説明

電子式物品監視タグ

一実施形態はEASシステムに含まれ得るEASタグである。更に具体的には、一実施形態は再利用可能なEASタグであり、これはL字型キー溝を有する弧状チャンネルを含み、そこには適切な対応する器具を弧状プローブの形状で、クランプを解除するように挿入することにより、その物品からEASタグを取り外すことができる。不正な改竄、及び意図された以外の器具を用いた取り外し機構の作動が防止さえれる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電子式物品監視(EAS:Electronic Article Surveillance)システムは、当技術分野において公知であり、在庫管理のために、及び管理区域からの物品の盗難若しくはその類の不正な持ち出しを防止するために使用されている。代表的には、このようなシステムでは、システム送信機及びシステム受信機を用いて、管理区域から持ち出されるいかなる物品も必ず通過する監視区域を形成している。
【0002】
EASタグは、各物品に取り付けられ、システム送信機により該監視区域へ送信される信号と相互作用するように適合されるマーカーまたはセンサを含む。この相互作用により、監視区域に更なる信号が形成されて、この更なる信号がシステム受信機により受信される。従って、タグを付けた物品が監視区域を通ると、システム受信機により信号が受信されるので、監視区域におけるタグ付きの物品の不正な存在が識別される。その後、システム受信機、EASタグ、または双方により警報が始動され、監視区域においてタグ付き物品の不正な存在を更に露呈し得る。
【0003】
ある種類のEASタグは、再利用可能に設計されているので、物品にタグを付けるための解除可能な取り付け装置を含む。このような取り付け装置は、その物品からのタグの不正な取り外しを回避できるように、権限を持つ者のみにより解除可能であるように、更に設計される。そのため、多くの取り付け装置は、それに関連した特別な器具若しくは取り外し機構の使用によってのみ解除可能である。しかしながら、狡猾な泥棒は、一部のEASタグを打破する方法を開発している。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態は、EASシステムの部分を形成する電子式物品監視(EAS)タグである。一般に、EASタグは、モニタリングされる監視区域内にある場合、検出可能な信号を発するセンサ、送信機等を含み得る。EASタグは、いかなるものにも取り付けられ得、例えば、衣料品に取り付けられ得る。取り外し装置は、監視を必要としない場合(例えば、アイテムが購入された後)、EASタグを取り除くことができる。EASタグが、例えば、衣料品に取り付けられている間、モニタリングシステムは、EASタグを含む衣料品を、警報等を始動させることなく、監視区域から持ち出せないことを確実にするために、EASタグ信号に対して監視区域をモニタリングすることができる。
【0005】
EASタグは、タグボディと、ピンを介してタグボディと取り外し可能に係合するタックとを含む。更に具体的には、タグボディは、タックをタグボディに固定するピンを取り外し可能に係合する回動クランプを含む。回動クランプは、タグボディに形成された弧状チャンネルを通して回動クランプに接近し、作動させることにより、ピンから取り外すことができる。弧状チャンネルの形状によって、このような目的のために特別に設計された道具またはプローブ以外の何かを用いて回動クランプに接近することの困難性を増大させる。他の機能の中でも、このような道具またはプローブは、弧状チャンネルの半径を共有する。
【0006】
一実施形態の弧状チャンネルは、キー溝を更に含みことができ、そのキー溝を通って、道具またプローブが進行して回動クランプに接近し、次に、タックピンから回動クランプを解放しなければならない。弧状チャンネルが位置するところのその深さに基づく、一実施形態のキー溝と、キー溝に先行及び後続する弧状チャンネルの機能と連結する弧状チャンネルに対するその開口部は、単独及び組み合わせて、上記のような目的のために特別に設計された器具又はプローブ以外の何らかのものによって、回動クランプに接近することを更に困難にさせる。従って、キー溝及びキー溝に隣接した弧状チャンネルの機能は、回動クランプに接近するための即興的な手法に協働的に対抗することにより、EASシステムの不正な打破を阻止する。
【0007】
実施形態となる主題は、本明細書の以下の部分に具体的に示されて、明確に請求されている。操作の機構及び方法の両方に関する実施形態については、以下の発明の詳細を以下の添付図面と共に参照することにより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態のEASタグを示す図である。
【図2】一実施形態のSECフック及び回転ブロックアセンブリを示す図である。
【図3】SECフック及び回動クランプを含む一実施形態のEASタグを破断して示す図である。
【図4】SECフックの詳細を示す図である。
【図5】形成されたフィッシュテープを示す図である。
【図6】一実施形態のEASタグを示す図である。
【図7】一実施形態のEASタグの断面図を示す図である。
【図8】一実施形態のEASタグの上部筺体を破断して示す図である。
【図9】一実施形態のEASタグの下部筺体を破断して示す図である。
【図10】形成されたフィッシュテープを含む、一実施形態のEASタグの上部筺体の切り取り図を示す図である。
【図11】形成されたフィッシュテープを含む、一実施形態のEASタグの上部筺体の切り取り図を示す図である。
【図12】SECフック及び回動クランプを含む、一実施形態のEASタグの上部筺体の切り取り図を示す図である。
【図13】一実施形態のEASタグを含む、EASシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
電子式物品セキュリティタグの実施形態を記載する。以下、図面に示されるこれらの実施形態の説明を詳細に参照する。実施形態は、これらの図面と関連して記載されるが、本明細書に開示される図面にそれらを限定することを意図しない。それとは逆に、その添付の特許請求の範囲により定義されるように、記載される実施形態の精神及び範囲内で、すべての代替、修正、及び同等物を網羅することを意図する。
【0010】
一実施形態は、EASシステムに含まれ得るEASタグを備え得る。更に具体的には、一実施形態は、弧状チャンネルと、このような目的のために特別に設計されたもの以外の装置を用いたEASタグの取り外しを妨害するための追加機能とを含み得るEASタグである。EASシステムは、取り外し装置と、モニタリングシステムとを更に含み得る。一般に、EASタグは、モニタリングされる監視区域内にある場合、検出可能な信号を発する、センサ、送信機等を含み得る。EASタグは、いかなるものにも取り付けられ得、例えば、衣料品に取り付けられ得る。取り外し装置は、監視を必要としない場合(例えば、アイテムが購入された後)、EASタグを取り除くことができる。EASタグが、例えば、衣料品に取り付けられている間、モニタリングシステムは、EASタグを含む衣料品を、警報等を始動させることなく、監視区域から持ち出せないことを確実にするために、EASタグ信号に対して監視区域をモニタリングすることができる。
【0011】
図1は、ボディ110と、ピン130を含むタック120と、ボディ110内の弧状チャンネル130と、を含むEASタグ100を示す。EASタグは、タック120のピン130でアイテムまたは衣料品に穴を開け、ボディ110にタック120のピン130を取り外し可能に固定することにより、例えば、衣料品といった、いかなるアイテムにも取り付けられ得る。一実施形態において、ピン130は、例えば、衣料品からEASタグを取り外すために特別に設計された道具を必要とするような方法によって、ボディ110に取り外し可能に固定される。このような道具がない場合、EASタグを取り除くのは困難である。上述のように、一実施形態のボディ110は、モニタリングされる監視区域内にある場合、検出可能な信号を発する、センサ、送信機等を含み得る。従って、道具なしでEASタグ100を取り除く困難性により、モニタリングされる監視区域からの、EASタグ100を含む、例えば、衣料品の持ち出しを阻止し得る。
【0012】
図2は、SECフックと回転ブロックアセンブリの組み合わせ200を示す。一実施形態において、SECフック220は、断面が0.094インチ×0.094インチ(約0.235cm×約0.235cm)である、湾曲した鋼製の棒であり、ロックウェル「C」硬度が約54から58である。SECフック220の長さは、半径1インチ(約2.5cm)を有する円の円周の約1/3(即ち、約2インチ(約5cm)))である。回転ブロックアセンブリ210への取り付けについて、SECフック220は、遠位先端部230を含む。先端部230の断面は、逆「L」字型の形状である。L字型は、回転ブロックアセンブリ210に向かって、SECフック220の遠位端から約0.60インチ(約1.5cm)延在し得る。一実施形態において、弧状チャンネル130におけるL字型キー溝の位置に依存して、先端部230の「L」は、下記に更に充分に説明されるように、0.06インチ(約0.15cm)以上又は0.06インチ(約0.15cm)未満延在し得る。逆「L」字型におけるそれぞれの辺の厚みは、約0.028インチ(約0.07cm)である。SECフック220のもう一方の端部は、SECフック220が弧を描く半径1インチ(約2.5cm)の円に一致する1インチ(約2.5cm)の半径の円の中心で回転軸を中心としてSECフック220を回転する回転ブロックアセンブリ210上に取り付けられる。
【0013】
図3は、SECフック220を含む、EASタグ100の切り取り図を示す。動作中、SECフック220はSECフック220の先端部230は、弧状チャンネル130を案内するように、回転ブロックアセンブリ210(回転ブロックアセンブリは図示せず)の回転軸に沿って回転する。SECフック220はEASタグ100の弧状チャンネル130内のL字型キー溝に、約1インチ(約2.5cm)回転して入り得る。SECフック220の先端部230が、回動クランプ310をし、かつ回動クランプ枢支点320を中心として約5度未満回転し、タック120のピン130をロック解除し、かつ解除し得る。タック120は、その後、EASタグ100筺体から取り除かれ、それが取り付けられた衣類または他のアイテムを解放することができる。回動クランプ310は、「ロック」位置に付勢され得るので、解除されたタック120が、EASタグ100から取り除かれたとき、回動クランプ310は、すぐに、別の挿入されたタック120を受容し、かつ取り外し可能にロックする、またはそれを固定することができる。
【0014】
図4は、SECフック220の詳細を示す。SECフック220の先端部230は、垂直辺400及び水平辺410を更に含む。上述のように、SECフック220は、EASタグ100の弧状チャンネル130に約1インチ(約2.5cm)回動して入ることができ、ここで、SECフック220の先端部230が、回動クランプ310に係合し、回動クランプ310を回転させることができる。一実施形態において、以下に更に充分に記載されるように、SECフック220の先端部230は、弧状チャンネル130内でL字型キー溝を案内し得る。先端部230の全体の断面は、約0.094インチ×0.094インチ(約0.235mm×0.235mm)である。垂直辺400及び水平辺410の双方は、約0.028インチ(0.07cm)の厚さを有し得る。一実施形態において、垂直辺400、水平辺410、または双方は、先端部230を含むSECフック220の弧状チャンネル130への挿入を容易にするように、及び/または回動クランプ310との先端部230の係合を容易にするように、1つ以上のそれらの縁部に面取り、丸み付け等を有し得る。
【0015】
図5は、SECフック220の代わりに、回動クランプ310を作動させ、タック120のピン130を解除することが可能であり得る先端部510を含む、形成されたフィッシュテープ500を示す。EASシステムを避けることに関心がある者は、このような形成されたフィッシュテープ500を使用し、EASタグ100を取り除く可能性がある。例えば、半円に形成された薄型剛性ワイヤ(一般的に、約0.032インチ×0.096インチ(約0.08cm×約0.24cm)の断面で、自動車のフロントガラスのワイパーブレードの挿入用又は電気用のフィッシュテープ)は、それが、回動クランプ310と係合し、タック120のピン130を解除するまで、弧状チャンネル130の内側のL字型キー溝に強制的に挿入され得る。経験豊かな操作者の場合、このようなEASシステムの打破は、10秒未満で行われ得るため、それにより、EASシステムの安全機能を侵害する。
【0016】
図6は、EASシステムを打破するために形成されたフィッシュテープ500の使用を軽減するいくつかの機能を含む、EASタグ600を示す。同様に番号付けされたEASタグ100の機能に加えて、EASタグ600は、スプリングゲート610と、キャッチ620と、取付部630とを更に含み得る。取付部630は、対応するL字型のSECフック220の先端部230を受け入れる実質的にL字型開口部を形成する垂直及び水平開口部を有する、実質的に平らな剛性部材であり得る。取付部630の剛性部材は、弧状チャンネル130において、実質的に垂直に配置され得る。取付部630の垂直開口部は、SECフック220を、例えば、タック120のピン130を解除する回動クランプ310を作動させる弧状チャンネル130に挿入する場合、先端部230の垂直辺400を近接して通過させる、サイズにし、配置され得る。
【0017】
取付部630機構は、形成されたフィッシュテープ500の挿入を防止するためのスプリングゲート610アセンブリを更に含み得る。スプリングゲート610アセンブリは、形成されたフィッシュテープ500を留めるキャッチ620を更に含み、弧状チャンネル130への形成されたフィッシュテープ500のさらなる挿入を防止し得る。キャッチ620は、スプリングゲート610の一端に配置され得る。スプリングゲート610は、EASタグ600ボディ(すなわち、下部筺体640)に取り付けられ、キャッチ620が、弧状チャンネル130の壁に当たり、かつ取付部630の剛性部材の垂直開口部の前にあるように、付勢され得る。動作中、SECフック220の水平辺410は、弧状チャンネル130内にSECフック220が挿入されると、スプリングゲート610の付勢に対して押し、キャッチ620を、取付部630の剛性部材の垂直開口部から押しやり、SECフック220を近接してそこを通過させる。一実施形態において、キャッチ620は、スプリングゲート610の端部の曲がった部分であり得る。
【0018】
図7から図12は、EASシステムを打破するために、例えば、形成されたフィッシュテープ500の使用を更に妨ぐ一実施形態のEASタグ700を示す。例えば、図7は、弧状チャンネル130において、SECフック220を含む、EASタグ700の断面図を示す。一実施形態において、弧状チャンネルの少なくとも一部分は、SECフック220の先端部230と類似のL字型断面を有し得る。一実施形態において、図8に示されるように、弧状チャンネル130は、L字型キー溝800を含み得る。一実施形態のEASタグは、例えば、接合し得る上部筺体720及び下部筺体710を含み得る。弧状チャンネル130及びL字型キー溝800の様々な機能については、同様に、単独及び組み合わせの双方が、SECフック220なしでタック120を取り除くことの困難性を増大することが説明される。
【0019】
例えば、チャンネル水平辺740もしくはチャンネル垂直辺750、または双方は、例えば、形成されたフィッシュテープ500に対抗するように、様々な点で変更してよい。更に具体的には、上述のように、SECフック220の先端部230のそれぞれの辺(例えば、垂直辺400及び水平辺410)はそれぞれ、約0.028インチ×0.094インチ(約0.7cm×約0.235cm)であるのに対して、形成されたフィッシュテープ500は、約0.032インチ×0.096インチ(約0.08cm×0.24cm)の断面を有し得る。従って、チャンネル水平辺740、あるいはチャンネル垂直辺750のいずれか、または双方は、例えば、0.028インチ(0.07cm)の厚みの垂直辺400または水平辺410に対応して製造される場合があるが、チャンネル辺をそれに応じて狭めることにより、0.032インチ(約0.094cm)の厚みの形成されたフィッシュテープ500を実質的に受け入れられないようにできる。例えば、SECフック220の先端部230に適合するように、水平辺及び垂直辺はそれぞれ、約0.028〜0.032インチ(約0.07〜約0.08cmの幅、ならびに交点に対して約0.094〜0.096インチ(約0.235cm〜0.24cm)の高さを有し得る。一実施形態の寸法はまた、障害物を避けるために、形成されたフィッシュテープ500に対してより少ない余地を提供することにより、形成されたフィッシュテープ500(弧状チャンネル130に押し込まれる、または形成されたフィッシュテープ500よりも異なる寸法である場合)を追加の障害物に侵入するようにより良好に導くのに役に立つこともできる。一実施形態において、上に記載されるチャンネル水平辺740及びチャンネル垂直辺750の寸法は、L字型キー溝800(例えば、図7に断面図が示される)により形成される。
【0020】
更に、チャンネル垂直辺壁部750を含むチャンネル垂直辺を変更してよい。例えば、チャンネル水平辺740を、上述のように、SECフック220の先端部230に適合するように狭窄し、形成されたフィッシュテープ500を実質的に受け入れない場合、チャンネル垂直辺730を拡大してよい。一実施形態において、チャンネル垂直辺730の垂直深さは、0.094インチ(約0.235cm)のSECフック220の垂直辺400に適合するために必要とされる以上に増加させてよい。一実施形態において、より深い垂直辺730は、形成されたフィッシュテープ500をより良好に誘導し得る。一実施形態において、より深いチャンネル垂直辺730は、弧状チャンネル130に挿入される場合、形成されたフィッシュテープ500が、チャンネル水平辺740よりもチャンネル垂直辺730をより好むように、形成されたフィッシュテープ500を優先的に誘導し得る。このようにして、一実施形態において、「経路妨害物」または他の障害物が、タック120のピン130を解除する回動クランプ310を係合するための形成されたフィッシュテープ500の前進を阻害または妨害し得る、チャンネル垂直辺730に含み得る、またはそれに隣接し得る。一実施形態において、上に記載されるチャンネル水平辺740及びチャンネル垂直辺750の寸法は、L字型キー溝800(例えば、図7に断面図が示される)により形成される。
【0021】
図8により示されるように、弧状チャンネル130の一部分が、L字型断面を有する、一実施形態において、L字型断面は、L字型キー溝800により形成され得る。L字型断面を有する全弧状チャンネル130に対して、一実施形態のL字型キー溝は、形成されたフィッシュテープ500が、弧状チャンネル130を通って、タック120のピン130を解除する回動クランプ310を係合することを更に困難にし得る。
【0022】
例えば、弧状チャンネル130と同一の弧(すなわち、1.0インチ(約2.5cm)の半径)を実質的に形成せず、それを誘導する弧状チャンネル130のL字型の全長がない場合、形成されたフィッシュテープ500は、形成されたフィッシュテープ500のさらなる挿入が、回動クランプ310に係合するのを実質的に防止する障害物として、L字型キー溝800の表面に接触し得る。更に、L字型キー溝800の後、弧状チャンネル130は、例えば、より深いチャンネル垂直辺壁部750または拡大したチャンネル端部810を用いて、更に開く、または拡大し得る。それぞれの機能または機能の組み合わせにより、弧状チャンネル130に挿入され、L字型キー溝800を通して更に前進する形成されたフィッシュテープ500は、それでもなお、L字型キー溝800の後、追加の誘導表面または壁なしでは、タック120のピン130を解除する回動クランプ310を係合するのに、そのままで充分な強度を持たない可能性がある。
【0023】
図9は、チャンネル水平辺740を含む一実施形態のEASタグ700の下部筺体710を示す。一実施形態において、チャンネル水平辺740は、L字型キー溝800の部分を形成する。チャンネル水平辺740は、例えば、形成されたフィッシュテープ500に対して誘導する表面であり得る。更に具体的には、形成されたフィッシュテープ500は、チャンネル垂直辺730に挿入すると、案内部材として、チャンネル水平辺740の表面に沿って摺動し得る。チャンネル水平辺740は、それにより、図10及び図11を参照して説明されるように、経路妨害物または障害物に、挿入された形成されたフィッシュテープを導くことができる。
【0024】
上述のように、誘導表面または壁がない場合、形成されたフィッシュテープは、タック120のピン130を解除する回動クランプ310を係合するのに、そのままで充分な強度を持たない可能性がある。例えば、図11により示されるように、形成されたフィッシュテープ500の強度を増加させるために、形成されたフィッシュテープ1000に示されるように、捻じ曲げ1010をフィッシュテープに形成し得る。捻じ曲げ1010を含む形成されたフィッシュテープ1000は、L字型キー溝800を通して前進し得るが、L字型キー溝800から出ると、捻じ曲げ1010は、チャンネル垂直辺壁部750により形成される経路妨害物または傷害物に、形成されたフィッシュテープ1000を導き得る。従って、捻じ曲げ1010は、形成されたフィッシュテープ1000の強度を増加させるために必要であり得るが、それでもなお、チャンネル垂直辺壁部750の経路妨害物を踏まえると、形成されたフィッシュテープ1000が回動クランプ310に到達するのを実質的に防止し得る。
【0025】
反対に、L字型キー溝の後、チャンネル端部810で弧状チャンネル130の拡大を参照して説明されるように、形成されたフィッシュテープがなだらかな屈曲(例えば、形成されたフィッシュテープ500)を有し、次いで、L字型キー溝800を通る場合、強度を増大する捻じ曲げ1010がついていないと、回動クランプ310の向かいの弧状チャンネルの拡大は、屈曲部1100により示されるように、形成されたフィッシュテープ500に回動クランプ310から離れて屈曲させる。上述のように、L字型キー溝800と回動クランプ310との間の追加の誘導表面または壁を伴わずに、形成されたフィッシュテープ500は、タック120のピン130を解除する回動クランプ310を係合するのに、そのままで充分な強度を持たない可能性がある。
【0026】
図12は、例えば、L字型キー溝800を含む或る実施形態のEASタグ700を示す。形成されたフィッシュテープ500または捻じ曲げ1010を含む形成されたフィッシュテープ1000とは異なり、SECフック220は、弧状チャンネル130、特に、L字型キー溝800ならびにそれにより形成された様々な経路妨害物及び傷害物を案内し、タック120のピン130を解除する回動クランプ310に接触して係合し得る。
【0027】
L字型キー溝800の辺(例えば、水平辺740及び垂直辺730)は、同一の断面図において、実質的に図示され(例えば、図7により)、記載されるが、一実施形態においては、代替的に、位置付けられ得ることを理解されたい。例えば、L字型キー溝800の一方の辺を、L字型キー溝800の他方の辺とは弧状チャンネル130に沿って異なる位置に配置してもよい。例えば、形成されたフィッシュテープ500は、弧状チャンネル130に挿入され、これを通る場合、L字型キー溝の一方の辺が他方の辺とは異なる深さである場合がある。L字型キー溝800の水平辺740及び垂直辺730の分離または組み合わせは、L字型キー溝800の侵入を妨害する、または実質的に中断するように、L字型キー溝800をより正確に構成することを更に可能にし得る。
【0028】
図13は、一実施形態のEASタグ700を含むEASシステムを示す。図13は、例えば物品1310に取り付けられた、一実施形態のEASタグ700を、監視区域1320を通過する際に、検出するまたは感知するのに使用される、EASシステム1300を示す。問い合わせ信号は、送信装置1330を介して該区域1320に送信される。送信された信号とのEASタグ内のセンサの相互作用から生じる信号は、検出及び警報装置1350と通信する受信機1340で受信される。検出及び警報装置1350は、受信した信号を検出し、監視区域1320内でEASタグ600及び物品1310の存在を示す警報を生成する。
【0029】
実施形態の特定の特徴について、本明細書に説明するとおりに図示したが、当業者は、多くの変更例、代替例、変形例、及び均等物を想到するであろう。従って、添付の請求項は、実施形態の真の要旨内の係る変更例や変形例の全てを包含することを意図するものであることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子式物品監視(EAS)タグであって、
ボディと、
前記ボディに連結されて、該ボディ内でピンを留めることにより、前記EASタグを物体へ取り外し可能に係合させる回動クランプと、
前記ボディに、その外側から前記回動クランプへ延在する弧状チャンネルとを備え、前記弧状チャンネルは、その一部に形成されたキー溝を含むEASタグ。
【請求項2】
前記キー溝は、垂直辺及び水平辺を含むL字型キー溝を更に備える請求項1に記載のEASタグ。
【請求項3】
前記水平辺及び前記垂直辺はそれぞれ、約0.028インチ(約0.063cm)乃至約0.032インチ(約0.08cm)の幅である共に、前記水平辺及び前記垂直辺の交点に対して約0.094インチ(約0.235cm)乃至約0.096インチ(約0.24cm)の高さを有する請求項2に記載のEASタグ。
【請求項4】
前記L字型キー溝の前記水平辺及び前記垂直辺は、前記ボディの外側に対して前記弧状チャンネルの実質的に同じ深さに位置している請求項3に記載のEASタグ。
【請求項5】
前記L字型キー溝の前記水平辺及び前記垂直辺は、前記ボディの外側に対して前記弧状チャンネルの異なる深さのところにある、請求項3に記載のEASタグ。
【請求項6】
前記ボディの外側に対する前記キー溝の深さよりも深いところでは、前記弧状チャンネルの外側半径が拡大する請求項3に記載のEASタグ。
【請求項7】
前記ボディの外側に対する前記キー溝の深さよりも深いところでは、前記弧状チャンネルの内側半径に隣接する障害物を含む請求項3に記載のEASタグ。
【請求項8】
前記L字型キー溝は、フックを前記弧状チャンネルへ挿入して前記回動クランプを駆動させると共に、前記弧状チャンネルへのフィッシュテープの挿入を実質的に防いで前記回動クランプを駆動させる請求項2に記載のEASタグ。
【請求項9】
電子式物品監視(EAS)タグであって、
ボディと、
前記ボディ内の回動クランプと、
前記ボディの外表面から前記回動クランプまで延在する弧状チャンネルとを備え、その弧状チャンネルは、前記ボディの前記外表面に対する深さにL字型キー溝を含むEASタグ。
【請求項10】
前記L字型キー溝は、水平辺及び前記垂直辺を更に含み、これら水平辺と垂直辺との各々は、概ね0.028インチ(約0.063cm)と0.032インチ(約0.08cm)の間の幅である共に、前記水平辺及び前記垂直辺の交点に対して概ね0.094インチ(約0.235cm)と0.096インチ(約0.24cm)との間の高さを有する請求項2に記載のEASタグ。
【請求項11】
前記L字型キー溝の前記水平辺と前記垂直辺とは、前記ボディの外側に対して前記弧状チャンネルにおいて実質的に同じ深さに位置している請求項10に記載のEASタグ。
【請求項12】
前記L字型キー溝の前記水平辺と前記垂直辺とは、前記ボディの外側に対して前記弧状チャンネルにおいて別々の深さに位置している請求項10に記載のEASタグ。
【請求項13】
前記弧状チャンネルは、形成されたフィッシュテープが前記回動クランプに係合することを実質的に防止するように、前記ボディの外側に対して前記キー溝の深さよりも深いところで、前記弧状チャンネルの外側半径が拡大する請求項9に記載のEASタグ。
【請求項14】
前記弧状チャンネルは、捻じ曲げを含んで形成されたフィッシュテープが前記回動クランプに係合することを実質的に防止するように、前記ボディの外側に対して前記キー溝の深さよりも深いところに前記弧状チャンネルの内側半径に隣接した障害物を含む請求項9に記載のEASタグ。
【請求項15】
電子式物品監視(EAS)システムであって、
物品に取り付け可能なEASタグであり、ボディと、前記ボディ内の回動クランプと、前記ボディの外表面から前記回動クランプまで延在する弧状チャンネルとを含み、前記弧状チャンネルは、前記ボディの外表面に対する深さにL字型キー溝を含むEASタグと、
前記EASタグボディ中に配置され、検出可能なEASセンサと、
監視区域に第1の信号を送信するための送信機と、
第1の信号と前記検出可能なEASセンサとの相互作用によって生じる第2の信号を受信することにより、前記監視区域内の前記検出可能なEASセンサの存在を検出するための受信機とを備えるEASシステム。
【請求項16】
前記L字型キー溝は、水平辺及び前記垂直辺を更に備え、前記水平辺及び前記垂直辺はそれぞれ、約0.028インチ(約0.07cm)から0.032インチ(約0.08cm)の幅、ならびに前記水平辺及び前記垂直辺の交点に対して約0.094インチ(約0.235cm)から0.096インチ(0.24cm)の高さを有する請求項15に記載のEASシステム。
【請求項17】
前記L字型キー溝の前記水平辺及び前記垂直辺は、前記ボディの外側に対して前記弧状チャンネルの実質的に同一の深さにある請求項16に記載のEASシステム。
【請求項18】
前記L字型キー溝の前記水平辺及び前記垂直辺は、前記ボディの外側に対して前記弧状チャンネルの異なる深さにある請求項16に記載のEASシステム。
【請求項19】
前記弧状チャンネルは、形成されたフィッシュテープが前記回動クランプに係合するのを実質的に防止するように、前記ボディの外側に対して前記キー溝の深さよりも深いところで、前記弧状チャンネルの外側半径が拡大する請求項15に記載のEASタグ。
【請求項20】
前記弧状チャンネルは、捻じ曲げを含む形成されたフィッシュテープが前記回動クランプに係合するのを実質的に防止するために、前記ボディの外側に対して前記キー溝の深さよりも深いところで、前記弧状チャンネルの内側半径に隣接した障害物を含む、請求項15に記載のEASタグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2011−506798(P2011−506798A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534923(P2010−534923)
【出願日】平成19年11月23日(2007.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/024352
【国際公開番号】WO2009/067102
【国際公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【出願人】(510024514)センサーマティック・エレクトロニクス・エルエルシー (21)
【Fターム(参考)】