共通する構成要素については共通の符号を用い、電子制御装置1との差異を中心として説明する。
【0102】
同図(A)に示すように、本実施形態の押圧部材取付け部110は、段差部111および押圧部材Sを有している。上ケース3の押圧部材取付け部110付近の周壁3aは、他の部位よりも内側に配置されており、段差部111は、この周壁3aの下端部とフランジ部3bとの間に延びている。また、下ケース2の台座2cは省略されており、台座2cに代えて押圧部材Sが設けられている。この押圧部材Sは、導体で構成されたバネであり、押圧部材Sの一方の端部が下ケースの底板2aに、他方の端部が回路基板4の接地用ランド4bに接触している。
【0103】
回路基板4は、以上のような段差部111と押圧部材Sによって狭持されており、押圧部材Sによって段差部111に押圧されている。他の構成は、前述した第1実施形態による電子制御装置1と同様である。
【0104】
以上のように、第9実施形態による電子制御装置1kによれば、押圧部材Sによって、回路基板4の押圧による固定、および下ケース2への接地の双方を行うことができる。なお、上述した押圧部材Sは、回路基板4に実装してもよく、または下ケース2に固定してもよい。
【0105】
図17(B)は、上述した第9実施形態に係る電子制御装置1kの変形例を示している。この変形例に係る電子制御装置1lの押圧部材取付け部120は、電子制御装置1kと比較して、下ケース2に形成された凹部122およびその底面に形成された凸部123をさらに有している。
【0106】
凹部122は、上ケース3の段差部121に向かって開口するように配置され、押圧部材5bよりも大きな径を有する円筒形に形成されている。また、凸部123は、押圧部材5bの排気孔5aとほぼ同じ径を有する円柱状に形成されている。押圧部材5bは、その排気孔5cに凸部123が挿入された状態で、凹部122に取り付けられている。
【0107】
押圧部材5bを凹部122に取り付けるときには、押圧部材5bと凹部122との間の空気は、凹部122の内周面と、押圧部材5bの外周面との間の隙間を通過して凹部122の外に排気され、それにより、押圧部材5bは、その一方の端面と凹部122の底面との間に隙間を生じることなく、凹部122に取り付けられている。また、押圧部材5bの他方の端面は、回路基板4の端部に接触しており、回路基板4は、段差部121と押圧部材5bによって狭持されている。
【0108】
また、本変形例では、凹部122および押圧部材5bを設けたことにより、回路基板4の接地用ランド4b、および接地用ランド4bを介して回路基板4を上ケース3側に押圧する押圧部材Sが、筐体Hのより内側に配置されている。他の構成は、前述した第1実施形態に係る電子制御装置1と同様である。
【0109】
以上のように、本変形例に係る電子制御装置1lによれば、回路基板4は、押圧部材Sだけでなく、ゴム材で構成された押圧部材5bからも押圧されているので、回路基板4をより確実に固定することができる。また、押圧部材5bを例えば導電性を有するゴム材で構成することにより、押圧部材5bおよび押圧部材Sの双方で、回路基板4を下ケース2により確実に接地させることができる。
【0110】
なお、上述した各実施形態および変形例では、筐体Hの後側の左右の隅部に押圧部材を取り付けた例を説明したが、これに限定されることなく、回路基板4の形状、サイズ、および回路基板4に設けられた電子部品や回路の配置に応じて、筐体Hの任意の位置に、任意の数の押圧部材取付け部を設けて押圧部材を取り付けてもよい。
【0111】
また、上述した第1実施形態などでは、円筒形の凹部に円柱状の押圧部材を嵌合させた例を説明したが、これに限定されることなく、任意の形状の凹部および押圧部材を設けて、例えば、断面が多角形状の凹部を設けて、これに円柱状の押圧部材を嵌合させてもよい。それにより、凹部の内壁面と押圧部材の外周面との間に隙間が確保されるので、この隙間を排気通路として用いることが可能になる。また、断面が多角形状の押圧部材を用いてもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
【符号の説明】
【0112】
1 電子制御装置
1a〜1l 電子制御装置
2 下ケース(第1ケース)
3 上ケース(第2ケース)
3a 周壁
3c 表示用凹部
4 回路基板
5 押圧部材
5a 排気孔(排気手段、押圧部材側排気通路)
5b 押圧部材
5c 排気孔(排気手段、押圧部材側排気通路)
6 押圧部材
6b 排気溝(排気手段、押圧部材側排気通路)
7 押圧部材
7b 排気溝(排気手段、押圧部材側排気通路)
8,9 押圧部材
9a 係合溝(係合部)
10 押圧部材取付け部
11 段差部
12 凹部
20 押圧部材取付け部
21 段差部
22 凹部
30 押圧部材取付け部
31 段差部
32 凹部
40 押圧部材取付け部
41 段差部
42 凹部
43 境界面
50 押圧部材取付け部
51 段差部
52 凹部
60 押圧部材取付け部
70 押圧部材取付け部
71 凸部
80 押圧部材取付け部
81,82 凸部
90 押圧部材取付け部
92 貫通孔
100 押圧部材取付け部
110 押圧部材取付け部
120 押圧部材取付け部
H 筐体
S 押圧部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の回路基板と、
当該回路基板の一方の面側に配置され、前記回路基板が接触するように取り付けられた第1ケースと、前記回路基板の他方の面側に配置され、前記第1ケースに接合された第2ケースと、を有し、前記第1および第2ケースの間に前記回路基板を収容した筐体と、
前記第2ケースに設けられた押圧部材取付け部と、
当該押圧部材取付け部に取り付けられ、前記第2ケースが前記第1ケースに接合された状態で、前記回路基板とともに前記第1および第2ケースに狭持されることによって、前記回路基板を前記第1ケース側に押圧する押圧部材と、
当該押圧部材を前記押圧部材取付け部に取り付けるときに、当該前記押圧部材取付け部との間の空気を排気するための排気手段と、
を備えていることを特徴とする電子制御装置。
【請求項2】
前記押圧部材には、前記排気手段として、押圧部材側排気通路が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項3】
前記押圧部材取付け部は、前記第1ケース側に開放する円筒状の凹部を有し、
前記押圧部材は、円柱状に形成され、前記凹部に嵌合しており、
前記押圧部材側排気通路は、前記押圧部材が前記凹部に嵌合するときに、当該凹部の内側と外側とを連通することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の電子制御装置。
【請求項4】
前記第2ケースの周縁部には、前記第1ケースと接合するための前記第1ケースに向かって延びる周壁が形成され、
前記凹部は、前記周壁よりも前記第2ケースの内側において前記周壁に隣接して配置され、前記凹部の内周面は、前記周壁の壁面から連続して延びていることを特徴とする請求項3に記載の電子制御装置。
【請求項5】
前記押圧部材取付け部は、前記第2ケースの前記第1ケースと反対側に切欠き状の段差部を有し、
当該段差部と前記第2ケースの前記段差部以外の部分は、前記第2ケースの外縁間を直線状に延びる境界面によって区分されており、
前記凹部は前記段差部の前記第1ケース側に設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載の電子制御装置。
【請求項6】
前記押圧部材取付け部には、前記排気手段として、ケース側排気通路が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子制御装置。
【請求項7】
前記押圧部材取付け部は、前記第1ケース側に開放する円筒状の凹部を有し、
前記押圧部材は、円柱状に形成され、前記凹部に嵌合しており、
前記ケース側排気通路は、前記押圧部材を前記凹部に嵌合させるときに、前記凹部内の空気を当該凹部の外方に排気することを特徴とする請求項6に記載の電子制御装置。
【請求項8】
前記第2ケースの周縁部には、前記第1ケースと接合するための前記第1ケースに向かって延びる周壁が形成され、
前記押圧部材は、前記周壁よりも前記第2ケースの内側において前記周壁に隣接して配置され、当該周壁と前記押圧部材取付け部とによって狭持された状態で、前記第2ケースに取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の電子制御装置。
【請求項9】
前記押圧部材取付け部は、前記第1ケース側に突出する凸部を有し、
前記押圧部材は、前記凸部と前記周壁との間に狭持されていることを特徴とする請求項8に記載の電子制御装置。
【請求項10】
前記第2ケースは、前記第1ケースと反対側の表面にラベルを取り付けて表示するための表示用凹部を有し、前記押圧部材は、前記表示用凹部および前記周壁によって狭持されていることを特徴とする請求項6に記載の電子制御装置。
【請求項11】
前記押圧部材取付け部は、前記第1ケース側に突出する複数の凸部を有し、
前記押圧部材は、当該複数の凸部によって狭持されていることを特徴とする請求項6に記載の電子制御装置。
【請求項12】
板状の回路基板と、
当該回路基板の一方の面側に配置され、前記回路基板が接触するように取り付けられた放熱性を有する第1ケースと、前記回路基板の他方の面側に配置され、貫通孔が形成されるとともに前記第1ケースに接合された第2ケースと、を有し、前記第1および第2ケースの間に前記回路基板を収容した筐体と、
前記貫通孔に係合することによって前記第2ケースに取り付けられ、前記第2ケースが前記第1ケースに接合された状態で、前記回路基板を前記第1ケース側に押圧する押圧部材と、
を備え、
当該押圧部材は、前記貫通孔とほぼ同じ形状およびサイズ、且つ前記押圧部の他の部分よりも断面積の小さな係合部を有し、当該係合部を介して前記貫通孔に係合していることを特徴とする電子制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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