説明

電子棚札システム、広告端末、およびプログラム

【課題】POP広告等の広告情報をより容易に提示することが可能な電子棚札システムを得る。
【解決手段】電子棚札システム1は、管理サーバとしてのESLサーバ30と、ESLサーバ30から受信した棚札データに基づく棚札情報を表示する棚札端末70と、ESLサーバ30から受信した広告データ31bに基づく広告情報を表示する広告端末60と、を備えた。よって、紙媒体等のPOPを書き換える場合に比べて、広告データを変更することにより広告情報を更新しやすくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚札システム、広告端末、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の値段等を表示する棚札を電子化した電子棚札システムが知られている。この電子棚札システムでは、ハンディターミナル等で、商品を識別するコードと棚札を識別するコードとが読み取られて、電子棚札システムにて商品と棚札とが関連づけられる。そして、商品のデータが、当該商品に関連付けられた棚札に、無線あるいは有線のネットワークを介して送信され、当該棚札で商品の値段等の情報が表示される(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来、店舗では、販売を促進したい商品のPOP(Point Of Purchase)広告等を表示させることが行われている。
【0004】
しかしながら、商品のPOP広告は紙媒体で行われていたため、更新に手間がかかるという問題があった。特に、タイムセール等の即時性が求められる広告を出したい場合に、対応が難しかった。
【0005】
そこで、本発明は、POP広告等の広告情報をより容易に提示することが可能な電子棚札システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる電子棚札システムにあっては、受信した棚札データに基づく棚札情報を表示する棚札端末と、受信した広告データに基づく広告情報を表示する広告端末と、前記棚札端末に対して前記棚札データを送信するとともに、前記広告端末に対して前記広告データを送信する管理サーバと、を備えたことを特徴の一つとする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電子棚札システムを利用してPOP広告等の広告情報をより容易に提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかる電子棚札システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、商品データの一例を示す図である。
【図3】図3は、ESLサーバから広告端末に向けて送信されるデータの一例を示す図である。
【図4】図4は、商品データベース、POSサーバ、およびESLサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、アクセスポイントおよび中継機の概略構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、棚札端末の概略構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、広告端末の概略構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、ESLサーバのCPUの概略構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、広告端末のCPUの概略構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、ESLサーバが広告データを送信する手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】図11は、広告端末が広告情報を表示する手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】図12は、広告端末が広告情報を表示する手順の別の一例を示すフローチャートである。
【図13】図13は、広告端末に表示された情報の例を示す図であり、(a)は棚札情報、(b)は広告情報、(c)は別の広告情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1に示すように、本発明の一実施形態にかかる電子棚札システム1は、商品DB(データベース)10や、POS(Point Of Sales)サーバ20、ESL(Electronic Shelf label:電子棚札)サーバ30、ハンディターミナル40、アクセスポイント50、中継機51、広告端末60、棚札端末70等を備えている。本実施形態では、ESLサーバ30が管理サーバに相当する。
【0011】
この電子棚札システム1では、商品DB10や、POSサーバ20、ESLサーバ30、アクセスポイント50、中継機51等が、有線ネットワーク2を介して接続されている。また、ハンディターミナル40等が、無線伝送路3を介してアクセスポイント50に接続され、広告端末60、棚札端末70等が、無線伝送路3を介して中継機51に接続されている。本実施形態では、有線ネットワーク2や無線伝送路3等が、電気通信回線に相当する。
【0012】
商品DB10は、店舗が扱う商品に関する各種の情報を記憶しかつ管理するデータベース装置である。商品DB10には、図2に示すように、商品コードに対応づけて、商品名、商品の単価、商品の売価、商品分類コード等の情報を示す商品データ10aが格納されている。
【0013】
POSサーバ20は、POSシステムの中枢を担うコンピュータであり、図示しない有線あるいは無線の通信回線を介して図示しないPOS端末と接続されている。POS端末は、顧客が買上げた商品の販売データを登録処理を実行するとともに、現金、クレジットカード、プリペイドカード、電子マネー、デビットカード等の種々の支払い方法に応じて決済処理を実行する。
【0014】
ESLサーバ30は、ESLシステムを管理する情報処理装置を構成し、広告端末60や棚札端末70の動作を制御する。具体的には、ESLサーバ30は、棚札端末70には、対応する商品の棚札情報を表示させるとともに、広告端末60には、対応する広告情報を表示させる。
【0015】
広告端末60に表示させる広告情報は、予めESLサーバ30や図示しないパーソナルコンピュータ等で予め準備(作成)される。ESLサーバ30の記憶部106(図4参照)等には、広告端末60の端末コード(例えばIPアドレス等)と、広告データとが、対応づけて格納される。ESLサーバ30は、これらのデータを記憶部から取得し、図3に示すようなデータ31を、広告端末60に向けて送信する。データ31は、端末コード31a、広告データ(1)31b、広告データ(1)31bに対応するタイミングデータ(1)31c、広告データ(2)31b、広告データ(2)31bに対応するタイミングデータ(2)31c等を含んでいる。タイミングデータ31cは、広告データ31bを広告端末60で表示するタイミングを示すデータであり、例えば、表示時刻(例えば12時、15時、17時等)や、表示間隔(例えば、3時間毎、2時間毎等)等とすることができる。
【0016】
商品DB10や、POSサーバ20、ESLサーバ30等は、コンピュータとして構成することができる。図4に示すように、本実施形態では、商品DB10、POSサーバ20、およびESLサーバ30として動作するコンピュータは、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)101や、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、表示部104、入力部105、記憶部106、媒体読取部107、通信インタフェース108等を備えており、これら各構成要素同士がバス109で相互に接続されている。このうち、ROM102は、BIOS等を記憶した読み出し専用メモリである。RAM103は、各種データを書き換え可能に記憶する。表示部104は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等として構成され、処理経過や結果等を表示する。入力部105は、例えばキーボードやマウス等のポインティングデバイスとして構成され、操作者の操作に応じた入力データをCPU101に送る。記憶部106は、例えばハードディスク(HDD,Hard Disk Drive)等として構成され、各種データやプログラム等を記憶する。媒体読取部107は、例えばCD−ROMドライブ等として構成され、記憶媒体Mとの間でデータのやりとりを行う。通信インタフェース108は、各通信回線を介して外部の他の機器との間の通信を司る。
【0017】
各コンピュータでは、オペレータが電源を投入すると、CPU101がROM102内のローダ(プログラム)を起動させ、さらに、記憶部106よりOS(Operating System、コンピュータのハードウェアとソフトウェアとを管理するプログラム)をRAM103に読み込んで、当該OSを起動する。OSは、オペレータの操作に応じてアプリケーションプログラム等を起動したり、情報を読み込んだり、保存を行ったりする。なお、アプリケーションプログラムは、OS上で動作するものに限らず、後述の各種処理の一部の実行をOSに肩代わりさせるものであってもよいし、所定のアプリケーションソフトやOSなどを構成する一群のプログラムファイルの一部として含まれているものであってもよい。
【0018】
そして、本実施形態では、記憶部106等に記憶されているアプリケーションプログラムの違いによって、各コンピュータが、商品DB10、POSサーバ20、およびESLサーバ30として、機能している。
【0019】
また、一般的に、コンピュータの記憶部106にインストールされるアプリケーションプログラムは、CD−ROMやDVD等の各種の光ディスク、各種光磁気ディスク、フレキシブルディスク等の各種磁気ディスク、半導体メモリ等の各種方式のメディア等の記憶媒体Mに記録され、この記憶媒体Mに記録された動作プログラムが記憶部106にインストールされる。このため、CD−ROM等の光情報記録メディアやFD等の磁気メディア等の可搬性を有する記憶媒体Mもアプリケーションプログラムを記憶する記憶媒体となり得る。さらには、アプリケーションプログラムは、例えば通信インタフェース108を介して外部から取り込まれ、記憶部106にインストールされてもよい。
【0020】
ハンディターミナル40は、店舗の店員等により操作される携帯型の情報処理装置であり、棚札端末70の端末コードと、商品の商品コードとを読み取ることができる。ハンディターミナル40によって読み取られた端末コードおよび商品コードは、アクセスポイント50を介してESLサーバ30に送信され、ESLサーバ30の記憶部106に相互に対応付けて記憶される。
【0021】
また、アクセスポイント50および中継機51は、一般的な無線通信装置である。図5に示すように、アクセスポイント50および中継機51としての無線通信装置は、プロトコル変換等の情報処理を行うCPU201、BIOSや、各種プログラム、設定情報等を記憶した不揮発性の記憶部202、各種データを書き換え可能に記憶するRAM203、有線LAN上の他の機器と通信により情報を伝達するための有線インタフェース204、無線の他の機器と通信により情報を伝達するための無線インタフェース205を備えており、これらの各部がバス206に接続されている。アクセスポイント50は、有線ネットワーク2に接続された機器(ESLサーバ30)とハンディターミナル40等とを接続するための無線ネットワーク装置であって、無線LAN(Local Area Network)−有線LANのプロトコル変換を行う。アクセスポイント50と中継機51とは、通信方式が相違している。中継機51には、近距離通信用の無線通信規格(例えばIEEE802.15.4規格等)や、赤外線通信規格等を適用するのが好適である。近距離通信とすることで、棚札端末70や広告端末60の電力消費を少なくでき、電池の交換頻度を減らすことができる上、電池を交換しない構成とした場合には、長寿命化を図れるからである。また、中継機51と通信する各端末には、IPアドレスを割り当てる必要が無いので、棚札端末70や広告端末60の設置数を増大しやすいという利点もある。
【0022】
棚札端末70は、店舗内の商品陳列棚の縁等に設けられ、対応する商品に関する情報(例えば、商品名、値段、重量等)を表示(提示)する。棚札端末70は、図6に示すように、表示部70aや、バッテリ73、通信部74、記憶部75、タイマ部76、制御部77等を備えている。
【0023】
また、広告端末60は、図7に示すように、CPU61、ROM60a、RAM60b、無線インタフェース(I/F)60c、ディスプレイコントローラ60e、入力操作部コントローラ60f、メモリコントローラ60gを備えている。そして、図7に示すように、これらは、アドレスバス、データバス等のバスライン60hを介して接続されている。また、広告端末60は、アンテナ60i、ディスプレイ(例えば、LCD、電子ペーパ等)60j、入力操作部60k、および記憶部としてのNVRAM(Non Volatile RAM)60m等を備えている。なお、中継機51の通信方式が赤外線通信である場合、無線インタフェース60cは、赤外線通信インタフェースとなる。
【0024】
CPU61は、ROM60aに記憶されたコンピュータ読み取り可能な各種プログラムを実行することにより、広告端末60を制御する。ROM60aは、CPU61が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM60bは、CPU61が各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶する。
【0025】
無線インタフェース60cは、アンテナ60iを介して無線接続される他の装置とのデータ通信を制御する。ディスプレイコントローラ60eは、広告情報を表示するディスプレイ60jの動作を制御してCPU61から与えられる表示データに対応した文字等をカラー表示させる。入力操作部コントローラ60fは、例えば、押しボタンやキースイッチ等として構成される入力操作部60kから操作者による操作に対応した信号を取込んでCPU61に通知する。また、ディスプレイ60jをタッチパネル式のディスプレイとして構成し、入力操作部60kとしてタッチパネルセンサを装備してもよい。
【0026】
メモリコントローラ60gは、CPU61からの指示信号に基づいてNVRAM60mに対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する。NVRAM60mは、ESLサーバ30から無線インタフェース60cを介して受け取ったデータ(広告データ31bやそれに対応するタイミングデータ31c)を、記憶する。また、広告端末60が、近接配置されたり電気的に関連付けされたりすることで特定の商品に対応づけられて、棚札端末70としての機能も備えた場合、棚札データ31dも記憶される。棚札データ31dは、広告データ31bを含むデータとは別に、ESLサーバ30から送信される。
【0027】
ここで、図8〜13を参照して、広告端末60での広告情報の表示について説明する。図8に示すように、ESLサーバ30のCPU32(101)は、データ取得部32aおよびデータ送信制御部32bとして機能する。よって、CPU32を動作させるプログラムには、少なくとも、データ取得部32aとして動作させるモジュールと、データ送信制御部32bとして動作させるモジュールとが含まれている。
【0028】
また、図9に示すように、広告端末60のCPU61は、表示制御部61a、リードライト制御部61b、および表示タイミング判別部61cとして機能する。よって、CPU61を動作させるプログラムには、少なくとも、表示制御部61aとして動作させるモジュール、リードライト制御部61bとして動作させるモジュール、および表示タイミング判別部61cとして動作させるモジュールが含まれている。
【0029】
図10に示すように、ESLサーバ30のCPU32は、まずは、広告データ31b、端末コード31a、タイミングデータ31c等を取得し(ステップS10,S11)、それらのデータを所定のタイミングで広告端末60へ送信する(ステップS12)。ESLサーバ30が広告端末60へデータを送信するタイミングは、例えば、開店前(準備期間中)や、営業中等、種々に設定することができる。開店前に送信する場合には、ESLサーバ30は、複数の広告データ31bを、それぞれに対応するタイミングデータ31cとともに送信することができる。あるいは、ESLサーバ30は、広告端末60で広告情報を表示させるタイミングに合わせて、その直前に、広告データ31bを送信することができる。その場合、広告端末60は、広告データ31bを受信すると直ちにその広告データ31bに基づく広告情報を表示する。
【0030】
複数の広告データ31bが、ESLサーバ30から広告端末60に予め送信された場合、図11に示すように、広告端末60のCPU61は、まずはリードライト制御部61bとして動作し、受信した広告データ31bを、記憶部としてのNVRAM60mに格納する。このとき、リードライト制御部61bは、広告データ31bに対応するタイミングデータ31cも格納する(ステップS20)。
【0031】
次に、CPU61は、営業時間内である場合(ステップS21でYes)、表示タイミング判別部61cとして動作し、現在時刻がいずれかのタイミングデータ31cに対応する表示タイミングであるか否かを判別する(ステップS22)。現在時刻が表示タイミングである場合(ステップS22でYes)、CPU61は、表示制御部61aとして動作し、ディスプレイ60jにタイミングデータ31cに対応する広告データ31bに基づく広告情報を表示させる(ステップS23)。なお、営業時間内でなかった場合(ステップS21でNo)、この処理は終了される。また、現在時刻がいずれかのタイミングデータ31cに対応する表示タイミングでなかった場合(ステップS22でNo)、ステップS21の処理に戻る。図11に示す手順により、広告端末60では、ESLサーバ30から受信した広告データ31bに基づく広告情報を、当該広告データ31bに対応するタイミングデータ31cによって指定されたタイミングで、表示することができる。
【0032】
また、広告端末60は、操作者の入力操作に応じて、広告データ31bに基づく広告情報を表示することができる。広告端末60の記憶部としてのNVRAM60mに広告データ31bが複数格納されている場合、広告端末60は、操作者の入力操作に応じて、複数の広告データ31bのそれぞれに基づく複数の広告情報を切り換えて表示することができる。この場合、図12に示すように、広告端末60のCPU61は、表示制御部61aとして動作し、操作者による入力操作部60kの所定の操作を示す信号を入力操作部コントローラ60fから受け取ると(ステップS30でYes)、広告情報を表示することができる(ステップS31)。入力操作部60kで所定の入力操作が行われなかった場合(ステップS30でNo)、広告端末60は広告情報を表示しない。なお、広告情報を表示させるための入力操作部60kの入力操作は、店員が行ってもよいし、客が行ってもよい。
【0033】
また、ESLサーバ30が広告端末60に向けて表示指示信号を送信し、これを受けた広告端末60が、広告情報を表示することができる。この場合、ESLサーバ30は、管轄する全ての広告端末60に向けて表示指示信号を送信し、当該全ての広告端末60が広告情報を表示することができる。その際、ESLサーバ30は、広告情報として表示させる広告データ31bを指定するデータを送信することができる。また、ESLサーバ30は、端末コード31aとともに表示指示信号を送信し、端末コード31aに対応する広告端末60のみが広告情報を表示することができる。
【0034】
広告端末60のディスプレイ60jには、図13(a)〜(c)に示すように、広告情報Iaや棚札情報Ibを表示することができる。ディスプレイ60jの表示画面60nの周縁部(前面)60pには、入力操作部60kとしての押圧ボタンが設けられている。操作者(例えば店員や客等)は、この入力操作部60kを操作することで、表示画面60nに表示される情報を切り替えることができる。ディスプレイ60jは、好適には、棚札端末70と比較して数倍(例えば2〜5倍)程度のより大きな表示画面60nを有しており、例えば、商品の陳列棚の前縁部や、陳列棚上等に設置される。
【0035】
この例では、広告端末60は、図13(a)に示すように、広告情報Iaの表示タイミングではないときや、操作者が入力操作部60kを操作していない状態、ESLサーバ30からの表示指示信号を受け取っていない状態では、棚札情報Ibを表示することができる。また、広告端末60は、図13(b)に示すように、広告情報Iaの表示タイミングであるときや、操作者が入力操作部60kを操作した状態、ESLサーバ30からの表示指示信号を受け取った状態では、広告情報Iaを表示することができる。さらに、図13(c)に示すように、広告端末60は、別の広告情報Iaを表示することもできる。
【0036】
図13の例では、表示制御部61aは、記憶部としてのNVRAM60mから、広告データ31bと棚札データ31dとを取得して、これらの合成画面データを生成して、ディスプレイ60jの表示画面60nに表示させている。さらに、この例では、表示制御部61aの制御により、図13(b)および(c)のように広告情報Iaを表示する場合には、図13(a)のように棚札情報Ibのみを表示する場合に比べて、棚札情報Ibの大きさを小さくしている。こうすることで、広告情報Iaをより目立たせることができる。なお、この例では、広告情報Iaとともに棚札情報Ibを表示しているが、棚札情報Ibと広告情報Iaとを切り替えて表示してもよいし、広告情報Iaのみを表示してもよい。
【0037】
以上、説明したように、本実施形態にかかる電子棚札システム1は、管理サーバとしてのESLサーバ30と、ESLサーバ30から受信した棚札データに基づく棚札情報を表示する棚札端末70と、ESLサーバ30から受信した広告データ31bに基づく広告情報を表示する広告端末60と、を備えた。よって、広告データを変更することにより広告情報を更新しやすくなるという利点がある。また、複数の広告端末60で、一斉に広告情報を表示することが可能となり、広告情報による宣伝効果を高めることができる。また、商品の売り場と離れた広告端末60で、当該商品の広告情報を表示することができる。また、棚札データを送信する電気通信回線を利用して、広告データを表示することができるため、棚札データを送信する電気通信回線と広告データを送信する電気通信回線とを別個に構築する場合に比べて、より簡素なシステムとして得ることができる。また、既に電子棚札システムを導入している店舗等では、広告端末60の追加と、ESLサーバ30のプログラムを更新する程度の改修で済むため、比較的低コストで容易に導入しやすいという利点がある。
【0038】
また、本実施形態では、広告端末60は、ESLサーバ30が送信した表示指示信号に基づいて広告情報を表示することができる。よって、広告端末60での広告情報の表示を、ESLサーバ30から遠隔制御することができる。また、複数の広告端末60での広告情報の表示を一括して制御することができる。
【0039】
また、本実施形態では、広告端末60は、複数の広告データを記憶する記憶部としてのNVRAM60mと、表示部としてのディスプレイ60jに複数の広告データ31bのそれぞれに基づく広告情報を表示させる表示制御部61aと、を有する。よって、広告端末60は、複数の広告情報を容易に切り換えて表示することができる。また、多くの広告情報を一々広告データ31bの通信を行わずにより迅速に切り替えて表示することが可能となる。
【0040】
また、本実施形態では、表示制御部61aは、予め設定された表示タイミングで、表示部としてのディスプレイ60jに複数の広告データ31bのそれぞれに基づく広告情報を表示させることができる。よって、広告端末60は、予め適切に設定された表示タイミングで広告情報を切り換えて表示することができるため、宣伝効果をより一層高めることができる。
【0041】
また、本実施形態では、広告端末60は、入力操作部60kを有し、操作者による入力操作部60kの操作に基づいて広告情報を表示することができる。よって、広告端末60は、操作者のニーズや読む速さに応じて広告情報を表示したり、切り換えたりすることができる。特に、客による入力操作を可能とするため、図13に示すように、入力操作部60kは広告端末60の前面に配置するのが好適である。
【0042】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように、本発明にかかる電子棚札システムは、POP広告を表示するシステムとして有用であり、特に店舗内で用いるシステムとして有用である。
【符号の説明】
【0044】
1 電子棚札システム
2 有線ネットワーク(電気通信回線)
3 無線伝送路(電気通信回線)
30 ESLサーバ(管理サーバ)
60 広告端末
60j ディスプレイ(表示部)
60k 入力操作部
60m NVRAM(記憶部)
61a 表示制御部
70 棚札端末
【先行技術文献】
【特許文献】
【0045】
【特許文献1】特開2008−123046公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した棚札データに基づく棚札情報を表示する棚札端末と、
受信した広告データに基づく広告情報を表示する広告端末と、
前記棚札端末に対して前記棚札データを送信するとともに、前記広告端末に対して前記広告データを送信する管理サーバと、
を備えたことを特徴とする電子棚札システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電子棚札システムで使用される前記広告端末であって、
前記管理サーバから受信した、前記広告情報の表示を指示する表示指示信号に基づいて、前記広告情報を表示することを特徴とする広告端末。
【請求項3】
請求項1に記載の電子棚札システムで使用される前記広告端末であって、
複数の前記広告データを記憶する記憶部と、所定の表示部に複数の前記広告データのそれぞれに基づく前記広告情報を表示させる表示制御部と、を有することを特徴とする広告端末。
【請求項4】
前記表示制御部は、予め設定された表示タイミングで、前記表示部に複数の前記広告データのそれぞれに基づく前記広告情報を表示させることを特徴とする請求項3に記載の広告端末。
【請求項5】
入力操作部を有し、
前記入力操作部の操作に基づいて前記広告情報を表示することを特徴とする請求項2〜4のうちいずれか一つに記載の広告端末。
【請求項6】
コンピュータを、請求項2〜5のうちいずれか一つに記載の前記広告端末の表示部に前記管理サーバから受信した前記広告データに基づく前記広告情報を表示させる表示制御部、として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−186659(P2011−186659A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49715(P2010−49715)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】