電子機器およびプログラム
【課題】表示器を有効に利用する。
【解決手段】本実施形態の電子機器は、第1の表示器と、前記第1の表示器より表示する情報量が少なく、予め定められたメインの情報を表示する第2の表示器と、前記第2の表示器を用いて、前記メインの情報以外の情報を通知する通知手段と、を有する。
【解決手段】本実施形態の電子機器は、第1の表示器と、前記第1の表示器より表示する情報量が少なく、予め定められたメインの情報を表示する第2の表示器と、前記第2の表示器を用いて、前記メインの情報以外の情報を通知する通知手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器において、例えば7セグメントLED(Light Emitting Diode)などの、複数の表示素子がアラビア数字やアルファベットなどの各字形を表現し得る所定の形に配置されている表示器を備えたもの(特許文献1参照)が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この種の電子機器では、表示器を有効に利用していないなどの課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本実施形態の電子機器は、第1の表示器と、前記第1の表示器より表示する情報量が少なく、予め定められたメインの情報を表示する第2の表示器と、前記第2の表示器を用いて、前記メインの情報以外の情報を通知する通知手段と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本実施形態のPOS端末の概略的な外観構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、7セグメントLEDを正面から見た拡大正面図である。
【図3】図3は、POS端末の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、POS端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、テーブルの一構成例を示す模式図である。
【図6】図6は、テーブルの一構成例を示す模式図である。
【図7】図7は、システム起動時において、BIOSプログラムの制御の下でCPUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、エラーの通知例を示す模式図である。
【図9】図9は、OSが起動した後のCPUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図10は、CPU使用率の通知例を示す模式図である。
【図11】図11は、OSが起動した後のCPUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、固有情報の通知例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0007】
なお、以下の説明では、本実施形態の電子機器およびプログラムを、POS(Point Of Sales System)システムの端末に適用した場合について説明する。POSシステムの端末は、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録する。
【0008】
図1は、本実施形態のPOS端末1の概略的な外観構成を示す斜視図である。
【0009】
このPOS端末1は、店舗の会計場所などに設置され、客が購入する商品の登録処理および会計処理を行う電子機器である。図1に示すように、このPOS端末1は、店員用の表示器2と、キーボード3と、プリンタ4と、タッチパネル5と、7セグメントLED6などを備えている。
【0010】
店員用の表示器2は、ドットマトリックス表示器であって、店員(キャッシャ)に対して処理内容などの各種情報を表示する。キーボード3は、店員(キャッシャ)が操作するテンキーなどの各種機能キーを有する。プリンタ4は、レシートなどを印字発行する。タッチパネル5は、店員用の表示器2に積層され、タッチ操作を入力する。7セグメントLED6は、数字、ドット、アルファベットなどを表示するものであり、店員用の表示器2に比べて表示サイズが小さく、且つ、表示する情報量が少ない表示器である。
【0011】
なお、図1では、図示を省略しているが、POS端末1は、貨幣を収納するドロワ(図3参照)と通信ケーブル(不図示)を介して通信接続されている。
【0012】
図2は、7セグメントLED6を正面から見た拡大正面図である。
【0013】
図2に示すように、本実施形態の7セグメントLED6は、小数点付きの7セグメントLEDである。具体的には、この7セグメントLED6は、0から9までの数字や、E、Fなどのアルファベットを表示するための棒状の7つのセグメント6a〜6gと、ドット(小数点)を表示する丸状の1つのセグメント6hを有している。なお、各セグメント6a〜6hは、LEDで構成されている。
【0014】
即ち、この小数点付きの7セグメントLED6は、8つのセグメントを構成するLEDを選択的に発光させることにより、数字、ドット、アルファベットなどを表現することが可能となっている。なお、7セグメントLED6を構成する個々のセグメントの大きさは、店員用の表示器2のドットよりも大きく、何れか一つのセグメントのみを点灯させたとしても、その点灯状態を遠目から容易に視認することができる。
【0015】
そして、本実施形態の7セグメントLED6は、OS起動前には、予め定められたメインの情報として、POS端末1のシステム起動時に検知したエラー(ハードウェア障害やシステム障害など)を通知する情報を表示する。また、本実施形態の7セグメントLED6は、OS起動後など、前記メインの情報を表示する必要のない時に、前記メインの情報以外の情報として、CPU10aの使用率を通知する情報や、固有情報(IP(Internet Protcol)アドレスなど)を通知する情報なども表示する。
【0016】
図3は、POS端末1の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0017】
図3に示すように、このPOS端末1は、パーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。例えば、このPOS端末1は、制御部10と、BIOS(Basic Input−Output System)−ROM(Read Only Memory)11と、通信I/F12と、I/O機器制御部13とがバスB1によって接続されて構成されている。
【0018】
なお、制御部10は、CPU(Central Processing Unit)10a、ROM10b、RAM(Random Access Memory)10c、チップセット10dなどを有して構成されている。
【0019】
また、制御部10には、バスB1およびI/O機器制御部13を介して、店員用の表示器2、キーボード3、プリンタ4、タッチパネル5、7セグメントLED6、HDD(Hard Disk Drive)7、ドロワ8などが接続されている。
【0020】
即ち、制御部10は、CPU10aがROM10bやHDD7などに格納されるプログラム(基本ソフトであるOS(Operating System)やPOSシステム用アプリケーションソフトウェアなど)をRAM10cなどに展開して実行することにより、I/O機器制御部13を介して接続される各種機器の動作を制御する。また、制御部10は、通信I/F12およびネットワーク(不図示)を介して接続される上位装置(ストアサーバなど)(不図示)との間で各種データを送受信する動作を制御する。
【0021】
また、BIOS−ROM11は、ファームウェア記憶手段として機能し、POST(Power−On Self Test)11aと、BIOSプログラム11bと、テーブル11cなどを格納している。
【0022】
POST11aは、電源投入時に実行される各ハードウェアを初期化するためのプログラムである。
【0023】
BIOSプログラム11bは、POST11aによる各ハードウェアの初期化処理においてエラーが発生した場合に、テーブル11cの情報に基づいて、エラーの発生および種別を7セグメントLED6を用いて通知する処理を実行するものである。
【0024】
テーブル11cは、エラー種別に対応して表示コードを記憶するテーブルである。例えば、本実施形態では、エラー種別が「HDDエラー」の場合に、表示コード「E」が対応付けられている。
【0025】
なお、表示コードとは、表示コードで示される数字や、ドットや、アルファベットを表現するのに、どのセグメント(6a〜6h)を構成するLEDを選択的に発光させればよいかを示す情報である。例えば、表示コード「E」は、7セグメントLED6のセグメント6a、6d、6f、6eおよび6g(図2参照)を構成するLEDを選択的に発光させることを示す情報である。
【0026】
図4は、POS端末1の機能的構成を示すブロック図である。
【0027】
図4に示すように、制御部10は、CPU10aがROM10bやBIOS−ROM11などに格納されるプログラムをRAM10c上に展開して実行することにより、エラー通知部110、CPU使用率通知部120、固有情報通知部130として機能する。
【0028】
エラー通知部110は、BIOS−ROM11に格納されるBIOSプログラム11bにより実現される機能部である。具体的には、このエラー通知部110は、OS起動するまでの各種エラーをチェックする。そして、エラー通知部110は、前記チェックの結果、エラーを検知した場合、テーブル11cの情報を参照し、7セグメントLED6を用いて、エラーの発生およびエラーの種別を店員や保守者に通知する。
【0029】
なお、エラー通知部110が監視する各種エラーとしては、例えば、HDDエラーや、CPU温度超過エラー、メモリエラーなどが挙げられる。ここで、HDDエラーは、例えば、HDD7に関するエラーで、データの読み取りが行えないなどのエラーである。また、CPU温度超過エラーは、例えば、CPU10aが備える温度センサ(不図示)により検知された温度が動作保障範囲を超過している際に検知されるエラーである。また、メモリエラーは、例えば、店員用の表示器2が初期化される以前に生じる各種メモリに関するエラーである。
【0030】
CPU使用率通知部120は、ROM10bやHDD7に格納されるプログラムであって、CPU10aの使用率を監視するプログラムにより実現される機能部である。具体的には、例えば、CPU使用率通知部120は、OS起動後に、一定時間経過する毎に、CPU10aの使用率を取得する。そして、CPU使用率通知部120は、一定時間経過毎に、取得したCPU10aの使用率の情報と、図5のテーブルT1の情報とに基づいて、7セグメントLED6を用いて、CPU10aの使用率を店員や保守者に通知する。
【0031】
図5は、テーブルT1の一構成例を示す模式図である。
【0032】
図5に示すように、このテーブルT1は、CPUの使用率(%)に対応した表示コードを登録するテーブルである。
【0033】
なお、CPUの使用率「0%以上10%未満」に対応付けられた表示コード「1」は、7セグメントLED6のセグメント6b、6c(図2参照)を構成するLEDを選択的に発光させることを示す情報である。また、CPUの使用率「40%以上50%未満」に対応付けられた表示コード「5」は、7セグメントLED6のセグメント6a、6c、6d、6fおよび6g(図2参照)を構成するLEDを選択的に発光させることを示す情報である。更に、CPUの使用率「90%以上100%以下」に対応付けられた表示コード「F」は、7セグメントLED6のセグメント6a、6e、6fおよび6g(図2参照)を構成するLEDを選択的に発光させることを示す情報である。
【0034】
固有情報通知部130は、ROM10bやHDD7に格納されるプログラムであって、固有情報(IPアドレスなど)を監視するプログラムにより実現される機能部である。具体的には、この固有情報通知部130は、OS起動後に、一定時間経過する毎に、POS端末1に固有に設定されている固有情報(IPアドレスなど)を表現するための表示コード(図6参照)を取得する。そして、固有情報通知部130は、一定時間経過毎に、取得した表示コードに基づいて、7セグメントLED6を用いて、固有情報を店員や保守者に通知する。
【0035】
図6は、テーブルT2の一構成例を示す模式図である。
【0036】
図6に示すように、このテーブルT2は、POS端末1に固有に設定されている固有情報を表現するための表示コードを登録するテーブルである。なお、図6の例では、固有情報として、POS端末1に固有に割り振られて設定されているIPアドレスを7セグメントLED6で表現するための表示コードを登録している様子を示している。
【0037】
また、図6の例では、IPアドレスが「12.34.56.78」であるため、表示コードが「スタート通知用の点灯12.34.56.78」である場合を示している。なお、この場合の表示コードは、「12.34.56.78」というIPアドレスの数字列を構成する数字やドットを一定時間経過毎に切り替え表示させるための情報である。
【0038】
なお、「スタート通知用の点灯」とは、店員や保守者にIPアドレスの表示のスタートを知らせるための点灯であり、例えば、全てのセグメント6a〜6hの点灯および消灯を一定時間(10秒など)繰り返し行うような点灯方法などを示している。
【0039】
なお、ここでいう固有情報とは、POS端末1に固有に設定される情報であり、IPアドレス以外にも、MAC(Media Access Control)アドレスや、通信先となる電子機器(ストアサーバなど)のアドレスや、レジ番号(POS端末の識別情報)などを設定することが可能である。
【0040】
次に、前記した構成のPOS端末1における各種処理動作について図7〜図12を用いて説明する。
【0041】
図7は、システム起動時において、BIOSプログラム11bの制御の下でCPU10aが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
図7に示すように、POS端末1の電源が投入(ON)されると(ステップS11)、ここでの処理が開始され、まず、CPU10aは、エラー通知部110が、OSを起動するまでのエラーをチェックする(ステップS12)。なお、この場合、エラー通知部110は、予め設定されている順番で各種のエラーの有無をチェックする。
【0043】
このチェックの結果、エラーが検知された場合(ステップS13:Yes)、続いて、エラー通知部110が、検知したエラーに対応付けられた表示コードに従って7セグメントLED6を用いてエラーの発生および種別を店員や保守者に通知する(ステップS14)。
【0044】
具体的には、ステップS14では、エラー通知部110は、テーブル11cに記憶されている表示コードで特定されるセグメント(6a〜6h)を構成するLEDを選択的に発光させることにより、表示コード(例えば、文字「E」)を7セグメントLED6で表現する。例えば、エラー通知部110が、HDDエラーを検知した場合には、テーブル11cの表示コード「E」に基づいて、7セグメントLED6のセグメント6a、6d、6f、6eおよび6gを構成するLEDを選択的に発光させ、図8に示すようなエラー通知を行う。
【0045】
ステップS14の後、全てのエラーのチェックが終了したか否かを判定し(ステップS15)、この判定の結果、全てのエラーのチェックが終了していなければ(ステップS15:No)、CPU10aは、処理をステップS12に移行させ、以下同様の処理を行う。
【0046】
他方、ステップS15の判定の結果、全てのエラーのチェックが終了していると判定した場合には(ステップS15:Yes)、CPU10aは、OSを起動して(ステップS16)、ここでの処理を終了する。
【0047】
なお、発生したエラーの種別によっては、ステップS16のOSの起動が行えない場合があるので、その場合には、CPU10aは、OSを起動せずに処理を停止する。
【0048】
一方、ステップS13の処理で、或るエラーのチェックの結果、エラーを検知できなかった場合には(ステップS13:No)、CPU10aは、ステップS14の処理を飛ばして処理をステップS15の処理に移行させて以下同様の処理を行う。即ち、7セグメントLED6は、システム起動(OSやアプリの起動前)までに有用なものである。
【0049】
図9および図11は、OSが起動した後のCPU10aが実行する処理の流れを示すフローチャートであり、図9が、CPU10aのCPU使用率通知部120が実行する処理手順を示し、図11が、固有情報通知部130が実行する処理手順を示している。
【0050】
図9において、OSが起動すると、CPU10aの使用率を監視するプログラムが起動し、CPU使用率通知部120が動作する。そして、CPU使用率通知部120は、CPU使用率を監視するプログラムが終了するまで、即ち、POS端末1の電源が遮断(OFF)されるまで、一定時間経過する毎に、CPU10aの使用率を取得する(ステップS21)。
【0051】
続いて、CPU使用率通知部120は、取得したCPU10aの使用率の情報と、図5のテーブルT1の情報とに基づいて、7セグメントLED6を用いて、CPU10aの使用率を店員や保守者に通知する(ステップS22)。
【0052】
具体的には、例えば、ステップS21で取得したCPU10aの使用率が「0%以上10%未満」であった場合、ステップS22の処理において、CPU使用率通知部120が、表示コード「1」に基づいて、7セグメントLED6のセグメント6b、6cを構成するLEDを選択的に発光させ、図10(a)に示すようなCPU使用率の通知を行う。
【0053】
また、例えば、ステップS21で取得したCPU10aの使用率が「40%以上50%未満」であった場合、ステップS22の処理において、CPU使用率通知部120が、表示コード「5」に基づいて、7セグメントLED6のセグメント6a、6c、6d、6fおよび6gを構成するLEDを選択的に発光させ、図10(b)に示すようなCPU使用率の通知を行う。
【0054】
また、例えば、ステップS21で取得したCPU10aの使用率が「90%以上100%以下」であった場合、ステップS22の処理において、CPU使用率通知部120が、表示コード「F」に基づいて、7セグメントLED6のセグメント6a、6e、6fおよび6gを構成するLEDを選択的に発光させ、図10(c)に示すようなCPU使用率の通知を行う。
【0055】
図11において、OSが起動すると、固有情報(IPアドレス)を監視するプログラムが起動し、固有情報通知部130が動作する。そして、固有情報通知部130は、固有情報(IPアドレス)を監視するプログラムが終了するまで、即ち、POS端末1の電源が遮断(OFF)されるまで、一定時間経過する毎に、固有情報(IPアドレス)を表現するための表示コード(図6参照)を取得する(ステップS31)。
【0056】
続いて、固有情報通知部130は、取得した固有情報(IPアドレス)に対応した表示コードに基づいて、7セグメントLED6を用いて、固有情報(IPアドレス)を店員や保守者に通知する(ステップS32)。
【0057】
具体的には、例えば、ステップS31で取得した固有情報(IPアドレス)を表現するための表示コードが、「スタート通知用の点灯12.34.56.78」であった場合、ステップS32の処理において、固有情報通知部130が、まず、スタート通知用の点灯を7セグメントLED6に行わせる。続いて、固有情報通知部130が、IPアドレス「12.34.56.78」の文字列を構成する数字やドットを順番に表示させるように7セグメントLED6の各セグメント(6a〜6h)を構成するLEDを選択的に発光させる。
【0058】
即ち、固有情報通知部130は、「スタート通知用の点灯」→「1」→「2」→「.」→「3」→「4」→「.」→「5」→「6」→「.」→「7」→「8」の表示を7セグメントLED6で繰り返し表示させる。
【0059】
なお、本実施形態では、図9の処理と図11の処理のいずれか一方のみを実行することが可能であるが、両者を交互に行うように構成しても良い。即ち、最初にCPU10aの使用率を通知し、その後、固有情報を通知するという動作を交互に行うように構成することも可能である。
【0060】
即ち、以上説明した実施形態によれば、店員用の表示器2とは別に設けられた7セグメントLED6などの表示器を有効に利用することが可能である。
【0061】
具体的には、従来から使用されている各種エラー通知以外にも、店員や保守者が必要な情報、即ち、装置に固有に設定される固有情報(IPアドレス)を通知することが可能となる。
【0062】
より具体的には、POS端末1の処理内容を表示する店員用の表示器2とは別の7セグメントLED6で固有情報(IPアドレスなど)を表示するように構成したため、キーボード3で所定の操作をしなくとも、店員や保守者が知り得たい固有情報を簡単に見ることができるので、店員によるPOS端末1の使用中でも固有情報を知ることができるし、従来のように、固有情報(IPアドレスなど)を記載した紙をPOS端末1の側面などに貼付しておかなくとも済むようになる。
【0063】
以上、例示的な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記した実施形態により限定されるものではない。
【0064】
例えば、前記した実施形態では、固有情報(IPアドレスなど)を通知する場合がOSの起動後である場合について説明した。しかし、これに限定されず、7セグメントLED6と、CPU10aとは別で7セグメントLED6を制御するCPUを搭載したモジュールを用意する。そして、そのモジュールに常に電源が供給されるように構成し、POS端末1本体の電源が遮断(OFF)されている場合でも、固有情報(IPアドレス)を7セグメントLED6で表示するように構成することも可能である。
【0065】
また、前記した実施形態では、エラー通知や、CPU使用率の通知や、固有情報の通知をする表示器として7セグメントLED6を用いる場合について説明した。しかし、これに限定されず、例えば表示器の各セグメントを構成する表示素子として、小型の冷陰極放電灯、蛍光表示管、白熱フィラメント、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)などを用いたセグメント表示器とすることも可能である。
【0066】
また、前記した実施形態では、本実施形態の電子機器およびプログラムを適用した電子機器をPOS端末である場合について説明したが、その他の電子機器であっても良いものとする。
【0067】
また、前記した実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、ROMなどの記憶部に予め組み込んで提供することが可能である。また、前記プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶して提供することが可能である。更に、前記プログラムは、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布したりすることも可能である。
【0068】
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1 POS端末
2 店員用の表示器(第1の表示器)
3 キーボード
4 プリンタ
5 タッチパネル
6 7セグメントLED(第2の表示器)
6a〜6h セグメント
10 制御部(通知手段)
10a CPU(通知手段)
110 エラー通知部(通知手段)
120 CPU使用率通知部(通知手段)
130 固有情報通知部(通知手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開平3−18943号公報
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器において、例えば7セグメントLED(Light Emitting Diode)などの、複数の表示素子がアラビア数字やアルファベットなどの各字形を表現し得る所定の形に配置されている表示器を備えたもの(特許文献1参照)が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この種の電子機器では、表示器を有効に利用していないなどの課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本実施形態の電子機器は、第1の表示器と、前記第1の表示器より表示する情報量が少なく、予め定められたメインの情報を表示する第2の表示器と、前記第2の表示器を用いて、前記メインの情報以外の情報を通知する通知手段と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本実施形態のPOS端末の概略的な外観構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、7セグメントLEDを正面から見た拡大正面図である。
【図3】図3は、POS端末の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、POS端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、テーブルの一構成例を示す模式図である。
【図6】図6は、テーブルの一構成例を示す模式図である。
【図7】図7は、システム起動時において、BIOSプログラムの制御の下でCPUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、エラーの通知例を示す模式図である。
【図9】図9は、OSが起動した後のCPUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図10は、CPU使用率の通知例を示す模式図である。
【図11】図11は、OSが起動した後のCPUが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、固有情報の通知例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
【0007】
なお、以下の説明では、本実施形態の電子機器およびプログラムを、POS(Point Of Sales System)システムの端末に適用した場合について説明する。POSシステムの端末は、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録する。
【0008】
図1は、本実施形態のPOS端末1の概略的な外観構成を示す斜視図である。
【0009】
このPOS端末1は、店舗の会計場所などに設置され、客が購入する商品の登録処理および会計処理を行う電子機器である。図1に示すように、このPOS端末1は、店員用の表示器2と、キーボード3と、プリンタ4と、タッチパネル5と、7セグメントLED6などを備えている。
【0010】
店員用の表示器2は、ドットマトリックス表示器であって、店員(キャッシャ)に対して処理内容などの各種情報を表示する。キーボード3は、店員(キャッシャ)が操作するテンキーなどの各種機能キーを有する。プリンタ4は、レシートなどを印字発行する。タッチパネル5は、店員用の表示器2に積層され、タッチ操作を入力する。7セグメントLED6は、数字、ドット、アルファベットなどを表示するものであり、店員用の表示器2に比べて表示サイズが小さく、且つ、表示する情報量が少ない表示器である。
【0011】
なお、図1では、図示を省略しているが、POS端末1は、貨幣を収納するドロワ(図3参照)と通信ケーブル(不図示)を介して通信接続されている。
【0012】
図2は、7セグメントLED6を正面から見た拡大正面図である。
【0013】
図2に示すように、本実施形態の7セグメントLED6は、小数点付きの7セグメントLEDである。具体的には、この7セグメントLED6は、0から9までの数字や、E、Fなどのアルファベットを表示するための棒状の7つのセグメント6a〜6gと、ドット(小数点)を表示する丸状の1つのセグメント6hを有している。なお、各セグメント6a〜6hは、LEDで構成されている。
【0014】
即ち、この小数点付きの7セグメントLED6は、8つのセグメントを構成するLEDを選択的に発光させることにより、数字、ドット、アルファベットなどを表現することが可能となっている。なお、7セグメントLED6を構成する個々のセグメントの大きさは、店員用の表示器2のドットよりも大きく、何れか一つのセグメントのみを点灯させたとしても、その点灯状態を遠目から容易に視認することができる。
【0015】
そして、本実施形態の7セグメントLED6は、OS起動前には、予め定められたメインの情報として、POS端末1のシステム起動時に検知したエラー(ハードウェア障害やシステム障害など)を通知する情報を表示する。また、本実施形態の7セグメントLED6は、OS起動後など、前記メインの情報を表示する必要のない時に、前記メインの情報以外の情報として、CPU10aの使用率を通知する情報や、固有情報(IP(Internet Protcol)アドレスなど)を通知する情報なども表示する。
【0016】
図3は、POS端末1の制御系のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0017】
図3に示すように、このPOS端末1は、パーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。例えば、このPOS端末1は、制御部10と、BIOS(Basic Input−Output System)−ROM(Read Only Memory)11と、通信I/F12と、I/O機器制御部13とがバスB1によって接続されて構成されている。
【0018】
なお、制御部10は、CPU(Central Processing Unit)10a、ROM10b、RAM(Random Access Memory)10c、チップセット10dなどを有して構成されている。
【0019】
また、制御部10には、バスB1およびI/O機器制御部13を介して、店員用の表示器2、キーボード3、プリンタ4、タッチパネル5、7セグメントLED6、HDD(Hard Disk Drive)7、ドロワ8などが接続されている。
【0020】
即ち、制御部10は、CPU10aがROM10bやHDD7などに格納されるプログラム(基本ソフトであるOS(Operating System)やPOSシステム用アプリケーションソフトウェアなど)をRAM10cなどに展開して実行することにより、I/O機器制御部13を介して接続される各種機器の動作を制御する。また、制御部10は、通信I/F12およびネットワーク(不図示)を介して接続される上位装置(ストアサーバなど)(不図示)との間で各種データを送受信する動作を制御する。
【0021】
また、BIOS−ROM11は、ファームウェア記憶手段として機能し、POST(Power−On Self Test)11aと、BIOSプログラム11bと、テーブル11cなどを格納している。
【0022】
POST11aは、電源投入時に実行される各ハードウェアを初期化するためのプログラムである。
【0023】
BIOSプログラム11bは、POST11aによる各ハードウェアの初期化処理においてエラーが発生した場合に、テーブル11cの情報に基づいて、エラーの発生および種別を7セグメントLED6を用いて通知する処理を実行するものである。
【0024】
テーブル11cは、エラー種別に対応して表示コードを記憶するテーブルである。例えば、本実施形態では、エラー種別が「HDDエラー」の場合に、表示コード「E」が対応付けられている。
【0025】
なお、表示コードとは、表示コードで示される数字や、ドットや、アルファベットを表現するのに、どのセグメント(6a〜6h)を構成するLEDを選択的に発光させればよいかを示す情報である。例えば、表示コード「E」は、7セグメントLED6のセグメント6a、6d、6f、6eおよび6g(図2参照)を構成するLEDを選択的に発光させることを示す情報である。
【0026】
図4は、POS端末1の機能的構成を示すブロック図である。
【0027】
図4に示すように、制御部10は、CPU10aがROM10bやBIOS−ROM11などに格納されるプログラムをRAM10c上に展開して実行することにより、エラー通知部110、CPU使用率通知部120、固有情報通知部130として機能する。
【0028】
エラー通知部110は、BIOS−ROM11に格納されるBIOSプログラム11bにより実現される機能部である。具体的には、このエラー通知部110は、OS起動するまでの各種エラーをチェックする。そして、エラー通知部110は、前記チェックの結果、エラーを検知した場合、テーブル11cの情報を参照し、7セグメントLED6を用いて、エラーの発生およびエラーの種別を店員や保守者に通知する。
【0029】
なお、エラー通知部110が監視する各種エラーとしては、例えば、HDDエラーや、CPU温度超過エラー、メモリエラーなどが挙げられる。ここで、HDDエラーは、例えば、HDD7に関するエラーで、データの読み取りが行えないなどのエラーである。また、CPU温度超過エラーは、例えば、CPU10aが備える温度センサ(不図示)により検知された温度が動作保障範囲を超過している際に検知されるエラーである。また、メモリエラーは、例えば、店員用の表示器2が初期化される以前に生じる各種メモリに関するエラーである。
【0030】
CPU使用率通知部120は、ROM10bやHDD7に格納されるプログラムであって、CPU10aの使用率を監視するプログラムにより実現される機能部である。具体的には、例えば、CPU使用率通知部120は、OS起動後に、一定時間経過する毎に、CPU10aの使用率を取得する。そして、CPU使用率通知部120は、一定時間経過毎に、取得したCPU10aの使用率の情報と、図5のテーブルT1の情報とに基づいて、7セグメントLED6を用いて、CPU10aの使用率を店員や保守者に通知する。
【0031】
図5は、テーブルT1の一構成例を示す模式図である。
【0032】
図5に示すように、このテーブルT1は、CPUの使用率(%)に対応した表示コードを登録するテーブルである。
【0033】
なお、CPUの使用率「0%以上10%未満」に対応付けられた表示コード「1」は、7セグメントLED6のセグメント6b、6c(図2参照)を構成するLEDを選択的に発光させることを示す情報である。また、CPUの使用率「40%以上50%未満」に対応付けられた表示コード「5」は、7セグメントLED6のセグメント6a、6c、6d、6fおよび6g(図2参照)を構成するLEDを選択的に発光させることを示す情報である。更に、CPUの使用率「90%以上100%以下」に対応付けられた表示コード「F」は、7セグメントLED6のセグメント6a、6e、6fおよび6g(図2参照)を構成するLEDを選択的に発光させることを示す情報である。
【0034】
固有情報通知部130は、ROM10bやHDD7に格納されるプログラムであって、固有情報(IPアドレスなど)を監視するプログラムにより実現される機能部である。具体的には、この固有情報通知部130は、OS起動後に、一定時間経過する毎に、POS端末1に固有に設定されている固有情報(IPアドレスなど)を表現するための表示コード(図6参照)を取得する。そして、固有情報通知部130は、一定時間経過毎に、取得した表示コードに基づいて、7セグメントLED6を用いて、固有情報を店員や保守者に通知する。
【0035】
図6は、テーブルT2の一構成例を示す模式図である。
【0036】
図6に示すように、このテーブルT2は、POS端末1に固有に設定されている固有情報を表現するための表示コードを登録するテーブルである。なお、図6の例では、固有情報として、POS端末1に固有に割り振られて設定されているIPアドレスを7セグメントLED6で表現するための表示コードを登録している様子を示している。
【0037】
また、図6の例では、IPアドレスが「12.34.56.78」であるため、表示コードが「スタート通知用の点灯12.34.56.78」である場合を示している。なお、この場合の表示コードは、「12.34.56.78」というIPアドレスの数字列を構成する数字やドットを一定時間経過毎に切り替え表示させるための情報である。
【0038】
なお、「スタート通知用の点灯」とは、店員や保守者にIPアドレスの表示のスタートを知らせるための点灯であり、例えば、全てのセグメント6a〜6hの点灯および消灯を一定時間(10秒など)繰り返し行うような点灯方法などを示している。
【0039】
なお、ここでいう固有情報とは、POS端末1に固有に設定される情報であり、IPアドレス以外にも、MAC(Media Access Control)アドレスや、通信先となる電子機器(ストアサーバなど)のアドレスや、レジ番号(POS端末の識別情報)などを設定することが可能である。
【0040】
次に、前記した構成のPOS端末1における各種処理動作について図7〜図12を用いて説明する。
【0041】
図7は、システム起動時において、BIOSプログラム11bの制御の下でCPU10aが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
図7に示すように、POS端末1の電源が投入(ON)されると(ステップS11)、ここでの処理が開始され、まず、CPU10aは、エラー通知部110が、OSを起動するまでのエラーをチェックする(ステップS12)。なお、この場合、エラー通知部110は、予め設定されている順番で各種のエラーの有無をチェックする。
【0043】
このチェックの結果、エラーが検知された場合(ステップS13:Yes)、続いて、エラー通知部110が、検知したエラーに対応付けられた表示コードに従って7セグメントLED6を用いてエラーの発生および種別を店員や保守者に通知する(ステップS14)。
【0044】
具体的には、ステップS14では、エラー通知部110は、テーブル11cに記憶されている表示コードで特定されるセグメント(6a〜6h)を構成するLEDを選択的に発光させることにより、表示コード(例えば、文字「E」)を7セグメントLED6で表現する。例えば、エラー通知部110が、HDDエラーを検知した場合には、テーブル11cの表示コード「E」に基づいて、7セグメントLED6のセグメント6a、6d、6f、6eおよび6gを構成するLEDを選択的に発光させ、図8に示すようなエラー通知を行う。
【0045】
ステップS14の後、全てのエラーのチェックが終了したか否かを判定し(ステップS15)、この判定の結果、全てのエラーのチェックが終了していなければ(ステップS15:No)、CPU10aは、処理をステップS12に移行させ、以下同様の処理を行う。
【0046】
他方、ステップS15の判定の結果、全てのエラーのチェックが終了していると判定した場合には(ステップS15:Yes)、CPU10aは、OSを起動して(ステップS16)、ここでの処理を終了する。
【0047】
なお、発生したエラーの種別によっては、ステップS16のOSの起動が行えない場合があるので、その場合には、CPU10aは、OSを起動せずに処理を停止する。
【0048】
一方、ステップS13の処理で、或るエラーのチェックの結果、エラーを検知できなかった場合には(ステップS13:No)、CPU10aは、ステップS14の処理を飛ばして処理をステップS15の処理に移行させて以下同様の処理を行う。即ち、7セグメントLED6は、システム起動(OSやアプリの起動前)までに有用なものである。
【0049】
図9および図11は、OSが起動した後のCPU10aが実行する処理の流れを示すフローチャートであり、図9が、CPU10aのCPU使用率通知部120が実行する処理手順を示し、図11が、固有情報通知部130が実行する処理手順を示している。
【0050】
図9において、OSが起動すると、CPU10aの使用率を監視するプログラムが起動し、CPU使用率通知部120が動作する。そして、CPU使用率通知部120は、CPU使用率を監視するプログラムが終了するまで、即ち、POS端末1の電源が遮断(OFF)されるまで、一定時間経過する毎に、CPU10aの使用率を取得する(ステップS21)。
【0051】
続いて、CPU使用率通知部120は、取得したCPU10aの使用率の情報と、図5のテーブルT1の情報とに基づいて、7セグメントLED6を用いて、CPU10aの使用率を店員や保守者に通知する(ステップS22)。
【0052】
具体的には、例えば、ステップS21で取得したCPU10aの使用率が「0%以上10%未満」であった場合、ステップS22の処理において、CPU使用率通知部120が、表示コード「1」に基づいて、7セグメントLED6のセグメント6b、6cを構成するLEDを選択的に発光させ、図10(a)に示すようなCPU使用率の通知を行う。
【0053】
また、例えば、ステップS21で取得したCPU10aの使用率が「40%以上50%未満」であった場合、ステップS22の処理において、CPU使用率通知部120が、表示コード「5」に基づいて、7セグメントLED6のセグメント6a、6c、6d、6fおよび6gを構成するLEDを選択的に発光させ、図10(b)に示すようなCPU使用率の通知を行う。
【0054】
また、例えば、ステップS21で取得したCPU10aの使用率が「90%以上100%以下」であった場合、ステップS22の処理において、CPU使用率通知部120が、表示コード「F」に基づいて、7セグメントLED6のセグメント6a、6e、6fおよび6gを構成するLEDを選択的に発光させ、図10(c)に示すようなCPU使用率の通知を行う。
【0055】
図11において、OSが起動すると、固有情報(IPアドレス)を監視するプログラムが起動し、固有情報通知部130が動作する。そして、固有情報通知部130は、固有情報(IPアドレス)を監視するプログラムが終了するまで、即ち、POS端末1の電源が遮断(OFF)されるまで、一定時間経過する毎に、固有情報(IPアドレス)を表現するための表示コード(図6参照)を取得する(ステップS31)。
【0056】
続いて、固有情報通知部130は、取得した固有情報(IPアドレス)に対応した表示コードに基づいて、7セグメントLED6を用いて、固有情報(IPアドレス)を店員や保守者に通知する(ステップS32)。
【0057】
具体的には、例えば、ステップS31で取得した固有情報(IPアドレス)を表現するための表示コードが、「スタート通知用の点灯12.34.56.78」であった場合、ステップS32の処理において、固有情報通知部130が、まず、スタート通知用の点灯を7セグメントLED6に行わせる。続いて、固有情報通知部130が、IPアドレス「12.34.56.78」の文字列を構成する数字やドットを順番に表示させるように7セグメントLED6の各セグメント(6a〜6h)を構成するLEDを選択的に発光させる。
【0058】
即ち、固有情報通知部130は、「スタート通知用の点灯」→「1」→「2」→「.」→「3」→「4」→「.」→「5」→「6」→「.」→「7」→「8」の表示を7セグメントLED6で繰り返し表示させる。
【0059】
なお、本実施形態では、図9の処理と図11の処理のいずれか一方のみを実行することが可能であるが、両者を交互に行うように構成しても良い。即ち、最初にCPU10aの使用率を通知し、その後、固有情報を通知するという動作を交互に行うように構成することも可能である。
【0060】
即ち、以上説明した実施形態によれば、店員用の表示器2とは別に設けられた7セグメントLED6などの表示器を有効に利用することが可能である。
【0061】
具体的には、従来から使用されている各種エラー通知以外にも、店員や保守者が必要な情報、即ち、装置に固有に設定される固有情報(IPアドレス)を通知することが可能となる。
【0062】
より具体的には、POS端末1の処理内容を表示する店員用の表示器2とは別の7セグメントLED6で固有情報(IPアドレスなど)を表示するように構成したため、キーボード3で所定の操作をしなくとも、店員や保守者が知り得たい固有情報を簡単に見ることができるので、店員によるPOS端末1の使用中でも固有情報を知ることができるし、従来のように、固有情報(IPアドレスなど)を記載した紙をPOS端末1の側面などに貼付しておかなくとも済むようになる。
【0063】
以上、例示的な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記した実施形態により限定されるものではない。
【0064】
例えば、前記した実施形態では、固有情報(IPアドレスなど)を通知する場合がOSの起動後である場合について説明した。しかし、これに限定されず、7セグメントLED6と、CPU10aとは別で7セグメントLED6を制御するCPUを搭載したモジュールを用意する。そして、そのモジュールに常に電源が供給されるように構成し、POS端末1本体の電源が遮断(OFF)されている場合でも、固有情報(IPアドレス)を7セグメントLED6で表示するように構成することも可能である。
【0065】
また、前記した実施形態では、エラー通知や、CPU使用率の通知や、固有情報の通知をする表示器として7セグメントLED6を用いる場合について説明した。しかし、これに限定されず、例えば表示器の各セグメントを構成する表示素子として、小型の冷陰極放電灯、蛍光表示管、白熱フィラメント、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)などを用いたセグメント表示器とすることも可能である。
【0066】
また、前記した実施形態では、本実施形態の電子機器およびプログラムを適用した電子機器をPOS端末である場合について説明したが、その他の電子機器であっても良いものとする。
【0067】
また、前記した実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、ROMなどの記憶部に予め組み込んで提供することが可能である。また、前記プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶して提供することが可能である。更に、前記プログラムは、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布したりすることも可能である。
【0068】
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1 POS端末
2 店員用の表示器(第1の表示器)
3 キーボード
4 プリンタ
5 タッチパネル
6 7セグメントLED(第2の表示器)
6a〜6h セグメント
10 制御部(通知手段)
10a CPU(通知手段)
110 エラー通知部(通知手段)
120 CPU使用率通知部(通知手段)
130 固有情報通知部(通知手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開平3−18943号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表示器と、
前記第1の表示器より表示する情報量が少なく、予め定められたメインの情報を表示する第2の表示器と、
前記第2の表示器を用いて、前記メインの情報以外の情報を通知する通知手段と、
を有する電子機器。
【請求項2】
前記メインの情報は、システム障害を通知する情報であり、
前記通知手段は、第2の表示器を用いて、前記システム障害を通知する情報以外の情報として、装置に固有に設定される固有情報を通知する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記固有情報は、装置に固有に割り振られているIPアドレスであり、
前記通知手段は、第2の表示器を用いて、前記IPアドレスを通知する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記通知手段は、第2の表示器を用いて、前記メインの情報以外の情報として、CPUの使用率を示す情報を通知する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第2の表示器は、7セグメント表示器で構成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
第1の表示器と、前記第1の表示器より表示する情報量が少なく、予め定められたメインの情報を表示する第2の表示器とを有するコンピュータを、
前記第2の表示器を用いて、前記メインの情報以外の情報を通知する通知手段と、
して機能させるプログラム。
【請求項1】
第1の表示器と、
前記第1の表示器より表示する情報量が少なく、予め定められたメインの情報を表示する第2の表示器と、
前記第2の表示器を用いて、前記メインの情報以外の情報を通知する通知手段と、
を有する電子機器。
【請求項2】
前記メインの情報は、システム障害を通知する情報であり、
前記通知手段は、第2の表示器を用いて、前記システム障害を通知する情報以外の情報として、装置に固有に設定される固有情報を通知する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記固有情報は、装置に固有に割り振られているIPアドレスであり、
前記通知手段は、第2の表示器を用いて、前記IPアドレスを通知する、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記通知手段は、第2の表示器を用いて、前記メインの情報以外の情報として、CPUの使用率を示す情報を通知する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第2の表示器は、7セグメント表示器で構成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項6】
第1の表示器と、前記第1の表示器より表示する情報量が少なく、予め定められたメインの情報を表示する第2の表示器とを有するコンピュータを、
前記第2の表示器を用いて、前記メインの情報以外の情報を通知する通知手段と、
して機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−238193(P2012−238193A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107055(P2011−107055)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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