電子機器装置
【課題】さらなる小型化を図ることのできる電子機器装置を得る。
【解決手段】ケース30と、ケース30内に搭載され、第1の電子部品21,22,23を実装した回路基板10,20と、回路基板10,20に電気的に接続されるコネクタ40と、を備える電子機器装置1において、コネクタ40は、回路基板10,20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。そして、少なくとも2つの接続端子70に第2の電子部品90を取り付け、当該第2の電子部品90を介して少なくとも2つの接続端子70を電気的に接続させた。
【解決手段】ケース30と、ケース30内に搭載され、第1の電子部品21,22,23を実装した回路基板10,20と、回路基板10,20に電気的に接続されるコネクタ40と、を備える電子機器装置1において、コネクタ40は、回路基板10,20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。そして、少なくとも2つの接続端子70に第2の電子部品90を取り付け、当該第2の電子部品90を介して少なくとも2つの接続端子70を電気的に接続させた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器装置として、電子機器のターミナル端子に接続されるコネクタ部の基部側に、電子部品を内蔵したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、電子部品が実装された回路基板をコネクタ部の基部側に搭載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−035820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構造では、コネクタ部に、電子部品が実装された回路基板を搭載するためのスペースを新たに設ける必要があり、コネクタ部の小型化が図り難かった。すなわち、上記従来の技術では、電子機器装置のさらなる小型化が図り難いという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、さらなる小型化を図ることのできる電子機器装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にあっては、コネクタが、回路基板に電気的に接続される複数の接続端子と、複数の接続端子を保持するとともに、ケースに取り付けられるベース部と、を備え、少なくとも2つの前記接続端子には第2の電子部品が取り付けられており、当該第2の電子部品を介して前記少なくとも2つの接続端子が電気的に接続されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第2の電子部品を少なくとも2つの接続端子に取り付け、当該第2の電子部品を介して少なくとも2つの接続端子を電気的に接続させているため、従来デッドスペースとなっていた空間を電子部品の配置空間として有効に利用することができる。その結果、コネクタの小型化を図ることができ、以て、電子機器装置のさらなる小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかる電動パワーステアリングシステムの制御ユニットを示す分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの正面図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの側面図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの平面図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの底面図である。
【図7】図7は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの背面図である。
【図8】図8は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタを示す図であって、(a)は、図3のA−A線断面図、(b)は、電源用接続端子の電子部品取付部分を拡大して示す側面図である。
【図9】図9は、本発明の第1実施形態の第1変形例にかかるコネクタを示す図であって、(a)は、断面図、(b)は、電源用接続端子の電子部品取付部分を拡大して示す側面図である。
【図10】図10は、本発明の第1実施形態の第2変形例にかかるコネクタの断面図である。
【図11】図11は、本発明の第2実施形態にかかるコネクタの断面図である。
【図12】図12は、本発明の第2実施形態にかかるコネクタの背面図である。
【図13】図13は、本発明の第3実施形態にかかるコネクタの断面図である。
【図14】図14は、本発明の第3実施形態にかかるコネクタの背面図である。
【図15】図15は、本発明の第4実施形態にかかるコネクタの断面図である。
【図16】図16は、本発明の第4実施形態にかかるコネクタの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、電子機器装置として、電動パワーステアリングシステムの制御ユニットを例示する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態にかかる電動パワーステアリングシステムの制御ユニット(電子機器装置)1は、図1に示すように、筐体をなすケース30を備えている。ケース30の材質は、熱伝導性の比較的良好な金属部材(例えばアルミニウム合金等)であり、このケース30は、例えば鋳造(ダイキャスト等)によって形成されている。
【0012】
そして、ケース30には、モータ(図示せず)を収容する略円筒状のモータ収容部32と、このモータ収容部32に隣接して形成される部品収容部31と、が隔壁33を挟んで並んで形成されている。
【0013】
部品収容部31には、プリント回路基板(回路基板)10およびバスバー基板(回路基板)20が収容されており、いずれもねじ等の締結具(図示せず)を用いてケース30に固定される。また、部品収容部31の底部側(図1の左下側)から、バスバー基板20、プリント回路基板10が、この順に積重されており、バスバー基板20とプリント回路基板10とが適宜な空隙をあけて配置されている。本実施形態では、バスバー基板20に形成した係合突起27をプリント回路基板10に形成した係合凹部11に係合させることで、バスバー基板20とプリント回路基板10とを適宜な空隙をあけて配置している。なお、ケース30に対する固定位置を変化させたり、バスバー基板20とプリント回路基板10との間にスペーサを設けたりすることで空隙をあけるようにしてもよい。
【0014】
プリント回路基板10は、例えばガラスエポキシ樹脂等の絶縁樹脂材料等で形成されたベース10aを有しており、当該ベース10aの表面(図1のバスバー基板20側の面)10bには配線回路パターン(図示せず)が形成されている。
【0015】
そして、配線回路パターンにCPU等の電子部品(図示せず:第1の電子部品)をはんだ付け等で実装することで、制御回路(図示せず)が形成されている。
【0016】
この制御回路は、外部信号や内部信号等に基づいて演算処理を行い、スイッチング素子(図示せず)を制御することでモータに供給される電流の特性を変化させ、以て、モータの回転数やトルクを制御するものである。
【0017】
また、バスバー基板20は、バスバー25やバスバー26を含む複数のバスバーを所定位置に配置した型内に、絶縁性を有する合成樹脂(例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)等)を注入して略板状に固化させることで(すなわちインサート成形によって)成形することができる。このとき、バスバー基板20には、貫通孔24a、24bを含む複数の貫通孔が表裏を貫くように形成されており、一部の貫通孔の側面には、バスバーの端子部が露出している。そして、バスバーの露出した部分とモータや各種部品の端子等とを溶接あるいははんだ付け等で接合することで、電気的な接続を確保できるようにしている。
【0018】
本実施形態では、バスバー基板20には、コンデンサ(第1の電子部品)21,リレー(第1の電子部品)22,コイル(第1の電子部品)23、スイッチング素子(図示せず:第1の電子部品)等が実装されている。これらの電子部品は、部品収容部31の凹部内に収容される。
【0019】
また、バスバー基板20には、モータの駆動電流を生成する駆動回路と、コンデンサ(第1の電子部品)21等の電子部品に電気的に接続され、これらの電子部品の制御信号をプリント回路基板10に伝える信号回路と、が形成されている。
【0020】
なお、本実施形態では、バスバー基板20に形成されたバスバーのうち、バスバー25のように大電流が流れるものについては、プリント回路基板10に接続せず、バスバー26のように大電流が流れないものについては、プリント回路基板10に接続するようにしている。
【0021】
また、ケース30の部品収容部31に対応する部分には、電動パワーステアリングシステムの制御ユニット1の内外を電気的に接続するためのコネクタ40が設けられている。
【0022】
コネクタ40は、図1および図2に示すように、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0023】
本実施形態では、複数の接続端子70は、略平板状に形成された一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71と、棒状に形成された3本の信号用接続端子72と、を備えており、それぞれの接続端子70が、インサート成形によりベース部50に一体に設けられている。なお、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71は、それぞれ電源供給用接続端子およびグランド用接続端子である。
【0024】
また、ベース部50は、略直方体状に形成されており、このベース部50の4隅部に挿通孔51が形成されている。そして、この挿通孔51にねじ等の締結具(図示せず)を挿通することで、ベース部50がケース30に取り付けられる。
【0025】
このとき、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)一方側(プリント回路基板10側)の先端部71aが、バスバー基板20の略中央部に形成された略正方形状の貫通孔24aに、部品収容部31の底部側(図1の左下側)から挿通される。そして、この先端部71aを、貫通孔24aの両側(電源用接続端子71の厚さ方向両側)に露出したバスバー25に接合することで、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71とバスバー基板(回路基板)20とが電気的に接続されている(図5参照)。本実施形態では、電源用接続端子71の先端部71aとバスバー25との接合を溶接(例えばTIG溶接等)によって行っている。なお、図2以降の図では、プリント回路基板(回路基板)10およびバスバー基板(回路基板)20を模式的に描いている。
【0026】
また、ベース部50をケース30に取り付けた際には、信号用接続端子72の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)一方側(プリント回路基板10側)の先端部72aは、バスバー基板20に形成されたスリット状の貫通孔24bを貫通してプリント回路基板10に接続される。このように、信号用接続端子72の先端部72aとプリント回路基板10とを互いに接続することで、信号用接続端子72とプリント回路基板10とが電気的に接続される。
【0027】
なお、本実施形態では、複数の接続端子70として、細長い形状の電源用接続端子71および細長い形状の信号用接続端子72を用いることで、組み付け時のベース部50とバスバー基板20との距離が大きくなるようにしている。すなわち、部品収容部31の空間が広くなるようにしている。このように、部品収容部31の空間を広くすることで、発熱部品(バスバー基板20に実装された電子部品等)の放熱性を高めている。
【0028】
また、各接続端子70は、ベース部50を貫通するように設けられている。すなわち、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)他方側(ケース30の外側)の端部71bが、ベース部50の外面50aからケース30の外側に突出している(図2および図3参照)。
【0029】
また、信号用接続端子72の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)他方側(ケース30の外側)の端部72bも、ベース部50の外面50aからケース30の外側に突出している(図2および図3参照)。
【0030】
そして、ベース部50の外面50aには、外側に突出する接続端子70の周囲を囲うように壁部60が設けられている。
【0031】
本実施形態では、電源用接続端子71の周囲を囲うように壁部61を設けることで、直流電源に繋がるハーネスを接続する電源用外部接続口62を形成するとともに、信号用接続端子72の周囲を囲うように壁部63を設けることで、外部のECUやセンサ等に繋がるハーネスを接続する信号用外部接続口64を形成している。
【0032】
なお、本実施形態では、電源用外部接続口62と信号用外部接続口64とを1つのベース部50に一体に設けているが、それぞれ別個のベース部に設けるようにしてもよい。
【0033】
ここで、本実施形態では、図2に示すように、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71に取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させている。
【0034】
このように、コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させることで、外部から侵入するノイズや静電気を遮断することが可能となる。
【0035】
本実施形態では、図5および図8に示すように、ほぼ同じ大きさの2つのコンデンサ90と、これら2つのコンデンサ90よりも小さい(大きさの異なる)1つのコンデンサ90が用いられており、これら3個のコンデンサ90をそれぞれ一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71に取り付けている。
【0036】
コンデンサ(第2の電子部品)90は、略直方体状の本体部91と、当該本体部の一端側から延設された一対のリード線92と、を備えている。そして、一対のリード線92を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71に溶接(例えば、Tig溶接、スポット溶接、半田溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接、超音波溶接など)することで、コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させている。
【0037】
本実施形態では、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71の幅方向一端部(図4の上側)71hに、他端部(図4の下側)71i側に向けて凹ませた溝部71cを複数形成することで、突状部71dを形成している。そして、この突状部71dの電源用接続端子71の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)略中央部に、溝部71cよりも浅い溝部71eが形成されており、当該溝部71eにリード線92の先端部を載置させるようにしている(図8参照)。
【0038】
また、3つの突状部71dは、電源用接続端子(接続端子)71のバスバー基板(回路基板)20との接続部71fからベース部側71gまでの間に形成されており、それぞれの突状部71dに大小3つのコンデンサ90が取り付けられている。
【0039】
本実施形態では、3つの突状部71dは、電源用接続端子71の延在方向ベース部50側に形成されている。
【0040】
また、コンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71とベース部50のうち少なくともいずれか一方には、コンデンサ90を保護する保護部80が設けられている。本実施形態では、一対の電源用接続端子71の幅方向他端部71i側に保護部80が設けられており、この保護部80は、ベース部50の内面(プリント回路基板10側の面)50bからプリント回路基板10側に向けて延設されている。そして、保護部80は、インサート成形によりベース部50と一体に形成されている。
【0041】
また、本実施形態では、保護部80は、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71の一方の電源用接続端子71の幅方向他端部71i側と、他方の電源用接続端子71の幅方向他端部71i側とに跨るように形成されている。
【0042】
具体的には、保護部80は、側壁81,81と底壁82とを有する略U字状をしており、これら側壁81,81および底壁82でコンデンサ90を収容する空間部S1が形成されている(図7および図8参照)。
【0043】
本実施形態では、側壁81は、当該側壁81の上端部81aが電源用接続端子71の幅方向他端部71iの表裏の平面部71jを覆うように設けられており、側壁81の上端と溝部71cの底部との間に所定のクリアランスCが形成されるようにしている。このように、側壁81の上端と溝部71cの底部との間にクリアランスCを形成することで、リード線92の電源用接続端子71への溶接時に溶接用電極を電源用接続端子71に取り付けやすくし、溶接作業性の向上を図っている。
【0044】
また、本実施形態では、大小3つのコンデンサ90の本体部91を空間部S1内に収容させ、リード線92を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71の突状部71dにそれぞれ溶接した状態で、空間部S1内に液状樹脂(図示せず)を注入してコンデンサ90を固定している。
【0045】
このとき、液状樹脂として、固着後も比較的弾性を有するシリコン系樹脂を用いるのが好適である。このように、シリコン系樹脂を用いてコンデンサ90を固定すれば、熱収縮時等における、樹脂自身の変形を許容することができ、コンデンサ90の本体部91やリード線92の固定部(溶接部)92aに加わる応力を緩和させることができる。そのため、固着させた樹脂が割れたりするのを抑制することができ、また、コンデンサ90の本体部91やリード線92が破損したり、リード線92の固定部(溶接部)92aが破損したりするのを抑制することができる。
【0046】
このように、空間部S1内にシリコン系樹脂を注入してコンデンサ90を固定することで、コンデンサ90の本体部91やリード線92およびリード線92の固定部(溶接部)92aをより確実に保護することができる。
【0047】
ところで、比較的弾性を有するシリコン系樹脂を用いてコンデンサ90を固定した場合、シリコン系樹脂自体が振動によって変形する。この変形によって、上述したようにコンデンサ90に加わる応力を緩和させることができるようになるが、シリコン系樹脂の量が多くなると、シリコン系樹脂自体の変形量が大きくなるため、シリコン系樹脂自体の変形によってコンデンサ90に応力が加えられてしまう。すなわち、空間部S1内でシリコン系樹脂が占める割合が大きくなると、振動等によるシリコン系樹脂自体の変形によってコンデンサ90に応力が加わるようになるため、振動等によるシリコン系樹脂自体の変形がコンデンサ90に与える影響が大きくなってしまう。
【0048】
そこで、底壁82の空間部S1側に、図8(a)に示すように、段差部82aを形成し、当該段差部82aの下段側の空間に、2つの大きいコンデンサ90を収容するとともに、上段側の空間に小さいコンデンサ90を収容するようにした。
【0049】
このように、底壁82の空間部S1側に段差部82aを設け、コンデンサ90の大きさに応じた収容空間を設定することで、空間部S1内でシリコン系樹脂が占める割合が大きくなるのが抑制される。その結果、電源用接続端子71に取り付けたコンデンサ90が振動による影響を受けてしまうのを抑制できるようになる。
【0050】
かかる構成のコネクタ40は、以下のようにして製造される。
【0051】
まず、3本の信号用接続端子72と、予め幅方向一端側に突状部71dや溝部71e,71bが形成された一対の電源用接続端子71と、を型内の所定位置に配置する。そして、信号用接続端子72や電源用接続端子71を配置した型内に、絶縁性を有する合成樹脂(例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)等)を注入して固化させることで、電源用接続端子71、信号用接続端子72およびベース部50をインサート成形する。このとき、壁部60および保護部80も同時にインサート成形する。
【0052】
次に、保護部80に形成された空間部S1内にコンデンサ90の本体部91を収容させつつ、コンデンサ90に設けられた2本のリード線92を一対の電源用接続端子71の溝部71eにそれぞれ載置する。
【0053】
次に、リード線92を電源用接続端子71に溶接することで、コンデンサ90を介して一対の電源用接続端子71を電気的に接続させる。
【0054】
最後に、保護部80の空間部S1内に液状樹脂を注入してコンデンサ90を固着させることで、コネクタ40が形成される。
【0055】
以上説明したように、本実施形態では、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71に取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させている。そのため、従来デッドスペースとなっていた空間(一対の電源用接続端子71の対向空間)を電子部品の配置空間として有効に利用することができる。その結果、コネクタ40の小型化を図ることができ、以て、電動パワーステアリングシステムの制御ユニット(電子機器装置)1のさらなる小型化を図ることが可能となる。
【0056】
具体的には、コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させることで、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に取り付ける第1の電子部品(コンデンサ21等)の数を減少させることができる。すなわち、本来、第1の電子部品としてプリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に実装される電子部品を第2の電子部品として用いることで、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に実装させる第1の電子部品の数が少なくなり、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20をより小型にすることが可能となる。
【0057】
また、同じ大きさのプリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20を用いた場合には、電動パワーステアリングシステムの制御ユニット(電子機器装置)1全体に実装させる電子部品の数(第1および第2の電子部品の合計数)を増加させることができる。すなわち、電動パワーステアリングシステムの制御ユニット(電子機器装置)1を大型化させることなくより多くの電子部品を実装させることができるようになる。
【0058】
また、溶接によりバスバー基板(回路基板)20に固定される平板状の電源用接続端子(平板状接続端子)71に、コンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けている。すなわち、振動の影響を受けにくい電源用接続端子(平板状接続端子)71にコンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けているため、コンデンサ(第2の電子部品)90が振動の影響を受けてしまうのを抑制することができる。その結果、コンデンサ(第2の電子部品)90が振動して固定部(溶接部)92aに負荷が生じてしまうのを抑制することができ、コンデンサ(第2の電子部品)90と電源用接続端子(接続端子)71とが導通不良を起こしてしまうのを抑制することができるようになる。
【0059】
また、本実施形態によれば、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71の幅方向一端部71hに、突状部71dを形成しており、当該突状部71dにコンデンサ(第2の電子部品)90を溶接により取り付けている。このように突状部71dを設け、当該突状部71dにコンデンサ(第2の電子部品)90のリード線92を溶接するようにすれば、直線状の端子端部に載置した状態でリード線92を溶接する場合に比べて小さな溶接エネルギーで溶接を行うことができるようになる。そのため、消費電力を低減させることができる上、溶接時間の短縮を図ることが可能となる。
【0060】
また、突状部71dで溶接を行うことで、直線状の端子端部に載置した状態で溶接を行う場合に比べ、溶接時の溶接材料の熔解量がばらついてしまうのを抑制することができるようになる。さらに、突状部71dで溶接を行うことで、熔解した溶接材料が流動してしまうのを抑制することができるため、固定部(溶接部)92aにおける溶接強度がばらついてしまうのを抑制することができる。このように、突状部71dで溶接を行うことで、溶接時における溶接材料の熔解量の調整が容易になり、溶接作業性の向上を図ることができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、溝部71eにリード線92の先端部を載置させている。そのため、コンデンサ(第2の電子部品)90の一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71への取付時の位置決めがなされ、溶接の際にコンデンサ(第2の電子部品)90が位置ずれしてしまうのを抑制することができる。
【0062】
さらに、本実施形態によれば、突状部71dを、電源用接続端子71の延在方向ベース部50側に形成している。すなわち、コンデンサ(第2の電子部品)90を、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20から離れた位置である電源用接続端子71の延在方向ベース部50側に取り付けている。このように、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20から離れた位置にコンデンサ90を取り付けることで、外部から侵入してくるノイズや静電気をコネクタ40の入口側で遮断することができる。その結果、外部から侵入してくるノイズや静電気が、ベース部50から回路基板までの間に存在する空気中を伝播し、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に影響を与えてしまうのを抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、コンデンサ(第2の電子部品)90を保護する保護部80を、コンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71とベース部50のうち少なくともいずれか一方に設けている。このように、保護部80を設けることで、振動によりコンデンサ(第2の電子部品)90の固定部(溶接部)92aに負荷が生じてしまうのを抑制することができる。そのため、コンデンサ(第2の電子部品)90と電源用接続端子(接続端子)71とが導通不良を起こしてしまうのを抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、保護部80を、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71の一方の電源用接続端子(平板状接続端子)71の幅方向他端部71i側と、他方の電源用接続端子(平板状接続端子)71の幅方向他端部71i側とに跨って設けているため、保護部80がコンデンサ(第2の電子部品)90の本体部91を取り囲むように形成される。その結果、コンデンサ(第2の電子部品)90の取付部位における電源用接続端子71の振動を抑制することができ、コンデンサ(第2の電子部品)90と電源用接続端子(接続端子)71とが導通不良を起こしてしまうのをより一層抑制することができる。
【0065】
次に、本実施形態にかかるコネクタの変形例を説明する。
【0066】
(第1変形例)
まず、図9に基づいて、本実施形態の第1変形例にかかるコネクタ40Aを説明する。
【0067】
本変形例にかかるコネクタ40Aは、基本的に上記第1実施形態にかかるコネクタ40とほぼ同様の構成をしており、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0068】
そして、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Aに取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Aを電気的に接続させている。
【0069】
また、コンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71Aとベース部50のうち少なくともいずれか一方には、コンデンサ90を保護する保護部80Aが設けられている。そして、保護部80Aには、コンデンサ90を収容する空間部S2が形成されている。
【0070】
ここで、本変形例が、上記第1実施形態と主に異なる点は、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Aの幅方向一端部71h(図9の上側)を、上方に向けて突出させることで突状部71dAを形成した点にある。さらに、突状部71dAの電源用接続端子71の延在方向(コネクタ40Aのケース30への挿通方向)略中央部には、突状部71dAよりも上方に突出させた突部71kが形成されており、当該突部71kにリード線92を載置させるようにしている。
【0071】
このように、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Aの幅方向一端部71hを、上方に向けて突出させて突状部71dAを形成した場合にあっても、直線状の端子端部に載置した状態でリード線92を溶接する場合に比べて小さな溶接エネルギーで溶接を行うことができる。なお、突状部71dAの上縁部にリード線92を載置させる溝部を設けるようにしても、同様の作用、効果を奏することができる。
【0072】
したがって、本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0073】
(第2変形例)
次に、図10に基づいて、本実施形態の第2変形例にかかるコネクタ40Bを説明する。
【0074】
本変形例にかかるコネクタ40Bは、基本的に上記第1実施形態にかかるコネクタ40とほぼ同様の構成をしており、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0075】
そして、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Bに取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Bを電気的に接続させている。
【0076】
このとき、上記第1実施形態と同様に、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71の幅方向一端部(図10の上側)71hに、他端部(図10の下側)71i側に向けて凹ませた溝部71cを形成することで、突状部71dを形成している。さらに、突状部71dの電源用接続端子71の延在方向(コネクタ40Bのケース30への挿通方向)略中央部に、溝部71cよりも浅い溝部71eが形成されており、当該溝部71eにリード線92を載置させるようにしている。
【0077】
ここで、本変形例が、上記第1実施形態と主に異なる点は、電源用接続端子(接続端子)71Bのバスバー基板(回路基板)20との接続部71fからベース部側71gまでの間のうち、電源用接続端子(接続端子)71Bのバスバー基板(回路基板)20との接続部71f側に、2つの突状部71dを形成した点にある(図10参照)。そして、それぞれの突状部71dにほぼ同一の大きさの2つのコンデンサ90がそれぞれ取り付けられている。
【0078】
この保護部80Bも、上記第1実施形態と同様に、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71の一方の電源用接続端子71の幅方向他端部71i側と、他方の電源用接続端子71の幅方向他端部71i側とに跨るように形成されている。
【0079】
すなわち、側壁81,81および底壁82でコンデンサ90を収容する空間部S3を形成しており、側壁81は、当該側壁81の上端部81aが電源用接続端子71の幅方向他端部71iの表裏の平面部71jを覆うように設けられている。なお、本変形例では、図10に示すように、保護部80Bがベース部50とは別体に設けられている。
【0080】
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0081】
さらに、本変形例によれば、2つの突状部71dを、電源用接続端子(接続端子)71のバスバー基板(回路基板)20との接続部71f側に形成している。すなわち、振動が比較的小さい接続部71f近傍にコンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けている。そのため、振動による固定部(溶接部)92aの破損や液状樹脂のクラックの発生を抑制することができ、製品の耐久性の向上を図ることができる。
【0082】
(第2実施形態)
以下、図11および図12に基づいて、本発明の第2実施形態にかかるコネクタ40Cを説明する。
【0083】
本実施形態にかかるコネクタ40Cは、基本的に上記第1実施形態とほぼ同様の構成をしており、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0084】
そして、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71に取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させている。
【0085】
ここで、本実施形態が上記第1実施形態と主に異なる点は、保護部80Cをコンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71の周囲を囲うように設けた点にある(図11および図12参照)。
【0086】
具体的には、保護部80Cは、ベース部50の内面(プリント回路基板10側の面)50bからプリント回路基板10側に向けて角筒状に延設されており、インサート成形によりベース部50と一体に形成されている。
【0087】
すなわち、本実施形態にかかる保護部80Cは、図12に示すように、側壁81,81と底壁82と天壁部83とで四角形状の閉断面を形成しており、この保護部80Cの内部に、電源用接続端子71の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)プリント回路基板10側に開口した空間部S4が形成されている。そして、当該空間部S4内に、コンデンサ90を収容している(図11参照)。
【0088】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、保護部80Cをコンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71の周囲を囲うように設けたため、液状樹脂を空間部S4内に容易に注入することができる。また、空間部S4内に注入した液状樹脂が洩れてしまうのを抑制することができ、コネクタ40Cをより容易に製造することができる。
【0090】
(第3実施形態)
以下、図13および図14に基づいて、本発明の第3実施形態にかかるコネクタ40Dを説明する。
【0091】
本実施形態にかかるコネクタ40Dは、基本的に上記第2実施形態とほぼ同様の構成をしており、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0092】
そして、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Dに取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Dを電気的に接続させている。
【0093】
また、保護部80Dをコンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71Dの周囲を囲うように設けている(図14参照)。
【0094】
すなわち、保護部80Dを、ベース部50の内面(プリント回路基板10側の面)50bからプリント回路基板10側に向けて角筒状に延設するとともに、インサート成形によりベース部50と一体に形成している。
【0095】
具体的には、図14に示すように、側壁81,81と底壁82と天壁部83とで四角形状の閉断面に形成した保護部80Dの内部に、電源用接続端子71Dの延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)プリント回路基板10側に開口した空間部S5を形成し、当該空間部S5内に、コンデンサ90を収容している。
【0096】
ここで、本実施形態が、上記第2実施形態と主に異なる点は、コンデンサ(第2の電子部品)90を保護部80Dの開口側から挿入させるようにした点にある。
【0097】
具体的には、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Dを、ベース部50側端部71lを幅方向(本実施形態では、一端部71h側)に拡幅させてL字状に形成し、ベース部50の内面50bに平行に延設する端部71lの開口側端部に、コンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けるようにしている。
【0098】
さらに、本実施形態では、端部71lの開口側端部71mにベース部50の内面50b側に向けて凹ませた溝部71cDを形成することで、突状部71dDを形成している。そして、突状部71dDの幅方向(図13中上下方向)略中央部に、溝部71cDよりも浅い溝部71eDが形成されており、当該溝部71eDにリード線92を載置させるようにしている。
【0099】
こうして、コンデンサ(第2の電子部品)90を保護部80Dの開口側から挿入させるようにしている。
【0100】
以上の本実施形態によっても、上記第2実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0101】
また、本実施形態によれば、コンデンサ(第2の電子部品)90を保護部80Dの開口側から挿入させるようにすることで、コンデンサ(第2の電子部品)90の空間部S5への挿入をより容易に行うことができる。
【0102】
(第4実施形態)
以下、図15および図16に基づいて、本発明の第4実施形態にかかるコネクタ40Eを説明する。
【0103】
本実施形態にかかるコネクタ40Eは、基本的に上記第2実施形態とほぼ同様の構成をしており、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0104】
そして、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Eに取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Eを電気的に接続させている。
【0105】
また、保護部80Eをコンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71Eの周囲を囲うように設けている。
【0106】
すなわち、保護部80Eを、ベース部50の内面(プリント回路基板10側の面)50bからプリント回路基板10側に向けて角筒状に延設するとともに、インサート成形によりベース部50と一体に形成している。
【0107】
具体的には、図16に示すように、側壁81,81と底壁82と天壁部83とで四角形状の閉断面に形成した保護部80Eの内部に、電源用接続端子71Eの延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)プリント回路基板10側に開口した空間部S6を形成し、当該空間部S6内に、コンデンサ90を収容している。
【0108】
ここで、本実施形態が、上記第2実施形態と主に異なる点は、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子:平板状接続端子)71Eの幅方向両端部71h,71iに設けた点にある(図15参照)。
【0109】
本実施形態では、幅広の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Eを用いており、コンデンサ(第2の電子部品)90を両側から設けた際に本体部91同士が干渉しないようにしている。
【0110】
また、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Eの幅方向中央部には、隔壁84が設けられている。この隔壁84は、互いに対向する電源用接続端子71Eの間に、電源用接続端子71Eの幅方向一方側と他方側とを仕切るように設けられている。
【0111】
また、この隔壁84の表裏面側には段差部84aがそれぞれ設けられており、この段差部84aによってコンデンサ90の大きさに応じた収容空間を設定している。
【0112】
以上の本実施形態によっても、上記第2実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0113】
また、本実施形態によれば、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子:平板状接続端子)71Eの幅方向両端部71h,71iからコンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けられるようにしたため、より多くのコンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けることができる。
【0114】
また、互いに対向する電源用接続端子71Eの間に、電源用接続端子71Eの幅方向一方側と他方側とを仕切るように隔壁84を設けることで、電源用接続端子71Eに取り付けたコンデンサ90が振動による影響を受けてしまうのを抑制でき、コンデンサ90の破損や、樹脂が割れてしまうのを抑制することができる。
【0115】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態および上記変形例には限定されず、種々の変形が可能である。
【0116】
例えば、上記各実施形態および各変形例では、電子機器装置として電動パワーステアリングシステムの制御ユニットを例示したが、電動パワーステアリングシステム以外(例えば、ブレーキコントロールユニットなど車両用制御ユニット全般)にも本発明を適用することができる。また、車両用制御ユニット以外にも本発明を適用することができる。
【0117】
また、上記第2〜第4実施形態にあっても、上記第1実施形態の第1変形例にかかる突状部を形成することが可能である。
【0118】
また、上記各実施形態および各変形例で示したコンデンサ(第2の電子部品)の数や大きさは、一例であって、これに限定されるものではない。
【0119】
また、上記各実施形態および各変形例では、第2の電子部品としてコンデンサを用いたものを例示しているが、これに限らず、コイルや抵抗、リレー、ダイオード等他の電子部品を用いることもできる。
【0120】
また、第2の電子部品として複数種類の電子部品を用いることも可能である。
【0121】
例えば、コンデンサと抵抗を組み合わせることでCR回路を構築したり、コンデンサとコイルを組み合わせることでCL回路を構築することが可能である。
【0122】
また、小さな回路基板上に電子部品を配置してサブ回路を形成し、当該サブ回路を第2の電子部品として用い、メインの回路基板に電源や信号を入力する前に、サブ回路にてノイズを除去したり信号処理を行わせたりしてもよい。
【0123】
また、上記各実施形態および各変形例では、第2の電子部品を電源用接続端子に取り付けたものを例示したが、これに限らず、信号用接続端子に取り付けてもよい。
【0124】
例えば、信号用接続端子に抵抗を取り付けることで、なまった信号を当該抵抗により正しくすることが可能となる。
【符号の説明】
【0125】
1 電子機器装置
10 プリント回路基板(回路基板)
20 バスバー基板(回路基板)
30 ケース
40,40A,40B,40C,40D,40E コネクタ
50 ベース部
70 接続端子
71 電源用接続端子(接続端子:平板状接続端子)
71d,71dD 突状部
72 信号用接続端子(接続端子)
80,80A,80B,80C,80D,80E 保護部
90 コンデンサ(第2の電子部品)
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器装置として、電子機器のターミナル端子に接続されるコネクタ部の基部側に、電子部品を内蔵したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1では、電子部品が実装された回路基板をコネクタ部の基部側に搭載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−035820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構造では、コネクタ部に、電子部品が実装された回路基板を搭載するためのスペースを新たに設ける必要があり、コネクタ部の小型化が図り難かった。すなわち、上記従来の技術では、電子機器装置のさらなる小型化が図り難いという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、さらなる小型化を図ることのできる電子機器装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にあっては、コネクタが、回路基板に電気的に接続される複数の接続端子と、複数の接続端子を保持するとともに、ケースに取り付けられるベース部と、を備え、少なくとも2つの前記接続端子には第2の電子部品が取り付けられており、当該第2の電子部品を介して前記少なくとも2つの接続端子が電気的に接続されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第2の電子部品を少なくとも2つの接続端子に取り付け、当該第2の電子部品を介して少なくとも2つの接続端子を電気的に接続させているため、従来デッドスペースとなっていた空間を電子部品の配置空間として有効に利用することができる。その結果、コネクタの小型化を図ることができ、以て、電子機器装置のさらなる小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかる電動パワーステアリングシステムの制御ユニットを示す分解斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの正面図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの側面図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの平面図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの底面図である。
【図7】図7は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタの背面図である。
【図8】図8は、本発明の第1実施形態にかかるコネクタを示す図であって、(a)は、図3のA−A線断面図、(b)は、電源用接続端子の電子部品取付部分を拡大して示す側面図である。
【図9】図9は、本発明の第1実施形態の第1変形例にかかるコネクタを示す図であって、(a)は、断面図、(b)は、電源用接続端子の電子部品取付部分を拡大して示す側面図である。
【図10】図10は、本発明の第1実施形態の第2変形例にかかるコネクタの断面図である。
【図11】図11は、本発明の第2実施形態にかかるコネクタの断面図である。
【図12】図12は、本発明の第2実施形態にかかるコネクタの背面図である。
【図13】図13は、本発明の第3実施形態にかかるコネクタの断面図である。
【図14】図14は、本発明の第3実施形態にかかるコネクタの背面図である。
【図15】図15は、本発明の第4実施形態にかかるコネクタの断面図である。
【図16】図16は、本発明の第4実施形態にかかるコネクタの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、電子機器装置として、電動パワーステアリングシステムの制御ユニットを例示する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態にかかる電動パワーステアリングシステムの制御ユニット(電子機器装置)1は、図1に示すように、筐体をなすケース30を備えている。ケース30の材質は、熱伝導性の比較的良好な金属部材(例えばアルミニウム合金等)であり、このケース30は、例えば鋳造(ダイキャスト等)によって形成されている。
【0012】
そして、ケース30には、モータ(図示せず)を収容する略円筒状のモータ収容部32と、このモータ収容部32に隣接して形成される部品収容部31と、が隔壁33を挟んで並んで形成されている。
【0013】
部品収容部31には、プリント回路基板(回路基板)10およびバスバー基板(回路基板)20が収容されており、いずれもねじ等の締結具(図示せず)を用いてケース30に固定される。また、部品収容部31の底部側(図1の左下側)から、バスバー基板20、プリント回路基板10が、この順に積重されており、バスバー基板20とプリント回路基板10とが適宜な空隙をあけて配置されている。本実施形態では、バスバー基板20に形成した係合突起27をプリント回路基板10に形成した係合凹部11に係合させることで、バスバー基板20とプリント回路基板10とを適宜な空隙をあけて配置している。なお、ケース30に対する固定位置を変化させたり、バスバー基板20とプリント回路基板10との間にスペーサを設けたりすることで空隙をあけるようにしてもよい。
【0014】
プリント回路基板10は、例えばガラスエポキシ樹脂等の絶縁樹脂材料等で形成されたベース10aを有しており、当該ベース10aの表面(図1のバスバー基板20側の面)10bには配線回路パターン(図示せず)が形成されている。
【0015】
そして、配線回路パターンにCPU等の電子部品(図示せず:第1の電子部品)をはんだ付け等で実装することで、制御回路(図示せず)が形成されている。
【0016】
この制御回路は、外部信号や内部信号等に基づいて演算処理を行い、スイッチング素子(図示せず)を制御することでモータに供給される電流の特性を変化させ、以て、モータの回転数やトルクを制御するものである。
【0017】
また、バスバー基板20は、バスバー25やバスバー26を含む複数のバスバーを所定位置に配置した型内に、絶縁性を有する合成樹脂(例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)等)を注入して略板状に固化させることで(すなわちインサート成形によって)成形することができる。このとき、バスバー基板20には、貫通孔24a、24bを含む複数の貫通孔が表裏を貫くように形成されており、一部の貫通孔の側面には、バスバーの端子部が露出している。そして、バスバーの露出した部分とモータや各種部品の端子等とを溶接あるいははんだ付け等で接合することで、電気的な接続を確保できるようにしている。
【0018】
本実施形態では、バスバー基板20には、コンデンサ(第1の電子部品)21,リレー(第1の電子部品)22,コイル(第1の電子部品)23、スイッチング素子(図示せず:第1の電子部品)等が実装されている。これらの電子部品は、部品収容部31の凹部内に収容される。
【0019】
また、バスバー基板20には、モータの駆動電流を生成する駆動回路と、コンデンサ(第1の電子部品)21等の電子部品に電気的に接続され、これらの電子部品の制御信号をプリント回路基板10に伝える信号回路と、が形成されている。
【0020】
なお、本実施形態では、バスバー基板20に形成されたバスバーのうち、バスバー25のように大電流が流れるものについては、プリント回路基板10に接続せず、バスバー26のように大電流が流れないものについては、プリント回路基板10に接続するようにしている。
【0021】
また、ケース30の部品収容部31に対応する部分には、電動パワーステアリングシステムの制御ユニット1の内外を電気的に接続するためのコネクタ40が設けられている。
【0022】
コネクタ40は、図1および図2に示すように、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0023】
本実施形態では、複数の接続端子70は、略平板状に形成された一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71と、棒状に形成された3本の信号用接続端子72と、を備えており、それぞれの接続端子70が、インサート成形によりベース部50に一体に設けられている。なお、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71は、それぞれ電源供給用接続端子およびグランド用接続端子である。
【0024】
また、ベース部50は、略直方体状に形成されており、このベース部50の4隅部に挿通孔51が形成されている。そして、この挿通孔51にねじ等の締結具(図示せず)を挿通することで、ベース部50がケース30に取り付けられる。
【0025】
このとき、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)一方側(プリント回路基板10側)の先端部71aが、バスバー基板20の略中央部に形成された略正方形状の貫通孔24aに、部品収容部31の底部側(図1の左下側)から挿通される。そして、この先端部71aを、貫通孔24aの両側(電源用接続端子71の厚さ方向両側)に露出したバスバー25に接合することで、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71とバスバー基板(回路基板)20とが電気的に接続されている(図5参照)。本実施形態では、電源用接続端子71の先端部71aとバスバー25との接合を溶接(例えばTIG溶接等)によって行っている。なお、図2以降の図では、プリント回路基板(回路基板)10およびバスバー基板(回路基板)20を模式的に描いている。
【0026】
また、ベース部50をケース30に取り付けた際には、信号用接続端子72の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)一方側(プリント回路基板10側)の先端部72aは、バスバー基板20に形成されたスリット状の貫通孔24bを貫通してプリント回路基板10に接続される。このように、信号用接続端子72の先端部72aとプリント回路基板10とを互いに接続することで、信号用接続端子72とプリント回路基板10とが電気的に接続される。
【0027】
なお、本実施形態では、複数の接続端子70として、細長い形状の電源用接続端子71および細長い形状の信号用接続端子72を用いることで、組み付け時のベース部50とバスバー基板20との距離が大きくなるようにしている。すなわち、部品収容部31の空間が広くなるようにしている。このように、部品収容部31の空間を広くすることで、発熱部品(バスバー基板20に実装された電子部品等)の放熱性を高めている。
【0028】
また、各接続端子70は、ベース部50を貫通するように設けられている。すなわち、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)他方側(ケース30の外側)の端部71bが、ベース部50の外面50aからケース30の外側に突出している(図2および図3参照)。
【0029】
また、信号用接続端子72の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)他方側(ケース30の外側)の端部72bも、ベース部50の外面50aからケース30の外側に突出している(図2および図3参照)。
【0030】
そして、ベース部50の外面50aには、外側に突出する接続端子70の周囲を囲うように壁部60が設けられている。
【0031】
本実施形態では、電源用接続端子71の周囲を囲うように壁部61を設けることで、直流電源に繋がるハーネスを接続する電源用外部接続口62を形成するとともに、信号用接続端子72の周囲を囲うように壁部63を設けることで、外部のECUやセンサ等に繋がるハーネスを接続する信号用外部接続口64を形成している。
【0032】
なお、本実施形態では、電源用外部接続口62と信号用外部接続口64とを1つのベース部50に一体に設けているが、それぞれ別個のベース部に設けるようにしてもよい。
【0033】
ここで、本実施形態では、図2に示すように、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71に取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させている。
【0034】
このように、コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させることで、外部から侵入するノイズや静電気を遮断することが可能となる。
【0035】
本実施形態では、図5および図8に示すように、ほぼ同じ大きさの2つのコンデンサ90と、これら2つのコンデンサ90よりも小さい(大きさの異なる)1つのコンデンサ90が用いられており、これら3個のコンデンサ90をそれぞれ一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71に取り付けている。
【0036】
コンデンサ(第2の電子部品)90は、略直方体状の本体部91と、当該本体部の一端側から延設された一対のリード線92と、を備えている。そして、一対のリード線92を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71に溶接(例えば、Tig溶接、スポット溶接、半田溶接、レーザー溶接、電子ビーム溶接、超音波溶接など)することで、コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させている。
【0037】
本実施形態では、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71の幅方向一端部(図4の上側)71hに、他端部(図4の下側)71i側に向けて凹ませた溝部71cを複数形成することで、突状部71dを形成している。そして、この突状部71dの電源用接続端子71の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)略中央部に、溝部71cよりも浅い溝部71eが形成されており、当該溝部71eにリード線92の先端部を載置させるようにしている(図8参照)。
【0038】
また、3つの突状部71dは、電源用接続端子(接続端子)71のバスバー基板(回路基板)20との接続部71fからベース部側71gまでの間に形成されており、それぞれの突状部71dに大小3つのコンデンサ90が取り付けられている。
【0039】
本実施形態では、3つの突状部71dは、電源用接続端子71の延在方向ベース部50側に形成されている。
【0040】
また、コンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71とベース部50のうち少なくともいずれか一方には、コンデンサ90を保護する保護部80が設けられている。本実施形態では、一対の電源用接続端子71の幅方向他端部71i側に保護部80が設けられており、この保護部80は、ベース部50の内面(プリント回路基板10側の面)50bからプリント回路基板10側に向けて延設されている。そして、保護部80は、インサート成形によりベース部50と一体に形成されている。
【0041】
また、本実施形態では、保護部80は、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71の一方の電源用接続端子71の幅方向他端部71i側と、他方の電源用接続端子71の幅方向他端部71i側とに跨るように形成されている。
【0042】
具体的には、保護部80は、側壁81,81と底壁82とを有する略U字状をしており、これら側壁81,81および底壁82でコンデンサ90を収容する空間部S1が形成されている(図7および図8参照)。
【0043】
本実施形態では、側壁81は、当該側壁81の上端部81aが電源用接続端子71の幅方向他端部71iの表裏の平面部71jを覆うように設けられており、側壁81の上端と溝部71cの底部との間に所定のクリアランスCが形成されるようにしている。このように、側壁81の上端と溝部71cの底部との間にクリアランスCを形成することで、リード線92の電源用接続端子71への溶接時に溶接用電極を電源用接続端子71に取り付けやすくし、溶接作業性の向上を図っている。
【0044】
また、本実施形態では、大小3つのコンデンサ90の本体部91を空間部S1内に収容させ、リード線92を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71の突状部71dにそれぞれ溶接した状態で、空間部S1内に液状樹脂(図示せず)を注入してコンデンサ90を固定している。
【0045】
このとき、液状樹脂として、固着後も比較的弾性を有するシリコン系樹脂を用いるのが好適である。このように、シリコン系樹脂を用いてコンデンサ90を固定すれば、熱収縮時等における、樹脂自身の変形を許容することができ、コンデンサ90の本体部91やリード線92の固定部(溶接部)92aに加わる応力を緩和させることができる。そのため、固着させた樹脂が割れたりするのを抑制することができ、また、コンデンサ90の本体部91やリード線92が破損したり、リード線92の固定部(溶接部)92aが破損したりするのを抑制することができる。
【0046】
このように、空間部S1内にシリコン系樹脂を注入してコンデンサ90を固定することで、コンデンサ90の本体部91やリード線92およびリード線92の固定部(溶接部)92aをより確実に保護することができる。
【0047】
ところで、比較的弾性を有するシリコン系樹脂を用いてコンデンサ90を固定した場合、シリコン系樹脂自体が振動によって変形する。この変形によって、上述したようにコンデンサ90に加わる応力を緩和させることができるようになるが、シリコン系樹脂の量が多くなると、シリコン系樹脂自体の変形量が大きくなるため、シリコン系樹脂自体の変形によってコンデンサ90に応力が加えられてしまう。すなわち、空間部S1内でシリコン系樹脂が占める割合が大きくなると、振動等によるシリコン系樹脂自体の変形によってコンデンサ90に応力が加わるようになるため、振動等によるシリコン系樹脂自体の変形がコンデンサ90に与える影響が大きくなってしまう。
【0048】
そこで、底壁82の空間部S1側に、図8(a)に示すように、段差部82aを形成し、当該段差部82aの下段側の空間に、2つの大きいコンデンサ90を収容するとともに、上段側の空間に小さいコンデンサ90を収容するようにした。
【0049】
このように、底壁82の空間部S1側に段差部82aを設け、コンデンサ90の大きさに応じた収容空間を設定することで、空間部S1内でシリコン系樹脂が占める割合が大きくなるのが抑制される。その結果、電源用接続端子71に取り付けたコンデンサ90が振動による影響を受けてしまうのを抑制できるようになる。
【0050】
かかる構成のコネクタ40は、以下のようにして製造される。
【0051】
まず、3本の信号用接続端子72と、予め幅方向一端側に突状部71dや溝部71e,71bが形成された一対の電源用接続端子71と、を型内の所定位置に配置する。そして、信号用接続端子72や電源用接続端子71を配置した型内に、絶縁性を有する合成樹脂(例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PA(ポリアミド)等)を注入して固化させることで、電源用接続端子71、信号用接続端子72およびベース部50をインサート成形する。このとき、壁部60および保護部80も同時にインサート成形する。
【0052】
次に、保護部80に形成された空間部S1内にコンデンサ90の本体部91を収容させつつ、コンデンサ90に設けられた2本のリード線92を一対の電源用接続端子71の溝部71eにそれぞれ載置する。
【0053】
次に、リード線92を電源用接続端子71に溶接することで、コンデンサ90を介して一対の電源用接続端子71を電気的に接続させる。
【0054】
最後に、保護部80の空間部S1内に液状樹脂を注入してコンデンサ90を固着させることで、コネクタ40が形成される。
【0055】
以上説明したように、本実施形態では、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71に取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させている。そのため、従来デッドスペースとなっていた空間(一対の電源用接続端子71の対向空間)を電子部品の配置空間として有効に利用することができる。その結果、コネクタ40の小型化を図ることができ、以て、電動パワーステアリングシステムの制御ユニット(電子機器装置)1のさらなる小型化を図ることが可能となる。
【0056】
具体的には、コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させることで、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に取り付ける第1の電子部品(コンデンサ21等)の数を減少させることができる。すなわち、本来、第1の電子部品としてプリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に実装される電子部品を第2の電子部品として用いることで、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に実装させる第1の電子部品の数が少なくなり、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20をより小型にすることが可能となる。
【0057】
また、同じ大きさのプリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20を用いた場合には、電動パワーステアリングシステムの制御ユニット(電子機器装置)1全体に実装させる電子部品の数(第1および第2の電子部品の合計数)を増加させることができる。すなわち、電動パワーステアリングシステムの制御ユニット(電子機器装置)1を大型化させることなくより多くの電子部品を実装させることができるようになる。
【0058】
また、溶接によりバスバー基板(回路基板)20に固定される平板状の電源用接続端子(平板状接続端子)71に、コンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けている。すなわち、振動の影響を受けにくい電源用接続端子(平板状接続端子)71にコンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けているため、コンデンサ(第2の電子部品)90が振動の影響を受けてしまうのを抑制することができる。その結果、コンデンサ(第2の電子部品)90が振動して固定部(溶接部)92aに負荷が生じてしまうのを抑制することができ、コンデンサ(第2の電子部品)90と電源用接続端子(接続端子)71とが導通不良を起こしてしまうのを抑制することができるようになる。
【0059】
また、本実施形態によれば、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71の幅方向一端部71hに、突状部71dを形成しており、当該突状部71dにコンデンサ(第2の電子部品)90を溶接により取り付けている。このように突状部71dを設け、当該突状部71dにコンデンサ(第2の電子部品)90のリード線92を溶接するようにすれば、直線状の端子端部に載置した状態でリード線92を溶接する場合に比べて小さな溶接エネルギーで溶接を行うことができるようになる。そのため、消費電力を低減させることができる上、溶接時間の短縮を図ることが可能となる。
【0060】
また、突状部71dで溶接を行うことで、直線状の端子端部に載置した状態で溶接を行う場合に比べ、溶接時の溶接材料の熔解量がばらついてしまうのを抑制することができるようになる。さらに、突状部71dで溶接を行うことで、熔解した溶接材料が流動してしまうのを抑制することができるため、固定部(溶接部)92aにおける溶接強度がばらついてしまうのを抑制することができる。このように、突状部71dで溶接を行うことで、溶接時における溶接材料の熔解量の調整が容易になり、溶接作業性の向上を図ることができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、溝部71eにリード線92の先端部を載置させている。そのため、コンデンサ(第2の電子部品)90の一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71への取付時の位置決めがなされ、溶接の際にコンデンサ(第2の電子部品)90が位置ずれしてしまうのを抑制することができる。
【0062】
さらに、本実施形態によれば、突状部71dを、電源用接続端子71の延在方向ベース部50側に形成している。すなわち、コンデンサ(第2の電子部品)90を、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20から離れた位置である電源用接続端子71の延在方向ベース部50側に取り付けている。このように、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20から離れた位置にコンデンサ90を取り付けることで、外部から侵入してくるノイズや静電気をコネクタ40の入口側で遮断することができる。その結果、外部から侵入してくるノイズや静電気が、ベース部50から回路基板までの間に存在する空気中を伝播し、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に影響を与えてしまうのを抑制することができる。
【0063】
また、本実施形態によれば、コンデンサ(第2の電子部品)90を保護する保護部80を、コンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71とベース部50のうち少なくともいずれか一方に設けている。このように、保護部80を設けることで、振動によりコンデンサ(第2の電子部品)90の固定部(溶接部)92aに負荷が生じてしまうのを抑制することができる。そのため、コンデンサ(第2の電子部品)90と電源用接続端子(接続端子)71とが導通不良を起こしてしまうのを抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、保護部80を、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71の一方の電源用接続端子(平板状接続端子)71の幅方向他端部71i側と、他方の電源用接続端子(平板状接続端子)71の幅方向他端部71i側とに跨って設けているため、保護部80がコンデンサ(第2の電子部品)90の本体部91を取り囲むように形成される。その結果、コンデンサ(第2の電子部品)90の取付部位における電源用接続端子71の振動を抑制することができ、コンデンサ(第2の電子部品)90と電源用接続端子(接続端子)71とが導通不良を起こしてしまうのをより一層抑制することができる。
【0065】
次に、本実施形態にかかるコネクタの変形例を説明する。
【0066】
(第1変形例)
まず、図9に基づいて、本実施形態の第1変形例にかかるコネクタ40Aを説明する。
【0067】
本変形例にかかるコネクタ40Aは、基本的に上記第1実施形態にかかるコネクタ40とほぼ同様の構成をしており、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0068】
そして、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Aに取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Aを電気的に接続させている。
【0069】
また、コンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71Aとベース部50のうち少なくともいずれか一方には、コンデンサ90を保護する保護部80Aが設けられている。そして、保護部80Aには、コンデンサ90を収容する空間部S2が形成されている。
【0070】
ここで、本変形例が、上記第1実施形態と主に異なる点は、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Aの幅方向一端部71h(図9の上側)を、上方に向けて突出させることで突状部71dAを形成した点にある。さらに、突状部71dAの電源用接続端子71の延在方向(コネクタ40Aのケース30への挿通方向)略中央部には、突状部71dAよりも上方に突出させた突部71kが形成されており、当該突部71kにリード線92を載置させるようにしている。
【0071】
このように、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Aの幅方向一端部71hを、上方に向けて突出させて突状部71dAを形成した場合にあっても、直線状の端子端部に載置した状態でリード線92を溶接する場合に比べて小さな溶接エネルギーで溶接を行うことができる。なお、突状部71dAの上縁部にリード線92を載置させる溝部を設けるようにしても、同様の作用、効果を奏することができる。
【0072】
したがって、本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0073】
(第2変形例)
次に、図10に基づいて、本実施形態の第2変形例にかかるコネクタ40Bを説明する。
【0074】
本変形例にかかるコネクタ40Bは、基本的に上記第1実施形態にかかるコネクタ40とほぼ同様の構成をしており、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0075】
そして、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Bに取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Bを電気的に接続させている。
【0076】
このとき、上記第1実施形態と同様に、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71の幅方向一端部(図10の上側)71hに、他端部(図10の下側)71i側に向けて凹ませた溝部71cを形成することで、突状部71dを形成している。さらに、突状部71dの電源用接続端子71の延在方向(コネクタ40Bのケース30への挿通方向)略中央部に、溝部71cよりも浅い溝部71eが形成されており、当該溝部71eにリード線92を載置させるようにしている。
【0077】
ここで、本変形例が、上記第1実施形態と主に異なる点は、電源用接続端子(接続端子)71Bのバスバー基板(回路基板)20との接続部71fからベース部側71gまでの間のうち、電源用接続端子(接続端子)71Bのバスバー基板(回路基板)20との接続部71f側に、2つの突状部71dを形成した点にある(図10参照)。そして、それぞれの突状部71dにほぼ同一の大きさの2つのコンデンサ90がそれぞれ取り付けられている。
【0078】
この保護部80Bも、上記第1実施形態と同様に、一対の電源用接続端子(平板状接続端子)71の一方の電源用接続端子71の幅方向他端部71i側と、他方の電源用接続端子71の幅方向他端部71i側とに跨るように形成されている。
【0079】
すなわち、側壁81,81および底壁82でコンデンサ90を収容する空間部S3を形成しており、側壁81は、当該側壁81の上端部81aが電源用接続端子71の幅方向他端部71iの表裏の平面部71jを覆うように設けられている。なお、本変形例では、図10に示すように、保護部80Bがベース部50とは別体に設けられている。
【0080】
以上の本変形例によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0081】
さらに、本変形例によれば、2つの突状部71dを、電源用接続端子(接続端子)71のバスバー基板(回路基板)20との接続部71f側に形成している。すなわち、振動が比較的小さい接続部71f近傍にコンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けている。そのため、振動による固定部(溶接部)92aの破損や液状樹脂のクラックの発生を抑制することができ、製品の耐久性の向上を図ることができる。
【0082】
(第2実施形態)
以下、図11および図12に基づいて、本発明の第2実施形態にかかるコネクタ40Cを説明する。
【0083】
本実施形態にかかるコネクタ40Cは、基本的に上記第1実施形態とほぼ同様の構成をしており、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0084】
そして、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71に取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71を電気的に接続させている。
【0085】
ここで、本実施形態が上記第1実施形態と主に異なる点は、保護部80Cをコンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71の周囲を囲うように設けた点にある(図11および図12参照)。
【0086】
具体的には、保護部80Cは、ベース部50の内面(プリント回路基板10側の面)50bからプリント回路基板10側に向けて角筒状に延設されており、インサート成形によりベース部50と一体に形成されている。
【0087】
すなわち、本実施形態にかかる保護部80Cは、図12に示すように、側壁81,81と底壁82と天壁部83とで四角形状の閉断面を形成しており、この保護部80Cの内部に、電源用接続端子71の延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)プリント回路基板10側に開口した空間部S4が形成されている。そして、当該空間部S4内に、コンデンサ90を収容している(図11参照)。
【0088】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、保護部80Cをコンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71の周囲を囲うように設けたため、液状樹脂を空間部S4内に容易に注入することができる。また、空間部S4内に注入した液状樹脂が洩れてしまうのを抑制することができ、コネクタ40Cをより容易に製造することができる。
【0090】
(第3実施形態)
以下、図13および図14に基づいて、本発明の第3実施形態にかかるコネクタ40Dを説明する。
【0091】
本実施形態にかかるコネクタ40Dは、基本的に上記第2実施形態とほぼ同様の構成をしており、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0092】
そして、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Dに取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Dを電気的に接続させている。
【0093】
また、保護部80Dをコンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71Dの周囲を囲うように設けている(図14参照)。
【0094】
すなわち、保護部80Dを、ベース部50の内面(プリント回路基板10側の面)50bからプリント回路基板10側に向けて角筒状に延設するとともに、インサート成形によりベース部50と一体に形成している。
【0095】
具体的には、図14に示すように、側壁81,81と底壁82と天壁部83とで四角形状の閉断面に形成した保護部80Dの内部に、電源用接続端子71Dの延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)プリント回路基板10側に開口した空間部S5を形成し、当該空間部S5内に、コンデンサ90を収容している。
【0096】
ここで、本実施形態が、上記第2実施形態と主に異なる点は、コンデンサ(第2の電子部品)90を保護部80Dの開口側から挿入させるようにした点にある。
【0097】
具体的には、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Dを、ベース部50側端部71lを幅方向(本実施形態では、一端部71h側)に拡幅させてL字状に形成し、ベース部50の内面50bに平行に延設する端部71lの開口側端部に、コンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けるようにしている。
【0098】
さらに、本実施形態では、端部71lの開口側端部71mにベース部50の内面50b側に向けて凹ませた溝部71cDを形成することで、突状部71dDを形成している。そして、突状部71dDの幅方向(図13中上下方向)略中央部に、溝部71cDよりも浅い溝部71eDが形成されており、当該溝部71eDにリード線92を載置させるようにしている。
【0099】
こうして、コンデンサ(第2の電子部品)90を保護部80Dの開口側から挿入させるようにしている。
【0100】
以上の本実施形態によっても、上記第2実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0101】
また、本実施形態によれば、コンデンサ(第2の電子部品)90を保護部80Dの開口側から挿入させるようにすることで、コンデンサ(第2の電子部品)90の空間部S5への挿入をより容易に行うことができる。
【0102】
(第4実施形態)
以下、図15および図16に基づいて、本発明の第4実施形態にかかるコネクタ40Eを説明する。
【0103】
本実施形態にかかるコネクタ40Eは、基本的に上記第2実施形態とほぼ同様の構成をしており、プリント回路基板(回路基板)10やバスバー基板(回路基板)20に電気的に接続される複数の接続端子70と、複数の接続端子70を保持するとともに、ケース30に取り付けられるベース部50と、を備えている。
【0104】
そして、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Eに取り付け、当該コンデンサ(第2の電子部品)90を介して一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Eを電気的に接続させている。
【0105】
また、保護部80Eをコンデンサ(第2の電子部品)90が取り付けられる一対の電源用接続端子71Eの周囲を囲うように設けている。
【0106】
すなわち、保護部80Eを、ベース部50の内面(プリント回路基板10側の面)50bからプリント回路基板10側に向けて角筒状に延設するとともに、インサート成形によりベース部50と一体に形成している。
【0107】
具体的には、図16に示すように、側壁81,81と底壁82と天壁部83とで四角形状の閉断面に形成した保護部80Eの内部に、電源用接続端子71Eの延在方向(コネクタ40のケース30への挿通方向)プリント回路基板10側に開口した空間部S6を形成し、当該空間部S6内に、コンデンサ90を収容している。
【0108】
ここで、本実施形態が、上記第2実施形態と主に異なる点は、コンデンサ(第2の電子部品)90を一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子:平板状接続端子)71Eの幅方向両端部71h,71iに設けた点にある(図15参照)。
【0109】
本実施形態では、幅広の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Eを用いており、コンデンサ(第2の電子部品)90を両側から設けた際に本体部91同士が干渉しないようにしている。
【0110】
また、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子)71Eの幅方向中央部には、隔壁84が設けられている。この隔壁84は、互いに対向する電源用接続端子71Eの間に、電源用接続端子71Eの幅方向一方側と他方側とを仕切るように設けられている。
【0111】
また、この隔壁84の表裏面側には段差部84aがそれぞれ設けられており、この段差部84aによってコンデンサ90の大きさに応じた収容空間を設定している。
【0112】
以上の本実施形態によっても、上記第2実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0113】
また、本実施形態によれば、一対の電源用接続端子(少なくとも2つの接続端子:平板状接続端子)71Eの幅方向両端部71h,71iからコンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けられるようにしたため、より多くのコンデンサ(第2の電子部品)90を取り付けることができる。
【0114】
また、互いに対向する電源用接続端子71Eの間に、電源用接続端子71Eの幅方向一方側と他方側とを仕切るように隔壁84を設けることで、電源用接続端子71Eに取り付けたコンデンサ90が振動による影響を受けてしまうのを抑制でき、コンデンサ90の破損や、樹脂が割れてしまうのを抑制することができる。
【0115】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態および上記変形例には限定されず、種々の変形が可能である。
【0116】
例えば、上記各実施形態および各変形例では、電子機器装置として電動パワーステアリングシステムの制御ユニットを例示したが、電動パワーステアリングシステム以外(例えば、ブレーキコントロールユニットなど車両用制御ユニット全般)にも本発明を適用することができる。また、車両用制御ユニット以外にも本発明を適用することができる。
【0117】
また、上記第2〜第4実施形態にあっても、上記第1実施形態の第1変形例にかかる突状部を形成することが可能である。
【0118】
また、上記各実施形態および各変形例で示したコンデンサ(第2の電子部品)の数や大きさは、一例であって、これに限定されるものではない。
【0119】
また、上記各実施形態および各変形例では、第2の電子部品としてコンデンサを用いたものを例示しているが、これに限らず、コイルや抵抗、リレー、ダイオード等他の電子部品を用いることもできる。
【0120】
また、第2の電子部品として複数種類の電子部品を用いることも可能である。
【0121】
例えば、コンデンサと抵抗を組み合わせることでCR回路を構築したり、コンデンサとコイルを組み合わせることでCL回路を構築することが可能である。
【0122】
また、小さな回路基板上に電子部品を配置してサブ回路を形成し、当該サブ回路を第2の電子部品として用い、メインの回路基板に電源や信号を入力する前に、サブ回路にてノイズを除去したり信号処理を行わせたりしてもよい。
【0123】
また、上記各実施形態および各変形例では、第2の電子部品を電源用接続端子に取り付けたものを例示したが、これに限らず、信号用接続端子に取り付けてもよい。
【0124】
例えば、信号用接続端子に抵抗を取り付けることで、なまった信号を当該抵抗により正しくすることが可能となる。
【符号の説明】
【0125】
1 電子機器装置
10 プリント回路基板(回路基板)
20 バスバー基板(回路基板)
30 ケース
40,40A,40B,40C,40D,40E コネクタ
50 ベース部
70 接続端子
71 電源用接続端子(接続端子:平板状接続端子)
71d,71dD 突状部
72 信号用接続端子(接続端子)
80,80A,80B,80C,80D,80E 保護部
90 コンデンサ(第2の電子部品)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、前記ケース内に搭載され、第1の電子部品を実装した回路基板と、前記回路基板に電気的に接続されるコネクタと、を備える電子機器装置において、
前記コネクタは、
前記回路基板に電気的に接続される複数の接続端子と、
前記複数の接続端子を保持するとともに、前記ケースに取り付けられるベース部と、
を備え、
少なくとも2つの前記接続端子には第2の電子部品が取り付けられており、当該第2の電子部品を介して前記少なくとも2つの接続端子が電気的に接続されていることを特徴とする電子機器装置。
【請求項2】
前記接続端子の前記回路基板との接続部から前記ベース部までの間には、突状部が形成されており、当該突状部に前記第2の電子部品が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器装置。
【請求項3】
前記第2の電子部品が取り付けられる接続端子と前記ベース部のうち少なくともいずれか一方に、当該第2の電子部品を保護する保護部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器装置。
【請求項4】
前記接続端子は、一対の平板状接続端子を有しており、前記第2の電子部品が前記一対の平板状接続端子の幅方向一端側にそれぞれ取り付けられており、
前記保護部は、前記一対の平板状接続端子の一方の平板状接続端子の幅方向他端側と、他方の平板状接続端子の幅方向他端側とに跨って形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器装置。
【請求項1】
ケースと、前記ケース内に搭載され、第1の電子部品を実装した回路基板と、前記回路基板に電気的に接続されるコネクタと、を備える電子機器装置において、
前記コネクタは、
前記回路基板に電気的に接続される複数の接続端子と、
前記複数の接続端子を保持するとともに、前記ケースに取り付けられるベース部と、
を備え、
少なくとも2つの前記接続端子には第2の電子部品が取り付けられており、当該第2の電子部品を介して前記少なくとも2つの接続端子が電気的に接続されていることを特徴とする電子機器装置。
【請求項2】
前記接続端子の前記回路基板との接続部から前記ベース部までの間には、突状部が形成されており、当該突状部に前記第2の電子部品が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器装置。
【請求項3】
前記第2の電子部品が取り付けられる接続端子と前記ベース部のうち少なくともいずれか一方に、当該第2の電子部品を保護する保護部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器装置。
【請求項4】
前記接続端子は、一対の平板状接続端子を有しており、前記第2の電子部品が前記一対の平板状接続端子の幅方向一端側にそれぞれ取り付けられており、
前記保護部は、前記一対の平板状接続端子の一方の平板状接続端子の幅方向他端側と、他方の平板状接続端子の幅方向他端側とに跨って形成されていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−192599(P2011−192599A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59502(P2010−59502)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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