説明

電子機器

【課題】電気素子が外部から受ける不要輻射ノイズ、もしくは電気素子が外部に発する不要輻射ノイズを抑制させることを目的とする。
【解決手段】少なくとも一部が金属で形成され、記録媒体を挿入可能なカードスロット8が、実装されたカード基板7と、電気素子3a、3bが実装された素子基板2とを備える撮像装置であって、前記カード基板7は、前記電気素子3a、3bが実装された面に対向して配置され、前記カード基板7の基板面に対して直交する方向から見て、前記カードスロット7と前記電気素子3a、3bの少なくとも一部とが重なり合うように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器に関するものである。具体的には、内蔵メモリ等の電気素子および記録媒体が挿入されるカードスロットが搭載された電子機器に用いられて好適である。
【背景技術】
【0002】
電子機器には内蔵メモリ等の電気素子が搭載されたものがある。このような電子機器では、内蔵メモリが発する不要輻射ノイズ、もしくは内蔵メモリが外部から受ける不要輻射ノイズの影響を防ぐために、内蔵メモリもしくは内蔵メモリが実装された基板の周囲を、シールドする必要があった。
【0003】
また、例えば特許文献1に開示された技術では、内蔵メモリ素子等が実装される基板に不要輻射対策用装着ピンを追加することによりグランド層の強化を図り、不要輻射対策としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−195991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、シールド部材や不要輻射対策用装着ピンを追加すると、製品コストが増えてしまったり、製品自体が大型化してしまったりするという問題がある。
本発明は上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、シールド部材等を追加することなく、電気素子が外部から受ける不要輻射ノイズ、もしくは電気素子が外部に発する不要輻射ノイズを抑制させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、少なくとも一部が金属で形成され、記録媒体を挿入可能なカードスロットが、実装されたカード基板と、電気素子が実装された素子基板とを備える撮像装置であって、前記カード基板は、前記電気素子が実装された面に対向して配置され、前記カード基板の基板面に対して直交する方向から見て、前記カードスロットと前記電気素子の少なくとも一部とが重なり合うように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電気素子およびカードスロットを搭載された電子機器において、電気素子が外部から受ける不要輻射ノイズ、もしくは電気素子が外部に発する不要輻射ノイズを抑制させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係るメモリ基板周辺の構成を示す分解斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係るメモリ基板周辺の構成を示す側面図である。
【図3】第1の実施形態に係るカードスロットとメモリの位置関係を示す斜視図である。
【図4】第1の実施形態に係る撮像装置内部のレイアウト構成を示す図である。
【図5】第2の実施形態に係るメモリ基板周辺の構成を示す分解斜視図である。
【図6】第2の実施形態に係るメモリ基板周辺の構成を示す側面図である。
【図7】第2の実施形態に係るカードスロットとメモリとの位置関係を示す斜視図である。
【図8】第2の実施形態に係る撮像装置内部のレイアウト構成を示す図である。
【図9】撮像装置外観のレイアウトを示す図である。
【図10】撮像装置においてカード挿抜時の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では電子機器として図9および図10に示すようなデジタルビデオカメラを取り上げて説明する。
図9および図10に示すデジタルビデオカメラの内部には、電気素子としてのメモリ素子が実装されるメモリ基板(素子基板)と、SDカード等の記録媒体が挿入可能なカードスロットが実装された基板(カード基板)とが搭載されている。なお、カードスロットは少なくとも一部が金属で形成されている。
【0010】
(第1の実施形態)
第1の実施形態はメモリ素子が一方の面に実装されたメモリ基板を用いたものである。
図1は、第1の実施形態に係るメモリ基板周辺の構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、メモリ基板2の一方の面には、デジタルビデオカメラ内に内蔵される電気素子としてのメモリ素子3a、3b(以下、メモリという)が並列に実装されている。メモリ基板2の取り付け部4a、4bをメモリ保持板金1の対応する箇所11a、11bにビス留めで固定することにより、メモリ基板2がメモリ保持板金1に取り付けられる。メモリ基板2にはコネクタ5が実装されている。コネクタ5には後述するメイン基板と電気的接続を行うためのメモリフレキシブル基板6の一方の端部6aが嵌合される。
【0011】
本実施形態では、メモリ基板2に近接してリジッドフレキシブル基板7が配設される。リジッドフレキシブル基板7は、リジッド基板部10a(カード基板)とフレキシブル部10bとが一体化された基板である。リジッド基板部10aの一方の面には、SDカードが挿抜される金属製のカードスロット8が実装されている。カードスロット8は、リジッド基板部10aと平行な一対の側壁8aと、これら側壁8aの端部同士を繋ぐ一対の板部8bとを有している。側壁8aおよび板部8bによって囲まれる空間にSDカードが挿入される。カードスロット8の側壁8aおよび板部8bは金属の板を折り曲げることで形成されている。
【0012】
リジッドフレキシブル基板7の取り付け部9a、9b、9cをメモリ保持板金1の対応する箇所12a、12b、12cにビス留めで固定することにより、リジッドフレキシブル基板7がメモリ保持板金1に取り付けられる。また、リジッドフレキシブル基板7のフレキシブル部10bの先端にはコネクタ10cが実装されている(図2、図4を参照)。コネクタ10cは、後述するメイン基板と電気的接続を行うことができる。
メモリ保持板金1(保持部材)は折り曲げ形成されていて、メモリ基板2およびリジッドフレキシブル基板7を所定の位置および所定の間隔で保持する役割を有する。また、メモリ保持板金1は取り付け部13、14を有し、これら取り付け部13、14を介して後述する本体板金に取り付けられる。
【0013】
図2は、メモリ保持板金1にメモリ基板2およびリジッドフレキシブル基板7を取り付けた状態を示す図である。
図2に示すようにメモリ3a、3bはメモリ基板2において、リジッドフレキシブル基板7と対向する側の面に実装されている。一方、カードスロット8はリジッドフレキシブル基板7において、メモリ基板2と対向する側の面に実装されている。したがって、メモリ保持板金1にメモリ基板2とリジッドフレキシブル基板7とが取り付けられた状態では、メモリ3a、3bとカードスロット8とは対向する位置関係である。特に、本実施形態のメモリ保持板金1は、メモリ基板2とリジッド基板部10aとが略平行になるように保持しているために、メモリ3a、3bとカードスロット8も略平行に配置されている。
【0014】
ここで、メモリ3a、3bとカードスロット8との位置関係について図3を参照して具体的に説明する。図3は、図2に示すようにメモリ保持板金1によって保持されたメモリ基板2とリジッド基板部10bとを両者の基板面に対して直交する方向に離間させた状態の斜視図である。
また、図3では、リジッド基板部10aに対して直交する矢印A方向からカードスロット8をメモリ基板2に投影した投影面をハッチングHaで示している。ハッチングHaは、メモリ基板2に実装されたメモリ3a、3bの少なくとも一部と重なり合っている。すなわち矢印A方向から見ると、メモリ3a、3bの少なくとも一部とカードスロット8とがオーバーラップするように配置されている。
【0015】
このようにメモリ3a、3bとカードスロット8とを配置することで、図2に示すように、メモリ3a、3bから発生する不要輻射ノイズαは、金属で形成されたカードスロット8の側壁8aによって遮断されるために、外部に漏れることがない。また、外部から入ってくる不要輻射ノイズは、主に金属で形成されたカードスロット8の側壁8aによって遮断されるために、メモリ3a、3bは不要輻射ノイズから影響を受けない。
なお、メモリ3a、3bとカードスロット8との間で、オーバーラップする面積が大きければ大きいほど、不要輻射ノイズの遮断効果が高いが、図3に示すように、メモリ3a、3bの半分以上がオーバーラップしていれば、一定の遮断効果が期待できる。
【0016】
次に、メモリ保持板金1によって一体化されたメモリ基板2およびリジッドフレキシブル基板7をデジタルビデオカメラの内部に搭載したときのレイアウトについて図4を参照して説明する。図4では、デジタルビデオカメラ100のケースを取り外した状態の図であって、撮影方向を前方としてFrで示し、その反対方向を後方としてRrで示している。
【0017】
図4に示すように、デジタルビデオカメラ100は、レンズ22、センサー23およびセンサー23が実装されたセンサー基板24を含む撮像光学系を備えている。また、デジタルビデオカメラ100は、後方にメイン基板26を備えている。メモリ基板2およびリジッドフレキシブル基板7が取り付けられたメモリ保持板金1は、取り付け部13、14を介して本体板金25にビス留めにて固定される。このとき、メモリ基板2およびリジッド基板部10aは、撮影方向に対して直交する方向に沿って配置される。メモリ基板2はメモリフレキシブル基板6を介してメイン基板26に電気的に接続され、リジッドフレキシブル基板7はフレキシブル部10bのコネクタ10cを介してメイン基板26に接続される。
【0018】
撮像光学系によって結像された画像情報は、センサー基板24とメイン基板26を電気的に接続するフレキシブル基板(図示せず)によって、メイン基板26へと送られる。送られた画像情報は、メイン基板26にて各種画像処理が施された後、メモリフレキシブル基板6を介してメモリ基板2上のメモリ3a、3bに書き込まれる。また、カードスロット8にSDカードが挿入された状態では、リジッドフレキシブル基板7のフレキシブル部10bを介して、カードスロット8に挿入されたSDカードに書き込まれる。
【0019】
このように本実施形態によれば、上述したような構成にすることで新たな部品を追加することなく、メモリから発する不要輻射ノイズ、もしくはメモリが外部から受ける不要輻射ノイズを抑制することができる。
【0020】
(第2の実施形態)
第2の実施形態はメモリが両面に実装されたメモリ基板と2つのカードスロットとを搭載したものである。
図5は、第2の実施形態に係るメモリ基板周辺の構成を示す分解斜視図である。
図5に示すように、メモリ基板32の両面にはそれぞれ、デジタルビデオカメラ内に内蔵される電気素子としてのメモリ33a〜33dが実装されている。メモリ基板32の一方の面にはメモリ33a、33bが並列に実装され、他方の面にはメモリ33c、33dが並列に実装されている。メモリ基板32の取り付け部34a、34bをメモリ保持板金31の対応する箇所46a、46bにビス留めで固定することより、メモリ基板32がメモリ保持板金31に取り付けられる。メモリ基板32には、コネクタ35が実装されている。コネクタ35には後述するメイン基板と電気的接続を行うためのメモリフレキシブル基板36の一方の端部36aが嵌合される。
【0021】
本実施形態では、メモリ基板32に近接してカード基板37(第一のカード基板)とリジッドフレキシブル基板42とが配設される。カード基板37の一方の面には、SDカードが挿抜される金属製の第一のカードスロット38が実装されている。カードスロット38は、カード基板37と平行な一対の側壁38aと、これら側壁38aの端部同士を繋ぐ一対の板部38bとを有している。側壁38aおよび板部38bによって囲まれる空間にSDカードが挿入される。第一のカードスロット38の側壁38aおよび板部38bは金属の板を折り曲げることで形成されている。カード基板37の取り付け部39a、39b、39cをメモリ保持板金31の対応する箇所47a、47b、47cにビス留めで固定することにより、カード基板37がメモリ保持板金31に取り付けられる。
【0022】
また、リジッドフレキシブル基板42は、リジッド基板部45a(第二のカード基板)とフレキシブル部45bとが一体化された基板である。リジッド基板部45aの一方の面には、SDカードが挿抜される金属製の第二のカードスロット43が実装されている。カードスロット43は、リジッド基板部45aと平行な一対の側壁43aと、これら側壁43aの端部同士を繋ぐ一対の板部43bとを有している。側壁43aおよび板部43bによって囲まれる空間にSDカードが挿入される。第二のカードスロット43の側壁43aおよび板部43bは金属の板を折り曲げることで形成されている。リジッドフレキシブル基板42の取り付け部44a、44b、44cをメモリ保持板金31の対応する箇所48a、48b、48cにビス留めで固定することにより、リジッドフレキシブル基板42がメモリ保持板金31に取り付けられる。また、リジッドフレキシブル基板42のフレキシブル部45bの先端にはコネクタ45cが実装されている(図6、図8を参照)。コネクタ45cは、後述するメイン基板と電気的接続を行うことができる。
【0023】
カード基板37とリジッドフレキシブル基板42との間は、カードフレキシブル基板41によって電気的に接続される。具体的には、カードフレキシブル基板41の一方の端部41aがカード基板37に実装されたコネクタ40に嵌合し、他方の端部41bがリジッド基板部42に実装されたコネクタ51(図6、図8を参照)に嵌合する。
【0024】
メモリ保持板金31(保持部材)は折り曲げ形成されていて、メモリ基板32、カード基板37およびリジッドフレキシブル基板42を所定の位置および所定の間隔で保持する役割を有する。また、メモリ保持板金31は取り付け部49、50を有し、これら取り付け部49、50を介して後述する本体板金に取り付けられる。
【0025】
図6は、メモリ保持板金31にメモリ基板32、カード基板37およびリジッドフレキシブル基板42を取り付けた状態を示す図である。
図6に示すようにメモリ基板32は、カード基板37とリジッドフレキシブル基板42のリジッド基板部45aに挟まれた状態でメモリ保持板金31に保持されている。したがって、メモリ基板32は、カードスロット38とカードスロット43との間に挟まされた状態である。特に、本実施形態のメモリ保持板金31は、メモリ基板32とカード基板37とリジッド基板部45aとが略平行になるように保持しているために、メモリ33a〜33dとカードスロット38とカードスロット43も略平行に配置されている。
【0026】
また、メモリ基板32のメモリ33a、33bはメモリ基板32において、カード基板37と対向する側の面に実装されている。一方、カードスロット38はカード基板37において、メモリ基板32と対向する側と反対側の面に実装されている。したがって、メモリ33a、33bとカードスロット38とはカード基板37を挟んで対向する位置関係である。
また、メモリ基板32のメモリ33c、33dはメモリ基板32において、リジッド基板部45aと対向する側の面に実装されている。一方、カードスロット43はリジッド基板部45aにおいて、メモリ基板32と対向する側に実装されている。したがって、メモリ33b、33cとカードスロット43とは対向する位置関係である。
【0027】
ここで、メモリ33a、33bとカードスロット38との位置関係およびメモリ33c、33dとカードスロット43との位置関係について図7を参照して具体的に説明する。図7は、図6に示すようにメモリ保持板金31によって保持されたメモリ基板32とカード基板37とリジッド基板部45aとを各基板面に対して直交する方向に離間させた状態の斜視図である。
また、図7では、カード基板37に対して直交する矢印B方向からカードスロット38をメモリ基板32に投影した投影面をハッチングHbで示している。ハッチングHbは、メモリ基板32に実装されたメモリ33a、33bの少なくとも一部と重なり合っている。すなわち矢印B方向から見ると、メモリ33a、33bの少なくとも一部とカードスロット38とがオーバーラップするように配置されている。
また、図7では、リジッド基板部45aに対して直交する矢印C方向からカードスロット43をメモリ基板32に投影した投影面をハッチングHcで示している。ハッチングHcは、メモリ基板32に実装されたメモリ33c、33dの少なくとも一部と重なり合っている。すなわち矢印C方向から見ると、メモリ33c、33dの少なくとも一部とカードスロット43とがオーバーラップするように配置されている。
さらに、本実施形態では、矢印B方向または矢印C方向から見たとき、ハッチングHbとハッチングHcとは重なり合う。すなわち、矢印B方向または矢印C方向から見て、カードスロット38とカードスロット43とが同一位置に配置されている。
【0028】
したがって、本実施形態では、図6に示すように、メモリ33a〜33dから発生する不要輻射ノイズαは、金属で形成されたカードスロット38の側壁38aおよびカードスロット43の側壁43aによって遮断されるために、外部に漏れることがない。また、外部から入ってくる不要輻射ノイズは、金属で形成されたカードスロット38の側壁38aおよびカードスロット43の側壁43aによって遮断されるために、メモリ33a〜33dは不要輻射ノイズから影響を受けない。
なお、メモリ33a、33bとカードスロット38との間およびメモリ33c、33dとカードスロット43との間で、オーバーラップする面積が大きければ大きいほど、不要輻射ノイズの遮断効果が高い。しかしながら、図7に示すように、メモリ33a〜33dの半分以上がオーバーラップしていれば、一定の遮断効果が期待できる。
【0029】
次に、メモリ保持板金31によって一体化されたメモリ基板32、カード基板37およびリジッドフレキシブル基板42をデジタルビデオカメラの内部に搭載したときのレイアウトについて図8を参照して説明する。図8では、デジタルビデオカメラ200のケースを取り外した状態の図であって、撮影方向を前方としてFrで示し、その反対方向を後方としてRrで示している。なお、第1の実施形態と同一の構成は同一符号を付してその説明を省略する。
【0030】
メモリ基板32、カード基板37およびリジッドフレキシブル基板42が取り付けられたメモリ保持板金31は、取り付け部49、50を介して本体板金25にビス留めにて固定される。このとき、メモリ基板32、カード基板37およびリジッド基板部45aは、撮影方向に対して直交する方向に沿って配置される。メモリ基板32はメモリフレキシブル基板36を介してメイン基板26に接続され、リジッドフレキシブル基板42はフレキシブル部45bを介してメイン基板26に接続される。
【0031】
撮像光学系によって結像された画像情報は、メイン基板26にて各種加工処理が施された後、メモリフレキシブル基板36を介してメモリ基板32上のメモリ33a〜33dに書き込まれる。また、カードスロット43にSDカードが挿入された状態では、リジッドフレキシブル基板42のフレキシブル部45bを介して、カードスロット43に挿入されたSDカードに書き込まれる。また、カードスロット38にSDカードが挿入された状態では、リジッドフレキシブル基板42に送られた画像情報が更にカードフレキシブル基板41を介してカード基板37へと送られ、カードスロット38に挿入されたSDカードに書き込まれる。
【0032】
次に、上述したような内部レイアウトを有するデジタルビデオカメラについて、図9および図10を参照して説明する。
図9および図10に示すように、デジタルビデオカメラ200には、表示ユニット58がヒンジ部60を介して取り付けられている。表示ユニット58は、ヒンジ部60の回転軸を中心として、矢印R方向に開くことにより、表示パネル59を露出させることができる。表示ユニット58を開いた状態において、デジタルビデオカメラ200本体の左側面(表示ユニット58の収容面)には、SDカードを挿抜するための開口部61、62とざぐり面63とが形成されている。開口部61、62は、それぞれカードスロット38、43の挿抜口に連通している。ざぐり面63は、SDカードを挿入したまま表示ユニット58を閉じたときに、開口部61、62から僅かに突出したSDカードの突出分が表示パネル59に当たらないようにするために設けられている。
【0033】
上述したように、本実施形態では、カードスロット38とカードスロット43との間にメモリ基板32が位置している。したがって、図9に示すように、カードスロット38に対応する開口部61と、カードスロット43に対応する開口部62との間隔Xが一定間隔、離間した状態となる。仮に開口部61と開口部62との間の間隔Xが近接していると、デジタルビデオカメラ200のカードスロット38、42に2枚のSDカードが挿入されている場合、片方のSDカードを取り出そうとするときに、誤って両方のSDカードを押してしまうといったことが考えられる。しかしながら、本実施形態では、2つのカードスロット38、42の間にメモリ基板32を挟み、開口部61と開口部62の間隔Xを一定の距離、離間させている。したがって、図10に示すように、SDカード64、65が挿入されている場合であっても、片方のSDカード64を取り出そうとした際に、誤って両方のSDカードを押してしまうことがない。
【0034】
このように本実施形態によれば、上述したような構成にすることで新たな部品を追加することなく、メモリから発する不要輻射ノイズ、もしくはメモリが外部から受ける不要輻射ノイズを抑制することができる。また、SDカードが両方のカードスロットに挿入さていても、同時に押してしまうことによる誤操作の恐れがなく、容易に1つのSDカードを取り出すことができる。また、2つのカードスロットの間にメモリを配置しているために、デジタルビデオカメラの小型化が可能になる。
【0035】
なお、第1の実施形態では1つのメモリと1つのカードスロットが搭載された場合について説明し、第2の実施形態では1つのメモリと2つのカードスロットが搭載された場合について説明したが、この場合に限られない。すなわち、記録媒体を着脱可能な金属製のカードスロットを複数搭載し、金属製のカードスロット間に非着脱式のメモリを配置したものならば同様の効果を得ることができる。
また、電気素子はメモリに限られず、不要輻射ノイズの影響を受ける他の部品が実装された基板等であっても有効である。
【0036】
また、第1および第2の実施形態のカードスロットは、金属製で形成されている場合について説明したが、少なくとも一部が金属製であってもよい。また、カードスロットは、SDカードが挿入される方向から見て矩形状のカードスロットの場合について説明したが、コ字状または一部がコ字状のカードスロットであってもよい。
【符号の説明】
【0037】
1:メモリ保持板金 2:メモリ基板 3a、3b:メモリ素子 7:リジッドフレキシブル基板 8:カードスロット 10a:リジッド基板部 25:レンズ保持板金 26:メイン基板 32:メモリ基板 33a、33b、33c、33d:メモリ 37:カード基板 38:カードスロット 42:リジッドフレキシブル基板 43:カードスロット 45a:リジッド基板部 64:SDカード 65:SDカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が金属で形成され、記録媒体を挿入可能なカードスロットが、実装されたカード基板と、
電気素子が実装された素子基板とを備える撮像装置であって、
前記カード基板は、前記電気素子が実装された面に対向して配置され、前記カード基板の基板面に対して直交する方向から見て、前記カードスロットと前記電気素子の少なくとも一部とが重なり合うように配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記カード基板と前記素子基板とが保持部材を介して平行に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
少なくとも一部が金属で形成され、記録媒体を挿入可能なカードスロットが実装された第一のカード基板と、
少なくとも一部が金属で形成され、記録媒体を挿入可能なカードスロットが実装された第二のカード基板と、
電気素子が両面に実装された素子基板とを備える撮像装置であって、
前記第一のカード基板は、前記電気素子が実装された一方の面に対向して配置され、前記第一のカード基板の基板面に対して直交する方向から見て、前記第一のカードスロットと前記一方の面に実装された前記電気素子の少なくとも一部とが重なり合うように配置され、
前記第二のカード基板は、前記電気素子が実装された他方の面に対向して配置され、前記第二のカード基板の基板面に対して直交する方向から見て、前記第二のカードスロットと前記他方の面に実装された前記電気素子の少なくとも一部とが重なり合うように配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項4】
前記第一のカード基板と前記第二のカード基板と前記素子基板とが保持部材を介して平行に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記電気素子はメモリ素子であることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−135214(P2011−135214A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291239(P2009−291239)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】