説明

電子書籍表示装置、電子書籍表示方法、電子書籍表示プログラム

【課題】ユーザがマークの再現動作を実行したとき、マークの表示位置が、マークを付与した時点と同じにすることで、ユーザは、マーク付与前後における電子書籍情報の表示状態との関連性を想起しやすく、且つ、マーク付与後に、フォントを変更した場合であっても、短時間で、且つ適切にマークを表示することのできる電子書籍表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の電子書籍表示装置は、電子書籍情報を表示する表示部11と、上記表示部11に表示された電子書籍情報の本文に付されたマークを再付与するのに必要なマーク情報と、上記マークの付与時点における上記表示部11に表示されている電子書籍情報の表示状態を再現するのに必要な表示状態情報とを対応付けて再現情報として記憶する再現情報格納部17を有し、上記表示部11に、上記再現情報格納部17に記憶された再現情報に基づいて電子書籍情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子書籍情報を表示する電子書籍表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、電子書籍情報を表示する電子書籍表示装置には、表示された電子書籍情報に対して、紙媒体の書籍同様に、ユーザが所望する文字列をマーキングするためのマーカ機能が搭載されている。
【0003】
上記マーカ機能を利用すれば、マーキングが行われた文字列に付与したマークが、後日、同じ電子書籍を読み返す際の目印となり便利である。このようなマーカ機能は、例えば、特許文献1に開示された「電子書籍表示装置」に開示されている。
【0004】
一般的な電子書籍表示装置において、ユーザがマーカ機能を使って電子書籍内にマークを付与する場合、例えば図2(a)に示すように、表示画面101に表示されている電子書籍情報102に対して、ペン103を用いて所望する箇所にマーク104を付与する。
【0005】
付与されたマーク104は、マーク情報として装置内部に記憶される。ここで、マーク情報として、マーク位置情報(マーク開始座標とマーク終了座標)、ライン色、マーク文字列などが記録される。記録された複数のマークは、一覧表示可能なように記録される。例えば図2(b)に示すように、マークリスト105として表示画面101に表示される。
【0006】
ユーザは、マークリスト105から所望するマークをペン103を用いて選択することができる。これにより、マークした箇所を再度表示させることが可能となる。具体的には、ユーザがマークリスト105から所望のマークを選択すると、マークに対応付けられたマーク情報が読み出され、読み出されたマーク情報に基づいて、例えば図2(c)に示すように、電子書籍を開き、表示画面101上の電子書籍情報102の所定の位置にマーク104を表示する。
【0007】
ここで、電子書籍を開いてマークを表示するための方法として、以下の2通りの方法がある。
【0008】
(1)上述したマーク情報を用いて表示する方法。
【0009】
(2)上記マーク情報に加えて、ページ情報を用いて表示する方法。
【0010】
上記(1)の方法では、例えば図10に示すように、表示画面101に表示されたマークリスト105から、(a)〜(c)の工程を経て、表示画面101に電子書籍情報102とマーク104とを表示する。
【0011】
具体的には、表示画面101に表示されているマークリスト105から、ユーザによりあるマークが選択されたとき、選択されたマークのマーク情報を取得し(a)、取得したマーク情報のマーク位置で、表示画面101上に電子書籍情報102を表示する(b)と共に、上記マーク情報を使って上記表示画面101上に電子書籍情報102を表示する(c)。
【0012】
一方、上記(2)の方法では、例えば図10に示すように、表示画面101に表示されたマークリスト105から、(d)〜(g)の工程を経て、表示画面101に電子書籍情報102とマーク104とを表示する。
【0013】
具体的には、表示画面101に表示されているマークリスト105から、ユーザによりあるマークが選択されたとき、ユーザ選択により、マーク情報及びページ情報を取得し(d)、取得したマーク情報からマーク位置を取得すると共に、取得したページ情報から上記マークが付与された位置のページ位置を取得する(e)。その後、取得したページ位置で表示画面101上に電子書籍情報102を表示する(f)と共に、上記マーク情報を使って上記表示画面101上にマーク104を表示する(g)。
【0014】
ところで、上記(2)の方法で用いられるページ情報に含まれる表示位置情報には、以下に示す2種類の情報がある。
(2−1)フォントサイズ等の表示パラメータに応じて動的に画面表示単位で計算される情報。(図11(a)(b))
(2−2)電子書籍情報を所定データサイズで区切った情報。(図11(c))
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2001−236360(2001年8月31日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところが、上記(1)の方法では、マーク情報のみを使用していてマーク表示を行っているので、図12に示すように、マーク104を先頭とした表示しか再現することができない。
【0017】
また、上記(2)の方法において、表示位置情報として上記(2−1)に示す情報を使用した場合、図13に示すように、フォントサイズを変更する都度ページ情報の再計算を行う必要がある。
【0018】
さらに、上記(2)の方法において、表示位置情報として上記(2−2)に示す情報を使用した場合、図14に示すように、区切られた範囲が表示画面101の画面サイズより大きいと、マーク104が表示できない。
【0019】
以上のように、従来の電子書籍表示装置においてマーカ機能を利用して、ユーザがマークの再現動作を実行したとき、マークの表示位置が、マークを付与した時点と異なるために、ユーザは、マーク付与前後における電子書籍情報の表示状態との関連性を想起しにくくなるという問題が生じる。
【0020】
また、マーク付与後にフォントを変更したために、マークを再現する際に、マークを表示するまでの時間がかかったり、マークが表示されなかったりするという問題も生じる。
【0021】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、ユーザがマークの再現動作を実行したとき、マークの表示位置が、マークを付与した時点と同じにすることで、ユーザは、マーク付与前後における電子書籍情報の表示状態との関連性を想起しやすく、且つ、マーク付与後に、フォントを変更した場合であっても、短時間で、且つ適切にマークを表示することのできる電子書籍表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の電子書籍表示装置は、上記の目的を達成するために、電子書籍情報を表示する表示手段と、上記表示手段に表示された電子書籍情報の本文に付されたマークを再付与するのに必要なマーク情報と、上記マークの付与時点における上記表示手段に表示されている電子書籍情報の表示状態を再現するのに必要な表示状態情報とを対応付けて再現情報として記憶する記憶手段を有し、上記表示手段に、上記記憶手段に記憶された再現情報に基づいて電子書籍情報を表示することを特徴としている。
【0023】
本発明の電子書籍表示方法は、上記の目的を達成するために、電子書籍情報を表示する表示手段を有する電子書籍表示装置における電子書籍表示方法であって、記憶手段に、上記表示手段に表示された電子書籍情報の本文に付されたマークを再付与するのに必要なマーク情報と、上記マークの付与時点における上記表示手段に表示されている電子書籍情報の表示状態を再現するのに必要な表示状態情報とを対応付けて再現情報として記憶されており、上記記憶手段に記憶された再現情報を読み出す情報読み出しステップと、上記情報読み出しステップにより読み出された再現情報に含まれている表示状態情報から、マーク付与時の電子書籍情報の表示状態を再現する表示再現ステップと、上記情報読み出しステップにより読み出された再現情報に含まれているマーク情報を用いて、上記表示再現ステップにより再現された電子書籍情報の所定の位置にマークを付与するマーク付与ステップとを含むことを特徴としている。
【0024】
上記構成によれば、記憶手段に、表示手段に表示された電子書籍情報の本文に付されたマークを再付与するのに必要なマーク情報と、上記マークの付与時点における上記表示手段に表示されている電子書籍情報の表示状態を再現するのに必要な表示状態情報とを対応付けて再現情報として記憶されていることで、マークを再現するために、上記記憶手段から再現情報を読み出せば、マーク情報と、当該マーク情報に対応付けられた表示状態情報が読み出される。この読み出された表示状態情報は、マークの付与時点における上記表示手段に表示されている電子書籍情報の表示状態を再現するのに必要な情報であるので、マークを再付与する際に、当該マークが付与された時点における表示手段に表示された電子書籍情報の表示状態を再現することが可能となる。
【0025】
これにより、表示手段に表示された電子書籍情報におけるマーク再付与時の表示状態がマーク付与時と同じ表示状態となるので、ユーザは、マーク付与前後における電子書籍情報の表示状態との関連性を想起しやすくなる。
【0026】
また、記憶手段に記憶する再現情報に含まれる表示状態情報に、フォント情報を含むようにすれば、マーク付与後にフォントが変更された場合であっても、マーク再表示時には、マーク付与時のフォント情報に戻されるため、マークを確実に且つ短時間で再表示行うことが可能となる。
【0027】
上記マーク再現時における表示手段に表示された電子書籍情報の表示状態を再現するための具体的な手段は、以下の通りである。
【0028】
上記記憶手段に記憶された再現情報を読み出す情報読み出し手段と、上記情報読み出し手段により読み出された再現情報に含まれている表示状態情報から、マーク付与時の電子書籍情報の表示状態を再現する表示再現手段と、上記情報読み出し手段により読み出された再現情報に含まれているマーク情報を用いて、上記表示再現手段により再現された電子書籍情報の所定の位置にマークを付与するマーク付与手段とを備えていることが好ましい。
【0029】
上記表示状態情報は、上記表示手段の表示画面の先頭における電子書籍情報のデータ位置情報であることが好ましい。
【0030】
ここで、上記表示手段の表示画面の先頭における電子書籍情報のデータ位置情報とは、表示手段の表示画面の1画面分の表示用データを、表示したときに、最初に表示されるデータの表示位置をいう。
【0031】
このように、表示手段の表示画面の1画面分の表示用データを、表示したときに、最初に表示されるデータの表示位置を記憶しておけば、表示を再現する際に、
上記表示状態情報は、上記表示手段の表示画面における電子書籍情報のデータ位置情報、フォントサイズ情報、電子書籍情報が縦書きであるか横書きであるかを示す縦書/横書設定情報、ユーザによる持ち方を規定した縦持ち/横持ち設定情報であることが好ましい。
【0032】
まず、表示状態情報に、フォントサイズ情報が含まれている場合、フォントサイズもマークの再現に使用されるので、マーク再現時の表示画面のフォントサイズが、マーク付与時のフォントサイズと異なるような場合であっても、マーク再現時にはマーク付与時のフォントサイズに戻して表示画面が再現されるようになるので、マークは必ず再現されることになる。
【0033】
上記表示状態情報に、縦書/横書設定情報が含まれている場合、マーク再現時に、マーク付与時に設定された縦書設定か横書設定の何れかの設定に戻すことができる。表示状態情報に、例えばマーク付与時に電子書籍情報の表示状態が縦書きであることを示す縦書設定情報が含まれていれば、マーク再現時に、電子書籍情報の表示状態が横書きに設定されていても、当該表示状態を縦書き設定に変更する。このように、マーク再現時に、マーク付与時の表示状態を再現するようにすれば、ユーザはマーク前後の表示との関連性を想起しやすくなる。
【0034】
また、上記表示状態情報に、縦持ち/横持ちの設定情報が含まれている場合、マーク再現時に、マーク付与時に設定された、電子書籍情報の縦持ちあるはい横持ちの状態も再現される。このように、マーク再現時に、マーク付与時の表示状態を再現するようにすれば、ユーザはマーク前後の表示との関連性を想起しやすくなる。
【0035】
さらに、上記マーク付与手段により、再現された電子書籍情報の所定の位置にマークが付与されたとき、当該マークが上記表示手段に表示されているか否かを判断する表示判断手段と、上記表示判断手段により、当該マークが上記表示手段に表示されていないと判断されたとき、上記マーク情報を用いて表示状態を更新するマーク情報表示更新手段とを含むことが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、マーク再現時に、表示手段の表示画面にマークが表示されているか否かを判断した後、マークが表示されていないときに、マーク情報のみを用いてマークの再現を行うようになるので、マーク再現時に、表示手段に所望のマークが表示されないという事態を回避することができる。
【0037】
また、上記のマーク再現処理は、コンピュータに実行させるようにしてもよい。
【0038】
すなわち、本発明の電子書籍表示プログラムは、上記の目的を達成するために、電子書籍情報を表示する表示手段を有する電子書籍表示装置における電子書籍表示プログラムであって、記憶手段に、上記表示手段に表示された電子書籍情報の本文に付されたマークを再付与するのに必要なマーク情報と、上記マークの付与時点における上記表示手段に表示されている電子書籍情報の表示状態を再現するのに必要な表示状態情報とを対応付けて再現情報として記憶されており、コンピュータに、上記記憶手段に記憶された再現情報を読み出す情報読み出し手順と、上記情報読み出し手順により読み出された再現情報に含まれている表示状態情報から、マーク付与時の電子書籍情報の表示状態を再現する表示再現手順と、上記情報読み出し手順により読み出された再現情報に含まれているマーク情報を用いて、上記表示再現手順により再現された電子書籍情報の所定の位置にマークを付与するマーク付与手順とを実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0039】
本発明の電子書籍表示装置は、電子書籍情報を表示する表示手段を有する電子書籍端末であって、上記表示手段に表示された電子書籍情報の本文に付されたマークを再付与するのに必要なマーク情報と、上記マークの付与時点における上記表示手段に表示されている電子書籍情報の表示状態を再現するのに必要な表示状態情報とを対応付けて再現情報として記憶する記憶手段を有し、上記表示手段に、上記記憶手段に記憶された再現情報に基づいて電子書籍情報を表示することで、表示手段に表示された電子書籍情報におけるマーク再付与時の表示状態がマーク付与時と同じ表示状態となるので、ユーザは、マーク付与前後における電子書籍情報の表示状態との関連性を想起しやすくなり、ユーザの利便性を向上させるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の電子書籍表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】(a)〜(c)は、電子書籍表示装置において、ユーザによるマーク付与からマーク登録、そして、マーク再現までの簡略化した工程を示す図である。
【図3】電子書籍表示装置に表示した場合の画面イメージを示す図である。
【図4】電子書籍情報のコンテンツ全体を模式的に示した図である。
【図5】再現情報を具体的に説明した図である。
【図6】マーク再現処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】(a)は、コンテンツ全体を示す図であり、同図(b)は、マーク再現時の画面イメージを示す図である。
【図8】マーク再現処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】(a)は、フォント変化によりマークが表示されない状態を示す画面イメージを示し、同図(b)は、フォント変化によりマークが表示されないときに、マークを表示画面の先頭に持ってきたときの画面イメージを示す図である。
【図10】従来の電子書籍表示装置におけるマーク再表示の処理の流れを示す図である。
【図11】(a)〜(c)は、図10に示すページ情報に含まれる表示位置情報を説明するための図である。
【図12】従来の課題を説明するための図である。
【図13】従来の課題を説明するための図である。
【図14】従来の課題を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。
<電子書籍表示装置全体の概略説明>
図1は、本実施の形態に係る電子書籍表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【0042】
上記電子書籍表示装置は、図1に示すように、表示部11(表示手段)、第1情報処理部12、第2情報処理部13、マーク付与部14(マーク付与手段)、マーク選択部15、書籍データ格納部16、再現情報格納部17(記憶手段)、マーク一覧表格納部18、ページ指定部19、マーク一覧表表示指示部20を含んでいる。
【0043】
上記表示部11は、液晶表示パネル等からなる表示パネル11aと、当該表示パネル11aの表示画面全面を覆うように設けられた、タッチセンサを有するタッチパネル11bとからなる。このように、表示パネル11aの表示画面全面にタッチパネル11bを設けることで、ユーザがペンまたは指などによりタッチパネル11bをタッチすることにより生じるセンサ出力から、表示パネル11aのどの部分がタッチされたかを認識することが可能となる。この機能を利用して、表示パネル11aに表示される電子書籍情報の所望の箇所にマーキングを行うマーカ機能を実現している。
【0044】
上記マーカ機能を実現するには、上述のようにタッチパネル11bをタッチしてマーキングする以外に、電子書籍表示装置に接続される外部入力装置、例えばマウス、キーボード、タブレット等を用いて、所望する箇所にマーキングするようにしてもよい。
【0045】
上記第1情報処理部12は、上記表示部11に表示させるための表示用データを生成するための処理を行うところであり、表示データ合成部121(表示再現手段、表示判断手段、マーク情報表示更新手段)、書籍データ取得部122、再現情報取得部123(情報読み出し手段)、マーク一覧表取得部124を含んだ構成となっている。これら各部の詳細は後述する。
【0046】
上記第2情報処理部13は、上記第1情報処理部12において使用する各種情報を取得作成するための処理を行うところであり、マーク情報取得部131、表示状態情報取得部132、マーク一覧表作成部133を含んだ構成となっている。これら各部の詳細は後述する。
【0047】
上記マーク付与部14は、表示部11の表示画面に表示された電子機書籍情報に対して、ユーザがペン(図示せず)により付与したマークの位置情報を、上記表示部11を構成するタッチパネル11b内のタッチセンサからの検出信号から求めて、上記第1情報処理部12内の表示データ合成部121及び第2情報処理部13内のマーク情報取得部131及び表示状態情報取得部132に出力する。
【0048】
上記マーク選択部15は、表示部11の表示画面に表示されたマーク一覧表(マークリスト)から、ユーザがペンによりタッチした位置をタッチパネル11b内のタッチセンサからの検出信号から求めて、タッチした位置に表示されているマークをマーク一覧表格納部18に格納されているマーク一覧表から特定し、特定したマークをマーク選択情報として上記第1情報処理部12内の再現情報取得部123に出力する。
【0049】
上記書籍データ格納部16は、電子書籍情報を格納している。
【0050】
上記再現情報格納部17は、マーク付与時のマーク情報と表示状態情報とを対応付けてマーク再現情報(再現情報)として格納している。
【0051】
上記マーク一覧表格納部18は、付与された複数のマークを一覧表にして格納している。
【0052】
上記ページ指定部19は、電子書籍情報のページを指定するためのページ指定情報を書籍データ取得部122に出力する。ここで、ページとは、電子書籍毎に設定された所定量の電子書籍データをいう。
【0053】
上記マーク一覧表表示指示部20は、マーク一覧表格納部18に格納されているマーク一覧表の表示を指示するための表示指示情報をマーク一覧表取得部124に出力する。
【0054】
<第1情報処理部12の詳細>
ここで、上記第1情報処理部12の各部の詳細について説明する。
【0055】
上記表示データ合成部121は、内部画像バッファを有しており、この内部画像バッファにおいて、マーク付与時、書籍データ取得部122によって取得された書籍データに対して、上述したマーク付与部14から送られたマークの位置情報から、マークを書籍データに合成して表示部11の表示パネル11aに出力する。これにより、表示パネル11aには、マーク付与された状態の電子書籍情報が表示されることになる。なお、上記のマーク付与された状態の電子書籍情報については、第2情報処理部13のマーク情報取得部131及び表示状態情報取得部132にも出力される。
【0056】
また、上記表示データ合成部121は、マーク再現時、すなわち、一度、マーク付与した後、再度、マーク付与した箇所を表示する際、再現情報取得部123が取得したマーク再現情報に基づいて書籍データ取得部122が取得された書籍データにマークを、内部画像バッファにて合成して表示パネル11aに出力する。これにより、表示パネル11aには、マーク付与された状態の電子書籍情報が再現されることになる。
【0057】
ここで、上記表示データ合成部121内部の内部画像バッファは、表示部11の表示パネル11aの表示画面の1画面分の表示用データを一時的に格納するようになっている。
【0058】
上記書籍データ取得部122は、書籍データ格納部16に格納されている電子書籍情報(書籍データ)をページ単位に取得し、後段の表示データ合成部121に出力するようになっている。
【0059】
また、書籍データ取得部122は、再現情報取得部123からのマーク再現情報から、必要なページの電子書籍データを書籍データ格納部16から取得し、後段の表示データ合成部121に出力するようになっている。
【0060】
上記再現情報取得部123は、上記マーク選択部15からのマーク選択情報に基づいて、上記再現情報格納部17に格納されたマーク再現情報を取得し、取得したマーク再現情報を上記表示データ合成部121及び書籍データ取得部122に出力する。このマーク再現情報は、マーク情報と、当該マーク情報に対応付けられた表示状態情報とで構成されている。
【0061】
上記マーク一覧表取得部124は、上記マーク一覧表表示指示部20からの表示指示情報に基づいて、上記マーク一覧表格納部18に格納されているマーク一覧表を取得し、取得したマーク一覧表を上記表示部11の表示パネル11aに出力する。
【0062】
<第2情報処理部13の詳細>
ここで、上記第2情報処理部13の各部の詳細について説明する。
【0063】
上記マーク情報取得部131は、上記マーク付与部14からのマークの位置情報に基づいて、上記表示データ合成部121からの表示部11に表示されるマーク付与された状態の電子書籍情報に含まれるマーク情報、すなわちマークの位置情報(ラインのスタートとエンドの位置情報)、マークの色(ライン色)情報、マークされた文字列等のマーク情報を取得し、取得したマーク情報を再現情報格納部17及びマーク一覧表作成部133に出力する。
【0064】
上記表示状態情報取得部132は、上記マーク付与部14からのマークの位置情報に基づいて、上記表示データ合成部121からの表示部11に表示されるマーク付与された状態の電子書籍情報に含まれる表示状態情報、表示部11の表示画面の表示状態を示す情報を取得し、取得した表示状態情報を再現情報格納部17に出力する。
【0065】
上記マーク情報及び表示状態情報の詳細については後述する。
【0066】
上記マーク一覧表作成部133は、上記マーク情報取得部131からのマーク情報を蓄積して一覧表を作成し、作成した一覧表は、マーク一覧表格納部18に出力する。ここで作成されるマーク一覧は、ユーザがマークした順、すなわち時系列に配列されたものとなる。このような配列に限定されるものではなく、例えばユーザが所望するマークを発見しやすいように、アルファベット順に並べ変えて表示した一覧表であってもよい。
【0067】
<マーク付与からマーク再現までの簡単な説明>
図2(a)〜(c)は、ユーザによるマーク付与からマーク登録、そして、マーク再現までの簡略化した工程を示す図である。
【0068】
上記構成の電子書籍表示装置では、ユーザがマーカ機能を使って書籍内にマークを付与する場合、図2(a)に示すように、表示画面101に表示されている電子書籍情報102に対して、ペン103を用いた所望する箇所にマーク104を付与する。
【0069】
付与されたマーク104は、マーク情報として装置内部に記録される。ここで、マーク情報として、マーク位置情報(マーク開始座標とマーク終了座標)、ライン色、マーク文字列などが記録される。記録された複数のマークは、一覧表示可能なように記録される。
【0070】
一覧表示可能なマークは、図2(b)に示すように、マークリスト105として表示画面101に表示される。ユーザは、マークリスト105から所望するマークをペン103を用いて選択することができる。
【0071】
電子書籍表示装置は、ユーザがマークリスト105からマークを選択すると、マークに対応付けられたマーク情報に基づいて、図2(c)に示すように、電子書籍を開き、表示画面101上の電子書籍情報102の所定の位置にマーク104を表示する。
【0072】
<マーク再現情報の保存>
ここで、上記マーク104を付与した時点の電子書籍情報の表示状態を再現するための情報を保存する方法について以下に説明する。
【0073】
図3は、本電子書籍端末に表示した場合の画面イメージを示す図である。
【0074】
図4は、電子書籍情報のコンテンツ全体を模式的に示した図である。
【0075】
図5は、マーク再現情報を具体的に説明した図である。
【0076】
図3に示す画面イメージでは、「ff」部にマークを付与した例を示している。なお、図3に示した画面イメージは、表示部11の表示画面に表示された状態を示したものであり、電子書籍全体は、図4に示すように、複数のフロー(章)からなる。図3では、フロー3の一部の領域を表示した画面イメージを示している。
【0077】
この図3に示す画面イメージを、表示位置情報Xとマーク情報Yとかなるマーク再現情報として保存する。
【0078】
上記表示位置情報X(しおり情報)は、マークの付与時点における上記表示部11に表示されている電子書籍情報の表示状態を再現するのに必要な表示状態情報であり、図5に示すように、表示領域の先頭位置の(フローID(この場合、フロー3なので、ID=3)と、フロー(フロー3)における位置情報(データ位置情報)とを含む情報である。
【0079】
また、上記マーク情報Yは、表示部11に表示された電子書籍情報の本文に付されたマークを再付与するのに必要な情報であり、図5に示すように、フローデータindex(マークのある文書フローID)、開始位置オフセット(フローにおけるマーク開始位置)、終了位置オフセット(フローにおけるマーク終了位置)、書籍内の位置(コンテンツにおけるマーク開始位置(一覧表示のソート用))、ページ番号(コンテンツにおけるマークの位置(一覧表示の場所表示用))、マーカー文字列(選択したマーカの文字情報)、ラインマーカーの色(マークのライン色)を含む情報である。
【0080】
上記表示位置情報(表示状態情報)Xは、マーク情報Yに対応付けられてマーク再現情報として、図1に示す再現情報格納部17に格納される。
【0081】
<再現方法1>
以下に、再現情報格納部17に格納されたマーク再現情報を用いたマーク再現処理(電子書籍表示方法)について、図1、図6及び図7を参照しながら説明する。
【0082】
図6は、マーク再現処理の流れを示すフローチャートである。
【0083】
図7(a)は、コンテンツ全体を示す図であり、図7(b)は、マーク再現時の画面イメージを示す図である。
【0084】
まず、図6に示すように、マークA選択が実行される(ステップS11)。具体的には、ユーザが、図2(b)に示すマークリスト105から所望のマークであるマークAを選択する。これにより、再現情報取得部123は、マークAに該当するマーク再現情報(表示位置情報、マーク情報)を再現情報格納部17から取得して、表示データ合成部121に転送する(情報読み出しステップ、情報読み出し手順)。
【0085】
次に、表示データ合成部121は、マーク再現情報からマークAの表示位置情報を取得し(ステップS12)、マークAの表示位置情報より、内部画像バッファで表示状態を再現する(ステップS13)。ここで、上記表示位置情報は、表示領域の先頭位置の(フローID(この場合、フロー3なので、ID=3)と、フロー(フロー3)における位置情報とを含む情報である。したがって、表示データ合成部121は、図7(a)に示すように、コンテンツ全体のフロー3のdddからgggまで表示された表示領域を再現する(表示再現ステップ、表示再現手順)。
【0086】
次いで、表示データ合成部121は、マーク再現情報からマークAのマーク情報を取得し(ステップS14)、マークAのマーク情報に基づき、マークAを上記内部画像バッファで再現されている表示に追加する(ステップS15)。ここで、上記マーク情報は、フローデータindex(マークのある文書フローID)、開始位置オフセット(フローにおけるマーク開始位置)、終了位置オフセット(フローにおけるマーク終了位置)、書籍内の位置(コンテンツにおけるマーク開始位置(一覧表示のソート用))、ページ番号(コンテンツにおけるマークの位置(一覧表示の場所表示用))、マーカー文字列(選択したマーカの文字情報)、ラインマーカーの色(マークのライン色)を含む情報である。具体的には、表示データ合成部121は、図7(b)に示すように、内部画像バッファにおいて、表示領域内のggにマークを付与してマーク領域として追加する(マーク付与ステップ、マーク付与手順)。
【0087】
このようにして、表示データ合成部121の内部画像バッファにおいて、マークと当該マークを含む表示からなる1画面分の表示用データが再現される。
【0088】
最後に、表示データ合成部121は、内部画像バッファで再現された1画面分の表示用データを表示部11の表示パネル11aに転送する(ステップS16)。
【0089】
以上のようにして、マーク付与時の表示状態を再現すれば、マーク付与時の表示開始位置からの画面が再現されるので、ユーザはマーク前後の表示との関連性を想起しやすくなる。
【0090】
<再現方法2>
ここで、上記の再現方法1により表示状態を再現する際に、フォントサイズ変更により、表示状態を再現する際に、表示領域に所望とするマークが表示されない場合も想定される。このような場合には、以下に示す、マーク情報に含まれるマークの位置情報をもとに表示する再現方法を採用する。
【0091】
すなわち、上記マーク付与部14により、再現された電子書籍情報の所定の位置にマークが付与されたとき、当該マークが上記表示パネル11aに表示されているか否かを判断して、その判断結果から当該マークが上記表示パネル11aに表示されていないと判断されたとき、上記マーク情報を用いて表示状態を更新するようにする。
【0092】
図8は、マーク再現処理の流れを示すフローチャートである。
【0093】
図9(a)は、フォント変化によりマークが表示されない状態を示す画面イメージを示し、図9(b)は、フォント変化によりマークが表示されないときに、マークを表示画面の先頭に持ってきたときの画面イメージを示す。
【0094】
なお、図8に示すフローチャートにおけるステップS21〜S24,S27,S28は、図6に示すフローチャートのステップS11〜S16と同じである。追加された処理は、ステップS25,S26の処理である。
【0095】
まず、図8に示すように、マークA選択が実行される(ステップS21)。具体的には、ユーザが、図2(b)に示すマークリスト105から所望のマークであるマークAを選択する。これにより、再現情報取得部123は、マークAに該当するマーク再現情報(表示位置情報、マーク情報)を再現情報格納部17から取得して、表示データ合成部121に転送する。
【0096】
次に、表示データ合成部121は、マーク再現情報からマークAの表示位置情報を取得し(ステップS22)、マークAの表示位置情報より、内部画像バッファで表示状態を再現する(ステップS23)。ここで、上記表示位置情報は、表示領域の先頭位置の(フローID(この場合、フロー3なので、ID=3)と、フロー(フロー3)における位置情報とを含む情報である。したがって、表示データ合成部121は、図7(a)に示すように、コンテンツ全体のフロー3のdddからgggまで表示された表示領域を再現する。
【0097】
次いで、表示データ合成部121は、マーク再現情報からマークAのマーク情報を取得する(ステップS24)。
【0098】
続いて、表示データ合成部121は、内部画像バッファにおいて再現されている1画面分の表示用データで示される表示画面(表示部11の表示パネル11aの表示画面)に表示された電子書籍情報に、取得したマークAのマーク情報から、当該マークAが含まれているか否かを判定する(ステップS25)。ここで、表示データ合成部121は、内部画像バッファに表示されている情報から、マークが入っているかを確認する。具体的には、内部画像バッファで再現された1画面分の表示用データにおける先頭位置と終了位置と、マークAの位置情報とから、当該マークAが上記表示用データ(表示画面)に含まれているか否かを判定している。
【0099】
ステップS25において、表示画面にマークAが入っていると判定されれば、ステップS27に移行する。一方、表示画面にマークAが入っていないと判定されれば、ステップS26に移行する。例えば、フォントサイズを大きい設定にした状態で、マークを表示しようとした場合、図9(a)に示すように、表示位置情報を用いると、表示画面内の電子書籍情報にマークAを付与した箇所が表示されない。
【0100】
そこで、ステップS26では、マークAを表示するために、表示データ合成部121は、取得したマーク情報に基づいて、マークの表示位置を補正する。ここでは、マークを表示画面の先頭に持ってくるように補正する。この場合、図9(b)に示す表示状態となる。なお、マークの表示位置は、表示画面の先頭に限定されるものではなく、表示画面に表示される位置であれば特に限定しない。
【0101】
そして、ステップS26によりマークの表示位置を補正した後、ステップS27に移行する。
【0102】
ステップS27では、表示データ合成部121は、取得したマーク情報を上記内部画像バッファで再現されている表示に追加する。ここで、上記マーク情報は、フローデータindex(マークのある文書フローID)、開始位置オフセット(フローにおけるマーク開始位置)、終了位置オフセット(フローにおけるマーク終了位置)、書籍内の位置(コンテンツにおけるマーク開始位置(一覧表示のソート用))、ページ番号(コンテンツにおけるマークの位置(一覧表示の場所表示用))、マーカー文字列(選択したマーカの文字情報)、ラインマーカーの色(マークのライン色)を含む情報である。したがって、表示データ合成部121は、図7(b)に示すように、表示領域内のggにマークを付与してマーク領域として追加する。このようにして、表示データ合成部121の内部画像バッファにおいて、マークと当該マークを含む表示からなる1画面分の表示用データが再現される。
【0103】
最後に、表示データ合成部121は、内部画像バッファで再現された表示用データを表示部11の表示パネル11aに転送する(ステップS28)。
【0104】
以上のようにして、マーク付与時の表示状態を再現すれば、表示設定(フォントサイズ変更等)によってマークが再現しようとする表示画面に表示できない場合に対しても、表示設定を保持しつつ、マークを表示することが可能なる。
【0105】
したがって、マーク表示できないときには、マーク情報のみを利用してマーク再現を行うようになっているので、従来のように、マークを再現するために、フォントサイズ変更のたびにページ情報を再計算する必要はなくなる。
【0106】
<再現方法3>
ここまでの再現方法では、マーク付与時のフォントサイズについては、マーク再現情報として格納されていなかったが、マーク付与時のフォントサイズ情報もマーク再現情報として格納し、マークを再現する際に、フォントサイズも使用するようにしてもよい。
【0107】
この場合、フォントサイズもマークの再現に使用されるので、マーク再現時の表示画面のフォントサイズが、マーク付与時のフォントサイズと異なるような場合であっても、マーク再現時にはマーク付与時のフォントサイズに戻して表示画面が再現されるようになるので、マークは必ず再現されることになる。
【0108】
上記の処理は、図1に示すブロック図により実現できる。例えば、表示状態情報取得部132によって表示状態情報を取得する際に、フォントサイズの情報も取得すればよい。
【0109】
上記表示状態情報には、また、フォントサイズの情報以外にも、電子書籍情報が縦書きであるか横書きであるかを示す縦書/横書設定情報を含むようにしてもよい。この場合、上記表示状態情報に、マーク付与時に電子書籍情報の表示状態が縦書きであることを示す縦書設定の情報が含まれていれば、マーク再現時に、電子書籍情報の表示状態が横書きに設定されていても、当該表示状態を縦書き設定に変更する。このように、マーク再現時に、マーク付与時の表示状態を再現するようにすれば、ユーザはマーク前後の表示との関連性を想起しやすくなる。
【0110】
また、本発明の電子書籍表示装置は、ユーザによる持ち方として、縦持ち、横持ちの設定を行うことができる。つまり、表示部11の表示パネル11aの表示画面において、例えば縦の長さが横の長さよりも長い場合、ユーザから見て、表示画面が縦長状態になる電子書籍表示装置の持ち方を縦持ち、表示画面が横長状態になる電子書籍表示装置の持ち方を横持ちとする。
【0111】
したがって、電子書籍表示装置において、縦持ち、横持ちの設定を行うことが可能な場合に、上記表示状態情報に、さらに、マーク付与時における、ユーザによる持ち方を規定した縦持ち/横持ち設定情報が含まれるようにしてもよい。この場合、上記表示状態情報に含まれている、マーク付与時における縦持ち・横持ちの設定情報に基づいて、マーク再現時に、電子書籍情報の縦持ちあるはい横持ちの状態も再現される。このとき、電子書籍情報の縦持ち・横持ちの設定がマーク付与時で異なれば、再現しようとする持ち方となるようにユーザを促す表示等の案内を行う。このように、マーク再現時に、マーク付与時の表示状態を再現するようにすれば、ユーザはマーク前後の表示との関連性を想起しやすくなる。
【0112】
<プログラムおよび記録媒体>
上記電子書籍表示装置が備える第1情報処理部12及び第2情報処理部13は、ハードウェアロジックによって構成すればよい。又は、次のように、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0113】
すなわち、第1情報処理部12及び第2情報処理部13は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するMPUなどのCPU、このプログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを実行可能な形式に展開するRAM(Random Access Memory)、および、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)を備えている。
【0114】
そして、本発明の目的は、第1情報処理部12及び第2情報処理部13を実現するための電子書籍表示プログラムは、プログラムメモリに固定的に担持されている場合に限らず、上記プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、又は、ソースプログラム)を記録した記録媒体を第1情報処理部12及び第2情報処理部13に供給し、が上記記録媒体に記録されている上記プログラムコードを読み出して実行することによっても、達成可能である。
【0115】
上記記録媒体は、特定の構造又は種類のものに限定されない。すなわちこの記録媒体は、たとえば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などとすることができる。
【0116】
また、第1情報処理部12及び第2情報処理部13を通信ネットワークと接続可能に構成しても、本発明の目的を達成できる。この場合、上記のプログラムコードを、通信ネットワークを介して供給する。この通信ネットワークは第1情報処理部12及び第2情報処理部13にプログラムコードを供給できるものであればよく、特定の種類又は形態に限定されない。たとえばインターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等であればよい。
【0117】
この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な任意の媒体であればよく、特定の構成又は種類のものに限定されない。たとえばIEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0118】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、電子書籍情報のように電子化されたデータに、ユーザがマーキングした箇所を再現するための装置、特に、携帯型の表示装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0120】
11 表示部(表示手段)
11a 表示パネル
11b タッチパネル
12 第1情報処理部
13 第2情報処理部
14 マーク付与部(マーク付与手段)
15 マーク選択部
16 書籍データ格納部
17 再現情報格納部(記憶手段)
18 マーク一覧表格納部
19 ページ指定部
20 マーク一覧表表示指示部
101 表示画面
102 電子書籍情報
103 ペン
104 マーク
105 マークリスト
121 表示データ合成部(表示再現手段、表示判断手段、マーク情報表示更新手段)
122 書籍データ取得部
123 再現情報取得部(情報読み出し手段)
124 マーク一覧表取得部
131 マーク情報取得部
132 表示状態情報取得部
133 マーク一覧表作成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子書籍情報を表示する表示手段と、
上記表示手段に表示された電子書籍情報の本文に付されたマークを再付与するのに必要なマーク情報と、上記マークの付与時点における上記表示手段に表示されている電子書籍情報の表示状態を再現するのに必要な表示状態情報とを対応付けて再現情報として記憶する記憶手段とを有し、
上記表示手段に、上記記憶手段に記憶された再現情報に基づいて電子書籍情報を表示することを特徴とする電子書籍表示装置。
【請求項2】
上記記憶手段に記憶された再現情報を読み出す情報読み出し手段と、
上記情報読み出し手段により読み出された再現情報に含まれている表示状態情報から、マーク付与時の電子書籍情報の表示状態を再現する表示再現手段と、
上記情報読み出し手段により読み出された再現情報に含まれているマーク情報を用いて、上記表示再現手段により再現された電子書籍情報の所定の位置にマークを付与するマーク付与手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電子書籍表示装置。
【請求項3】
上記表示状態情報は、上記表示手段の表示画面の先頭における電子書籍情報のデータ位置情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子書籍表示装置。
【請求項4】
上記表示状態情報は、上記表示手段の表示画面における電子書籍情報のデータ位置情報、フォントサイズ情報、電子書籍情報が縦書きであるか横書きであるかを示す縦書/横書設定情報、ユーザによる持ち方を規定した縦持ち/横持ち設定情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子書籍表示装置。
【請求項5】
上記マーク付与手段により、再現された電子書籍情報の所定の位置にマークが付与されたとき、当該マークが上記表示手段に表示されているか否かを判断する表示判断手段と、
上記表示判断手段により、当該マークが上記表示手段に表示されていないと判断されたとき、上記マーク情報を用いて表示状態を更新するマーク情報表示更新手段とを含むことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の電子書籍表示装置。
【請求項6】
電子書籍情報を表示する表示手段を有する電子書籍端末における電子書籍表示方法であって、
記憶手段に、上記表示手段に表示された電子書籍情報の本文に付されたマークを再付与するのに必要なマーク情報と、上記マークの付与時点における上記表示手段に表示されている電子書籍情報の表示状態を再現するのに必要な表示状態情報とを対応付けて再現情報として記憶されており、
上記記憶手段に記憶された再現情報を読み出す情報読み出しステップと、
上記情報読み出しステップにより読み出された再現情報に含まれている表示状態情報から、マーク付与時の電子書籍情報の表示状態を再現する表示再現ステップと、
上記情報読み出しステップにより読み出された再現情報に含まれているマーク情報を用いて、上記表示再現ステップにより再現された電子書籍情報の所定の位置にマークを付与するマーク付与ステップとを含むことを特徴とする電子書籍表示方法。
【請求項7】
電子書籍情報を表示する表示手段を有する電子書籍端末における電子書籍表示プログラムであって、
記憶手段に、上記表示手段に表示された電子書籍情報の本文に付されたマークを再付与するのに必要なマーク情報と、上記マークの付与時点における上記表示手段に表示されている電子書籍情報の表示状態を再現するのに必要な表示状態情報とを対応付けて再現情報として記憶されており、
コンピュータに、
上記記憶手段に記憶された再現情報を読み出す情報読み出し手順と、
上記情報読み出し手順により読み出された再現情報に含まれている表示状態情報から、マーク付与時の電子書籍情報の表示状態を再現する表示再現手順と、
上記情報読み出し手順により読み出された再現情報に含まれているマーク情報を用いて、上記表示再現手順により再現された電子書籍情報の所定の位置にマークを付与するマーク付与手順とを実行させることを特徴とする電子書籍表示プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の電子書籍表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−69007(P2012−69007A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214511(P2010−214511)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】