説明

電子機器及びシフトレジスタの制御方法

【課題】ゲートドライバのシフトレジスタの出力を安定化させる。
【解決手段】ゲートドライバ12は、n段のシフト回路が直列に接続されたシフトレジスタを備え、各シフト回路は出力信号OUT(1)〜OUT(n)を出力する。コントローラ14は、このゲートドライバ12に、スタート信号Start1、クロック信号ck1,ck2を供給し、また、出力信号OUT(n)を出力した直後から次の出力信号OUT(n−1)を出力する直前まで、Highレベルの出力信号OUT(n)の電位を変位させるend信号を供給する。この出力信号OUT(n)の電位が変位することにより、最終段のシフト回路の動作が安定し、後段から順次動作が是正され、予め設定された期間が経過したときは、すべての段のシフト回路が安定し、正常動作状態に落ち着く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びシフトレジスタの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
TFTを利用したゲートドライバ用シフトレジスタによって,有機EL素子やLCDをアクティブ駆動し、表示する表示装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、アクティブ駆動型の表示装置は、行毎に配列された各画素をスイッチする画素回路を選択するゲートドライバを備え、このゲートドライバには、通常、シフトレジスタ回路が用いられる。
【0004】
このシフトレジスタ回路は、例えば、各段に図13に示すように構成されたシフト回路51を有し、複数のシフト回路51が直列接続されることによって構成される。
【0005】
このシフト回路51は、トランジスタT51〜T59によって構成される。ここで、表示装置を起動するために電源からの電力が投入されると、各シフト回路51には、正の電源電圧Vddと負の電源電圧Vssとが印加開始されるとともに、クロック信号ckが供給される。
【0006】
その後、一段目のシフト回路51では、スタート信号Startとして外部から入力信号INがトランジスタT51、T53の各ゲートに入力される。
【0007】
シフト回路51では、その他の信号の干渉がなければ、図14に示すように、印加された電圧Vddは徐々に上昇し、電圧Vssは徐々に低下していく。
【0008】
また、ノードA,Bのそれぞれの電位Va,Vbは、その他の信号の干渉がなければ、Low(ロー)レベル、High(ハイ)レベルとなるが、そのタイミングは、電源投入直後はシフト回路51内のトランジスタT51〜T59のインピーダンスが高いため、電圧Vdd、電圧Vssが飽和するタイミングと比べて遅くなる。
【0009】
動作を開始すると、初段のシフト回路51は、次のクロック信号ckの立ち上がり時にHighレベルの出力信号OUTを出力し、2段目以降のシフト回路51は、順次、シフトしたHighレベルの出力信号OUTを出力する。
【0010】
シフト回路51を8段として、ノードA,Bのそれぞれの電位Va,VbがLow(ロー)レベル、High(ハイ)レベルに安定していれば、ゲートドライバは、図15に示すように、スタート信号Startが供給されると、順次、各シフト回路51の出力信号OUT(1)〜OUT(8)を、行毎に画素回路を選択する行選択信号として出力する。そして、ゲートドライバは、出力信号OUT(8)を出力した後、8段目のシフト回路51にリセット信号RSTとしてend信号(終了信号)が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−103226号公報(第8頁、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、実際には、図16に示すように、ハイインピーダンス状態のノードAは、電位が安定するまで、特にトランジスタT57の寄生容量Cx51によって、トランジスタT57に入力されるクロック信号ckとの間でクロストークの影響を強く受ける。このため、ノードAの電位Vaが振られて誤動作を招くおそれがある。また、ノードAの電位Vaでの変調によってトランジスタT56のオン、オフが不安定になり、ノードBの電位Vbが変動してしまう。
【0013】
場合によっては、シフト回路51の出力のときにトランジスタT57、T58のオン、オフが、所望とは逆に入れ替わった状態になってしまうため、図17のシミュレーション結果に示すように、各段のシフト回路51の出力信号OUT(1)〜(8)が正常に出力されなくなってしまうことがある。このような問題は、トランジスタT51〜T59が、移動度が高くないトランジスタ、例えばアモルファスシリコントランジスタである場合、顕著になる。
【0014】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、動作を安定化させることが可能な電子機器及びシフトレジスタの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る電子機器は、
それぞれ、入力された入力信号をシフトする第1段のシフト部乃至第n(n;自然数、n>1)段のシフト部が接続され、第k(k=2〜n)段の各シフト部が、前記入力信号をシフトして出力した出力信号をリセット信号として第(k−1)段のシフト部に供給し、前記第(k−1)段のシフト部の出力信号の電位を変位させるように構成されたシフトレジスタと、
前記第n段のシフト部に、前記第n段のシフト部が出力信号を出力した直後から、第(n−1)段のシフト部が次の出力信号を出力する直前まで、出力信号の電位を変位させる終了信号を供給する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
前記第1段のシフト部に前記入力信号としてスタート信号が供給され、
前記シフトレジスタの各シフト部は、クロック信号が供給され、供給されたクロック信号に同期させて前記入力信号をシフトするように構成され、さらに、
前記制御部は、前記クロック信号の周期をTckとし、前記スタート信号が前記第1段のシフト部に供給されたときから((Tck/2)×(n−1))乃至((Tck/2)×(n+1))の期間を、前記第n段のシフト部の出力信号の出力を許可する出力許可期間として、前記スタート信号が前記第1段のシフト部に供給されたときから前記出力許可期間が開始する前まで及び前記出力許可期間が終了したときから次の前記スタート信号が前記第1段のシフト部に供給されるまで、前記第n段のシフト部の出力信号の電位を変位させる終了信号を生成する終了信号生成部を備え、
前記終了信号生成部が生成した前記終了信号を前記第n段のシフト部に供給するようにしてもよい。
前記制御部は、電源が投入されたときから前記シフトレジスタの動作が安定するまでの予め設定された期間が経過したときは、前記スタート信号が前記第1段のシフト部に供給されたときから(Tck/2)×(n+1)経過したときにのみ、前記第n段のシフト部に、出力信号の電位を変位させる終了信号を供給するようにしてもよい。
表示素子を備えて行列配置された複数の画素回路と、
前記シフトレジスタを有し、各シフト部の出力信号を、行を選択する行選択信号として各行毎に供給し、前記複数の画素回路を行毎に選択する行選択ドライバと、を備え、
前記制御部は、前記スタート信号を前記終了信号生成部に供給するとともに前記行選択ドライバに供給して動作を開始させるようにしてもよい。
【0017】
本発明の第2の観点に係るシフトレジスタの制御方法は、
それぞれ、入力された入力信号をシフトする第1段のシフト部乃至第n(n;自然数、n>1)段のシフト部が接続され、第k(k=2〜n)段の各シフト部が、前記入力信号をシフトして出力した出力信号をリセット信号として第(k−1)段のシフト部に供給し、前記第(k−1)段のシフト部の出力信号の電位を変位させるように構成されたシフトレジスタの制御方法であって、
前記シフトレジスタを構成する第n段のシフト部に、前記第n段のシフト部が出力信号を出力した直後から、第(n−1)段のシフト部が次の出力信号を出力する直前まで、終了信号を供給して、出力信号の電位を変位させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、動作を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1に係るTFT−OLEDの構成を示す図であり、(a)は、TFT−OLEDの全体構成を示すブロック図であり、(b)は、各画素回路の構成を示す回路図である。
【図2】図1に示すゲートドライバを構成するシフトレジスタを示す図である。
【図3】図2に示すシフト回路の構成を示す回路図である。
【図4】(a)は図1に示すコントローラが備えるend信号生成回路の構成を示す図であり、(b)は波形チャート図である。
【図5】図4(a)に示すend信号生成回路の各部の波形を示すタイミングチャートである。
【図6】表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】例として、シフト回路の数を8とした場合の各部の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】シフト回路の数を8として誤動作後に短期間で正常化した場合のシミュレーション結果を示すタイミングチャートである。
【図9】ゲートドライバの応用例(1)の各部の波形を示すタイミングチャートである。
【図10】ゲートドライバの応用例(2)の各部の波形を示すタイミングチャートである。
【図11】ゲートドライバの応用例(3)の各部の波形を示すタイミングチャートである。
【図12】シフト回路の応用例を示す図である。
【図13】従来のシフト回路の構成を示す回路図である。
【図14】図13に示す従来の構成において、電源投入時、正常に動作するときの各部の電位を示す図である。
【図15】図13に示す従来の構成において、正常時のシミュレーション結果を示す図である。
【図16】図13に示す従来の構成において、電源投入時、ノイズが混入したときの各部の電位を示す図である。
【図17】図13に示す従来の構成において、電源投入時、ノイズが混入したときのシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る装置を図面を参照して説明する。尚、本実施形態では、電子機器を、TFT−OLED(Thin Film Transistor−Organic light-emitting diode)を備えた表示装置として説明する。
【0021】
本実施形態に係る表示装置の構成を図1に示す。
本実施形態に係る表示装置1は、図1(a)に示すように、n行、m列の複数の画素回路11(i,j)(i=1〜m、j=1〜n、m,nは、それぞれ、自然数)と、ゲートドライバ12と、データドライバ13と、コントローラ14と、を有する。
【0022】
画素回路11(i,j)は、画像の各画素に対応するものであり、行列配置される。この画素回路11(i,j)は、図1(b)に示すように、トランジスタT1、トランジスタT2、容量C1、及びEL素子101を有する。
【0023】
容量C1は、トランジスタT2のゲート−ソース間に設けられた容量である。
【0024】
EL素子101は、画素電極、単数或いは複数のキャリア輸送層からなる有機EL層、対向電極が積層された構造を有する表示素子であり、対向電極(カソード電極)には基準電位Vssが印加されている。
【0025】
トランジスタT1は、容量C1の一端に信号電圧Vsigを印加するためのトランジスタであり、nチャンネル型のFET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)によって構成されたポリシリコンまたはアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)である。
【0026】
画素回路11(i,j)では、トランジスタT1のソースは、トランジスタT2のゲート及び容量C1の一端に接続されている。画素回路11(i,1),・・・,11(i,n)のトランジスタT1のドレインは、それぞれ、i列目のデータラインLdiに接続される。
【0027】
画素回路11(1,j),・・・,11(m,j)の各トランジスタT1のゲートは、それぞれ、j行目のゲートラインLgjに接続される。そして、それぞれ、ゲートラインLg1,・・・,LgnにHighレベルの信号が順次出力されると、画素回路11(1,j),・・・,11(m,j)の各トランジスタT1はオンし、データラインLd1,・・・,Ldmにそれぞれ入力された信号電圧VsigをトランジスタT2のゲート及び容量C1の一端に出力する。
【0028】
各トランジスタT2は、信号電圧Vsigに基づいた電流量を制御しつつ、EL素子101に電流を供給するトランジスタであり、そのゲートがトランジスタT1のソース及び容量C1の一端に接続され、ドレインに電源電位Vddが印加され、ソースが容量C1の他端及びEL素子101の画素電極に接続されている。
【0029】
ゲートドライバ12は、コントローラ14から供給されたスタート信号Start1,クロック信号ck1,ck2に従って、行を選択するために生成した出力信号OUT(1)〜(n)を順次、画素回路11(i,j)に出力して、画素回路11(i,j)を行毎に選択するためのドライバである。
【0030】
スタート信号Start1は、ゲートドライバ12の動作を開始させるための信号であり、クロック信号ck1,ck2は、互いに位相が180°異なる信号である。
【0031】
このゲートドライバ12は、図2に示すようなシフトレジスタを有する。なお、ゲートドライバ12は、シフトレジスタの出力端にバッファが設けられてもよい。このシフトレジスタは、コントローラ14から供給されたスタート信号Start1によって動作を開始し、クロック信号ck1,ck2に同期させて、出力信号OUT(1)〜OUT(n)を順次出力するとともに転送させるものである。
【0032】
シフトレジスタは、第1段乃至第n段のシフト回路21_1〜21_n(n;偶数)を備え、シフト回路21_1〜21_nが直列に接続されている。なお、図2に示すシフトレジスタではnは偶数であったが、nは奇数でもよく、その場合、第n段にクロック信号ck2の代わりにクロック信号ck1を入力すればよい。
【0033】
シフト回路21_1〜21_nは、入力信号IN(スタート信号Start1を含む)とクロック信号ck1,ck2とが供給され、供給された入力信号INをクロック信号ck1,ck2に従ってシフトし、シフトした信号を出力信号OUT(k)(k=1〜n)として出力するものである。
【0034】
シフト回路21_k(又は21_(k+1))(k;奇数、k=1、3、5、……、n−1)は、図3に示すように、入力端子Pinと、出力端子Poutと、リセット端子Prstと、クロック端子Pckと、電圧端子P(+)と、電圧端子P(-)と、を有している。
【0035】
以下、シフト回路21_kの回路構成を中心に説明する。但し、シフト回路21_(k+1)においてもクロック信号ck2が入力される以外は概ね同様である。
【0036】
入力端子Pinは、入力信号IN(k)が供給される端子である。シフト回路21_1の入力端子Pinには、入力信号IN(1)として、コントローラ14からスタート信号Start1が供給される。
【0037】
出力端子Poutは、出力信号OUT(k)を出力する端子であり、ゲートラインLgkに接続されている。シフト回路21_2〜21_nの入力端子Pinは、それぞれ、シフト回路21_1〜21_(n−1)の出力端子Poutに接続される。
【0038】
リセット端子Prstは、リセット信号RST(k)が供給される端子である。シフト回路21_1〜21_(n−1)のリセット端子Prstは、それぞれ、シフト回路21_2〜21_nの出力端子Poutに接続され、出力信号OUT(2)〜OUT(n)がリセット信号RST(1)〜RST(n−1)として供給される。また、シフト回路21_nには、コントローラ14からend信号が供給される。
【0039】
クロック端子Pckは、クロック信号ck1又はck2が供給される端子であり、奇数段であるシフト回路21_kのクロック端子Pckには、コントローラ14から、クロック信号ck1が供給される。また、偶数段であるシフト回路21_(k+1)のクロック端子Pckには、コントローラ14から、クロック信号ck2が供給される。
【0040】
電圧端子P(+)は、正の電源電圧Vddが印加される端子であり、電圧端子P(-)は、負の電源電圧Vssが印加される端子である。
【0041】
このシフト回路21_kは、トランジスタT21〜T29を備えている。トランジスタT21〜T29は、nチャンネル型のFETによって構成されたものである。
【0042】
このトランジスタT21〜T29は、単結晶シリコントランジスタでもよく、また画素回路11(i,j)と一体に構成されるためにポリシリコンTFTやアモルファスシリコンTFT(a−TFT)によって構成されてもよい。
【0043】
トランジスタT21は、入力端子Pinに供給された入力信号IN(k)の信号レベルに従って、ノードAの電位Vaをコントロールするためのトランジスタである。このトランジスタT21のゲートは、入力端子Pinに接続され、ドレインは、電圧Vddの電圧源に接続され、ソースは、ノードAに接続される。
【0044】
トランジスタT22は、リセット端子Prstに供給されたリセット信号RST(k)の信号レベルに従って、ノードAの電位Vaをコントロールするためのトランジスタである。
【0045】
このトランジスタT22のゲートは、リセット端子Prstに接続され、ドレインは、トランジスタT21のソースとノードAとに接続され、ソースは、電圧端子P(-)に接続される。
【0046】
トランジスタT23は、入力端子Pinに供給された入力信号IN(k)に従って、ノードBの電位Vbをコントロールするためのトランジスタである。このトランジスタT23のゲートは、入力端子Pinに接続され、ドレインは、ノードBに接続され、ソースは、電圧端子P(-)に接続される。
【0047】
トランジスタT24は、ノードBの電位Vbに従って、ノードAの電位Vaをコントロールするためのトランジスタである。このトランジスタT24のゲートは、ノードBに接続され、ドレインは、ノードAに接続され、ソースは、電圧端子P(-)に接続される。
【0048】
トランジスタT25は、ダイオード接続されてトランジスタT26と対になって構成される抵抗負荷型インバータの抵抗として動作するトランジスタであり、そのドレインとゲートとは、電圧端子P(+)に接続され、ソースはノードBに接続される。
【0049】
トランジスタT26は、ノードAの電位Vaに従って、ノードBの電位Vbをコントロールするためのトランジスタである。このトランジスタT26のゲートは、ノードAに接続され、ドレインは、ノードBに接続され、ソースは電圧端子P(-)に接続される。
【0050】
トランジスタT27は、ノードAの電位Vaに従ってオン、オフされ、オン時にクロック信号ck1を出力信号OUT(k)として出力するためのトランジスタである。このトランジスタT27のゲートは、ノードAに接続され、ドレインは、クロック端子Pckに接続され、ソースは出力端子Poutに接続される。このトランジスタT27のゲート−ソース間には、ブートストラップ効果をもたらすための容量Cx1が設定される。
【0051】
トランジスタT28は、ノードBの電位Vbに従ってオン、オフされ、オン時に電圧Vssを出力信号OUT(k)として出力するためのトランジスタである。ノードAの電位Va、ノードBの電位Vbは相補的にHigh(オンレベル)、Low(オフレベル)にスイッチされ、一方がHighであれば、他方がLowとなる。
【0052】
トランジスタT28のゲートは、ノードBに接続され、ドレインは、トランジスタT27のソースと出力端子Poutとに接続され、ソースは、電圧端子P(-)に接続される。
【0053】
トランジスタT29は、Highレベルのリセット信号RST(k)が供給されたときにノードBの電位Vbをすぐに立ち上げて、誤動作を回避するためのトランジスタである。このトランジスタT29のゲートは、リセット端子Prstに接続され、ドレインは、電圧端子P(+)に接続され、ソースはノードBに接続される。
【0054】
図1(a),(b)に戻り、データドライバ13は、画像データが供給され、供給された画像データに基づく表示信号の信号電圧Vsigを、それぞれ、データラインLd1〜Ldmを介して、さらに、ゲートドライバ12が選択した行の画素回路11(i,j)の各トランジスタT1を介して、画素電極に印加(供給)するドライバである。
【0055】
データドライバ13は、コントローラ14から表示データ信号Dataが供給され、この表示データ信号Dataから、階調を設定する電圧として、各画素に対応して抽出した信号電圧Vsigを、ゲートラインLgiの選択期間に、データラインLdjを介して画素回路11(i,j)に印加する。
【0056】
コントローラ14は、ゲートドライバ12、データドライバ13を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)、等を備える(いずれも図示せず)。
【0057】
コントローラ14は、シフト回路21_1〜21_nのうち奇数段にクロック信号ck1を出力し、偶数段にクロック信号ck2を出力した状態で、動作を開始させるスタート信号Start1をゲートドライバ12の初段のシフト回路21_1に供給することにより、ゲートドライバ12に動作を開始させる。このクロック信号ck1,ck2は、位相が180°異なる信号である。
【0058】
また、コントローラ14は、データドライバ13にスタート信号start2及び表示データ信号Data、予め設定された周波数のクロック信号等を供給する。
【0059】
また、コントローラ14は、ゲートドライバ12が備えるシフトレジスタに、初期時に誤動作が生じても動作を安定させるようなend信号を出力する。
【0060】
従来のシフトレジスタのシミュレーション結果として、図17を参照すると、ある第k段の出力信号OUT(k)がHighレベルになると、その直後、その前段の第(k−1)段は、Highレベルの出力信号OUT(k−1)を出力しなくなる。
【0061】
これは、Highレベルの出力信号OUT(k)が前段のリセット信号RSTとなるためである。
【0062】
そこで、図2に示す最終段のシフト回路21_nに、最終段のシフト回路21_nの出力信号OUT(n)の出力直後のみならず、他の期間にも終了信号としてHighレベルのend信号を供給し続けると、シフト回路21_nは、所望のタイミング以外にHighレベルの出力信号OUT(n)を出力しないことになり、シフト回路51_nの動作が安定する。具体的には、従来、図17に示すように、最終段の出力信号OUT(8)はHighレベルとLowレベルを繰り返していた。しかし、この最終段の出力信号OUT(8)がHighレベルである期間は、図8に示すように減少している。
【0063】
シフト回路21_nの動作が安定すれば、電源投入直後に誤動作が生じても、その効果が前段のシフト回路21_(n−1)、シフト回路21_(n−2)、……に順次波及し、予め設定された期間が経過したときは、すべての段のシフト回路21_1〜21_nが安定し、正常動作状態に落ち着くことが予想される。
【0064】
ただし、シフト回路21_(n−1)がHighレベルの出力信号OUT(n−1)を出力するタイミングでシフト回路21_nにHighレベルのend信号が供給されると、シフト回路21_nのノードAの電位Va及びノードBの電位Vbが不安定になり、出力信号OUT(n)が正常に出力されなくなってしまう。
【0065】
このため、コントローラ14は、シフト回路21_nが出力信号OUT(n)を出力した直後から、シフト回路21_(n−1)が次の出力信号OUT(n−1)を出力する直前まで、シフト回路21_nの出力信号OUT(n)の出力をLowレベルにするHighレベルのend信号を供給するように構成されている。
【0066】
コントローラ14は、このようなend信号を生成する回路として、例えば、図4(a)に示すようなend信号生成回路140を備える。
【0067】
このend信号生成回路140は、カウンタ141と、RSフリップフロップ回路142と、レジスタ143と、NOR回路144と、AND回路145と、を備える。
【0068】
コントローラ14は、このend信号生成回路140に、スタート信号Start1と、クロック信号cka,ck1と、を供給し、初期値として、ゲートドライバ12が備えるシフト回路21_kの数よりも1つ少ない(n−1)を供給する。
【0069】
カウンタ141は、図4(b)に示すように、RSフリップフロップ回路142のQ端子から供給されたQ信号をイネーブル信号ENとして、供給された初期値(n−1)を、このイネーブル信号ENが供給されているときに、クロック信号ckaに従ってダウンカウントするものである。
【0070】
カウンタ141は、イネーブル端子(EN)と、クロック端子(cka)と、出力端子と、を有する。イネーブル端子(EN)、クロック端子(cka)は、それぞれ、イネーブル信号EN、クロック信号ckaが供給される端子である。出力端子は、RSフリップフロップ回路142のリセット端子と、レジスタ143のD端子と、NOR回路144の一方の入力端子と、に接続される。
【0071】
そして、カウンタ141は、イネーブル信号ENがLowレベルになると、カウント値を0に設定する。その後、イネーブル信号ENがLowレベルであり続ける場合、次のタイミングでクロック信号ckaがHighレベルになると、カウンタ141はカウント値を0から(n−1)にリセットし、n=8であれば、カウント値7に設定する。ここでカウント値が0の状態、つまり後述するクロック信号ck1の1周期Tckの半分の期間(Tck/2)だけカウンタ141は、出力端子からHighレベルの信号S141を出力し、それ以外の値では出力端子からLowレベルの信号S141を出力する。
【0072】
RSフリップフロップ回路142は、供給されたHighレベルのスタート信号Start1をセット信号、カウンタ141が出力したHighレベルの信号S141をリセット信号としてセット、リセットしたQ信号を出力するものである。
【0073】
RSフリップフロップ回路142は、スタート信号Start1がセット信号として供給されるS端子、信号S141がリセット信号として供給されるR端子、Q信号を出力するQ端子を有する。このQ端子は、カウンタ141のイネーブル端子(EN)に接続される。
【0074】
レジスタ143は、クロック信号ckaが供給され、このクロック信号ckaの立ち上がりタイミングで信号S141を記憶する回路であり、クロック信号ckaが供給されるクロック端子(cka)、信号S141が供給されるD端子、Q信号を出力するQ端子を有する。Q端子は、NOR回路144の他方の入力端子に接続される。
【0075】
レジスタ143は、このような処理をした結果として、出力信号S141のHighレベル期間を2倍にした図5に示すような信号S143をQ信号としてNOR回路144の他方の入力端子に出力する。
【0076】
尚、図5において、Tckは、クロック信号ck1(又はck2)の1周期である。また、T_blankは、フレームを切り換えるフレーム切換期間(あるいは帰線期間)であり、シフト回路21_nが出力信号OUT(n)を出力してから次のスタート信号Start1が供給されるまでの期間である。
【0077】
NOR回路144は、カウンタ141が出力した信号S141とレジスタ143が出力したQ信号とのNOR演算を行うものである。NOR回路144は、2つの入力端子と、出力端子と、を有する。
【0078】
出力端子は、AND回路145の一方の入力端子に接続される。そして、NOR回路144は、演算した結果として、図5に示すような信号S144を出力端子からAND回路145に出力する。
【0079】
AND回路145は、クロック信号ck1が供給され、NOR回路144が出力した信号S144と、供給されたクロック信号ck1とのAND演算を行うものである。
【0080】
AND回路145は、2つの入力端子と出力端子とを有し、信号S144が供給される入力端子、クロック信号ck1が供給される入力端子、出力端子を有する。AND回路145は、演算した結果、図5に示すようなパルス状のend信号を生成し、このend信号を出力端子から出力する。
【0081】
図5に示すように、時刻t2(1)は、スタート信号Start1がシフト回路21_1に供給される時刻t1(1)を基準に、時間(Tck/2)×(n−1)が経過した時刻であり、シフト回路21_(n−1)が出力信号OUT(n−1)を出力する直前の時刻になる。
【0082】
また、時刻t3(1)は、時刻t1(1)を基準に、時間(Tck/2)×(n−1)が経過した時刻であり、シフト回路21_nが出力信号OUT(n)を出力した直後の時刻である。
【0083】
この時刻t2(1)〜t3(1)では、end信号がLowレベルとなり、この期間Tb(1)は、シフト回路21_nのHighレベルの出力信号OUT(n)の出力が許可される出力許可期間になる。
【0084】
期間Tb(1)の前の時刻t1(1)〜t2(1)、後の時刻t3(1)〜t1(2)では、end信号がクロック信号ck1に同期してHighレベルとなり、シフト回路21_nのLowレベルの出力信号OUT(n)が出力される。
【0085】
従って、このend信号は、コントローラ14からスタート信号Start1が供給された時刻t1(1),t1(2),・・・を基準に、それぞれ、出力許可期間としての期間Tb(1),Tb(2),・・・の前後の期間Ta(1),Ta(2),・・・でシフト回路21_nが出力するHighレベルの出力信号OUT(n)をLowレベルに変位させる信号になる。尚、期間Tb(1)の後の期間Ta(2)は、フレーム切換期間T_blankを含むことになる。
【0086】
次に本実施形態に係る表示装置1の動作を説明する。
図6に示すように、時刻t1(1)において、コントローラ14は、位相が180°異なるクロック信号ck1,ck2とHighレベルのスタート信号Start1と、をゲートドライバ12に供給する。
【0087】
このHighレベルのスタート信号Start1は、図3に示す第1段のシフト回路21_1のIN端子に供給される。
【0088】
シフト回路21_1は、クロック信号ck1に同期して、コントローラ14から供給されたこのスタート信号Start1をシフトし、シフトした信号を出力信号OUT(1)として出力する。
【0089】
同様に、シフト回路21_k(k=2〜n)は、それぞれ、クロック信号ck1,ck2に同期させて、シフト回路21_(k−1)から出力された出力信号OUT(k−1)を入力信号IN(k)として、この入力信号IN(k)をシフトする。そして、シフト回路21_kは、シフトした信号を出力信号OUT(k)として出力する。
【0090】
ゲートドライバ12は、シフト回路21_1,21_2,・・・,21_nのHighレベルの出力信号OUT(1)〜OUT(n)を、順次、ゲートラインLg1,Lg2,・・・,Lgnに出力する。
【0091】
ゲートラインLg1,Lg2,・・・,Lgnに、順次、HighレベルのOUT(1)信号が出力されると、画素回路11(1,1)〜11(m,1),11(1,2)〜11(m,2),・・・,11(1,n)〜11(m,n)が選択される。
【0092】
データドライバ13は、供給された画像データに基づく電圧Vsigを、それぞれ、データラインLd1〜Ldmに印加する。
【0093】
また、時刻t1(1)において、コントローラ14は、スタート信号Start1を、図4(a)に示すend信号生成回路140に供給する。
【0094】
end信号生成回路140は、図5に示すようなend信号を生成し、コントローラ14は、期間Ta(1)において、end信号生成回路140が生成したend信号をゲートドライバ12に供給する。前段から不正なタイミングでパルスが転送されることによりノードA、ノードBでの電位が反転しても、それを強制的に元に戻しているので、所望する以外のタイミングでHighレベルを出力しなくなる。
【0095】
ゲートドライバ12のシフト回路21_nは、Highレベルのend信号が供給されてリセットされ、出力信号OUT(n)の信号レベルを短期間でLowレベルに立ち下げる。
【0096】
期間Ta(1)が経過して時刻t2(1)になると、コントローラ14は、end信号の信号レベルをLowレベルに立ち下げる。このとき、シフト回路21_(n−1)は、シフト回路21_nからリセット信号RSTが供給されないため、Highレベルの出力信号OUT(n−1)を出力する。
【0097】
シフト回路21_nは、このHighレベルの出力信号OUT(n−1)を入力信号INとしてシフトする。このとき、まだend信号がLowレベルであるため、シフト回路21_nのノードAの電位Vaが負の電源電圧VssのLowレベルからHighレベルに変位し、ノードBの電位Vbが正の電源電圧VddのHighレベルからLowレベルに変位し、シフト回路21_nは、出力信号OUT(n)の出力が許可され、その後、クロック信号ck2(又はck1)によりHighレベルの出力信号OUT(n)を出力する。
【0098】
期間Tb(1)が経過して時刻t3(1)になると、コントローラ14は、パルス状のHighレベルのend信号を出力し、出力信号OUT(n)の出力をLowレベルにする。
【0099】
フレーム切換期間T_blankが経過して時刻t1(2)になると、コントローラ14は、時刻t1(1)のときと同様に、次のスタート信号Start1をゲートドライバ12とend信号生成回路140とに供給する。
【0100】
図7は、例えば、ゲートドライバ12のシフトレジスタが8つのシフト回路21_1〜21_8(n=8)を備え、フレーム切換期間T_blankを(Tck/2)×7とした場合の正常動作時の各部のタイミングを示したものである。この場合、期間Ta(1),Tb(1),Tb(2),Ta(2)は、それぞれ、以下のようになる。
Ta(1)=(Tck/2)×7
Tb(1)=Tb(2)=(Tck/2)×2
Ta(2)=T_blank+Ta(1)=(Tck/2)×14
【0101】
また、図8は、この図7の場合と同様、ゲートドライバ12が8つのシフト回路21_1〜21_8(n=8)を備え、フレーム切換期間T_blankを(Tck/2)×7とした場合に、各段のシフト回路21_1〜21_8の出力信号OUT(1)〜OUT(8)が初期状態において正常に出力されない場合に短期間で正常化されたシミュレーション結果を示す図である。
【0102】
図8に示すように、時刻t1(1)において電源が投入されたときに、シフト回路21_8のノードAの電位が、クロック信号ck1,ck2が出力されるクロックラインと、トランジスタT27との間の寄生容量によって不安定になり、また、シフト回路21_8が出力信号OUT(8)を出力するときに、トランジスタT27,T28のオン、オフが入れ替わった状態になったとしても、コントローラ14は、期間Ta(1),Ta(2),・・・において、ゲートドライバ12にHighレベルのend信号を供給し続ける。
【0103】
このため、初期の期間で、シフト回路21_1〜21_8が誤動作したとしても、速やかにシフト回路21_8が正常な出力動作になり、シフト回路21_8から正常なシフト出力信号OUT(8)、つまり正常なリセット信号RST(7)が出力され、前段のシフト回路21_7が正常化していく。
【0104】
時間が経過するに従い、シフト回路21_1〜21_8の各電圧端子P(+)、電圧端子P(-)も電圧Vdd,Vssとなり、シフト回路21_1〜21_7の出力動作も、後段からの正常なリセット信号RSTによって後段から前段へ正常に是正され、徐々に安定する。図8に示すシミュレーション結果では、時刻t3(4)においてすべてのシフト回路21_1〜21_8の出力が安定し、正常動作状態に落ち着く。
【0105】
以上説明したように、本実施形態によれば、コントローラ14は、ゲートドライバ12に、出力信号OUT(n)を出力した直後から次の出力信号OUT(n−1)を出力する直前まで、Highレベルの出力信号OUT(n)の出力を禁止するend信号を供給するようにした。
【0106】
従って、最終段のシフト回路21_nの出力が安定するようになり、その影響は前方へと伝搬し、電源投入後に誤動作が生じても、ゲートドライバ12が備えるシフトレジスタの動作を安定化させることができる。
【0107】
尚、本発明を実施するにあたっては、種々の形態が考えられ、上記実施形態に限られるものではない。
例えば、ゲートドライバ12は、偶数個のシフト回路を備えるだけでなく、奇数個のシフト回路を備えたものであってもよい。この場合、図9に示すように、コントローラ14は、クロック信号ck1により出力信号OUT(n)が出力されるよう設定し、同様にend信号を、出力信号OUT(n−1)及び出力信号OUT(n)のHighレベル時にLowレベルにし、それ以外の期間では、クロック信号ck2に同期するように設定すればよい。
【0108】
また、上記実施形態では、コントローラ14のend信号生成回路140は、パルス状のend信号を生成するようにした。しかし、end信号は、このような波形のものに限られるものではない。
【0109】
例えば、end信号生成回路140は、図10に示すような波形のend信号を生成するようにしてもよい。この場合、end信号生成回路140は、NOR回路144の出力信号S144を、end信号として直接出力する。
【0110】
また、上述したように、各シフト回路21_kは、電源が投入されてから短期間で安定して動作するようになる。このため、コントローラ14は、図11に示すように、予め設定された期間として、電源が投入されてから、数msec〜数100msecの間まで、上記実施形態と同様の波形のend信号を出力し、その後、従来と同様に、シフト回路21_nが出力信号OUT(n)を出力した直後にのみ、end信号をゲートドライバ12に供給するようにしてもよい。
【0111】
このように構成されることにより、特に、最終段のシフト回路21_nのトランジスタT22、トランジスタT29の各ゲート端子に印加されるHighレベルの電圧ストレスが減少し、トランジスタT23の劣化を防止することができる。
【0112】
尚、このend信号を従来と同様のend信号に切り換えるタイミングは、電源投入してから、数msec〜数100msec経過後であれば、任意のタイミングでよい。但し、安定動作の観点から、このタイミングは、図11に示すように、フレーム切換期間T_blankであることが好ましい。
【0113】
また、シフト回路21_kは、図3に示すような構成のものに限られるものではなく、例えば、図12に示すようにトランジスタT31〜T36を備えたものであってもよい。
【0114】
上記実施形態では、シフトレジスタがnチャンネル型トランジスタで構成されたが、これに限らず、pチャンネル型トランジスタで構成されてもよく、この場合、入力される信号波形、出力される信号波形が逆位相になる。
上記実施形態では、電子機器を発光素子としてのEL素子101を備えた表示装置1として説明した。しかし、電子機器は、TFT−LCD(Thin Film Transistor−Liquid Crystal Display)を備えた表示装置であってもよい。さらに、電子機器は、図2に示すシフトレジスタと、図4(a)に示すようなend信号生成回路140と、を備えたものであれば、表示装置に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0115】
1・・・表示装置、11(1,1)〜11(m,n)・・・画素回路、101・・・EL素子、12・・・ゲートドライバ、13・・・データドライバ、14・・・コントローラ、140・・・end信号生成回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ、入力された入力信号をシフトする第1段のシフト部乃至第n(n;自然数、n>1)段のシフト部が接続され、第k(k=2〜n)段の各シフト部が、前記入力信号をシフトして出力した出力信号をリセット信号として第(k−1)段のシフト部に供給し、前記第(k−1)段のシフト部の出力信号の電位を変位させるように構成されたシフトレジスタと、
前記第n段のシフト部に、前記第n段のシフト部が出力信号を出力した直後から、第(n−1)段のシフト部が次の出力信号を出力する直前まで、出力信号の電位を変位させる終了信号を供給する制御部と、を備えた、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1段のシフト部に前記入力信号としてスタート信号が供給され、
前記シフトレジスタの各シフト部は、クロック信号が供給され、供給されたクロック信号に同期させて前記入力信号をシフトするように構成され、さらに、
前記制御部は、前記クロック信号の周期をTckとし、前記スタート信号が前記第1段のシフト部に供給されたときから((Tck/2)×(n−1))乃至((Tck/2)×(n+1))の期間を、前記第n段のシフト部の出力信号の出力を許可する出力許可期間として、前記スタート信号が前記第1段のシフト部に供給されたときから前記出力許可期間が開始する前まで及び前記出力許可期間が終了したときから次の前記スタート信号が前記第1段のシフト部に供給されるまで、前記第n段のシフト部の出力信号の電位を変位させる終了信号を生成する終了信号生成部を備え、
前記終了信号生成部が生成した前記終了信号を前記第n段のシフト部に供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、電源が投入されたときから前記シフトレジスタの動作が安定するまでの予め設定された期間が経過したときは、前記スタート信号が前記第1段のシフト部に供給されたときから(Tck/2)×(n+1)経過したときにのみ、前記第n段のシフト部に、出力信号の電位を変位させる終了信号を供給する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
表示素子を備えて行列配置された複数の画素回路と、
前記シフトレジスタを有し、各シフト部の出力信号を、行を選択する行選択信号として各行毎に供給し、前記複数の画素回路を行毎に選択する行選択ドライバと、を備え、
前記制御部は、前記スタート信号を前記終了信号生成部に供給するとともに前記行選択ドライバに供給して動作を開始させる、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の電子機器。
【請求項5】
それぞれ、入力された入力信号をシフトする第1段のシフト部乃至第n(n;自然数、n>1)段のシフト部が接続され、第k(k=2〜n)段の各シフト部が、前記入力信号をシフトして出力した出力信号をリセット信号として第(k−1)段のシフト部に供給し、前記第(k−1)段のシフト部の出力信号の電位を変位させるように構成されたシフトレジスタの制御方法であって、
前記シフトレジスタを構成する第n段のシフト部に、前記第n段のシフト部が出力信号を出力した直後から、第(n−1)段のシフト部が次の出力信号を出力する直前まで、終了信号を供給して、出力信号の電位を変位させる、
ことを特徴とするシフトレジスタの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−164754(P2010−164754A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−6575(P2009−6575)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】