電子機器モジュール用のラッチ及びエキストラクター
【課題】ベースにモジュールを取り外し可能に取り付け、モジュールの電子部品とベースとの間の電気的接続を行なうためのラッチ及びエキストラクターを提供すること。
【解決手段】ベースに取り付けるための電子機器モジュールは、モジュール本体、並びに、スプリング・アームと、シフト部材と、ラッチとを有する金属のラッチ部材、及び、ベースとの係合からラッチを外すためにシフト部材と係合可能なエキストラクターを有するラッチ・エキストラクター組立体を含む。
【解決手段】ベースに取り付けるための電子機器モジュールは、モジュール本体、並びに、スプリング・アームと、シフト部材と、ラッチとを有する金属のラッチ部材、及び、ベースとの係合からラッチを外すためにシフト部材と係合可能なエキストラクターを有するラッチ・エキストラクター組立体を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースに取り外し可能に取り付けられる電子機器モジュールに関するものである。このモジュールは、取り付けの際にベースにラッチされ、モジュールの電子部品とベースとの間が電気的に接続される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、ベースに電子機器モジュールを取り外し可能に取り付けるための改善されたラッチ及びエキストラクターに関する。このラッチ及びエキストラクターは、モジュールがベースに押し込まれる際にベースと係合するスプリング・ラッチを含む。モジュールは、モジュールをベースからはずす(アンラッチ、unlatch)するための反対側の把持部を上に引くことによって、容易にアンラッチされてベースから取り外される。モジュールは、そのモジュールに対して把持部が初めに短く上方へ動くことによってアンラッチされる。アンラッチの後、把持部のさらなる上方への動きによって、モジュールはベースから取り外される。モジュールの取り外し後、把持部は、把持部の最初の位置に自動的に戻る。
【0003】
把持部は、ベースにモジュールを保持するラッチ部材と係合するエキストラクター上に設けられる。ラッチ部材は、堅い(剛性の大きい)シフト部材の下部端を有する。シフト部材は、把持部の初めのわずかな上方への動きに応じてアームをラッチ位置からアンラッチ位置にシフトさせるために、エキストラクターから、ベースと係合しているラッチ・アームに、アンラッチする力を屈曲せずに伝える。シフト部材は溝形であり、アンラッチする力を屈曲せずに伝える。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】ベースに取り付けられた電子機器モジュールの側面図。
【図2】図1の上面図。
【図3】ラッチ位置におけるラッチとエキストラクターとの組立体を示す、モジュールの一方の側面に沿う垂直断面図。
【図4】アンラッチ位置における組立体を示す、図3と同様の図。
【図5】モジュールの分解図。
【図6】組立体のラッチ位置を示す、図4の部分拡大図。
【図7】組立体のアンラッチ位置を示す、図5の部分拡大図。
【図8】図4のライン8−8における断面図。
【図9】図7のライン9−9におけるモジュールの断面図。
【図10】エキストラクターの一方の面の斜視図。
【図11】エキストラクターの他方の面の斜視図。
【図12】ラッチ部材の一方の面の斜視図。
【図13】ラッチ部材の他方の面の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
電子機器モジュール10は、一般にDINレール16に取り付けられたベース14のくぼみ12に取り外し可能に取り付けられる。このモジュール10は、周囲の合わせ目22のところで結合された2つの中空の成型プラスチックケース20によって形成され、ケース20は中空の内部空洞部24を画定する。空洞部24には電子部品26が取り付けられる。電子部品26は電気コネクタ28を含み、この電気コネクタ28は、図1に示されるようにモジュールがくぼみ12に挿入される際に、くぼみ12の底面の開口部に配置された相補的な電気コネクタ(図示せず)と電気接続部を形成する。
【0006】
ベース14は、プロフィバス(process fieldbus)用の電源ベースでもよい。モジュール10の電子部品26は、モジュールに供給される電力の電圧変動にかかわらずベースに接続されたプロフィバスに供給される直流電力の電圧を安定化させる電源デバイスでもよい。モジュール10には他の種類の電子部品を取り付けることもできる。このモジュールは、他の種類のベースに取り付けられてもよい。
【0007】
モジュール10は、モジュール10の向かい合う縁端部に配置された2つの同じラッチ・エキストラクター組立体30によって、ベース14に取り外し可能に取り付けられる。それぞれの組立体30は、成型されたプラスチック製のエキストラクター32と、リターン・コイル・スプリング34と、金属のラッチ部材36とを含む。図10及び図11に示されるそれぞれのエキストラクター32は、細長い帯状体38を含み、この帯状体38は、帯状体38の一方の端部に設けられた把持部40と、帯状体38の反対側の端部に設けられたカムエンド(cam end)42との間に延びている。把持部40は、帯状体38の一方の面から外側に広がっており、把持部の斜面に沿って延在している間隔を密にして配置された複数の把持用のエッジ又はコーナー44を含む。エッジ44は、くぼみ12に向かって下向きに面しており、以下で説明されるように、ベース14からモジュールをアンラッチして取り外すために、把持部40の手動による係合を助け、エキストラクター32をくぼみ12から離すことを容易にする。
【0008】
帯状体38にはスプリング・ポケット46が設けられる。組立体30がモジュール10に取り付けられると、把持部40は、モジュールの縁端部から外側に延び、ポケット46は、モジュールの内部に向かって内側に延びる。スプリング・ポケット46のくぼみは、帯状体38の上部端及び把持部40に向いている。
【0009】
図12及び図13に示されているラッチ部材36は、平らで均一な厚さの帯状金属で形成されており、細長い先細幅のスプリング・アーム48と、アーム48の狭い下部端に位置する溝形のシフト部材50と、アーム48の広い上部端に位置する取り付け部材52とを含む。アーム48の幅は、応力集中を低減するために先細になっている。取り付け部材52は、スプリング・アーム48のどちらかの側面の方に延びる対の取り付けリブ54を含む。
【0010】
剛性の大きい溝形のシフト部材50は、スプリング・アーム48の延長部分を形成している平坦なベース56と、ベース56に対して90度曲がっており、ベースの一方の面から上方に延びている対向する側面部58とを含む。斜めになっているフォロア・アーム(follower arms)60は、側面部58の上方に延びており、スプリング・アーム48に隣接している。斜めになっているラッチ・アーム(latch arms)62は、側面部58の上方に延び、シフト部材50のアーム48から離れたほうの端部に位置する。アーム60及びアーム62の斜めのエッジは、スプリング・アーム48から離れるに伴い低くなっている。
【0011】
アーム62のラッチ面64は、スプリング・アーム48に向かって上方に向いており、図6に示されるようにアンダーカットされており、くぼみ12の底面にあるベース壁74の内側面における相補的な斜めのラッチ面66とのラッチの噛み合わせを向上させる。
【0012】
2つのラッチ・エキストラクター組立体30は同一である。それぞれの組立体は、モジュール本体18の一方の縁端部に取り付けられる。次に、図3に示されるモジュールの右側の縁端部に対する組立体30の取り付けを説明するが、モジュールの左側の縁端部におけるラッチ・エキストラクター組立体も、モジュールに同様に取り付けられる点を理解されたい。
【0013】
ラッチ部材36は、部材36の一方側の取り付けリブ54をケースのくぼみ70の中に延ばすことによって、一方の開いているケース20に配置され、アーム48及びシフト部材50は、ケース20の内部チャネル72の中を拘束されずに延びている。図8参照。シフト部材50の自由端及びラッチ・アーム62は、モジュール底面壁79の開口部76を貫通して延在している。くぼみ70内での対のリブ54の隣接する面は、部材36をチャネル72に正確に配置するために、くぼみ70の隣接する壁と密に嵌合している。
【0014】
エキストラクター32は、ラッチ部材36を保持しているケース20の側面に沿って延在している細長い溝78に嵌合している。帯状体38は、この溝に沿って自由に動くことができる。スプリング・ポケット46は、溝78の内側面に形成されたくぼみ80に延びており、圧縮スプリング34は、ポケットの底面から、くぼみ内のスロットのある上部壁82まで延びている。壁82はスロットをつけられて、エキストラクターの取り付けの際にポケット46内で圧縮されて溝78及びくぼみ80を付勢するツール保持スプリング34を収納する。溝78は、ケースの下部端における壁79から、ケースの上部端に隣接する段84まで延在している。スプリング34は、通常、図3に示されるように、エキストラクター32を下方の位置に保持しており、エキストラクターの下部端81は、壁79の上にある。図6参照。図3に示されているようにエキストラクター32がスプリング34によって下方の位置に保持される場合、把持部40は、通常、段84のすぐ上に位置している。
【0015】
エキストラクター32及び金属のラッチ部材36、並びに、電子部品26及びコネクタ28は、第1のケースに配置されており、第1のケースの上に第2のケースが配置され、これらの2つのケースは、これらのケースの隣接するエッジが互いに接するように一緒に動かされる。これらのケースは、これらのケースの隣接するエッジの上にポスト・ラッチ(post latches)及びリセス・ラッチ(recess latches)を含む。これらのラッチによって、ラッチ・エキストラー組立体と、電子部品と、コネクタとが本体18の所定位置に保持され、本体18を形成するために2つのケースが共に固定される。
【0016】
それぞれのエキストラクター32のカムエンド42は、2つの斜めのカム面86を有する。面86は、カムエンド42の向かい合う側にある。把持部40が引き上げられると、カム面86は、シフト部材50の斜めのフォロア・アーム60と即座に係合して、隣接するスプリング・アーム48を即座に内側に曲げ、図3及び図6に示されるモジュールの外側面に隣接しているラッチ位置から、図4及び図7に示されるモジュールの外側縁端部の内側にあるアンラッチ位置まで、部材50を動かす。スプリング34は圧縮され、端部81は、壁79の上方に上げられる。スプリング・アーム48は、チャネル部材をラッチ位置に向けて付勢する。図4に示されている、短い距離75における把持部40の上方への移動は、カムエンド42を動かしてシフト部材50と係合させ、モジュールの隣接面から、図4及び図7に示されているアンラッチ位置すなわちリリース位置に、カム部材50を内側に動かす。
【0017】
組み立てられたモジュール10は、モジュールの下部端を伸張させてくぼみ12に嵌めることによってベース14にラッチされる。シフト部材50の先端部92は、ベース壁74を貫通して形成されたラッチ開口部68に導かれる。アーム62が開口部68を通過し、曲げられたスプリング・アーム48が外側に動いてラッチ・アーム62を外側に動かし、また下側のラッチ面66を図3及び図6に示されているラッチ位置に動かすまで、ラッチ・アーム62の斜めの面は、部材50が内側に動き、アーム48がチャネル72の中を内側に曲げられるように開口部68の外側のエッジと係合する。モジュールがベースにラッチする際、モジュールの上部はくぼみに押し込まれる。コネクタ28は、ベース14のコネクタと係合する。アーム48は、シフト部材50を、開口部68を通じてラッチ位置に動かすように曲げられる。エキストラクター32は、ベースにモジュールをラッチするためには用いられない。
【0018】
ラッチされたモジュールをベースから取り外すために、作業者は、把持部40の下側の面をベース14から短い距離75だけ引き上げる。エッジ44によって、作業者が把持部40を把持することが改善される。把持部40の初めの上方向の動きによって、図6の位置から図7の位置にカムエンド42が引き上げられる。カムエンド42の向かい合うエッジにおけるカム面86は、シフト部材50の上部端の外側に配置されるアーム60の斜めのフォロア面(follower surfaces)と即座に係合状態となる。カムエンド42は、カムエンド42の中央に配置され、2つのカム面86からの距離が等しく一段高くなったリブ88によって、外側への動きに対して支えられる。カムエンド42の上方向の動きは、シフト部材50を内側に回転させ、スプリング・アーム48を内側に曲げて、ラッチ面66を越える距離だけラッチ・アーム62を内側に動かし、モジュールをベースからアンラッチする。
【0019】
把持部40の上方向の動きによって、2つの部材50がベースの底面壁74から同時にアンラッチされ、さらなる上方向の動きによって、アンラッチされたモジュールがベースのくぼみから引き抜かれ、またコネクタが切り離される。
【0020】
モジュールをアンラッチする際、カムエンド42のリブ88は、溝78の外側壁と係合する。リブ88は、シフト部材50の内側へのカム動作の間、カム面86を支え、またカムエンド42と部材50のねじれを防ぐために、カムエンド42の中央における、横方向に間隔を空けられた2つのカム面86の間に配置される。また、アンラッチの際の摩擦を低減するために、リブ88によって、溝78の隣接する壁と帯状体38の外側面98との間隔が設けられている。
【0021】
平坦なベース56と、直立しているチャネル側面部58とを有する金属のシフト部材50は、溝形の断面を有しており、非常に剛性が大きい。このシフト部材50の剛性によって、チャネル部材の底部におけるラッチ・アーム62を内側に動かしてモジュールをアンラッチするために、間隔の空いているフォロア・アーム60にエキストラクター32のカムエンド42によって作用する力がシフト部材50の長さ方向に沿って伝えられるアンラッチの際の部材50の曲げが防がれる。アンラッチの際、それぞれの部材50は、ベース底面の斜めのラッチ面66からアーム62を内側に向かって離すためのアンラッチする力を、アーム60からアーム62に部材50のそれぞれのL字形の側面部に沿って屈曲せずに直接的に伝える。溝形の金属シフト部材50における横方向の剛性によって、リブ88の外側にあるアーム60の位置にかかわらず、部材50が横方向に変形しないことが確実なものとなる。
【0022】
エキストラクター32のカムエンド42と、ラッチ部材36のシフト部材50とは、位置合わせされた状態で互いに嵌合しており、部材50のフォロア・アーム60は、カムエンド42の側面に形成されたくぼみ100に延びている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースに取り外し可能に取り付けられる電子機器モジュールに関するものである。このモジュールは、取り付けの際にベースにラッチされ、モジュールの電子部品とベースとの間が電気的に接続される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明は、ベースに電子機器モジュールを取り外し可能に取り付けるための改善されたラッチ及びエキストラクターに関する。このラッチ及びエキストラクターは、モジュールがベースに押し込まれる際にベースと係合するスプリング・ラッチを含む。モジュールは、モジュールをベースからはずす(アンラッチ、unlatch)するための反対側の把持部を上に引くことによって、容易にアンラッチされてベースから取り外される。モジュールは、そのモジュールに対して把持部が初めに短く上方へ動くことによってアンラッチされる。アンラッチの後、把持部のさらなる上方への動きによって、モジュールはベースから取り外される。モジュールの取り外し後、把持部は、把持部の最初の位置に自動的に戻る。
【0003】
把持部は、ベースにモジュールを保持するラッチ部材と係合するエキストラクター上に設けられる。ラッチ部材は、堅い(剛性の大きい)シフト部材の下部端を有する。シフト部材は、把持部の初めのわずかな上方への動きに応じてアームをラッチ位置からアンラッチ位置にシフトさせるために、エキストラクターから、ベースと係合しているラッチ・アームに、アンラッチする力を屈曲せずに伝える。シフト部材は溝形であり、アンラッチする力を屈曲せずに伝える。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】ベースに取り付けられた電子機器モジュールの側面図。
【図2】図1の上面図。
【図3】ラッチ位置におけるラッチとエキストラクターとの組立体を示す、モジュールの一方の側面に沿う垂直断面図。
【図4】アンラッチ位置における組立体を示す、図3と同様の図。
【図5】モジュールの分解図。
【図6】組立体のラッチ位置を示す、図4の部分拡大図。
【図7】組立体のアンラッチ位置を示す、図5の部分拡大図。
【図8】図4のライン8−8における断面図。
【図9】図7のライン9−9におけるモジュールの断面図。
【図10】エキストラクターの一方の面の斜視図。
【図11】エキストラクターの他方の面の斜視図。
【図12】ラッチ部材の一方の面の斜視図。
【図13】ラッチ部材の他方の面の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0005】
電子機器モジュール10は、一般にDINレール16に取り付けられたベース14のくぼみ12に取り外し可能に取り付けられる。このモジュール10は、周囲の合わせ目22のところで結合された2つの中空の成型プラスチックケース20によって形成され、ケース20は中空の内部空洞部24を画定する。空洞部24には電子部品26が取り付けられる。電子部品26は電気コネクタ28を含み、この電気コネクタ28は、図1に示されるようにモジュールがくぼみ12に挿入される際に、くぼみ12の底面の開口部に配置された相補的な電気コネクタ(図示せず)と電気接続部を形成する。
【0006】
ベース14は、プロフィバス(process fieldbus)用の電源ベースでもよい。モジュール10の電子部品26は、モジュールに供給される電力の電圧変動にかかわらずベースに接続されたプロフィバスに供給される直流電力の電圧を安定化させる電源デバイスでもよい。モジュール10には他の種類の電子部品を取り付けることもできる。このモジュールは、他の種類のベースに取り付けられてもよい。
【0007】
モジュール10は、モジュール10の向かい合う縁端部に配置された2つの同じラッチ・エキストラクター組立体30によって、ベース14に取り外し可能に取り付けられる。それぞれの組立体30は、成型されたプラスチック製のエキストラクター32と、リターン・コイル・スプリング34と、金属のラッチ部材36とを含む。図10及び図11に示されるそれぞれのエキストラクター32は、細長い帯状体38を含み、この帯状体38は、帯状体38の一方の端部に設けられた把持部40と、帯状体38の反対側の端部に設けられたカムエンド(cam end)42との間に延びている。把持部40は、帯状体38の一方の面から外側に広がっており、把持部の斜面に沿って延在している間隔を密にして配置された複数の把持用のエッジ又はコーナー44を含む。エッジ44は、くぼみ12に向かって下向きに面しており、以下で説明されるように、ベース14からモジュールをアンラッチして取り外すために、把持部40の手動による係合を助け、エキストラクター32をくぼみ12から離すことを容易にする。
【0008】
帯状体38にはスプリング・ポケット46が設けられる。組立体30がモジュール10に取り付けられると、把持部40は、モジュールの縁端部から外側に延び、ポケット46は、モジュールの内部に向かって内側に延びる。スプリング・ポケット46のくぼみは、帯状体38の上部端及び把持部40に向いている。
【0009】
図12及び図13に示されているラッチ部材36は、平らで均一な厚さの帯状金属で形成されており、細長い先細幅のスプリング・アーム48と、アーム48の狭い下部端に位置する溝形のシフト部材50と、アーム48の広い上部端に位置する取り付け部材52とを含む。アーム48の幅は、応力集中を低減するために先細になっている。取り付け部材52は、スプリング・アーム48のどちらかの側面の方に延びる対の取り付けリブ54を含む。
【0010】
剛性の大きい溝形のシフト部材50は、スプリング・アーム48の延長部分を形成している平坦なベース56と、ベース56に対して90度曲がっており、ベースの一方の面から上方に延びている対向する側面部58とを含む。斜めになっているフォロア・アーム(follower arms)60は、側面部58の上方に延びており、スプリング・アーム48に隣接している。斜めになっているラッチ・アーム(latch arms)62は、側面部58の上方に延び、シフト部材50のアーム48から離れたほうの端部に位置する。アーム60及びアーム62の斜めのエッジは、スプリング・アーム48から離れるに伴い低くなっている。
【0011】
アーム62のラッチ面64は、スプリング・アーム48に向かって上方に向いており、図6に示されるようにアンダーカットされており、くぼみ12の底面にあるベース壁74の内側面における相補的な斜めのラッチ面66とのラッチの噛み合わせを向上させる。
【0012】
2つのラッチ・エキストラクター組立体30は同一である。それぞれの組立体は、モジュール本体18の一方の縁端部に取り付けられる。次に、図3に示されるモジュールの右側の縁端部に対する組立体30の取り付けを説明するが、モジュールの左側の縁端部におけるラッチ・エキストラクター組立体も、モジュールに同様に取り付けられる点を理解されたい。
【0013】
ラッチ部材36は、部材36の一方側の取り付けリブ54をケースのくぼみ70の中に延ばすことによって、一方の開いているケース20に配置され、アーム48及びシフト部材50は、ケース20の内部チャネル72の中を拘束されずに延びている。図8参照。シフト部材50の自由端及びラッチ・アーム62は、モジュール底面壁79の開口部76を貫通して延在している。くぼみ70内での対のリブ54の隣接する面は、部材36をチャネル72に正確に配置するために、くぼみ70の隣接する壁と密に嵌合している。
【0014】
エキストラクター32は、ラッチ部材36を保持しているケース20の側面に沿って延在している細長い溝78に嵌合している。帯状体38は、この溝に沿って自由に動くことができる。スプリング・ポケット46は、溝78の内側面に形成されたくぼみ80に延びており、圧縮スプリング34は、ポケットの底面から、くぼみ内のスロットのある上部壁82まで延びている。壁82はスロットをつけられて、エキストラクターの取り付けの際にポケット46内で圧縮されて溝78及びくぼみ80を付勢するツール保持スプリング34を収納する。溝78は、ケースの下部端における壁79から、ケースの上部端に隣接する段84まで延在している。スプリング34は、通常、図3に示されるように、エキストラクター32を下方の位置に保持しており、エキストラクターの下部端81は、壁79の上にある。図6参照。図3に示されているようにエキストラクター32がスプリング34によって下方の位置に保持される場合、把持部40は、通常、段84のすぐ上に位置している。
【0015】
エキストラクター32及び金属のラッチ部材36、並びに、電子部品26及びコネクタ28は、第1のケースに配置されており、第1のケースの上に第2のケースが配置され、これらの2つのケースは、これらのケースの隣接するエッジが互いに接するように一緒に動かされる。これらのケースは、これらのケースの隣接するエッジの上にポスト・ラッチ(post latches)及びリセス・ラッチ(recess latches)を含む。これらのラッチによって、ラッチ・エキストラー組立体と、電子部品と、コネクタとが本体18の所定位置に保持され、本体18を形成するために2つのケースが共に固定される。
【0016】
それぞれのエキストラクター32のカムエンド42は、2つの斜めのカム面86を有する。面86は、カムエンド42の向かい合う側にある。把持部40が引き上げられると、カム面86は、シフト部材50の斜めのフォロア・アーム60と即座に係合して、隣接するスプリング・アーム48を即座に内側に曲げ、図3及び図6に示されるモジュールの外側面に隣接しているラッチ位置から、図4及び図7に示されるモジュールの外側縁端部の内側にあるアンラッチ位置まで、部材50を動かす。スプリング34は圧縮され、端部81は、壁79の上方に上げられる。スプリング・アーム48は、チャネル部材をラッチ位置に向けて付勢する。図4に示されている、短い距離75における把持部40の上方への移動は、カムエンド42を動かしてシフト部材50と係合させ、モジュールの隣接面から、図4及び図7に示されているアンラッチ位置すなわちリリース位置に、カム部材50を内側に動かす。
【0017】
組み立てられたモジュール10は、モジュールの下部端を伸張させてくぼみ12に嵌めることによってベース14にラッチされる。シフト部材50の先端部92は、ベース壁74を貫通して形成されたラッチ開口部68に導かれる。アーム62が開口部68を通過し、曲げられたスプリング・アーム48が外側に動いてラッチ・アーム62を外側に動かし、また下側のラッチ面66を図3及び図6に示されているラッチ位置に動かすまで、ラッチ・アーム62の斜めの面は、部材50が内側に動き、アーム48がチャネル72の中を内側に曲げられるように開口部68の外側のエッジと係合する。モジュールがベースにラッチする際、モジュールの上部はくぼみに押し込まれる。コネクタ28は、ベース14のコネクタと係合する。アーム48は、シフト部材50を、開口部68を通じてラッチ位置に動かすように曲げられる。エキストラクター32は、ベースにモジュールをラッチするためには用いられない。
【0018】
ラッチされたモジュールをベースから取り外すために、作業者は、把持部40の下側の面をベース14から短い距離75だけ引き上げる。エッジ44によって、作業者が把持部40を把持することが改善される。把持部40の初めの上方向の動きによって、図6の位置から図7の位置にカムエンド42が引き上げられる。カムエンド42の向かい合うエッジにおけるカム面86は、シフト部材50の上部端の外側に配置されるアーム60の斜めのフォロア面(follower surfaces)と即座に係合状態となる。カムエンド42は、カムエンド42の中央に配置され、2つのカム面86からの距離が等しく一段高くなったリブ88によって、外側への動きに対して支えられる。カムエンド42の上方向の動きは、シフト部材50を内側に回転させ、スプリング・アーム48を内側に曲げて、ラッチ面66を越える距離だけラッチ・アーム62を内側に動かし、モジュールをベースからアンラッチする。
【0019】
把持部40の上方向の動きによって、2つの部材50がベースの底面壁74から同時にアンラッチされ、さらなる上方向の動きによって、アンラッチされたモジュールがベースのくぼみから引き抜かれ、またコネクタが切り離される。
【0020】
モジュールをアンラッチする際、カムエンド42のリブ88は、溝78の外側壁と係合する。リブ88は、シフト部材50の内側へのカム動作の間、カム面86を支え、またカムエンド42と部材50のねじれを防ぐために、カムエンド42の中央における、横方向に間隔を空けられた2つのカム面86の間に配置される。また、アンラッチの際の摩擦を低減するために、リブ88によって、溝78の隣接する壁と帯状体38の外側面98との間隔が設けられている。
【0021】
平坦なベース56と、直立しているチャネル側面部58とを有する金属のシフト部材50は、溝形の断面を有しており、非常に剛性が大きい。このシフト部材50の剛性によって、チャネル部材の底部におけるラッチ・アーム62を内側に動かしてモジュールをアンラッチするために、間隔の空いているフォロア・アーム60にエキストラクター32のカムエンド42によって作用する力がシフト部材50の長さ方向に沿って伝えられるアンラッチの際の部材50の曲げが防がれる。アンラッチの際、それぞれの部材50は、ベース底面の斜めのラッチ面66からアーム62を内側に向かって離すためのアンラッチする力を、アーム60からアーム62に部材50のそれぞれのL字形の側面部に沿って屈曲せずに直接的に伝える。溝形の金属シフト部材50における横方向の剛性によって、リブ88の外側にあるアーム60の位置にかかわらず、部材50が横方向に変形しないことが確実なものとなる。
【0022】
エキストラクター32のカムエンド42と、ラッチ部材36のシフト部材50とは、位置合わせされた状態で互いに嵌合しており、部材50のフォロア・アーム60は、カムエンド42の側面に形成されたくぼみ100に延びている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール本体と、該モジュール本体を支持部材に取り外し可能に取り付けるための第1のラッチ・エキストラクター組立体とを含む電子機器モジュールにおいて、前記ラッチ・エキストラクター組立体が、金属のラッチ部材およびエキストラクターを含み、
前記ラッチ部材が、
細長いスプリング・アームと、
前記モジュール本体に固定される、前記スプリング・アームの一方の端部に設けられた取り付け部と、
前記スプリング・アームの他方の端部に設けられたシフト部材と
を含み、
前記シフト部材は、
全体的に平坦なベースと、
前記シフト部材がL字形で剛性を有するように約90度の角度で前記ベースから上方に延びている第1のベース側壁と、
前記スプリング・アームから離れた前記第1のベース側壁上に設けられた第1のラッチ・アームと、
前記スプリング・アームに隣接して前記第1のベース側壁上に設けられた第1のフォロア・アームと
を含み、
前記エキストラクターは、
細長いエキストラクター本体と、
前記エキストラクター本体の一方の端部に設けられた把持部と、
前記第1のフォロア・アームと係合する、前記エキストラクター本体の他方の端部に設けられた第1のカム面と
を有し、
前記シフト部材を横方向にカム動作させ、前記ラッチ・アームを支持部材との係合から外すために、前記把持部の動きにより、前記カム面を前記フォロア・アームに沿って動かし、前記シフト部材が、前記フォロア・アームからの力を前記ラッチ・アームに屈曲せずに伝えるようになっている、電子機器モジュール。
【請求項2】
前記フォロア・アームから前記カム面を離すように前記エキストラクターを付勢するスプリングを含む、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項3】
前記スプリング・アームが平坦で先細になっている、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項4】
前記シフト部材が、第2のベース側壁と、前記第2のベース側壁上に設けられた第2のラッチ・アームと、前記第2のベース側壁上に設けられた第2のフォロア・アームとを含み、前記エキストラクターが、前記第2のフォロア・アームと係合可能な第2のカム面を含む、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項5】
前記ラッチ・エキストラクター組立体が、第1のモジュール縁端部に配置されている、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項6】
前記ラッチ・エキストラクター組立体が第1のモジュール縁端部に配置されており、第2のモジュール縁端部に配置された第2のラッチ・エキストラクター組立体を含む、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項7】
前記第1のラッチ・アームが前記モジュールの外側に配置されており、前記第1のフォロア・アーム及び前記カム面が前記モジュールの内側に配置されている、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項8】
前記エキストラクター本体が、前記スプリング・アームの一方の面に対して延び、前記スプリング・アームと前記モジュールの外側面との間に配置され、前記把持部が、前記金属のラッチ部材の上方で前記モジュール本体の外側に配置されている、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項9】
前記シフト部材が、第2のベース側壁と、前記第2のベース側壁上に設けられた第2のフォロア・アームとを含み、前記エキストラクターが、前記第2のフォロア・アームと係合可能な第2のカム面を含む、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項10】
前記モジュール本体のプロフィバスに供給される直流電力の電圧を安定化させるための電力供給デバイスと、前記支持部材の相補的な電気コネクタとの電気接続部を形成するために前記電力供給デバイスに取り付けられた電気コネクタとを含む、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項1】
モジュール本体と、該モジュール本体を支持部材に取り外し可能に取り付けるための第1のラッチ・エキストラクター組立体とを含む電子機器モジュールにおいて、前記ラッチ・エキストラクター組立体が、金属のラッチ部材およびエキストラクターを含み、
前記ラッチ部材が、
細長いスプリング・アームと、
前記モジュール本体に固定される、前記スプリング・アームの一方の端部に設けられた取り付け部と、
前記スプリング・アームの他方の端部に設けられたシフト部材と
を含み、
前記シフト部材は、
全体的に平坦なベースと、
前記シフト部材がL字形で剛性を有するように約90度の角度で前記ベースから上方に延びている第1のベース側壁と、
前記スプリング・アームから離れた前記第1のベース側壁上に設けられた第1のラッチ・アームと、
前記スプリング・アームに隣接して前記第1のベース側壁上に設けられた第1のフォロア・アームと
を含み、
前記エキストラクターは、
細長いエキストラクター本体と、
前記エキストラクター本体の一方の端部に設けられた把持部と、
前記第1のフォロア・アームと係合する、前記エキストラクター本体の他方の端部に設けられた第1のカム面と
を有し、
前記シフト部材を横方向にカム動作させ、前記ラッチ・アームを支持部材との係合から外すために、前記把持部の動きにより、前記カム面を前記フォロア・アームに沿って動かし、前記シフト部材が、前記フォロア・アームからの力を前記ラッチ・アームに屈曲せずに伝えるようになっている、電子機器モジュール。
【請求項2】
前記フォロア・アームから前記カム面を離すように前記エキストラクターを付勢するスプリングを含む、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項3】
前記スプリング・アームが平坦で先細になっている、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項4】
前記シフト部材が、第2のベース側壁と、前記第2のベース側壁上に設けられた第2のラッチ・アームと、前記第2のベース側壁上に設けられた第2のフォロア・アームとを含み、前記エキストラクターが、前記第2のフォロア・アームと係合可能な第2のカム面を含む、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項5】
前記ラッチ・エキストラクター組立体が、第1のモジュール縁端部に配置されている、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項6】
前記ラッチ・エキストラクター組立体が第1のモジュール縁端部に配置されており、第2のモジュール縁端部に配置された第2のラッチ・エキストラクター組立体を含む、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項7】
前記第1のラッチ・アームが前記モジュールの外側に配置されており、前記第1のフォロア・アーム及び前記カム面が前記モジュールの内側に配置されている、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項8】
前記エキストラクター本体が、前記スプリング・アームの一方の面に対して延び、前記スプリング・アームと前記モジュールの外側面との間に配置され、前記把持部が、前記金属のラッチ部材の上方で前記モジュール本体の外側に配置されている、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項9】
前記シフト部材が、第2のベース側壁と、前記第2のベース側壁上に設けられた第2のフォロア・アームとを含み、前記エキストラクターが、前記第2のフォロア・アームと係合可能な第2のカム面を含む、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【請求項10】
前記モジュール本体のプロフィバスに供給される直流電力の電圧を安定化させるための電力供給デバイスと、前記支持部材の相補的な電気コネクタとの電気接続部を形成するために前記電力供給デバイスに取り付けられた電気コネクタとを含む、請求項1に記載された電子機器モジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−203909(P2012−203909A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−64979(P2012−64979)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【出願人】(512073770)フェニックス コンタクト ディベロップメント アンド マニュファクチャリング、インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−64979(P2012−64979)
【出願日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【出願人】(512073770)フェニックス コンタクト ディベロップメント アンド マニュファクチャリング、インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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