電子機器及びプログラム
【課題】画像中の物体や事象などで表されるグラフ形状と、当該グラフ形状を実サイズに即して表現したグラフ式とを関連付けて学習することを可能とする。
【解決手段】関数電卓1は、画像を表示させるディスプレイ3と、画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するCPU11と、ユーザ操作に基づいて、画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定するとともに、長さ入力対象の線分について長さを入力する入力部14とを備える。CPU11は、グラフの位置及び形状に応じて、画像中に座標系の原点を設定し、長さ入力対象の線分の長さに基づいて、画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する。またCPU11は、表示レンジに基づいて、グラフのグラフ式を算出し、ディスプレイ3に表示させる。
【解決手段】関数電卓1は、画像を表示させるディスプレイ3と、画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するCPU11と、ユーザ操作に基づいて、画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定するとともに、長さ入力対象の線分について長さを入力する入力部14とを備える。CPU11は、グラフの位置及び形状に応じて、画像中に座標系の原点を設定し、長さ入力対象の線分の長さに基づいて、画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する。またCPU11は、表示レンジに基づいて、グラフのグラフ式を算出し、ディスプレイ3に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影画像を表示する電子機器においては、移動物体の撮影画像を背景として表示させつつ、当該移動物体の測定データをグラフ化して描画することにより、グラフの形状と物理的な事象とを関連付けて学習できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−131665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、測定データに基づくプロット点を結んでグラフが描画されるに過ぎず、画像中のグラフ形状と、当該グラフ形状を実サイズに即して表現したグラフ式とを関連付けて学習することはできない。
【0005】
本発明の課題は、画像中の物体や事象などで表されるグラフ形状と、当該グラフ形状を実サイズに即して表現したグラフ式とを関連付けて学習することのできる電子機器及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電子機器において、
画像を表示させる表示手段と、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するグラフ描画手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定する長さ入力線分指定手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記長さ入力対象の線分について長さを入力する線分長さ入力手段と、
前記グラフの位置及び形状に応じて、前記画像中に座標系の原点を設定する原点設定手段と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する表示レンジ算出手段と、
前記表示レンジに基づいて、前記グラフのグラフ式を算出し、前記表示手段に表示させるグラフ式算出手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像中の物体や事象などで表されるグラフ形状と、当該グラフ形状を実サイズに即して表現したグラフ式とを関連付けて学習することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】関数電卓の概略構成を示す平面図である。
【図2】関数電卓の機能構成を示すブロック図である。
【図3】画像表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】画像表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】原点位置の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】長さ設定対象の線分の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図8】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図9】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図10】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図11】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図12】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
[1.関数電卓の構成]
[1−1.外観構成]
図1は、関数電卓1の概略構成を示す概念図である。
この図に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
【0011】
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、EXEキー23、削除キー24等を備えている。
【0012】
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の記号や括弧、分数の括線、根号(√)、対数記号、定数(円周率「π」や光速度「c」等)、三角関数記号など、各種演算記号の入力操作を受けるキーである。
【0013】
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
【0014】
EXEキー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後に演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。削除キー24は、ディスプレイ3に表示されている数値や演算記号などの削除操作を受けるキーである。
【0015】
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果、座標軸、グラフなどの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを複数のドットにより表示するようになっている。なお、本実施の形態におけるディスプレイ3では、横方向にX軸、縦方向にY軸が表示され、当該XY軸によりXY座標系が表示されるようになっており、Y軸方向,X軸方向のドット数は「186」,「378」となっている。また、本実施の形態においては、各ドットは正方形であり、縦横の長さが同一となっている。更に、本実施の形態におけるディスプレイ3には、タッチパネル30が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。
【0016】
[1−2.機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
【0017】
この図に示すように、関数電卓1は、入力部14と、表示部15と、通信部16と、記録媒体読取部17と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)11と、を備えて構成されている。
【0018】
入力部14は、上述の入力キー群2及びタッチパネル30を備えており、押下されたキーやタッチパネル30の位置に対応する信号をCPU11に出力するようになっている。
【0019】
表示部15は、上述のディスプレイ3を備えており、CPU11からの表示信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。
【0020】
通信部16は、インターネットに接続可能となっており、これにより、インターネットに接続される外部機器との通信が可能となっている。
記録媒体読取部17は、着脱自在に装着されるUSBメモリ等の外部情報記憶媒体17Aから情報を読み取るものである。
【0021】
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。
【0022】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、本発明に係るプログラムとしての画像表示プログラム130と、画像ファイル群131とを記憶している。
【0023】
画像表示プログラム130は、後述の画像表示処理(図3〜図4参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0024】
画像ファイル群131は、ディスプレイ3に表示可能な画像についての画像ファイル100を複数記憶している。これらの画像ファイル100は、通信部16を介して受信されるようになっている。
【0025】
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0026】
[2.関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1の動作について、図3〜図4を参照しつつ説明する。
図3〜図4は、CPU11が記憶部13から画像表示プログラム130を読み出して実行する画像表示処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0027】
図3に示すように、画像表示処理においてまずCPU11は、記憶部13から画像ファイル100を読み出す旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS1)、行われたと判定した場合(ステップS1;Yes)には、ユーザ操作によって指定される画像ファイル100を記憶部13から読み出し、ディスプレイ3に背景画像として表示させ(ステップS2)、後述のステップS5に移行する。
【0028】
また、ステップS1において記憶部13から画像ファイル100を読み出す旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS1;No)には、CPU11は、インターネット上から画像ファイル100をダウンロードする旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS3)、行われないと判定した場合(ステップS3;No)には他の処理へ移行する。
【0029】
また、ステップS3において画像ファイル100をダウンロードする旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS3;Yes)には、CPU11は、ユーザ操作によって指定される画像ファイル100をダウンロードして記憶部13に記憶させるとともに、ディスプレイ3に背景画像として表示させる(ステップS4)。
【0030】
次に、CPU11は、グラフ式のタイプを選択する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS5)、行われたと判定した場合(ステップS5;Yes)には、ディスプレイ3にグラフ式のタイプ(本実施の形態においてはグラフの一般式及びグラフ形状)を一覧表示させ(ステップS6)、ユーザ操作に基づいて何れかのグラフ式のタイプを選択する(ステップS7)。
【0031】
次に、CPU11は、選択されたグラフ式タイプのグラフ形状に合致するグラフ図形を、ディスプレイ3に表示されている背景画像から検出した後(ステップS8)、後述のステップS21に移行する。
【0032】
また、上述のステップS5においてグラフ式のタイプを選択する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS5;No)には、CPU11は、グラフ図形をサーチさせる旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS11)、行われないと判定した場合(ステップS11;No)には、後述のステップS24に移行する。
【0033】
また、ステップS11においてグラフ図形をサーチさせる旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS11;Yes)には、CPU11は、円、楕円及び放物線の各グラフ図形を、ディスプレイ3に表示されている背景画像から検出する(ステップS12)。
【0034】
次に、CPU11は、背景画像から検出した各グラフ図形に重ねてグラフを描画するとともに、当該グラフの表示色と同じ色で、そのグラフ式を表示させる(ステップS21)。
【0035】
次に、CPU11は、ユーザ操作に基づいて、何れかのグラフ図形を選択グラフ図形として選択するとともに、選択されなかったグラフ図形のグラフ及びグラフ式をディスプレイ3から消去した後(ステップS22)、原点位置の設定処理を行う(ステップS23)。
【0036】
具体的には、図5に示すように、この原点位置の設定処理においてまずCPU11は、ディスプレイ3における表示領域の中央位置を原点位置に仮設定した後(ステップT1)、選択グラフ図形が円または楕円であるか否かを判定する(ステップT2)。
【0037】
このステップT2において選択グラフ図形が円または楕円であると判定した場合(ステップT2;Yes)には、CPU11は、当該グラフ図形の最下部の位置を原点位置に設定し直した後(ステップT3)、設定処理を終了する。
【0038】
また、ステップT2において選択グラフ図形が円または楕円でないと判定した場合(ステップT2;No)には、CPU11は、選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線であるか否かを判定する(ステップT5)。
【0039】
このステップT5において選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線であると判定した場合(ステップT5;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形は概ね左右対称であるか否か、つまり頂点に対して左右一方の側に偏っていないか否かを判定する(ステップT6)。
【0040】
このステップT6において選択グラフ図形が概ね左右対称であると判定した場合(ステップT6;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形が上開きであるか否かを判定する(ステップT7)。
【0041】
このステップT7において選択グラフ図形が上開きであると判定した場合(ステップT7;Yes)には、CPU11は、頂点位置(最下部の位置)を原点位置に設定し直した後(ステップT8)、設定処理を終了する。
【0042】
また、ステップT7において選択グラフ図形が上開きでないと判定した場合、つまり下開きであると判定した場合(ステップT7;No)には、CPU11は、頂点位置(最上部の位置)のX座標位置を原点のX座標位置に設定し直すとともに(ステップT9)、選択グラフ図形の最下部のY座標位置を原点のY座標位置に設定し直し(ステップT10)、設定処理を終了する。
【0043】
また、ステップT6において選択グラフ図形が概ね左右対称でないと判定した場合(ステップT6;No)には、CPU11は、選択グラフ図形が放物線の頂点から片側の部分のみであるか否かを判定し(ステップT11)、片側の部分のみではないと判定した場合(ステップT11;No)には、ステップT1での仮設定の通りに原点位置を設定し、設定処理を終了する。
【0044】
また、ステップT11において選択グラフ図形が放物線の頂点から片側の部分のみであると判定した場合(ステップT11;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形を囲んだ長方形における左下の角の位置を原点位置に設定し直し(ステップT12)、設定処理を終了する。
【0045】
また、ステップT5において選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線でないと判定した場合(ステップT5;No)には、CPU11は、選択グラフ図形が放物線のうち、右または左に開いた放物線であるか否かを判定し(ステップT15)、右または左に開いた放物線ではないと判定した場合(ステップT15;No)には、ステップT1での仮設定の通りに原点位置を設定し、設定処理を終了する。
【0046】
このステップT15において選択グラフ図形が右または左に開いた放物線であると判定した場合(ステップT15;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形の頂点位置を原点位置に設定し直し(ステップT16)、設定処理を終了する。
【0047】
以上のステップT2〜T16により、選択グラフ図形(ディスプレイ3に描画されているグラフ)の位置及び形状に応じて、画像中(表示領域中)に座標系の原点が設定されることとなる。
そして、原点位置の設定処理が終了したら、図3に示すように、次にCPU11は、原点位置を修正する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS24)、行われたと判定した場合(ステップS24;Yes)には、現時点で設定されている原点位置に原点を表示させる(ステップS25)。
【0048】
次に、CPU11は、選択グラフ図形が円または楕円であるか否かを判定し(ステップ
S26)、円または楕円であると判定した場合(ステップS26;Yes)には、原点位置の設定メニューを表示させる(ステップS27)。ここで、このステップS27で表示される設定メニューとしては、「現在位置でOK」と、「円の中心に設定」と、「ユーザ指定位置に変更」との3つが用いられるようになっている。そして、「現在位置でOK」のメニューが選択されると、現時点で設定されている原点位置が変更されずに維持される。また、「円の中心に設定」のメニューが選択されると、選択グラフ図形(円または楕円)の中心位置が原点位置に設定される。また、「ユーザ指定位置に変更」のメニューが選択されると、ユーザ操作に基づく指定位置が原点位置に設定される。
【0049】
次に、CPU11は、ユーザにより選択されるメニューに応じて原点位置を設定し直し(ステップS28)、上述のステップS24に移行する。
【0050】
また、ステップS26において選択グラフ図形が円または楕円でないと判定した場合(ステップS26;No)には、CPU11は、原点位置の設定メニューを表示させ(ステップS29)、上述のステップS28に移行する。ここで、このステップS29で表示される設定メニューとしては、「現在位置でOK」と、「図形の頂点に設定」と、「ユーザ指定位置に変更」との3つが用いられるようになっている。そして、「図形の頂点位置に設定」のメニューが選択されると、選択グラフ図形(放物線)の頂点位置が原点位置に設定される。
【0051】
また、上述のステップS24において原点位置を修正する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS24;No)には、図4に示すように、CPU11は、背景画像内の線分に長さを設定する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS31)、行われないと判定した場合(ステップS31;No)には他の処理へ移行する。
【0052】
また、ステップS31において背景画像内の線分に長さを設定する旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS31;Yes)には、CPU11は、長さ設定対象の線分の設定処理を行う(ステップS32)。
【0053】
具体的には、図6に示すように、この長さ設定対象の線分の設定処理においてまずCPU11は、原点からX軸の正方向に1目盛りまでの線分を、長さ設定対象の線分として仮設定する(ステップU1)。なお、X軸の目盛りの間隔はデフォルトで設定されている。
【0054】
次に、CPU11は、選択グラフ図形が円または楕円であるか否かを判定し(ステップU2)、円または楕円であると判定した場合(ステップU2;Yes)には、円の中心から最下部までの線分を、長さ設定対象の線分として設定し直した後(ステップU3)、設定処理を終了する。
【0055】
また、ステップU2において選択グラフ図形が円または楕円でないと判定した場合(ステップU2;No)には、CPU11は、選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線であるか否かを判定する(ステップU5)。
【0056】
このステップU5において選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線でないと判定した場合(ステップU5;No)には、CPU11は、ステップU1での仮設定の通りに長さ設定対象の線分を設定し、設定処理を終了する。
【0057】
また、ステップU5において選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線であると判定した場合(ステップU5;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形は概ね左右対称であるか否かを判定する(ステップU6)。
【0058】
このステップU6において選択グラフ図形が概ね左右対称であると判定した場合(ステップU6;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形を囲んだ長方形における上辺を、長さ設定対象の線分として設定し直し(ステップU7)、設定処理を終了する。
【0059】
また、ステップU6において選択グラフ図形が概ね左右対称でないと判定した場合(ステップU6;No)には、CPU11は、選択グラフ図形が放物線の頂点から片側の部分のみであるか否かを判定し(ステップU8)、片側の部分のみではないと判定した場合(ステップU8;No)には、ステップU1での仮設定の通りに長さ設定対象の線分を設定し、設定処理を終了する。
【0060】
また、ステップU8において選択グラフ図形が放物線の頂点から片側の部分のみであると判定した場合(ステップU8;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形を囲んだ長方形における左辺を、長さ設定対象の線分として設定し直し(ステップU9)、設定処理を終了する。
【0061】
以上の長さ設定対象の線分の設定処理が終了したら、図4に示すように、次にCPU11は、設定対象の線分を修正する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS33)、行われないと判定した場合(ステップS33;No)には、後述のステップS36に移行する。
【0062】
また、ステップS33において設定対象の線分を修正する旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS33;Yes)には、CPU11は、ユーザ操作に基づいて、背景画像内の任意の線分を長さ設定対象の線分に設定し直す(ステップS35)。
【0063】
次に、長さ設定対象の線分の長さがユーザによって入力されると(ステップS36)、CPU11は、入力された数値を当該線分のドット数で割ることにより、1ドット当たりの長さ(Ld)を算出する(ステップS37)。
【0064】
次に、CPU11は、以下の式からXY座標系の表示レンジを算出する(ステップS38)。なお、式中、Xd0とは、X軸方向における原点のドット位置(表示領域の左端からのドット数)であり、Yd0とは、Y軸方向における原点のドット位置(表示領域の下端からのドット数)である。
Xmin=−Xd0×Ld
Xmax=(X方向の総ドット数−Xd0)×Ld
Ymin=−Yd0×Ld
Ymax=(Y方向の総ドット数−Yd0)×Ld
【0065】
次に、CPU11は、算出された表示レンジをディスプレイ3の表示領域に設定した後(ステップS41)、この表示レンジに基づいて選択グラフ図形のグラフ式を最小二乗法で算出し、算出結果をディスプレイ3に表示させる(ステップS42)。
【0066】
次に、CPU11は、背景画像内の線分について長さを計算する旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS51)。
【0067】
このステップS51において長さを計算する旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS51;Yes)には、CPU11は、ユーザ操作に基づいて背景画像中の任意の線分を長さ算出対象の線分として指定し(ステップS52)、指定線分のドット数に、1ドット当たりの長さ(Ld=長さ設定対象の線分のドット数/当該線分の長さ)を掛けることにより当該指定線分の長さを算出し(ステップS53)、算出した長さをディスプレイ3に表示させた後(ステップS54)、上述のステップS51に移行する。
【0068】
また、ステップS51において長さを計算する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS51;No)には、CPU11は、選択グラフ図形のトレースを実行する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS55)、行われないと判定した場合(ステップS55;No)には他の処理へ移行する。
【0069】
また、ステップS55において選択グラフ図形のトレースを実行する旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS55;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形のグラフ式を表示させ、選択グラフ図形上の所定点(例えば原点)にトレースカーソルT(図9(b)など参照)を表示させるとともに、当該トレースカーソルTの座標を表示させる(ステップS56)。
【0070】
次に、CPU11は、ユーザによるカーソル操作に応じてトレースカーソルTを選択グラフ図形上で移動させるとともに、移動後のトレースカーソルTの座標を表示させる(ステップS57)。
【0071】
そして、CPU11は、トレース実行前の処理に戻る旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS58)、行われないと判定した場合(ステップS58;No)には上述のステップS57に移行する一方、行われたと判定した場合(ステップS58;Yes)には上述のステップS51に移行する。
【0072】
[3.動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述の動作を具体的に説明する。
【0073】
(動作例(1))
まず、記憶部13から画像ファイル100を読み出す旨の操作をユーザが行い(ステップS1;Yes)、画像ファイル100を指定すると、図7(a)に示すように、指定された画像ファイル100が記憶部13から読み出され、ディスプレイ3に背景画像として表示される(ステップS2)。なお、本動作例においては、河川に架けられたアーチ橋の撮影画像が背景画像として表示される。
【0074】
次に、グラフ式のタイプを選択する旨の操作をユーザが行うと(ステップS5;Yes)、図7(b)に示すように、グラフ式のタイプ(グラフの一般式及びグラフ形状)がディスプレイ3に一覧表示される(ステップS6)。
【0075】
次に、ユーザが「Y=A(X−H)2+K」(上開き,下開きの放物線)のグラフ式のタイプを選択すると(ステップS7)、図7(c),(d)に示すように、選択されたグラフ式タイプのグラフ形状に合致するグラフ図形(ここではアーチ橋における2本のアーチ部分)が背景画像から検出されて(ステップS8)、検出された各グラフ図形に重ねてグラフが描画されるとともに、当該グラフの表示色と同じ色で、そのグラフ式が表示される(ステップS21)。なお、図7(d)において、上側のアーチ部分に重ねられたグラフと、上側のグラフ式「Y=A(X−H)2+K」とは青色で表示されており、下側のアーチ部分に重ねられたグラフと、下側のグラフ式「Y=A(X−H)2+K」とは赤色で表示されている。
【0076】
次に、ユーザが上側のアーチ形状のグラフ図形を選択グラフ図形として選択すると、図7(e)に示すように、下側のグラフ図形のグラフ及びグラフ式がディスプレイ3から消去される(ステップS22)。
【0077】
次に、選択グラフ図形が放物線のうち上方または下方に開いた放物線であり(ステップ
T5;Yes)、概ね左右対称であり(ステップT6;Yes)、上開きでないと判定され(ステップT7;No)、頂点位置(最上部の位置)のX座標位置が原点のX座標位置に設定され(ステップT9)、選択グラフ図形の最下部のY座標位置が原点のY座標位置に設定される(ステップT10)。なお、図7(e)では、便宜上、このとき設定された原点位置に黒点を図示している(図中の略中央参照)。
【0078】
次に、背景画像内の線分に長さを設定する旨の操作をユーザが行い(ステップS31;Yes)、設定対象の線分を修正する旨の操作を行った後(ステップS33;Yes)、図7(f)に示すように、背景画像における原点位置からグラフ図形の頂点までの線分、つまりアーチ部分の高さに相当する線分を長さ設定対象の線分に設定し直す(ステップS35)。
【0079】
次に、図8(a),(b)に示すように、画像中のアーチ橋の実際の高さに基づいて、長さ設定対象の線分の長さ「30」をユーザが入力すると(ステップS36)、入力された数値「30」を当該線分のドット数(ここでは「45」)で割ることにより、1ドット当たりの長さ(Ld=0.667…)が算出され(ステップS37)、XY座標系の表示レンジ(Xmin=−126、Xmax=126、Ymin=−80、Ymax=44)が算出される(ステップS38)。
【0080】
そして、算出された表示レンジがディスプレイ3の表示領域に設定された後(ステップS41)、この表示レンジに基づいて選択グラフ図形のグラフ式が最小二乗法で算出され、図8(c)に示すように、算出結果「Y=−0.002X2+30」がディスプレイ3に表示される(ステップS42)。
【0081】
次に、図8(d),(e)に示すように、背景画像内の線分について長さを計算する旨の操作をユーザが行い(ステップS51;Yes)、橋長に相当する線分を長さ算出対象の線分として指定すると(ステップS52)、図8(f),図9(a)に示すように、指定線分のドット数に1ドット当たりの長さ(Ld=0.667…)を掛けることにより当該指定線分の長さ「220」が算出され表示される(ステップS53,S54)。
【0082】
次に、選択グラフ図形のトレースを実行する旨の操作をユーザが行うと(ステップS55;Yes)、図9(b)に示すように、選択グラフ図形上の所定点(ここでは頂点)にトレースカーソルTが表示されるとともに、当該トレースカーソルTの座標「X=0,Y=30」が表示される(ステップS56)。
【0083】
次に、ユーザがカーソル操作を行ってトレースカーソルTを選択グラフ図形上で移動させると、図9(c),(d)に示すように、移動後のトレースカーソルTの座標が表示される(ステップS57)。
【0084】
(動作例(2))
まず、記憶部13から画像ファイル100を読み出す旨の操作をユーザが行い(ステップS1;Yes)、画像ファイル100を指定すると、図10(a)に示すように、指定された画像ファイル100が記憶部13から読み出され、ディスプレイ3に背景画像として表示される(ステップS2)。なお、本動作例においては、放物線状に水を噴き出すマーライオンと、観覧車との撮影画像が背景画像として表示される。
【0085】
次に、グラフ図形をサーチさせる旨の操作をユーザが行うと(ステップS11;Yes)、円、楕円及び放物線の各グラフ図形が背景画像から検出され(ステップS12)、図10(b)に示すように、検出された各グラフ図形に重ねてグラフが描画されるとともに、当該グラフの表示色と同じ色で、そのグラフ式が表示される(ステップS21)。なお
、図10(b)において、マーライオンから噴き出された水の放物線部分に重ねられたグラフと、上側のグラフ式「Y=A(X−H)2+K」とは青色で表示されており、観覧車の円形部分に重ねられたグラフと、下側のグラフ式「(X−H)2+(Y−K)2=R2」とは赤色で表示されている。
【0086】
次に、ユーザが円形状のグラフ図形を選択グラフ図形として選択すると、図10(c)に示すように、放物線形状のグラフ及びグラフ式がディスプレイ3から消去される(ステップS22)。
【0087】
次に、選択グラフ図形が円または楕円であると判定され(ステップT2;Yes)、当該グラフ図形の最下部の位置が原点位置に設定される(ステップT3)。
【0088】
次に、原点位置を修正する旨の操作をユーザが行うと(ステップS24;Yes)、図10(d)に示すように、現時点で設定されている原点位置(グラフ図形の最下部の位置)に原点が表示される(ステップS25)。
【0089】
次に、選択グラフ図形が円または楕円であると判定され(ステップS26;Yes)、原点位置の設定メニュー「現在位置でOK」、「円の中心に設定」、「ユーザ指定位置に変更」が表示される(ステップS27)。そして、ユーザが「現在位置でOK」を選択すると、原点位置が変更されずに維持される(ステップS28)。
【0090】
次に、背景画像内の線分に長さを設定する旨の操作をユーザが行い(ステップS31;Yes)、設定対象の線分を修正する旨の操作を行った後(ステップS33;Yes)、図11(a)に示すように、背景画像における原点位置からグラフ図形(円)の中心までの線分、つまり観覧車の半径に相当する線分を長さ設定対象の線分に設定し直す(ステップS35)。
【0091】
次に、図11(b)に示すように、画像中の観覧車の実際の半径に基づいて、長さ設定対象の線分の長さ「80」をユーザが入力すると(ステップS36)、入力された数値「80」を当該線分のドット数(ここでは「30」)で割ることにより、1ドット当たりの長さ(Ld=2.667…)が算出され(ステップS37)、XY座標系の表示レンジ(Xmin=−800、Xmax=208、Ymin=−160、Ymax=336)が算出される(ステップS38)。
【0092】
そして、算出された表示レンジがディスプレイ3の表示領域に設定された後(ステップS41)、この表示レンジに基づいて選択グラフ図形のグラフ式が最小二乗法で算出され、図11(c)に示すように、算出結果「X2+(Y−80)2=6400」がディスプレイ3に表示される(ステップS42)。
【0093】
次に、選択グラフ図形のトレースを実行する旨の操作をユーザが行うと(ステップS55;Yes)、図11(d)に示すように、選択グラフ図形上の所定点にトレースカーソルTが表示されるとともに、当該トレースカーソルTの座標「X=80,Y=80」が表示される(ステップS56)。
【0094】
また、上述の図10(b)に示した状態から、ユーザが放物線形状のグラフ図形を選択グラフ図形として選択すると、図12(a)に示すように、円形状のグラフ及びグラフ式がディスプレイ3から消去される(ステップS22)。
【0095】
次に、選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線であり(ステップT5;Yes)、概ね左右対称でなく(ステップT6;No)、放物線の頂点から片側
の部分のみであると判定され(ステップT11;Yes)、選択グラフ図形を囲んだ長方形における左下の角の位置が原点位置に設定される(ステップT12)。なお、図12(a)では、便宜上、このとき設定された原点位置に黒点を図示している(図中の左下参照)。
【0096】
次に、背景画像内の線分に長さを設定する旨の操作をユーザが行い(ステップS31;Yes)、設定対象の線分を修正する旨の操作を行った後(ステップS33;Yes)、図12(b)に示すように、背景画像における原点位置からグラフ図形の上端までの線分、つまり放物線部分の高さに相当する線分を長さ設定対象の線分に設定し直す(ステップS35)。
【0097】
次に、図12(c)に示すように、画像中の放物線の実際の高さに基づいて、長さ設定対象の線分の長さ「8」をユーザが入力すると(ステップS36)、入力された数値「8」を当該線分のドット数(ここでは「90」)で割ることにより、1ドット当たりの長さ(Ld=0.0889)が算出され(ステップS37)、XY座標系の表示レンジ(Xmin=−7.8、Xmax=25.6、Ymin=−2.2、Ymax=14.3)が算出される(ステップS38)。
【0098】
そして、算出された表示レンジがディスプレイ3の表示領域に設定された後(ステップS41)、この表示レンジに基づいて選択グラフ図形のグラフ式が最小二乗法で算出され、図12(d)に示すように、算出結果「Y=−0.03X2+11」がディスプレイ3に表示される(ステップS42)。
【0099】
次に、選択グラフ図形のトレースを実行する旨の操作をユーザが行うと(ステップS55;Yes)、図12(e)に示すように、選択グラフ図形上の所定点にトレースカーソルTが表示されるとともに、当該トレースカーソルTの座標「X=0,Y=11」が表示される(ステップS56)。
【0100】
次に、ユーザがカーソル操作を行ってトレースカーソルTを選択グラフ図形上で移動させると、図12(f)に示すように、移動後のトレースカーソルTの座標が表示される(ステップS57)。
【0101】
以上のように、本実施形態の関数電卓1によれば、図3のステップS8,S12,S21〜S23,S32〜S42や、図7〜図8(c)、図10〜図12等に示したように、画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形が検出されて、当該グラフ図形に重ねてグラフが描画されるとともに、グラフの位置及び形状に応じて画像中に座標系の原点が設定され、ユーザ操作に基づいて、画像中の任意の線分が長さ入力対象の線分として指定されて長さが入力されると、入力された長さに基づいて、画像に重ねて設定される座標系の表示レンジが算出され、この表示レンジに基づいて、グラフの式が算出されて表示されるので、画像中の物体や事象などで表されるグラフ形状と、当該グラフ形状を実サイズに即して表現したグラフ式とを関連付けて学習することができる。
【0102】
また、図4のステップS52〜S54や、図8(d)〜図9(a)等に示したように、ユーザ操作に基づいて画像中の任意の線分が長さ算出対象の線分として指定されると、長さ入力対象の線分の長さに基づいて長さ算出対象の線分の長さが算出されて表示されるので、グラフ式の理解を助け、学習効果を高めることができる。
【0103】
また、図3のステップS21〜S22や、図7(d)、図10(b)等に示したように、画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形が複数検出され、検出された複数のグラフ図形から、何れかのグラフ図形がユーザ操作に基づいて選択されると、選択された
グラフ図形に重ねてグラフが描画されるので、グラフ図形が画像中に複数含まれる場合であっても、所望のグラフ図形についてのグラフを描画させ、そのグラフ形状と、グラフ式とを関連付けて学習することができる。更に、図10〜図12に示したように、撮影画像中に遠近2種類の被写体が存在する場合には、各被写体について、グラフ形状と、当該グラフ形状を実サイズに即して表現したグラフ式とを関連付けて学習することができる。
【0104】
また、図3のステップS6〜S8や図7(b)〜(d)等に示したように、ユーザ操作に基づいてグラフ形状の種類が選択されると、選択されたグラフ形状に合致するグラフ図形が画像中から検出されるので、所望のグラフ形状と、グラフ式とを関連付けて学習することができる。
【0105】
なお、上記の実施の形態における関数電卓1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0106】
例えば、本発明に係る画像表示装置を関数電卓等として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る画像表示プログラム130は、関数電卓1に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
【0107】
また、座標系の縦軸をY軸、横軸をX軸として説明したが、他の座標軸名としても良い。更に、座標系を直交座標系として説明したが、斜交座標系や極座標系など、他の種類の座標系としても良い。
【0108】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
画像を表示させる表示手段と、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するグラフ描画手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定する長さ入力線分指定手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記長さ入力対象の線分について長さを入力する線分長さ入力手段と、
前記グラフの位置及び形状に応じて、前記画像中に座標系の原点を設定する原点設定手段と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する表示レンジ算出手段と、
前記表示レンジに基づいて、前記グラフのグラフ式を算出し、前記表示手段に表示させるグラフ式算出手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項2>
請求項1記載の電子機器において、
ユーザ操作に基づいて前記画像中の任意の線分を長さ算出対象の線分として指定する長さ算出線分指定手段と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記長さ算出対象の線分の長さを算出して表示させる線分長さ算出手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項3>
請求項1または2記載の電子機器において、
前記グラフ描画手段は、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を複数検出するグラフ図形検出手段と、
前記グラフ図形検出手段により検出された複数のグラフ図形から、何れかのグラフ図形をユーザ操作に基づいて選択するグラフ図形選択手段と、
前記グラフ図形選択手段により選択されたグラフ図形に重ねてグラフを描画する選択図形グラフ描画手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
<請求項4>
請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器において、
前記グラフ描画手段は、
ユーザ操作に基づいてグラフ形状の種類を選択するグラフ形状選択手段と、
前記グラフ形状選択手段により選択されたグラフ形状に合致するグラフ図形を前記画像中から検出する選択形状グラフ図形検出手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
<請求項5>
画像を表示させる表示手段を備えるコンピュータに、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するグラフ描画機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定する長さ入力線分指定機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記長さ入力対象の線分について長さを入力する線分長さ入力機能と、
前記グラフの位置及び形状に応じて、前記画像中に座標系の原点を設定する原点設定機能と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する表示レンジ算出機能と、
前記表示レンジに基づいて、前記グラフのグラフ式を算出し、前記表示手段に表示させるグラフ式算出機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0109】
1 関数電卓
2 入力キー群
3 ディスプレイ
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 入力部
15 表示部
130 画像表示プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影画像を表示する電子機器においては、移動物体の撮影画像を背景として表示させつつ、当該移動物体の測定データをグラフ化して描画することにより、グラフの形状と物理的な事象とを関連付けて学習できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−131665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、測定データに基づくプロット点を結んでグラフが描画されるに過ぎず、画像中のグラフ形状と、当該グラフ形状を実サイズに即して表現したグラフ式とを関連付けて学習することはできない。
【0005】
本発明の課題は、画像中の物体や事象などで表されるグラフ形状と、当該グラフ形状を実サイズに即して表現したグラフ式とを関連付けて学習することのできる電子機器及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電子機器において、
画像を表示させる表示手段と、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するグラフ描画手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定する長さ入力線分指定手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記長さ入力対象の線分について長さを入力する線分長さ入力手段と、
前記グラフの位置及び形状に応じて、前記画像中に座標系の原点を設定する原点設定手段と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する表示レンジ算出手段と、
前記表示レンジに基づいて、前記グラフのグラフ式を算出し、前記表示手段に表示させるグラフ式算出手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像中の物体や事象などで表されるグラフ形状と、当該グラフ形状を実サイズに即して表現したグラフ式とを関連付けて学習することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】関数電卓の概略構成を示す平面図である。
【図2】関数電卓の機能構成を示すブロック図である。
【図3】画像表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】画像表示処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】原点位置の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】長さ設定対象の線分の設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図8】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図9】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図10】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図11】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図12】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
[1.関数電卓の構成]
[1−1.外観構成]
図1は、関数電卓1の概略構成を示す概念図である。
この図に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
【0011】
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、EXEキー23、削除キー24等を備えている。
【0012】
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の記号や括弧、分数の括線、根号(√)、対数記号、定数(円周率「π」や光速度「c」等)、三角関数記号など、各種演算記号の入力操作を受けるキーである。
【0013】
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
【0014】
EXEキー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後に演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。削除キー24は、ディスプレイ3に表示されている数値や演算記号などの削除操作を受けるキーである。
【0015】
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果、座標軸、グラフなどの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを複数のドットにより表示するようになっている。なお、本実施の形態におけるディスプレイ3では、横方向にX軸、縦方向にY軸が表示され、当該XY軸によりXY座標系が表示されるようになっており、Y軸方向,X軸方向のドット数は「186」,「378」となっている。また、本実施の形態においては、各ドットは正方形であり、縦横の長さが同一となっている。更に、本実施の形態におけるディスプレイ3には、タッチパネル30が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。
【0016】
[1−2.機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
【0017】
この図に示すように、関数電卓1は、入力部14と、表示部15と、通信部16と、記録媒体読取部17と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)11と、を備えて構成されている。
【0018】
入力部14は、上述の入力キー群2及びタッチパネル30を備えており、押下されたキーやタッチパネル30の位置に対応する信号をCPU11に出力するようになっている。
【0019】
表示部15は、上述のディスプレイ3を備えており、CPU11からの表示信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。
【0020】
通信部16は、インターネットに接続可能となっており、これにより、インターネットに接続される外部機器との通信が可能となっている。
記録媒体読取部17は、着脱自在に装着されるUSBメモリ等の外部情報記憶媒体17Aから情報を読み取るものである。
【0021】
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。
【0022】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、本発明に係るプログラムとしての画像表示プログラム130と、画像ファイル群131とを記憶している。
【0023】
画像表示プログラム130は、後述の画像表示処理(図3〜図4参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0024】
画像ファイル群131は、ディスプレイ3に表示可能な画像についての画像ファイル100を複数記憶している。これらの画像ファイル100は、通信部16を介して受信されるようになっている。
【0025】
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0026】
[2.関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1の動作について、図3〜図4を参照しつつ説明する。
図3〜図4は、CPU11が記憶部13から画像表示プログラム130を読み出して実行する画像表示処理の動作を説明するためのフローチャートである。
【0027】
図3に示すように、画像表示処理においてまずCPU11は、記憶部13から画像ファイル100を読み出す旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS1)、行われたと判定した場合(ステップS1;Yes)には、ユーザ操作によって指定される画像ファイル100を記憶部13から読み出し、ディスプレイ3に背景画像として表示させ(ステップS2)、後述のステップS5に移行する。
【0028】
また、ステップS1において記憶部13から画像ファイル100を読み出す旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS1;No)には、CPU11は、インターネット上から画像ファイル100をダウンロードする旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS3)、行われないと判定した場合(ステップS3;No)には他の処理へ移行する。
【0029】
また、ステップS3において画像ファイル100をダウンロードする旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS3;Yes)には、CPU11は、ユーザ操作によって指定される画像ファイル100をダウンロードして記憶部13に記憶させるとともに、ディスプレイ3に背景画像として表示させる(ステップS4)。
【0030】
次に、CPU11は、グラフ式のタイプを選択する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS5)、行われたと判定した場合(ステップS5;Yes)には、ディスプレイ3にグラフ式のタイプ(本実施の形態においてはグラフの一般式及びグラフ形状)を一覧表示させ(ステップS6)、ユーザ操作に基づいて何れかのグラフ式のタイプを選択する(ステップS7)。
【0031】
次に、CPU11は、選択されたグラフ式タイプのグラフ形状に合致するグラフ図形を、ディスプレイ3に表示されている背景画像から検出した後(ステップS8)、後述のステップS21に移行する。
【0032】
また、上述のステップS5においてグラフ式のタイプを選択する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS5;No)には、CPU11は、グラフ図形をサーチさせる旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS11)、行われないと判定した場合(ステップS11;No)には、後述のステップS24に移行する。
【0033】
また、ステップS11においてグラフ図形をサーチさせる旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS11;Yes)には、CPU11は、円、楕円及び放物線の各グラフ図形を、ディスプレイ3に表示されている背景画像から検出する(ステップS12)。
【0034】
次に、CPU11は、背景画像から検出した各グラフ図形に重ねてグラフを描画するとともに、当該グラフの表示色と同じ色で、そのグラフ式を表示させる(ステップS21)。
【0035】
次に、CPU11は、ユーザ操作に基づいて、何れかのグラフ図形を選択グラフ図形として選択するとともに、選択されなかったグラフ図形のグラフ及びグラフ式をディスプレイ3から消去した後(ステップS22)、原点位置の設定処理を行う(ステップS23)。
【0036】
具体的には、図5に示すように、この原点位置の設定処理においてまずCPU11は、ディスプレイ3における表示領域の中央位置を原点位置に仮設定した後(ステップT1)、選択グラフ図形が円または楕円であるか否かを判定する(ステップT2)。
【0037】
このステップT2において選択グラフ図形が円または楕円であると判定した場合(ステップT2;Yes)には、CPU11は、当該グラフ図形の最下部の位置を原点位置に設定し直した後(ステップT3)、設定処理を終了する。
【0038】
また、ステップT2において選択グラフ図形が円または楕円でないと判定した場合(ステップT2;No)には、CPU11は、選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線であるか否かを判定する(ステップT5)。
【0039】
このステップT5において選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線であると判定した場合(ステップT5;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形は概ね左右対称であるか否か、つまり頂点に対して左右一方の側に偏っていないか否かを判定する(ステップT6)。
【0040】
このステップT6において選択グラフ図形が概ね左右対称であると判定した場合(ステップT6;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形が上開きであるか否かを判定する(ステップT7)。
【0041】
このステップT7において選択グラフ図形が上開きであると判定した場合(ステップT7;Yes)には、CPU11は、頂点位置(最下部の位置)を原点位置に設定し直した後(ステップT8)、設定処理を終了する。
【0042】
また、ステップT7において選択グラフ図形が上開きでないと判定した場合、つまり下開きであると判定した場合(ステップT7;No)には、CPU11は、頂点位置(最上部の位置)のX座標位置を原点のX座標位置に設定し直すとともに(ステップT9)、選択グラフ図形の最下部のY座標位置を原点のY座標位置に設定し直し(ステップT10)、設定処理を終了する。
【0043】
また、ステップT6において選択グラフ図形が概ね左右対称でないと判定した場合(ステップT6;No)には、CPU11は、選択グラフ図形が放物線の頂点から片側の部分のみであるか否かを判定し(ステップT11)、片側の部分のみではないと判定した場合(ステップT11;No)には、ステップT1での仮設定の通りに原点位置を設定し、設定処理を終了する。
【0044】
また、ステップT11において選択グラフ図形が放物線の頂点から片側の部分のみであると判定した場合(ステップT11;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形を囲んだ長方形における左下の角の位置を原点位置に設定し直し(ステップT12)、設定処理を終了する。
【0045】
また、ステップT5において選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線でないと判定した場合(ステップT5;No)には、CPU11は、選択グラフ図形が放物線のうち、右または左に開いた放物線であるか否かを判定し(ステップT15)、右または左に開いた放物線ではないと判定した場合(ステップT15;No)には、ステップT1での仮設定の通りに原点位置を設定し、設定処理を終了する。
【0046】
このステップT15において選択グラフ図形が右または左に開いた放物線であると判定した場合(ステップT15;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形の頂点位置を原点位置に設定し直し(ステップT16)、設定処理を終了する。
【0047】
以上のステップT2〜T16により、選択グラフ図形(ディスプレイ3に描画されているグラフ)の位置及び形状に応じて、画像中(表示領域中)に座標系の原点が設定されることとなる。
そして、原点位置の設定処理が終了したら、図3に示すように、次にCPU11は、原点位置を修正する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS24)、行われたと判定した場合(ステップS24;Yes)には、現時点で設定されている原点位置に原点を表示させる(ステップS25)。
【0048】
次に、CPU11は、選択グラフ図形が円または楕円であるか否かを判定し(ステップ
S26)、円または楕円であると判定した場合(ステップS26;Yes)には、原点位置の設定メニューを表示させる(ステップS27)。ここで、このステップS27で表示される設定メニューとしては、「現在位置でOK」と、「円の中心に設定」と、「ユーザ指定位置に変更」との3つが用いられるようになっている。そして、「現在位置でOK」のメニューが選択されると、現時点で設定されている原点位置が変更されずに維持される。また、「円の中心に設定」のメニューが選択されると、選択グラフ図形(円または楕円)の中心位置が原点位置に設定される。また、「ユーザ指定位置に変更」のメニューが選択されると、ユーザ操作に基づく指定位置が原点位置に設定される。
【0049】
次に、CPU11は、ユーザにより選択されるメニューに応じて原点位置を設定し直し(ステップS28)、上述のステップS24に移行する。
【0050】
また、ステップS26において選択グラフ図形が円または楕円でないと判定した場合(ステップS26;No)には、CPU11は、原点位置の設定メニューを表示させ(ステップS29)、上述のステップS28に移行する。ここで、このステップS29で表示される設定メニューとしては、「現在位置でOK」と、「図形の頂点に設定」と、「ユーザ指定位置に変更」との3つが用いられるようになっている。そして、「図形の頂点位置に設定」のメニューが選択されると、選択グラフ図形(放物線)の頂点位置が原点位置に設定される。
【0051】
また、上述のステップS24において原点位置を修正する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS24;No)には、図4に示すように、CPU11は、背景画像内の線分に長さを設定する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS31)、行われないと判定した場合(ステップS31;No)には他の処理へ移行する。
【0052】
また、ステップS31において背景画像内の線分に長さを設定する旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS31;Yes)には、CPU11は、長さ設定対象の線分の設定処理を行う(ステップS32)。
【0053】
具体的には、図6に示すように、この長さ設定対象の線分の設定処理においてまずCPU11は、原点からX軸の正方向に1目盛りまでの線分を、長さ設定対象の線分として仮設定する(ステップU1)。なお、X軸の目盛りの間隔はデフォルトで設定されている。
【0054】
次に、CPU11は、選択グラフ図形が円または楕円であるか否かを判定し(ステップU2)、円または楕円であると判定した場合(ステップU2;Yes)には、円の中心から最下部までの線分を、長さ設定対象の線分として設定し直した後(ステップU3)、設定処理を終了する。
【0055】
また、ステップU2において選択グラフ図形が円または楕円でないと判定した場合(ステップU2;No)には、CPU11は、選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線であるか否かを判定する(ステップU5)。
【0056】
このステップU5において選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線でないと判定した場合(ステップU5;No)には、CPU11は、ステップU1での仮設定の通りに長さ設定対象の線分を設定し、設定処理を終了する。
【0057】
また、ステップU5において選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線であると判定した場合(ステップU5;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形は概ね左右対称であるか否かを判定する(ステップU6)。
【0058】
このステップU6において選択グラフ図形が概ね左右対称であると判定した場合(ステップU6;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形を囲んだ長方形における上辺を、長さ設定対象の線分として設定し直し(ステップU7)、設定処理を終了する。
【0059】
また、ステップU6において選択グラフ図形が概ね左右対称でないと判定した場合(ステップU6;No)には、CPU11は、選択グラフ図形が放物線の頂点から片側の部分のみであるか否かを判定し(ステップU8)、片側の部分のみではないと判定した場合(ステップU8;No)には、ステップU1での仮設定の通りに長さ設定対象の線分を設定し、設定処理を終了する。
【0060】
また、ステップU8において選択グラフ図形が放物線の頂点から片側の部分のみであると判定した場合(ステップU8;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形を囲んだ長方形における左辺を、長さ設定対象の線分として設定し直し(ステップU9)、設定処理を終了する。
【0061】
以上の長さ設定対象の線分の設定処理が終了したら、図4に示すように、次にCPU11は、設定対象の線分を修正する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS33)、行われないと判定した場合(ステップS33;No)には、後述のステップS36に移行する。
【0062】
また、ステップS33において設定対象の線分を修正する旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS33;Yes)には、CPU11は、ユーザ操作に基づいて、背景画像内の任意の線分を長さ設定対象の線分に設定し直す(ステップS35)。
【0063】
次に、長さ設定対象の線分の長さがユーザによって入力されると(ステップS36)、CPU11は、入力された数値を当該線分のドット数で割ることにより、1ドット当たりの長さ(Ld)を算出する(ステップS37)。
【0064】
次に、CPU11は、以下の式からXY座標系の表示レンジを算出する(ステップS38)。なお、式中、Xd0とは、X軸方向における原点のドット位置(表示領域の左端からのドット数)であり、Yd0とは、Y軸方向における原点のドット位置(表示領域の下端からのドット数)である。
Xmin=−Xd0×Ld
Xmax=(X方向の総ドット数−Xd0)×Ld
Ymin=−Yd0×Ld
Ymax=(Y方向の総ドット数−Yd0)×Ld
【0065】
次に、CPU11は、算出された表示レンジをディスプレイ3の表示領域に設定した後(ステップS41)、この表示レンジに基づいて選択グラフ図形のグラフ式を最小二乗法で算出し、算出結果をディスプレイ3に表示させる(ステップS42)。
【0066】
次に、CPU11は、背景画像内の線分について長さを計算する旨の操作が行われるか否かを判定する(ステップS51)。
【0067】
このステップS51において長さを計算する旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS51;Yes)には、CPU11は、ユーザ操作に基づいて背景画像中の任意の線分を長さ算出対象の線分として指定し(ステップS52)、指定線分のドット数に、1ドット当たりの長さ(Ld=長さ設定対象の線分のドット数/当該線分の長さ)を掛けることにより当該指定線分の長さを算出し(ステップS53)、算出した長さをディスプレイ3に表示させた後(ステップS54)、上述のステップS51に移行する。
【0068】
また、ステップS51において長さを計算する旨の操作が行われないと判定した場合(ステップS51;No)には、CPU11は、選択グラフ図形のトレースを実行する旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS55)、行われないと判定した場合(ステップS55;No)には他の処理へ移行する。
【0069】
また、ステップS55において選択グラフ図形のトレースを実行する旨の操作が行われたと判定した場合(ステップS55;Yes)には、CPU11は、選択グラフ図形のグラフ式を表示させ、選択グラフ図形上の所定点(例えば原点)にトレースカーソルT(図9(b)など参照)を表示させるとともに、当該トレースカーソルTの座標を表示させる(ステップS56)。
【0070】
次に、CPU11は、ユーザによるカーソル操作に応じてトレースカーソルTを選択グラフ図形上で移動させるとともに、移動後のトレースカーソルTの座標を表示させる(ステップS57)。
【0071】
そして、CPU11は、トレース実行前の処理に戻る旨の操作が行われるか否かを判定し(ステップS58)、行われないと判定した場合(ステップS58;No)には上述のステップS57に移行する一方、行われたと判定した場合(ステップS58;Yes)には上述のステップS51に移行する。
【0072】
[3.動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述の動作を具体的に説明する。
【0073】
(動作例(1))
まず、記憶部13から画像ファイル100を読み出す旨の操作をユーザが行い(ステップS1;Yes)、画像ファイル100を指定すると、図7(a)に示すように、指定された画像ファイル100が記憶部13から読み出され、ディスプレイ3に背景画像として表示される(ステップS2)。なお、本動作例においては、河川に架けられたアーチ橋の撮影画像が背景画像として表示される。
【0074】
次に、グラフ式のタイプを選択する旨の操作をユーザが行うと(ステップS5;Yes)、図7(b)に示すように、グラフ式のタイプ(グラフの一般式及びグラフ形状)がディスプレイ3に一覧表示される(ステップS6)。
【0075】
次に、ユーザが「Y=A(X−H)2+K」(上開き,下開きの放物線)のグラフ式のタイプを選択すると(ステップS7)、図7(c),(d)に示すように、選択されたグラフ式タイプのグラフ形状に合致するグラフ図形(ここではアーチ橋における2本のアーチ部分)が背景画像から検出されて(ステップS8)、検出された各グラフ図形に重ねてグラフが描画されるとともに、当該グラフの表示色と同じ色で、そのグラフ式が表示される(ステップS21)。なお、図7(d)において、上側のアーチ部分に重ねられたグラフと、上側のグラフ式「Y=A(X−H)2+K」とは青色で表示されており、下側のアーチ部分に重ねられたグラフと、下側のグラフ式「Y=A(X−H)2+K」とは赤色で表示されている。
【0076】
次に、ユーザが上側のアーチ形状のグラフ図形を選択グラフ図形として選択すると、図7(e)に示すように、下側のグラフ図形のグラフ及びグラフ式がディスプレイ3から消去される(ステップS22)。
【0077】
次に、選択グラフ図形が放物線のうち上方または下方に開いた放物線であり(ステップ
T5;Yes)、概ね左右対称であり(ステップT6;Yes)、上開きでないと判定され(ステップT7;No)、頂点位置(最上部の位置)のX座標位置が原点のX座標位置に設定され(ステップT9)、選択グラフ図形の最下部のY座標位置が原点のY座標位置に設定される(ステップT10)。なお、図7(e)では、便宜上、このとき設定された原点位置に黒点を図示している(図中の略中央参照)。
【0078】
次に、背景画像内の線分に長さを設定する旨の操作をユーザが行い(ステップS31;Yes)、設定対象の線分を修正する旨の操作を行った後(ステップS33;Yes)、図7(f)に示すように、背景画像における原点位置からグラフ図形の頂点までの線分、つまりアーチ部分の高さに相当する線分を長さ設定対象の線分に設定し直す(ステップS35)。
【0079】
次に、図8(a),(b)に示すように、画像中のアーチ橋の実際の高さに基づいて、長さ設定対象の線分の長さ「30」をユーザが入力すると(ステップS36)、入力された数値「30」を当該線分のドット数(ここでは「45」)で割ることにより、1ドット当たりの長さ(Ld=0.667…)が算出され(ステップS37)、XY座標系の表示レンジ(Xmin=−126、Xmax=126、Ymin=−80、Ymax=44)が算出される(ステップS38)。
【0080】
そして、算出された表示レンジがディスプレイ3の表示領域に設定された後(ステップS41)、この表示レンジに基づいて選択グラフ図形のグラフ式が最小二乗法で算出され、図8(c)に示すように、算出結果「Y=−0.002X2+30」がディスプレイ3に表示される(ステップS42)。
【0081】
次に、図8(d),(e)に示すように、背景画像内の線分について長さを計算する旨の操作をユーザが行い(ステップS51;Yes)、橋長に相当する線分を長さ算出対象の線分として指定すると(ステップS52)、図8(f),図9(a)に示すように、指定線分のドット数に1ドット当たりの長さ(Ld=0.667…)を掛けることにより当該指定線分の長さ「220」が算出され表示される(ステップS53,S54)。
【0082】
次に、選択グラフ図形のトレースを実行する旨の操作をユーザが行うと(ステップS55;Yes)、図9(b)に示すように、選択グラフ図形上の所定点(ここでは頂点)にトレースカーソルTが表示されるとともに、当該トレースカーソルTの座標「X=0,Y=30」が表示される(ステップS56)。
【0083】
次に、ユーザがカーソル操作を行ってトレースカーソルTを選択グラフ図形上で移動させると、図9(c),(d)に示すように、移動後のトレースカーソルTの座標が表示される(ステップS57)。
【0084】
(動作例(2))
まず、記憶部13から画像ファイル100を読み出す旨の操作をユーザが行い(ステップS1;Yes)、画像ファイル100を指定すると、図10(a)に示すように、指定された画像ファイル100が記憶部13から読み出され、ディスプレイ3に背景画像として表示される(ステップS2)。なお、本動作例においては、放物線状に水を噴き出すマーライオンと、観覧車との撮影画像が背景画像として表示される。
【0085】
次に、グラフ図形をサーチさせる旨の操作をユーザが行うと(ステップS11;Yes)、円、楕円及び放物線の各グラフ図形が背景画像から検出され(ステップS12)、図10(b)に示すように、検出された各グラフ図形に重ねてグラフが描画されるとともに、当該グラフの表示色と同じ色で、そのグラフ式が表示される(ステップS21)。なお
、図10(b)において、マーライオンから噴き出された水の放物線部分に重ねられたグラフと、上側のグラフ式「Y=A(X−H)2+K」とは青色で表示されており、観覧車の円形部分に重ねられたグラフと、下側のグラフ式「(X−H)2+(Y−K)2=R2」とは赤色で表示されている。
【0086】
次に、ユーザが円形状のグラフ図形を選択グラフ図形として選択すると、図10(c)に示すように、放物線形状のグラフ及びグラフ式がディスプレイ3から消去される(ステップS22)。
【0087】
次に、選択グラフ図形が円または楕円であると判定され(ステップT2;Yes)、当該グラフ図形の最下部の位置が原点位置に設定される(ステップT3)。
【0088】
次に、原点位置を修正する旨の操作をユーザが行うと(ステップS24;Yes)、図10(d)に示すように、現時点で設定されている原点位置(グラフ図形の最下部の位置)に原点が表示される(ステップS25)。
【0089】
次に、選択グラフ図形が円または楕円であると判定され(ステップS26;Yes)、原点位置の設定メニュー「現在位置でOK」、「円の中心に設定」、「ユーザ指定位置に変更」が表示される(ステップS27)。そして、ユーザが「現在位置でOK」を選択すると、原点位置が変更されずに維持される(ステップS28)。
【0090】
次に、背景画像内の線分に長さを設定する旨の操作をユーザが行い(ステップS31;Yes)、設定対象の線分を修正する旨の操作を行った後(ステップS33;Yes)、図11(a)に示すように、背景画像における原点位置からグラフ図形(円)の中心までの線分、つまり観覧車の半径に相当する線分を長さ設定対象の線分に設定し直す(ステップS35)。
【0091】
次に、図11(b)に示すように、画像中の観覧車の実際の半径に基づいて、長さ設定対象の線分の長さ「80」をユーザが入力すると(ステップS36)、入力された数値「80」を当該線分のドット数(ここでは「30」)で割ることにより、1ドット当たりの長さ(Ld=2.667…)が算出され(ステップS37)、XY座標系の表示レンジ(Xmin=−800、Xmax=208、Ymin=−160、Ymax=336)が算出される(ステップS38)。
【0092】
そして、算出された表示レンジがディスプレイ3の表示領域に設定された後(ステップS41)、この表示レンジに基づいて選択グラフ図形のグラフ式が最小二乗法で算出され、図11(c)に示すように、算出結果「X2+(Y−80)2=6400」がディスプレイ3に表示される(ステップS42)。
【0093】
次に、選択グラフ図形のトレースを実行する旨の操作をユーザが行うと(ステップS55;Yes)、図11(d)に示すように、選択グラフ図形上の所定点にトレースカーソルTが表示されるとともに、当該トレースカーソルTの座標「X=80,Y=80」が表示される(ステップS56)。
【0094】
また、上述の図10(b)に示した状態から、ユーザが放物線形状のグラフ図形を選択グラフ図形として選択すると、図12(a)に示すように、円形状のグラフ及びグラフ式がディスプレイ3から消去される(ステップS22)。
【0095】
次に、選択グラフ図形が放物線のうち、上方または下方に開いた放物線であり(ステップT5;Yes)、概ね左右対称でなく(ステップT6;No)、放物線の頂点から片側
の部分のみであると判定され(ステップT11;Yes)、選択グラフ図形を囲んだ長方形における左下の角の位置が原点位置に設定される(ステップT12)。なお、図12(a)では、便宜上、このとき設定された原点位置に黒点を図示している(図中の左下参照)。
【0096】
次に、背景画像内の線分に長さを設定する旨の操作をユーザが行い(ステップS31;Yes)、設定対象の線分を修正する旨の操作を行った後(ステップS33;Yes)、図12(b)に示すように、背景画像における原点位置からグラフ図形の上端までの線分、つまり放物線部分の高さに相当する線分を長さ設定対象の線分に設定し直す(ステップS35)。
【0097】
次に、図12(c)に示すように、画像中の放物線の実際の高さに基づいて、長さ設定対象の線分の長さ「8」をユーザが入力すると(ステップS36)、入力された数値「8」を当該線分のドット数(ここでは「90」)で割ることにより、1ドット当たりの長さ(Ld=0.0889)が算出され(ステップS37)、XY座標系の表示レンジ(Xmin=−7.8、Xmax=25.6、Ymin=−2.2、Ymax=14.3)が算出される(ステップS38)。
【0098】
そして、算出された表示レンジがディスプレイ3の表示領域に設定された後(ステップS41)、この表示レンジに基づいて選択グラフ図形のグラフ式が最小二乗法で算出され、図12(d)に示すように、算出結果「Y=−0.03X2+11」がディスプレイ3に表示される(ステップS42)。
【0099】
次に、選択グラフ図形のトレースを実行する旨の操作をユーザが行うと(ステップS55;Yes)、図12(e)に示すように、選択グラフ図形上の所定点にトレースカーソルTが表示されるとともに、当該トレースカーソルTの座標「X=0,Y=11」が表示される(ステップS56)。
【0100】
次に、ユーザがカーソル操作を行ってトレースカーソルTを選択グラフ図形上で移動させると、図12(f)に示すように、移動後のトレースカーソルTの座標が表示される(ステップS57)。
【0101】
以上のように、本実施形態の関数電卓1によれば、図3のステップS8,S12,S21〜S23,S32〜S42や、図7〜図8(c)、図10〜図12等に示したように、画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形が検出されて、当該グラフ図形に重ねてグラフが描画されるとともに、グラフの位置及び形状に応じて画像中に座標系の原点が設定され、ユーザ操作に基づいて、画像中の任意の線分が長さ入力対象の線分として指定されて長さが入力されると、入力された長さに基づいて、画像に重ねて設定される座標系の表示レンジが算出され、この表示レンジに基づいて、グラフの式が算出されて表示されるので、画像中の物体や事象などで表されるグラフ形状と、当該グラフ形状を実サイズに即して表現したグラフ式とを関連付けて学習することができる。
【0102】
また、図4のステップS52〜S54や、図8(d)〜図9(a)等に示したように、ユーザ操作に基づいて画像中の任意の線分が長さ算出対象の線分として指定されると、長さ入力対象の線分の長さに基づいて長さ算出対象の線分の長さが算出されて表示されるので、グラフ式の理解を助け、学習効果を高めることができる。
【0103】
また、図3のステップS21〜S22や、図7(d)、図10(b)等に示したように、画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形が複数検出され、検出された複数のグラフ図形から、何れかのグラフ図形がユーザ操作に基づいて選択されると、選択された
グラフ図形に重ねてグラフが描画されるので、グラフ図形が画像中に複数含まれる場合であっても、所望のグラフ図形についてのグラフを描画させ、そのグラフ形状と、グラフ式とを関連付けて学習することができる。更に、図10〜図12に示したように、撮影画像中に遠近2種類の被写体が存在する場合には、各被写体について、グラフ形状と、当該グラフ形状を実サイズに即して表現したグラフ式とを関連付けて学習することができる。
【0104】
また、図3のステップS6〜S8や図7(b)〜(d)等に示したように、ユーザ操作に基づいてグラフ形状の種類が選択されると、選択されたグラフ形状に合致するグラフ図形が画像中から検出されるので、所望のグラフ形状と、グラフ式とを関連付けて学習することができる。
【0105】
なお、上記の実施の形態における関数電卓1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0106】
例えば、本発明に係る画像表示装置を関数電卓等として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る画像表示プログラム130は、関数電卓1に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
【0107】
また、座標系の縦軸をY軸、横軸をX軸として説明したが、他の座標軸名としても良い。更に、座標系を直交座標系として説明したが、斜交座標系や極座標系など、他の種類の座標系としても良い。
【0108】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
画像を表示させる表示手段と、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するグラフ描画手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定する長さ入力線分指定手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記長さ入力対象の線分について長さを入力する線分長さ入力手段と、
前記グラフの位置及び形状に応じて、前記画像中に座標系の原点を設定する原点設定手段と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する表示レンジ算出手段と、
前記表示レンジに基づいて、前記グラフのグラフ式を算出し、前記表示手段に表示させるグラフ式算出手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項2>
請求項1記載の電子機器において、
ユーザ操作に基づいて前記画像中の任意の線分を長さ算出対象の線分として指定する長さ算出線分指定手段と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記長さ算出対象の線分の長さを算出して表示させる線分長さ算出手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
<請求項3>
請求項1または2記載の電子機器において、
前記グラフ描画手段は、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を複数検出するグラフ図形検出手段と、
前記グラフ図形検出手段により検出された複数のグラフ図形から、何れかのグラフ図形をユーザ操作に基づいて選択するグラフ図形選択手段と、
前記グラフ図形選択手段により選択されたグラフ図形に重ねてグラフを描画する選択図形グラフ描画手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
<請求項4>
請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器において、
前記グラフ描画手段は、
ユーザ操作に基づいてグラフ形状の種類を選択するグラフ形状選択手段と、
前記グラフ形状選択手段により選択されたグラフ形状に合致するグラフ図形を前記画像中から検出する選択形状グラフ図形検出手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
<請求項5>
画像を表示させる表示手段を備えるコンピュータに、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するグラフ描画機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定する長さ入力線分指定機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記長さ入力対象の線分について長さを入力する線分長さ入力機能と、
前記グラフの位置及び形状に応じて、前記画像中に座標系の原点を設定する原点設定機能と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する表示レンジ算出機能と、
前記表示レンジに基づいて、前記グラフのグラフ式を算出し、前記表示手段に表示させるグラフ式算出機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0109】
1 関数電卓
2 入力キー群
3 ディスプレイ
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
14 入力部
15 表示部
130 画像表示プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示させる表示手段と、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するグラフ描画手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定する長さ入力線分指定手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記長さ入力対象の線分について長さを入力する線分長さ入力手段と、
前記グラフの位置及び形状に応じて、前記画像中に座標系の原点を設定する原点設定手段と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する表示レンジ算出手段と、
前記表示レンジに基づいて、前記グラフのグラフ式を算出し、前記表示手段に表示させるグラフ式算出手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器において、
ユーザ操作に基づいて前記画像中の任意の線分を長さ算出対象の線分として指定する長さ算出線分指定手段と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記長さ算出対象の線分の長さを算出して表示させる線分長さ算出手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1または2記載の電子機器において、
前記グラフ描画手段は、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を複数検出するグラフ図形検出手段と、
前記グラフ図形検出手段により検出された複数のグラフ図形から、何れかのグラフ図形をユーザ操作に基づいて選択するグラフ図形選択手段と、
前記グラフ図形選択手段により選択されたグラフ図形に重ねてグラフを描画する選択図形グラフ描画手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器において、
前記グラフ描画手段は、
ユーザ操作に基づいてグラフ形状の種類を選択するグラフ形状選択手段と、
前記グラフ形状選択手段により選択されたグラフ形状に合致するグラフ図形を前記画像中から検出する選択形状グラフ図形検出手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
画像を表示させる表示手段を備えるコンピュータに、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するグラフ描画機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定する長さ入力線分指定機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記長さ入力対象の線分について長さを入力する線分長さ入力機能と、
前記グラフの位置及び形状に応じて、前記画像中に座標系の原点を設定する原点設定機能と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する表示レンジ算出機能と、
前記表示レンジに基づいて、前記グラフのグラフ式を算出し、前記表示手段に表示させるグラフ式算出機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
画像を表示させる表示手段と、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するグラフ描画手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定する長さ入力線分指定手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記長さ入力対象の線分について長さを入力する線分長さ入力手段と、
前記グラフの位置及び形状に応じて、前記画像中に座標系の原点を設定する原点設定手段と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する表示レンジ算出手段と、
前記表示レンジに基づいて、前記グラフのグラフ式を算出し、前記表示手段に表示させるグラフ式算出手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1記載の電子機器において、
ユーザ操作に基づいて前記画像中の任意の線分を長さ算出対象の線分として指定する長さ算出線分指定手段と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記長さ算出対象の線分の長さを算出して表示させる線分長さ算出手段と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1または2記載の電子機器において、
前記グラフ描画手段は、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を複数検出するグラフ図形検出手段と、
前記グラフ図形検出手段により検出された複数のグラフ図形から、何れかのグラフ図形をユーザ操作に基づいて選択するグラフ図形選択手段と、
前記グラフ図形選択手段により選択されたグラフ図形に重ねてグラフを描画する選択図形グラフ描画手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の電子機器において、
前記グラフ描画手段は、
ユーザ操作に基づいてグラフ形状の種類を選択するグラフ形状選択手段と、
前記グラフ形状選択手段により選択されたグラフ形状に合致するグラフ図形を前記画像中から検出する選択形状グラフ図形検出手段と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
画像を表示させる表示手段を備えるコンピュータに、
前記画像中から所定のグラフ形状に合致するグラフ図形を検出し、当該グラフ図形に重ねてグラフを描画するグラフ描画機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記画像中の任意の線分を長さ入力対象の線分として指定する長さ入力線分指定機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記長さ入力対象の線分について長さを入力する線分長さ入力機能と、
前記グラフの位置及び形状に応じて、前記画像中に座標系の原点を設定する原点設定機能と、
前記長さ入力対象の線分の長さに基づいて、前記画像に重ねて設定される座標系の表示レンジを算出する表示レンジ算出機能と、
前記表示レンジに基づいて、前記グラフのグラフ式を算出し、前記表示手段に表示させるグラフ式算出機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−203601(P2012−203601A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66886(P2011−66886)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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