説明

電子機器、コンテンツ表示方法、およびコンテンツ表示プログラム

【課題】タッチパネルを介して手書き入力を受け付ける際の操作性を向上させる。
【解決手段】電子機器100は、タッチパネル120と、少なくとも1つの所定の位置が設定されているコンテンツを記憶するためのメモリ130と、タッチパネル120を介して第1のタッチ位置を取得し、第1のタッチ位置と所定の位置とに基づいてタッチパネル120にコンテンツを表示させるためのプロセッサ110とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル上に文字や画像などのコンテンツを表示可能な電子機器、コンテンツ表示方法、およびコンテンツ表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルを介して文字や画像を表示する技術が知られている。また、タッチパネルを介して手書きの文字や画像の入力を受け付けて、当該タッチパネルに入力された手書きの文字や画像を当該タッチパネルに表示する技術も知られている。また、タッチパネルを介して、画面をスクロールするための命令を受け付ける技術も知られている。
【0003】
たとえば、特開2005−301406号公報(特許文献1)には、文字入力装置及び入力枠の表示制御方法が開示されている。特開2005−301406号公報(特許文献1)によると、文字入力装置の文字認識手段は、入力受付手段の検知した入力枠に対する手書き入力に基づき文字認識を行う。入力枠スクロール手段は、入力受付手段の検知した所定の入力枠に対する手書き入力又はスクロール受付手段の検知した左、右スクロールボタンの押下に応じて、表示画面上に表示された入力枠のスクロール処理として、自動スクロール処理、左スクロール処理、右スクロール処理のいずれかを行う。表示処理手段は、文字認識結果及びスクロール処理結果を表示画面に表示する。
【0004】
また、特開2009−237836号公報(特許文献2)には、手書き入力パネルを備えた車載用電子装置が開示されている。特開2009−237836号公報(特許文献2)によると、手書き文字入力のための手書き入力パネルを有する表示部を備え、表示部に文字入力枠を表示し、該文字入力枠内に手書きで入力された文字を識別して特定する手書き入力パネルを備えた車載用電子装置において、車載用電子装置は、表示部に表示される文字入力枠に対して操作者が入力操作する表示画面と操作者による操作の向きのなす角度を検出する角度検出部と、表示部に表示する文字入力枠の表示を切替える入力枠切替部と、を備え、入力枠切替部は、角度検出部の検出結果に応じて、文字入力枠を異なる角度で回転させて表示するように切替える。
【0005】
また、特開平10−301705号公報(特許文献3)には、手書き入力装置が開示されている。特開平10−301705号公報(特許文献3)によると、手書き入力枠内に手書き入力枠の表示位置を変更指示するボタンを設け、この変更指示ボタンをタッチすると手書き入力枠の表示位置変更手段が起動され、指示された位置に手書き入力枠を表示すると同時に、変更後の手書き入力枠表示位置をメモリに記憶する。
【0006】
また、特開平8−185479号公報(特許文献4)には、手書き文字入力装置が開示されている。特開平8−185479号公報(特許文献4)によると、文字入力枠情報生成部は座標入力部からの座標入力位置情報に基づいて文字入力枠情報を生成して第1記憶部に記憶する。文字認識部は、文字切り出し部によって切り出された文字を認識し、認識結果の文字コードデータを第2記憶部に記憶する。表示制御部は、第1記憶部からの文字入力枠情報に基づいて表示パネル上の最初の入力位置から文字入力枠をポップアップ表示する。また、文字入力枠情報生成部は文字認識部からの認識終了情報に基づいて第1記憶部の記憶内容を消去する。こうして、文字入力枠は文字認識が終了すると自動的に消去される。その際に、文字入力枠は枠のみであり升目の中は透明であり、活字文字等が隠れない。
【0007】
また、特開平7−141092号公報(特許文献5)には、手書き入力装置が開示されている。特開平7−141092号公報(特許文献5)によると、入力・表示装置の画面上で、メモコマンドとして“M:2”が手書き入力されると、上記メモコマンドを入力した位置を基準としてメモウィンドウがオープンされる。このとき、メモウィンドウ内には、上記メモコマンドで指定されたメモ番号2のイメージデータが表示される。このメモ番号2のメモ内容を更新するときには、メモウィンドウ内に更新データを手書き入力する。そして、メモ内容の更新作業が済んでメモウィンドウをクローズするときには、枠基準位置ボックス上で所定の手書き操作を行う。これにより、メモウィンドウは消去され、上記メモ番号2のメモデータはメモウィンドウに表示されている最新のイメージデータに更新される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−301406号公報
【特許文献2】特開2009−237836号公報
【特許文献3】特開平10−301705号公報
【特許文献4】特開平8−185479号公報
【特許文献5】特開平7−141092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
タッチパネルを介して手書き入力を受け付ける際の操作性の向上が求められている。たとえば、より簡単で手間のかからないスクロール命令の入力方法が求められている。
【0010】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、タッチパネルを介して手書き入力を受け付ける際の操作性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明のある局面に従うと、タッチパネルと、少なくとも1つの所定の位置が設定されているコンテンツを記憶するためのメモリと、タッチパネルを介して第1のタッチ位置を取得し、第1のタッチ位置と所定の位置とに基づいてタッチパネルにコンテンツを表示させるためのプロセッサとを備える、電子機器が提供される。
【0012】
好ましくは、コンテンツには、複数の所定の位置が設定されている。プロセッサは、複数の所定の位置のうちの第1の所定位置に基づいてコンテンツが表示されている場合に、第1のタッチ位置が入力されなくなってから所定時間が経過すると、第1のタッチ位置と複数の所定の位置のうちの第2の所定位置とに基づいてタッチパネルにコンテンツを表示させる。
【0013】
好ましくは、第1のタッチ位置は、タッチパネルにおけるパームの接触位置である。
好ましくは、プロセッサは、第1のタッチ位置に対する所定の位置が第1の相対位置となるように、タッチパネルにコンテンツを表示させる。
【0014】
好ましくは、プロセッサは、タッチパネルにおけるペンの接触位置を第2のタッチ位置として取得する。
【0015】
好ましくは、第1のタッチ位置に対する第2のタッチ位置の相対位置を第1の相対位置としてメモリに記憶する。
【0016】
好ましくは、第1のタッチ位置は、タッチパネルにおけるペンの接触位置に対応する。
好ましくは、プロセッサは、第1のタッチ位置が所定の位置に一致するように、タッチパネルにコンテンツを表示させる。
【0017】
好ましくは、プロセッサは、タッチパネルにおけるペンの接触位置の時系列データに基づいて、ペンの接触位置を囲う矩形の中心を第1のタッチ位置としてメモリに記憶する。
【0018】
好ましくは、コンテンツには、少なくとも1つの所定位置の各々に対応する手書き入力可能エリアと手書き入力不可能エリアとが設定されている。少なくとも1つの所定の位置は、手書き入力可能エリアに対応する。
【0019】
好ましくは、プロセッサは、第1のタッチ位置に基づいて、対象となる所定の位置に対応する手書き入力エリアと手書き非入力エリアとが全て表示されるようにタッチパネルにコンテンツを表示させる。
【0020】
この発明の別の局面に従うと、少なくとも1つの所定の位置が設定されているコンテンツを記憶するためのメモリとタッチパネルとプロセッサとを備える電子機器におけるコンテンツ表示方法が提供される。コンテンツ表示方法は、プロセッサが、タッチパネルを介して第1のタッチ位置を取得するステップと、プロセッサが、第1のタッチ位置と所定の位置とに基づいてタッチパネルにコンテンツを表示させるステップとを備える。
【0021】
この発明の別の局面に従うと、少なくとも1つの所定の位置が設定されているコンテンツを記憶するためのメモリとタッチパネルとプロセッサとを備える電子機器のためのコンテンツ表示プログラムが提供される。コンテンツ表示プログラムは、タッチパネルを介して第1のタッチ位置を取得するステップと、第1のタッチ位置と所定の位置とに基づいてタッチパネルにコンテンツを表示させるステップとをプロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、この発明によれば、タッチパネルを介して手書き入力を受け付ける際の操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施の形態に係る電子ノート100が手のひらとペン先とを検知することによってコンテンツの表示位置を調整する場合における動作概要を示すイメージ図である。
【図2】本実施の形態に係る電子ノート100のハードウェア構成を表わすブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る電子ノート100の機能構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係るコンテンツ表示処理を示す第1のフローチャートである。
【図5】実施の形態1に係るコンテンツ表示処理を示す第2のフローチャートである。
【図6】実施の形態2に係る電子ノート100における動作概要を示すイメージ図である。
【図7】実施の形態2に係る電子ノート100の機能構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2に係るコンテンツ表示処理を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態3に係る電子ノート100における動作概要を示すイメージ図である。
【図10】実施の形態3に係る電子ノート100の機能構成を示すブロック図である。
【図11】実施の形態3に係るコンテンツ表示処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。以下では、電子ノートを「電子機器」の代表例として説明を行う。ただし、「電子機器」は、パーソナルコンピュータ、携帯型電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などのような、タッチパネルを有する他の情報端末によっても実現可能である。
【0025】
[実施の形態1]
<電子ノート100の動作概要>
まず、本実施の形態に係る電子ノート100が手のひらとペン先とを検知することによってコンテンツの表示位置を調整する場合における動作概要について説明する。図1は、本実施の形態に係る電子ノート100が手のひらとペン先とを検知することによってコンテンツの表示位置を調整する場合における動作概要を示すイメージ図である。
【0026】
より詳細には、図1(a)は、手のひらがタッチパネル120に接触した状態でユーザがスタイラスペン190によって手書き文字を入力している状態を示すイメージ図である。図1(b)は、ユーザがスタイラスペン190をタッチパネル120から持ち上げた状態を示すイメージ図である。図1(c)は、スタイラスペン190がタッチパネル120から離れてから所定時間が経過したときの電子ノート100を示すイメージ図である。
【0027】
図1(a)〜(c)を参照して、電子ノート100のタッチパネル120は、テキストや画像などのコンテンツを表示する。ここでは、コンテンツは、複数の問題と、当該複数の問題のそれぞれに対応する解答エリアYとを含む。コンテンツには、問題毎に、問題エリアXと解答エリアYとが設定されている。解答エリアYは、問題エリアXに含まれていてもよいし、問題エリアXとは別に設けられてもよい。
【0028】
コンテンツは、問題毎に解答エリアYの位置を特定するための情報を格納する。たとえば、コンテンツは、問題毎に解答エリアYの中心位置を示す情報や左上端を示す情報を格納する。あるいは、解答エリアYを示すためのテキストデータや画像データ自体が、解答エリアの位置を示す情報であってもよい。すなわち、電子ノート100は、解答エリアYを示すためのテキストデータや画像データに基づいて、解答エリアYの中心または解答エリアYを好ましいに位置に表示してもよい。
【0029】
なお、本実施の形態に係る電子ノート100は、解答エリアYに対する手書き入力を受け付け、解答エリアYの外側に対する手書き入力を受け付けない。
【0030】
図1(a)を参照して、ユーザの手のひらがタッチパネル120に接触している。電子ノート100は、タッチパネル120におけるユーザの手のひらの接触領域Qを取得する。電子ノート100は、接触領域Qの重心あるいは接触領域を囲う矩形の中心位置を手のひらの接触位置Rとして計算する。ユーザは、問題1を参照して、問題1の解答エリアYに解答を手書き入力する。電子ノート100は、タッチパネル120におけるスタイラスペン190(あるいはユーザの指など)の接触位置Sを逐次取得することによって、手書き入力された文字や画像をタッチパネル120に表示する。
【0031】
図1(b)を参照して、ユーザは、問題1の解答エリアYに解答を記入し終えると、スタイラスペン190をタッチパネル120から持ち上げる。電子ノート100は、スタイラスペン190のペン先を検知しなくなってからの時間を計測する。
【0032】
本実施の形態においては、電子ノート100は、問題1の解答エリアYに入力された手書き文字を囲う矩形の中心位置を示す基準座標データAを計算する。あるいは、電子ノート100は、スタイラスペン190のペン先を検知しなくなる直前の、最新のスタイラスペン190の接触位置Sを基準座標データAとして設定する。あるいは、問題1の解答エリアYの中心位置を基準座標データAとして設定する。
【0033】
電子ノート100は、問題1の解答エリアYに手書き文字が入力されている最中の手のひらの接触位置Rを囲う矩形の中心位置を示す基準座標データBを計算する。あるいは、電子ノート100は、スタイラスペン190のペン先を検知しなくなる直前の、手のひらの接触位置Rを基準座標データBとして設定する。
【0034】
電子ノート100は、基準座標データAと基準座標データBとに基づいて、手のひらの接触位置に対するスタイラスペン190の接触位置の相対位置Tを計算する。電子ノート100は、相対位置Tを基準座標データCとして設定する。
【0035】
図1(c)を参照して、電子ノート100は、タッチパネル120を介してペン先を検知しなくなってから所定の時間が経過すると、現在の手のひらの接触位置Rから基準座標データとして登録されている相対位置Tだけ離れた位置に、問題2の解答エリアYの中心が位置するようにコンテンツを表示しなおす。
【0036】
このように、本実施の形態に係る電子ノート100は、ユーザが問題1の解答エリアYに解答を記入し終えた後で、所定の時間が経過すると、ユーザの手のひらの接触位置Rとスタイラスペン190の接触位置Sとに基づいて、自動的に問題2の解答エリアが現在のスタイラスペン190の下方に位置するようにコンテンツを表示し直す。その結果、ユーザは、手書き入力とは別の細かい操作を行なわなくても、コンテンツを1つの問題分だけスクロールすることができる。すなわち、操作性が向上する。
【0037】
以下、このような機能を実現するための電子ノート100の具体的な構成について詳述する。
【0038】
<電子ノート100のハードウェア構成>
次に、電子ノート100の具体的構成の一態様について説明する。図2は、電子ノート100のハードウェア構成を表わすブロック図である。図2を参照して、電子ノート100は、主たる構成要素として、CPU110と、タッチパネル120と、メモリ130と、メモリインターフェイス140と、通信インターフェイス150とを含む。
【0039】
タッチパネル120は、ディスプレイ121とタブレット122とを含む。タッチパネル120は、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などのいずれのタイプであってもよい。タッチパネル120は、光センサ液晶を含んでもよい。
【0040】
タッチパネル120は、所定時間毎に外部の物体によるタッチパネル120へのタッチ操作を検知して、接触位置(接触座標)をCPU110に入力する。本実施の形態に係るタッチパネル120は、スタイラスペン190の接触位置Sと、手のひらの接触領域Qまたは手のひらの接触位置Rとを検知する。
【0041】
これによって、CPU110は、タッチパネル120から順次スタイラスペン190の接触位置Sや手のひらの接触位置Rを取得することができる。ただし、CPU110は、タッチパネル120からのセンサ信号から作成された画像データに基づいてスタイラスペン190の接触位置Sや手のひらの接触位置Rを計算してもよい。
【0042】
タッチパネル120は、CPU110からの命令(信号)に基づいて、文字や画像を表示する。CPU110は、タッチパネル120に命令(信号)を送ることによって、タッチパネル120に文字や画像を表示させる。
【0043】
メモリ130は、各種のRAM(Random Access Memory)や、ROM(Read-Only Memory)や、ハードディスクなどによって実現される。メモリ130は、CPU110によって実行されるプログラムや、後述するような各種データを記憶する。CPU110は、メモリ130に記憶されているプログラムを実行することによって、電子ノート100の各部を制御する。
【0044】
メモリインターフェイス140は、外部の記憶媒体141からデータを読み出す。換言すれば、CPU110は、メモリインターフェイス140を介して外部の記憶媒体141に格納されているデータを読み出して、当該データをメモリ130に格納する。逆に、CPU110は、メモリ130からデータを読み出して、メモリインターフェイス140を介して当該データを外部の記憶媒体141に格納する。
【0045】
なお、記憶媒体141としては、CD−ROM(Compact Disc - Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、MO(Magnetic Optical Disc)、MD(Mini Disc)、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)などの、不揮発的にプログラムを格納する媒体が挙げられる。
【0046】
通信インターフェイス150は、アンテナやコネクタによって実現される。通信インターフェイス150は、有線通信あるいは無線通信によって他の装置との間でデータをやり取りする。換言すれば、CPU110は、通信インターフェイス150を介して、他の装置からプログラムや画像データやテキストデータなどを受信したり、他の装置に画像データやテキストデータを送信したりする。
【0047】
時計160は、CPU110に現在時刻を送信する。時計160は、CPU110からの指令に基づいて、タッチパネル120からスタイラスペン190が持ち上げられてからの経過時間を計測する。
【0048】
CPU110は、メモリ130あるいは記憶媒体141に記憶されているプログラムを実行することによって、電子ノート100の各部を制御する。すなわち、CPU110は、メモリ130あるいは記憶媒体141に記憶されているプログラムを実行することによって、図3に記載の機能ブロックを実現したり、図4および図5に記載の処理を実行したりする。
【0049】
<電子ノート100の機能構成>
以下では、電子ノート100が有する機能構成について説明する。図3は、本実施の形態に係る電子ノート100の機能構成を示すブロック図である。
【0050】
図3を参照して、まず、メモリ130は、タッチパネル120を介して入力されたスタイラスペン190の接触位置Sの時系列データ(筆跡データ131)を記憶する。メモリ130は、手書き文字が入力されている問題(対象となっている問題)に対するスタイラスペン190の接触位置Sの最上座標と最下座標と最右座標と最左座標と、当該最上座標と最下座標と最右座標と最左座標とを頂点とする矩形(手書き文字を囲う矩形)の中心座標とを基準座標データAとして記憶する。あるいは、メモリ130は、対象となっている問題のスタイラスペン190の接触位置Sの最新の座標を基準座標データAとして記憶する。あるいは、メモリ130は、対象となっている問題の解答エリアYの中心位置を基準座標データAとして記憶する。
【0051】
メモリ130は、対象となっている問題に対して手書き入力されている間の手のひらの接触位置Rの最上座標と最下座標と最右座標と最左座標と、当該最上座標と最下座標と最右座標と最左座標とを頂点とする矩形(手書き文字を囲う矩形)の中心座標とを基準座標データBとして記憶する。あるいは、メモリ130は、対象となっている問題に対して手書き入力されている間の手のひらの接触位置Rの最新の座標を基準座標データBとして記憶する。
【0052】
メモリ130は、基準座標データAと基準座標データBとの差分、すなわち手のひらの接触位置Rに対するスタイラスペン190の接触位置Sの相対位置Tを基準座標データCとして記憶する。
【0053】
メモリ130は、テキストや画像などを含む問題データ133(コンテンツ)を記憶する。メモリ130は、問題データ133から抽出される、問題毎の問題エリアXを表わすための問題表示エリアデータ134や、問題毎の解答エリアYを表わすための手書き可能エリアデータ135を含む。問題データ133は、解答エリアYの中心を示す情報を含む。あるいは、解答エリアYの中心を示す情報が、解答エリアYを示すテキストデータや画像データであってもよい。この場合には、CPU110が、解答エリアYの中心を計算する。
【0054】
CPU110は、メモリ130に記憶されているプログラムを実行することによって、座標検知部111、筆跡処理部112、座標処理部113、スクロール処理部114、問題表示処理部115とを実現する。
【0055】
なお、本実施の形態においては、座標検知部111、筆跡処理部112、座標処理部113、スクロール処理部114、問題表示処理部115は、CPU110がプログラムを実行することによって、実現されるソフトウェアモジュールである。しかしながら、座標検知部111、筆跡処理部112、座標処理部113、スクロール処理部114、問題表示処理部115は、専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0056】
まず、座標検知部111は、タブレット122からの信号に基づいて、タッチパネル120における外部の物体の接触位置を取得する。座標検知部111は、取得したスタイラスペン190の接触位置Sを時系列データ(筆跡データ131)として逐次メモリ130に記憶する。座標検知部111は、手書き画像の座標と、選択されているペンの種類とを対応付けてメモリ130に蓄積してもよい。また、座標検知部111は、取得した手のひらの接触領域Qに基づいて、接触領域Qの重心を手のひらの接触位置Rとしてメモリ130に格納する。
【0057】
筆跡処理部112は、筆跡データ131に基づいて、接触位置の軌跡をタッチパネル120に表示させる。これによって、接触位置の軌跡が文字や図形を示す場合に、ユーザは、タッチパネル120に表示されている文字や図形を認識することができる。筆跡処理部112は、後述するように画面がスクロールされる(コンテンツの表示位置が変更される)際に、スクロール量に応じて、接触位置の軌跡すなわち手書き文字をずらして表示する(平行移動させる)。
【0058】
座標処理部113は、手書き可能エリアデータ135を参照して、スタイラスペン190の接触位置Sのうち、すなわち座標検知部111が取得した筆跡データ131のうち、解答エリアY内に位置するものを筆跡データ131としてメモリ130に記憶し、解答エリアY外に位置するものを削除する(無視する)。
【0059】
座標処理部113は、スタイラスペン190の接触位置Sに基づいて、メモリ130に記憶されている基準座標データAを更新する。より詳細には、座標処理部113は、手書き文字が入力されている問題(対象となっている問題)に対するスタイラスペン190の接触位置Sの最上座標と最下座標と最右座標と最左座標と、当該最上座標と最下座標と最右座標と最左座標とを頂点とする矩形(手書き文字を囲う矩形)の中心座標とを更新する。あるいは、座標処理部113は、対象となっている問題のスタイラスペン190の接触位置Sの最新の座標を更新する。あるいは、座標処理部113は、対象となっている問題の解答エリアYの中心位置を更新する。
【0060】
座標処理部113は、手のひらの接触位置Rに基づいて、メモリ130に記憶されている基準座標データBを更新する。より詳細には、座標処理部113は、対象となっている問題に対して手書き入力されている間の手のひらの接触位置Rの最上座標と最下座標と最右座標と最左座標と、当該最上座標と最下座標と最右座標と最左座標とを頂点とする矩形(手書き文字を囲う矩形)の中心座標とを更新する。あるいは、座標処理部113は、対象となっている問題に対して手書き入力されている間の手のひらの接触位置Rの最新の座標を更新する。
【0061】
座標処理部113は、メモリ130に記憶されている基準座標データCを更新する。より詳細には、座標処理部113は、基準座標データAと基準座標データBとに基づいて、手のひらの接触位置Rに対するスタイラスペン190の接触位置Sの相対位置Tを更新する。
【0062】
スクロール処理部114は、時計160を参照して、座標検知部111がスタイラスペン190の接触位置Sを検知しなくなったときからの経過時間を取得する。スクロール処理部114は、経過時間が所定の時間に達した際に、基準座標データCに基づいて、最新の(現在の)手のひらの接触位置Rから相対位置Tだけ離れた位置に次の問題の解答エリアYの中心が位置するように、コンテンツの表示位置を決定する。たとえば、スクロール処理部114は、表示されているコンテンツのスクロール量を決定する。
【0063】
より詳細には、スクロール処理部114は、問題1の解答エリアY内にスタイラスペン190の接触位置Sが検知されている状態から、スタイラスペン190の接触位置Sが検知されない状態へ遷移した場合に、所定時間待機してから次の問題(問題2)の解答エリアYが現在の手のひらの接触位置Rから相対位置Tだけ離れた位置へと移動するようにスクロール量を決定する。ただし、スクロール処理部114は、次の問題の解答エリアYの中心のY座標が現在の手のひらの接触位置Rからの相対位置TのY座標と一致するようにY方向のみのスクロール量を決定してもよい。
【0064】
問題表示処理部115は、スクロール処理部114が経過時間が所定の時間に達したと判断したときに、問題データ133に基づいてコンテンツを表示し直す。たとえば、問題表示処理部115は、問題1の解答エリアY内にスタイラスペン190の接触位置Sが検知されている状態から、スタイラスペン190の接触位置Sが検知されない状態へ遷移した場合に、問題データ133を参照して、次の問題の解答エリアYの中心が現在の手のひらの接触位置Rからの相対位置Tと一致するようにコンテンツを表示し直す。ただし、問題表示処理部115は、次の問題の解答エリアYの中心のY座標が現在の手のひらの接触位置Rからの相対位置TのY座標と一致するようにコンテンツを表示し直してもよい。
【0065】
なお、問題表示処理部115は、問題表示エリアデータ134と手書き可能エリアデータ135とを参照することによって、次の問題(問題2)の問題エリアXと解答エリアYとが全てタッチパネル120に表示されるように、タッチパネル120にコンテンツを表示させることが好ましい。すなわち、問題表示処理部115は、次の問題(問題2)の問題エリアXと解答エリアYとがタッチパネル120の表示エリア内に収まるように、タッチパネル120にコンテンツを表示させる。
【0066】
<コンテンツ表示処理>
以下では、本実施の形態に係るCPU110によって実行されるコンテンツ表示処理について説明する。図4は、実施の形態1に係るコンテンツ表示処理を示す第1のフローチャートである。図5は、実施の形態1に係るコンテンツ表示処理を示す第2のフローチャートである。
【0067】
図4および図5を参照して、CPU110は、メモリ130から問題データ133を読み出して、タッチパネル120に問題1(対象となっている問題)の全部と問題2の全部と問題3の一部とを表示させる(ステップS102)。CPU110は、問題データに基づいて、問題毎に、問題表示エリアデータ134と、手書き可能エリアデータ135とをメモリ130に格納する(ステップS104)。
【0068】
CPU110は、手書きモードが選択されているか否かを判断する(ステップS106)。たとえば、CPU110は、スタイラスペン190などを介した手書きによって文字の入力を受け付けるモード、ソフトウェアボタンによって文字の入力を受け付けるモード、ハードウェアボタンによって文字の入力を受けるモード、のいずれが選択されているかを判断する。
【0069】
手書きモードが選択されていない場合(ステップS106においてNOである場合)、CPU110は、コンテンツ表示処理を終了する。この場合、たとえば、通常のスクロール命令に基づいて、画面をスクロールする。
【0070】
手書きモードが選択されている場合(ステップS106においてYESである場合)、CPU110は、タッチパネル120を介して接触位置を検出する。CPU110は、接触位置が検出できない場合(ステップS108においてNOである場合)、ステップS108の処理を繰り返す。
【0071】
CPU110は、接触位置が検出できた場合(ステップS108においてYESである場合)、当該接触位置の面積(画素数)や圧力に基づいて、手のひらがタッチパネル120に接触しているか否かを判断する(ステップS110)。CPU110は、手のひらがタッチパネル120に接触していない場合(ステップS110においてNOである場合)、ステップS114からの処理を実行する。
【0072】
一方、CPU110は、手のひらがタッチパネル120に接触している場合(ステップS110においてYESである場合)、手のひらの接触位置Rを基準座標データBとしてメモリ130に格納する(ステップS112)。より詳細には、CPU110は、タッチパネル120から取得した接触領域Qに基づいて手のひらの接触位置Rを計算する。
【0073】
CPU110は、スタイラスペン190がタッチパネル120に接触しているか否かを判断する(ステップS114)。スタイラスペン190がタッチパネル120に接触している場合(ステップS114においてYESである場合)、CPU110は、スタイラスペン190の接触位置Sを基準座標データAとしてメモリ130に格納する(ステップS116)。
【0074】
CPU110は、タッチパネル120にスタイラスペン190の接触位置Sに対応する位置の表示態様(たとえば輝度)を変化させる(ステップS118)。より詳細には、CPU110は、スタイラスペン190の接触位置Sを筆跡データ131としてメモリ130に蓄積する。そして、CPU110は、筆跡データ131(スタイラスペン190の接触位置Sの軌跡)に沿って、タッチパネル120に入力された手書き文字を表示させる。CPU110は、ステップS120からの処理を実行する。
【0075】
スタイラスペン190がタッチパネル120に接触していない場合(ステップS114においてNOである場合)、CPU110は、時計160を参照して、スタイラスペン190の接触位置Sが検知されなくなってから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS120)。スタイラスペン190の接触位置Sが検知されなくなってから所定の時間が経過していない場合(ステップS120においてNOである場合)、CPU110は、ステップS110からの処理を繰り返す。
【0076】
スタイラスペン190の接触位置Sが検知されなくなってから所定の時間が経過している場合(ステップS120においてYESである場合)、CPU110は、メモリ130に基準座標データAと基準座標データBとが格納されているか否かを判断する(ステップS122)。あるいは、CPU110は、メモリ130に基準座標データCが格納されているか否かを判断する。メモリ130に基準座標データAと基準座標データBとのいずれかが格納されていない場合(ステップS122においてNOである場合)、CPU110は、ステップS126からの処理を実行する。
【0077】
メモリ130に基準座標データAと基準座標データBとが格納されている場合(ステップS122においてYESである場合)、CPU110は、次の問題(問題2)の解答エリアYを表示すべき位置を算出する(ステップS124)。より詳細には、CPU110は、基準座標データCに基づいて、現在の手のひらの接触位置Rから相対位置Tだけ離れた位置を計算する。
【0078】
CPU110は、メモリ130に基準座標データAのみが格納されているか否かを判断する(ステップS126)。すなわち、CPU110は、基準座標データAに座標値が格納されており、かつ、基準座標データBにNULLが格納されているか否かを判断する。メモリ130に基準座標データAのみが格納されているわけではない場合(ステップS126においてNOである場合)、CPU110は、ステップS130からの処理を実行する。
【0079】
メモリ130に基準座標データAのみが格納されている場合(ステップS126においてYESである場合)、CPU110は、次の問題の解答エリアYを表示すべき位置を算出する(ステップS128)。より詳細には、CPU110は、基準座標データAに基づいて、問題1の解答エリアYに入力された手書き文字を囲う矩形の中心位置、あるいはスタイラスペン190のペン先を検知しなくなる直前の最新のスタイラスペン190の接触位置Sを解答エリアYを表示すべき位置に設定する。
【0080】
CPU110は、次の問題の解答エリアYを表示すべき位置が設定されているか否かを判断する(ステップS130)。次の問題の解答エリアYを表示すべき位置が設定されていない場合(ステップS130においてNOである場合)、CPU110は、ステップS108からの処理を繰り返す。
【0081】
次の問題の解答エリアYを表示すべき位置が設定されている場合(ステップS130においてYESである場合)、CPU110は、問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させることを試みる。CPU110は、問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させても、問題2の問題エリアXの全てと解答エリアYの全てとがタッチパネル120の表示エリア内に収まるか否かを判断する(ステップS132)。
【0082】
問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させても、問題2の問題エリアXの全てと解答エリアYの全てとがタッチパネル120の表示エリア内に収まる場合(ステップS132においてYESである場合)、CPU110は、問題2の解答エリアYの中心W2と次の解答エリアYを表示すべき位置とが一致するように画面をスクロールする(ステップS134)。CPU110は、ステップS108からの処理を繰り返す。
【0083】
問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させると、問題2の問題エリアXの全てと解答エリアYの全てとがタッチパネル120の表示エリア内に収まらない場合(ステップS132においてNOである場合)、CPU110は、問題2の問題エリアXと解答エリアYとがタッチパネル120の表示エリアに収まるように画面をスクロールする(ステップS136)。たとえば、CPU110は、問題2の上端がタッチパネル120の上端に表示されるように、画面をスクロールする。CPU110は、ステップS108からの処理を繰り返す。
【0084】
[実施の形態2]
上記実施の形態1においては、手のひらの接触位置Rとスタイラスペン190の接触位置Sとに基づいて、コンテンツの表示位置を決定するものであった。しかしながら、電子ノート100は、スタイラスペン190の接触位置Sにかかわらず、手のひらの接触位置Rと所定の相対位置Tとに基づいて、コンテンツの表示位置を決定するものであってもよい。本実施の形態においては、相対位置Tが予め設定されている。
【0085】
以下では、実施の形態2として、スタイラスペン190の接触位置Sにかかわらず、手のひらの接触位置Rに基づいてコンテンツを表示する電子ノート100の構成について説明する。なお、実施の形態1に係る電子ノート100と同様の構成については、説明を繰り返さない。
【0086】
<電子ノート100の動作概要>
まず、実施の形態2に係る電子ノート100における動作概要について説明する。図6は、実施の形態2に係る電子ノート100における動作概要を示すイメージ図である。
【0087】
より詳細には、図6(a)は、手のひらがタッチパネル120に接触した状態でユーザがスタイラスペン190によって手書き文字を入力している状態を示すイメージ図である。図6(b)は、ユーザがスタイラスペン190をタッチパネル120から持ち上げた状態を示すイメージ図である。図6(c)は、スタイラスペン190がタッチパネル120から離れてから所定時間が経過したときの電子ノート100を示すイメージ図である。
【0088】
図6(a)〜(c)を参照して、電子ノート100のタッチパネル120は、テキストや画像などのコンテンツを表示する。ここでは、コンテンツは、複数の問題と、当該複数の問題のそれぞれに対応する解答エリアYとを含む。コンテンツには、問題毎に、問題エリアXと解答エリアYとが設定されている。解答エリアYは、問題エリアXに含まれていてもよいし、問題エリアXとは別に設けられてもよい。
【0089】
コンテンツは、問題毎に解答エリアYの位置を特定するための情報を格納する。たとえば、コンテンツは、問題毎に解答エリアYの中心位置を示す情報や左上端を示す情報を格納する。あるいは、解答エリアYを示すためのテキストデータや画像データ自体が、解答エリアの位置を示す情報であってもよい。すなわち、電子ノート100は、解答エリアYを示すためのテキストデータや画像データに基づいて、解答エリアYの中心または解答エリアYを好ましい位置に表示してもよい。
【0090】
なお、本実施の形態に係る電子ノート100は、解答エリアYに対する手書き入力を受け付け、解答エリアYの外側に対する手書き入力を受け付けない。
【0091】
図6(a)を参照して、ユーザは、問題1を参照して、問題1の解答エリアYに解答を手書き入力する。電子ノート100は、タッチパネル120におけるスタイラスペン190の接触位置Sを逐次取得することによって、手書き入力された文字や画像をタッチパネル120に表示する。
【0092】
図6(b)を参照して、ユーザは、問題1の解答エリアYに解答を記入し終えると、スタイラスペン190をタッチパネル120から持ち上げる。電子ノート100は、スタイラスペン190のペン先を検知しなくなってからの時間を計測する。
【0093】
なお、本実施の形態においては、電子ノート100は、基準座標データAおよび基準座標データBを取得する必要がない。
【0094】
図6(c)を参照して、電子ノート100は、タッチパネル120を介してペン先を検知しなくなってから所定の時間が経過すると、最新の(現在の)手のひらの接触位置Rから所定の相対位置Tだけ離れた位置に、問題2の解答エリアYの中心が位置するようにコンテンツを表示しなおす。
【0095】
このように、本実施の形態に係る電子ノート100は、ユーザが問題1の解答エリアYに解答を記入し終えた後で、所定の時間が経過すると、ユーザの手のひらの位置に基づいて、自動的に問題2の解答エリアがスタイラスペン190の下方に位置するようにコンテンツを表示し直す。その結果、ユーザは、手書き入力とは別の細かい操作を行なわなくても、コンテンツを1つの問題分だけスクロールすることができる。すなわち、操作性が向上する。
【0096】
なお、本実施の形態に係る電子ノート100のハードウェア構成については、実施の形態1のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0097】
<電子ノート100の機能構成>
以下では、電子ノート100が有する機能構成について説明する。図7は、本実施の形態に係る電子ノート100の機能構成を示すブロック図である。
【0098】
図7を参照して、本実施の形態に係るメモリ130は、実施の形態1のメモリ130と比較して、基準座標データAおよび基準座標データBを記憶する必要がない点と、基準座標データCが予め設定されている点において異なる。その他のデータは、実施の形態1のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0099】
CPU110は、メモリ130に記憶されているプログラムを実行することによって、座標検知部111、筆跡処理部112、座標処理部113、スクロール処理部114、問題表示処理部115とを実現する。
【0100】
なお、本実施の形態においては、座標検知部111、筆跡処理部112、座標処理部113、スクロール処理部114、問題表示処理部115は、CPU110がプログラムを実行することによって、実現されるソフトウェアモジュールである。しかしながら、座標検知部111、筆跡処理部112、座標処理部113、スクロール処理部114、問題表示処理部115は、専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0101】
座標検知部111と筆跡処理部112とは、実施の形態1のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0102】
座標処理部113は、手書き可能エリアデータ135を参照して、スタイラスペン190の接触位置Sのうち、すなわち座標検知部111が取得した筆跡データ131のうち、解答エリアY内に位置するものを筆跡データ131としてメモリ130に記憶し、解答エリアY外に位置するものを削除する(無視する)。
【0103】
スクロール処理部114は、時計160を参照して、座標検知部111がスタイラスペン190の接触位置Sを検知しなくなったときからの経過時間を取得する。スクロール処理部114は、経過時間が所定の時間に達した際に、基準座標データCに基づいて、最新の(現在の)手のひらの接触位置Rから所定の相対位置Tだけ離れた位置に次の問題の解答エリアYの中心が位置するように、コンテンツの表示位置を決定する。たとえば、スクロール処理部114は、表示されているコンテンツのスクロール量を決定する。
【0104】
より詳細には、スクロール処理部114は、問題1の解答エリアY内にスタイラスペン190の接触位置Sが検知されている状態から、スタイラスペン190の接触位置Sが検知されない状態へ遷移した場合に、所定時間待機してから次の問題(問題2)の解答エリアYが現在の手のひらの接触位置Rから所定の相対位置Tだけ離れた位置へと移動するようにスクロール量を決定する。ただし、スクロール処理部114は、次の問題の解答エリアYの中心のY座標が現在の手のひらの接触位置Rからの相対位置TのY座標と一致するようにY方向のみのスクロール量を決定してもよい。
【0105】
問題表示処理部115は、スクロール処理部114が経過時間が所定の時間に達したと判断したときに、問題データ133に基づいてコンテンツを表示し直す。たとえば、問題表示処理部115は、問題1の解答エリアY内にスタイラスペン190の接触位置Sが検知されている状態から、スタイラスペン190の接触位置Sが検知されない状態へ遷移した場合に、問題データ133を参照して、次の問題の解答エリアYが現在の手のひらの接触位置Rから所定の相対位置Tと一致するようにコンテンツを表示し直す。ただし、問題表示処理部115は、次の問題の解答エリアYの中心のY座標が現在の手のひらの接触位置Rからの相対位置TのY座標と一致するようにコンテンツを表示し直してもよい。
【0106】
なお、問題表示処理部115は、問題表示エリアデータ134と手書き可能エリアデータ135とを参照することによって、次の問題(問題2)の問題エリアXと解答エリアYとが全てタッチパネル120に表示されるように、タッチパネル120にコンテンツを表示させることが好ましい。すなわち、問題表示処理部115は、次の問題(問題2)の問題エリアXと解答エリアYとがタッチパネル120の表示エリア内に収まるように、タッチパネル120にコンテンツを表示させる。
【0107】
<コンテンツ表示処理>
以下では、本実施の形態に係るCPU110によって実行されるコンテンツ表示処理について説明する。図8は、実施の形態2に係るコンテンツ表示処理を示すフローチャートである。
【0108】
図8を参照して、CPU110は、メモリ130から問題データ133を読み出して、タッチパネル120に問題1の全部と問題2の全部と問題3の一部とを表示させる(ステップS202)。CPU110は、問題データに基づいて、問題毎に、問題表示エリアデータ134と、手書き可能エリアデータ135とをメモリ130に格納する(ステップS204)。
【0109】
CPU110は、手書きモードが選択されているか否かを判断する(ステップS206)。たとえば、CPU110は、スタイラスペン190などを介した手書きによって文字の入力を受け付けるモード、ソフトウェアボタンによって文字の入力を受け付けるモード、ハードウェアボタンによって文字の入力を受けるモード、のいずれが選択されているかを判断する。
【0110】
手書きモードが選択されていない場合(ステップS206においてNOである場合)、CPU110は、コンテンツ表示処理を終了する。この場合、たとえば、通常のスクロール命令に基づいて、画面をスクロールする。
【0111】
手書きモードが選択されている場合(ステップS206においてYESである場合)、CPU110は、タッチパネル120を介して接触位置を検出する。CPU110は、接触位置が検出できない場合(ステップS208においてNOである場合)、ステップS208の処理を繰り返す。
【0112】
CPU110は、接触位置が検出できた場合(ステップS208においてYESである場合)、スタイラスペン190がタッチパネル120に接触しているか否かを判断する(ステップS214)。スタイラスペン190がタッチパネル120に接触している場合(ステップS214においてYESである場合)、CPU110は、スタイラスペン190の接触位置Sを基準座標データAとしてメモリ130に格納する(ステップS216)。
【0113】
CPU110は、タッチパネル120にスタイラスペン190の接触位置Sに対応する位置の表示態様(たとえば輝度)を変化させる(ステップS218)。より詳細には、CPU110は、スタイラスペン190の接触位置Sを筆跡データ131としてメモリ130に蓄積する。そして、CPU110は、筆跡データ131(スタイラスペン190の接触位置Sの軌跡)に沿って、タッチパネル120に入力された手書き文字を表示させる。CPU110は、ステップS220からの処理を実行する。
【0114】
スタイラスペン190がタッチパネル120に接触していない場合(ステップS214においてNOである場合)、CPU110は、時計160を参照して、スタイラスペン190の接触位置Sが検知されなくなってから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS220)。スタイラスペン190の接触位置Sが検知されなくなってから所定の時間が経過していない場合(ステップS220においてNOである場合)、CPU110は、ステップS214からの処理を繰り返す。
【0115】
スタイラスペン190の接触位置Sが検知されなくなってから所定の時間が経過している場合(ステップS220においてYESである場合)、CPU110は、次の問題(問題2)の解答エリアYを表示すべき位置を算出する(ステップS224)。より詳細には、CPU110は、基準座標データCに基づいて、現在の手のひらの接触位置Rから所定の相対位置Tだけ離れた位置を計算する。
【0116】
CPU110は、問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させることを試みる。CPU110は、問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させても、問題2の問題エリアXの全てと解答エリアYの全てとがタッチパネル120の表示エリア内に収まるか否かを判断する。
【0117】
問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させても、問題2の問題エリアXの全てと解答エリアYの全てとがタッチパネル120の表示エリア内に収まる場合(ステップS232においてYESである場合)、CPU110は、問題2の解答エリアYの中心W2と次の解答エリアYを表示すべき位置とが一致するように画面をスクロールする(ステップS234)。CPU110は、ステップS208からの処理を繰り返す。
【0118】
問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させると、問題2の問題エリアXの全てと解答エリアYの全てとがタッチパネル120の表示エリア内に収まらない場合(ステップS232においてNOである場合)、CPU110は、問題2の問題エリアXと解答エリアYとがタッチパネル120の表示エリアに収まるように画面をスクロールする(ステップS236)。たとえば、CPU110は、問題2の上端がタッチパネル120の上端に表示されるように、画面をスクロールする。CPU110は、ステップS208からの処理を繰り返す。
【0119】
[実施の形態3]
上記実施の形態1においては、手のひらの接触位置Rとスタイラスペン190の接触位置Sとに基づいて、コンテンツの表示位置を決定するものであった。しかしながら、電子ノート100は、手のひらの接触位置Rにかかわらず、スタイラスペン190の接触位置Sとに基づいて、コンテンツの表示位置を決定するものであってもよい。
【0120】
以下では、実施の形態3として、手のひらの接触位置Rにかかわらず、スタイラスペン190の接触位置Sに基づいてコンテンツを表示する電子ノート100の構成について説明する。なお、実施の形態1に係る電子ノート100と同様の構成については、説明を繰り返さない。
【0121】
<電子ノート100の動作概要>
まず、実施の形態3に係る電子ノート100における動作概要について説明する。図9は、実施の形態3に係る電子ノート100における動作概要を示すイメージ図である。
【0122】
より詳細には、図9(a)は、ユーザがスタイラスペン190によって手書き文字を入力している状態を示すイメージ図である。図9(b)は、ユーザがスタイラスペン190をタッチパネル120から持ち上げた状態を示すイメージ図である。図9(c)は、スタイラスペン190がタッチパネル120から離れてから所定時間が経過したときの電子ノート100を示すイメージ図である。
【0123】
図9(a)〜(c)を参照して、電子ノート100のタッチパネル120は、テキストや画像などのコンテンツを表示する。ここでは、コンテンツは、複数の問題と、当該複数の問題のそれぞれに対応する解答エリアYとを含む。コンテンツには、問題毎に、問題エリアXと解答エリアYとが設定されている。解答エリアYは、問題エリアXに含まれていてもよいし、問題エリアXとは別に設けられてもよい。
【0124】
コンテンツは、問題毎に解答エリアYの位置を特定するための情報を格納する。たとえば、コンテンツは、問題毎に解答エリアYの中心位置を示す情報や左上端を示す情報を格納する。あるいは、解答エリアYを示すためのテキストデータや画像データ自体が、解答エリアの位置を示す情報であってもよい。すなわち、電子ノート100は、解答エリアYを示すためのテキストデータや画像データに基づいて、解答エリアYの中心または解答エリアYを好ましいに位置に表示してもよい。
【0125】
なお、本実施の形態に係る電子ノート100は、解答エリアYに対する手書き入力を受け付け、解答エリアYの外側に対する手書き入力を受け付けない。
【0126】
図9(a)を参照して、ユーザは、問題1を参照して、問題1の解答エリアYに解答を手書き入力する。電子ノート100は、タッチパネル120におけるスタイラスペン190(あるいはユーザの指など)の接触位置Sを逐次取得することによって、手書き入力された文字や画像をタッチパネル120に表示する。
【0127】
図1(b)を参照して、ユーザは、問題1の解答エリアYに解答を記入し終えると、スタイラスペン190をタッチパネル120から持ち上げる。電子ノート100は、スタイラスペン190のペン先を検知しなくなってからの時間を計測する。
【0128】
電子ノート100は、問題1の解答エリアYに入力された手書き文字を囲う矩形の中心位置を示す基準座標データAを計算する。あるいは、電子ノート100は、スタイラスペン190のペン先を検知しなくなる直前の、最新のスタイラスペン190の接触位置Sを基準座標データAとして設定する。あるいは、問題1の解答エリアYの中心位置を基準座標データAとして設定する。
【0129】
図1(c)を参照して、電子ノート100は、タッチパネル120を介してペン先を検知しなくなってから所定の時間が経過すると、基準座標データAが示す位置に、問題2の解答エリアYの中心位置が位置するようにコンテンツを表示しなおす。
【0130】
このように、本実施の形態に係る電子ノート100は、ユーザが問題1の解答エリアYに解答を記入し終えた後で、所定の時間が経過すると、スタイラスペン190の接触位置Sとに基づいて、自動的に問題2の解答エリアがスタイラスペン190の下方に位置するようにコンテンツを表示し直す。その結果、ユーザは、手書き入力とは別の細かい操作を行なわなくても、コンテンツを1つの問題分だけスクロールすることができる。すなわち、操作性が向上する。
【0131】
なお、本実施の形態に係る電子ノート100のハードウェア構成については、実施の形態1のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0132】
<電子ノート100の機能構成>
以下では、電子ノート100が有する機能構成について説明する。図10は、本実施の形態に係る電子ノート100の機能構成を示すブロック図である。
【0133】
図10を参照して、本実施の形態に係るメモリ130は、実施の形態1のメモリ130と比較して、基準座標データBおよび基準座標データCを記憶する必要がない点において異なる。その他のデータは、実施の形態1のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0134】
CPU110は、メモリ130に記憶されているプログラムを実行することによって、座標検知部111、筆跡処理部112、座標処理部113、スクロール処理部114、問題表示処理部115とを実現する。
【0135】
なお、本実施の形態においては、座標検知部111、筆跡処理部112、座標処理部113、スクロール処理部114、問題表示処理部115は、CPU110がプログラムを実行することによって、実現されるソフトウェアモジュールである。しかしながら、座標検知部111、筆跡処理部112、座標処理部113、スクロール処理部114、問題表示処理部115は、専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0136】
座標検知部111と筆跡処理部112とは、実施の形態1のそれと同様であるため、ここでは説明を繰り返さない。
【0137】
座標処理部113は、手書き可能エリアデータ135を参照して、スタイラスペン190の接触位置Sのうち、すなわち座標検知部111が取得した筆跡データ131のうち、解答エリアY内に位置するものを筆跡データ131としてメモリ130に記憶し、解答エリアY外に位置するものを削除する(無視する)。
【0138】
座標処理部113は、スタイラスペン190の接触位置Sに基づいて、メモリ130に記憶されている基準座標データAを更新する。より詳細には、座標処理部113は、手書き文字が入力されている問題(対象となっている問題)のスタイラスペン190の接触位置Sの最上座標と最下座標と最右座標と最左座標と、当該最上座標と最下座標と最右座標と最左座標とを頂点とする矩形(手書き文字を囲う矩形)の中心座標とを更新する。あるいは、座標処理部113は、対象となっている問題のスタイラスペン190の接触位置Sの最新の座標を更新する。あるいは、座標処理部113は、対象となっている問題の解答エリアYの中心位置を更新する。
【0139】
スクロール処理部114は、時計160を参照して、座標検知部111がスタイラスペン190の接触位置Sを検知しなくなったときからの経過時間を取得する。スクロール処理部114は、経過時間が所定の時間に達した際に、基準座標データAが示す位置に次の問題の解答エリアYの中心が位置するように、コンテンツの表示位置を決定する。たとえば、スクロール処理部114は、表示されているコンテンツのスクロール量を決定する。
【0140】
より詳細には、スクロール処理部114は、問題1の解答エリアY内にスタイラスペン190の接触位置Sが検知されている状態から、スタイラスペン190の接触位置Sが検知されない状態へ遷移した場合に、所定時間待機してから次の問題(問題2)の解答エリアYが基準座標データAが示す位置へと移動するようにスクロール量を決定する。ただし、スクロール処理部114は、次の問題の解答エリアYの中心のY座標が基準座標データAが示すY座標と一致するようにY方向のみのスクロール量を決定してもよい。
【0141】
問題表示処理部115は、スクロール処理部114が経過時間が所定の時間に達したと判断したときに、問題データ133に基づいてコンテンツを表示し直す。たとえば、問題表示処理部115は、問題1の解答エリアY内にスタイラスペン190の接触位置Sが検知されている状態から、スタイラスペン190の接触位置Sが検知されない状態へ遷移した場合に、問題データ133を参照して、次の問題の解答エリアYが現在の手のひらの接触位置Rから相対位置Tと一致するようにコンテンツを表示し直す。ただし、問題表示処理部115は、次の問題の解答エリアYの中心のY座標が基準座標データAが示すY座標と一致するようにコンテンツを表示し直してもよい。
【0142】
なお、問題表示処理部115は、問題表示エリアデータ134と手書き可能エリアデータ135とを参照することによって、次の問題(問題2)の問題エリアXと解答エリアYとが全てタッチパネル120に表示されるように、タッチパネル120にコンテンツを表示させることが好ましい。すなわち、問題表示処理部115は、次の問題(問題2)の問題エリアXと解答エリアYとがタッチパネル120の表示エリア内に収まるように、タッチパネル120にコンテンツを表示させる。
【0143】
<コンテンツ表示処理>
以下では、本実施の形態に係るCPU110によって実行されるコンテンツ表示処理について説明する。図11は、実施の形態3に係るコンテンツ表示処理を示すフローチャートである。
【0144】
図11を参照して、CPU110は、メモリ130から問題データ133を読み出して、タッチパネル120に問題1の全部と問題2の全部と問題3の一部とを表示させる(ステップS302)。CPU110は、問題データに基づいて、問題毎に、問題表示エリアデータ134と、手書き可能エリアデータ135とをメモリ130に格納する(ステップS304)。
【0145】
CPU110は、手書きモードが選択されているか否かを判断する(ステップS306)。たとえば、CPU110は、スタイラスペン190などを介した手書きによって文字の入力を受け付けるモード、ソフトウェアボタンによって文字の入力を受け付けるモード、ハードウェアボタンによって文字の入力を受けるモード、のいずれが選択されているかを判断する。
【0146】
手書きモードが選択されていない場合(ステップS306においてNOである場合)、CPU110は、コンテンツ表示処理を終了する。この場合、たとえば、通常のスクロール命令に基づいて、画面をスクロールする。
【0147】
手書きモードが選択されている場合(ステップS306においてYESである場合)、CPU110は、タッチパネル120を介して接触位置を検出する。CPU110は、接触位置が検出できない場合(ステップS308においてNOである場合)、ステップS308の処理を繰り返す。
【0148】
CPU110は、スタイラスペン190がタッチパネル120に接触しているか否かを判断する(ステップS314)。スタイラスペン190がタッチパネル120に接触している場合(ステップS314においてYESである場合)、CPU110は、スタイラスペン190の接触位置Sを基準座標データAとしてメモリ130に格納する(ステップS316)。
【0149】
CPU110は、タッチパネル120にスタイラスペン190の接触位置Sに対応する位置の表示態様(たとえば輝度)を変化させる(ステップS318)。より詳細には、CPU110は、スタイラスペン190の接触位置Sを筆跡データ131としてメモリ130に蓄積する。そして、CPU110は、筆跡データ131(スタイラスペン190の接触位置Sの軌跡)に沿って、タッチパネル120に入力された手書き文字を表示させる。CPU110は、ステップS320からの処理を実行する。
【0150】
スタイラスペン190がタッチパネル120に接触していない場合(ステップS314においてNOである場合)、CPU110は、時計160を参照して、スタイラスペン190の接触位置Sが検知されなくなってから所定の時間が経過したか否かを判断する(ステップS320)。スタイラスペン190の接触位置Sが検知されなくなってから所定の時間が経過していない場合(ステップS320においてNOである場合)、CPU110は、ステップS314からの処理を繰り返す。
【0151】
スタイラスペン190の接触位置Sが検知されなくなってから所定の時間が経過している場合(ステップS320においてYESである場合)、CPU110は、次の問題の解答エリアYを表示すべき位置を算出する(ステップS328)。より詳細には、CPU110は、基準座標データAに基づいて、問題1の解答エリアYに入力された手書き文字を囲う矩形の中心位置、あるいはスタイラスペン190のペン先を検知しなくなる直前の最新のスタイラスペン190の接触位置Sを解答エリアYを表示すべき位置に設定する。
【0152】
CPU110は、問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させることを試みる。CPU110は、問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させても、問題2の問題エリアXの全てと解答エリアYの全てとがタッチパネル120の表示エリア内に収まるか否かを判断する(ステップS332)。
【0153】
問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させても、問題2の問題エリアXの全てと解答エリアYの全てとがタッチパネル120の表示エリア内に収まる場合(ステップS332においてYESである場合)、CPU110は、問題2の解答エリアYの中心W2と次の解答エリアYを表示すべき位置とが一致するように画面をスクロールする(ステップS334)。CPU110は、ステップS308からの処理を繰り返す。
【0154】
問題2の解答エリアYの中心W2を次の解答エリアYを表示すべき位置に一致させると、問題2の問題エリアXの全てと解答エリアYの全てとがタッチパネル120の表示エリア内に収まらない場合(ステップS332においてNOである場合)、CPU110は、問題2の問題エリアXと解答エリアYとがタッチパネル120の表示エリアに収まるように画面をスクロールする(ステップS336)。たとえば、CPU110は、問題2の上端がタッチパネル120の上端に表示されるように、画面をスクロールする。CPU110は、ステップS308からの処理を繰り返す。
【0155】
<その他の応用例>
本発明は、システム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した外部の記憶媒体141(メモリ130)を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が外部の記憶媒体141(メモリ130)に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0156】
この場合、外部の記憶媒体141(メモリ130)から読出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した外部の記憶媒体141(メモリ130)は本発明を構成することになる。
【0157】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0158】
さらに、外部の記憶媒体141(メモリ130)から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わる他の記憶媒体に書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0159】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0160】
100 電子ノート、110 CPU、111 座標検知部、112 筆跡処理部、113 座標処理部、114 スクロール処理部、115 問題表示処理部、120 タッチパネル、121 ディスプレイ、122 タブレット、130 メモリ、131 筆跡データ、133 問題データ、134 問題表示エリアデータ、135手書き可能エリアデータ、140 メモリインターフェイス、141 記憶媒体、150 通信インターフェイス、160 時計、190 スタイラスペン、A 基準座標データ、B 基準座標データ、C 基準座標データ、Q 接触領域、R 手のひらの接触位置、S スタイラスペンの接触位置、T 相対位置、W1 問題1の回答エリアの中心、W2 問題2の回答エリアの中心、X 問題エリア、Y 解答エリア。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと、
少なくとも1つの所定の位置が設定されているコンテンツを記憶するためのメモリと、
前記タッチパネルを介して第1のタッチ位置を取得し、前記第1のタッチ位置と前記所定の位置とに基づいて前記タッチパネルに前記コンテンツを表示させるためのプロセッサとを備える、電子機器。
【請求項2】
前記コンテンツには、複数の所定の位置が設定されており、
前記プロセッサは、前記複数の所定の位置のうちの第1の所定位置に基づいて前記コンテンツが表示されている場合に、前記第1のタッチ位置が入力されなくなってから所定時間が経過すると、前記第1のタッチ位置と前記複数の所定の位置のうちの第2の所定位置とに基づいて前記タッチパネルに前記コンテンツを表示させる、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1のタッチ位置は、前記タッチパネルにおけるパームの接触位置である、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第1のタッチ位置に対する前記所定の位置が第1の相対位置となるように、前記タッチパネルに前記コンテンツを表示させる、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記タッチパネルにおけるペンの接触位置を第2のタッチ位置として取得し、
前記第1のタッチ位置に対する前記第2のタッチ位置の相対位置を前記第1の相対位置として前記メモリに記憶する、請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第1のタッチ位置は、前記タッチパネルにおけるペンの接触位置に対応する、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記第1のタッチ位置が前記所定の位置に一致するように、前記タッチパネルに前記コンテンツを表示させる、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記タッチパネルにおける前記ペンの接触位置の時系列データに基づいて、前記ペンの接触位置を囲う矩形の中心を前記第1のタッチ位置として前記メモリに記憶する、請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記コンテンツには、前記少なくとも1つの所定位置の各々に対応する手書き入力可能エリアと手書き入力不可能エリアとが設定されており、
前記少なくとも1つの所定の位置は、前記手書き入力可能エリアに対応する、請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記第1のタッチ位置に基づいて、対象となる前記所定の位置に対応する前記手書き入力エリアと前記手書き非入力エリアとが全て表示されるように前記タッチパネルに前記コンテンツを表示させる、請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
少なくとも1つの所定の位置が設定されているコンテンツを記憶するためのメモリとタッチパネルとプロセッサとを備える電子機器におけるコンテンツ表示方法であって、
前記プロセッサが、前記タッチパネルを介して第1のタッチ位置を取得するステップと、
前記プロセッサが、前記第1のタッチ位置と前記所定の位置とに基づいて前記タッチパネルに前記コンテンツを表示させるステップとを備える、コンテンツ表示方法。
【請求項12】
少なくとも1つの所定の位置が設定されているコンテンツを記憶するためのメモリとタッチパネルとプロセッサとを備える電子機器のためのコンテンツ表示プログラムであって、
前記タッチパネルを介して第1のタッチ位置を取得するステップと、
前記第1のタッチ位置と前記所定の位置とに基づいて前記タッチパネルに前記コンテンツを表示させるステップとを前記プロセッサに実行させる、コンテンツ表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−173904(P2012−173904A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34163(P2011−34163)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】