説明

電子機器とのヒューマン・マシン・インタフェーシングの為の方法、回路、装置及びシステム

開示内容は、コンピュータプラットフォーム又は携帯電話、スマートフォン、電子ブック、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータなどの他のあらゆる電子機器とのヒューマン・マシン・インタフェーシングの為の方法、回路、装置及びシステムである。本発明のいくつかの実施形態によれば、キーボード、キーパッド、又は、タッチスクリーンディスプレイに描出され又は描画されるであろう、描画又は描出されるキー又はボタンなどの一つ以上の入力要素を含む他のあらゆるタッチスクリーン入力配列などの、適応型のタッチスクリーン入力配列が提供されても良い。適応型のタッチスクリーン入力配列は、指、手足又はユーザがスクリーンをタッチするために用いる用具に近接する入力要素のサイズ、形状又は位置を変更するように構成されていても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にはエレクトロニクスの分野に関する。さらに詳細には、本発明は、移動機器、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ又は電子機器のあらゆる統合された組合せなどの、電子機器とのヒューマン・インタフェースを促進するための方法、回路、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数十年、通信技術を含む電子技術が、我々の生活に大きな変革をもたらしている。PDA、携帯電話、電子ブック(e-book)、ノートブックコンピュータ、移動型メディアプレーヤ、及びデジタルカメラなどの電子機器は、発展した世界に住んでいる殆ど全ての人々−そして後進国に住むかなりの数の人々−の生活に浸透している。特に、移動型の通信及びコンピューティングデバイスは、無数の人々が世界との個人的な及び職業上での双方的交流を行う手段となった。これらの機器を生産性を向上させる手段として用いる多くの人々にとって、特にビジネス界における人々にとって、これらの電子機器へのアクセス無しに役目を果たすことは殆ど不可能になった。
【0003】
しかしながら、電子機器の使用のこの途方もなく大きい増加と共に、改善された生産性と簡便さ又は便利さとの間にトレードオフが進行してきている。機器がより多くのタスクを実行するように発展するにしたがって、これらの機器とやり取りするために必要なインタフェースの複雑さも同様に増加する。今日の手持ち式機器の多くが完全なタイプライタキーボードの幾つかの又は他のバリエーションを備えるようになっている。幾つかの機器は、本質的に電気機械式である固定のキーボードを有し、他方、他の機器は、キーボード、キーパッド又はこれらのいずれかのバリエーションを、タッチスクリーンセンサアレイと結合されたディスプレイ上に描出する。移動又は手持ち式の機器が待ち運びに十分コンパクトであることを維持する必要性のために、これらの機器に実現された多くの物理的な又は仮想なもの(すなわち、描出されたキーボード又はキーパッド)は、平均的なヒトの指と比較しとても小さなキー又はインタフェース部品を有する。
【0004】
したがって、電子機器とインタフェースする為の改良された方法、回路、装置及びシステムに対する要求が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態によれば、コンピュータプラットフォーム又は携帯電話、スマートフォン、電子ブック、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータなどの他のあらゆる電子機器とのヒューマン・マシン・インタフェーシングの為の方法、回路、装置及びシステムが提供される。本発明のいくつかの実施形態によれば、キーボード、キーパッド、又は、タッチスクリーンディスプレイに描出され又は描画されるであろう、描画又は描出されるキー又はボタンなどの一つ以上の入力要素を含む他のあらゆるタッチスクリーン入力配列などの、適応型のタッチスクリーン入力配列が提供されても良い。適応型のタッチスクリーン入力配列は、指、手足又はユーザがスクリーンをタッチするために用いる用具に近接する入力要素のサイズ、形状又は位置を変更するように構成されていても良い。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態によれば、(1)イメージセンサ、(2)イメージセンサアレイ、(3)静電センサ、(4)容量センサ、又は、他のあらゆる機能的に適合したセンサのような一つ以上のセンサが、タッチスクリーンに接近する指、手足、又は用具の位置及び/又は動きベクトルを感知しても良い。これらのセンサ、入力要素又はキーに対する指/手足/用具の感知された位置又は動きベクトルの指示を適応型のタッチスクリーン入力配列に提供し、−それによってどの入力要素又はキーに接近がなされているかを指示しても良い。この指示に応答して、タッチスクリーン入力配列は、感知された指、手足又は用具に近接する入力要素のサイズ、形状又は位置を変更しそれらを目立つようにし(例えば、大きくし、又はより良い位置にして)、そして、いっそう係わり易くしても良い。
【0007】
本発明のさらなる実施形態によれば、表示及びセンシング要素を備えるヒューマン・インタフェース面(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)が提供されても良い。表示要素及びセンシング要素は、単一の基板要素に一体化されても良く、又は、重ね合わせるやり方で機械的に互いに取り付けられる別々の基板の一部であっても良い。本発明の更なる実施形態によれば、表示構成テーブル(例えば、キーの位置及びサイズを含む仮想キーボードレイアウト)に格納されたデータの少なくとも一部分、及び、機器の現在の状態に基づいて、ヒューマン・インタフェースの表示要素に一つ以上の表示信号を送信するように構成されたコントローラ(例えば、表示駆動回路)が提供されても良い。機器の現在の状態は、センシング要素から受信された一つ以上の信号、及び/又は機器から受信した一つ以上の信号に基づいて決定されても良い。
【0008】
本発明のさらなる実施形態によれば、コントローラは、(例えば、センシング要素がタッチされたときに)機能又は機器コマンド信号をセンシング要素から受信された一つ以上の信号のそれぞれに関連付けても良く、この場合、コマンド又は機能の関連付けは、センシング要素構成テーブルの第1データセットからのデータに少なくとも部分的に基づいていても良い。センシング要素構成テーブルから選択されるデータは、コントローラが表示要素に一つ以上の信号を送信するために用いられる表示構成からのデータに関連付けられても良い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
発明とみなされる主題は、本明細書の結びの部分において部分的に指摘され明示的に主張されている。しかしながら、本目的、特徴及び効果と共に、構成及び動作方法の両方について、本発明は、添付の図面と共に読まれるとき詳細な説明を参照することによって最もよく理解されるであろう。
【図1】図1は、インタフェース面、及びこのインタフェース面を駆動し相互作用する様々な電気的機能ブロックを備える、本発明のいくつかの実施形態による典型的な携帯機器のブロック図である。説明の簡潔さ及び明瞭性のために、図に示された要素は、必ずしも一定の比率で拡大されているわけではない。例えば、明瞭性の為、要素の幾つかの寸法は、他の要素と比較して拡大されているであろう。更に、適当な場合には、参照符号は、対応の又は類似の要素を示す為に各図で繰り返して用いられるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明において、発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な内容が述べられる。しかしながら、当技術分野における当業者であれば、それらの詳細な内容なしでも本発明が実施されるであろうことを理解するであろう。他の場合には、良く知られた方法、手続き、部品及び回路が、本発明をあいまいにしないために詳細に述べられる。
特に断らない限り、以下の議論から明らかなように、「処理」、「演算」、「計算」、「決定」又はこれらに類似する語は、コンピュータシステムのレジスタ及び/又はメモリ内での物理的な(例えば電子的な)量で表されるデータを操作し及び/又はコンピュータシステムのメモリ、レジスタ、又は他の情報記憶装置、送信又は表示デバイス内での物理的な量で同様に表される他のデータに変換するコンピュータ、コンピュータシステム又は同様な電子コンピューティングデバイスの動作及び/又は処理を意味する。
【0011】
本発明の実施形態は、本明細書内での動作を実行するための装置を含む。この装置は、所望の目的の為に特に構築されても良く、或いは、コンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に活性化され或いは再構成される汎用コンピュータを備えていても良い。このようなコンピュータプログラムは、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的にプログラム可能なリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的にプログラム及び消去可能なリードオンリーメモリ(EEPROM)、磁気又は光カード、又は電子的な命令を格納しコンピュータシステムバスに結合することができる他のあらゆるタイプの媒体のような、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されても良い。
【0012】
本明細書において提示される処理及び表示は、特定のコンピュータ又は他の装置に本質的に関連するものではない。様々な汎用目的のシステムが、本明細書における教示にしたがうプログラムによって用いられても良く、所望の方法を実行するようにいっそう特殊な装置を構築することが都合が良いことが分かるであろう。これらの様々なシステムのための所望の構造が、以下で述べる詳細な説明において現れるであろう。また、本発明の実施形態は、特定のプログラム言語を参照して記載されるのではない。様々な種類のプログラム言語を、本明細書に記載される本発明の教示を実現するために用いて良いことが理解されるであろう。
【0013】
実施形態によれば、非接触センサから指、手足、又は用具の位置或いは動きベクトルに関する信号或いは指示に基づいて入力要素のサイズ、位置又は形状を変更するように構成された適応型のタッチスクリーン入力要素配列を備える電子機器の為のインタフェース装置が提供される。タッチスクリーン入力要素配列は、一つ以上の入力要素を描画するよう構成され及び一つ以上の要素をディスプレイに描出するように構成されたグラフィック処理回路と関連付けられた表示機能を備えていても良い。装置は、上記ディスプレイに近接して、指、手足又は用具の位置又は動きベクトルを感知するように構成された非接触センサを備えていても良い。非接触センサの出力から導かれる信号は、グラフィックス処理回路に提供されても良く、また、グラフィック処理回路に一つ以上の描出されたインタフェース要素の特徴を変更させても良い−例えば、指、手足、又は用具に近接する入力要素(例えば、ディスプレイに描出されたキーボードのキー及びそれに関連付けられたタッチセンサエリア)のサイズが拡大されても良い。非接触センサは、(1)近接センサ、(2)イメージセンサ、(3)イメージセンサアレイ、(4)静電センサ及び(5)容量センサからなるセンサグループから選択されても良い。インタフェース装置は、コンピュータデバイス、通信デバイス、又は、今日知られている又は将来発展するあらゆる電子機器の一部であっても良い。
【0014】
図1に戻り、図1は、本発明のいくつかの実施形態による典型的な携帯機器のブロック図であり、インタフェース面、及び、そのインタフェース面及びタッチスクリーン組立品を駆動し及びそれらと相互作用する様々な電気的機能ブロックを含んでいる。この典型的な機器は、インタフェース面10の表示要素(例えば、発光ダイオード、LCDなど)と機能的に関連付けられた表示要素ドライバ300への信号を統制するよう構成されたコントローラ100を備えていても良い。コントローラは、インタフェース面のタッチセンシング要素(例えばタッチセンサなど)と機能的に関連づけられたタッチセンシング要素デコーダ400からの信号を受信するように構成されていても良い。コントローラは、指/手足/用具の位置、動き指示、或いは、非接触センサ600からの情報を受信するように構成されていても良い。
【0015】
なお、コントローラ100は、プロセッサ、グラフィックプロセッサ、専用の制御ロジック、又はこれらのあらゆる組合せであっても良い。
【0016】
構成データベース200は、コントローラ100が表示要素ドライバへの信号の流れを統制するのに用いられる情報を含んでいても良い。図1に示すように、構成データベース200は、装置にインストールされたアプリケーション500Aから500Nのそれぞれについてインタフェース要素(例えばボタン又は表示領域)の形状及び位置といった情報を含んでいても良い。当業者であれば、上述のボタンや表示領域などのインタフェース要素が、物理的なボタンや表示では無く、むしろ、表示面10を通して描出される仮想的な要素であると理解するであろう。与えられたアプリケーション500Aから500Nそれぞれについて、構成データベース200は、特定の機能に対し与えられたアプリケーションと関連する表示情報/要素に対応するセンシング要素マッピング情報をも含んでいても良い。コントローラ100は、どのインタフェース要素が(画面がタッチされたときに)ユーザと対話しているか、及び、その対話がどの機能/命令を始動させるのかを決定するためにそのマッピング情報を用いても良い。
【0017】
コントローラは、センシング面又はセンシング面に描出されたあらゆる要素に対する指/手足/用具の位置又は動きに関して、非接触センサ600によって提供される信号又は指示に基づいて、表示要素によって描出/描画されたあらゆる要素のサイズ、形状、場所、又は他の特徴を変更するように構成されていても良い。コントローラは、指/手足/用具が近付いてきている入力要素をいっそう目立たせるようにしても良い。コントローラは、調整された描出/描画入力要素のサイズ、形状又は位置と相関するように、そのタッチセンサ要素を機能マッピングに対して調整しても良い。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、非接触センサ600は、タッチスクリーン又はその上に描出/描画/表示された要素に対する指/手足/用具の位置及び/又は動きを決定するように構成されていても良い。非接触センサは、画像ベースのヒューマン・マシン・インタフェースであっても良い。画像ベースのヒューマン・マシン・インタフェースは、一つ以上のイメージセンサ、及び、コントローラ、他の汎用プロセッサ又は専用のプロセッサ上で動作するソフトウェアを含んでいても良い。本発明のさらなる実施形態によれば、センサ600は、静電センサ配列の一部であっても良い。当業者であれば、機能的に関連するあらゆる非接触センサが本発明のいくつかの実施形態の一部として用いられても良いことを理解するであろう。
【0019】
本明細書において本発明の特定の特徴が説明され記載されてきたけれども、多くの部分的修正、代替、変更及び均等物を、今、当業者であれば想起するであろう。したがって、添付されたクレームは、本発明の真の精神に含まれるこのような部分的修正や変更の全てをカバーする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器のためのインタフェース装置であって、
非接触センサからの指、手足又は用具の位置又は動きベクトルに関する指示に基づいて入力要素のサイズ、位置又は形状を変更するように構成された適応型のタッチスクリーン入力配列を備える、インタフェース装置。
【請求項2】
前記適応型のタッチスクリーン入力配列はディスプレイの機能を有し、該ディスプレイの機能は、一つ以上の入力要素を描画し該一つ以上の要素を前記ディスプレイに描出するように構成されたグラフィック処理回路と関連付けられている、請求項1に記載のインタフェース装置。
【請求項3】
前記ディスプレイに近接する指、手足又は用具の位置又は動きベクトルを感知するように構成されている非接触センサを更に備える、請求項2に記載のインタフェース装置。
【請求項4】
前記非接触センサの出力から導かれる信号は、前記グラフィック処理回路に提供される、請求項3に記載のインタフェース装置。
【請求項5】
前記非接触センサは、(1)近接センサ、(2)イメージセンサ、(3)イメージセンサアレイ、(4)静電センサ及び(5)容量センサからなるセンサグループから選択される、請求項3に記載のインタフェース装置。
【請求項6】
指、手足又は用具の位置に近接する入力要素のサイザが拡大される、請求項1に記載のインタフェース装置。
【請求項7】
プロセッサと、
非接触センサからの指、手足又は用具の位置又は動きベクトルに関する指示に基づいて入力要素のサイズ、位置又は形状を変更するように構成された適応型のタッチスクリーン入力配列と、
を備える電子機器。
【請求項8】
前記適応型のタッチスクリーン入力配列はディスプレイの機能を有し、該ディスプレイの機能は、一つ以上の入力要素を描画し該一つ以上の要素を前記ディスプレイに描出するように構成されたグラフィック処理回路と関連付けられている、請求項7に記載に電子機器。
【請求項9】
前記ディスプレイに近接する指、手足又は用具の位置又は動きベクトルを感知するように構成されている非接触センサを更に備える、請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記非接触センサの出力から導かれる信号は、前記グラフィック処理回路に提供される、請求項9に記載の電子機器。
【請求項11】
前記非接触センサは、(1)近接センサ、(2)イメージセンサ、(3)イメージセンサアレイ、(4)静電センサ及び(5)容量センサからなるセンサグループから選択される、請求項9に記載の電子機器。
【請求項12】
指、手足又は用具の位置に近接する入力要素のサイズが拡大される、請求項7に記載の電子機器。



【図1】
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【公表番号】特表2013−505493(P2013−505493A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529401(P2012−529401)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【国際出願番号】PCT/IL2010/000791
【国際公開番号】WO2011/033519
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(507031974)エクストリーム リアリティー エルティーディー. (5)
【Fターム(参考)】