説明

電子早見本装置及びカラオケシステム

【課題】 演奏曲を媒介とした利用者相互間のコミュニケーションを実現する電子早見本装置及びカラオケシステムを提供する。
【解決手段】 タッチパネル76による操作に応じてカラオケ装置16への選曲入力を行う選曲手段126と、その選曲手段126により所定の選曲入力が行われた場合には、前記タッチパネル76による操作に応じて所定の入力情報を、選曲された演奏曲と関連付けて受け付ける受付手段128と、その受付手段128により受け付けられた入力情報を前記演奏曲と関連付けて記憶する記憶部86とを、有することから、電子早見本装置22による演奏曲の選曲に際して、その選曲された演奏曲にまつわるメッセージ等の情報を受け付けて記憶することで、不特定多数の利用者を対象としたコミュニケーションの場を成立させられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させるカラオケ装置を遠隔操作するための電子早見本装置及びその電子早見本装置を用いたカラオケシステムの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させる音楽再生装置が知られている。例えば、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置がそれである。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された多数のカラオケ演奏曲から選択された所定のカラオケ演奏曲の音楽情報を出力させると共に、そのカラオケ演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
【0003】
斯かるカラオケ装置を遠隔操作するために、所定の画像を表示させると共に利用者の接触に応じてそのカラオケ装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを備えた電子早見本装置が知られている。例えば、特許文献1に記載された多機能カラオケリモコン装置がそれである。この技術によれば、上記タッチパネルディスプレイに表示される映像を参照しつつ利用者の指や備え付けのペン等の接触(タッチ入力)により簡便に上記カラオケ装置への入力を行うことができ、また、機能的に備えられたメモ帳に利用者毎の予約曲リスト及びそれら予約曲に関するメモを記憶することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−62081号公報
【0005】
しかし、前記従来の技術に備えられたメモ帳の機能は、予約曲及び予約曲に関するメモを記憶するといった簡易で一時的なものであったため、不特定多数の利用者を対象としたコミュニケーションの手段には成り得なかった。本発明者は、電子早見本装置は演奏曲の選曲に際して利用者が必然的に使用する入力装置であることに着目し、演奏曲を媒介とした利用者相互間のコミュニケーションの手段として斯かる電子早見本装置を用いる技術を発案するに至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、演奏曲を媒介とした利用者相互間のコミュニケーションを実現する電子早見本装置及びカラオケシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させるカラオケ装置を遠隔操作するために、所定の画像を表示させると共に利用者の接触に応じて前記カラオケ装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを備えた電子早見本装置であって、前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて前記カラオケ装置への選曲入力を行う選曲手段と、その選曲手段により所定の選曲入力が行われた場合には、前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて所定の入力情報を、選曲された演奏曲と関連付けて受け付ける受付手段と、その受付手段により受け付けられた入力情報を前記演奏曲と関連付けて記憶する記憶部とを、有することを特徴とするものである。
【0008】
また、前記目的を達成するために、本第2発明の要旨とするところは、前記第1発明の電子早見本装置と、所定の通信回線を介してその電子早見本装置と情報の送受信を行い得るセンタ装置とを、備えたカラオケシステムであって、前記センタ装置は、前記電子早見本装置の記憶部に記憶された入力情報を取得して統括的に記憶する記憶装置を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
このように、前記第1発明によれば、前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて前記カラオケ装置への選曲入力を行う選曲手段と、その選曲手段により所定の選曲入力が行われた場合には、前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて所定の入力情報を、選曲された演奏曲と関連付けて受け付ける受付手段と、その受付手段により受け付けられた入力情報を前記演奏曲と関連付けて記憶する記憶部とを、有することから、電子早見本装置による演奏曲の選曲に際して、その選曲された演奏曲にまつわるメッセージ等の情報を受け付けて記憶することで、不特定多数の利用者を対象としたコミュニケーションの場を成立させられる。すなわち、演奏曲を媒介とした利用者相互間のコミュニケーションを実現する電子早見本装置を提供することができる。
【0010】
ここで、前記第1発明において、好適には、前記入力情報は、前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて入力される文字情報である。このようにすれば、前記電子早見本装置により選曲された演奏曲にまつわるメッセージを受け付けて記憶することで、好適なコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0011】
また、好適には、前記入力情報は、前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて入力される映像情報である。このようにすれば、前記電子早見本装置により選曲された演奏曲にまつわるフリータッチ絵等を受け付けて記憶することで、好適なコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0012】
また、好適には、前記入力情報は、前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて他の端末から取り込まれる映像情報である。このようにすれば、前記電子早見本装置により選曲された演奏曲に関連して、その演奏曲を選曲した利用者の映像等をデジタルカメラ付携帯電話機等の端末から取り込んで記憶することで、好適なコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0013】
また、好適には、前記受付手段は、前記記憶部に記憶された入力情報に従属して更に従属入力情報を受け付けるものであり、前記記憶部は、その受付手段により受け付けられた従属入力情報を、前記入力情報に従属させて記憶するものである。このようにすれば、前記電子早見本装置により選曲された演奏曲に関連して入力されたメッセージ等の情報に、所謂レスポンスとして従属入力情報を付加することができ、発展性のあるコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0014】
また、好適には、前記記憶部に記憶された入力情報を、前記タッチパネルディスプレイによる前記演奏曲を索引とした操作に応じてそのタッチパネルディスプレイに表示させる表示手段を有するものである。このようにすれば、前記記憶部に蓄積された入力情報を適宜利用者の閲覧に供することができるという利点がある。
【0015】
また、前記第2発明によれば、前記センタ装置は、前記電子早見本装置の記憶部に記憶された入力情報を取得して統括的に記憶する記憶装置を有することから、前記電子早見本装置により選曲された演奏曲に関連して入力されたメッセージ等の情報を統括管理することで、不特定多数の利用者を対象としたコミュニケーションの場を成立させられる。すなわち、演奏曲を媒介とした利用者相互間のコミュニケーションを実現するカラオケシステムを提供することができる。
【0016】
ここで、前記第2発明において、好適には、前記センタ装置は、前記記憶装置に記憶された入力情報を、所定の端末による閲覧可能に公開する公開手段を有するものである。このようにすれば、前記電子早見本装置により選曲された演奏曲に関連して入力されたメッセージ等の情報をインターネット等を介して公開することで、更に多くの利用者を対象としたコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0017】
また、好適には、前記公開手段は、所定の顧客情報が入力された場合にのみ前記記憶装置に記憶された入力情報を閲覧可能とするものである。このようにすれば、顧客情報を有する会員限定のコミュニケーションの場とすることで、乱暴なレスポンスをする利用者を排除してコミュニティの品位を一定の水準に保てるという利点がある。
【0018】
また、好適には、前記センタ装置は、前記記憶装置に記憶された入力情報に従属して更に従属入力情報を受け付ける受付手段を有するものである。このようにすれば、前記電子早見本装置により選曲された演奏曲に関連して入力されたメッセージ等の情報に、所謂レスポンスとして従属入力情報を付加することができ、発展性のあるコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0019】
また、好適には、前記受付手段は、所定の顧客情報が入力された場合にのみ前記従属入力情報を受け付けるものである。このようにすれば、顧客情報を有する会員限定のコミュニケーションの場とすることで、乱暴なレスポンスをする利用者を排除してコミュニティの品位を一定の水準に保てるという利点がある。
【0020】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明の一実施例であるカラオケシステム10を説明する概略図である。この図1に示すように、本実施例のカラオケシステム10では、カラオケボックス、スナック、旅館等の店舗12における複数の個室14a、14b、14c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に個室14と称する)にそれぞれ1台乃至は複数台ずつ(図1では1台ずつ)のカラオケ装置16a、16b、16c、・・・(以下、特に区別しない場合には単にカラオケ装置16と称する)が設置されている。これら複数のカラオケ装置16のうち、マスターコマンダである所定のカラオケ装置16aは、公衆電話回線等による通信回線18を介してカラオケサービス提供会社のセンタ装置20に接続されており、そのセンタ装置20と上記カラオケ装置16aの相互間で情報の通信が可能とされている。このセンタ装置20は、カラオケ情報、背景映像情報、曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Contents)の保管や入出力管理の基本的な制御に加えて、後述するメッセージ受付/公開制御を行うサーバであり、上記通信回線18を介してマスターコマンダであるカラオケ装置16aに定期的にコンテンツの配信を行うと共に、そのカラオケ装置16aからの要求に応じて所定の機能制御プログラムを送信するものである。また、上記カラオケシステム10は、複数の電子早見本装置22a、22b、22c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に電子早見本装置22と称する)を備えており、上記カラオケ装置16の利用に際して、各利用者(グループ)毎に1台ずつの電子早見本装置22が貸与され、各個室14において後述するように上記カラオケ装置16の遠隔操作装置として用いられるようになっている。上記店舗12内には上記複数のカラオケ装置16を相互に接続するLAN24が敷設されており、上記電子早見本装置22からのカラオケ装置16への入力は、所定のアクセスポイント26及びLAN24を介したLAN通信等により行われる。
【0022】
図2は、上記カラオケ装置16の構成を例示するブロック線図である。この図2に示すように、上記カラオケ装置16は、CRT等の映像表示装置30と、映像情報デコーダ32と、ビデオミキサ34と、アンプミキサ36と、スピーカ38と、マイクロフォン40と、操作パネル42と、中央演算処理装置であるCPU44と、ROM46と、RAM48と、記憶装置であるハードディスク50と、モデム52と、LANポート54と、CRTコントローラ56と、上記操作パネル42等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス58と、音源であるシンセサイザ60と、上記電子早見本装置22やリモコン装置66等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部62とを、備えて構成されている。
【0023】
上記CPU44は、上記RAM48の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM46に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータであり、上記リモコン装置66や電子早見本装置22等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を上記RAM48に設けられた予約曲リストに登録したり、その予約曲リストの演奏順に従って上記ハードディスク50から上記RAM48に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等を読み出したり、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM48から上記シンセサイザ60へ演奏情報を送信したり、歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して上記CRTコントローラ56へ送ったり、選曲時には曲名文字映像を生成して上記CRTコントローラ56へ送ったり、上記映像情報デコーダ32を制御して所定の背景映像を再生させたり、カラオケ演奏が行われていない間すなわち曲間において、新譜情報、選曲ランキング、店舗広告等の曲間情報を出力させたり、前記通信回線18を介した前記センタ装置20との間の情報通信制御等の基本的な制御を実行する。
【0024】
前記操作パネル42は、前記カラオケ装置16の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記カラオケ装置16には、前記操作パネル42の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置66が備えられており、前記リモコン受信部62は、そのリモコン装置66から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU44へ供給する。また、前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との対応付け(くくりつけ)処理も前記リモコン受信部62を介して行われ、そのようにして前記カラオケ装置16に対応付けられた電子早見本装置22も同様に入力装置として機能する。
【0025】
前記映像情報デコーダ32は、利用者が歌詞を参照しながら歌を歌う際に前記ハードディスク50に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)する背景映像再生装置である。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ32により再生された背景映像は、前記ビデオミキサへ送られる。また、前記CRTコントローラ56は、前記CPU44において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置であり、前記ビデオミキサ34は、前記CPU44において生成され且つ前記CRTコントローラ56から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ32により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置30に表示させる映像合成装置である。
【0026】
前記シンセサイザ60は、前記ハードディスク50から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザ60により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ36へ送られる。そのアンプミキサ36では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン40を介して入力される利用者の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ38から出力される。
【0027】
前記モデム52は、前記カラオケ装置16を公衆電話回線等による通信回線18に接続するための装置であり、前記CPU44から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線18に送り出すと共に、その通信回線18を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU44に供給する処理を行う。なお、このモデム52は、マスターコマンダとして機能するカラオケ装置16aには必要とされるが、前記センタ装置20との間で情報の通信を行わない他のカラオケ装置16には必ずしも設けられなくともよい。
【0028】
前記LANポート54は、前記カラオケ装置16をLAN24を介して他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器に接続するための接続器であり、前記カラオケ装置16は、そのようにLAN24を介して接続されることで、他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。例えば、前記アクセスポイント26により受け付けられる前記電子早見本装置22からの選曲入力を受け付けたり、前記カラオケ装置16から電子早見本装置22へ所定の処理を実行させるための指令を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との間における相互の情報のやりとりが実行される。
【0029】
前記ハードディスク50には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベース、背景映像を出力させるための複数の背景映像情報を記憶する背景映像データベース、曲間情報を出力させるための複数の曲間情報を記憶する曲間情報データベース等の各種データベースが設けられている。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた複数のカラオケ装置16のうちマスターコマンダとして機能するカラオケ装置16aは、前記モデム52を介して前記通信回線18に接続されており、前記複数のカラオケ装置16によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、或いは所定の背景映像や曲間情報が出力可能とされるように、随時新たなカラオケ情報、背景映像情報、曲間情報等が前記センタ装置20から前記通信回線18を介して配信され、前記ハードディスク50のカラオケデータベース、背景映像データベース、曲間情報データベース等に記憶される。また、そのようにして前記センタ装置20から情報を取得したカラオケ装置16aとその他のカラオケ装置16との間で前記LAN24を介した通信が行われることにより、各カラオケ装置16のハードディスク50に記憶される情報が共有され、カラオケデータベース、背景映像データベース、曲間情報データベース等の内容が等価なものとされる。
【0030】
図3は、前記電子早見本装置22の外観を大まかに示す斜視図である。この図3に示すように、前記電子早見本装置22は、所定の画像(映像)を表示させると共に、利用者の接触に応じて入力を行うためのタッチパネルディスプレイ70を備えている。また、前記カラオケ装置16との間でデータの送受信や同期を実行したり、前記電子早見本装置22に内蔵されたバッテリを充電する等の動作を行うスタンド型の接続架台(ドッキングテーブル)であるクレイドル68を備えている。前記電子早見本装置22は、そのクレイドル68に取り付けられた状態又はそのクレイドル68から取り外された状態で用いられ、取り付けられた状態においては、そのクレイドル68及びLAN24を介して前記カラオケ装置16に有線接続されるようになっている。また、上記クレイドル68から取り外された状態においては、上記アクセスポイント26及びLAN24を介して前記カラオケ装置16に無線接続されるようになっている。また、前記LAN24、マスターコマンダである前記カラオケ装置16a、及び通信回線18を介して前記センタ装置20と接続され、そのセンタ装置20との間で間接或いは直接に情報の送受信ができるように構成されている。
【0031】
図4は、前記電子早見本装置22の構成を説明するブロック線図である。この図4に示すように、前記電子早見本装置22は、上記タッチパネルディスプレイ70に所定の映像を表示させる表示装置72と、その表示装置72による表示を制御する表示制御部74と、利用者の指や図示しない備え付けのペン等によるタッチパネルディスプレイ70への接触により入力を行うタッチパネル76と、そのタッチパネル76による入力を制御する入力制御部78と、中央演算処理装置であるCPU80と、ROM82と、RAM84と、フラッシュROM等の記憶部86と、インターフェイス88と、リモコン送信部90と、無線LAN通信部92と、コネクタ94とを、備えて構成されている。上記クレイドル68には、前記電子早見本装置22と電気的な接続を可能とするためのコネクタ96が設けられており、前記電子早見本装置22は、前記クレイドル68に載置されて上記コネクタ94及び96が接触させられることで、上記インターフェイス88を介して前記クレイドル68乃至はLAN24に接続されるようになっている。また、上記記憶部86には、前記カラオケ装置16のカラオケデータベースに記憶された多数のカラオケ情報それぞれに対応して曲名、アーティスト名、歌詞の歌い出し部分等の選曲案内情報を選曲番号毎に記憶する演奏曲データベース100、後述するメッセージ情報を記憶するメッセージデータベース102等の各種データベースが設けられている。
【0032】
上記CPU80は、上記RAM84の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM82に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータであり、上記記憶部86から選曲案内情報を読み出し、上記表示装置72を介してその選曲案内情報に基づく所定の案内映像を上記タッチパネルディスプレイ70に表示させたり、そのタッチパネルディスプレイ70に表示された案内映像に従って上記タッチパネル76による入力が行われた場合、カラオケ演奏曲を予約するための選曲信号(選曲予約信号)を上記無線LAN通信部92等を介して前記カラオケ装置16に送信する等の基本的な制御に加えて、後述するメッセージ受付/表示制御を実行する。
【0033】
図5は、前記センタ装置20の構成を説明するブロック線図である。この図5に示すように、前記センタ装置20は、中央演算処理装置であるCPU104によりRAM108の一時記憶機能を利用しつつROM106に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータシステムを備えており、マスターコマンダである前記カラオケ装置16aへのカラオケ情報及び背景映像情報等のコンテンツ配信制御をはじめとする基本的な制御に加えて、後述するメッセージ受付/公開制御を実行する。また、CRTコントローラ110により制御されるCRT等の映像表示装置112と、インターフェイス114を介して接続されるキーボード等の入力装置116と、ハードディスク等の記憶装置120と、上記CPU104を前記通信回線18に接続するための装置であるモデム118とを、備えて構成されている。また、上記記憶装置120には、前記カラオケ装置16aに配信するための前記カラオケ情報を記憶するカラオケデータベース122、後述するメッセージ情報を統括的に記憶するメッセージデータベース124等の各種データベースが設けられている。
【0034】
図6は、前記電子早見本装置22のCPU80及びセンタ装置20のCPU104による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図6に示す選曲手段126、受付手段128、及び表示手段130は、前記電子早見本装置22のCPU80に機能的に備えられたものであり、公開手段132及び受付手段134は、前記センタ装置20のCPU104に機能的に備えられたものである。
【0035】
選曲手段126は、前記タッチパネルディスプレイ70による操作に応じて前記カラオケ装置16への選曲入力を行う。具体的には、前記表示制御部74を介して前記表示装置72に所定の選曲入力画面を表示させ、その表示に従って行われる前記タッチパネル76への利用者の指や備え付けのペン等の接触による選曲番号の入力を前記入力制御部78を介して受け付け、その選曲番号を前記カラオケ装置16に対して前記LAN24等を介して送信する。このようにして送信された選曲番号は、対象となるカラオケ装置16のRAM48等に形成された予約曲リストに予約曲として記憶される。
【0036】
受付手段128は、前記選曲手段126により所定の選曲入力が行われた場合には、前記タッチパネルディスプレイ70による操作に応じて所定の入力情報を、選曲された演奏曲と関連付けて受け付ける。具体的には、前記表示制御部74を介して前記表示装置72に所定のメッセージ入力画面を表示させ、その表示に従って行われる前記タッチパネル76への利用者の指や備え付けのペン等の接触による操作に応じて、文字情報(テキスト情報)及び映像情報の少なくとも一方を含むメッセージ情報の入力を受け付ける。
【0037】
図7は、前記受付手段128によるメッセージ情報の受付に際して前記タッチパネルディスプレイ70に表示されるメッセージ入力画面の一例を示す図である。この図7に示すように、前記受付手段128は、前記メッセージ情報の受付に際して前記表示制御部74を介して前記表示装置72に五十音やアルファベットといった文字情報を入力するための文字ボタン138を表示させ、その文字ボタン138に該当する部分への利用者の接触に応じて前記タッチパネル76によりその文字ボタン138に対応する文字の入力を受け付ける。その際、入力された文字を画面上部の表示窓140に表示させる。そして、画面右下の決定ボタン142に該当する部分への利用者の接触に応じてその時点で表示窓140に表示されている文字情報を確定して前記RAM84等に記憶する。
【0038】
図8は、図7の画面に従った入力に続いて表示されるメッセージ入力画面の一例を示す図であり、電子メールアドレス及びホームページURL入力画面を示している。この図8に示すように、前記受付手段128は、好適には、前記メッセージ情報の一部として利用者の電子メールアドレス及びホームページURLを受け付ける。具体的には、前記表示制御部74を介して前記表示装置72にアルファベット等の文字情報を入力するための文字ボタン144を表示させ、その文字ボタン144に該当する部分への利用者の接触に応じて前記タッチパネル76によりその文字ボタン144に対応する文字の入力を受け付ける。その際、入力された文字を画面中央部の表示窓146、148に表示させる。そして、画面右下の決定ボタン142に該当する部分への利用者の接触に応じてその時点で表示窓146、148に表示されている電子メールアドレス及びホームページURLを確定して前記RAM84等に記憶する。
【0039】
図9は、図8の画面に従った入力に続いて表示されるメッセージ入力画面の一例を示す図であり、お絵描き受付及び写真貼付画面を示している。この図9に示すように、前記受付手段128は、好適には、前記メッセージ情報の一部として種々の映像情報を受け付ける。具体的には、前記表示制御部74を介して前記表示装置72にお絵描き窓146を表示させ、そのお絵描き窓146に該当する部分に対する利用者の指や備え付けのペンによる接触(フリードロー)に応じて前記タッチパネル76によりその描画入力を受け付ける。また、デジタルカメラ付携帯電話機等の端末により撮影された撮像情報を有線又は無線により取り込んで写真表示窓148に表示させる。そして、画面右下の決定ボタン142に該当する部分への利用者の接触に応じてその時点でお絵描き窓146及び写真表示窓148に表示されている映像情報を確定して前記RAM84等に記憶する。以上、図7乃至図9を用いて説明した一連の入力操作により、図10に示すように文字情報及び映像情報を含むメッセージ150が受け付けられ、画面右下の決定ボタン142に該当する部分への利用者の接触に応じてそのメッセージ150が前記選曲手段126により選曲された演奏曲と関連付けられて前記メッセージデータベース102に記憶される。
【0040】
図6に戻って、表示手段130は、前記メッセージデータベース102に記憶された入力情報を、前記タッチパネルディスプレイ70による前記演奏曲を索引とした操作に応じてそのタッチパネルディスプレイ70に表示させる。具体的には、先ず、前記表示制御部74を介して前記表示装置72に所定の演奏曲名入力画面を表示させ、その表示に従って入力される演奏曲名を索引(インデックス)としてその演奏曲と関連付けられた複数のメッセージ情報の何れかを選択させるためのメッセージ表示選択画面を表示させる。そして、その表示に従って行われる前記タッチパネル76への利用者の指や備え付けのペン等の接触による操作に応じて、前記メッセージデータベース102から該当するメッセージ情報を読み出して前記表示制御部74を介して前記表示装置72に表示させる。
【0041】
図11は、前記表示手段130によるメッセージ情報の表示選択に際して前記タッチパネルディスプレイ70に表示されるメッセージ表示選択画面の一例を示す図である。この図11に示すように、前記表示手段130は、各演奏曲を索引としたメッセージ表示選択操作が行われた場合、前記表示制御部74を介して前記表示装置72に、その演奏曲と関連付けられて前記メッセージデータベース102に記憶された複数のメッセージ情報を読み出し、それらのメッセージ情報を選択するためのメッセージ選択ボタン152を例えば新着順(新しく入力されたものほど上位にくるよう)に表示させる。そして、そのメッセージ選択ボタン152に該当する部分への利用者の接触に応じてそのメッセージ選択ボタン152に該当するメッセージ情報を前記メッセージデータベース102から読み出し、図10に示すようなメッセージ150を前記表示制御部74を介して前記表示装置72に表示させる。このようにして、利用者は演奏曲を索引として、その演奏曲を選曲した利用者により入力されたメッセージ情報を閲覧することができる。
【0042】
ここで、前記受付手段128は、好適には、前記メッセージデータベース102に記憶された入力情報に従属して更に従属入力情報を受け付けるものである。すなわち、図11に示すようなメッセージ表示選択画面において所定のメッセージ選択ボタン152が押されて該当するメッセージ情報が表示された際、図7乃至図9のようなメッセージ入力画面を表示させてそのメッセージ情報に対する返信としての従属メッセージ情報(レスポンス)の入力を受け付ける。この従属メッセージ情報としては、文字情報のみ受け付けるものであってもよいし、親となるメッセージ情報と同様に文字情報及び映像情報を含むものであっても構わない。このようにして受け付けられた従属メッセージ情報は、親となるメッセージ情報に従属させられ(関連付けられ)て前記メッセージデータベース102に記憶される。そして、前記表示手段130は、前述した操作に応じて所定のメッセージ情報が選択された際、そのメッセージ情報に従属する従属メッセージ情報を共に表示させたり、それら従属メッセージ情報を表示選択させるための図示しない従属メッセージ選択ボタンを表示させるというように、親となるメッセージ情報に従属させて子となる従属メッセージ情報を前記タッチパネルディスプレイ70に表示させる。
【0043】
図6に戻って、公開手段132は、前記メッセージデータベース124に記憶された入力情報を、所定の端末による閲覧可能に公開する。前記センタ装置20は、マスターコマンダである前記カラオケ装置16a乃至は前記電子早見本装置22と定期的に情報の通信を行うことにより、各電子早見本装置22のメッセージデータベース102に記憶されたメッセージ情報(従属メッセージ情報を含む、以下の説明において同じ)を取得して前記記憶装置120に設けられたメッセージデータベース124に統括的に記憶(蓄積)する。上記公開手段132は、具体的には、そのように前記メッセージデータベース124に統括的に記憶された多数のメッセージ情報を所定のウェブサイト(ホームページ)上に閲覧可能に公開する。このウェブサイトは、パーソナルコンピュータや携帯電話機をはじめとするウェブブラウザを有する端末136により前記通信回線18を介して閲覧できるように形成されたものであり、このようにして、前記演奏曲の選曲に際して前記電子早見本装置22において入力されたメッセージ情報がWWW(World Wide Web)すなわちインターネット上に公開される。ここで、上記公開手段132は、好適には、上記端末136により所定の顧客情報が入力された場合にのみ前記メッセージデータベース124に記憶された入力情報を閲覧可能とする。すなわち、IDによる閲覧制限のある会員制のウェブサイト上に前記メッセージ情報を公開する。
【0044】
受付手段134は、前記メッセージデータベース124に記憶された入力情報に従属して更に従属入力情報を受け付ける。具体的には、前記公開手段132により公開されるウェブサイトにおいて所定のメッセージ入力画面を表示させてそのメッセージ情報に対する返信としての従属メッセージ情報(レスポンス)の入力を受け付ける。この従属メッセージ情報としては、文字情報のみ受け付けるものであってもよいし、親となるメッセージ情報と同様に文字情報及び映像情報を含むものであっても構わない。このようにして受け付けられた従属メッセージ情報は、親となるメッセージ情報と関連付けられて前記メッセージデータベース124に記憶される。そして、前記公開手段132は、このようにして前記メッセージデータベース124に記憶された従属メッセージ情報を、親となるメッセージ情報に従属させて上記ウェブサイト上に公開する。ここで、前記受付手段134は、好適には、所定の顧客情報が入力された場合にのみ前記従属メッセージ情報の入力を受け付ける。すなわち、IDによる従属メッセージ情報の入力制限を設ける。
【0045】
図12は、前記電子早見本装置22のCPU80によるメッセージ受付/表示制御について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0046】
先ず、前記選曲手段126の動作に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、前記タッチパネルディスプレイ70による操作に応じて前記カラオケ装置16に対する選曲入力が行われ、その処理が完了したか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合には、SA8以下の処理が実行されるが、SA1の判断が肯定される場合には、SA2において、前記タッチパネルディスプレイ70により新規メッセージ情報の入力開始操作が行われたか否かが判断される。このSA2の判断が否定される場合には、SA8以下の処理が実行されるが、SA2の判断が肯定される場合には、SA3において、前記タッチパネルディスプレイ70に図7乃至図8に示すようなメッセージ入力画面が表示され、その表示に従った操作に応じて所定の文字情報が受け付けられる。次に、SA4において、前記タッチパネルディスプレイ70により映像入力(お絵描き受付及び写真貼付)開始操作が行われたか否かが判断される。このSA4の判断が否定される場合には、SA6以下の処理が実行されるが、SA4の判断が肯定される場合には、SA5において、前記タッチパネルディスプレイ70に図9に示すようなお絵描き受付及び写真貼付画面が表示され、その表示に従った操作に応じて所定の映像情報が更に受け付けられる。次に、SA6において、メッセージ情報の入力完了であるか否かが判断される。このSA6の判断が否定される場合には、SA3以下の処理が再び実行されるが、SA6の判断が肯定される場合には、SA7において、SA3及びSA5にて入力されたメッセージ情報が、SA1にて選曲された演奏曲と関連付けられて前記メッセージデータベース102に記憶された後、本ルーチンが終了させられる。
【0047】
SA8の処理では、前記タッチパネルディスプレイ70により所定のメッセージ情報に従属する従属メッセージ情報の入力開始操作が行われたか否かが判断される。このSA8の判断が否定される場合には、SA14以下の処理が実行されるが、SA8の判断が肯定される場合には、SA9において、前記タッチパネルディスプレイ70に所定の従属メッセージ入力画面が表示され、その表示に従った操作に応じて所定の文字情報が受け付けられる。次に、SA10において、前記タッチパネルディスプレイ70により映像情報の入力開始操作が行われたか否かが判断される。このSA10の判断が否定される場合には、SA12以下の処理が実行されるが、SA10の判断が肯定される場合には、SA11において、前記タッチパネルディスプレイ70に所定の映像情報入力画面が表示され、その表示に従った操作に応じて所定の映像情報が更に受け付けられる。次に、SA12において、従属メッセージ情報の入力完了であるか否かが判断される。このSA12の判断が否定される場合には、SA9以下の処理が再び実行されるが、SA12の判断が肯定される場合には、SA13において、SA9及びSA11にて入力されたメッセージ情報が、親となるメッセージ情報に従属させられて前記メッセージデータベース102に記憶された後、本ルーチンが終了させられる。
【0048】
SA14の処理では、前記タッチパネルディスプレイ70により所定のメッセージ表示操作が行われたか否かが判断される。このSA14の判断が否定される場合には、SA16以下の処理が実行されるが、SA14の判断が肯定される場合には、前記表示手段130の動作に対応するSA15において、前記タッチパネルディスプレイ70による前記演奏曲を索引とした操作に応じて前記メッセージデータベース102に記憶されたメッセージ情報が読み出され、図10に示すようなメッセージ150がそのタッチパネルディスプレイ70に表示される。次に、SA16において、前記センタ装置20との情報の送受信タイミングであるか否かが判断される。このSA16の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SA16の判断が肯定される場合には、SA17において、前記メッセージデータベース102に記憶されたメッセージ情報が前記センタ装置20にアップロードされる等の情報の送受信処理が行われた後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SA3、SA5、SA9、及びSA11が前記受付手段128の動作に対応する。
【0049】
図13は、前記センタ装置20のCPU104によるメッセージ受付/公開制御について説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。なお、この制御では、顧客情報の入力により従属メッセージ情報の書き込みを制限する態様を例示している。
【0050】
先ず、SB1において、所定の端末136により顧客情報の入力が行われたか否かが判断される。このSB1の判断が否定される場合には、SB9以下の処理が実行されるが、SB1の判断が肯定される場合には、SB2において、前記端末136により所定の従属メッセージ入力開始操作が行われたか否かが判断される。このSB2の判断が否定される場合には、SB9以下の処理が実行されるが、SB2の判断が肯定される場合には、SB3において、前記端末136による操作に応じて所定の文字情報が受け付けられる。次に、SB4において、前記端末136により映像情報入力開始操作が行われたか否かが判断される。このSB4の判断が否定される場合には、SB6以下の処理が実行されるが、SB4の判断が肯定される場合には、SB5において、前記端末136による操作に応じて所定の映像情報が更に受け付けられる。次に、SB6において、従属メッセージ情報の入力完了であるか否かが判断される。このSB6の判断が否定される場合には、SB3以下の処理が再び実行されるが、SB6の判断が肯定される場合には、SB7において、SB3及びSB5にて入力されたメッセージ情報が、親となるメッセージ情報に従属させられて前記メッセージデータベース124に記憶される。そして、SB8において、SB7にて記憶された従属メッセージ情報がウェブサイトに反映された後、本ルーチンが終了させられる。
【0051】
SB9の処理では、前記電子早見本装置22(カラオケ装置16)との情報の送受信タイミングであるか否かが判断される。このSB9の判断が否定される場合には、それをもって本ルーチンが終了させられるが、SB9の判断が肯定される場合には、SB10において、前記電子早見本装置22のメッセージデータベース102に記憶されたメッセージ情報を取得する等の情報の送受信処理が行われる。次に、SB11において、SB10にて取得されたメッセージ情報が前記メッセージデータベース124に記憶される。そして、SB12において、SB11にて記憶されたメッセージ情報がウェブサイトに反映された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SB8及びSB12が前記公開手段132の動作に、SB3及びSB5が前記受付手段134の動作にそれぞれ対応する。
【0052】
このように、本実施例によれば、前記タッチパネルディスプレイ70による操作に応じて前記カラオケ装置16への選曲入力を行う選曲手段126(SA1)と、その選曲手段126により所定の選曲入力が行われた場合には、前記タッチパネルディスプレイ70による操作に応じて所定の入力情報を、選曲された演奏曲と関連付けて受け付ける受付手段128(SA3、SA5、SA9、及びSA11)と、その受付手段128により受け付けられた入力情報を前記演奏曲と関連付けて記憶する記憶部86とを、有することから、電子早見本装置22による演奏曲の選曲に際して、その選曲された演奏曲にまつわるメッセージ等の情報を受け付けて記憶することで、不特定多数の利用者を対象としたコミュニケーションの場を成立させられる。すなわち、演奏曲を媒介とした利用者相互間のコミュニケーションを実現する電子早見本装置22を提供することができる。
【0053】
また、前記入力情報は、前記タッチパネルディスプレイ70による操作に応じて入力される文字情報であるため、前記電子早見本装置22により選曲された演奏曲にまつわるメッセージを受け付けて記憶することで、好適なコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0054】
また、前記入力情報は、前記タッチパネルディスプレイ22による操作に応じて入力される映像情報であるため、前記電子早見本装置22により選曲された演奏曲にまつわるフリータッチ絵等を受け付けて記憶することで、好適なコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0055】
また、前記入力情報は、前記タッチパネルディスプレイ70による操作に応じて他の端末から取り込まれる映像情報であるため、前記電子早見本装置22により選曲された演奏曲に関連して、その演奏曲を選曲した利用者の映像をデジタルカメラ付携帯電話機等の端末から取り込んで記憶することで、好適なコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0056】
また、前記受付手段128は、前記記憶部86に記憶された入力情報に従属して更に従属入力情報を受け付けるものであり、前記記憶部86は、その受付手段128により受け付けられた従属入力情報を、前記入力情報に従属させて記憶するものであるため、前記電子早見本装置22により選曲された演奏曲に関連して入力されたメッセージ等の情報に、所謂レスポンスとして従属入力情報を付加することができ、発展性のあるコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0057】
また、前記記憶部86に記憶された入力情報を、前記タッチパネルディスプレイ70による前記演奏曲を索引とした操作に応じてそのタッチパネルディスプレイ70に表示させる表示手段130(SA15)を有するものであるため、前記記憶部86に蓄積された入力情報を適宜利用者の閲覧に供することができるという利点がある。
【0058】
また、前記センタ装置20は、前記電子早見本装置22の記憶部86に記憶された入力情報を取得して統括的に記憶する記憶装置120を有することから、前記電子早見本装置22により選曲された演奏曲に関連して入力されたメッセージ等の情報を統括管理することで、不特定多数の利用者を対象としたコミュニケーションの場を成立させられる。すなわち、演奏曲を媒介とした利用者相互間のコミュニケーションを実現するカラオケシステム10を提供することができる。
【0059】
また、前記センタ装置20は、前記記憶装置120に記憶された入力情報を、所定の端末136による閲覧可能に公開する公開手段132(SB8及びSB15)を有するものであるため、前記電子早見本装置22により選曲された演奏曲に関連して入力されたメッセージ等の情報をインターネット等を介して公開することで、更に多くの利用者を対象としたコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0060】
また、前記公開手段132は、所定の顧客情報が入力された場合にのみ前記記憶装置120に記憶された入力情報を閲覧可能とするものであるため、顧客情報を有する会員限定のコミュニケーションの場とすることで、乱暴なレスポンスをする利用者を排除してコミュニティの品位を一定の水準に保てるという利点がある。
【0061】
また、前記センタ装置20は、前記記憶装置120に記憶された入力情報に従属して更に従属入力情報を受け付ける受付手段134(SB3及びSB5)を有するものであるため、前記電子早見本装置22により選曲された演奏曲に関連して入力されたメッセージ等の情報に、所謂レスポンスとして従属入力情報を付加することができ、発展性のあるコミュニケーションの場を成立させられるという利点がある。
【0062】
また、前記受付手段134は、所定の顧客情報が入力された場合にのみ前記従属入力情報を受け付けるものであるため、顧客情報を有する会員限定のコミュニケーションの場とすることで、乱暴なレスポンスをする利用者を排除してコミュニティの品位を一定の水準に保てるという利点がある。
【0063】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0064】
例えば、前述の実施例において、前記受付手段128及び134により受け付けられる入力情報(メッセージ情報)は、文字情報及び映像情報を含むものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、文字情報及び映像情報のうち何れか一方のみから成るものであってもよい。また、文字情報及び映像情報に加えて音声情報等、他の付加的な情報を含むものであっても構わない。
【0065】
また、前述の実施例において、前記電子早見本装置22は、前記タッチパネルディスプレイ70による操作に応じて携帯電話機等の他の端末から取り込まれる映像情報を受け付けるものであったが、図14に示す構成のように、前記電子早見本装置22がCCDカメラ154等の撮像装置を備えたものであり、そのCCDカメラ154により撮影された映像情報を入力情報として受け付けるものであっても構わない。
【0066】
また、前述の実施例において、前記入力情報の表示形式は特に説明していないが、所謂掲示板(BBS)形式やブログ(blog)形式等、好適な形式が適宜選択されて適用され得るものであることは言うまでもない。また、前記センタ装置20のメッセージデータベース124に統括的に記憶されたメッセージ情報を前記電子早見本装置22により閲覧可能とする構成も当然に考えられる。更には、従属メッセージ情報の書き込みがあった場合には、その親となるメッセージ情報を入力した利用者に電子メールを自動送信するようにしてもよく、様々な技術が必要に応じて適宜付加され得る。
【0067】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施例であるカラオケシステムを説明する概略図である。
【図2】図1のカラオケシステムに備えられたカラオケ装置の構成を例示するブロック線図である。
【図3】本発明の一実施例である電子早見本装置の外観を大まかに示す斜視図である。
【図4】図3の電子早見本装置の構成を例示するブロック線図である。
【図5】図1のカラオケシステムに備えられたセンタ装置の構成を例示するブロック線図である。
【図6】図4の電子早見本装置のCPU及び図5のセンタ装置のCPUによる制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図7】図4の電子早見本装置によるメッセージ情報の受付に際してタッチパネルディスプレイに表示されるメッセージ入力画面の一例を示す図である。
【図8】図4の電子早見本装置によるメッセージ情報の受付に際してタッチパネルディスプレイに表示される電子メールアドレス及びホームページURL入力画面の一例を示す図である。
【図9】図4の電子早見本装置によるメッセージ情報の受付に際してタッチパネルディスプレイに表示されるお絵描き受付及び写真貼付画面の一例を示す図である。
【図10】図4の電子早見本装置によるメッセージ情報の受付に際してタッチパネルディスプレイに表示されるメッセージ確認画面の一例を示す図である。
【図11】図4の電子早見本装置によるメッセージ情報の表示選択に際してタッチパネルディスプレイに表示されるメッセージ表示選択画面の一例を示す図である。
【図12】図4の電子早見本装置のCPUによるメッセージ受付/表示制御について説明するフローチャートである。
【図13】図5のセンタ装置のCPUによるメッセージ受付/公開制御について説明するフローチャートである。
【図14】本発明の他の実施例であるCCDカメラを備えた電子早見本装置の構成を例示するブロック線図である。
【符号の説明】
【0069】
10:カラオケシステム
16:カラオケ装置
18:通信回線
20:センタ装置
22:電子早見本装置
70:タッチパネルディスプレイ
86:記憶部
120:記憶装置
126:選曲手段
128:受付手段
130:表示手段
132:公開手段
134:受付手段
136:端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の演奏曲のうちから選択される所定の演奏曲を出力させるカラオケ装置を遠隔操作するために、所定の画像を表示させると共に利用者の接触に応じて前記カラオケ装置への入力を行うタッチパネルディスプレイを備えた電子早見本装置であって、
前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて前記カラオケ装置への選曲入力を行う選曲手段と、
該選曲手段により所定の選曲入力が行われた場合には、前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて所定の入力情報を、選曲された演奏曲と関連付けて受け付ける受付手段と、
該受付手段により受け付けられた入力情報を前記演奏曲と関連付けて記憶する記憶部と
を、有することを特徴とする電子早見本装置。
【請求項2】
前記入力情報は、前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて入力される文字情報である請求項1の電子早見本装置。
【請求項3】
前記入力情報は、前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて入力される映像情報である請求項1の電子早見本装置。
【請求項4】
前記入力情報は、前記タッチパネルディスプレイによる操作に応じて他の端末から取り込まれる映像情報である請求項1の電子早見本装置。
【請求項5】
前記受付手段は、前記記憶部に記憶された入力情報に従属して更に従属入力情報を受け付けるものであり、前記記憶部は、該受付手段により受け付けられた従属入力情報を、前記入力情報に従属させて記憶するものである請求項1から4の何れかの電子早見本装置。
【請求項6】
前記記憶部に記憶された入力情報を、前記タッチパネルディスプレイによる前記演奏曲を索引とした操作に応じて該タッチパネルディスプレイに表示させる表示手段を有するものである請求項1から5の何れかの電子早見本装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れかの電子早見本装置と、
所定の通信回線を介して該電子早見本装置と情報の送受信を行い得るセンタ装置と
を、備えたカラオケシステムであって、
前記センタ装置は、前記電子早見本装置の記憶部に記憶された入力情報を取得して統括的に記憶する記憶装置を有するものであるカラオケシステム。
【請求項8】
前記センタ装置は、前記記憶装置に記憶された入力情報を、所定の端末による閲覧可能に公開する公開手段を有するものである請求項7のカラオケシステム。
【請求項9】
前記公開手段は、所定の顧客情報が入力された場合にのみ前記記憶装置に記憶された入力情報を閲覧可能とするものである請求項8のカラオケシステム。
【請求項10】
前記センタ装置は、前記記憶装置に記憶された入力情報に従属して更に従属入力情報を受け付ける受付手段を有するものである請求項7から9の何れかのカラオケシステム。
【請求項11】
前記受付手段は、所定の顧客情報が入力された場合にのみ前記従属入力情報を受け付けるものである請求項10のカラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−251704(P2006−251704A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−71606(P2005−71606)
【出願日】平成17年3月14日(2005.3.14)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】