説明

電子式識別システム

【課題】 本発明は、一台の質問機10と、複数のトランスポンダ12、14および16とを備える電子身元確認システム100に関する。
【解決手段】 質問機は、トランスポンダに質問信号を送信するための送信機11と;トランスポンダから応答信号を受信するための受信機13と;その各応答信号により、トランスポンダの身元を確認するために、受信した応答信号を処理するためのコントローラ19とを備える。各トランスポンダは、そのトランスポンダの特性を含む署名を発生するための署名発生器35、32を備え、質問信号に応えて、署名を含む応答信号を間欠的に送信する。質問機は、さらに、トランスポンダの中の一台から応答信号を受信した場合に、質問機11により送信する受信通知信号を発生するための受信通知信号発生器21を備える。受信通知信号は、それにより応答信号の受信を知らせるために、署名を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子身元確認システムに関し、特に一台の質問機と複数のトランスポンダとを備える電子身元確認システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人にとっては周知の、上記種類の電子身元確認システムの場合には、上記質問機は、複数のトランスポンダに質問信号を送信するための一台の送信機と、上記トランスポンダからの間欠的に反復される別々の応答信号を受信するための受信機とを備える。質問機のマイクロプロセッサは、上記トランスポンダから受信した応答信号の、データ・ストリーム内の特性のあるデータから、特定のトランスポンダを読み取り、身元確認をする。応答信号の送信直後のタイム・ウィンドウにおいて、トランスポンダは、質問機からの、質問機がトランスポンダを読み取ったことを示す受信通知を待つ。受信通知は、識別できるものでもないし、特定のものでもなく、質問機により、励起信号の短い中断という形で送られる。そのトランスポンダに関連する上記タイム・ウィンドウ中に、トランスポンダが上記中断を検出すると、そのトランスポンダは、上記受信通知が読み取られたことを認め、スリープ・モードになり、質問機が、まだ読み取っていない他の質問機を読み取ることができるように、トランスポンダは質問機に応答しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平04−232488号公報
【特許文献2】特開平08−278363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数のトランスポンダからの応答信号で衝突が起こる確率は、各トランスポンダに対して、質問機により励起が行われた後であって、トランスポンダが第一の応答信号を送信する前に、ランダムに発生した各ホールドオフ時間を使用し、ランダムに発生した時間的周期の後で、応答信号を反復することにより低減することができる。
【0005】
衝突を回避し、正確な読み取り、および以降のすでに読み取ったトランスポンダの切換を容易に行えるように設計されたこれらの手段を使用しても、エラーは依然として発生する。例えば、受信通知信号は非特定的なものであるので、タイム・ウィンドウは、受信通知信号が送信された時能動的であり、任意のおよびすべてのトランスポンダは、読み取られていてもいなくても、オフに切り換えられる。
【0006】
従って、本発明の一つの目的は、出願人、がそれにより上記の欠点を少なくとも軽減することができると考える、別のシステムおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一台の質問機と複数のトランスポンダとを備える電子身元確認システムを提供する。
【0008】
質問機は、
トランスポンダに質問信号を送信するための送信手段を備え、
各トランスポンダは、
そのトランスポンダの特性を含む署名を発生するための署名発生手段と、
質問信号に応えて、署名を含む応答信号を間欠的に送信するための送信手段とを備える。
【0009】
質問機は、さらに、トランスポンダの中の一台から応答信号を受信した場合に、質問機の送信手段が送信する、トランスポンダの一意の署名を含む受信通知を発生するための受信通知信号発生手段を備える。
【0010】
トランスポンダの送信手段は、応答信号により、質問信号を後方散乱変調するための、変調手段を含むことができる。他の実施形態の場合には、送信手段は、応答信号を発生し、送信するための局部搬送波発生器を含むことができる。
【0011】
さらに、本発明の場合には、各トランスポンダは、間欠的な各応答信号の送信直後に、タイム・ウィンドウを発生するためのタイム・ウィンドウ発生手段と、
上記タイム・ウィンドウ中に、各署名を含む受信通知信号を受信した場合に、トランスポンダを、通常のモードから他のモードに切り換えるためのコントローラを備えることができる。
【0012】
署名発生手段は、乱数発生器を備えることができ、署名はランダムに発生した数字であってもよい。上記乱数発生器は、中断後に、再び質問信号を受信する度に、新しい署名を発生することができる。
【0013】
乱数発生器は、質問信号を最初に受信した後であって、上記間欠的応答信号を最初に送信する前に、ランダム遅延またはホールドオフ周期を決定するために動作することができる。
【0014】
さらに、乱数発生器は、また間欠的な応答信号に対する、ランダムな反復周期を決定するために動作することができる。
【0015】
乱数発生器は、またトランスポンダのコントローラに対して、ランダムに選択したクロック周波数を発生するために、トランスポンダのプログラム可能なクロック周波数ディバイダに対する除数を時々発生するために動作することもできる。
上記受信通知信号は、またトランスポンダを通常の動作モードから、他の複数のモードの中の選択した一つのモードに切り換えるためのコマンドを含むことができる。
【0016】
複数のトランスポンダを備える電子身元確認システムと一緒に使用するための質問機も本発明の範囲内に含まれる。
【0017】
この質問機は、
複数のトランスポンダへ、質問信号を送信するための送信手段と、
その発信元の各トランスポンダの特性を含む署名を含む、複数のトランスポンダからの応答信号を受信するための受信手段と、
受信した応答信号の中の少なくとも一つを処理し、また署名を含む受信通知信号を送信させるためのコントローラとを備える。
【0018】
さらに、質問信号を受信するための受信手段と、
トランスポンダの特性を含む署名を発生するための署名発生手段と、
質問信号に応えて、トランスポンダの特性を含む署名を含む応答信号を送信するための送信手段と、
署名を含む受信通知信号を受信した場合に、トランスポンダをある動作モードから他の動作モードに切り換えることができるコントローラとを備えるトランスポンダも、本発明の範囲内に含まれる。
【0019】
署名発生手段は、乱数発生器を備えることができ、署名は一つの数字であってもよい。
【0020】
トランスポンダは、また応答信号の送信直後に、タイム・ウィンドウを発生するためのタイム・ウィンドウ発生手段を備えることができる。上記タイム・ウィンドウには、受信通知信号が含まれている場合がある。
【0021】
数字発生器は、質問信号の最初の受信後であって、応答信号が送信される前に、遅延時間またはホールドオフ時間を決定するために動作する。
【0022】
乱数発生器は、応答信号のランダムな反復周期を決定するために動作する。
乱数発生器は、またトランスポンダのコントローラに対して、ランダムに選択したクロック周波数を発生するために、トランスポンダのプログラム可能なクロック周波数ディバイダに対する除数を発生するために、時々動作することもできる。
【0023】
本発明のもう一つの態様は、一台の質問機と、複数のトランスポンダを備える電子身元確認システムの動作方法を提供する。該方法は、質問機からトランスポンダに質問信号を送信するステップと、
トランスポンダに質問信号を受信させ、各トランスポンダに、トランスポンダの特性を含む応答信号で間欠的に応答させるステップと、
質問機に、応答信号を受信させ、トランスポンダの中の少なくとも一つからの応答信号を処理させるステップと、質問機に、トランスポンダの中の少なくとも一台の署名を含む受信通知信号を送信させるステップと、
受信通知信号を受信した場合、トランスポンダの中の少なくとも一台を、ある動作モードから他の動作モードに切り替えさせるステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
添付の図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
【図1】一台の質問機と複数のトランスポンダとを備える、本発明の電子身元確認システムの機能ブロック図である。
【図2】上記システムの一部を形成しているトランスポンダの中の一台のより詳細なブロック図である。
【図3】質問機により、その質問信号および受信通知に対するトランスポンダからの応答時間を示す図面である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は、一台の質問機10と、複数のトランスポンダ、すなわち、それぞれ、参照番号12、14および16で示す、トランスポンダ#1、トランスポンダ#2、およびトランスポンダ#3を備える電子身元確認システム100である。このシステムは、身元確認またはカウントされる装置(図示せず)上に装着されるか、関連している。
【0026】
質問機10は、トランスポンダ、及びトランスポンダからの応答信号を受信するための受信機13に、質問又は励起信号を送信するための送信機11を備える。デュプレクサ15は、送信機11又は受信機13をアンテナ7に接続する。質問機は、さらに、コントローラ19及び受信通知信号発生器21を備える。これら装置の機能については後で説明する。
【0027】
トランスポンダ14、16および18の構成は類似しているので、図2を参照しながら、以下にトランスポンダ14だけをより詳細に説明する。各トランスポンダは、仮想バッテリー25、検出器27および復調器29を含む受信機23を含む。仮想バッテリーは、トランスポンダの他の回路に電力を供給するために、励起信号からエネルギーを受け取り、貯蔵する。他の実施形態の場合には、超再生受信機、スーパヘテロダイン受信機、ホモダイン受信機のよう他の受信機も使用することができる。
【0028】
上記他の回路は、以下に説明するタイム・ウィンドウ発生器33、およびこれも以下に説明する乱数発生器35を含むコントローラ31を含む。乱数発生器35は、トランスポンダに対する一意の署名を発生するための署名発生器37、応答信号の以降の反復の間の、ランダムな反復周期(RP)を発生するための、反復周期発生器39、質問信号の最初の受信および応答信号の最初の送信後に、ランダムなホールドオフ時間を発生するためのホールドオフ時間発生器41、およびトランスポンダの一部を形成するクロック周波数(f)発生器47のディバイダ45に対するランダムな除数を、間欠的な発生するための除数発生器43の一部を形成するか、上記発生器としての働きをするか、機能を行う。トランスポンダは、さらに、質問信号に対する応答信号を発生するための応答信号発生器49、およびデータを記憶するためのメモリ装置53を含む。応答信号発生器は、質問機に応答信号を送信するために、変調器25により、質問信号を後方散乱変調するための送信機51の一部を形成する。他の実施形態の場合には、トランスポンダは、応答信号を発生し、送信するための局部搬送波発生器(図示せず)を備えることができる。
【0029】
においては、Aは励起信号であり、B−Dは、トランスポンダ#1−#3からの後続の応答を示す。B−Dで示すように、励起信号を受信すると、各トランスポンダは、質問機に間欠的な信号18を送り返す。この間欠的な信号は、後方散乱変調と呼ばれる励起信号にエネルギーの一部を含む。上記エネルギーは、図により詳細に示すデータにより変調される。残りのエネルギーは、本明細書に記載する機能を実行することができるように、応答回路に電力を供給するために仮想バッテリー25が使用する。
【0030】
各トランスポンダからの応答は、間欠的に反復される応答信号18を含み、各信号は、スタート・ビット20、同期ビット22、データ・ビット24、署名またはIDコード26、CRCエラー修正コード28、およびストップ・ビット30を含む。各トランスポンダの応答の信号18の反復周期RP2またはRP3は、発生器39によりランダムに発生され、トランスポンダに対して一定ではない。さらに、各トランスポンダは、32でスタートした励起の後であって、トランスポンダが応答を開始する前に、発生器41がランダムに発生した各ホールドオフ時間(HOLD−OFFからHOLD−OFF)を持つ。各応答信号18の直後に、発生器33によりタイム・ウィンドウ34が発生する。このタイム・ウィンドウ中に、各トランスポンダは、において、励起信号上で変調された質問機からの受信通知信号を待ち、それに応答する。上記応答信号は、質問機により受信され読み取られる。トランスポンダが、受信通知信号をタイム・ウィンドウ34で受信すると(トランスポンダ#1に対する内のTW参照)、トランスポンダは、あるモードに切り替わり、このモード中には、質問機信号に応答しない。
【0031】
しかし、そのトランスポンダに関連するタイム・ウィンドウ34で、受信通知信号を受信しなかった場合には(トランスポンダ#2および#3に対するTWおよびTW参照)、トランスポンダは、トランスポンダ#2の場合には、上記のランダムに発生した周期RPの後で、トランスポンダ#3の場合には、RPの後で、以下に説明するように受信されるまで、およびの18.1のところに示すように、応答信号を反復する。
【0032】
本発明のシステムの場合には、励起信号を受信すると、各トランスポンダは、そのホールドオフ時間の後で応答信号18を送信する。質問機10は、複数のトランスポンダから受信した最も強力な信号にロックし、質問機のクロック(図示せず)を関連トランスポンダのクロック47と同期させるために、同期ビット22を使用する。データ24が受信され、記憶される。質問機は、またそのトランスポンダに関連する署名またはIDコード26を受信する。
【0033】
受信した応答信号の直後のタイム・ウィンドウ34中に、質問機は、の36に示すように、今受信したばかりのIDコード26で、励起信号を変調することにより、受信通知信号発生器21が発生した受信通知信号を放送する。
【0034】
その後で、上記IDコードに関連するトランスポンダは、受信通知を受信し、解釈し、それが質問機により読み取られたものと認め、あるモードに切り替わるが、このモードの間は、のところに示すように、質問信号には応答しない。各トランスポンダは、一意のIDコードを持っているので、実際に読み取ったトランスポンダだけがオフに切り換えられる。
【0035】
すでに説明したとおり、トランスポンダ#1から#3に対する各ホールドオフ時間(HOLD−OFFからHOLD−OFF)は、各トランスポンダの一台を形成している各乱数発生器35、41により、ランダムに発生する。さらに、乱数発生器35、39は、また、各トランスポンダに対する信号反復周期を決定する。その結果、特定のトランスポンダに対する信号反復周期(トランスポンダ#2の場合にはRP、トランスポンダ#3の場合にはRP)は一定ではなく、ランダムに変化する。さらに、乱数発生器35、37も、トランスポンダに対してIDコード26を発生する。トランスポンダが電力の供給を受けている間は、署名は変化しないが、電力供給が中断した後で再開された場合には、発生器は、他のランダムな署名を発生する。
【0036】
質問機が、特定のトランスポンダに容易にロックすることができるように、またトランスポンダからの同時応答間の干渉を軽減するために、各トランスポンダのクロック速度を、各トランスポンダの一部を形成している、各プログラム可能なクロック信号発生器の、ディバイダ45に対する除数を変化させることにより、変化させることができる。上記除数は、また上記各乱数発生器35、43により決定することができる。
【0037】
質問機10が送信した受信通知36と一緒に、質問機は、また今読み取ったばかりのトランスポンダを、その通常の動作モードから、所定の短い周期用のスリープ・モード、励起信号には応答しないが、任意の時間に、再び通常の動作モードに切り換えることができるモードのような、複数の他のモードの中から選択した一つのモードに切り換えるために、コマンドまたは信号を送信することができる。
【0038】
いわゆる受動的トランスポンダ(すなわち、励起信号からその電力の供給を受ける仮想バッテリーを備えるトランスポンダ)を重点的に説明してきたが、特許請求の範囲は、またその範囲内に、搭載型電源を持ついわゆる能動トランスポンダも含む。
【0039】
添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなしに、本発明のシステムおよび方法の詳細な部分を種々に変更することができることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一台の質問機と複数のトランスポンダとを備える電子身元確認システムであって、
該質問機は、
該トランスポンダに質問信号を送信するための送信手段を備え、
各トランスポンダは、
該トランスポンダの特性を含むランダムな署名を発生するための乱数発生手段と、
該質問信号に応えて、該ランダムな署名を含む応答信号を間欠的に送信するための送信手段とを備え、
各トランスポンダが、複数の該間欠的な各応答信号の送信直後に、タイム・ウィンドウを発生するためのタイム・ウィンドウ発生手段と、該タイム・ウィンドウ中に、該各署名を含む受信通知信号を受信した場合に、トランスポンダを通常のモードから他のモードに切り換えるためのコントローラとを備え、
該質問機が、さらに、該トランスポンダの中の一台から応答信号を受信した場合に、該質問機の送信手段により送信される受信通知信号であって、一台のトランスポンダの該ランダムな署名を含む受信通知信号を発生し、それによって該一台のトランスポンダに該応答信号の受信を通知するための受信通知信号発生手段を備える電子身元確認システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、該トランスポンダの送信手段が該応答信号で該質問信号を後方散乱変調するための変調手段を備えるシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシステムにおいて、該乱数発生器が、該質問信号の最初の受信の後であって、複数の該間欠的な応答信号の中の最初の間欠的な応答信号が送信される前に、ランダムな遅延時間又はホールドオフ時間を決定するために動作することができるシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のシステムにおいて、該乱数発生手段が、該間欠的な応答信号に対するランダムな反復周期を決定するために動作することができるシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のシステムにおいて、該乱数発生器が、該トランスポンダの一部を形成するクロック周波数発生器のプログラム可能なディバイダに対するランダムな除数を間欠的に発生するように動作可能であり、該クロック周波数発生器は、該トランスポンダに対してランダムに選択したクロック周波数を選択的に発生させるシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載のシステムにおいて、該受信通知信号が、該トランスポンダを通常の動作モードから他の複数のモードの中の選択した一つのモードに切り換えるためのコマンドを含むシステム。
【請求項7】
複数のトランスポンダを備える電子身元確認システムと一緒に使用するための質問機であって、
複数のトランスポンダへ質問信号を送信するための送信手段と、
各トランスポンダからの各トランスポンダの特性を含む署名を含む応答信号であって、複数のトランスポンダからの応答信号を受信するための受信手段と、
受信した該応答信号の中の少なくとも一つを処理し、また該複数のトランスポンダのうちの1つから応答信号を受信した場合に署名を含む受信通知信号を送信させるためのコントローラとを備え、
各トランスポンダが、複数の該間欠的な各応答信号の送信直後に、タイム・ウィンドウを発生し、該タイム・ウィンドウ中に、該各署名を含む受信通知信号を受信した場合に、該トランスポンダが通常のモードから他のモードに切り換わる質問機。
【請求項8】
トランスポンダであって、
質問信号を受信するための受信手段と、
該トランスポンダの特性を含むランダムな署名を発生するための乱数発生手段と、
該質問信号に応えて、該トランスポンダの特性を持つ該ランダムな署名を含む応答信号を送信するための送信手段と、
該応答信号の送信直後にタイム・ウィンドウを発生するためのタイム・ウィンドウ発生手段と、
該ランダムな署名を含む受信通知信号を受信した場合に、該トランスポンダを、ある動作モードから他の動作モードに切り換えることができるコントローラとを備え、該受信通知信号は、該応答信号を受信した場合に生成されるトランスポンダ。
【請求項9】
請求項8に記載のトランスポンダにおいて、該署名発生手段が、乱数発生器を備え、該署名が一つの数字であるトランスポンダ。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のトランスポンダにおいて、該乱数発生手段が、該質問信号の最初の受信後であって、該応答信号が送信される前に、ランダムな遅延時間又はホールドオフ時間を決定するために動作するトランスポンダ。
【請求項11】
請求項8乃至10の何れか1項に記載のトランスポンダにおいて、該乱数発生器が、該応答信号のランダムな反復周期を決定するために動作するトランスポンダ。
【請求項12】
請求項8乃至11の何れか1項に記載のトランスポンダにおいて、該乱数発生手段が、該トランスポンダの一部を形成するクロック周波数発生器のプログラム可能なディバイダに対するランダムな除数を間欠的に発生するように動作可能であり、該クロック周波数発生器は、該トランスポンダに対するランダムに選択したクロック周波数を選択的に発生させるトランスポンダ。
【請求項13】
請求項12に記載のトランスポンダにおいて、該乱数発生器が、該トランスポンダの該クロック周波数発生器の該プログラム可能なディバイダに対する除数を選択的に発生するように動作するトランスポンダ。
【請求項14】
一台の質問機と、複数のトランスポンダを備える電子身元確認システムの動作方法であって、
該質問機から該トランスポンダに質問信号を送信するステップと、
該トランスポンダに該質問信号を受信させ、各トランスポンダに、トランスポンダの特性関する署名を含む各応答信号で、間欠的に応答させるステップとを含み、該トランスポンダの特性に関する署名は、該各トランスポンダによって生成されるランダムな署名であり、各トランスポンダは、複数の該間欠的な各応答信号の送信直後に、タイム・ウィンドウを発生し、該方法は、さらに、
該質問機に、該応答信号を受信させ、トランスポンダの中の少なくとも一つからの応答信号を処理させるステップと、
該質問機に、該トランスポンダの中の少なくとも一台の署名を含む受信通知信号を送信させるステップを含み、該受信通知信号は、該複数のトランスポンダのうちの1つから応答信号を受信した場合に生成され、該タイム・ウィンドウ中に、該各署名を含む受信通知信号を受信した場合に、該トランスポンダが通常のモードから他のモードに切り換わるように構成され、該方法は、さらに、
受該信通知信号を受信した場合、該トランスポンダの中の少なくとも一台に、ある動作モードから他の動作モードに切り替えさせるステップを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−226745(P2010−226745A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110183(P2010−110183)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【分割の表示】特願平11−318426の分割
【原出願日】平成11年11月9日(1999.11.9)
【出願人】(504071960)ゼット・アイ・エイチ コーポレーション (1)
【氏名又は名称原語表記】ZIH Corp.
【住所又は居所原語表記】3 Gorham Road,Hamilton HM08,Bermuda
【Fターム(参考)】