電子機器及び筐体
【課題】筐体内部の有効スペースを確保しつつ剛性を向上して外力による変形を低減し、きしみ音が発生し難い電子機器を得る。
【解決手段】筐体の一部を構成し外周部に角部を含む第1の係合部が形成された第1部材1と、筐体の他の一部を構成し外周部に第1の係合部に係合する第2の係合部が形成された第2部材2とを備え、これら第1部材と第2部材を互いの係合部で合体させることで筐体を形成する電子機器において、上記第1の係合部の角部Aに設けられ、該角部の形状に応じて湾曲形成されたリブと、上記第2の係合部の対応する角部に設けられ、上記第1部材及び第2部材を合体させたときに、上記リブの外周面に当接する外側保持部、及び上記リブの内周面に線状に当接し該リブを上記外側保持部と協働して両面から挟み込む如く保持する内周保持部材とからなる角部係合手段を備えるようにした。
【解決手段】筐体の一部を構成し外周部に角部を含む第1の係合部が形成された第1部材1と、筐体の他の一部を構成し外周部に第1の係合部に係合する第2の係合部が形成された第2部材2とを備え、これら第1部材と第2部材を互いの係合部で合体させることで筐体を形成する電子機器において、上記第1の係合部の角部Aに設けられ、該角部の形状に応じて湾曲形成されたリブと、上記第2の係合部の対応する角部に設けられ、上記第1部材及び第2部材を合体させたときに、上記リブの外周面に当接する外側保持部、及び上記リブの内周面に線状に当接し該リブを上記外側保持部と協働して両面から挟み込む如く保持する内周保持部材とからなる角部係合手段を備えるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯電話機、携帯情報端末装置等の携帯可能な電子機器に特に好ましく用いることができる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の筐体の剛性を向上し、外力による変形を低減し、きしみ音の発生を防止する従来技術としては、例えば、フロントケースとリヤケースとからなり、該フロントケースと該リヤケースとの間に形成されるキャビテイ内に基板を収容するとともに、該リヤケースの外側面に凹部を有する携帯端末の筐体構造において、該リヤケースは、該凹部を形成する側壁が肉厚に設けられるとともに、該側壁と平行して間断なく延出したリブによって該凹部が電池室とアンテナ室とに区画されたものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−119455号公報(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の電子機器においては、側壁が肉厚に設けられるとともに、リブが間断なく設けられるため、筐体内部の有効なスペースを確保することが難しく、筐体内部に組み込む基板やバッテリー等のレイアウトに制約があった。そのため、電子機器の小型化、軽量化に対して弊害となる課題があった。また、フロントケースの側壁の先端部を、リヤケースの側壁とこれに平行なリブとの間の溝部に緩嵌させているが、フロントケースの側壁の先端部とリヤケースの溝部との間にクリアランスがあり、フロントケースとリヤケースを嵌合させた場合、このクリアランスの範囲内で何れか一方のケースが偏り、フロントケースの側壁の先端部とリヤケースの溝部が片当たりする恐れがある。この片当たりによって、ケース同士が擦れ合い、筐体のわずかな変形でもきしみ音が発生することがあるという課題があった。
【0005】
この発明は上記のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、筐体内部の有効スペースを確保しつつ剛性を向上して外力による変形を低減し、しかもきしみ音が発生し難い電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による電子機器は、筐体の一部を構成しその外周部に角部を含む第1の係合部が形成された第1部材と、上記筐体の他の一部を構成しその外周部に上記第1の係合部に係合する第2の係合部が形成された第2部材とを備え、これら第1部材と第2部材を互いの係合部で合体させることで筐体を形成するようにした電子機器において、上記第1の係合部の角部に設けられ、該角部の形状に応じて湾曲形成されたリブと、上記第2の係合部の対応する角部に設けられ、上記第1部材及び上記第2部材を合体させたときに、上記リブの外周面に当接する外側保持部、及び上記リブの内周面に線状に当接し該リブを上記外側保持部と協働して両面から挟み込む如く保持する内周保持部材とからなる角部係合手段を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明においては、第1部材の第1の係合部の角部に設けたリブに対し、第2部材の第2の係合部の角部に設けられた上記リブの外周面に当接する外側保持部と、上記リブの内周面に線状に当接する内周保持部材とが協働して該リブを両面から挟み込む如く保持する角部係合手段を備えたことにより、第1部材及び第2部材を合体させるときの位置決めと嵌合が確実に行なわれる。このため、筐体の角部における剛性が向上し、筐体の変形が抑えられる。また、第1部材と第2部材が偏った状態で嵌合されることがなく、片当たりによる部材同士の擦れ合いを防止できる。また、内周保持部材がリブの内周面に線状に当接することで接触面積が減るのできしみ音の発生が抑えられる。さらに、角部係合手段が筐体の角部に配設されるため、省スペース化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1〜図4はこの発明の実施の形態1に係る電子機器を説明するもので、図1は電子機器を構成する筐体の組立斜視図、図2は図1に示された筐体の一部を構成する第1部材の角部における第1の係合部を示す要部斜視図、図3は図1に示された筐体の他の一部を構成する第2部材の角部における第2の係合部を示す要部斜視図、図4は図1に示された第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合(位置決め)状態を示す要部断面図である。なお、この実施の形態1は電子機器が携帯電話機の場合である。また、各図、各実施の形態を通じて同一符号は同一または相当部分を示すものとし、重複する説明を省略する。
【0009】
携帯電話機の筐体は、筐体の一部(この例では裏側ケースないしは裏蓋)を構成する薄い皿状の第1部材1と、筐体の他の一部(この例では表側ケース)を構成する同様に薄い皿状の第2部材2からなる1対の主要部材を用いて構成されている。なお、該筐体はこれらの他に、バッテリーカバー3や端子カバー4などの付属部材を有し、筐体内部には何れも図示省略している電子基板、バッテリー、液晶表示部、操作ボタン等の部品類が組み込まれる。そして、第1部材1の外周部には角部Aを含む第1の係合部10が周方向に沿って形成され、第2部材2の外周部には第1の係合部10に係合する第2の係合部20が周方向に沿って形成されている。そして、第1部材1と第2部材2を互いに相手の係合部(20と10)に突き合わせる如く係合させることで1つの筐体を形成するように構成され、係合部分には相互の位置決め、または固定を確実にするために1つ以上の係合手段が設けられている。
【0010】
上記係合手段の一つは、第1部材1の第1の係合部10の対向する長辺に各2箇所設けられた4つの係合爪10aと、第2部材2の第2の係合部20の対応位置に設けられた4つの爪掛かり部20aに弾性係合することで相互に結合、固定される従来技術と同様のもである。なお、合体後は固定ねじ5を第1部材1の挿通孔1aに挿通し、第2部材2に設けられたねじボス2aのねじ穴に締め付けることで、互いが分離することのないよう結合される。なお、結合方法については特に限定されるものではなく、上記固定ねじ5などの締結具のみで結合させても良いし、係合爪10aおよび爪掛かり部20aのみで係合させても良い。また、この他に、リベット、あるいは接着剤等を用いて結合させても良い。
【0011】
上記係合手段の他の一つはこの発明を用いたものであり、筐体の各角部Aに構成されている。即ち、実施の形態1では図2〜図4に拡大して示すように、第1の係合部10の各角部Aには、該角部Aの形状に応じて湾曲形成されたリブ11が合体方向(図の上下方向)に突設され、第2の係合部20の対応する4つの角部Aには、第1部材1及び第2部材2を合体させたときにリブ11の外周面11aに当接する外側保持部21と、リブ11の内周面11bに略線状に当接し、該リブ11を外側保持部21と協働して両面から挟み込む如く保持する半径rの円柱状の突設体からなる内周保持部材22とがそれぞれ設けられ、これらリブ11、外側保持部21、及び内周保持部材22とで位置決めを確実にする角部係合手段6が構成されている。なお、リブ11の内周面11bの湾曲部分の曲率半径Rは内周保持部材22の曲率半径rよりも大きく形成され、内周面11bと内周保持部材22の外周面とは当接部Bで線接触されている。また、第2部材2に設けられた外側保持部21は、該第2部材2の側壁の角部の壁厚を略リブ11の厚みに相当する分だけ薄肉化して形成された側壁角部の凹所からなる。
【0012】
次に上記のように構成された実施の形態1の動作について説明する。筐体の裏側ケースまたは裏蓋を成す第1部材1と、筐体の表側ケースを成す第2部材2を嵌合させる際、筐体の角部Aにおいては、図4に示す状態で位置決めされる。即ち、第2部材2に設けた筐体側方部の側壁角部からなる外側保持部21と第2部材2の内側に突設された円柱状の内周保持部材22によって、第1部材1に設けたリブ11を挟み込むように組み込まれる。具体的には、湾曲されたリブ11は、内周面11bの長さ方向中心部近傍の当接部Bにおいて第2部材2に設けられた円柱状の内周保持部材22の外周面と合体方向に平行な線状に当接保持され、該リブ11の外周面11aは、第2部材2に設けられた筐体の側壁角部(の凹所)からなる外側保持部21と面状に接触保持され、相互に位置決めされる。
【0013】
携帯電話機などの電子機器は、その使用者が把持する場合などに外力を受けて筐体がねじれたり、ゆがんだりする変形が生じるが、その変形が最も大きいのは筐体の角部である。一般的に筐体がねじれたり、ゆがんだりすると部品同士がずれて擦れ合い、その部位できしみ音が発生する。特に筐体の端部すなわち角部Aにおいては、筐体を構成する部品同士のずれ量が最大となり、また、きしみ音も発生し易い。然るに実施の形態1では、その筐体の各角部Aに設けた角部係合手段6により、上記のように筐体を構成する第1部材1と第2部材2の一対の部材を互いに確実に位置決め、拘束させ、しかも筐体内部側では、内周面11bと内周保持部材22とを当接部Bで線接触させることで、その接触面積、すなわち摩擦面積を小さくしたので、筐体の変形が抑えられると共に、部材相互が擦れ合って発生するきしみ音も防止される。
【0014】
また、電子機器の筐体は、内部に電子基板やバッテリー、操作ボタン類等を組み込むための容積の確保が求められるが、上記実施の形態1の構造は角部係合手段6が筐体の角部Aに余分なスペースを占有することなく納まっているため、省スペース化が図られながら、筐体の変形が抑えられている。また、筐体を構成する第1部材1と第2部材2は、筐体の各角部Aで位置決めされるので、1対の部品同士のがたつきが抑えられ、偏った状態で嵌合されることがなく、片当たりによる部品同士の擦れ合いを防ぎ、きしみ音の発生が防止される。また、携帯電話機のような電子機器はハンドリング時に落下される可能性が高い。特に、筐体の角部から落下して衝撃が加わると、その角部は衝撃の受圧面積が小さいために筐体に与えるダメージが大きいが、上記実施の形態1では4箇所の角部Aでそれぞれ外側保持部21と内周保持部材22によってリブ11を挟み込むように係合していることで、筐体の角部Aにおける剛性が向上して変形が抑えられ、落下衝撃に対する筐体の破損を抑えることができる。
【0015】
上記のように、実施の形態1によれば、第1の係合部10の角部Aに設けられた湾曲形成されたリブ11に対し、第2の係合部20に設けられたリブ11の外周面11aに当接する外側保持部21と、リブ11の内周面11bに線状に当接する内周保持部材22とが協働してリブ11を両面から挟み込む如く保持するようにしたことにより、第1部材1及び第2部材2を合体させたときに位置決めと嵌合が確実に行なわれ、筐体の変形を抑えるとともに、部材同士が擦れ合って発生するきしみ音の発生が防止される。また、第1及び第2部材1、2が偏った状態で嵌合されることがなく、片当たりによる部品同士の擦れ合いを防止することができる。さらに、第1及び第2の係合部10、20に構成した位置決めを図る角部係合手段6が筐体の角部Aに余分なスペースをとらずに設けられているため、電子部品類の収容スペースが大きく確保でき、しかも筐体の角部Aにおける剛性も向上でき、落下衝撃にも強いという効果が得られる。また、第2部材2に設けられた外側保持部21は、該第2部材2の側壁の角部の壁厚を略リブ11の厚みに相当する分だけ薄肉化して形成された側壁角部からなるため、筐体内部のスペースを大きく確保する上で効果的である。
【0016】
また上記効果の他、本実施の形態1の特徴的な他の利点として、図示省略している成形型における第2部材2に設ける円柱状の突設体からなる内周保持部材22部分の曲率半径を調整することで、得られる角部係合手段6を容易に寸法調整ができることがある。すなわち、携帯電話機の筐体は、第2部材2に設けた円柱状の内周保持部材22の外周面と第1部材に設けたリブ11の湾曲された内周面11bとを当接させることで位置決めするが、図4に示すような所望の状態で位置決めされるように、円柱状の内周保持部材22の曲率半径rを調整することで製造される。部品の加工方法等にもよるが、一度に部品を所望通りの寸法に仕上げることは難しく、部品を嵌合させる際に隙間ができたり干渉したりする場合がある。
【0017】
そのような場合は、円柱状の内周保持部材22の曲率半径rを成形型で調整することで、容易に寸法の微調整ができ、互いを良好な当接状態にすることができる。例えば、携帯電話機の筐体を構成する部品は、部品の形状が彫り込まれた型に、金属や樹脂等の溶融した成形材料を充填して製造されることが多い。第2部材2に設けた円柱状の内周保持部材22以外の部位は、形状が複雑なため、その部位を形成する型の部分を修正することは難しい。これに対して、内周保持部材22の外周面を形成する型の部分は、曲率半径rを修正し、調整するだけで済むので、所望の状態で位置決めできるように部品の寸法を容易に微調整できるという顕著な効果も得られる。
【0018】
実施の形態2.
図5〜図11はこの発明の実施の形態2による電子機器を説明するもので、図5、図6は上記実施の形態1に例示した角部係合手段の第1の変形例、図7、図8は第2の変形例、図9(a)は第3の変形例、図10、図11は第4の変形例をそれぞれ示している。なお、図5、図9は上記図3に対応する第2部材の角部を示す要部斜視図、図9(b)は図9(a)の内周保持部材を拡大して示す平面図、図6、図8、図11は上記図4に対応する第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図、図7、図10は上記図2に対応する第1部材の角部を示す要部斜視図である。
【0019】
図5、図6に示す第1の変形例は、リブ11の外周面11aと外側保持部21との接触面積を減らす目的で、外側保持部21の内周面に断面三角形状の2つの突起部211を筐体の内側方向に突出するように設け、該突起部211の先端部がリブ11の外周面11aに、合体方向(重合方向)に平行な線状に当接するようにしたものである。なお、2つの突起部211の設置位置は、内周保持部材22の位置を中心に互いに外周方向に離間させ、図示のようにリブ11の長手方向両端部近傍とすることは好ましいが、特に例示した位置に限定されるものではない。また、突起部211の設置数は2箇所に限定されるものではなく、1箇所、または3箇所以上としても差し支えない。また、突起部211の断面形状は三角形状に限られるものではなく、例えば半円状としても良い。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0020】
上記のように構成された第1の変形例では、第1部材1と第2部材2を合体させたときに、図6に示すように、外周保持部21の両端部近傍に互いに離間された2箇所の突起部211と、リブ11の外周面11aとがそれぞれ線状に当接し、第2部材2に設けた円柱状の内周保持部材22の外周面と第1部材1に設けたリブ11の湾曲した内周面11bとがその中心部近傍の当接部Bで線接触することで、3点で挟み込む如く位置決めが行なわれることで、第1部材1と第2部材2相互の、角部係合手段6の接触面積を一層小さくすることができ、筐体の変形を抑えると共に、部品同士が擦れ合って発生するきしみ音を更に効果的に防止することができる。
【0021】
一方、図7、図8に示す第2の変形例は、上記第1の変形例と同様の突起部を外側保持部21の内周面に代えて、リブ11の外周面11aの側に設けたものである。即ち、第1部材のリブ11の外周面11aには、図7に示すように、2つの突起部111が、同様に離間された位置に筐体の外方に突出する向きに設けられている。この第2の変形例は、図8に示すように、この2箇所の突起部111の先端部と第2部材2に設けた外側保持部21の内周面とを線接触させ、第2部材2に設けた円柱状の内周保持部材22の外周面と第1部材1に設けたリブ11の内周面11bとを当接部Bで線接触させることで、上記3カ所にて位置決めすることができる。接触面積を同様に小さくしたことで、筐体の変形を抑えると共に、部品同士が擦れ合って発生するきしみ音を抑制できる。
【0022】
また、図9に示す第3の変形例は、リブの内周面を保持する内周保持部材を、断面長穴状ないしは扁平円状の柱状体からなる内周保持部材23によって構成したものである。即ち、上記実施の形態1並びにこの実施の形態2の第1の変形例及び第2の変形例では、内周保持部材22を円柱状の突設体によって形成したが、円柱状に限られるものではなく、要するにリブ11の内周面11b(図2の場合)に当接する部分が円またはその他の曲面を有する形状であれば良い。図9の例では、内周保持部材23の長軸Cの方向が角部Aに外圧を受けたときに変形する方向に向けて設けられており、半円状の外側端部23aの外周面の曲率半径を実施の形態1と同様、第1部材1に設けたリブ11の内周面11bの曲率半径Rよりも小さな曲率半径r1の曲面としている。この第3の変形例においては、内周保持部材23を断面扁平円状の柱状の突設体によって構成し、長軸Cの方向が角部Aに外圧を受けたときに作用する力の略中心方向に向けて設けられていることで、筐体角部から落下した場合の衝撃荷重方向に対して、剛性が一層向上するので、筐体の変形がより抑えられ、落下時の耐衝撃性をより強化することができる。
【0023】
さらに、図10、図11に示す第4の変形例は、第2部材2としては図9と同様のものを用い、第1部材1に設けるリブを、図10に示すように円弧状のリブ12としたものである。なお、リブ12の内周面12bは、上記第2部材2に設けた内周保持部材23の外側端部23aの曲率半径r1よりも大きい曲率半径R1の曲面となるように形成されている。上記実施の形態1並びにこの実施の形態2の第1の変形例及び第2の変形例では、リブ11の形状は筐体の角部Aの曲面に略忠実に湾曲させているのに対し、この第4の変形例は、筐体角部Aの曲面形状とは若干異なる形状に湾曲されている。
上記のように構成された第4の変形例においては、図11に示すようにリブ12の外周面12aと第2部材2の外周保持部21とは上記変形例1、2と同様にD部とE部の離間された2点で線状に接触し、リブ12の内周面12bと内周保持部材23の外側端部23aの外周面とはD部とE部の中間部に相当するF部で線状に接触してリブ12を両側から挟み込む如く保持しており、同様に接触面積が小さく構成されていることで、上記変形例1、2の効果と、変形例3の効果を合わせた効果が得られる。
【0024】
実施の形態3.
図12〜図15はこの発明の実施の形態3に係る電子機器の筐体構造の要部を説明するもので、図12は電子機器を構成する筐体の組立斜視図、図13は筐体の一部を構成する第1部材の角部を示す要部斜視図、図14は筐体の他の一部を構成する第2部材の角部を示す要部斜視図、図15は第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合(位置決め)状態を示す要部断面図である。また、図16、図17は実施の形態3の第1変形例、図18、図19は同じく第2変形例を示すもので、図16は図14に対応する要部斜視図、図18は図13に対応する要部斜視図、図17及び図19は図15に対応する要部断面図である。なお、この実施の形態3は電子機器がデジタルカメラの場合であり、筐体内部には図示省略している、電子基板やバッテリー、レンズ、操作ボタン類等が組み込まれる。
【0025】
この実施の形態3の筐体は、角部Aが実施の形態1よりも角張って形成されているが、筐体の表側を成す第1部材1A及び筐体の裏側を成す第2部材2Aの対向する合わせ面は実施の形態1と同様、外周方向に沿う第1の係合部10及び第2の係合部20として構成されている。そして、第1の係合部10の対辺には同様に2つずつ合計4つの係合爪10aが設けられ、第2の係合部20の対応する位置には4つの爪掛かり部20aが設けられ、第1部材1A及び第2部材2Aを合体させるときに第1部材1の係合爪10aが、第2部材2Aの爪掛かり部20aに弾性係合する。合体後は固定ねじ5を第2部材2の挿通孔2bに挿通し、第1部材1に設けられたねじボス1bに締め付けることで、互いが分離することのないように結合される。
【0026】
そして、第1部材1Aの第1の係合部10における角部Aには、該角部Aの形状に応じて湾曲形成されたリブ13が突設され、対応する第2部材2Aの第2の係合部20における角部Aには、リブ13の外周面13aに当接する外側保持部24と、リブ13の内周面13bに線接触し、該リブ13を外側保持部24と協働して両面から挟み込む如く保持する円柱状の突設体からなる内周保持部材25とがそれぞれ設けられ、これらリブ13、外側保持部24、及び内周保持部材25とで角部係合手段6が構成されている。なお、この実施の形態3では、リブ13の内周面13bの湾曲部分の曲率半径R2は内周保持部材25の外周面の曲率半径r2よりも小さく形成されている。なお、上記曲率半径R2は0であっても良い。例えば、筐体内側の隣接する2つの側壁面(内壁)が直線状で直角またはその他の角度で交わるもの、一辺が直線状及び他辺が円弧状で交わるもの、円弧状同士で交わるものなどであっても差し支えない。
【0027】
上記のように構成された実施の形態3においては、筐体の表側を成す第1部材1Aと、筐体の裏側を成す第2部材2Aを嵌合させたときには、筐体の4つの角部Aが何れも図15に示す状態で位置決め、嵌合される。すなわち、第2部材2Aに設けた筐体横側の側壁角部からなる外側保持部24、及び内側保持部材25によって、第1部材1Aに設けたリブ13を両側から挟み込むように組み込まれ、更に第2部材2Aに設けた円柱状の内側保持部材25の外周面と第1部材1Aに設けたリブ13の内周面13bとを互いに離間したG部とH部の2箇所で線接触させ、かつ、第2部材2Aに設けた外側保持部24の内壁面と第1部材1Aに設けたリブ13の外周面13aとが面接触して位置決めされるようになっている。この例では、内側保持部材25の外周面とリブ13の内周面13bとは、G部とH部の2箇所で線接触しているため、実施の形態1に比べて拘束箇所が多く、実施の形態1のものよりも剛性が高められている。
【0028】
上記のようにこの実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる他、第1部材1Aに設けたリブ13と第2部材2Aに設けた内側保持部材25をG部とH部の2箇所で接触させて拘束箇所を増やし、剛性を向上させたことにより、筐体の変形に対する強度が一層強化され、きしみ音の発生や、落下衝撃による筐体の破損をより防止することができるという効果が得られる。また、上記実施の形態1と同様に、この実施の形態3においても円柱状の突設体からなる内側保持部材25部分の図示省略している成形型における曲率半径を調整することで、リブ13の内周面13bとの接触状態を容易に最適化することができる。
【0029】
さらに、外周保持部24とリブ13の外周面13aとの接触面積を減らす目的で、上記実施の形態2と同様の突起部を設け、きしみ音の発生をさらに防止することができる。その具体例として、図16、図17の第1変形例では、外周保持部24に図5と同様の2つの突起部241を互いに離間させて設け、突起部241の先端部がリブ13の外周面13aの外周方向の両端部近傍でそれぞれ線状に当接するようにしたものである。また、図18、図19の第2変形例では、リブ13の外周面13aに図7と同様の2つの突起部131を互いに離間させて設け、該突起部131の先端部が外周保持部24の外周方向両端部近傍でそれぞれ線状に当接するようにしたものである。
【0030】
この第1変形例及び第2変形例では図17及び図19に示すように、リブ13の外周面13a側で2箇所(突起部241、または突起部131)、そして内周面13b側でG部とH部の2箇所、合計4カ所で線接触してリブ13を挟み込むように位置決めすることができる。このように、実施の形態3の第1及び第2変形例では、実施の形態3よりも更に角部係合手段6における接触面積を小さくすることができ、筐体の変形を抑えるとともに、部品同士が擦れ合って発生するきしみ音を一層防止することができる。なお、この突起部の数は実施の形態2と同様に特に限定されるものではない。
【0031】
実施の形態4.
図20〜図23はこの発明の実施の形態4に係る電子機器の筐体構造を説明するものであり、図20は電子機器を構成する筐体の組立斜視図、図21は筐体の一部を構成する第1部材の角部を示す要部斜視図、図22は筐体の他の一部を構成する第2部材の角部を示す要部斜視図、図23は第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合(位置決め)状態を示す要部断面図である。なお、この実施の形態4の電子機器は携帯用音楽再生機であり、筐体内部には図示省略している、電子基板やバッテリー、操作ボタン類等が組み込まれる。
【0032】
上記筐体の裏側を成す第1部材1B及び筐体の表側を成す第2部材2Bの対向する合わせ面は、実施の形態1と同様、外周方向に沿う第1の係合部10及び第2の係合部20として構成され、第1の係合部10及び第2の係合部20を互いに係合させて合体し、固定ねじ5を第1部材1Bの挿通孔1aに挿通し、第2部材2Bに設けられたねじボスを兼ねる内周保持部材27のねじ穴27aに締め付けることで、互いが分離することのないように結合される。なお、第1の係合部10及び第2の係合部20に実施の形態1〜3と同様の嵌合爪および爪掛かり部を設けて係合させても良いし、リベット、接着剤等を用いて係合させても良い。
【0033】
この実施の形態4においては、第1部材1Bの第1の係合部10における角部Aには、該角部Aの形状に応じて湾曲形成されたリブ14が突設され、対応する第2部材2Bの第2の係合部20における角部Aには、リブ14の外周面14aに当接する外側保持部26と、上記ねじボスを兼ねた円柱状の突設体からなり、リブ14の内周面14bに線接触し、該リブ14を外側保持部26と協働して両面から挟み込む如く保持する内周保持部材27とがそれぞれ設けられ、これらリブ14、外側保持部26、及び内周保持部材27とで角部係合手段6が構成されている。また、リブ14の内周面14bの湾曲部分の曲率半径R3は実施の形態3と同様に内周保持部材27の曲率半径r3よりも小さく形成されている。なお、上記曲率半径R3は0であっても良い。
【0034】
上記のように構成された実施の形態4においては、筐体の裏側を成す第1部材1Bと、筐体の表側を成す第2部材2Bを嵌合させ合体させる際、本発明が構成された筐体の角部Aにおいては、図23に示す状態で位置決めされる。即ち、第2部材2Bに設けた筐体の側壁角部からなる外側保持部26と円筒状の内周保持部材27によって、第1部材1Bに設けたリブ14を挟み込むように組み込まれ、内周保持部材27の外周面と第1部材1Bに設けたリブ14の内周面14bとをI部及びJ部の2箇所で線接触させ、かつ、第2部材2Bに設けた外側保持部26の内周面と第1部材1Bに設けたリブ14の外周面14aとを面接触させ、位置決めされるようになっている。
【0035】
上記実施の形態4によれば、第1部材1Bと第2部材2Bを合体させるときに位置決めと嵌合が確実に行なわれ、リブ14の内周面14bと内周保持部材27との接触面積を減らしていることで部材同士が擦れ合って発生するきしみ音が防止される。また、第1部材1B及び第2部材2Bが偏った状態で嵌合されることがなく、片当たりによる部品同士の擦れ合いを防止することができる。さらに、第1及び第2の係合部10、20における位置決め・嵌合のための角部係合手段6を筐体の角部Aに余分なスペースを占有することなく設けたため、電子部品類の収容スペースが大きく確保でき、しかも筐体の角部における剛性も向上でき、落下衝撃にも強いという効果が得られる。さらに、内周保持部材27をねじボスと兼用したことにより軽量化(材料使用量の低減化)、省スペース化を図ることができ、しかも内周保持部材27の曲率半径r3を大きくして、I部及びJ部の2箇所で線接触させたので、角部Aから落下させた場合の衝撃荷重方向に対して剛性がより向上する。
【0036】
なお、第2部材2Bに設けた円筒状の内周保持部材27の曲率半径r3を、第1部材1Bに設けたリブ14の内周面14bにおける湾曲部分の曲率半径R3よりも小さくすることで、実施の形態1と同様に内周保持部材27の外周面とリブ14の内周面14bの湾曲部分とを1箇所で線接触させるようにしても良い。また、第2部材2Bに設けた外側保持部26と第1部材1Bに設けたリブ14の外周面14aとの接触面積を減らす目的で、実施の形態2と同様の突起部を、外側保持部26またはリブ14の外周面14aに設けても良い。さらに、本実施の形態4においても、実施の形態1と同様に、図示省略している成形型における内周保持部材27に対応する部分の曲率半径を調整することで、リブ14の内周面14bとの接触状態を容易に最適状態に調整することができる。
【0037】
実施の形態5.
図24〜図27はこの発明の実施の形態5に係る電子機器の筐体構造を説明するものであり、図24は電子機器を構成する筐体の組立斜視図、図25は筐体の一部を構成する第1部材の角部を示す要部斜視図、図26は筐体の他の一部を構成する第2部材の角部を示す要部斜視図、図27は第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合(位置決め)状態を示す要部断面図である。なお、この実施の形態5の電子機器は携帯用ゲーム機であり、筐体内には図示省略しているバッテリーカバーや端子カバーなどが設けられ、筐体内部には図示省略している、電子基板やバッテリー、液晶表示部、操作ボタン類等が組み込まれる。
【0038】
筐体の裏側を成す第1部材1C及び筐体の表側を成す第2部材2Cの対向する合わせ面は、実施の形態1と同様に外周方向に沿う第1の係合部10及び第2の係合部20として構成され、第1の係合部10の対辺には各2つずつ合計4つの係合爪10aが設けられ、第2の係合部20における対辺の対応部分には各2つずつ合計4つの爪掛かり部20aが設けられ、第1部材1C及び第2部材2Cを合体させるときに、これら第1部材1Cの係合爪10aが、第2部材2Cの爪掛かり部20aにそれぞれ相互に掛かることで弾性係合し、合体後は固定ねじ5を第1部材1Cの挿通孔1aに挿通し、第2部材2Cに設けられたねじボス兼内周保持部材29に締め付けることで、互いが分離することのないように結合される。なお、結合方法については特に限定されるものではない。
【0039】
そして、第1部材1Cの第1の係合部10における角部Aには、該角部Aの形状に応じて湾曲形成されたリブ15が突設され、対応する第2部材2Cの第2の係合部20における角部Aには、リブ15の外周面15aに当接する外側保持部28と、リブ15の内周面15bに対して、互いに離間されたK部及びL部の2箇所でそれぞれ線接触し、該リブ15を外側保持部28と協働して両面から挟み込む如く保持する突設体からなるねじボス兼内周保持部材29とがそれぞれ設けられ、これらリブ15、外側保持部28、及びねじボス兼内周保持部材29で角部係合手段6が構成されている。なお、ねじボス兼内周保持部材29は円筒状のねじボス部291と扁平円状の内周保持部292とが一体形成されたものからなり、リブ15の内周面15bの湾曲部分の曲率半径R4は内周保持部292の半円状の当接部分の曲率半径r4よりも小さく形成されている。なお、上記曲率半径R4は0であっても差し支えない。
【0040】
上記のように構成された実施の形態5においては、筐体の裏側を成す第1部材1Cと、筐体の表側を成す第2部材2Cを嵌合させる際、筐体の角部においては図27に示す状態で位置決めされる。即ち、第2部材2Cに設けた外側保持部28、およびねじボス兼内周保持部材29の内周保持部292によって、第1部材1Cに設けたリブ15を両側から挟み込むように組み込まれ、更に、第2部材2Cに設けたねじボス兼内周保持部材29の外周面と第1部材1Cに設けたリブ15の内周面15bとをK部とL部の2箇所で線接触させ、かつ、第2部材2に設けた外側保持部28の内面と第1部材1Cに設けたリブ15の外周面15aとが面接触され、位置決めされる。
【0041】
上記実施の形態5によれば、上記実施の形態3と同様の効果が得られる他、固定ネジ5を螺着するための円筒状のねじボス部291と、リブ15の内周面15bを保持するための扁平円状の内周保持部292を一体化してねじボス兼内周保持部材29としたことにより、角部Aからの衝撃荷重方向に対して剛性が一層向上するので、筐体の変形がさらに抑えられ、落下衝撃による筐体の破損を減らすことができる。
【0042】
なお、第2部材2Cに設けたねじボス兼内周保持部材29を構成する内周保持部292の曲率半径r4を、第1部材1Cに設けたリブ15の内周面15bにおける湾曲部分の曲率半径R4よりも小さくすることで、実施の形態1と同様に内周保持部292の外周面とリブ15の内周面15bの湾曲部分とを1箇所で線接触させるようにしても良い。また、第2部材2Cに設けた外側保持部28と第1部材1Cに設けたリブ15の外周面15aとの接触面積を減らす目的で、実施の形態2と同様の突起部を、外側保持部28またはリブ15の外周面15aに設けても良い。さらにまた、本実施の形態5においても、実施の形態1と同様に、内周保持部292の曲率半径r4を調整することで、リブ15の内周面15bとの接触状態を容易に最適化することができる。
【0043】
なお、上記実施の形態1〜5において、第1部材と第2部材の形状と材質によっては、両者を嵌合しにくい場合がある。その場合、両者が互いに嵌合できるように、第2部材2に設けた内周保持部材の外周面と、第1部材に設けたリブの内周面との間、または、第2部材2に設けた外側保持部の内側の面と第1部材1に設けたリブの外周面との間に、僅かにクリアランスを設けておいても良いが、このクリアランスはできる限り最小になるように調整する事が望ましい。また、リブや内周保持部材及び外側保持部の突出端面の角部を面取りすることなどは勿論好ましい。また、第1部材と第2部材を、型を使用して製造する場合、筐体の側壁部、外側保持部、内周保持部材、ねじボス、及びリブのそれぞれの側面には、型から部品を取り出すときに必要な抜き勾配を付けておいても良い。
【0044】
ところで、上記実施の形態では筐体の全ての角部Aに角部係合手段6を設けた例を示したが、この限りではなく、筐体の複数の角部Aの内、一部の角部にのみ設けても良い。また、リブの外周面と外側保持部との当接部、あるいはリブの内周面と内周保持部材または内周保持部との当接部が重合方向に平行な直線状に線接触している例について説明したが、線接触の方向は特に限定されるものではなく、例えば重合方向に対して斜め方向等、交差する方向に接触させても同様の効果が期待できる。さらに、本発明を携帯電話機、デジタルカメラ、携帯用音楽再生機、携帯用ゲーム機に用いた場合について説明したが、これらの電子機器に限定されるものではなく、例えば携帯用の通信機、ラジオ、テレビ、ノート型パソコン、ノート型ワープロ、ビデオカメラ、電子手帳、各種の赤外線式、無線式リモートコントローラ、及び電卓など、各種電子機器に特別な制限なく広く適用することができる。また、固定型の電子機器にも用いられることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明の実施の形態1に係る電子機器の筐体構造を示す組立斜視図。
【図2】図1に示された筐体の一部を構成する第1部材の角部における第1の係合部を示す要部斜視図。
【図3】図1に示された筐体の他の一部を構成する第2部材の角部における第2の係合部を示す要部斜視図。
【図4】図1に示された第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合(位置決め)状態を示す要部断面図。
【図5】この発明の実施の形態2による電子機器の筐体構造における第2部材の角部を示す要部斜視図(実施の形態1の第1の変形例)。
【図6】図5に示された第2部材を用いたときの角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図7】この発明の実施の形態2による電子機器の筐体構造における第1部材の角部を示す要部斜視図(実施の形態1の第2の変形例)。
【図8】図7に示された第1部材を用いたときの角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図9】この発明の実施の形態2による電子機器の筐体構造における第2部材の角部を示す要部斜視図(実施の形態1の第3の変形例)。
【図10】この発明の実施の形態2による電子機器の筐体構造における第2部材の角部を示す要部斜視図(実施の形態1の第4の変形例)。
【図11】図10に示された第2部材を用いたときの角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図12】この発明の実施の形態3に係る電子機器の筐体構造を示す組立斜視図。
【図13】図12に示された筐体の一部を構成する第1部材の角部を示す要部斜視図。
【図14】図12に示された筐体の他の一部を構成する第2部材の角部を示す要部斜視図。
【図15】図12に示された第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図16】この発明の実施の形態3の第1変形例で図14に示された第2部材の角部に対応する要部斜視図。
【図17】図16に示された第2部材を用いたときの角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図18】この発明の実施の形態3の第2変形例で図13に示された第1部材の角部に対応する要部斜視図。
【図19】図18に示された第1部材を用いたときの角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図20】この発明の実施の形態4に係る電子機器の筐体構造を示す組立斜視図。
【図21】図20に示された筐体の第1部材の角部を示す要部斜視図。
【図22】図20に示された筐体の第2部材の角部を示す要部斜視図。
【図23】図20に示された第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図24】この発明の実施の形態5に係る電子機器の筐体の組立斜視図。
【図25】図24に示された筐体の第1部材の角部を示す要部斜視図。
【図26】図24に示された筐体の第2部材の角部を示す要部斜視図。
【図27】図24に示された第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【符号の説明】
【0046】
1、1A、1B、1C 第1部材、 11、12、13、14、15 リブ、 11a、12a、13a、14a、15a 外周面、 11b、12b、13b、14b、15b 内周面、 2、2A、2B、2C 第2部材、 6 角部係合手段、 10 第1の係合部、 10a 係合爪、 20 第2の係合部、 20a 爪掛かり部、 21、24、26、28 外側保持部、 22、23、25、27 内周保持部材、 29 ねじボス兼内周保持部材、 292 内周保持部、 111、131、211、241 突起部、 r1、r2、r3、r4 曲率半径(内周保持部材)、 R、R1、R2、R3、R4 曲率半径(リブの内周面)、 A 角部、 B 当接部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば携帯電話機、携帯情報端末装置等の携帯可能な電子機器に特に好ましく用いることができる電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の筐体の剛性を向上し、外力による変形を低減し、きしみ音の発生を防止する従来技術としては、例えば、フロントケースとリヤケースとからなり、該フロントケースと該リヤケースとの間に形成されるキャビテイ内に基板を収容するとともに、該リヤケースの外側面に凹部を有する携帯端末の筐体構造において、該リヤケースは、該凹部を形成する側壁が肉厚に設けられるとともに、該側壁と平行して間断なく延出したリブによって該凹部が電池室とアンテナ室とに区画されたものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−119455号公報(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の電子機器においては、側壁が肉厚に設けられるとともに、リブが間断なく設けられるため、筐体内部の有効なスペースを確保することが難しく、筐体内部に組み込む基板やバッテリー等のレイアウトに制約があった。そのため、電子機器の小型化、軽量化に対して弊害となる課題があった。また、フロントケースの側壁の先端部を、リヤケースの側壁とこれに平行なリブとの間の溝部に緩嵌させているが、フロントケースの側壁の先端部とリヤケースの溝部との間にクリアランスがあり、フロントケースとリヤケースを嵌合させた場合、このクリアランスの範囲内で何れか一方のケースが偏り、フロントケースの側壁の先端部とリヤケースの溝部が片当たりする恐れがある。この片当たりによって、ケース同士が擦れ合い、筐体のわずかな変形でもきしみ音が発生することがあるという課題があった。
【0005】
この発明は上記のような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、筐体内部の有効スペースを確保しつつ剛性を向上して外力による変形を低減し、しかもきしみ音が発生し難い電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による電子機器は、筐体の一部を構成しその外周部に角部を含む第1の係合部が形成された第1部材と、上記筐体の他の一部を構成しその外周部に上記第1の係合部に係合する第2の係合部が形成された第2部材とを備え、これら第1部材と第2部材を互いの係合部で合体させることで筐体を形成するようにした電子機器において、上記第1の係合部の角部に設けられ、該角部の形状に応じて湾曲形成されたリブと、上記第2の係合部の対応する角部に設けられ、上記第1部材及び上記第2部材を合体させたときに、上記リブの外周面に当接する外側保持部、及び上記リブの内周面に線状に当接し該リブを上記外側保持部と協働して両面から挟み込む如く保持する内周保持部材とからなる角部係合手段を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明においては、第1部材の第1の係合部の角部に設けたリブに対し、第2部材の第2の係合部の角部に設けられた上記リブの外周面に当接する外側保持部と、上記リブの内周面に線状に当接する内周保持部材とが協働して該リブを両面から挟み込む如く保持する角部係合手段を備えたことにより、第1部材及び第2部材を合体させるときの位置決めと嵌合が確実に行なわれる。このため、筐体の角部における剛性が向上し、筐体の変形が抑えられる。また、第1部材と第2部材が偏った状態で嵌合されることがなく、片当たりによる部材同士の擦れ合いを防止できる。また、内周保持部材がリブの内周面に線状に当接することで接触面積が減るのできしみ音の発生が抑えられる。さらに、角部係合手段が筐体の角部に配設されるため、省スペース化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1〜図4はこの発明の実施の形態1に係る電子機器を説明するもので、図1は電子機器を構成する筐体の組立斜視図、図2は図1に示された筐体の一部を構成する第1部材の角部における第1の係合部を示す要部斜視図、図3は図1に示された筐体の他の一部を構成する第2部材の角部における第2の係合部を示す要部斜視図、図4は図1に示された第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合(位置決め)状態を示す要部断面図である。なお、この実施の形態1は電子機器が携帯電話機の場合である。また、各図、各実施の形態を通じて同一符号は同一または相当部分を示すものとし、重複する説明を省略する。
【0009】
携帯電話機の筐体は、筐体の一部(この例では裏側ケースないしは裏蓋)を構成する薄い皿状の第1部材1と、筐体の他の一部(この例では表側ケース)を構成する同様に薄い皿状の第2部材2からなる1対の主要部材を用いて構成されている。なお、該筐体はこれらの他に、バッテリーカバー3や端子カバー4などの付属部材を有し、筐体内部には何れも図示省略している電子基板、バッテリー、液晶表示部、操作ボタン等の部品類が組み込まれる。そして、第1部材1の外周部には角部Aを含む第1の係合部10が周方向に沿って形成され、第2部材2の外周部には第1の係合部10に係合する第2の係合部20が周方向に沿って形成されている。そして、第1部材1と第2部材2を互いに相手の係合部(20と10)に突き合わせる如く係合させることで1つの筐体を形成するように構成され、係合部分には相互の位置決め、または固定を確実にするために1つ以上の係合手段が設けられている。
【0010】
上記係合手段の一つは、第1部材1の第1の係合部10の対向する長辺に各2箇所設けられた4つの係合爪10aと、第2部材2の第2の係合部20の対応位置に設けられた4つの爪掛かり部20aに弾性係合することで相互に結合、固定される従来技術と同様のもである。なお、合体後は固定ねじ5を第1部材1の挿通孔1aに挿通し、第2部材2に設けられたねじボス2aのねじ穴に締め付けることで、互いが分離することのないよう結合される。なお、結合方法については特に限定されるものではなく、上記固定ねじ5などの締結具のみで結合させても良いし、係合爪10aおよび爪掛かり部20aのみで係合させても良い。また、この他に、リベット、あるいは接着剤等を用いて結合させても良い。
【0011】
上記係合手段の他の一つはこの発明を用いたものであり、筐体の各角部Aに構成されている。即ち、実施の形態1では図2〜図4に拡大して示すように、第1の係合部10の各角部Aには、該角部Aの形状に応じて湾曲形成されたリブ11が合体方向(図の上下方向)に突設され、第2の係合部20の対応する4つの角部Aには、第1部材1及び第2部材2を合体させたときにリブ11の外周面11aに当接する外側保持部21と、リブ11の内周面11bに略線状に当接し、該リブ11を外側保持部21と協働して両面から挟み込む如く保持する半径rの円柱状の突設体からなる内周保持部材22とがそれぞれ設けられ、これらリブ11、外側保持部21、及び内周保持部材22とで位置決めを確実にする角部係合手段6が構成されている。なお、リブ11の内周面11bの湾曲部分の曲率半径Rは内周保持部材22の曲率半径rよりも大きく形成され、内周面11bと内周保持部材22の外周面とは当接部Bで線接触されている。また、第2部材2に設けられた外側保持部21は、該第2部材2の側壁の角部の壁厚を略リブ11の厚みに相当する分だけ薄肉化して形成された側壁角部の凹所からなる。
【0012】
次に上記のように構成された実施の形態1の動作について説明する。筐体の裏側ケースまたは裏蓋を成す第1部材1と、筐体の表側ケースを成す第2部材2を嵌合させる際、筐体の角部Aにおいては、図4に示す状態で位置決めされる。即ち、第2部材2に設けた筐体側方部の側壁角部からなる外側保持部21と第2部材2の内側に突設された円柱状の内周保持部材22によって、第1部材1に設けたリブ11を挟み込むように組み込まれる。具体的には、湾曲されたリブ11は、内周面11bの長さ方向中心部近傍の当接部Bにおいて第2部材2に設けられた円柱状の内周保持部材22の外周面と合体方向に平行な線状に当接保持され、該リブ11の外周面11aは、第2部材2に設けられた筐体の側壁角部(の凹所)からなる外側保持部21と面状に接触保持され、相互に位置決めされる。
【0013】
携帯電話機などの電子機器は、その使用者が把持する場合などに外力を受けて筐体がねじれたり、ゆがんだりする変形が生じるが、その変形が最も大きいのは筐体の角部である。一般的に筐体がねじれたり、ゆがんだりすると部品同士がずれて擦れ合い、その部位できしみ音が発生する。特に筐体の端部すなわち角部Aにおいては、筐体を構成する部品同士のずれ量が最大となり、また、きしみ音も発生し易い。然るに実施の形態1では、その筐体の各角部Aに設けた角部係合手段6により、上記のように筐体を構成する第1部材1と第2部材2の一対の部材を互いに確実に位置決め、拘束させ、しかも筐体内部側では、内周面11bと内周保持部材22とを当接部Bで線接触させることで、その接触面積、すなわち摩擦面積を小さくしたので、筐体の変形が抑えられると共に、部材相互が擦れ合って発生するきしみ音も防止される。
【0014】
また、電子機器の筐体は、内部に電子基板やバッテリー、操作ボタン類等を組み込むための容積の確保が求められるが、上記実施の形態1の構造は角部係合手段6が筐体の角部Aに余分なスペースを占有することなく納まっているため、省スペース化が図られながら、筐体の変形が抑えられている。また、筐体を構成する第1部材1と第2部材2は、筐体の各角部Aで位置決めされるので、1対の部品同士のがたつきが抑えられ、偏った状態で嵌合されることがなく、片当たりによる部品同士の擦れ合いを防ぎ、きしみ音の発生が防止される。また、携帯電話機のような電子機器はハンドリング時に落下される可能性が高い。特に、筐体の角部から落下して衝撃が加わると、その角部は衝撃の受圧面積が小さいために筐体に与えるダメージが大きいが、上記実施の形態1では4箇所の角部Aでそれぞれ外側保持部21と内周保持部材22によってリブ11を挟み込むように係合していることで、筐体の角部Aにおける剛性が向上して変形が抑えられ、落下衝撃に対する筐体の破損を抑えることができる。
【0015】
上記のように、実施の形態1によれば、第1の係合部10の角部Aに設けられた湾曲形成されたリブ11に対し、第2の係合部20に設けられたリブ11の外周面11aに当接する外側保持部21と、リブ11の内周面11bに線状に当接する内周保持部材22とが協働してリブ11を両面から挟み込む如く保持するようにしたことにより、第1部材1及び第2部材2を合体させたときに位置決めと嵌合が確実に行なわれ、筐体の変形を抑えるとともに、部材同士が擦れ合って発生するきしみ音の発生が防止される。また、第1及び第2部材1、2が偏った状態で嵌合されることがなく、片当たりによる部品同士の擦れ合いを防止することができる。さらに、第1及び第2の係合部10、20に構成した位置決めを図る角部係合手段6が筐体の角部Aに余分なスペースをとらずに設けられているため、電子部品類の収容スペースが大きく確保でき、しかも筐体の角部Aにおける剛性も向上でき、落下衝撃にも強いという効果が得られる。また、第2部材2に設けられた外側保持部21は、該第2部材2の側壁の角部の壁厚を略リブ11の厚みに相当する分だけ薄肉化して形成された側壁角部からなるため、筐体内部のスペースを大きく確保する上で効果的である。
【0016】
また上記効果の他、本実施の形態1の特徴的な他の利点として、図示省略している成形型における第2部材2に設ける円柱状の突設体からなる内周保持部材22部分の曲率半径を調整することで、得られる角部係合手段6を容易に寸法調整ができることがある。すなわち、携帯電話機の筐体は、第2部材2に設けた円柱状の内周保持部材22の外周面と第1部材に設けたリブ11の湾曲された内周面11bとを当接させることで位置決めするが、図4に示すような所望の状態で位置決めされるように、円柱状の内周保持部材22の曲率半径rを調整することで製造される。部品の加工方法等にもよるが、一度に部品を所望通りの寸法に仕上げることは難しく、部品を嵌合させる際に隙間ができたり干渉したりする場合がある。
【0017】
そのような場合は、円柱状の内周保持部材22の曲率半径rを成形型で調整することで、容易に寸法の微調整ができ、互いを良好な当接状態にすることができる。例えば、携帯電話機の筐体を構成する部品は、部品の形状が彫り込まれた型に、金属や樹脂等の溶融した成形材料を充填して製造されることが多い。第2部材2に設けた円柱状の内周保持部材22以外の部位は、形状が複雑なため、その部位を形成する型の部分を修正することは難しい。これに対して、内周保持部材22の外周面を形成する型の部分は、曲率半径rを修正し、調整するだけで済むので、所望の状態で位置決めできるように部品の寸法を容易に微調整できるという顕著な効果も得られる。
【0018】
実施の形態2.
図5〜図11はこの発明の実施の形態2による電子機器を説明するもので、図5、図6は上記実施の形態1に例示した角部係合手段の第1の変形例、図7、図8は第2の変形例、図9(a)は第3の変形例、図10、図11は第4の変形例をそれぞれ示している。なお、図5、図9は上記図3に対応する第2部材の角部を示す要部斜視図、図9(b)は図9(a)の内周保持部材を拡大して示す平面図、図6、図8、図11は上記図4に対応する第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図、図7、図10は上記図2に対応する第1部材の角部を示す要部斜視図である。
【0019】
図5、図6に示す第1の変形例は、リブ11の外周面11aと外側保持部21との接触面積を減らす目的で、外側保持部21の内周面に断面三角形状の2つの突起部211を筐体の内側方向に突出するように設け、該突起部211の先端部がリブ11の外周面11aに、合体方向(重合方向)に平行な線状に当接するようにしたものである。なお、2つの突起部211の設置位置は、内周保持部材22の位置を中心に互いに外周方向に離間させ、図示のようにリブ11の長手方向両端部近傍とすることは好ましいが、特に例示した位置に限定されるものではない。また、突起部211の設置数は2箇所に限定されるものではなく、1箇所、または3箇所以上としても差し支えない。また、突起部211の断面形状は三角形状に限られるものではなく、例えば半円状としても良い。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0020】
上記のように構成された第1の変形例では、第1部材1と第2部材2を合体させたときに、図6に示すように、外周保持部21の両端部近傍に互いに離間された2箇所の突起部211と、リブ11の外周面11aとがそれぞれ線状に当接し、第2部材2に設けた円柱状の内周保持部材22の外周面と第1部材1に設けたリブ11の湾曲した内周面11bとがその中心部近傍の当接部Bで線接触することで、3点で挟み込む如く位置決めが行なわれることで、第1部材1と第2部材2相互の、角部係合手段6の接触面積を一層小さくすることができ、筐体の変形を抑えると共に、部品同士が擦れ合って発生するきしみ音を更に効果的に防止することができる。
【0021】
一方、図7、図8に示す第2の変形例は、上記第1の変形例と同様の突起部を外側保持部21の内周面に代えて、リブ11の外周面11aの側に設けたものである。即ち、第1部材のリブ11の外周面11aには、図7に示すように、2つの突起部111が、同様に離間された位置に筐体の外方に突出する向きに設けられている。この第2の変形例は、図8に示すように、この2箇所の突起部111の先端部と第2部材2に設けた外側保持部21の内周面とを線接触させ、第2部材2に設けた円柱状の内周保持部材22の外周面と第1部材1に設けたリブ11の内周面11bとを当接部Bで線接触させることで、上記3カ所にて位置決めすることができる。接触面積を同様に小さくしたことで、筐体の変形を抑えると共に、部品同士が擦れ合って発生するきしみ音を抑制できる。
【0022】
また、図9に示す第3の変形例は、リブの内周面を保持する内周保持部材を、断面長穴状ないしは扁平円状の柱状体からなる内周保持部材23によって構成したものである。即ち、上記実施の形態1並びにこの実施の形態2の第1の変形例及び第2の変形例では、内周保持部材22を円柱状の突設体によって形成したが、円柱状に限られるものではなく、要するにリブ11の内周面11b(図2の場合)に当接する部分が円またはその他の曲面を有する形状であれば良い。図9の例では、内周保持部材23の長軸Cの方向が角部Aに外圧を受けたときに変形する方向に向けて設けられており、半円状の外側端部23aの外周面の曲率半径を実施の形態1と同様、第1部材1に設けたリブ11の内周面11bの曲率半径Rよりも小さな曲率半径r1の曲面としている。この第3の変形例においては、内周保持部材23を断面扁平円状の柱状の突設体によって構成し、長軸Cの方向が角部Aに外圧を受けたときに作用する力の略中心方向に向けて設けられていることで、筐体角部から落下した場合の衝撃荷重方向に対して、剛性が一層向上するので、筐体の変形がより抑えられ、落下時の耐衝撃性をより強化することができる。
【0023】
さらに、図10、図11に示す第4の変形例は、第2部材2としては図9と同様のものを用い、第1部材1に設けるリブを、図10に示すように円弧状のリブ12としたものである。なお、リブ12の内周面12bは、上記第2部材2に設けた内周保持部材23の外側端部23aの曲率半径r1よりも大きい曲率半径R1の曲面となるように形成されている。上記実施の形態1並びにこの実施の形態2の第1の変形例及び第2の変形例では、リブ11の形状は筐体の角部Aの曲面に略忠実に湾曲させているのに対し、この第4の変形例は、筐体角部Aの曲面形状とは若干異なる形状に湾曲されている。
上記のように構成された第4の変形例においては、図11に示すようにリブ12の外周面12aと第2部材2の外周保持部21とは上記変形例1、2と同様にD部とE部の離間された2点で線状に接触し、リブ12の内周面12bと内周保持部材23の外側端部23aの外周面とはD部とE部の中間部に相当するF部で線状に接触してリブ12を両側から挟み込む如く保持しており、同様に接触面積が小さく構成されていることで、上記変形例1、2の効果と、変形例3の効果を合わせた効果が得られる。
【0024】
実施の形態3.
図12〜図15はこの発明の実施の形態3に係る電子機器の筐体構造の要部を説明するもので、図12は電子機器を構成する筐体の組立斜視図、図13は筐体の一部を構成する第1部材の角部を示す要部斜視図、図14は筐体の他の一部を構成する第2部材の角部を示す要部斜視図、図15は第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合(位置決め)状態を示す要部断面図である。また、図16、図17は実施の形態3の第1変形例、図18、図19は同じく第2変形例を示すもので、図16は図14に対応する要部斜視図、図18は図13に対応する要部斜視図、図17及び図19は図15に対応する要部断面図である。なお、この実施の形態3は電子機器がデジタルカメラの場合であり、筐体内部には図示省略している、電子基板やバッテリー、レンズ、操作ボタン類等が組み込まれる。
【0025】
この実施の形態3の筐体は、角部Aが実施の形態1よりも角張って形成されているが、筐体の表側を成す第1部材1A及び筐体の裏側を成す第2部材2Aの対向する合わせ面は実施の形態1と同様、外周方向に沿う第1の係合部10及び第2の係合部20として構成されている。そして、第1の係合部10の対辺には同様に2つずつ合計4つの係合爪10aが設けられ、第2の係合部20の対応する位置には4つの爪掛かり部20aが設けられ、第1部材1A及び第2部材2Aを合体させるときに第1部材1の係合爪10aが、第2部材2Aの爪掛かり部20aに弾性係合する。合体後は固定ねじ5を第2部材2の挿通孔2bに挿通し、第1部材1に設けられたねじボス1bに締め付けることで、互いが分離することのないように結合される。
【0026】
そして、第1部材1Aの第1の係合部10における角部Aには、該角部Aの形状に応じて湾曲形成されたリブ13が突設され、対応する第2部材2Aの第2の係合部20における角部Aには、リブ13の外周面13aに当接する外側保持部24と、リブ13の内周面13bに線接触し、該リブ13を外側保持部24と協働して両面から挟み込む如く保持する円柱状の突設体からなる内周保持部材25とがそれぞれ設けられ、これらリブ13、外側保持部24、及び内周保持部材25とで角部係合手段6が構成されている。なお、この実施の形態3では、リブ13の内周面13bの湾曲部分の曲率半径R2は内周保持部材25の外周面の曲率半径r2よりも小さく形成されている。なお、上記曲率半径R2は0であっても良い。例えば、筐体内側の隣接する2つの側壁面(内壁)が直線状で直角またはその他の角度で交わるもの、一辺が直線状及び他辺が円弧状で交わるもの、円弧状同士で交わるものなどであっても差し支えない。
【0027】
上記のように構成された実施の形態3においては、筐体の表側を成す第1部材1Aと、筐体の裏側を成す第2部材2Aを嵌合させたときには、筐体の4つの角部Aが何れも図15に示す状態で位置決め、嵌合される。すなわち、第2部材2Aに設けた筐体横側の側壁角部からなる外側保持部24、及び内側保持部材25によって、第1部材1Aに設けたリブ13を両側から挟み込むように組み込まれ、更に第2部材2Aに設けた円柱状の内側保持部材25の外周面と第1部材1Aに設けたリブ13の内周面13bとを互いに離間したG部とH部の2箇所で線接触させ、かつ、第2部材2Aに設けた外側保持部24の内壁面と第1部材1Aに設けたリブ13の外周面13aとが面接触して位置決めされるようになっている。この例では、内側保持部材25の外周面とリブ13の内周面13bとは、G部とH部の2箇所で線接触しているため、実施の形態1に比べて拘束箇所が多く、実施の形態1のものよりも剛性が高められている。
【0028】
上記のようにこの実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果が得られる他、第1部材1Aに設けたリブ13と第2部材2Aに設けた内側保持部材25をG部とH部の2箇所で接触させて拘束箇所を増やし、剛性を向上させたことにより、筐体の変形に対する強度が一層強化され、きしみ音の発生や、落下衝撃による筐体の破損をより防止することができるという効果が得られる。また、上記実施の形態1と同様に、この実施の形態3においても円柱状の突設体からなる内側保持部材25部分の図示省略している成形型における曲率半径を調整することで、リブ13の内周面13bとの接触状態を容易に最適化することができる。
【0029】
さらに、外周保持部24とリブ13の外周面13aとの接触面積を減らす目的で、上記実施の形態2と同様の突起部を設け、きしみ音の発生をさらに防止することができる。その具体例として、図16、図17の第1変形例では、外周保持部24に図5と同様の2つの突起部241を互いに離間させて設け、突起部241の先端部がリブ13の外周面13aの外周方向の両端部近傍でそれぞれ線状に当接するようにしたものである。また、図18、図19の第2変形例では、リブ13の外周面13aに図7と同様の2つの突起部131を互いに離間させて設け、該突起部131の先端部が外周保持部24の外周方向両端部近傍でそれぞれ線状に当接するようにしたものである。
【0030】
この第1変形例及び第2変形例では図17及び図19に示すように、リブ13の外周面13a側で2箇所(突起部241、または突起部131)、そして内周面13b側でG部とH部の2箇所、合計4カ所で線接触してリブ13を挟み込むように位置決めすることができる。このように、実施の形態3の第1及び第2変形例では、実施の形態3よりも更に角部係合手段6における接触面積を小さくすることができ、筐体の変形を抑えるとともに、部品同士が擦れ合って発生するきしみ音を一層防止することができる。なお、この突起部の数は実施の形態2と同様に特に限定されるものではない。
【0031】
実施の形態4.
図20〜図23はこの発明の実施の形態4に係る電子機器の筐体構造を説明するものであり、図20は電子機器を構成する筐体の組立斜視図、図21は筐体の一部を構成する第1部材の角部を示す要部斜視図、図22は筐体の他の一部を構成する第2部材の角部を示す要部斜視図、図23は第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合(位置決め)状態を示す要部断面図である。なお、この実施の形態4の電子機器は携帯用音楽再生機であり、筐体内部には図示省略している、電子基板やバッテリー、操作ボタン類等が組み込まれる。
【0032】
上記筐体の裏側を成す第1部材1B及び筐体の表側を成す第2部材2Bの対向する合わせ面は、実施の形態1と同様、外周方向に沿う第1の係合部10及び第2の係合部20として構成され、第1の係合部10及び第2の係合部20を互いに係合させて合体し、固定ねじ5を第1部材1Bの挿通孔1aに挿通し、第2部材2Bに設けられたねじボスを兼ねる内周保持部材27のねじ穴27aに締め付けることで、互いが分離することのないように結合される。なお、第1の係合部10及び第2の係合部20に実施の形態1〜3と同様の嵌合爪および爪掛かり部を設けて係合させても良いし、リベット、接着剤等を用いて係合させても良い。
【0033】
この実施の形態4においては、第1部材1Bの第1の係合部10における角部Aには、該角部Aの形状に応じて湾曲形成されたリブ14が突設され、対応する第2部材2Bの第2の係合部20における角部Aには、リブ14の外周面14aに当接する外側保持部26と、上記ねじボスを兼ねた円柱状の突設体からなり、リブ14の内周面14bに線接触し、該リブ14を外側保持部26と協働して両面から挟み込む如く保持する内周保持部材27とがそれぞれ設けられ、これらリブ14、外側保持部26、及び内周保持部材27とで角部係合手段6が構成されている。また、リブ14の内周面14bの湾曲部分の曲率半径R3は実施の形態3と同様に内周保持部材27の曲率半径r3よりも小さく形成されている。なお、上記曲率半径R3は0であっても良い。
【0034】
上記のように構成された実施の形態4においては、筐体の裏側を成す第1部材1Bと、筐体の表側を成す第2部材2Bを嵌合させ合体させる際、本発明が構成された筐体の角部Aにおいては、図23に示す状態で位置決めされる。即ち、第2部材2Bに設けた筐体の側壁角部からなる外側保持部26と円筒状の内周保持部材27によって、第1部材1Bに設けたリブ14を挟み込むように組み込まれ、内周保持部材27の外周面と第1部材1Bに設けたリブ14の内周面14bとをI部及びJ部の2箇所で線接触させ、かつ、第2部材2Bに設けた外側保持部26の内周面と第1部材1Bに設けたリブ14の外周面14aとを面接触させ、位置決めされるようになっている。
【0035】
上記実施の形態4によれば、第1部材1Bと第2部材2Bを合体させるときに位置決めと嵌合が確実に行なわれ、リブ14の内周面14bと内周保持部材27との接触面積を減らしていることで部材同士が擦れ合って発生するきしみ音が防止される。また、第1部材1B及び第2部材2Bが偏った状態で嵌合されることがなく、片当たりによる部品同士の擦れ合いを防止することができる。さらに、第1及び第2の係合部10、20における位置決め・嵌合のための角部係合手段6を筐体の角部Aに余分なスペースを占有することなく設けたため、電子部品類の収容スペースが大きく確保でき、しかも筐体の角部における剛性も向上でき、落下衝撃にも強いという効果が得られる。さらに、内周保持部材27をねじボスと兼用したことにより軽量化(材料使用量の低減化)、省スペース化を図ることができ、しかも内周保持部材27の曲率半径r3を大きくして、I部及びJ部の2箇所で線接触させたので、角部Aから落下させた場合の衝撃荷重方向に対して剛性がより向上する。
【0036】
なお、第2部材2Bに設けた円筒状の内周保持部材27の曲率半径r3を、第1部材1Bに設けたリブ14の内周面14bにおける湾曲部分の曲率半径R3よりも小さくすることで、実施の形態1と同様に内周保持部材27の外周面とリブ14の内周面14bの湾曲部分とを1箇所で線接触させるようにしても良い。また、第2部材2Bに設けた外側保持部26と第1部材1Bに設けたリブ14の外周面14aとの接触面積を減らす目的で、実施の形態2と同様の突起部を、外側保持部26またはリブ14の外周面14aに設けても良い。さらに、本実施の形態4においても、実施の形態1と同様に、図示省略している成形型における内周保持部材27に対応する部分の曲率半径を調整することで、リブ14の内周面14bとの接触状態を容易に最適状態に調整することができる。
【0037】
実施の形態5.
図24〜図27はこの発明の実施の形態5に係る電子機器の筐体構造を説明するものであり、図24は電子機器を構成する筐体の組立斜視図、図25は筐体の一部を構成する第1部材の角部を示す要部斜視図、図26は筐体の他の一部を構成する第2部材の角部を示す要部斜視図、図27は第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合(位置決め)状態を示す要部断面図である。なお、この実施の形態5の電子機器は携帯用ゲーム機であり、筐体内には図示省略しているバッテリーカバーや端子カバーなどが設けられ、筐体内部には図示省略している、電子基板やバッテリー、液晶表示部、操作ボタン類等が組み込まれる。
【0038】
筐体の裏側を成す第1部材1C及び筐体の表側を成す第2部材2Cの対向する合わせ面は、実施の形態1と同様に外周方向に沿う第1の係合部10及び第2の係合部20として構成され、第1の係合部10の対辺には各2つずつ合計4つの係合爪10aが設けられ、第2の係合部20における対辺の対応部分には各2つずつ合計4つの爪掛かり部20aが設けられ、第1部材1C及び第2部材2Cを合体させるときに、これら第1部材1Cの係合爪10aが、第2部材2Cの爪掛かり部20aにそれぞれ相互に掛かることで弾性係合し、合体後は固定ねじ5を第1部材1Cの挿通孔1aに挿通し、第2部材2Cに設けられたねじボス兼内周保持部材29に締め付けることで、互いが分離することのないように結合される。なお、結合方法については特に限定されるものではない。
【0039】
そして、第1部材1Cの第1の係合部10における角部Aには、該角部Aの形状に応じて湾曲形成されたリブ15が突設され、対応する第2部材2Cの第2の係合部20における角部Aには、リブ15の外周面15aに当接する外側保持部28と、リブ15の内周面15bに対して、互いに離間されたK部及びL部の2箇所でそれぞれ線接触し、該リブ15を外側保持部28と協働して両面から挟み込む如く保持する突設体からなるねじボス兼内周保持部材29とがそれぞれ設けられ、これらリブ15、外側保持部28、及びねじボス兼内周保持部材29で角部係合手段6が構成されている。なお、ねじボス兼内周保持部材29は円筒状のねじボス部291と扁平円状の内周保持部292とが一体形成されたものからなり、リブ15の内周面15bの湾曲部分の曲率半径R4は内周保持部292の半円状の当接部分の曲率半径r4よりも小さく形成されている。なお、上記曲率半径R4は0であっても差し支えない。
【0040】
上記のように構成された実施の形態5においては、筐体の裏側を成す第1部材1Cと、筐体の表側を成す第2部材2Cを嵌合させる際、筐体の角部においては図27に示す状態で位置決めされる。即ち、第2部材2Cに設けた外側保持部28、およびねじボス兼内周保持部材29の内周保持部292によって、第1部材1Cに設けたリブ15を両側から挟み込むように組み込まれ、更に、第2部材2Cに設けたねじボス兼内周保持部材29の外周面と第1部材1Cに設けたリブ15の内周面15bとをK部とL部の2箇所で線接触させ、かつ、第2部材2に設けた外側保持部28の内面と第1部材1Cに設けたリブ15の外周面15aとが面接触され、位置決めされる。
【0041】
上記実施の形態5によれば、上記実施の形態3と同様の効果が得られる他、固定ネジ5を螺着するための円筒状のねじボス部291と、リブ15の内周面15bを保持するための扁平円状の内周保持部292を一体化してねじボス兼内周保持部材29としたことにより、角部Aからの衝撃荷重方向に対して剛性が一層向上するので、筐体の変形がさらに抑えられ、落下衝撃による筐体の破損を減らすことができる。
【0042】
なお、第2部材2Cに設けたねじボス兼内周保持部材29を構成する内周保持部292の曲率半径r4を、第1部材1Cに設けたリブ15の内周面15bにおける湾曲部分の曲率半径R4よりも小さくすることで、実施の形態1と同様に内周保持部292の外周面とリブ15の内周面15bの湾曲部分とを1箇所で線接触させるようにしても良い。また、第2部材2Cに設けた外側保持部28と第1部材1Cに設けたリブ15の外周面15aとの接触面積を減らす目的で、実施の形態2と同様の突起部を、外側保持部28またはリブ15の外周面15aに設けても良い。さらにまた、本実施の形態5においても、実施の形態1と同様に、内周保持部292の曲率半径r4を調整することで、リブ15の内周面15bとの接触状態を容易に最適化することができる。
【0043】
なお、上記実施の形態1〜5において、第1部材と第2部材の形状と材質によっては、両者を嵌合しにくい場合がある。その場合、両者が互いに嵌合できるように、第2部材2に設けた内周保持部材の外周面と、第1部材に設けたリブの内周面との間、または、第2部材2に設けた外側保持部の内側の面と第1部材1に設けたリブの外周面との間に、僅かにクリアランスを設けておいても良いが、このクリアランスはできる限り最小になるように調整する事が望ましい。また、リブや内周保持部材及び外側保持部の突出端面の角部を面取りすることなどは勿論好ましい。また、第1部材と第2部材を、型を使用して製造する場合、筐体の側壁部、外側保持部、内周保持部材、ねじボス、及びリブのそれぞれの側面には、型から部品を取り出すときに必要な抜き勾配を付けておいても良い。
【0044】
ところで、上記実施の形態では筐体の全ての角部Aに角部係合手段6を設けた例を示したが、この限りではなく、筐体の複数の角部Aの内、一部の角部にのみ設けても良い。また、リブの外周面と外側保持部との当接部、あるいはリブの内周面と内周保持部材または内周保持部との当接部が重合方向に平行な直線状に線接触している例について説明したが、線接触の方向は特に限定されるものではなく、例えば重合方向に対して斜め方向等、交差する方向に接触させても同様の効果が期待できる。さらに、本発明を携帯電話機、デジタルカメラ、携帯用音楽再生機、携帯用ゲーム機に用いた場合について説明したが、これらの電子機器に限定されるものではなく、例えば携帯用の通信機、ラジオ、テレビ、ノート型パソコン、ノート型ワープロ、ビデオカメラ、電子手帳、各種の赤外線式、無線式リモートコントローラ、及び電卓など、各種電子機器に特別な制限なく広く適用することができる。また、固定型の電子機器にも用いられることは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明の実施の形態1に係る電子機器の筐体構造を示す組立斜視図。
【図2】図1に示された筐体の一部を構成する第1部材の角部における第1の係合部を示す要部斜視図。
【図3】図1に示された筐体の他の一部を構成する第2部材の角部における第2の係合部を示す要部斜視図。
【図4】図1に示された第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合(位置決め)状態を示す要部断面図。
【図5】この発明の実施の形態2による電子機器の筐体構造における第2部材の角部を示す要部斜視図(実施の形態1の第1の変形例)。
【図6】図5に示された第2部材を用いたときの角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図7】この発明の実施の形態2による電子機器の筐体構造における第1部材の角部を示す要部斜視図(実施の形態1の第2の変形例)。
【図8】図7に示された第1部材を用いたときの角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図9】この発明の実施の形態2による電子機器の筐体構造における第2部材の角部を示す要部斜視図(実施の形態1の第3の変形例)。
【図10】この発明の実施の形態2による電子機器の筐体構造における第2部材の角部を示す要部斜視図(実施の形態1の第4の変形例)。
【図11】図10に示された第2部材を用いたときの角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図12】この発明の実施の形態3に係る電子機器の筐体構造を示す組立斜視図。
【図13】図12に示された筐体の一部を構成する第1部材の角部を示す要部斜視図。
【図14】図12に示された筐体の他の一部を構成する第2部材の角部を示す要部斜視図。
【図15】図12に示された第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図16】この発明の実施の形態3の第1変形例で図14に示された第2部材の角部に対応する要部斜視図。
【図17】図16に示された第2部材を用いたときの角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図18】この発明の実施の形態3の第2変形例で図13に示された第1部材の角部に対応する要部斜視図。
【図19】図18に示された第1部材を用いたときの角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図20】この発明の実施の形態4に係る電子機器の筐体構造を示す組立斜視図。
【図21】図20に示された筐体の第1部材の角部を示す要部斜視図。
【図22】図20に示された筐体の第2部材の角部を示す要部斜視図。
【図23】図20に示された第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【図24】この発明の実施の形態5に係る電子機器の筐体の組立斜視図。
【図25】図24に示された筐体の第1部材の角部を示す要部斜視図。
【図26】図24に示された筐体の第2部材の角部を示す要部斜視図。
【図27】図24に示された第1部材と第2部材を互いの係合部で嵌合させて合体させたときの、角部係合手段の嵌合状態を示す要部断面図。
【符号の説明】
【0046】
1、1A、1B、1C 第1部材、 11、12、13、14、15 リブ、 11a、12a、13a、14a、15a 外周面、 11b、12b、13b、14b、15b 内周面、 2、2A、2B、2C 第2部材、 6 角部係合手段、 10 第1の係合部、 10a 係合爪、 20 第2の係合部、 20a 爪掛かり部、 21、24、26、28 外側保持部、 22、23、25、27 内周保持部材、 29 ねじボス兼内周保持部材、 292 内周保持部、 111、131、211、241 突起部、 r1、r2、r3、r4 曲率半径(内周保持部材)、 R、R1、R2、R3、R4 曲率半径(リブの内周面)、 A 角部、 B 当接部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の一部を構成しその外周部に角部を含む第1の係合部が形成された第1部材と、上記筐体の他の一部を構成しその外周部に上記第1の係合部に係合する第2の係合部が形成された第2部材とを備え、これら第1部材と第2部材を互いの係合部で合体させることで筐体を形成するようにした電子機器において、上記第1の係合部の角部に設けられ、該角部の形状に応じて湾曲形成されたリブと、上記第2の係合部の対応する角部に設けられ、上記第1部材及び上記第2部材を合体させたときに、上記リブの外周面に当接する外側保持部及び上記リブの内周面に線状に当接し該リブを上記外側保持部と協働して両面から挟み込む如く保持する内周保持部材とからなる角部係合手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記リブの外周面と、上記外側保持部とは面接触状態に当接されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
上記リブの外周面と上記外側保持部との当接部が線状となるように上記リブの外周面及び上記外側保持部の何れか一方に突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
上記リブの内周面と上記内周保持部材との当接部は外周方向に互いに離間された位置に線状に複数形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
上記外側保持部は、上記第2部材の側壁の角部の壁厚を略上記リブの厚みに相当する分だけ薄肉化して形成された側壁角部からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の電子機器。
【請求項6】
上記内周保持部材は、上記第2部材に立設された柱状の突設体からなることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の電子機器。
【請求項7】
上記内周保持部材は、上記第1部材を上記第2部材にねじ止めするために該第2部材に設けられたねじボスに並設され、または該ねじボスと一体的に形成されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の電子機器。
【請求項8】
上記角部係合手段の係合状態は上記内周保持部材の外周面の曲率半径を調整することで行なわれたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の電子機器。
【請求項9】
外周部に角部を含む第1の係合部が形成された第1部材と、外周部に上記第1の係合部に係合する第2の係合部が形成された第2部材とを備え、これら第1部材と第2部材を互いの係合部で合体させるようにした電子機器の筐体において、上記第1の係合部の角部に設けられ、該角部の形状に応じて湾曲形成されたリブと、上記第2の係合部の対応する角部に設けられ、上記第1部材及び上記第2部材を合体させたときに、上記リブの外周面に当接する外側保持部及び上記リブの内周面に線状に当接し該リブを上記外側保持部と協働して両面から挟み込む如く保持する内周保持部材とからなる角部係合手段を備えたことを特徴とする電子機器の筐体。
【請求項1】
筐体の一部を構成しその外周部に角部を含む第1の係合部が形成された第1部材と、上記筐体の他の一部を構成しその外周部に上記第1の係合部に係合する第2の係合部が形成された第2部材とを備え、これら第1部材と第2部材を互いの係合部で合体させることで筐体を形成するようにした電子機器において、上記第1の係合部の角部に設けられ、該角部の形状に応じて湾曲形成されたリブと、上記第2の係合部の対応する角部に設けられ、上記第1部材及び上記第2部材を合体させたときに、上記リブの外周面に当接する外側保持部及び上記リブの内周面に線状に当接し該リブを上記外側保持部と協働して両面から挟み込む如く保持する内周保持部材とからなる角部係合手段を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記リブの外周面と、上記外側保持部とは面接触状態に当接されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
上記リブの外周面と上記外側保持部との当接部が線状となるように上記リブの外周面及び上記外側保持部の何れか一方に突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
上記リブの内周面と上記内周保持部材との当接部は外周方向に互いに離間された位置に線状に複数形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
上記外側保持部は、上記第2部材の側壁の角部の壁厚を略上記リブの厚みに相当する分だけ薄肉化して形成された側壁角部からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の電子機器。
【請求項6】
上記内周保持部材は、上記第2部材に立設された柱状の突設体からなることを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の電子機器。
【請求項7】
上記内周保持部材は、上記第1部材を上記第2部材にねじ止めするために該第2部材に設けられたねじボスに並設され、または該ねじボスと一体的に形成されたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかに記載の電子機器。
【請求項8】
上記角部係合手段の係合状態は上記内周保持部材の外周面の曲率半径を調整することで行なわれたものであることを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れかに記載の電子機器。
【請求項9】
外周部に角部を含む第1の係合部が形成された第1部材と、外周部に上記第1の係合部に係合する第2の係合部が形成された第2部材とを備え、これら第1部材と第2部材を互いの係合部で合体させるようにした電子機器の筐体において、上記第1の係合部の角部に設けられ、該角部の形状に応じて湾曲形成されたリブと、上記第2の係合部の対応する角部に設けられ、上記第1部材及び上記第2部材を合体させたときに、上記リブの外周面に当接する外側保持部及び上記リブの内周面に線状に当接し該リブを上記外側保持部と協働して両面から挟み込む如く保持する内周保持部材とからなる角部係合手段を備えたことを特徴とする電子機器の筐体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2008−187121(P2008−187121A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−21229(P2007−21229)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]