説明

電子機器間の電気接続装置

【課題】上下方向に積み重ねて使用される電子機器の内部回路を上下方向の機器間でケーブルを使用することなく接続する。
【解決手段】積み重ねて使用される電子機器1同士を電気的に接続する装置10であり、電子機器1の一方の側面側の垂直方向の同じ位置に、内部回路に接続する固定雌コネクタ22と移動雄コネクタ21とを設ける。雌コネクタ22の雄コネクタ21との接続面は電子機器1の底面に露出させ、雄コネクタ21は電子機器1の側面に設けた接続装置10によって上面から出没可能にする。接続装置10は側面に支点と作用点を有し、前面に力点を備える回動レバー11と回動レバー11で移動する雄コネクタ21の昇降部材15とから構成し、回動レバー11を手前に引いて回動させれば雄コネクタ21が上昇して直上にある他の電子機器の雌コネクタ22に結合するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は電子機器間の電気接続装置に関する。以下に説明される実施の形態では、実施例として、縦方向に重ねて設置された電子機器の内部回路を相互に接続する電子機器間の電気接続装置が説明される。
【背景技術】
【0002】
従来、情報端末としての電子機器、例えば複数のハードディスク装置を搭載するディスクアレイ装置やサーバは、主としてシステムラックに縦方向に複数台が搭載されて使用される。また、システムラック内に縦方向に積み重ねられた電子機器の内部回路は、多くの場合、相互に電気的に接続されて使用される。そして、電子機器同士を接続する場合は、電子機器のエンクロージャの前面、或いは背面に実装されたコネクタ同士がケーブルで接続される(特許文献1の図7参照)ことが多い。また、電子機器の上面と底面の同じ位置に凹型コネクタと凸型コネクタとを設け、電子機器同士を積み重ねた時に凹型コネクタと凸型コネクタとを結合させる構成もある(特許文献1の図12、図14、特許文献2の図1〜図6参照)。
【0003】
一方、システムラックの縦方向に積み重ねられた電子機器同士を、エンクロージャの前面、或いは背面に実装されたコネクタを利用してケーブルで接続する場合、接続ケーブルは最短接続長さよりも長くする。これは、ケーブルの曲げ半径や取り回し性能を考慮すると、接続ケーブルにはコネクタに対する抜き差しのために、ある程度の余裕長さ(予長)を持たせなければならないからである。
【0004】
また、電子機器のエンクロージャの上面と底面の同じ位置に雌雄のコネクタをそれぞれ設け、電子機器同士を積み重ねた時に雌型コネクタと雄型コネクタとを結合させる構成では、最上段の上面、または最下段の底面から雄型コネクタが突出する。このため、最上段又は最下段の電子機器のエンクロージャは、中間段のエンクロージャと構造を変えて、最上段の上面又は最下段の底面から雄型コネクタが突出しないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−221154号公報(図7、図14)
【0006】
【特許文献2】特開平6−195153号公報(図1〜図6)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、縦方向に積み重ねられた電子機器の内部回路をケーブルで接続する場合、積み重ねる電子機器の数が増えると接続ケーブル数も増え、電子機器間の信号の伝送距離が長くなって、電圧の低下、ノイズの混入などの点で性能面で不利になる。また、電子機器の高密度実装化に伴い、エンクロージャ内に多くの冷却風を取り入れる必要が生じており、エンクロージャの前面、或いは背面に接続ケーブルが配線されると、ケーブルが冷却風の流れを阻害するので冷却能力が低下するという問題もある。
【0008】
これに対して、縦方向に積み重ねられた電子機器間の回路を雌雄のコネクタで直接結合させる場合は、最上段のエンクロージャの上面、または最下段のエンクロージャの底面から雄型コネクタが突出しないようにエンクロージャの構造を変える必要がある。更に、縦方向に積み重ねられた電子機器間の回路がコネクタによって全て接続されてしまい、中間段のエンクロージャ内の回路の接続を行わないようにすることもできなかった。
【0009】
本出願は、システムラック内に電子機器を縦方向に搭載して、電子機器同士を相互に接続する場合でも、簡単な操作で電子機器同士を電気的にスムーズに接続することが可能であり、装置構造を変更することなく最上段の電子機器のエンクロージャの上面からコネクタが突出せず、更に、縦方向に積み重ねられた電子ききの中間段の電子機器をその上段の電子機器と電気的に接続しないようにすることが可能な電子機器間の電気接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成する本出願の電子機器間の電気接続装置は、上下方向に積み重ねられた電子機器間の電気接続装置であって、電気回路を内蔵する電子機器のエンクロージャの一方の側面に支点と作用点を持ち、電子機器の前面側を力点とする回動レバーと、側面に設けられ、回動レバーの作用点と支点を、エンクロージャの前後方向にある動作位置と非動作位置にそれぞれ移動させる第1と第2の水平ガイドと、側面に設けられ、回動レバーの動作位置において回動レバーの作用点を上方向に移動させる垂直ガイドと、垂直ガイドに沿って昇降可能に配置され、回動レバーが動作位置に移動させられた時に回動レバーの作用点に係合する昇降部材と、昇降部材の上側に取り付けられると共に電子機器の内部回路に接続し、回動レバーの水平位置からの回動時に上昇してエンクロージャの上面から突出する雄型コネクタと、エンクロージャの底面に接合部が露出して設けられると共に電子機器の内部回路に接続し、直下に位置する電子機器のエンクロージャから突出した雄型コネクタと結合する雌型コネクタとから構成されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本出願の電子機器間の電気接続装置によれば、エンクロージャ側面に設けた回動レバーを引き出して回動させれば、エンクロージャ側面に近い底面側と上面側の上下方向に重なる位置にそれぞれ設けられた雌雄のコネクタの一方が上下方向に移動して結合する。この結果、ケーブルレスで上下方向の電子機器同士を電気的に接続することができる。また、最上段の電子機器の回動レバーは引き出さない状態にしておけば、最上段の雄型コネクタがエンクロージャから突出せず、最上段のエンクロージャの上面が平坦面を保つ。更に、最上段の電子機器の回動レバーを引き出さない状態にしておけば、この中間段の電子機器とその上段の電子機器とが電気的に接続しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電子機器を収容するシステムラックを示す斜視図である。
【図2】(a)は図1に示したシステムラックに収容される本出願の第1の形態の電気接続装置を備えた電子機器の一実施例の外観を示す斜視図、(b)は(a)に示した電子機器の分解斜視図である。
【図3】(a)は図2(a)に示した電子機器から上側エンクロージャを取り外した状態を示す平面図、(b)は図2(b)に示した電気接続装置の全体構成を詳細に示す斜視図である。
【図4】図3(b)に示した電気接続装置の内部構成を示す分解斜視図である。
【図5】(a)は図2(b)に示した雌雄のコネクタの電子機器との接続を、他の構成部材を取り除いて電子機器の背面側から見た斜視図、(b)は(a)に示した雌雄のコネクタの電子機器との接続を模式的に示す図、(c)は(b)に示した雄コネクタの雌コネクタとの接続動作を示す図である。
【図6】(a)は本出願の電気接続装置の「状態1」を示す側面図、(b)は本出願の電気接続装置の「状態2」を示す側面図、(c)は本出願の電気接続装置の「状態3」を示す側面図、(d)は本出願の電気接続装置の「状態4」を示す側面図である。
【図7】(a)は本出願の電気接続装置の図6(a)、(b)に示した「状態1」と「状態2」における回動レバーと昇降部材との接続関係を電子機器の正面側からみた部分拡大図、(b)は図6(c)に示した「状態3」における回動レバーと昇降部材との接続関係を電子機器の正面側からみた部分拡大図、(c)は図6(a)に示した「状態1」の電子機器の下側に図6(c)に示した「状態3」の電子機器がある場合の、図6(a)に示した電子機器における回動レバーと昇降部材との接続関係を電子機器の正面側からみた部分拡大図である。
【図8】(a)は図6(b)に示した回動レバーと第1と第2の昇降部材との係合関係を示す部分拡大図、(b)は図6(a)に示した回動レバーと第1と第2の昇降部材との係合関係を示す部分拡大図、(c)は図6(c)に示した回動レバーと第1と第2の昇降部材との係合関係を示す部分拡大図、(d)は図6(d)に示した回動レバーと第1と第2の昇降部材との係合関係を示す部分拡大図である。
【図9】3台の電子機器を積み重ねた場合の電子機器間の電気接続手順を示すものであり、(a)は「状態1」の3台の電子機器を積み重ねた状態を示す側面図、(b)は(a)の状態から真ん中の電子機器の回動レバーのみを引き出して「状態2」にした状態を示す側面図、(c)は(b)の状態から最下段の電子機器の回動レバーを引き出して「状態3」にした時の最上段と真ん中の電子機器の状態を示す側面図、(d)は(c)の状態から最下段の回動レバーを押し込んで「状態4」にした状態を示す側面図である。
【図10】(a)は図9(d)に示した3段重ねの電子機器の上に更に1台の電子機器を積み重ねて電気的に接続する場合を示す側面図、(b)は(a)に示した最下段の電子機器の回動レバーを「状態4」から「状態3」に戻した状態を示す側面図である。
【図11】(a)は図10(b)に示した3台の電子機器のレバーを全て「状態2」に戻した状態を示す側面図、(b)は(a)に示した3段重ねの電子機器の上にもう1台の「状態2」の電子機器を積み重ねた状態を示す側面図である。
【図12】(a)は図11(d)に示した4段重ねの電子機器の最上段の電子機器のレバーを「状態1」に戻した状態を示す側面図、(b)は(a)の状態から最下段の電子機器のレバーを引き出して「状態3」にした場合の、その上の3台の電子機器の状態を示す側面図である。
【図13】(a)は本出願の第1の形態の電気接続装置における回動レバーの支点、力点、作用点を説明する図、(b)は電子機器に取り付けた本出願の第2の形態の電気接続装置における回動レバーの支点、力点、作用点を説明する側面図、(c)は(b)の状態から回動レバーを操作して電気接続装置を動作させた状態を示す側面図である。
【図14】本出願の第2の形態の電気接続装置を取り付ける電子機器の一実施例の構成を示す組立斜視図である。
【図15】(a)は回動レバーの別の形態を示す斜視図、(b)は(a)の回動レバーに対応させた内側プレートの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を用いて本出願の実施の形態を、具体的な実施例に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は電子機器1を収容するシステムラック100を示すものである。システムラック100には複数台の電子機器1、例えば、複数台のハードディスク装置を収容するラックマウント型のディスクアレイ装置1が縦方向に積み重ねられて搭載される。そして、システムラック100では、搭載された電子機器1同士がケーブル等の電気接続部材によって接続される。
【0015】
図2(a)は、図1に示したシステムラック100に収容される本出願の第1の形態の電気接続装置10を備えた電子機器1の一実施例の外観を示すものであり、図2(b)は図2(a)に示した電子機器1を分解してその内部構成を示すものである。また、図3(a)は図2(a)に示した電子機器1から上側エンクロージャ4を取り外した状態を示すものであり、図3(b)は図2(b)に示した電気接続装置10の全体形状を示すものである。この実施例の電子機器1は、下側エンクロージャ3と上側エンクロージャ4の間に、複数のハードディスク装置2、バックプレーン5、電源ユニット6、制御ユニット7及び雄型コネクタ21と雌型コネクタ22とを備えて構成される。
【0016】
バックプレーン5は下側エンクロージャ3の上に、幅方向にかつ下側エンクロージャ3に対して垂直に取り付けられる。バックプレーン5の前面側には複数のハードディスク装置2を実装するためのコネクタ5Hがある。また、後に詳述するのでここでは図示を省略してあるが、下側エンクロージャ3の上に取り付けられる雌型コネクタ22と上側エンクロージャ4に設けられた開口部4Aから出没可能な雄型コネクタ21は、共にバックプレーン5に接続される。
【0017】
電気接続装置10は、内側プレート12、外側プレート13、内側プレート12と外側プレート13に挟まれたスペースS内を回動し、昇降部材15を上下動させる回動レバー11を備えて構成される。また、昇降部材15には前述の雄型コネクタ21が取り付けられており、昇降部材15が上下動すると、これに合わせて雄型コネクタ21が上下動する。回動レバー11の先端部11Cは電気接続装置10の前面側から突出しており、回動レバー11の先端部11Cを前面側から操作することにより、昇降部材15を介して雄型コネクタ21を上下動させることができる。
【0018】
ここで、内側プレート12と外側プレート13に挟まれたスペースS内における本実施例の電気接続装置10の構成を図4を用いて説明する。まず、回動レバー11の構成について説明する。回動レバー11は、この実施例では電子機器の背面側が支点、前面側が力点となっており、中間部分が作用点となっている。このため、支点に対応する部分の回動レバー11の両側面にはピン11Bが突設されており、作用点に対応する部分の回動レバー11にはピン11Aが突設されている。ピン11Bの内側プレート12側の高さと、外側プレート13側の高さは同じである。一方、ピン11Aは、外側プレート13側の高さはピン11Bと同じであるが、内側プレート12側の高さはこれよりも高くなっており、回動プレート11の内側プレート12側に配置される第1の昇降部材14と第2の昇降部材15に係合する長さを備えている。
【0019】
一方、内側プレート12には、回動レバー11に対向する側の面に、回動レバー11のピン11Aとピン12Bとを水平方向に移動させることができる水平ガイドとして、第1の水平溝12Aと第2の水平溝12Bが設けられている。更にこの面には、第1の水平溝12Aに接続する垂直溝12Cが垂直ガイドとして設けられている。第1の水平溝12Aはピン11Aの長さに合わせて深く形成されているが、第2の水平溝12Bはピン11Bの長さに合わせて浅く形成されている。垂直溝12Cはその上下部分が内側プレート12の反対側の面まで連通しており、この垂直溝12Cには、第1の昇降部材14と第2の昇降部材15が挿入される。また、垂直溝12C内にはピン11Aの移動を止めるロック溝12Dが設けられている。
【0020】
第1の昇降部材14は板状の部材であり、上部にピン11Aを挿入するためのピン挿通溝14Aがあり、下部はテーパ部14Bによって回動レバー11と反対側に膨出され、底面14Cの面積が拡大されている。第1の昇降部材14の底面14Cは、後述する第2の昇降部材15から押圧力を受ける受圧面となっている。そして、この受圧面14Cが内側プレート12の底面と面一状態にある時に、ピン挿通溝14Aの開口部が第1の水平溝12Aの垂直溝12C側の開口部に重なる。
【0021】
第2の昇降部材15も板状の部材であり、下部にピン11Aを挿入するためのピン挿通溝15Aがあり、上部はテーパ部15Bによって回動レバー11側に膨出されて頂面15Cの面積が拡大されている。また、テーパ部15Bの反対側の面には前述の雄型コネクタ21を取り付けるための突起部15Dがある。第2の昇降部材15の頂面15Cは、この上に同じ構成の別の電気接続装置が配置された時に、上部の電気接続装置にある第1の昇降部材の受圧面に押圧力を与える押圧面となっている。そして、第2の昇降部材15が垂直溝12C内に挿入されて、この押圧面15Cが内側プレート12の頂面と面一状態である時に、ピン挿通溝15Aの開口部が第1の水平溝12Aの垂直溝12C側の開口部に重なる。即ち、第1の昇降部材14と第2の昇降部材15は、ピン挿通溝14Aとピン挿通溝15Aが水平方向に一致した状態で隣接して垂直溝12C内に挿入される。
【0022】
内側プレート12に重ね合わされる外側プレート13には、回動レバー11に対向する側の面に、回動レバー11のピン11Aとピン12Bとを水平方向に移動させることができる第1の水平溝13Aと第2の水平溝13Bが設けられている。更にこの面には、第1の水平溝13Aに接続する垂直溝13Cが設けられている。第1の水平溝13Aと第2の水平溝13Bは、ピン11Aとピン11Bの長さに合わせて浅く形成されている。垂直溝13Cは第1の水平溝13Aより上の部分に設けられており、下端部が第1の水平溝13Aの端部と連通する。この垂直溝13Cには、ピン11Aが挿入されると共に、ピン11Aの移動を止めるロック溝13Dが設けられている。
【0023】
第1の水平溝13A、第2の水平溝13B及びロック溝13Dの位置は、内側プレート12に外側プレート13が重ね合わされた時に、内側プレート12の第1の水平溝12A、第2の水平溝12B及びロック溝12Dとちょうど向かい合う位置である。垂直溝12Cに第1と第2の昇降部材14、15を挿入し、第1の水平溝12A、13Aと第2の水平溝12B、13Bに回動レバー11のピン11A、11Bをそれぞれ挿入して内側プレート12に外側プレート13が重ね合わせると図3(b)の状態になる。この状態では、回動レバー11を最も奥まで押し込んでも、回動レバー11の先端部11Cが内側プレート12と外側プレート13の前端面よりも外側に突出する。
【0024】
図4で説明したように、回動レバー11のピン11A、11Bがそれぞれ第1の水平溝12A、13Aと第2の水平溝12B、13Bに挿入されている状態では、回動レバー11のピン11A、11Bは第1と第2の昇降部材14、15に係合しない。この状態では、回動レバー11は電気接続装置10の前後方向には移動できても、上下方向には移動できない、即ち、回動できず、第1の昇降部材14は第2の昇降部材15に対してテーパ部15Bに当接するまでの範囲で自由に上下動可能である。
【0025】
図5(a)は、図2(b)に示した雌雄のコネクタ22、21の、電子機器1との接続を他の構成部材を取り除いて電子機器1の背面側から見たものである。また、図5(b)は図5(a)に示した雌雄のコネクタ22,21の電子機器との接続を模式的に示したものである。3は下側エンクロージャ、4は上側エンクロージャ、5はバックプレーン、12は内側プレート、13は外側プレートである。雄型コネクタ21は、図4で説明したように第2の昇降部材に取り付けられており、上側エンクロージャ4の開口部4Aの直下に位置している。また、雄型コネクタ21はフレキシブルケーブル(FPC)23によって、バックプレーン5の上に実装されたFPCコネクタ25に接続している。FPC23の長さは、雄型コネクタ21が上方に移動してもFPC23に張力がかからないように、予長(遊び)を有する長さになっている。
【0026】
一方、雌型コネクタ22は、バックプレーン5の上に固定されており、FPC24によってバックプレーン5の上に実装されたFPCコネクタ26に接続している。なお、下側エンクロージャ3の雌型コネクタ22の直下の部分には、図5(b)に示すように開口部3Aがあり、雌型コネクタ22の雄型コネクタと結合する受入部が下側エンクロージャ3の底面から露出している。また、雌型コネクタ22はバックプレーン5以外の別の基板に取り付けられても良く、下側エンクロージャ3に直接固定されていても良い。そして、雌型コネクタ22がバックプレーン5の上に固定される場合は、雌型コネクタ22にバックプレーン5の上の回路と接続する端子を設けておけば、FPC24とFPCコネクタ26は設けなくても良い。
【0027】
図4で説明したように、回動レバー11のピン11A、11Bを、第1の水平溝12A、13Aと第2の水平溝12B、13Bに沿って移動させ、回動レバー11を手前に引き出すと、回動レバー11のピン11Aが第1と第2の昇降部材14、15に係合する。即ち、回動レバー11のピン11Aが、第1の昇降部材14のピン挿通溝14Aと第2の昇降部材15のピン挿通溝15Aとに同時に挿入され、第1の昇降部材14と第2の昇降部材15とがピン11Aを介して連結される。この状態で、回動レバー11の先端部11Cを上方に引き上げれば、ピン11Bを支点として回動レバー11が回転し、ピン11Aによって第1の昇降部材14と第2の昇降部材15とが垂直溝12C内で上方に移動するので、雄型コネクタ21が上方に移動する。
【0028】
図5(c)は回動レバー11の上方への回動により、雄型コネクタ21が上方に移動した状態を示すものである。図5(c)に示すように、電子機器1が積み重ねられている場合には、雄型コネクタ21が上側エンクロージャ4の開口部4Aから突出し、上側にある電子機器1の雌型コネクタ22に結合する。この結果、積み重ねられた電子機器1のバックプレーン5にある回路同士が接続される。
【0029】
ここで、図6(a)から図6(d)、図7(a)から図7(c)、及び図8(a)から図8(d)を用いて、本出願の電気接続装置の回動レバー11と第1と第2の昇降部材14,15の4つの状態を説明する。図6は電気接続装置10を側面から見たもの、図7は回動レバー11と第1と第2の昇降部材14,15との結合関係を電子機器の正面側から見たもの、図8は回動レバー11のピン11Aと第1と第2の昇降部材14,15との結合関係を示すものである。なお、図6にはピン11A,11B、第1の水平溝12A,13A、第2の水平溝12B,13B、及びロック溝12Dは全て実線で示してある。また、図7には電子機器が積み重ねられた状態が示されており、下側に配置された電子機器の電気接続装置における第2の昇降部材15の上部のみが示されている。更に、回動レバー11のピン11Aは長円柱状をしている。
【0030】
図6(a)に示す「状態1」は、回動レバー11が電気接続装置10の奥側に押し込まれた状態である。図7(a)がこの時の回動レバー11と第1と第2の昇降部材14,15との結合関係を示しており、図8(b)がこの時の回動レバー11のピン11Aと第1と第2の昇降部材14,15との結合関係を示している。「状態1」では、第1と第2の昇降部材14,15は結合していない。よって、第1の昇降部材14は第2の昇降部材15に対して移動することができる。
【0031】
図6(b)に示す「状態2」は、回動レバー11を電気接続装置10から最大限に引き出した状態である。図7(a)がこの時の回動レバー11と第1と第2の昇降部材14,15との結合関係を示しており、図8(a)がこの時の回動レバー11のピン11Aと第1と第2の昇降部材14,15との結合関係を示している。「状態2」では、第1の昇降部材14のピン挿通溝14Aと第2のピン挿通溝15Aに回動レバー11のピン11Aが挿入されている。よって、第1の昇降部材14と第2の昇降部材15とは、回動レバー11のピン11Aによって連結された状態にある。
【0032】
図6(c)に示す「状態3」は、「状態2」における回動レバー11の先端部11Cが電気接続装置10に対して引き上げられた状態である。回動レバー11はピン11Bを支点として回動する。図7(b)がこの時の回動レバー11と第1と第2の昇降部材14,15との結合関係を示しており、図8(c)がこの時の回動レバー11のピン11Aと第1と第2の昇降部材14,15との結合関係を示している。「状態3」では、「状態2」において第1の昇降部材14と第2の昇降部材15とが回動レバー11のピン11Aで連結されているので、回動レバー11が上方に回動すると、第1の昇降部材14と第2の昇降部材15は共に上方に移動している。
【0033】
図6(d)に示す「状態4」は、「状態3」における回動レバー11の先端部11Cが電気接続装置10に対して押し込まれた状態である。「状態3」において回動レバー11が押し込まれると、長円柱状のピン11Aの凡そ半分の部分がロック溝12D、13Dに挿入される。図7(b)がこの時の回動レバー11と第1と第2の昇降部材14,15との結合関係を示しており、図8(d)がこの時の回動レバー11のピン11Aと第1と第2の昇降部材14,15との結合関係を示している。「状態4」では、長円柱状のピン11Aの凡そ半分の部分がロック溝12D、13Dに挿入されているので、第1の昇降部材14と第2の昇降部材15とはピン11Aの残りの半分の部分で連結されている。よって「状態4」では、回動レバー11と第1と第2の昇降部材14,15はこの位置に固定される。
【0034】
ここで、図6(b)に示した「状態2」の電気接続装置10を備えた電子機器の上に、「状態1」の電気接続装置10を備えた電子機器が積み重ねられている場合を考える。そして、「状態2」の状態にあった電子機器が「状態3」に移行したとする。前述のように、「状態3」では電気接続装置10の上面から第2の昇降部材15が突出する。これに対して、「状態1」にある電気接続装置10では、第1の昇降部材14は第2の昇降部材15に対して移動することができる。第1の昇降部材14が第2の昇降部材15に対して移動した状態が図7(c)に示される。よって、システムラックの最上段に収納した電子機器を「状態1」にしておけば、直下の電子機器が「状態3」になっても、最上段の電子機器の上面から第2の昇降部材及び雄型コネクタが突出することがない。これを電子機器が3台積み重ねられた場合の各電子機器間の電気的接続を例にとって、図9を用いて説明する。
【0035】
図9(a)から図9(d)は、本出願の電気接続装置10を備えた3台の電子機器1を積み重ねた場合の電子機器1間の電気接続手順を示すものである。電子機器1を3台積み重ねて電子機器1間を電気接続する場合は、図9(a)に示すように、「状態1」の3台の電子機器1を積み重ねる。次に、図9(b)に示すように、2段目の電子機器1の電気接続装置10の回動レバー11を引き出して「状態2」にする。
【0036】
この後、図9(c)に示すように、最下段の電子機器1の電気接続装置10の回動レバー11を、引き出して「状態2」にした後に上方に回動させて「状態3」にする。この動作により、最下段の電子機器1の電気接続装置10の第2の昇降部材15が上昇して2段目の電子機器1の電気接続装置10の第1の昇降部材14を押し上げる。この結果、2段目の電子機器1の電気接続装置10の第1の昇降部材14に連結する第2の昇降部材15が上昇し、最上段の電子機器1の電気接続装置10の第1の昇降部材14を押し上げる。最上段の電子機器1の電気接続装置10は「状態1」にあるので、最上段の電子機器1の電気接続装置10の第2の昇降部材15は移動しない。
【0037】
図9(c)の状態は、3台の電子機器1が全て電気接続装置10によって電気的に接続された状態である。よって、この状態が変動しないように、図9(d)に示すように、最下段の電子機器1の電気接続装置10の回動レバー11を押し込み、電気接続装置10を「状態4」にする。これで、3台の電子機器1が全て電気接続装置10によって電気的に接続されて固定された状態となる。このように、本出願の電気接続装置10を用いれば、積み重ねられた電子機器1の間の電気的な接続を、電子機器の前面側から容易に行うことができる。
【0038】
次に、本出願の電気接続装置10を備えた複数台の電子機器1が全て電気的に接続されて積み重ねられている時に、更に1台の本出願の電気接続装置10を備えた電子機器1をその上に積み重ねて電気的に接続する場合について図10から図12を用いて説明する。図10(a)は図9(d)に示した3段重ねの電子機器1の上に更に1台の電子機器1を積み重ねて電気的に接続する場合を示すものである。追加する電子機器1は、この実施例では「状態2」になっている。
【0039】
この場合はまず、図10(b)に示すように、最下段の電子機器1の回動レバーを引き出して「状態4」から「状態3」にする。次に、図11(a)に示すように、3段に積み重ねられた電子機器1の電気接続装置10を全て「状態2」にする。次に、3段に積み重ねられた電子機器1の上に、電気接続装置10が「状態2」の電子機器1を積み重ねる。これで4段全ての電子機器の電気接続装置10が「状態2」となる。この後、図12(a)に示すように、最上段の電子機器1の電気接続装置10の回動レバー11を押し込んで「状態1」にする。そして、最下段の電子機器1の電気接続装置10の回動レバー11を上方に回動させれば、図9(c)で示した状態を4台の電子機器で実現できる。最後に際下段の電子機器1の電気接続装置10の回動レバー11を押し込んで、電気接続装置10を「状態4」にする。これで、4台の電子機器1が全て電気接続装置10によって電気的に接続されて固定された状態となる。
【0040】
このように、本出願の電気接続装置10を用いれば、積み重ねられた電子機器1の上に更に電子機器1を追加して、全ての電子機器間の電気的な接続を、電子機器の前面側から容易に行うことができる。なお、多数段に積み重ねられた電子機器の中間段の1台を「状態1」にしておけば、「状態1」にした電子機器の内部回路とその上側の電子機器の内部回路とを接続せずに分離することができる。
【0041】
以上説明した実施例は、図13(a)に示すように、電気接続装置10の回動レバー11の背面側のピン11Bを支点とし、回動レバー11の中間点に設けたピン11Aを作用点とし、回動レバー11の先端部11Cを力点としていた。一方、これとは異なる第2の形態として、図13(b)に示すように、回動レバー11の背面側のピン11Aを作用点とし、回動レバー11の中間点に設けたピン11Bを支点とし、回動レバー11の先端部11Cを力点とした電気接続装置20が可能である。第2の形態の電気接続装置20では、作用点において第2の昇降部材15を上方に移動させるために、図13(b)に示すように、回動レバー11の先端部11Cを先の形態とは反対方向の下方向に回動させる。
【0042】
第2の形態の電気接続装置20は、回動レバー11の上の支点と作用点の位置が第1の形態の電気接続装置10と逆になっただけであって、構成部材は同じであるので、同じ構成部材には同じ符号を付してその説明を省略する。なお、図14は第2の形態の電気接続装置20を備えた電子機器1Aの具体的な構成を示すものである。ハードディスク装置2Aが水平方向に長尺である場合には、第2の形態の電気接続装置20が有効である。
【0043】
また、以上説明した実施例では、回動レバー11を内側プレート12と外側プレート13で挟んでいたが、図15(a)、(b)に示すように、回動レバー11のピン11A,11Bの先端部にフランジ部11E,11Fを設けても良い。この場合は、例えば第2の水平溝を貫通溝12Eとし、回動レバー11の裏面側にフランジ部11Fを収容する凹部12Fを設ければ良い。この場合には、外側プレートの内側の面を平坦面にすることができる。
【0044】
更に、以上説明した実施例では、雌型コネクタが電子機器内に設けられたバックプレーンに実装されていたが、雌型コネクタの実装位置はバックプレーンに限定されるものではなく、電子機器のエンクロージャの側面に近い部位にあれば良い。更にまた、以上説明した実施例では、電気接続装置を電子器の右側側面に取り付けているが、電気接続装置は電子器の左側側面に取り付けることも可能である。
【0045】
以上、本出願を特にその好ましい実施の形態を参照して詳細に説明した。本出願の容易な理解のために、本出願の具体的な形態を以下に付記する。
【0046】
(付記1) 上下方向に積み重ねられた電子機器間の電気接続装置であって、
電気回路を内蔵する電子機器のエンクロージャの一方の側面に支点と作用点を持ち、前記電子機器の前面側を力点とする回動レバーと、
前記側面に設けられ、前記回動レバーの作用点と支点を、前記エンクロージャの前後方向にある動作位置と非動作位置にそれぞれ移動させる第1と第2の水平ガイドと、
前記側面に設けられ、前記回動レバーの動作位置において前記回動レバーの作用点を上方向に移動させる垂直ガイドと、
前記垂直ガイドに沿って昇降可能に配置され、前記回動レバーが動作位置に移動させられた時に前記回動レバーの作用点に係合する昇降部材と、
前記昇降部材の上側に取り付けられると共に前記電子機器の内部回路に接続し、前記回動レバーの水平位置からの回動時に上昇して前記エンクロージャの上面から突出する雄型コネクタと、
前記エンクロージャの底面に接合部が露出して設けられると共に前記電子機器の内部回路に接続し、直下に位置する電子機器のエンクロージャから突出した雄型コネクタと結合する雌型コネクタとから構成されることを特徴とする電子機器間の電気接続装置。
(付記2) 前記水平ガイドと垂直ガイドが溝であり、前記回動レバーの作用点及び支点には前記溝内を移動可能なピンが突設されており、
前記昇降部材が、第1の昇降部材と、前記雄型コネクタが取り付けられると共に前記第1の昇降部材に隣接する第2の昇降部材とから構成され、
前記第1の昇降部材の上端部と前記第2の昇降部材の下端部には、前記回動レバーの動作位置において前記ピンに係合する凹部が設けられており、
前記回動レバーが非動作位置にある時には、前記第1の昇降部材は前記垂直溝内を自在に昇降可能であり、
前記電子機器と同じ構成の電子機器が直下に配置された時に、前記第1の昇降部材の下側の端面は、直下に位置する前記電子機器の第2の昇降部材の上側の端面に対向するように配置されていることを特徴とする付記1に記載の電子機器間の電気接続装置。
(付記3) 前記内部回路が、前記電子機器の横方向に起立した状態で配置されたプリント回路基板上に設けられており、前記プリント回路基板と前記雄型コネクタとは予長を有するフレキシブルケーブルで接続されていることを特徴とする付記1又は2に記載の電子機器間の電気接続装置。
(付記4) 前記内部回路が、前記電子機器内に水平方向に配置されたプリント回路基板上に設けられており、前記プリント回路基板と前記雄型コネクタとは予長を有するフレキシブルケーブルで接続されていることを特徴とする付記1又は2に記載の電子機器間の電気接続装置。
(付記5) 前記回動レバーの支点が前記電子機器の背面側にあり、前記作用点が前記支点と前記力点の間の位置にあることを特徴とする付記1から4の何れかに記載の電子機器間の電気接続装置。
【0047】
(付記6) 前記回動レバーの作用点が前記電子機器の背面側にあり、前記支点が前記作用点と前記力点の間の位置にあることを特徴とする付記1から4の何れかに記載の電子機器間の電気接続装置。
(付記7) 前記垂直溝の前記回動レバーの回動終了地点に、前記回動レバーの作用点にあるピンをその位置で固定するロック溝が設けられていることを特徴とする付記2から6の何れかに記載の電子機器間の電気接続装置。
(付記8) 前記第1の水平溝に係合する前記ピンの先端部には、前記回動レバーの前記側面からの離脱を防止するためのフランジ部が設けられていることを特徴とする付記7に記載の電子機器間の電気接続装置。
(付記9) 前記エンクロージャの側面の前記回動レバーの外側には、前記回動レバーを保護するカバーが取り付けられていることを特徴とする付記1から8の何れかに記載の電子機器間の電気接続装置。
(付記10) 前記回動レバーの作用点と支点には、前記回動レバーの両面に同軸のピンが突設されており、前記エンクロージャの側面の前記回動レバーの外側には、前記回動レバーを保護すると共に、前記第1と第2の水平溝及び前記垂直溝に対向して前記ピンを受け入れる溝を備えたカバーが取り付けられていることを特徴とする付記7に記載の電子機器間の電気接続装置。
【0048】
(付記11) 前記プリント回路基板が前記電子機器内を前後方向に仕切るバックプレートであり、前記バックプレートの前記電子機器の前面側には、複数のハードディスク装置を接続するための複数のコネクタが実装されており、前記バックプレートの前記電子機器の背面側には、前記ハードディスク装置に対して情報を読み書きする処理装置と電源回路とが接続されていることを特徴とする付記3に記載の電子機器間の電気接続装置。
(付記12) 前記第1の昇降部材の下側は前記第2の昇降部材側に膨出されて前記下側の端面の面積が拡大されると共に、前記第2の昇降部材の上側は前記第1の昇降部材側に膨出されて前記上側の端面の面積が拡大されていることを特徴とする付記2に記載の電子機器間の電気接続装置。
【符号の説明】
【0049】
1 電子機器
2 ハードディスク
3 シャーシ
4 カバー
5 バックプレーン
8 エンクロージャ
10 第1の形態の電気接続装置
11 回動レバー
11A、11B ピン
12 内側プレート
12A、13A 第1水平溝、
12B,13B 第2水平溝
12C,13C 垂直溝
12D,13D ロック溝
13 外側プレート
14 第1昇降部材
14A、15A、14B、15B ピン挿通溝
14C 押圧面
15C 受圧面
20 第2の形態の電気接続装置
21 雄型コネクタ
22 雌型コネクタ
23,24 フレキシブルケーブル(FPC)
25,26 FPCコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に積み重ねられた電子機器間の電気接続装置であって、
電気回路を内蔵する電子機器のエンクロージャの一方の側面に支点と作用点を持ち、前記電子機器の前面側を力点とする回動レバーと、
前記側面に設けられ、前記回動レバーの作用点と支点を、前記エンクロージャの前後方向にある動作位置と非動作位置にそれぞれ移動させる第1と第2の水平ガイドと、
前記側面に設けられ、前記回動レバーの動作位置において前記回動レバーの作用点を上方向に移動させる垂直ガイドと、
前記垂直ガイドに沿って昇降可能に配置され、前記回動レバーが動作位置に移動させられた時に前記回動レバーの作用点に係合する昇降部材と、
前記昇降部材の上側に取り付けられると共に前記電子機器の内部回路に接続し、前記回動レバーの水平位置からの回動時に上昇して前記エンクロージャの上面から突出する雄型コネクタと、
前記エンクロージャの底面に接合部が露出して設けられると共に前記電子機器の内部回路に接続し、直下に位置する電子機器のエンクロージャから突出した雄型コネクタと結合する雌型コネクタとから構成されることを特徴とする電子機器間の電気接続装置。
【請求項2】
前記水平ガイドと垂直ガイドが溝であり、前記回動レバーの作用点及び支点には前記溝内を移動可能なピンが突設されており、
前記昇降部材が、第1の昇降部材と、前記雄型コネクタが取り付けられると共に前記第1の昇降部材に隣接する第2の昇降部材とから構成され、
前記第1の昇降部材の上端部と前記第2の昇降部材の下端部には、前記回動レバーの動作位置において前記ピンに係合する凹部が設けられており、
前記回動レバーが非動作位置にある時には、前記第1の昇降部材は前記垂直溝内を自在に昇降可能であり、
前記電子機器と同じ構成の電子機器が直下に配置された時に、前記第1の昇降部材の下側の端面は、直下に位置する前記電子機器の第2の昇降部材の上側の端面に対向するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器間の電気接続装置。
【請求項3】
前記内部回路が、前記電子機器の横方向に起立した状態で配置されたプリント回路基板上に設けられており、前記プリント回路基板と前記雄型コネクタとは予長を有するフレキシブルケーブルで接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器間の電気接続装置。
【請求項4】
前記回動レバーの支点が前記電子機器の背面側にあり、前記作用点が前記支点と前記力点の間の位置にあることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電子機器間の電気接続装置。
【請求項5】
前記垂直溝の前記回動レバーの回動終了地点に、前記回動レバーの作用点をその位置で固定するロック溝が設けられていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の電子機器間の電気接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−103851(P2012−103851A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250920(P2010−250920)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】