説明

電子機器の回動スイッチ機構、および電子機器

【課題】 簡単な構成で、回動操作部材と保持部材との間のがたつきを防止するとともに、操作時であっても、回動操作部材の突出方向と逆方向に沿った移動量に基づく違和感を低減する。
【解決手段】径方向外方に突出した操作突起22bを有する円形状のレバー部22とそのレバー部22よりも径が小さな円筒状の筒状部21とを備える回動操作部材20と、筒状部21を回動自在に遊嵌する孔部31を備える保持部材30と、を有する電子機器1の回動スイッチ機構10であって、回動操作部材20の筒状部21を、回動操作部材20における操作突起22bの突出方向と反対方向に向かって付勢する付勢部40を有し、回動操作部材20は、付勢部40の付勢により、筒状部21と保持部材30の一部分とが圧接された状態で、保持部材30に回動自在に保持されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の回動スイッチ機構、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、撮像倍率の調節を行うために回動スイッチ機構を備えた撮像装置が知られている。ユーザは回動スイッチ機構の回動操作部材を操作することで、簡単に撮像倍率の調節を行うことが可能である。また、各種操作入力を行うために回動スイッチ機構を搭載した電子機器が知られている。一般的な回動スイッチ機構を図11を参照しながら説明する。
【0003】
図11は、一般的な電子機器の回動スイッチ機構を説明するための底面図である。回動スイッチ機構100は、回動操作部材101と保持部材102とを有する。回動操作部材101は円筒形状部103を有し、円筒形状部103の一端部には全周のうち規定方向に、径方向外方に向かって突出した形状のレバー部104が備えられている。保持部材102には円形状の孔部105が形成され、孔部105に円筒形状部103が回動自在に嵌合されている。
【0004】
回動スイッチ機構100では、レバー部104の円筒形状部103の回動状態に応じて、例えばスイッチ接点(不図示)の開状態及び閉状態が制御される。この回動スイッチ機構100を採用した電子機器である撮像装置は、回動スイッチ機構100からの開状態及び閉状態を示す信号に基づいて、所定の動作、例えば撮像倍率や表示画像の倍率の制御を行う。
【0005】
また、弾性の複数のアームが設けられた回動操作部材を備える電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。この電子機器は、複数のアームの弾性力により回動操作部材の回転停止位置の精度を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−273324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、図11(a)に示した回動スイッチ機構100において、円筒形状部103の外径は、保持部材102の孔部105の内径より僅かに小さく、円筒形状部103と孔部105との間に所定の間隙106が形成されている。このため、ユーザによるレバー部104の操作時に、がたつき等の不具合が生じる場合がある。
【0008】
詳細には、図11(b)、図11(c)に示すように、レバー部104の操作時に、左方向または右方向への荷重と、後方向(レバー部104の突出方向と逆方向)への荷重とがレバー部104に加えられ、回動操作部材101と保持部材102とが接触し、非操作時に、回動操作部材101と保持部材102が非接触状態となる。このため、操作時の指先に違和感を感じる不具合が生じる場合がある。
【0009】
例えば、間隙106を比較的小さく設定した場合、操作時に、円筒形状部103と孔部105との間で大きな摺動抵抗が生じて、操作性が低下する、組立て不良率が増大する等の不具合が生じる場合がある。
【0010】
上記特許文献1に記載された電子機器では、複数のアームの弾性力により、回動操作部材が突起部の突出方向に向かって付勢されているので、非操作時には、回動操作部材のがたつきが比較的小さい。
【0011】
しかしながら、操作時には、ユーザの指の押圧に応じて、回動操作部材が突起部の突出方向と逆方向に移動し、その移動量に応じた弾性反発力が指に作用する。回動操作部材から指が離れた場合、アームの弾性力により初期位置に移動する。この回動操作部材を操作するときの突起部突出方向と逆方向に沿った移動量に基づく違和感を低減したいという要望がある。
【0012】
本発明は上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、回動操作部材と保持部材との間のがたつきを防止するとともに、操作時であっても、回動操作部材の突出方向と逆方向に沿った移動量に基づく違和感を低減することができる電子機器の回動スイッチ機構、及び電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の電子機器の回動スイッチ機構は、径方向外方に突出した操作突起を有する円形状のレバー部と該レバー部よりも径が小さな円筒状の筒状部とを備える回動操作部材と、前記筒状部を回動自在に遊嵌する孔部を備える保持部材と、を有する電子機器の回動スイッチ機構であって、前記回動操作部材の前記筒状部を、前記回動操作部材における前記操作突起の突出方向と反対方向に向かって付勢する付勢部を有し、前記回動操作部材は、前記付勢部の付勢により、前記筒状部と前記保持部材の一部分とが圧接された状態で、前記保持部材に回動自在に保持されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の電子機器は、上記本発明の回動スイッチ機構を有し、回動スイッチ機構の回動状態に応じて、撮像倍率を調節可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡単な構成で、回動操作部材と保持部材との間のがたつきを防止するとともに、操作時であっても、回動操作部材の突出方向と逆方向に沿った移動量に基づく違和感を低減することができる電子機器の回動スイッチ機構、及び電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る電子機器の外観を示す平面図及び正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る電子機器の回動スイッチ機構を説明するための斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る電子機器の回動スイッチ機構の分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る電子機器の回動スイッチ機構を説明するための底面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る電子機器の回動スイッチ機構の動作を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態に係る電子機器の回動スイッチ機構の変形例を説明するための底面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る電子機器の回動スイッチ機構の他の変形例を説明するための底面図である。
【図8】本発明の実施形態に係る電子機器の回動スイッチ機構の他の変形例を説明するための底面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る電子機器の回動スイッチ機構の他の変形例を説明するための底面図である。
【図10】本発明の実施形態に係る電子機器の回動スイッチ機構の他の変形例を説明するための底面図である。
【図11】一般的な電子機器の回動スイッチ機構を説明するための底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳説する。図1は、本発明の実施形態に係る電子機器1の外観を説明するための図であり、図1(a)は電子機器1の平面図、図1(b)は電子機器1の正面図である。本発明の実施形態に係る電子機器1として撮像装置を説明する。尚、図1(a)の下方向が撮像装置の前方向に相当し、図1(a)の上方向が撮像装置の後方向に相当する。
【0018】
撮像装置は、図1に示すように、略方形状に形成され、筐体部2の前面側に可動レンズ群や固定レンズ群が内蔵されるレンズユニットとしてのレンズ鏡筒3やフラッシュ等が適宜配設されている。筐体部2の後面側(裏面側)には、液晶表示装置等の表示出力部、各種設定を行うボタンやタッチパネル等の操作入力部が適宜配設されている。筐体部2の上面にはレリーズボタンである撮像ボタン4を含む回動スイッチ機構10や電源ボタン等が適宜配設され、筐体部2の下面には電源となる電池を収納する電池ボックスの蓋等が配設されている。筐体部2の内部には、撮像素子、制御回路、メモリ(記憶部)、着脱自在な記録媒体等が配設されている。
【0019】
上記撮像装置では、レンズ鏡筒3内の光学レンズ系を透過した光束が撮像素子に入力され、制御回路の制御により、回動スイッチ機構10からの信号に基づいて撮像倍率や表示倍率の調節が行われ、撮像素子からの光電変換出力に基づいて画像データが取得され、画像データに基づいて液晶表示装置に画像が表示され、撮像ボタン4からの撮像指示信号に基づいて画像データがメモリや記録媒体等に記録される。
【0020】
次に、回動スイッチ機構10について、図2、図3、図4を参照しながら説明する。図2は本発明の実施形態に係る電子機器1の回動スイッチ機構10を説明するための斜視図である。図3は図2に示した回動スイッチ機構10の分解斜視図である。図4は図2に示した回動スイッチ機構10を説明するための底面図である。
【0021】
回動スイッチ機構10は、回動操作部材20と、ベースパネルである保持部材30と、付勢部40と、を有する。この回動スイッチ機構10は、複数のスイッチ接点(不図示)の開状態、閉状態を制御する。
【0022】
回動操作部材20は、筐体部2の上面に配設されている。この回動操作部材20は、筒状部21と、操作突起22bを備えたレバー部22と、を有する。筒状部21やレバー部22は例えば樹脂や金属等の材質により一体成形されている。尚、レバー部22の内側には撮像ボタン4が配置される。
【0023】
筒状部21は、円筒形状に形成され、内部には撮像ボタン4や撮像ボタン4を通常位置に付勢する圧縮ばね(不図示)が収容される。筒状部21の底面部21aには、複数の孔部21b〜21fが形成されている。この孔部21b〜21fは、例えば、筒状部21の下側に設けられたスイッチ接点(不図示)によって、回動操作部材20の回動状態、撮像ボタン4の動作状態等を検出させるために用いられる。例えば、孔部21bには、撮像ボタン4の下部に突出した形状のフック軸(不図示)が挿入され、フック軸により撮像用スイッチの開状態及び閉状態を制御することが可能である。
【0024】
レバー部22は、筒状部21の一端部、詳細には上端部に形成されている。このレバー部22は、筒状部21の上端部の全周に亘って径方向外側に向かって突出した形状に形成されるとともに、後述する保持部材30の孔部31の内径よりも大きな外径に形成されたフランジ部22aと、径方向外方に突出した形状の操作突起22bとを有する。操作突起22bは、詳細には、フランジ部22aの全周のうち規定方向(本実施形態では前面側)に突出した形状に形成されている。また、本実施形態の操作突起22bは、保持部材30の端部よりも突出するように形成されている。
【0025】
保持部材30は、筐体部2の上面に設けられている。この保持部材30は筐体部2と同一材質により一体成形されていてもよい。また、保持部材30は、矩形状に形成され、両端部に屈曲部30a、30bが形成されている。また、保持部材30は、略中央部に、回動操作部材20の筒状部21が嵌合する円形状の孔部31を備える。孔部31の内径が、回動操作部材20の筒状部21の外径より大きくなるように形成されており、孔部31に筒状部21が回動自在に遊嵌される。上記保持部材30は、例えば樹脂や金属などの材料で形成される。
【0026】
付勢部40は、回動操作部材20の筒状部21を、レバー部22における操作突起22bの突出方向と反対方向(後方向)に向かって付勢する。回動操作部材20の筒状部21は、付勢部40の付勢力により、保持部材30の孔部31の内側面のうち、付勢部40の付勢方向に位置する圧接部31aに圧接された状態で、保持部材30に回動自在に保持される。この保持部材30の圧接部31aの位置は、操作時でも移動せずに固定となっている。回動操作部材20の筒状部21のうち、保持部材30の圧接部31aに圧接する部分は、操作時、回動操作部材20の回転角度に対応して移動する。
【0027】
保持部材30の圧接位置は、筒状部21の中心を通るとともに付勢部40による付勢方向に沿った直線と、保持部材30の孔部31の内周面との複数の交点のうち、レバー部22が通常の回転中立位置に位置するときの操作突起22bの突出方向と反対側の交点に位置に相当する。
【0028】
本実施形態に係る付勢部40としては、弾性部材の金属線材からなるばねを採用し、保持部材30の底面側に形成された突起部32a、32bに取り付けられている。詳細には、付勢部40は、2つの環状固定部40a、40bを両端に有し、この環状固定部40a、40bの間に形成された円弧状弾性部40cとを有する金属線材によるばね部材とされている。
【0029】
環状固定部40a、40bそれぞれは、保持部材30の底面側に設けられた突起部32a、32bに係合されている。円弧状弾性部40cは、中央部が筒状部21の中心に向かって突出した円弧形状に形成され、その中央部により筒状部21の外側面を圧接するように配設されている。また、筒状部21と接する付勢部40の形状は、本実施形態では円弧形状であるが、この形状に限られるものではなく各種形状であってもよい。
【0030】
付勢部40により筒状部21が付勢された回動操作部材20は、図4に示すように、筒状部21と保持部材30の孔部31との間の間隙45が、操作突起22bの突出方向側である前面側で最大となり、周方向に沿って後面側にいくほど小さく、後面側で最小(ゼロ)となり、孔部31の内側面において、付勢部40と対向する位置が筒状部21との圧接部31aとなる。
【0031】
次に、回動スイッチ機構10の動作を図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施形態に係る電子機器1の回動スイッチ機構10の動作を説明するための図であり、詳細には、図5(a)は回動操作部材20が所定方向(図中反時計回り)に回動した状態を示す底面図であり、図5(b)は回動操作部材20が上記所定方向の反対方向(図中時計回り)に回動した状態を示す底面図である。
【0032】
初期状態では、図4に示すように、回動操作部材20のレバー部22の操作突起22bが保持部材30に対して初期位置である回動中立位置(図に示すC)に設定されている。付勢部40の付勢力により、保持部材30の孔部31の内側面の一部分である圧接部31aに、筒状部21の外側面が圧接された状態で、回動操作部材20の筒状部21が保持部材30に回動自在に保持されている。
【0033】
図5(a)に示すように、ユーザによりレバー部22が図中反時計回りに操作された場合、回動操作部材20の筒状部21とレバー部22とが反時計回りに回動する。この状態では、保持部材30の孔部31の内側面との一部分である圧接部31aに、回動操作部材20の筒状部21の外側面が圧接された状態で、回動操作部材20の筒状部21が保持部材30に回動自在に保持されている。
【0034】
図5(b)に示すように、ユーザによりレバー部22が図中時計回りに操作された場合、回動操作部材20の筒状部21とレバー部22とが時計回りに回動する。この状態でも保持部材30の孔部31の内側面の一部分である圧接部31aに、回動操作部材20の筒状部21の外側面が圧接された状態で、回動操作部材20の筒状部21が保持部材30に回動自在に保持されている。
【0035】
非操作時には、図4に示すように、回動操作部材20のレバー部22が保持部材30に対して初期位置である回動中立位置(図に示すC)となり、保持部材30の孔部31の内側面の一部分である圧接部31aに、回動操作部材20の筒状部21の外側面が圧接された状態で、保持部材30に回動自在に保持される。
【0036】
以上説明したように、電子機器1である撮像装置では、付勢部(ばね)40が、回動操作部材20の筒状部21を、レバー部22の操作突起22bの突出方向と反対方向に向かって付勢し、回動操作部材20が、このばね40の付勢により、筒状部21と保持部材30の孔部31の内側面の一部分である圧接部31aとが圧接された状態で、保持部材30に回動自在に保持されているので、簡単な構成で、回動操作部材20と保持部材30との間のがたつきを防止することができる。詳細には、操作時及び非操作時に、回動操作部材20における操作突起22bの突出方向と反対方向に沿った移動量が実質的にゼロであり、がたつきを防止することができる。すなわち、上記効果を有する回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0037】
また、筒状部21の外径が保持部材30の孔部31の内径より比較的小さい場合であっても、上記付勢部40を設けたので、がたつきを防止するとともに、組立て不良率の増大を防止することができる回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0038】
また、操作時、保持部材30と筒状部21との間で小さな摺動抵抗となるように、付勢部40により適度な付勢力で筒状部21を保持部材30に付勢することで、良好な操作性を有するとともにがたつきを防止することができる回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0039】
次に、回動スイッチ機構10の変形例を図面を参照しながら説明する。図6は、本発明の実施形態に係る電子機器1の回動スイッチ機構10の変形例を説明するための底面図である。図4に示した実施形態と同様な構成、効果については説明を省略し、相違点を説明する。
【0040】
図6に示すように、本変形例に係る回動操作部材20では、筒状部21の底面部21aの外周部近傍に、2つの突起部21g、21hが設けられている。詳細には、突起部21g、21hは、筒状部21の中央部よりも、レバー部22の操作突起22bの突出方向側に所定の間隔をあけて形成されている。
【0041】
本変形例の付勢部40としてのばねは、2つの環状固定部40a、40bそれぞれから、突起部21g、21hに向かって延出した棒状ばね40d、40eを有する。環状固定部40a、40b、円弧状弾性部40c、及び棒状ばね40d、40eは、金属線を加工して形成されている。
【0042】
図6に示すように、付勢部40の棒状ばね40d、40eそれぞれは、2つの突起部21g、21hに係合し、回動操作部材20のレバー部22の操作突起22bを、所定の範囲内の予め規定された回転中立位置(図に示すC)に向かって付勢するように構成されている。
【0043】
また、回動スイッチ機構10は、図6に示すように、保持部材30と回動操作部材20とが圧接する位置に抵抗低減手段35を有する。詳細には、本変形例では、保持部材30の孔部31の内側面のうち、筒状部21の外側面が圧接される部分である圧接部31aに、保持部材30と回動操作部材20との摺動抵抗を低減する抵抗低減手段35を有する。
【0044】
抵抗低減手段35として、例えば、ベアリングを採用することができる。このベアリングとしては、高い摺動性を備える固定部材、詳細には、ローラーベアリング、ボールベアリング、含油樹脂性ベアリング等を孔部31の内壁に形成した窪みに挿入しておくものである。
【0045】
上記変形例に係る回動スイッチ機構10の動作を説明する。非操作時、レバー部22の操作突起22bは、保持部材30に対して、所定の範囲内で回動自在に保持されるとともに、ばね40の棒状ばね40d、40eの付勢力により、レバー部22の操作突起22bを回転中立位置(C)に設定される。
【0046】
操作時、ばね40の棒状ばね40d、40eそれぞれは、レバー部22の操作突起22bの回転中立位置(C)に対する回転角度に応じた力を、回動操作部材20に付勢する。このため、レバー部22の操作突起22bから指が離れると、レバー部22の操作突起22bが回転中立位置(C)に戻る。また、保持部材30と回動操作部材20とが圧接する位置に、抵抗低減手段35として、ベアリングが設けられているので、操作時、回動操作部材20が保持部材30に対して、小さい摺動抵抗で回動する。
【0047】
上記ばね40の円弧状弾性部40cは、本発明の一実施例に係る回動スイッチ機構の第1のばねである。棒状ばね40d、40eは、本発明の一実施例に係る回動スイッチ機構の第2のばねである。
【0048】
以上説明したように、上記変形例に係る回動スイッチ機構10のばね40は、回動操作部材20の筒状部21を、レバー部22の操作突起22bの突出方向と反対方向に向かって付勢する第1のばねである円弧状弾性部40cと、回動操作部材20のレバー部22の操作突起22bを、所定の範囲内の予め規定された回転中立位置(C)に向かって付勢する第2のばねである棒状ばね40d、40eとを有し、この円弧状弾性部40cと棒状ばね40d、40eとが同一材質により形成されている。このため、簡単な構成で、回動操作部材20のがたつきを防止するとともに、レバー部22の操作突起22bを回転中立位置(C)に向かって付勢することができる回動スイッチ機構10を提供することができる。
【0049】
すなわち、簡単な構成で、回動操作部材20の操作突起22bの突出方向に沿ったがたつきを防止するとともに、レバー部22の操作突起22bを回転方向に沿った所定の範囲内の回転中立位置(C)に向かって付勢することができる回動スイッチ機構10及びこの回動スイッチ機構10を備えた電子機器1を提供することができる。
【0050】
また、上記変形例に係る回動スイッチ機構10は、上記付勢部40を有するとともに、保持部材30と回動操作部材20とが圧接する位置に、抵抗低減手段としてベアリングを有するので、操作時、回動操作部材20が保持部材30に対して、小さい摺動抵抗で回動することができる。すなわち、簡単な構成で、がたつきを防止することができるとともに、良好な操作性を有する回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0051】
また、上記例では、抵抗低減手段としてベアリングを採用したが、この形態に限られるものではない。抵抗低減手段として、例えば保持部材30と回動操作部材20との間に付与される潤滑剤を採用してもよいし、潤滑液含有樹脂などの低摩擦樹脂を配置してもよい。この際、図6に示すように、保持部材30には、保持部材30と回動操作部材20の筒状部21とが圧接する位置に、上記潤滑剤を溜める液溜り部35aを設けてもよい。上述したように、液溜り部35aには潤滑剤に限ることなく、潤滑液含有樹脂などの低摩擦樹脂を配置してもよい。こうすることで、操作時、回動操作部材20が保持部材30に対して、小さい摺動抵抗で回動する。すなわち、簡単な構成で、がたつきを防止することができるとともに、良好な操作性を有する回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0052】
次に、図7を参照しながら、回動スイッチ機構10の他の変形例を説明する。図7は、本発明の実施形態に係る電子機器1の回動スイッチ機構10の他の変形例を説明するための底面図である。図4、図6に示した実施形態と同様な構成、効果については説明を省略し、相違点を説明する。
【0053】
本変形例に係る付勢部40は、複数の弾性変形片41a、41bにより形成し、2個の弾性変形片41a、41bの合力により、回動操作部材20の筒状部21を、レバー部22の操作突起22bの突出方向と反対方向に向かって付勢する。この付勢部40のばね41a、41bは、保持部材30に同一材質により一体成形されている。
【0054】
付勢部40の弾性変形片41a、41bは、詳細には、保持部材30の孔部31の前面側である筒状部21の中央部よりもレバー部22の操作突起22bの突出方向側に、所定の間隔をあけて形成されており、弾性変形片41a、41bそれぞれは、孔部31の左右から前方に向かうように、周方向に沿って延出した形状の弾性変形可能な腕部と、その腕部の先端に筒状部21の中央部に向かって突出形成された突起部とを有し、それぞれの突起部により筒状部21の中央部に向かって付勢力を加えるように構成されている。
【0055】
すなわち、図7に示すように、左側及び右側に形成された弾性変形片41a、41bそれぞれによる付勢力の合力が、回動操作部材20の筒状部21を、レバー部22の操作突起22bの突出方向と反対方向となるように構成されている。
【0056】
上記変形例に係る回動スイッチ機構10では、操作時及び非操作時に、弾性変形片41a、41bそれぞれの付勢力の合力により、回動操作部材20の筒状部21が保持部材30に付勢され、筒状部21と保持部材30の一部分とが圧接された状態で、保持部材30に回動自在に保持される。このため、簡単な構成で、回動操作部材20と、保持部材30との間のがたつきを防止することができる。
【0057】
また、本変形例に係る回動スイッチ機構10では、複数の弾性変形片41a、41bが筒状部21の中央部よりも、レバー部22の操作突起22bの突出方向側に、所定の間隔をあけて設けられており、筒状部21の中央部に向かって付勢力が加えられる構成であるので、レバー部22の操作突起22bの突出方向に沿ったがたつきを防止するとともに、レバー部22の操作突起22bの突出方向に直交する方向に沿ったがたつきを防止することができる。
【0058】
また、複数の弾性変形片41a、41bは、保持部材30と同一材質により一体成形されているので、比較的簡単な構成となる。すなわち、上述した本変形例では、上記効果を有する回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0059】
次に、図8を参照しながら、回動スイッチ機構10の他の変形例を説明する。図8は、本発明の実施形態に係る電子機器1の回動スイッチ機構10の他の変形例を説明するための底面図である。図7に示した変形例と同様な構成、効果については説明を省略し、相違点を説明する。
【0060】
本変形例に係る回動スイッチ機構10は、筒状部21の外周部に、前記回転中立位置(C)を基準に周方向に沿って左右に等間隔に、少なくとも2つの切欠部21m、21nが形成されている。また、付勢部40は、切欠部21m、21nそれぞれに嵌合するとともに、回転中立位置(C)を基準に左右に等間隔に形成されたばねとしての弾性変形片41c、41dを有する。
【0061】
詳細には、弾性変形片41c、41dは、保持部材30の孔部31の前面側である筒状部21の中央部よりもレバー部22の操作突起22bの突出方向側に、所定の間隔をあけて形成されており、弾性変形片41c、41dそれぞれは、孔部31の左右から前方に向かうように、周方向に沿って所定の長さだけ延出するとともに、筒状部21の中心部に向かって屈曲延出した形状の弾性変形可能な屈曲状腕部を有し、それぞれの先端部が筒状部21の切欠部21m、21nを、中央部に向かって付勢力を加えるように構成されている。この弾性変形片41c、41dと、保持部材30とは、樹脂や金属等の同一材質により一体成形されている。
【0062】
また、上記回動スイッチ機構10では、操作時に、左側及び右側に形成された弾性変形片41c、41dが弾性変形することにより、レバー部22の操作突起22bを回転中立位置(C)に対する回転角度に応じた力を筒状部21に付勢する。
【0063】
すなわち、簡単な構成で、回動操作部材20と、保持部材30との間のがたつきを防止することができるとともに、弾性変形片41c、41dの付勢力により、レバー部22の操作突起22bを回転中立位置(C)に付勢することができる。つまり、上述した変形例では、上記効果を有する回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0064】
次に、図9を参照しながら、回動スイッチ機構10の他の変形例を説明する。図9は、本発明の実施形態に係る電子機器1の回動スイッチ機構10の他の変形例を説明するための底面図である。図4に示した実施形態と同様な構成、効果については説明を省略し、相違点を説明する
【0065】
本変形例の回動スイッチ機構10では、保持部材30は、筒状部21の内周側に挿嵌される軸部36を有する。詳細には、軸部36は、筒状部21の中央部より、前面側にずれた位置に形成されている。この軸部36は、例えば、その端部が電子機器1の筐体部2に固定されるように形成されていてもよいし、保持部材30から孔部31に延出した突起部(不図示)に形成されてもよい。
【0066】
また、回動操作部材20は、付勢部40の付勢力により、筒状部21の内側面21pと、軸部36の外側面36aの一部分とが圧接された状態で、保持部材30に回動自在に保持されている。
【0067】
上記構成の回動スイッチ機構10では、操作時及び非操作時に、付勢部40の付勢力により、筒状部21の内側面21pと、軸部36の外側面36aの一部分とが圧接された状態で、保持部材30に回動自在に保持されるので、比較的簡単な構成で、前後方向に沿ったがたつきを防止することができる。すなわち、本変形例では、上記効果を有する回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0068】
次に、図10を参照しながら、回動スイッチ機構10の他の変形例を説明する。図10は、本発明の実施形態に係る電子機器1の回動スイッチ機構10の他の変形例を説明するための底面図である。図4に示した実施形態と同様な構成、効果については説明を省略し、相違点を説明する
【0069】
本変形例に係る付勢部40は、複数のばねである弾性変形片42a、42bを有する。詳細には、弾性変形片42a、42bは、一端部が、筒状部21の外周部においてレバー部22の操作突起22bの突出方向側に固定されるとともに、そこから左右それぞれに、筒状部21の内周の周方向に沿って延出し、他端部が保持部材30の孔部31の内面に摺動自在に圧接するような略弧形状に弾性変形可能に形成されている。本変形例に係る回動スイッチ機構10では、付勢部40が回動操作部材20に同一材質により一体成形されている。上記複数の弾性変形片42a、42bそれぞれの付勢力の合力により、保持部材30の圧接部31aに筒状部21が圧接された状態で、筒状部21が保持部材30に回動自在に保持されている。
【0070】
上記構成の回動スイッチ機構10では、操作時及び非操作時に、弾性変形片42a、42bの付勢力により、筒状部21と保持部材30一部分とが圧接された状態で、筒状部21が保持部材30に回動自在に保持されるので、比較的簡単な構成で、前後方向に沿ったがたつきを防止することができる。すなわち、本変形例では、上記効果を有する回動スイッチ機構及び電子機器1を提供することができる。
【0071】
以上のように、本発明によれば、電子機器1は、径方向外方に突出した操作突起22bを有する円形状のレバー部22とそのレバー部22よりも径が小さな円筒状の筒状部21とを備える回動操作部材20と、筒状部21を回動自在に遊嵌する孔部31を備える保持部材30と、を有し、回動操作部材20の筒状部21を、回動操作部材20における操作突起22bの突出方向と反対方向に向かって付勢する付勢部40を備える。そして、付勢部40の付勢により、筒状部21と保持部材30の一部分とが圧接された状態で、回動操作部材20が保持部材30に回動自在に保持されているので、比較的簡単な構成で、がたつきを防止することができる回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0072】
さらに、本発明によれば、回動操作部材20は、筒状部21の外側面と、保持部材30の孔部31の内側面の一部分とが圧接された状態で、保持部材30に回動自在に保持されるので、操作時及び非操作時であっても、比較的簡単な構成で、前後方向のがたつきを防止することができる回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0073】
また、本発明によれば、筒状部21の内周側に挿嵌される軸部36を備え、軸部36は保持部材30又は電子機器1の筐体部に固定され、回動操作部材20は、付勢部40の付勢力により、筒状部21の内側面と、軸部36の外側面の一部分とが圧接された状態で、保持部材30に回動自在に保持されているので、比較的簡単な構成で、がたつきを防止することができる回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0074】
さらに、本発明によれば、レバー部22は、保持部材30に対して所定の範囲内で回動自在に保持される。付勢部40は、回動操作部材20の筒状部21を、レバー部22における操作突起22bの突出方向と反対方向に向かって付勢する第1のばねである円弧状弾性部40cと、レバー部22の操作突起22bを、上記範囲内の予め規定された回転中立位置に向かって付勢する第2のばねである棒状ばね40d、40eとを有し、第1のばねと第2のばねとが同一材料により形成されているので、比較的簡単な構成で、がたつきを防止するとともに、操作時に回動操作部材20を回転中立位置(C)に向かって付勢することができる回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0075】
また、本発明によれば、筒状部21は、底面部21aの外周部近傍に突起部21g、21hを備え、付勢部40は、突起部21g、21hに係合するとともに、レバー部22の回転中立位置(C)に対する回転角度に応じた力を、筒状部21に付勢する棒状ばね40d、40eを設けたので、比較的簡単な構成で、がたつきを防止するとともに、棒状ばね40d、40eにより、操作時に回動操作部材20を回転中立位置(C)に向かって付勢することができる回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0076】
さらに、本発明によれば、付勢部40は、複数の弾性変形片41a、41bを有し、複数の弾性変形片41a、41bの合力により、回動操作部材20の筒状部21を、レバー部22の操作突起22bの突出方向と反対方向に向かって付勢するので、比較的簡単な構成で、複数の弾性変形片41a、41bにより、がたつきを防止することができる回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0077】
また、本発明によれば、筒状部21は、外周部に周方向に沿って回転中立位置(C)を基準に左右に等間隔に形成された少なくとも2つの切欠部21m、21nを備える。付勢部40の複数の弾性変形片41c、41dは、複数の弾性変形片41c、41dは、切欠部21m、21nそれぞれに嵌合するとともに、回転中立位置(C)を基準に左右に等間隔に形成され、複数の弾性変形片41c、41dが、レバー部22における操作突起22bの回転中立位置(C)に対する回転角度に応じた力を筒状部21に付勢しているので、比較的簡単な構成で、弾性変形片41c、41dにより、がたつきを防止するとともに、操作時に回動操作部材20を回転中立位置(C)に向かって付勢することができる回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0078】
さらに、本発明によれば、保持部材30と回動操作部材20との摺動抵抗を低減する抵抗低減手段35を有するので、保持部材30と回動操作部材20と間で比較的小さい摺動抵抗を有する回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0079】
また、本発明によれば、抵抗低減手段35は、保持部材30に設けられたベアリングであり、ベアリングは、保持部材30と回動操作部材20とが圧接する位置に配置されているので、比較的簡単な構成で、小さい摺動抵抗を有する回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0080】
さらに、本発明によれば、抵抗低減手段35は保持部材30と回動操作部材20との間に付与される潤滑剤であり、保持部材30は、保持部材30と回動操作部材20とが圧接する位置に、潤滑剤を溜める液溜り部35aを備えるので、比較的簡単な構成で、潤滑剤により小さい摺動抵抗を有する回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0081】
また、本発明によれば、付勢部40は、回動操作部材20、または保持部材30と同一材質により一体成形されているので、比較的簡単な構成で、がたつきを防止することができる回動スイッチ機構10及び電子機器1を提供することができる。
【0082】
さらに本発明によれば、電子機器1は回動スイッチ機構10を有し、回動スイッチ機構10の回動状態に応じて、撮像倍率を調節可能であるので、比較的簡単な構成で、撮像倍率を調整可能で、がたつきを防止することができる電子機器1を提供することができる。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、本発明は、上記実施形態及び変形例を組み合わせてもよい。
【0084】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]径方向外方に突出した操作突起を有する円形状のレバー部と該レバー部よりも径が小さな円筒状の筒状部とを備える回動操作部材と、
前記筒状部を回動自在に遊嵌する孔部を備える保持部材と、
を有する電子機器の回動スイッチ機構であって、
前記回動操作部材の前記筒状部を、前記回動操作部材における前記操作突起の突出方向と反対方向に向かって付勢する付勢部を有し、
前記回動操作部材は、前記付勢部の付勢により、前記筒状部と前記保持部材の一部分とが圧接された状態で、前記保持部材に回動自在に保持されていることを特徴とする電子機器の回動スイッチ機構。
[2]
前記回動操作部材は、前記筒状部の外側面と、前記保持部材の前記孔部の内側面の一部分とが圧接された状態で、前記保持部材に回動自在に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
[3]
前記筒状部の内周側に挿嵌される軸部を備え、
前記軸部は、前記保持部材又は電子機器の筐体部に固定され、
前記回動操作部材は、前記付勢部の付勢力により、前記筒状部の内側面と、前記軸部の外側面の一部分とが圧接された状態で、前記保持部材に回動自在に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
[4]
前記レバー部は、前記保持部材に対して、所定の範囲内で回動自在に保持され、
前記付勢部は、前記回動操作部材の前記筒状部を、前記レバー部における前記操作突起の突出方向と反対方向に向かって付勢する第1のばねと、前記レバー部の前記操作突起を、前記範囲内の予め規定された回転中立位置に向かって付勢する第2のばねと、を有し、
前記第1のばねと第2のばねとが同一材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電子機器の回動スイッチ機構。
[5]
前記筒状部は、底面部の外周部近傍に突起部を備え、
前記第2のばねは、前記筒状部の前記突起部に係合するとともに、前記レバー部の前記回転中立位置に対する回転角度に応じた力を、前記筒状部に付勢することを特徴とする請求項4に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
[6]
前記付勢部は、複数の弾性変形片を有し、前記複数の弾性変形片の合力により、前記回動操作部材の前記筒状部を、前記レバー部における前記操作突起の突出方向と反対方向に向かって付勢することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電子機器の回動スイッチ機構。
[7]
前記筒状部は、外周部に、周方向に沿って、前記回転中立位置を基準に左右に等間隔に形成された少なくとも2つの切欠部を備え、
前記付勢部の前記複数の弾性変形片は、前記切欠部それぞれに嵌合するとともに、前記回転中立位置を基準に左右に等間隔に形成され、前記複数の弾性変形片が、前記レバー部における前記操作突起の前記回転中立位置に対する回転角度に応じた力を前記筒状部に付勢していることを特徴とする請求項6に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
[8]
前記保持部材と前記回動操作部材との摺動抵抗を低減する抵抗低減手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の電子機器の回動スイッチ機構。
[9]
前記抵抗低減手段は、前記保持部材に設けられたベアリングであり、
前記ベアリングは、前記保持部材と前記回動操作部材とが圧接する位置に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
[10]
前記抵抗低減手段は、前記保持部材と前記回動操作部材との間に付与される潤滑剤であり、
前記保持部材は、前記保持部材と前記回動操作部材とが圧接する位置に、前記潤滑剤を溜める液溜り部を備えることを特徴とする請求項8に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
[11]
前記付勢部は、前記回動操作部材、または前記保持部材と同一材質により一体成形されていることを特徴とする請求項6乃至請求項10の何れかに記載の電子機器の回動スイッチ機構。
[12]
回動スイッチ機構を有し、前記回動スイッチ機構の回動状態に応じて、撮像倍率を調節可能な電子機器であって、
前記回動スイッチ機構が、請求項1乃至請求項11の何れかに記載の電子機器の回動スイッチ機構であることを特徴とする電子機器。
【符号の説明】
【0085】
1 電子機器(撮像装置) 2 筐体部
3 レンズ鏡筒(撮像光学系) 4 撮像ボタン
10 回動スイッチ機構 20 回動操作部材
21 筒状部 21a 底面部
21b〜21f 孔部 21g、21h 突起部
21m、21n 切欠部
21p 内側面 22 レバー部
22a フランジ部 22b 操作突起
30 保持部材 30a、30b 屈曲部
31 孔部 31a 圧接部
32a、32b 突起部 35 抵抗低減手段(ベアリング、潤滑剤)
35a 液溜り部 36 軸部
36a 外側面 40 付勢部(ばね)
40a、40b 環状固定部 40c 円弧状弾性部
40d、40e 棒状ばね 41a、41b、41c、41d 弾性変形片
42a、42b 弾性変形片 45 間隙
100 回動スイッチ機構 101 回動操作部材
102 保持部材 103 円筒形状部
104 レバー部 105 孔部
106 間隙


【特許請求の範囲】
【請求項1】
径方向外方に突出した操作突起を有する円形状のレバー部と該レバー部よりも径が小さな円筒状の筒状部とを備える回動操作部材と、
前記筒状部を回動自在に遊嵌する孔部を備える保持部材と、
を有する電子機器の回動スイッチ機構であって、
前記回動操作部材の前記筒状部を、前記回動操作部材における前記操作突起の突出方向と反対方向に向かって付勢する付勢部を有し、
前記回動操作部材は、前記付勢部の付勢により、前記筒状部と前記保持部材の一部分とが圧接された状態で、前記保持部材に回動自在に保持されていることを特徴とする電子機器の回動スイッチ機構。
【請求項2】
前記回動操作部材は、前記筒状部の外側面と、前記保持部材の前記孔部の内側面の一部分とが圧接された状態で、前記保持部材に回動自在に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
【請求項3】
前記筒状部の内周側に挿嵌される軸部を備え、
前記軸部は、前記保持部材又は電子機器の筐体部に固定され、
前記回動操作部材は、前記付勢部の付勢力により、前記筒状部の内側面と、前記軸部の外側面の一部分とが圧接された状態で、前記保持部材に回動自在に保持されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
【請求項4】
前記レバー部は、前記保持部材に対して、所定の範囲内で回動自在に保持され、
前記付勢部は、前記回動操作部材の前記筒状部を、前記レバー部における前記操作突起の突出方向と反対方向に向かって付勢する第1のばねと、前記レバー部の前記操作突起を、前記範囲内の予め規定された回転中立位置に向かって付勢する第2のばねと、を有し、
前記第1のばねと第2のばねとが同一材料により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電子機器の回動スイッチ機構。
【請求項5】
前記筒状部は、底面部の外周部近傍に突起部を備え、
前記第2のばねは、前記筒状部の前記突起部に係合するとともに、前記レバー部の前記回転中立位置に対する回転角度に応じた力を、前記筒状部に付勢することを特徴とする請求項4に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
【請求項6】
前記付勢部は、複数の弾性変形片を有し、前記複数の弾性変形片の合力により、前記回動操作部材の前記筒状部を、前記レバー部における前記操作突起の突出方向と反対方向に向かって付勢することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電子機器の回動スイッチ機構。
【請求項7】
前記筒状部は、外周部に、周方向に沿って、前記回転中立位置を基準に左右に等間隔に形成された少なくとも2つの切欠部を備え、
前記付勢部の前記複数の弾性変形片は、前記切欠部それぞれに嵌合するとともに、前記回転中立位置を基準に左右に等間隔に形成され、前記複数の弾性変形片が、前記レバー部における前記操作突起の前記回転中立位置に対する回転角度に応じた力を前記筒状部に付勢していることを特徴とする請求項6に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
【請求項8】
前記保持部材と前記回動操作部材との摺動抵抗を低減する抵抗低減手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れかに記載の電子機器の回動スイッチ機構。
【請求項9】
前記抵抗低減手段は、前記保持部材に設けられたベアリングであり、
前記ベアリングは、前記保持部材と前記回動操作部材とが圧接する位置に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
【請求項10】
前記抵抗低減手段は、前記保持部材と前記回動操作部材との間に付与される潤滑剤であり、
前記保持部材は、前記保持部材と前記回動操作部材とが圧接する位置に、前記潤滑剤を溜める液溜り部を備えることを特徴とする請求項8に記載の電子機器の回動スイッチ機構。
【請求項11】
前記付勢部は、前記回動操作部材、または前記保持部材と同一材質により一体成形されていることを特徴とする請求項6乃至請求項10の何れかに記載の電子機器の回動スイッチ機構。
【請求項12】
回動スイッチ機構を有し、前記回動スイッチ機構の回動状態に応じて、撮像倍率を調節可能な電子機器であって、
前記回動スイッチ機構が、請求項1乃至請求項11の何れかに記載の電子機器の回動スイッチ機構であることを特徴とする電子機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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