説明

電子機器

【課題】 無接点電力伝送コイルを備えた携帯端末において、電磁調理器等からの強力な磁界にさらされてコイルから異常高電圧が出力される場合でも、高価で大きな高耐圧部品を搭載することなく、内部の電子回路を破壊から保護できるようにする。
【解決手段】
分圧抵抗42は、携帯電話端末の二次側伝送コイル14に発生する電圧を分圧する。電圧比較器50は、二次側伝送コイル14に発生した電圧を分圧抵抗42にて分圧した電圧値と、異常高電圧検出用に予め設定されている基準電圧値とを比較し、分圧抵抗42からの分圧値が基準電圧値を越えた時、分離信号を分離回路43に送る。分離回路43は、二次側伝送コイル14と整流回路44との間に設けられ、電圧比較器50から分離信号が供給されると、二次側伝送コイル14と整流回路44との間の電気的接続を完全に遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁誘導により電力が発生する少なくともループ状の導電体を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば携帯端末に内蔵された二次電池を充電するための充電用電力を、無接点電力伝送コイルによる電磁誘導を利用して伝送するようなシステムが知られている。
【0003】
また、特開平11−187582号の公開特許公報(特許文献1)には、トランスを用いた電磁誘導により電力伝送を行うシステムにおいて、受電側である二次側回路の二次側出力電圧の情報を、送電側である一次側回路へフィードバックし、当該フィードバックされた二次側出力電圧の情報に基づいて一次側回路が送電の適応制御を行うことで、二次側出力電圧を安定化させる技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−187582号公報(図1及び図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えばクレードルの一次側伝送コイルから送電された電力を、携帯端末の二次側伝送コイルにより受電し、その携帯端末の内蔵二次電池を充電するような無接点充電システムの場合、上記クレードルから携帯端末へ伝送される電力は僅か2W(ワット)〜3W程度であり、また携帯端末の二次側伝送コイルでの発生電圧は最高でも24V(ボルト)程度となされている。
【0006】
図7には、無接点充電時に携帯端末に搭載された二次側伝送コイルに発生する電圧(整流後のブリッジ電圧)の一例を示す。すなわち、二次側伝送コイルから発生する電圧は、クレードルの一次側伝送コイルとの位置関係や距離により変化するが、通常はこの例に示すように最高でも24V程度となる。したがって、携帯端末に搭載されている電子回路のうち、二次側伝送コイル以降の回路の耐圧は50V程度となされている。
【0007】
一方で、近年は電磁調理器が普及しつつあり、当該電磁調理器からは非常に強力な磁界が発せられ、その伝送電力は2kW(キロワット)〜3kW程にもなる。
【0008】
このような電磁調理器に対して不用意に携帯端末を近づけてしまった場合、その電磁調理器から発せられる強力な磁界により、当該携帯端末の二次側伝送コイルに数100Vもの電圧が発生してしまう可能性がある。このように、数100Vもの高電圧が二次側伝送コイルから発生した場合、携帯端末の内部電子回路は破壊されてしまうことになる。
【0009】
図8には、携帯端末の二次側伝送コイル周辺の主要な回路構成と、電磁調理器100及びそこから発生される強力磁界とを示す。
【0010】
図8に示す携帯端末において、携帯端末の二次側伝送コイル101の出力側には分圧抵抗102が設けられており、その分圧抵抗102による分圧出力は、充電電圧制御部105の電圧検出器108へ送られる。
【0011】
また、二次側伝送コイル101の出力(交流電圧)は、整流回路103により直流電圧に変換された後、さらにレギュレータ104により所定の電圧値に変換されて、充電電圧制御部105へ送られる。
【0012】
充電電圧制御部105の制御回路107は、電圧検出器108により検出された電圧値が、予め定められている規定電圧範囲内かどうか判断し、電圧検出器108の検出電圧値が規定電圧範囲内である時には携帯端末充電回路106への充電電力供給を行い、一方、検出電圧値が規定電圧範囲外である時には携帯端末充電回路106への充電電力供給を行わないように制御する。なお、制御回路107が行う処理はこの他にもあるが、ここではその説明を省略する。
【0013】
この図8に示すような回路構成を備えた携帯端末の二次側伝送コイル101が例えば電磁調理器100からの強力な磁界にさらされると、上記二次側伝送コイル101から例えば数100Vもの高い交流電圧が出力されることになり、整流回路103の後段の構成に対しても高い直流電圧が出力されてしまうことになる。この場合、整流回路103の後段のレギュレータ以降の回路が破壊されてしまうことになる。
【0014】
勿論、携帯端末の内部電子回路に数100Vに耐えられる高耐圧部品を搭載することも考えられるが、それら高耐圧部品は非常に高価であり、またサイズも大きくなってしまう。その他に、携帯端末を電磁調理器へ近づけないように注意することも考えられるが、例えばレストランなどでテーブルに電磁調理器が内蔵されているような場合には、気付かずに携帯端末を電磁調理器に近づけてしまうことも有り得る。
【0015】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、無接点電力伝送用のコイルを備えた電子機器において、例えば電磁調理器などによる強力な磁界や電磁波にさらされて無接点電力伝送用のコイルから高電圧が出力されることになる場合であっても、高価で大きな高耐圧部品を搭載することなく、内部の電子回路を破壊から保護可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の電子機器は、電磁誘導により電力が発生する少なくともループ状の導電体を備えたものであり、電磁誘導により導電体に発生した電圧を検出する電圧検出部と、電圧検出部が検出した電圧を所定の基準電圧と比較し、電圧検出部の検出電圧が所定の基準電圧を越えたか否か判定する電圧比較部と、電圧比較部にて電圧検出部の検出電圧が所定の基準電圧を越えたと判定された時、導電体に接続された電子回路と当該導電体との間の電気的接続を遮断する分離部とを有することにより、上述した課題を解決する。
【0017】
すなわち本発明によれば、例えば電磁調理器などによる強力な磁界や電磁波にさらされてループ状の導電体から異常な高電圧が出力されることになり、その異常高電圧が電圧比較部にて検出された時、導電体とそれに接続された電子回路との間の電気的接続を分離部が遮断する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ループ状の導電体から基準電圧以上の高電圧が出力されるようになった場合、導電体と電子回路との間の電気的接続を遮断するようになされているため、例えば電子機器が電磁調理器などによる強力な磁界や電磁波にさらされ、ループ状の導電体(例えば無接点電力伝送用コイル)から高電圧が出力されることになる場合であっても、高価で大きな高耐圧部品を搭載することなく、内部の電子回路を高電圧による破壊から保護可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
【0020】
なお、本実施形態では、電磁誘導により電力が発生する少なくともループ状の導電体を備えた電子機器の一例として、例えば渦巻き状平面コイルからなる無接点電力伝送コイルを搭載した携帯電話端末を挙げ、また、当該携帯電話端末の充電装置の一例としてクレードルを挙げているが、勿論、ここで説明する内容はあくまで一例であり、本発明はこの例に限定されないことは言うまでもない。
【0021】
〔携帯電話端末とクレードルの概略構成及び充電時の基本動作〕
図1には、本発明実施形態の携帯電話端末2とクレードル1の無接点電力伝送に関連した主要部の概略的構造を示す。
【0022】
本実施形態の携帯電話端末2は、少なくとも、当該端末の動作電力を発生する二次電池からなるバッテリ16と、上記バッテリ16の充電を行う際の受電側の無接点電力伝送コイルである二次側伝送コイル14と、上記二次側伝送コイル14を通じて受電した電力を上記バッテリ16へ供給して充電させるための充電制御回路を含む各種電子回路が実装された回路基板15とを、当該端末筐体の内部に備えている。なお、本実施形態においては、一般的な携帯電話端末が備えているその他の構成要素の図示及び説明については省略している。
【0023】
上記バッテリ16は着脱可能となされており、携帯電話端末2には当該バッテリ16を着脱する際に開閉(若しくは着脱)されるバッテリ蓋13が設けられている。
【0024】
上記二次側伝送コイル14は、導電性を有する線状導体が渦巻き状に形成された平面コイルとなされており、当該二次側伝送コイル14の一方の平面部が、上記バッテリ蓋13の内壁面、若しくは上記バッテリ16のバッテリ蓋側の外表面上に貼り付けられている。本実施形態では、上記バッテリ蓋13の内壁面に二次側伝送コイル14が貼り付けられているとする。
【0025】
一方、本実施形態のクレードル1は、少なくとも、携帯電話端末2のバッテリ16の充電を行う際の送電側の無接点電力伝送コイルである一次側伝送コイル10と、上記一次側伝送コイル10への電力供給とその制御を行う制御基板部11と、例えば家庭用電源に接続される電源コード12とを、当該クレードル筐体の内部に備えている。なお、本実施形態において、一般的なクレードルが備えているその他の構成要素の図示及び説明については省略する。
【0026】
このクレードル1の一次側伝送コイル10は、携帯電話端末2の二次側伝送コイル14と略々同様に、導電性を有する線状導体が渦巻き状に形成された平面コイルとなされており、当該一次側伝送コイル10の一方の平面部が、当該クレードル1に設けられている端末載置台の筐体内壁面側に貼り付けられている。
【0027】
制御基板部11は、当該クレードル1の端末載置台に上記携帯電話端末2が置かれ、その携帯電話端末2の二次側伝送コイル14と当該クレードル1の一次側伝送コイル10とが近接配置することにより、一次側伝送コイル10内の磁界の状態が変化した時に、その磁界の状態変化に応じた電圧変動を検知可能となされている。そして、制御基板部11は、上記二次側伝送コイル14が近接配置された時の一次側伝送コイル10における磁界の状態変化に応じた電圧変動による電圧値が、予め定めた所定の電圧値になったことを検知した時に、当該クレードル1の端末載置台に携帯電話端末2が置かれたと判断する。
【0028】
同様に、本実施形態の携帯電話端末2の充電制御回路は、クレードル1の端末載置台に自端末が置かれて、二次側伝送コイル14とクレードル1の一次側伝送コイル10とが近接配置することで、二次側伝送コイル14内の磁界の状態に変化が生じた時、その磁界状態変化に応じた電圧変動を検知可能となされている。そして、携帯電話端末2の充電制御回路は、上記一次側伝送コイル10が近接配置された時の二次側伝送コイル14における磁界の状態変化に応じた電圧変動による電圧値が、予め定めた所定の電圧値になったことを検知した時に、自端末がクレードル1の端末載置台に置かれたと判断する。
【0029】
また、本実施形態において、クレードル1と携帯電話端末2は、上記一次側伝送コイル10及び二次側伝送コイル14を介した情報の伝達が可能となされている。例えば、上記携帯電話端末2がクレードル1の端末載置台に置かれ、上述のように磁界の状態変化に基づいて相互に一次側コイル10と二次側コイル14との近接配置を検知した時、それらクレードル1と携帯電話端末2は、上記一次側伝送コイル10及び二次側伝送コイル14を介した情報伝達により、互いに相手方を認証するための識別情報の交換を行う。
【0030】
そして、本実施形態において、上記一次側コイル10と二次側コイル14とが近接配置されたことをクレードル1及び携帯電話端末2が共に検知し、更に、クレードル1と携帯電話端末2とが互いに相手方を認証できた時に、クレードル1から電力伝送が行われ、その伝送された電力により携帯電話端末2のバッテリ16の充電が行われることになる。
【0031】
このように携帯電話端末2のバッテリ16への充電が開始される場合、上記クレードル1の制御基板部11は、上記電源コード12を通じて供給される家庭用交流電圧を所定の直流電圧に変換し、その直流電圧を用いて所定の周波数の交流電圧を生成して、当該生成した交流電圧を上記一次側伝送コイル10へ供給する。
【0032】
一方、携帯電話端末2側では、上記クレードル1の一次側伝送コイル10からの交流電圧により上記二次側伝送コイル14に交流電圧が誘起されると、その誘起された交流電圧を整流して直流電圧に変換し、その直流電圧によりバッテリ16の充電を行う。
【0033】
また、本実施形態において、クレードル1の制御基板部11は、一次側伝送コイル10の磁界の状態変化に基づく電圧値が予め定めた所定の電圧値にならなかった時、若しくは、一次側伝送コイル10の磁界の状態変化に基づく電圧値が予め定めた所定の電圧値になった場合でも上記識別情報による相手方の認証が出来なかった時には、上記一次側伝送コイル10の磁界の状態変化が例えばコイン等の金属物体やその他の導電性物体が端末載置台に載っていることで発生したものであると判断し、上記一次側伝送コイル10への電力供給を行わないように制御する。
【0034】
また、本実施形態において、クレードル1からの電力伝送により携帯電話端末2のバッテリ16の充電が行われている時、それらクレードル1と携帯電話端末2との間では、上記一次側伝送コイル10及び二次側伝送コイル14を介して充電情報の伝達が行われる。すなわち、携帯電話端末2の充電制御回路は、クレードル1からの電力伝送によりバッテリ16の充電が行われている時、そのバッテリ16の充電情報をクレードル1へ伝送する。クレードル1の制御基板部11は、携帯電話端末2から伝達された充電情報により、その端末2のバッテリ16の充電状況を監視しており、バッテリ16の充電が完了していないことを当該充電情報により把握している場合には上記一次側伝送コイル10を通じた電力伝送を続行し、一方、バッテリ16の充電が完了したことを充電情報により把握した場合には電力伝送を停止するような制御を行う。その他にも、制御基板部11は、例えば、携帯電話端末2から何らかの異常を示す情報が供給されたような場合にも電力伝送を停止する制御を行う。
【0035】
〔携帯電話端末とクレードルの内部回路構成〕
図2には、本発明実施形態の携帯電話端末2とクレードル1の無接点電力伝送に関連した主要部の詳細な内部回路構成を示す。
【0036】
図2において、クレードル側の内部回路20は、前記図1の制御基板部11に含まれており、主要な構成要素として、ACアダプタ21、送電電力制御部22、ドライバ23を有して構成されている。
【0037】
ACアダプタ21は、前述の電源コード12を通じて供給される家庭用交流電圧を所定の直流電圧に変換し、その直流電圧を送電電力制御部22を通じてドライバ23へ送る。
【0038】
ドライバ23は、送電電力制御部22による制御の元で、上記直流電圧を所定の周波数の交流電圧に変換し、その交流電圧を上記一次側伝送コイル10へ供給する。
【0039】
また、一次側伝送コイル10の両コイル端部間には、分圧抵抗24が接続されている。当該分圧抵抗24は、一次側伝送コイル10の両コイル端部間における電圧を分圧し、その分圧出力を送電電力制御部22へ送るために設けられている。
【0040】
送電電力制御部22は、主要な構成要素として、制御回路26、発振回路27、波形検出器28の他、電圧監視器29、温度検出器30等を備えている。
【0041】
当該送電電力制御部22の発振回路27は、例えば、当該クレードル1から携帯電話端末2へ充電電力を伝送する際の基準発振信号を生成し、その基準発振信号を制御回路26へ出力する。
【0042】
波形検出器28には、上記一次側伝送コイル10の両コイル端部間に表れる電圧を分圧抵抗24により分圧した出力が供給される。当該波形検出器28は、上記分圧出力の信号波形を検出して、その検出波形信号をA/D変換した検出波形データを制御回路26へ出力する。
【0043】
上記制御回路26は、当該クレードル1から携帯電話端末2側へ充電電力を伝送する場合には、上記発振回路27からの基準発振信号に基づいて上記ドライバ23を駆動制御することにより、当該ドライバ23から一次側伝送コイル10へ上記所定の周波数の交流電圧を供給させる。
【0044】
また、制御回路26は、上記分圧抵抗24及び波形検出器28を通じて供給された上記検出波形データ、つまり一次側伝送コイル10の両コイル端部間に表れる電圧波形の検出波形データに基づいて、上記端末載置台への携帯電話端末2の接近,離脱の判断や、上記携帯電話端末2側からの情報伝達の有無と伝達情報の内容抽出を行う。すなわち制御回路26は、上記端末載置台への携帯電話端末2の接近,離脱により上記一次側伝送コイル10に発生する電圧変動や、携帯電話端末2の二次側伝送コイル14から情報伝送が行われた場合に上記一次側伝送コイル10に発生する電圧変動を、上記分圧抵抗24及び波形検出器28を通じた検出波形データにより検知し、また当該検出波形データから伝達情報の内容の抽出等を行う。そして、制御回路26は、上記端末載置台への携帯電話端末2の接近,離脱や、上記携帯電話端末2側から供給された伝達情報等に基づき、必要に応じて、ドライバ23から一次側伝送コイル10への交流電圧の供給と停止の制御や、一次側伝送コイル10への交流電圧の周波数の制御などを行う。
【0045】
電圧監視器29は、例えば上記分圧抵抗24からの電圧値に基づいて、一次側伝送コイル10に規定外の異常電圧が発生するか若しくはその発生が予測されるかどうかを監視する。そして、電圧監視器29は、規定外の異常電圧が発生したことを検知若しくはその発生を予測した場合には、その旨の検知情報を制御回路26へ送る。
【0046】
温度検出器30は、例えば一次側伝送コイル10の近傍若しくはその内部に設けられている温度センサ31からの信号に基づいて、一次側伝送コイル10が規定外の異常温度になるか若しくは異常温度になることが予測されるかどうかを監視する。そして、温度検出器30は、規定外の異常温度になったことを検知若しくは異常温度になると予測した場合には、その旨の検知情報を制御回路26へ送る。
【0047】
そして、制御回路26は、当該クレードル1から携帯電話端末2側へ充電電力を伝送する際若しくは伝送中、或いは、それら以外の時に、上記異常電圧の検知情報又は上記異常温度の検知情報の何れか一方でも受け取った場合、上記ドライバ23を停止させて一次側伝送コイル10への電力供給を停止若しくは供給開始を行わないような制御を行う。
【0048】
また図2において、携帯電話端末2側の内部回路40は、前記図1の回路基板15に含まれており、主要な構成要素として、分離回路43、整流回路44、コンデンサ45、レギュレータ66、充電電圧制御部47を有して構成されている。なお、この図2の携帯電話端末2側の内部回路40において、クレードル1との間の情報交換のための回路構成については図示及び説明を省略する。
【0049】
整流回路44は、二次側伝送コイル14の両コイル端部間の出力電圧(交流電圧)を、直流電圧に変換してレギュレータ66へ送る。
【0050】
レギュレータ66は、整流回路44から供給された直流電圧を、当該携帯電話端末の充電回路48で使用される所定電圧に変換して、充電電圧制御部47へ送る。
【0051】
分離回路43は、二次側伝送コイル14の一方のコイル端部と整流回路44との間に設けられており、通常は上記二次側伝送コイル14と整流回路44との間の電気的な接続を維持しているが、充電電圧制御部47から分離信号が供給された時には、上記二次側伝送コイル14と整流回路44との間の電気的な接続を完全に遮断する。
【0052】
また、二次側伝送コイル14の両コイル端部間には、分圧抵抗42が接続されている。当該分圧抵抗42は、二次側伝送コイル14の両コイル端部間における電圧を分圧し、その分圧出力を充電電力制御部47へ送るために設けられていると同時に、二次側伝送コイル14が例えば電磁調理器等の強力な磁界にさらされた時に両コイル端部間に発生する異常高電圧を分圧することで、後段の電圧比較器50等に高耐圧の回路を用いなくても済むようにするために設けられている。なお、分圧抵抗42は、一例として、二次側伝送コイルの両コイル端部間の電圧を1/2や1/3に分圧するものとなされている。
【0053】
充電電圧制御部47は、主要な構成要素として、制御回路49、電圧比較器50、電圧検出器51等を備えている。
【0054】
電圧検出器51は、上記分圧抵抗42から得られた上記二次側伝送コイル14の両コイル端部間の分圧値をA/D変換した電圧値データを制御回路49へ送る。
【0055】
制御回路49は、上記電圧検出器51からの電圧値データが、予め定められている規定電圧範囲内かどうか判断し、電圧検出器108の電圧値データが規定電圧範囲内である場合には上記レギュレータ66から携帯電話充電回路48へ充電電力の供給を行い、一方、上記電圧値データが規定電圧範囲外である場合には上記レギュレータ66から携帯電話充電回路48への充電電力供給を行わないように制御する。
【0056】
電圧比較器50は、上記分圧抵抗42から得られた上記二次側伝送コイル14の両コイル端部間の分圧値と、予め決められている異常高電圧値検出用の基準電圧値とを比較し、上記分圧抵抗42からの分圧値が上記基準電圧値を越えた場合に、分離回路43に対して、上記二次側伝送コイル12と整流回路44との間の電気的な接続を完全に遮断させる分離信号を出力する。なお、上記基準電圧値は、上記整流回路44の後段電子回路の耐圧に基づいて予め決められている値であり、一例として、整流回路44の後段電子回路の耐圧に対応した電圧値を上記分圧抵抗42と同じ抵抗比で分圧した電圧値よりも少なくとも低く、且つ、通常の無接点電力伝送時に二次側伝送コイル14で発生する最高電圧よりも少なくとも高い値に設定されていることが望ましい。
【0057】
また、電圧比較器50は、上記分圧抵抗42の出力電圧値が異常高電圧値検出用の基準電圧値を越えた場合、その旨を示す情報を制御回路26へ送るようにしても良い。この場合も、制御回路49は、上記レギュレータ66から携帯電話充電回路48への充電電力供給を行わないように制御する。
【0058】
但し、上記電圧比較器50から分離信号が出力されて上記分離回路43が実際に動作することになるまでには、僅かながらタイムラグが存在する。このタイムラグの間は、整流回路44からレギュレータ66へ異常高電圧が出力されてしまうことになる。このようなことから、本実施形態の携帯電話端末は、上記制御回路44とレギュレータ66との間に、上記タイムラグの間に整流回路44から出力される電力を蓄積できるだけの十分な容量を持った直流コンデンサ45を配してる。すなわち、本実施形態の携帯電話端末によれば、上記分離回路43が動作するまでのタイムラグの間の電力をコンデンサ45に蓄えることにより、レギュレータ66以降の回路へ異常電圧が出力されてしまうことを防止できるようになされている。
【0059】
なお、図2の例の場合、電圧比較器50は分圧抵抗42の出力電圧値と上記基準電圧値との比較を行っているが、それに代えて、電圧検出器51からの出力電圧値データと基準電圧値との比較を行うようにしても良い。
【0060】
〔分離回路と電圧比較器の詳細な内部構成〕
図3には、分離回路43と電圧比較器50の詳細な内部構成の一例を示す。なお、図3において、図2と同じ構成要素には同一の指示符号を付してそれらの詳細な説明は省略する。
【0061】
図3において、分離回路43は、MOSトランジスタ63及び逆流防止用のダイオード64からなる第1スイッチ回路61と、同じくMOSトランジスタ65及び逆流防止用のダイオード66からなる第2スイッチ回路62とにより構成されている。
【0062】
第1スイッチ回路61は、MOSトランジスタ63のドレイン−ソースが上記二次側伝送コイル14と整流回路44との間に接続され、第2スイッチ回路62は、MOSトランジスタ65のドレイン−ソースが上記第1スイッチ回路61のMOSトランジスタ63のゲートとグランド(接地)との間に接続されている。また、上記第1スイッチ回路61のダイオード64は、カソードが上記二次側伝送コイル14側になされ、アノードが整流回路44側になされて、MOSトランジスタ63のドレイン−ソース間に接続されている。また、上記第2スイッチ回路62のダイオード66は、カソードが上記第1スイッチ回路61のMOSトランジスタ63のゲート側になされ、アノードがグランド側になされて、MOSトランジスタ65のドレイン−ソース間に接続されている。そして、第2スイッチ回路62のMOSトランジスタ65のゲートは、分離信号入力用端子67を介して、電圧比較器50の分離信号出力端子に接続されている。
【0063】
また、電圧比較器50は2入力のコンパレータ68を有し、そのコンパレータ68の一方の入力端子には前記分圧抵抗42の分圧出力端子が接続され、他方の入力端子には図示しない基準電圧発生器から前記異常高電圧値検出用の基準電圧値が供給されている。なお、基準電圧発生器は、例えば携帯電話端末の内蔵バッテリからの電力等を用いて上記異常高電圧値検出用の基準電圧値を生成している。また、この電圧比較器50のコンパレータ68の出力端子が、上記分離回路43の分離信号入力用端子67を介して、上記第2スイッチ回路62のMOSトランジスタ65のゲートに接続されている。
【0064】
この図3の構成において、上記電圧比較器50のコンパレータ68は、上記分圧抵抗42から得られた上記二次側伝送コイル14の両コイル端部間の出力電圧値と、上記基準電圧発生器からの基準電圧値とを比較し、上記分圧抵抗42からの出力電圧値が基準電圧値を越えた場合に、分離回路43の第2スイッチ回路62のMOSトランジスタ65をオンさせる切替信号(分離信号)を出力する。上記第2スイッチ回路62のMOSトランジスタ65がオンすると、第1スイッチ回路63のMOSトランジスタ63が通常時のオン(導通状態)からオフ(非導通状態)に切り替えられることになる。これにより、上記二次側伝送コイル14と整流回路44との間の電気的な接続が完全に遮断されることになる。
【0065】
なお、図3では図示を省略しているが、上記電圧比較器50のコンパレータ68の出力、つまり上記分圧抵抗42の出力電圧値が異常高電圧値検出用の基準電圧値を越えたか否かを表す情報は、図2の制御回路49に送られても良い。
【0066】
〔異常高電圧を検出するための分圧抵抗とコイルの別の実施形態〕
上述した実施形態の説明では、一つの二次側伝送コイル14の両コイル端部間の分圧値を用いて電圧比較器50にて異常高電圧が検出されたかどうか判定するようにしているが、例えば図4〜図6に示す実施形態のように、電力伝送用の二次側伝送コイル14の他に、異常高電圧検出用のコイル52を用意し、当該異常高電圧検出用のコイル52の両コイル端部間の電圧値を用いて電圧比較器50が異常高電圧の検出判定を行うようにしてもよい。
【0067】
図4は、本発明実施形態における分離回路43と電圧比較器50、及び、電力伝送用の二次側伝送コイル14,異常高電圧検出用のコイル52の詳細な内部構成の一例を示す。なお、図4において、図3と同じ構成要素には同一の指示符号を付してそれらの詳細な説明は省略する。
【0068】
本発明実施形態において、電力伝送用の二次側伝送コイル14は、図3の例と同様に、一方のコイル端部が分離回路43を介して整流回路44に接続されている。但し、本実施形態の場合の二次側伝送コイル14の両コイル端部間には分圧抵抗が接続されていない。
【0069】
一方、この実施形態の場合、分圧抵抗42は、異常高電圧検出用のコイル52の両コイル端部間に接続されており、分圧出力端子が前記電圧比較器50のコンパレータ68の一方の入力端子に接続されている。
【0070】
ここで、上記電力伝送用の二次側伝送コイル14と異常高電圧検出用のコイル52は、それぞれ別個に設けられた渦巻き状平面コイルであっても良いが、本実施形態では、例えば図5や図6に示すように、例えば中心軸を共有する渦巻き状平面コイルにより形成されている。
【0071】
図5は、例えば最外周の一巻き分が上記異常高電圧検出用のコイル52となされ、内周側の複数巻き分が電力伝送用の二次側伝送コイル14となされた例を示している。
【0072】
この図5の例において、上記異常高電圧検出用のコイル52の両コイル端部は各々対応した接続端子72a,72bに接続され、上記電力伝送用の二次側伝送コイル14の両コイル端部は各々対応した接続端子71a,71bに接続されている。当該図5の例の場合、上記異常高電圧検出用のコイル52側の接続端子72a,72bが図4の分圧抵抗42に接続され、上記電力伝送用の二次側伝送コイル14側の一方の接続端子71a又は71bが図4の分離回路43を介して整流回路44に接続されている。
【0073】
すなわちこの図5の例の場合、電力伝送用の二次側伝送コイル14と異常高電圧検出用のコイル52が例えば中心軸を共有した渦巻き状平面コイルとなされて形成されているため、それらコイルを別個に設ける場合よりも省スペース化を図ることができる。
【0074】
また、この図5の例のように、上記異常高電圧検出用のコイル52の巻線数を電力伝送用の二次側伝送コイル14の巻線数より少なくした場合、例えば電磁調理器等による強力な磁界にさらされた時、当該コイル52のコイル端部に発生する電圧は、図3の例のように二次側伝送コイル14の両コイル端部間の分圧値を異常高電圧検出に用いる場合よりも低くなり、したがって、当該コイル52の後段の電圧比較器50の耐圧を図3の例よりも更に低くすることができるようになる。このため、電圧比較器50には、図3の例の場合よりも低価格で小サイズのものを使用できるようになる。
【0075】
なお、図5の例では、最外周の一巻き分を異常高電圧検出用のコイル52としているが、例えば、最内周の一巻き分を異常高電圧検出用のコイル52とし、外周側の複数巻き分を電力伝送用の二次側伝送コイル14としてもよい。また、異常高電圧検出用のコイル52の巻き数は一巻き分に限定されず、二巻き以上であっても良い。但し、異常高電圧検出用のコイル52の巻線数を多くし過ぎると、渦巻き状平面コイルの大きさに対する電力伝送用二次側伝送コイル14の電力伝送効率が悪くなる虞があるため、上記異常高電圧検出用のコイル52の巻線数は少ない方が望ましい。
【0076】
図6は、電力伝送用の二次側伝送コイル14と異常高電圧検出用のコイル52を、一つの渦巻き状平面コイルの共有により実現した例を示している。
【0077】
この図6の例では、渦巻き状平面コイルの最外周のコイル端部から接点部73までの概ね一巻き分が異常高電圧検出用のコイル52として用いられ、また、接点部73から当該渦巻き状平面コイルの最内周のコイル端部までの複数巻き分が電力伝送用の二次側伝送コイル14となされている。そしてこの図6の例の場合、異常高電圧検出用の一方の接続端子72aは当該渦巻き状平面コイルの最外周側のコイル端部に接続され、異常高電圧検出用の他方の接続端子72bは上記接点部73に接続され、また、電力伝送用の他方の接続端子71bは当該渦巻き状平面コイルの最内周側のコイル端部に接続され、電力伝送用の一方の接続端子71aは上記接点部73に接続されている。つまり、この例の場合、接点部73に接続されている接続端子71aと72bは、電力伝送用と異常高電圧検出用とで共有されている。
【0078】
この図6の例の場合、電力伝送用の二次側伝送コイル14と異常高電圧検出用のコイル52が一つの渦巻き状平面コイルを共有して形成されているため、それらコイルを別個に設ける場合よりも省スペース化を図ることができ、また、接点部73を介して電力伝送用と異常高電圧検出用とで接続端子が共有されているため、部品点数を図5の例よりも減らすことができる。
【0079】
またこの図6の例においても図5の場合と同様に、上記異常高電圧検出用のコイル52の巻線数を電力伝送用の二次側伝送コイル14の巻線数より少なくした場合、例えば電磁調理器等による強力な磁界にさらされた時にコイル52に発生する電圧は、図3の例の場合よりも低くなり、したがって、電圧比較器50に耐圧の低いものを用いることができる。 また当該図6の例においても上述同様に、例えば、最内周の概ね一巻き分を異常高電圧検出用のコイル52とし、外周側の複数巻き分を電力伝送用の二次側伝送コイル14としてもよいし、異常高電圧検出用のコイル52の巻き数は一巻き分に限定されず、二巻き以上であっても良い。但し、設置スペースと電力伝送用二次側伝送コイル14による電力伝送効率を考慮して、上記異常高電圧検出用のコイル52の巻線数は少ない方が望ましい。
【0080】
〔まとめ〕
以上説明したように、本発明の各実施形態によれば、無接点電力伝送において二次側となるコイルの電圧を検出し、その検出電圧が異常高電圧検出用の基準電圧を超える場合には、二次側伝送コイルとそれ以降の回路構成との間の電気的な接続を分離回路43にて完全に遮断することにより、例えば電磁調理器の強力な磁界にさらされた場合であっても、携帯電話端末の内部回路を破壊から保護することが可能となっている。
【0081】
また、本発明実施形態によれば、分離回路43の後段の整流回路44の直後にコンデンサ45を設け、異常高電圧の検出から分離回路43による接続遮断までのタイムラグの間の電力を当該コンデンサ45に蓄積することにより、タイムラグ間に後段の回路構成へ異常電圧が出力されることを防止可能となっている。
【0082】
また、本発明実施形態によれば、無接点電力伝送において二次側となるコイルを、電力伝送用のコイル14と異常高電圧検出用のコイル52に分けることにより、コイル設置部分の省スペース化と、コイル後段の電圧比較器の低価格化及び小サイズ化を実現可能となっている。
【0083】
上述した各実施形態の説明は、本発明の一例である。このため、本発明は上述した各実施形態に限定されることなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることはもちろんである。
【0084】
上述の実施形態では、携帯電話端末2の内部回路を異常高電圧から保護する例を挙げたが、クレードル1側にも本発明は適用可能である。
【0085】
また、本実施形態では、携帯電話端末2とそのクレードル1を例に挙げたが、本発明はそれらに限定されず、例えばPDA(Personal Digital Assistants)等の各種の電子機器やそれらのクレードルにも適用可能である。
【0086】
さらに、本発明は、充電電力の伝送用途に限定されず、ループ状アンテナや渦巻き状アンテナを備えた非接触型ICカードのように、例えば強力な磁界にさらされた場合に、内部回路の耐圧以上の高電力が発生してしまう可能性のある全ての電子デバイスに対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明実施形態の携帯電話端末とクレードルの主要部の概略的な内部構造を示す図である。
【図2】本発明実施形態の携帯電話端末とクレードルの無接点電力伝送に関連した主要部の詳細な内部回路構成を示すブロック回路図である。
【図3】図2の分離回路と電圧比較器の詳細な内部構成の一例を示す回路図である。
【図4】本発明の別の実施形態における分離回路と電圧比較器、及び電力伝送用の二次側伝送コイル,異常高電圧検出用のコイルの詳細な内部構成の一例を示す回路図である。
【図5】最外周の一巻き分が異常高電圧検出用のコイルとなされ、内周側の複数巻き分が電力伝送用の二次側伝送コイルとなされた渦巻き状平面コイルの概略構成を示す図である。
【図6】電力伝送用の二次側伝送コイルと異常高電圧検出用のコイルを一つのコイルの共有により実現した場合の渦巻き状平面コイルの概略構成を示す図である。
【図7】無接点充電時に携帯端末に搭載された二次側伝送コイルに発生する電圧(整流後のブリッジ電圧)の一例を示す図である。
【図8】従来の携帯端末の二次側伝送コイル周辺の主要な回路構成と、電磁調理器及びそこから発生される強力磁界とを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0088】
1 クレードル、2 携帯電話端末、10 クレードル側の無接点電力伝送コイル、11 制御基板部、12 電源コード、13 携帯電話端末のバッテリ蓋、14 携帯電話端末側の無接点電力伝送コイル、15 携帯電話端末のバッテリ、16 携帯電話端末の回路基板、20 クレードル側の内部回路、21 ACアダプタ、22 送電電力制御部、23 ドライバ、24 クレードル側の分圧抵抗、26 送電電力制御部の制御回路、27 発振回路、28 波形検出器、29 電圧監視器、30 温度検出器、31 温度センサ、40 携帯電話端末側の内部回路、42 携帯電話端末側の分圧抵抗、43 分離回路、44 整流回路、45 コンデンサ、46 レギュレータ、47 充電電圧制御部、48 携帯電話端末の充電回路、49 充電電圧制御部の制御回路、50 電圧比較器、51 電圧検出器、52 異常高電圧検出用のコイル、61 第1スイッチ回路、62 第2スイッチ回路、63,65 MOSトランジスタ、64,66 ダイオード、67 分離信号入力用端子、68 コンパレータ、71a,71b,72a,72b 接続端子、73 接点部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁誘導により電力が発生する少なくともループ状の導電体を備えた電子機器において、
上記電磁誘導により上記導電体に発生した電圧を検出する電圧検出部と、
上記電圧検出部が検出した電圧を所定の基準電圧と比較し、上記電圧検出部の検出電圧が上記所定の基準電圧を越えたか否か判定する電圧比較部と、
上記電圧比較部にて上記電圧検出部の検出電圧が上記所定の基準電圧を越えたと判定された時、上記導電体に接続された電子回路と当該導電体との間の電気的接続を遮断する分離部とを有する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
上記電圧検出部の検出電圧が上記所定の基準電圧を越えてから、上記分離部が上記導電体と電子回路との間の電気的接続を遮断するまでの時間内に、上記導電体から発生する電力を蓄積する電力蓄積部を有することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
上記電磁誘導により上記導電体に発生した交流電圧を直流電圧に変換する整流部を有し、
上記電力蓄積部は、上記整流部と上記電子回路との間に設けられた直流コンデンサであることを特徴とする請求項2記載の電子機器。
【請求項4】
上記電磁誘導により上記導電体に発生した電圧を所定の比率で分圧する分圧部を有し、
上記電圧検出部は、上記分圧部により分圧された電圧を検出し、
上記電圧比較部は、上記電圧検出部が検出した上記分圧された電圧を上記所定の基準電圧と比較することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
上記導電体は、電磁誘導を利用して無接点電力伝送を行うための電力伝送用導電体と、上記電磁誘導により発生する電圧を上記電圧検出部へ供給するための電圧検出用導電体とからなることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項6】
少なくとも上記電力伝送用導電体は線状導体が渦巻き状に巻回された平面状コイルであり、
上記電圧検出用導電体は上記電力伝送用導電体の平面状コイルと中心軸を共有した少なくともループ状の線状導体からなる平面状コイルであることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項7】
少なくとも上記電力伝送用導電体は線状導体が渦巻き状に巻回された平面状コイルであり、
上記電圧検出用導電体は上記電力伝送用導電体の平面状コイルを構成する線状導体の一部を共有した少なくともループ状の線状導体からなる平面状コイルであることを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項8】
上記電磁誘導により上記電圧検出用導電体に発生した電圧を所定の比率で分圧する分圧部を有し、
上記電圧検出部は、上記分圧部により分圧された電圧を検出し、
上記電圧比較部は、上記電圧検出部が検出した上記分圧された電圧を上記所定の基準電圧と比較することを特徴とする請求項5記載の電子機器。
【請求項9】
上記分離部は、上記導電体と電子回路との間の電気的な導通/非導通状態を切り替えるスイッチ回路を有し、
上記電圧比較部は、上記電圧検出部の検出電圧が上記所定の基準電圧を越えた時、上記スイッチ回路に対して、上記導電体と電子回路との間の電気的接続を非導通状態に切り替えさせる切替信号を出力することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項10】
上記分離部のスイッチ回路は、上記導電体と電子回路との間に接続される第1スイッチ回路と、上記第1スイッチ回路による電気的な導通/非導通状態を切り替える第2スイッチ回路とからなり、
上記電圧比較部は、上記電圧検出部の検出電圧が上記所定の基準電圧を越えた時、上記第2スイッチ回路に対して上記第1スイッチ回路による電気的接続を非導通状態に切り替えさせる切替信号を出力することを特徴とする請求項9記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−206296(P2008−206296A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39183(P2007−39183)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(501431073)ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 (810)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】