説明

電子機器、その制御方法及びプログラム

【課題】複数の表示画面を備える電子機器において、アイコンが表示されている表示画面とは異なる表示画面にコンテンツを表示させようとする場合には、ユーザに煩雑な操作を要求する。そのため、煩雑な操作を必要とせず、直感的な操作によって、操作している画面とは異なる画面にコンテンツを表示させることができる電子機器が、望まれる。
【解決手段】電子機器は、複数の表示部と、複数の表示部のうち、第1の表示部に表示している画像に対する操作を検出する操作検出部と、操作検出部が検出した操作に基づいて、複数の表示部のうち、第1の表示部とは異なる第2の表示部に、画像に関連した表示を行う制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、その制御方法及びプログラムに関する。特に、複数の表示画面を備える電子機器、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、ノートPC、ゲーム機等の電子機器は、複数の表示画面を備える場合がある。複数の表示画面を備えていれば、一方の表示画面においてインターネット上で情報検索を行い、他の表示画面で検索結果を利用して文章等を作成するといった操作を容易に行うことができる。そのため、アプリケーションを起動する際に、アイコン等が表示されていない表示画面にコンテンツを表示させたいという要求が存在する。アイコンが表示されている表示画面にコンテンツを表示させてしまうと、アイコンが隠れてしまい、他のアプリケーションを起動するのが困難になるからである。
【0003】
ここで、特許文献1において、複数の表示画面を備える携帯端末装置であって、2つの画面を縮小して1つの画面に表示し、アイコンを移動させる携帯端末装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2において、一方のタッチパネル上の押圧位置の変化が所定条件を満たす場合に、他方のタッチパネル上の位置を特定し、2つのタッチパネル間で表示物を移動させる技術が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献3において、一方のタッチパネル上の表示物の位置で押圧が開始され、所定の条件を満たしつつ他方のタッチパネル上の押圧が開始された場合には、表示物を移動させる携帯端末装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−070525号公報
【特許文献2】特開2010−238148号公報
【特許文献3】特開2011−095890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
なお、上記先行技術文献の各開示を、本書に引用をもって繰り込むものとする。以下の分析は、本発明の観点からなされたものである。
【0008】
上述のような複数の表示画面を備える電子機器において、操作を行っている表示画面とは異なる表示画面にコンテンツを表示させる方法として以下のようなものが考えられる。
【0009】
アプリケーションに関連付けされたアイコンを選択し(タップし)、コンテンツを現在の表示画面に表示させる。その後、コンテンツを表示しているウィンドウを他の表示画面に移動させる第1の方法が考えられる。若しくは、アイコンを他の画面に移動させた後に、アイコンを選択し、コンテンツを表示させる第2の方法も考えられる。
【0010】
しかし、いずれの方法であっても、ユーザには2段階の操作が要求されている。このように、ユーザが意図する動作を実現するために、何度も操作が必要な電子機器は操作性が優れているとは評価されない。即ち、ユーザに多大な負担がかかり、操作性の悪い電子機器であるとみなされてしまう。
【0011】
また、アイコン(又は、ウィンドウ)を移動させる際に、特許文献1が開示する技術を使用しても、アイコンを移動するたびに2つの表示画面を1つの画面に表示させるため、ユーザが直感的に操作することは困難である。さらに、複数の表示画面が枠などによって隔てられている場合に、特許文献2及び3の技術を使用し、アイコンを他の表示画面に移動させたとしても、操作性は改善しない。特許文献2及び3が開示するいずれの技術も、アイコンの移動中に指を離す必要があるためである。
【0012】
そのため、煩雑な操作を必要とせず、直感的な操作によって、操作している画面とは異なる画面にコンテンツを表示させることができる電子機器、その制御方法及びプログラムが、望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の視点によれば、複数の表示部と、前記複数の表示部のうち、第1の表示部に表示している画像に対する操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部が検出した操作に基づいて、前記複数の表示部のうち、前記第1の表示部とは異なる第2の表示部に、前記画像に関連した表示を行う制御部と、を備える電子機器が提供される。
【0014】
本発明の第2の視点によれば、複数の表示部を備える電子機器の制御方法であって、前記複数の表示部のうち、第1の表示部に表示している画像に対する操作を検出する第1の工程と、前記第1の工程で検出した操作に基づいて、前記複数の表示部のうち、前記第1の表示部とは異なる第2の表示部に、前記画像に関連した表示を行う第2の工程と、を含む電子機器の制御方法が提供される。
【0015】
本発明の第3の視点によれば、複数の表示部を備える電子機器を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、前記複数の表示部のうち、第1の表示部に表示している画像に対する操作を検出する第1の処理と、前記第1の処理で検出した操作に基づいて、前記複数の表示部のうち、前記第1の表示部とは異なる第2の表示部に、前記画像に関連した表示を行う第2の処理と、を実行するプログラムが提供される。なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。記憶媒体は、非トランジェント(non−transient)なものとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の各視点によれば、煩雑な操作を必要とせず、直感的な操作によって、操作している画面とは異なる画面にコンテンツを表示させることができる電子機器、その制御方法及びプログラムが、提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の概要を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る電子機器1の全体構成の一例を示す平面図である。
【図3】電子機器1の内部構成の一例を示す図である。
【図4】液晶パネル10及び11の表示の一例を示す図である。
【図5】電子機器1に対するユーザ操作(アイコンの選択)の一例を示す図である。
【図6】電子機器1に対するユーザ操作(フリング操作)の一例を示す図である。
【図7】電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】液晶パネル10及び11の表示の一例を示す図である。
【図9】液晶パネル10及び11の表示の一例を示す図である。
【図10】液晶パネル10及び11の表示の一例を示す図である。
【図11】液晶パネル10及び11の表示の一例を示す図である。
【図12】液晶パネル10〜13の表示の一例を示す図である。
【図13】液晶パネル10〜12の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
初めに、図1を用いて一実施形態の概要について説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。
【0019】
上述のように、複数の表示画面を備える電子機器において、アイコンが表示されている表示画面とは異なる表示画面にコンテンツを表示させようとする場合には、ユーザに煩雑な操作を要求する。そのため、煩雑な操作を必要とせず、直感的な操作によって、操作している画面とは異なる画面にコンテンツを表示させることができる電子機器が、望まれる。
【0020】
そこで、一例として図1に示す電子機器100を提供する。図1に示す電子機器100は、複数の表示部と、複数の表示部のうち、第1の表示部101に表示している画像に対する操作を検出する操作検出部102と、操作検出部102が検出した操作に基づいて、複数の表示部のうち、第1の表示部101とは異なる第2の表示部103に、画像に関連した表示を行う制御部104と、を備える。
【0021】
ユーザが電子機器100に対して行った操作を操作検出部102が検出する。そして、制御部104が、ユーザは画像を第2の表示部103に表示させる意図で操作を行ったと判断した場合には、画像に関連した表示(アプリケーションによるコンテンツの表示等)を第2の表示部103で行う。ここで、ユーザが画像を第2の表示部103に表示させる意図で行ったと操作には、選択した画像を第2の表示部103に向けて弾くように移動させるフリング操作(フリック操作)が考えられる。その結果、ユーザは、画像を第2の表示部103に向けてフリング操作すれば良く、簡易な操作によって、操作している画面とは異なる画面にコンテンツを表示させることができる。
【0022】
以下に具体的な実施の形態について、図面を参照してさらに詳しく説明する。
【0023】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0024】
図2は、本実施形態に係る電子機器1の全体構成の一例を示す平面図である。
【0025】
電子機器1は、液晶パネル10及び11を備えている。なお、電子機器1はタッチパネルによって操作可能であるが、液晶パネル10及び11と一体化されているため図示していない。さらに、表示部として液晶パネルを用いて以降の説明を行うが、表示部を液晶パネルに限定する趣旨ではない。有機EL(Electro Luminescence)パネル等の表示部であっても良い。
【0026】
さらに、電子機器1が備えるタッチパネルは、平板状のセンサによりユーザの操作を検出するデバイスである。ここで、タッチパネルの方式には、静電容量方式を初めとして各種存在するが、その方式は問わない。例えば、ユーザの指等の物体が近接したことを検出する近接検出型のタッチパネルを用いることも可能である。
【0027】
図3は、電子機器1の内部構成の一例を示す図である。電子機器1は、液晶パネル10及び11と、タッチパネル20と、加速度センサ30と、制御部40と、メモリ50から構成されている。なお、図3には、簡単のため、本実施形態に係る電子機器1に関係するモジュールのみを記載する。液晶パネル10及び11、タッチパネル20は上述のとおりであるので、さらなる説明を省略する。
【0028】
加速度センサ30は、電子機器1に加えられた衝撃や電子機器1の移動を感知し、制御部40にその結果を出力する。
【0029】
制御部40は、加速度センサ30からの出力によって、ユーザによるタップ操作やフリング操作の検出が行える。さらに、加速度センサ30を使用することで、ユーザ操作の方向や速度に関する情報を取得することができる。
【0030】
制御部40は、タッチパネル20の出力も受け付け、ユーザが液晶パネル10又は11に接触した点(X座標、Y座標)を検出する。制御部40は、タッチパネル20や加速度センサ30から得られた情報に基づき、アプリケーションの起動やコンテンツの表示を行う。
【0031】
メモリ50は、制御部40の動作の際に必要となる情報を一時的に記憶する。さらに、メモリ50には、液晶パネル10に表示させる画像データをバッファする液晶パネル10用領域51と、液晶パネル11に表示させる画像データをバッファする液晶パネル11用領域52と、が含まれている。メモリ50に、2つの液晶パネル10及び11に対応した領域を確保することで、それぞれの液晶パネルに独立してコンテンツの表示が可能になる。
【0032】
次に、電子機器1の動作について説明する。
【0033】
図4は、液晶パネル10及び11の表示の一例を示す図である。
【0034】
図4では、液晶パネル10にアプリケーションと関連付けられた4つのアイコンを表示しており、液晶パネル11には、表示はなされていないものとする。ここでは、メールのアプリケーションと関連付けされたアイコンA01をユーザが操作することによって、液晶パネル11にそのコンテンツの内容(メールの本文等)を表示させる場合の動作について説明する。
【0035】
具体的には、ユーザが、アイコンA01の起動を意図した場合には、初めにA01を選択する(図5参照)。さらに、ユーザが、アイコンA01に関連付けられたメールのアプリケーションを起動し、そのコンテンツを液晶パネル11に表示させたいと意図した場合には、図6に示すようなフリング操作を行うものとする。制御部40は、ユーザによる操作が行われた際には、フリング操作の態様(アイコンを移動する速度や移動距離)に応じて、液晶パネル10の表示画面内で、アイコンを移動させる(移動しているかのような表示を行う)。
【0036】
図7は、電子機器1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0037】
ステップS01において、制御部40は、液晶パネル10及び11の配置方向を検出し、検出した結果をメモリ50に記憶する。ここで、液晶パネル10及び11の配置方向を検出する理由は、液晶パネル10及び11の配置方向は、ユーザが電子機器1を操作している状態によって異なるためである。例えば、図4では、液晶パネル11は液晶パネル10のX方向(右方向)に位置している。しかし、ユーザが常に図5に示すような状態で電子機器1を使用するとは限らず、図5に示す液晶パネル10及び11の状態から左に90°回転させて使用する場合も考慮する必要があるためである。
【0038】
ステップS02において、制御部40は、ユーザによるフリング操作が行われたか否かを判断する。制御部40が、ユーザによるフリング操作が行われたと判断した場合には、ステップS03に遷移する。制御部40が、ユーザによるフリング操作が行われていないと判断した場合には、ステップS02の処理を継続する。
【0039】
ステップS03において、制御部40が、アイコンの移動速度が予め定めた閾値以上か否か判断する。制御部40が、アイコンの移動速度が予め定めた閾値以上であると判断した場合には、ステップS04に遷移する。制御部40が、アイコンの移動速度が予め定めた閾値以上ではないと判断した場合には、ステップS07に遷移する。
【0040】
ステップS04において、制御部40が、アイコンの移動が液晶パネル11の方向(アイコンA01を表示していない液晶パネルの方向)を基準にして、一定の範囲内にあるか否かを判断する。制御部40が、アイコンが液晶パネル11の方向に移動していると判断した場合には、ステップS05に遷移する。制御部40が、アイコンが液晶パネル11の方向に移動していないと判断した場合には、ステップS07に遷移する。
【0041】
ステップS05において、制御部40は、アイコンの移動を継続する。即ち、制御部40は、フリング操作の速度が一定値(閾値)以上であって、その移動方向が一定の範囲内である場合には、液晶パネル11に向けたアイコンの移動を継続する。
【0042】
ステップS06において、制御部40は、ユーザがアイコンA01以外のアイコン等をタッチする等の操作をユーザが行ったか否かを判断する。制御部40が、ユーザの操作を検出した場合には、ステップS07に遷移する。制御部40が、ユーザの操作を検出しない場合には、ステップS08に遷移する。
【0043】
ステップS07において、制御部40は、アイコンA01の移動及びコンテンツの表示を中止する。ここで、アイコンの移動速度が予め定めた閾値以上でなければ、そのような操作はユーザによる誤動作、又は、液晶パネル10内でのアイコンの移動とみなせるためである。従って、このような場合は、制御部40はアイコンA01の移動及びコンテンツの表示を中止する。また、アイコンが移動している方向が、予め定めた方向の範囲内にない場合(アイコンの移動が液晶パネル11の方向に向かっていない場合)にも、制御部40は、アイコンA01の移動及びコンテンツの表示を中止する。
【0044】
さらに、ユーザによってフリングされたアイコンA01が予め定めた判定領域に到達する前に、他のアイコン等にタッチする等の操作を行った場合にも、制御部40は、アイコンA01の移動及びコンテンツの表示を中止する。このような場合は、ユーザの意図は、アイコンA01の移動及びコンテンツの表示の中断にあると考えられるからである。なお、判定領域については後述する。
【0045】
ステップS07に遷移した場合には、制御部40は、選択されたアイコンA01を液晶パネル10において表示していた元の場所に戻す。
【0046】
ステップS08において、制御部40は、アイコンA01が予め定めた判定領域に到達したか否かを判断する。
【0047】
図8は、液晶パネル10及び11の表示の一例を示す図である。図8において、液晶パネル10の右端に配置された領域が判定領域60である。制御部40が、アイコンA01が予め定めた判定領域60に到達したと判断した場合には、ステップS09に遷移する。制御部40が、アイコンA01が予め定めた判定領域60に到達していないと判断した場合には、ステップS06に戻り、処理を継続する。
【0048】
ステップS09において、制御部40は、アイコンA01に関連付けられたメールのアプリケーションを起動し、そのコンテンツを液晶パネル11に表示する(図9参照)。
【0049】
ステップS10において、移動されたアイコンを液晶パネル10において表示されていた元の場所に戻す。
【0050】
なお、本実施形態に係る電子機器1においては、加速度センサ30を用いて、制御部40がアイコンの移動速度及び方向の検出を行っているが、これに限定する趣旨ではない。制御部40が、タッチパネル20に対して行う制御を適宜変更することによって、タッチパネル20の検出結果からアイコンの移動速度及び方向を検出すことができる。例えば、制御部40が、タッチパネル20の状態変化を検出するサンプリングを高速に行うことによって、精度良くユーザの操作を検出することができる。
【0051】
さらに、タッチパネル20に代えて、タッチパッドやマウスといったポインティングデバイスを使用するとも可能である。さらにまた、判定領域60の配置は、必ずしも表示画面の端である必要はない。例えば、アイコンレイアウト等のデザインを考慮して、判定領域60は最適な箇所に配置することが好ましい。
【0052】
以上のように、本実施形態に係る電子機器1では、アイコンをフリング操作により移動させ、その移動が一定値以上の速度及び他の液晶パネルに向いているか否かをアプリケーションの起動及びコンテンツの表示を行う契機とする。その結果、ユーザが、他の液晶パネルにコンテンツを表示させようと考えた場合に、煩雑な操作を必要とせず、コンテンツの表示が行える。
【0053】
また、電子機器1は、アイコンが配置されていた元の液晶パネルの一部(例えば、他の画面と接する側の端)に判定領域を設けている。そのため、複数の表示画面の間に枠等が配置され、物理的に離れている場合であっても、フリング操作という簡易な操作で、コンテンツの表示を行うことができる。さらに、ユーザが、アイコンに対して行ったフリング操作の態様(速度や方向)と複数の表示画面の配置方向に基づいて、アプリケーションの起動及びコンテンツの表示を行うか否かを自動判別するので、ユーザの意図する動作を忠実に実現できる。
【0054】
[第2の実施形態]
続いて、第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0055】
本実施形態では、表示画面の配置方向や個数について様々な組み合わせを持つ電子機器に対してもフリング操作によるアプリケーションの起動とコンテンツの表示が簡易に実現できることを説明する。なお、本実施形態における説明では、図2及び図3に相当する説明を省略する。さらに、本実施形態の説明において参照する図面において、図2及び図3と同一構成要素には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0056】
図10は、液晶パネル10及び11の表示の一例を示す図である。
【0057】
図10に示すように、液晶パネル10及び11が上下に配置されている場合であっても、ユーザがアイコンに対して行ったフリング操作によって、アイコンが表示されていない表示画面にコンテンツを表示させることができる。
【0058】
図11は、液晶パネル10及び11の表示の一例を示す図である。
【0059】
図11に示すように、液晶パネル10及び11の表示画面の大きさが、それぞれ異なるものであっても良い。このような場合、制御部40は、アイコンA01が液晶パネル11に向けて移動しているか否の判断を図10に示す配置等と比較して、緩和することが望ましい。アイコンA01が斜めに移動している場合であっても、液晶パネル11に向かっていると判断できるためである。
【0060】
さらに、電子機器が備える液晶パネルは2枚以上であっても良い。
【0061】
図12は、液晶パネル10〜13の表示の一例を示す図である。
【0062】
図12に示すように、4枚の液晶パネルを備える場合であっても、制御部40は、ユーザがアイコンに対して行ったフリング操作によって、アイコンが表示されていない表示画面にコンテンツを表示することができる。アイコンA01が図11の点線で示す矢印の方向に向かって移動している場合に、制御部40は、ユーザは他の表示画面にコンテンツを表示する意図を有していると判断する。
【0063】
図13は、液晶パネル10〜12の表示の一例を示す図である。
【0064】
図13に示すように、液晶パネルを跨がって、コンテンツを他の表示画面に表示させても良い。このような場合、制御部40は、アイコンA01の移動速度又は移動距離の違いや、判定領域をそれぞれの液晶パネル毎に設けることで、ユーザがいずれの液晶パネルにコンテンツを表示させる意図を有しているか判断することになる。
【0065】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0066】
(付記1)複数の表示部と、前記複数の表示部のうち、第1の表示部に表示している画像に対する操作を検出する操作検出部と、前記操作検出部が検出した操作に基づいて、前記複数の表示部のうち、前記第1の表示部とは異なる第2の表示部に、前記画像に関連した表示を行う制御部と、を備える電子機器。
【0067】
(付記2)前記制御部は、前記画像を第1の方向に移動するフリング操作に基づいて、前記第2の表示部に、前記画像に関連した表示を行う電子機器。
【0068】
(付記3)前記制御部は、ユーザが前記フリング操作によって、前記画像を移動させる速度、又は、前記画像を移動させる距離、に応じ、前記画像を前記第1の表示部上で移動させて表示する電子機器。
【0069】
(付記4)前記制御部は、前記第1の方向を、前記第1及び第2の表示部の配置に基づき定める電子機器。
【0070】
(付記5)前記制御部は、前記画像が移動する速度が予め定めた閾値以上の場合、及び、前記第1の方向が予め定めた方向の範囲内である場合に、前記第2の表示部に前記画像に関連した表示を行う電子機器。
【0071】
(付記6)前記制御部は、前記画像が、前記第1の表示部上の予め定めた領域に移動した場合に、前記第2の表示部に前記画像に関連した表示を行う電子機器。
【0072】
(付記7)前記画像は、アプリケーションに関連付けされているアイコンであって、前記制御部は、前記画像に関連した表示として、前記アプリケーションによって作成されるコンテンツを表示する電子機器。
【0073】
(付記8)前記制御部は、前記第2の表示部に前記画像に関連した表示を行った後は、前記画像を移動前の場所に表示する電子機器。
【0074】
(付記9)複数の表示部を備える電子機器の制御方法であって、前記複数の表示部のうち、第1の表示部に表示している画像に対する操作を検出する第1の工程と、前記第1の工程で検出した操作に基づいて、前記複数の表示部のうち、前記第1の表示部とは異なる第2の表示部に、前記画像に関連した表示を行う第2の工程と、を含む電子機器の制御方法。
【0075】
(付記10)前記第1の工程は、前記画像を第1の方向に移動するフリング操作を検出し、前記第2の工程は、ユーザが前記フリング操作によって、前記画像を移動させる速度、又は、前記画像を移動させた距離、に応じ、前記画像を前記第1の表示部上で移動させて表示する電子機器の制御方法。
【0076】
(付記11)前記第2の工程は、前記第1の方向を、前記第1及び第2の表示部の配置に基づき定める工程と、前記画像が移動する速度が予め定めた閾値以上の場合、及び、前記第1の方向が予め定めた方向の範囲内である場合に、前記第2の表示部に前記画像に関連した表示を行う工程と、を含む電子機器の制御方法。
【0077】
(付記12)前記第2の工程は、前記画像が、前記第1の表示部上の予め定めた領域に移動した場合に、前記第2の表示部に前記画像に関連した表示を行う電子機器の制御方法。
【0078】
(付記13)複数の表示部を備える電子機器を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、前記複数の表示部のうち、第1の表示部に表示している画像に対する操作を検出する第1の処理と、前記第1の処理で検出した操作に基づいて、前記複数の表示部のうち、前記第1の表示部とは異なる第2の表示部に、前記画像に関連した表示を行う第2の処理と、を実行するプログラム。
【0079】
(付記14)前記第1の処理は、前記画像を第1の方向に移動するフリング操作を検出し、前記第2の処理は、ユーザが前記フリング操作によって、前記画像を移動させる速度、又は、前記画像を移動させた距離、に応じ、前記画像を前記第1の表示部上で移動させて表示するプログラム。
【0080】
(付記15)前記第2の処理は、前記第1の方向を、前記第1及び第2の表示部の配置に基づき定める処理と、前記画像が移動する速度が予め定めた閾値以上の場合、及び、前記第1の方向が予め定めた方向の範囲内である場合に、前記第2の表示部に前記画像に関連した表示を行う処理と、を実行するプログラム。
【0081】
(付記16)前記第2の処理は、前記画像が、前記第1の表示部上の予め定めた領域に移動した場合に、前記第2の表示部に前記画像に関連した表示を行うプログラム。
【0082】
なお、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし、選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0083】
1、100 電子機器
10〜13 液晶パネル
20 タッチパネル
30 加速度センサ
40、104 制御部
50 メモリ
51 液晶パネル10用領域
52 液晶パネル11用領域
60 判定領域
101 第1の表示部
102 操作検出部
103 第2の表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示部と、
前記複数の表示部のうち、第1の表示部に表示している画像に対する操作を検出する操作検出部と、
前記操作検出部が検出した操作に基づいて、前記複数の表示部のうち、前記第1の表示部とは異なる第2の表示部に、前記画像に関連した表示を行う制御部と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記画像を第1の方向に移動するフリング操作に基づいて、前記第2の表示部に、前記画像に関連した表示を行う請求項1の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、ユーザが前記フリング操作によって、前記画像を移動させる速度、又は、前記画像を移動させる距離、に応じ、前記画像を前記第1の表示部上で移動させて表示する請求項2の電子機器。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の方向を、前記第1及び第2の表示部の配置に基づき定める請求項2又は3の電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記画像が移動する速度が予め定めた閾値以上の場合、及び、前記第1の方向が予め定めた方向の範囲内である場合に、前記第2の表示部に前記画像に関連した表示を行う請求項2乃至4のいずれか一に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御部は、前記画像が、前記第1の表示部上の予め定めた領域に移動した場合に、前記第2の表示部に前記画像に関連した表示を行う請求項2乃至5のいずれか一に記載の電子機器。
【請求項7】
前記画像は、アプリケーションに関連付けされているアイコンであって、前記制御部は、前記画像に関連した表示として、前記アプリケーションによって作成されるコンテンツを表示する請求項1乃至6のいずれか一に記載の電子機器。
【請求項8】
前記制御部は、前記第2の表示部に前記画像に関連した表示を行った後は、前記画像を移動前の場所に表示する請求項2乃至7のいずれか一に記載の電子機器。
【請求項9】
複数の表示部を備える電子機器の制御方法であって、
前記複数の表示部のうち、第1の表示部に表示している画像に対する操作を検出する第1の工程と、
前記第1の工程で検出した操作に基づいて、前記複数の表示部のうち、前記第1の表示部とは異なる第2の表示部に、前記画像に関連した表示を行う第2の工程と、
を含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項10】
複数の表示部を備える電子機器を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記複数の表示部のうち、第1の表示部に表示している画像に対する操作を検出する第1の処理と、
前記第1の処理で検出した操作に基づいて、前記複数の表示部のうち、前記第1の表示部とは異なる第2の表示部に、前記画像に関連した表示を行う第2の処理と、
を実行するプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−114540(P2013−114540A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261536(P2011−261536)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】