説明

電子機器

【課題】シャーシに対して前面カバーを取り付ける際の組立性を向上させることが可能な電子機器を提供する。
【解決手段】このディスクプレーヤ100(電子機器)は、突起部1gを有する金属製のシャーシ1と、突起部1gと係合する係合穴部2f(突出片2d)を有するフロントカバー2とを含む筐体10を備える。そして、突起部1gに対して係合穴部2fが係合することにより、シャーシ1にフロントカバー2が取り付けられる。また、シャーシ1は、突出片2dに対応する位置の突起部1gの近傍領域に設けられ、突起部1gに対して係合穴部2fが係合される側の外表面1fから内表面1eに向かって窪むとともにフロントカバー2がシャーシ1に装着されるX方向と略直交するY方向(シャーシ1の長手方向)に沿って延びる絞り部1iをさらに有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器に関し、特に、シャーシを含む筐体を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャーシを含む筐体を備えた電子機器などが知られている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
上記特許文献1には、折り曲げ加工が施された板金フレーム(シャーシ)に、前面カバーおよびフレームカバーが取り付けられて構成される筐体を備えたディスクプレーヤ(電子機器)が開示されている。このディスクプレーヤでは、板金フレームの底部(底面)に絞り加工による凹部が形成されることにより、板金フレームの剛性が高められるように構成されている。なお、前面カバーは、板金フレームの前面側に取り付けられるように構成されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、板金製のシャーシと、シャーシ内に固定され、記録媒体を収納するホルダーと、記録媒体に対する信号の読み出しまたは書き込みを行う変換器と、シャーシを背面側から固定するカバー部材とを備えた記録/再生装置(電子機器)が開示されている。この記録/再生装置では、シャーシにプレス加工(ハーフパンチ)による凸部(リブ)が形成されることにより、シャーシの強度が向上されるように構成されている。
【0005】
また、上記特許文献3には、金属製の薄板状のフレームシャーシと、フレームシャーシに貼り付けられた表示パネルと、フレームシャーシおよび表示パネルを前後から挟み込んで保持する一対の枠体とを備えた映像表示装置(電子機器)が開示されている。この映像表示装置では、フレームシャーシに筋状の絞り(凹部)が複数形成されることにより、枠体内部に保持されるフレームシャーシの剛性が高められるように構成されている。
【0006】
また、上記特許文献4には、金属板からなる矩形状の底板と、金属パイプからなる支柱と、側板と、天板とを備えた電気機器の筐体フレームが開示されている。この電気機器の筐体フレームでは、底板の4隅に支柱を立てるとともに、支柱間を繋ぐように4面に側板を取り付け、さらに上方から天板により蓋をすることによって、箱状の筐体フレームを形成するように構成されている。なお、底板に絞り加工による絞り変形部が形成されることにより、底板の強度が高められるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3536383号公報
【特許文献2】特許第3038352号公報
【特許文献3】特開2001−236022号公報
【特許文献4】特開平11−186744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載のディスクプレーヤでは、前面カバーが板金フレームの前面側に取り付けられるように構成されている一方、板金フレームに対する前面カバーの取り付け方法や取り付け構造の詳細については、何ら開示も示唆もされていない。このため、板金フレーム自体は、絞り加工による凹部によって剛性が高められる一方、前面カバーが取り付けられる前面側において、板金フレームに不意なねじれが生じていたり、意図しない方向に反りが生じていたりする場合には、板金フレームに対して前面カバーを容易に取り付けることができない。その結果、板金フレームに対して前面カバーを取り付ける際の組立性を向上させるのが困難であるという問題点がある。
【0009】
また、上記特許文献2に記載の記録/再生装置では、シャーシに対するカバー部材の取り付け方法や取り付け構造の詳細については、何ら開示も示唆もされていない。このため、シャーシ自体は、プレス加工によるリブによって強度が高められる一方、カバー部材が取り付けられる領域において、板金製のシャーシに不意なねじれが生じていたり、意図しない方向に反りが生じていたりする場合、カバー部材に対してシャーシを容易に取り付けることができない。その結果、シャーシに対してカバー部材を取り付ける際の組立性を向上させるのが困難であるという問題点がある。
【0010】
また、上記特許文献3に記載の映像表示装置では、一対の枠体がフレームシャーシおよび表示パネルを前後から挟み込んで保持するように構成されている一方、フレームシャーシに対する枠体の取り付け方法や取り付け構造の詳細については、何ら開示も示唆もされていない。このため、フレームシャーシは、筋状の絞り(凹部)によって剛性が高められる一方、枠体が取り付けられるフレームシャーシの縁部において、薄板状のフレームシャーシに不意なねじれが生じていたり、意図しない方向に反りが生じていたりする場合、フレームシャーシに対して枠体を容易に取り付けることができない。その結果、フレームシャーシに対して枠体を取り付ける際の組立性を向上させるのが困難であるという問題点がある。
【0011】
また、上記特許文献4に記載の筐体フレームについても、底板に対する支柱や側板の取り付け方法や取り付け構造の詳細については、何ら開示も示唆もされていない。このため、底板は、絞り加工による絞り変形部によって強度が高められる一方、支柱や側板が取り付けられる領域において、板状(平板状)の底板に不意なねじれが生じていたり、意図しない方向に反りが生じていたりする場合、底板に対して支柱や側板を容易に取り付けることができない。その結果、底板に対して支柱や側板を取り付ける際の組立性を向上させるのが困難であるという問題点がある。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、シャーシに対して前面カバーを取り付ける際の組立性を向上させることが可能な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0013】
この発明の一の局面による電子機器は、第1係合部を有する金属製のシャーシと、第1係合部と係合する第2係合部を有する前側カバー部材とを含む筐体を備え、第1係合部に対して第2係合部が係合することにより、シャーシに前側カバー部材が取り付けられるように構成されており、シャーシは、第2係合部に対応する位置に設けられ、第1係合部に対して第2係合部が係合される側の一方表面から一方表面とは反対側の他方表面に向かって窪むとともに前側カバー部材がシャーシに取り付けられる第1方向と略直交する第2方向に沿って延びる第1絞り部をさらに有する。
【0014】
この発明の一の局面による電子機器では、上記のように、第1係合部を有する金属製のシャーシと、第2係合部を有する前側カバー部材とを含む筐体を備え、第1係合部に対して第2係合部が係合することにより、シャーシに前側カバー部材が取り付けられるように構成されており、シャーシが、第2係合部に対応する位置に設けられ、第1係合部に対して第2係合部が係合される側の一方表面から他方表面に向かって窪むとともに第2方向に沿って延びる第1絞り部を有することによって、第1絞り部により、シャーシにおける前側カバー部材が取り付けられる領域(第2係合部に対応する位置)を、不意なねじれや反り変形などを起こすことなく所望の形状を有した状態に維持することができるので、前側カバー部材をシャーシに取り付ける際、シャーシの第1係合部に対して前側カバー部材の第2係合部を容易に係合させることができる。これにより、シャーシに対して前面カバー部材を取り付ける際の組立性を向上させることができる。また、シャーシが、第2係合部に対応する位置に設けられ、第1係合部に対して第2係合部が係合される側の一方表面から他方表面に向かって窪む第1絞り部を有することによって、第2係合部と、第2係合部に対応する位置におけるシャーシ(第1絞り部)との間に空間を形成することができる。これにより、一旦組み立てられたシャーシから前側カバー部材を取り外すような場合にも、前側カバー部材の第2係合部とシャーシとの間の空間に指などを差し込むことにより、第1係合部と第2係合部との係合状態を容易に解除することができる。
【0015】
上記一の局面による電子機器において、好ましくは、前側カバー部材の第2係合部は、前側カバー部材のシャーシに対する装着方向に突出する突出部と、突出部に設けられ、第1係合部と係合する係合部分とを含み、シャーシに前側カバー部材が取り付けられた状態において、第1絞り部が突出部に対応する位置に形成されていることにより、突出部とシャーシの一方表面との間に空間が形成されるように構成されている。このように構成すれば、電子機器の保守や修理を行う際、作業者がシャーシから前側カバー部材を取り外して筐体を分解する作業において、前側カバー部材の突出部とシャーシの第1絞り部との間に設けられた空間に指などを差し込むことができる。これにより、空間に差し込まれた指などにより、第1係合部と第2係合部の係合部分との係合状態を容易に解除することができる。
【0016】
上記前側カバー部材の突出部とシャーシの一方表面との間に空間が形成される構成において、好ましくは、シャーシに前側カバー部材が取り付けられた状態から前側カバー部材を取り外す際、前側カバー部材の突出部がシャーシの一方表面から離れる方向に弾性変形することにより、第1係合部と第2係合部の係合部分との係合状態が解除されるように構成されており、第1絞り部が突出部の前側カバー部材に繋がる根元部とは反対側の先端部に対応する位置に形成されることにより、突出部とシャーシの一方表面との間に空間が形成されるように構成されている。このように構成すれば、作業者は、前側カバー部材の第2係合部の先端部(突出部)とシャーシの第1絞り部との間に設けられた空間に指などを差し込んだ状態で、前側カバー部材の突出部をシャーシの一方表面から離れる方向に容易に弾性変形させることができる。これにより、シャーシから前側カバー部材を取り外す際に、第1係合部と第2係合部の係合部分との係合状態を確実に解除することができる。
【0017】
上記第1絞り部が前側カバー部材の突出部の先端部に対応する位置に形成される構成において、好ましくは、突出部の先端部がシャーシの一方表面から離れる方向に傾斜して形成されることにより、突出部の先端部とシャーシの一方表面の第1絞り部との間に空間が形成されるように構成されている。このように構成すれば、突出部の先端部がシャーシの一方表面から離れる方向に傾斜する分、突出部の先端部とシャーシの一方表面との間の空間がより広く確保されるので、作業者は、先端部と第1絞り部との間の空間に指などを容易に差し込むことができる。
【0018】
上記第1絞り部が前側カバー部材の突出部の先端部に対応する位置に形成される構成において、好ましくは、シャーシに前側カバー部材が取り付けられた状態において、前側カバー部材は、平面的に見て、突出部の先端部がシャーシの第1絞り部に重なる位置に配置された状態で取り付けられている。このように構成すれば、第2係合部の突出部の先端部は第1絞り部の直上に配置されるので、第2係合部の先端部と第1絞り部との間の空間に差し込まれた指などにより、前側カバー部材の突出部をシャーシの一方表面から離れる方向により確実に弾性変形させることができる。
【0019】
上記一の局面による電子機器において、好ましくは、第2係合部は、第2方向に沿って前側カバー部材に複数設けられるとともに、第1係合部は、複数の第2係合部の各々に対応して設けられており、第1絞り部は、複数の第2係合部に対応する位置を通るように第2方向に沿って延びるように形成されている。このように構成すれば、第1係合部および第2係合部が第2方向に沿って複数組設けられている場合であっても、第1絞り部が、複数の第2係合部に対応する位置を通るように形成されているので、第2方向に沿った全ての位置において第1係合部と第2係合部との係合を容易に行うことができる。これにより、第2方向に沿って横長形状を有するような筐体を組み立てる際、シャーシに対して前面カバー部材を確実に取り付けることができる。
【0020】
この場合、好ましくは、複数の第1係合部は、シャーシの第2方向に沿った一方側の端部領域に形成された一方側係合部と、シャーシの第2方向に沿った他方側の端部領域に形成された他方側係合部とを含み、第1絞り部は、一方側係合部の近傍領域から、他方側係合部の近傍領域までの区間にわたって、第2方向に沿って直線状に延びるように形成されている。このように構成すれば、特にシャーシの第2方向に沿った両端部におけるシャーシのねじれや反り変形を、第2方向に沿って直線状に延びる第1絞り部によって有効に抑制することができる。
【0021】
上記一の局面による電子機器において、好ましくは、シャーシは板金製であり、第1絞り部は、プレス絞り加工により形成されている。このように構成すれば、第2方向に沿って延びる第1絞り部を、シャーシに容易に形成することができる。
【0022】
上記一の局面による電子機器において、好ましくは、第1絞り部は、第1方向に沿った前側カバー部材がシャーシに取り付けられる側のシャーシの一方端部側に第2方向に延びるように形成されており、シャーシは、第1方向に沿ったシャーシの一方端部とは反対側の他方端部側に形成され、第1絞り部の延びる第2方向に沿って延びる凹状の第2絞り部をさらに有する。このように構成すれば、シャーシには、第1方向に沿った一方端部側および他方端部側の両側において、第2方向に沿って延びる一対の絞り部(第1絞り部および第2絞り部)が形成されているので、その分、シャーシのねじれや反り変形を確実に抑制することができる。
【0023】
上記シャーシが第2絞り部をさらに有する構成において、好ましくは、第1絞り部は、凹状に形成されるとともに、凹状の第2絞り部は、シャーシの一方表面から他方表面に向かって窪むように形成されており、第1絞り部の第1方向の幅は、第2絞り部の第1方向の幅よりも小さい。このように構成すれば、シャーシにおける前側カバー部材の第2係合部に対応する位置には、第2絞り部の第1方向の幅よりも小さい幅を有する第1絞り部が形成されるので、その分、第1係合部に絞り加工時の影響を及ぼすことなく、第1絞り部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態によるディスクプレーヤの全体構成を示した外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるディスクプレーヤを構成する筐体の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態によるディスクプレーヤを構成するシャーシの下面図である。
【図4】本発明の一実施形態によるディスクプレーヤを構成するシャーシにフロントカバーが取り付けられた状態を示した下面図である。
【図5】図4の1000−1000線に沿った断面図である。
【図6】図5に示したシャーシとフロントカバーとの係合状態からフロントカバーが外される際の状態を示した断面図である。
【図7】本発明の一実施形態によるディスクプレーヤの装置本体の構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1〜図7を参照して、本発明の一実施形態によるディスクプレーヤ100の構成について説明する。なお、本実施形態では、本発明の電子機器の一例であるディスクプレーヤ100に本発明を適用した場合について説明する。
【0027】
本発明の一実施形態によるディスクプレーヤ100は、図1および図2に示すように、箱状の筐体10と、筐体10の内部に収納された装置本体20(概略形状を破線で示す)とを備えている。また、ディスクプレーヤ100は、底面(載置面)が、奥行方向(X方向)よりも幅方向(Y方向)に長くなるように形成されている。
【0028】
また、図2に示すように、筐体10は、板金加工された金属製のシャーシ1と、樹脂成形されたフロントカバー2と、金属製(板金製)のトップカバー3と、金属製のリアプレート4とを組み合わせて構成されている。なお、フロントカバー2は、本発明の「前側カバー部材」の一例である。
【0029】
また、シャーシ1は、図2に示すように、装置本体20(図1参照)を内部に載置するための底面部1aと、底面部1aの長手方向(Y方向)の両端から上方(Z1方向)に曲げ加工された側面部1bおよび1cと、底面部1aの奥行方向(X方向)の後端部(X1側)において上方に曲げ加工された後面部1dとを有している。また、シャーシ1は、約0.5mm以上約0.8mm以下の厚みを有している。また、図2および図3に示すように、シャーシ1の底面部1aのうち、フロントカバー2(図2参照)が取り付けられる側(X2側)の前端部近傍には、底面部1aの内表面1eから外表面1fに向かって下方向(図2のZ2方向)に突出する複数(本実施形態では3個)の突起部1gが設けられている。また、シャーシ1の側面部1bおよび1cのうち、フロントカバー2が取り付けられる側(X2側)の前端部近傍には、側面部1b(1c)の内側から外側に向かって突出する突起部1hがそれぞれ設けられている。また、突起部1gおよび1hは、共に板金の切起こし加工により形成されている。なお、内表面1eおよび外表面1fは、それぞれ、本発明の「他方表面」および「一方表面」の一例である。また、突起部1gは、本発明の「第1係合部」の一例である。また、奥行方向(X方向)および幅方向(Y方向)は、それぞれ、本発明の「第1方向」および「第2方向」に対応している。
【0030】
ここで、本実施形態では、図3に示すように、シャーシ1には、突起部1gよりも所定距離だけ奥行側(X1側)の領域に、底面部1aの外表面1fから内表面1eに向かって凹状(溝状)に窪む絞り部1iが形成されている。また、絞り部1iは、底面部1aの幅方向(Y方向)に沿って直線状に延びて形成されている。なお、絞り部1iは、本発明の「第1絞り部」の一例である。なお、図3では、絞り部1iは、シャーシ1の外表面1fが紙面の手前側から奥側に向かって窪むように形成されている。また、図5に示すように、シャーシ1は、絞り部1iによって、内表面1eおよび外表面1fが共に筐体10の内側(Z1側)に向かって略円弧形状(略U字形状)を有するように形成されている。
【0031】
また、本実施形態では、シャーシ1の幅方向に延びる絞り部1iは、板金のプレス絞り加工により形成されており、シャーシ1の一方側(Y1側)の端部領域に形成された突起部1gの近傍から、シャーシ1の他方側(Y2側)の端部領域に形成された突起部1gの近傍までの区間にわたって、Y方向に沿って直線状に延びるように形成されている。ここで、底面部1aに設けられた3つの突起部1gのうち、シャーシ1の一方側(Y1側)の端部領域に形成された突起部1gが、本発明の「一方側係合部」に対応するとともに、他方側(Y2側)の端部領域に形成された突起部1gが、本発明の「他方側係合部」に対応している。
【0032】
また、本実施形態では、図3に示すように、シャーシ1には、底面部1aの絞り部1iが形成された側(X2側)とは反対側(X1側)の後端部近傍に設けられ、底面部1aの外表面1fから内表面1eに向かって凹状(溝状)に窪む絞り部1jが形成されている。この絞り部1jについても、シャーシ1の外表面1fが紙面の手前側から奥側に向かって窪むように形成されている。また、図5に示すように、シャーシ1は、絞り部1jによって、内表面1eおよび外表面1fが共に筐体10の内側(Z1側)に向かって略円弧形状(略U字形状)を有するように形成されている。また、絞り部1jは、底面部1aの幅方向(Y方向)に沿って直線状に延びて形成されている。したがって、底面部1aには、奥行方向(X方向)の両側(X1側およびX2側)に、共に幅方向(Y方向)に沿って延びる2つの絞り部(絞り部1iおよび絞り部1j)が形成されている。なお、絞り部1jの幅W2(X方向に沿った凹部の開口長さ)は、絞り部1iの幅W1(X方向に沿った凹部の開口長さ)よりも大きく(W2>W1)形成されている。なお、絞り部1jは、本発明の「第2絞り部」の一例である。
【0033】
また、本実施形態では、図5に示すように、シャーシ1の絞り部1jによる内表面1eのZ1方向への突出高さH2は、絞り部1iによる内表面1eのZ1方向への突出高さH1よりも大きく(H2>H1)形成されている。
【0034】
また、図2に示すように、フロントカバー2は、操作ボタン部22(図1参照)やディスクトレー扉31(図1参照)が配置される前面部2aと、前面部2aから後方(X1方向)に向かって延びる外側面部2bおよび2cとが一体的に形成されている。また、フロントカバー2の高さ方向(Z方向)の下端部(Z2側の端部)に位置する外側面部2bには、外側面部2bからX1方向に薄板状に突出する複数(本実施形態では3個)の突出片2dが外側面部2bと一体的に形成されている。また、フロントカバー2の幅方向(Y方向)の両端に位置する一対の外側面部2cの各々には、各々の外側面部2cからX1方向に薄板状に突出するリブ2eが外側面部2cと一体的に形成されている。なお、リブ2eの上端(Z1側)は、外側面部2cから外側面部2bの一部にまで回り込むように形成されており、リブ2eの強度が保たれている。また、複数(3個)の突出片2dの各々には、略中央部に矩形状(正方形状)の係合穴部2fが形成されている。同様に、リブ2eには、所定の領域に矩形状(正方形状)の係合穴部2gが形成されている。なお、突出片2dは、本発明の「第2係合部」および「突出部」の一例であり、係合穴部2fは、本発明の「係合部分」の一例である。また、上記した突出片2dが外側面部2bから突出するX1方向は、本発明における「前側カバー部材のシャーシに対する装着方向」に対応している。
【0035】
また、トップカバー3は、装置本体20(図1参照)を上方から覆い隠す天面部3aと、天面部3aの幅方向(Y方向)の両端から下方(Z2方向)に丸みをおびて曲げ加工された側面部3bおよび3cとを有している。また、リアプレート4は、Y方向に長い短冊状に形成されており、ディスクプレーヤ100を他の機器と電気的に接続するための端子(図示せず)が配置される孔部4a(4箇所)が設けられている。
【0036】
したがって、本実施形態では、筐体10を組み立てる際、図2に示すように、まず、シャーシ1に対してフロントカバー2が前側(X2側)から奥行方向(X1方向)に向かって取り付けられるとともに、リアプレート4が後ろ側(X1側)から奥行方向(X2方向)に向かってネジ部材(図示せず)により取り付けられた後、内部に装置本体20(図1参照)が搭載された状態で、最後に、トップカバー3が上方からシャーシ1を覆いながらシャーシ1にネジ部材(図示せず)などにより取り付けられるように構成されている。
【0037】
ここで、本実施形態では、図2および図4に示すように、シャーシ1にフロントカバー2が取り付けられる際、フロントカバー2の突出片2dが、シャーシ1の底面部1aの外表面1fに沿ってX1方向にスライドされるとともに、フロントカバー2のリブ2eが、シャーシ1の側面部1b(1c)の外表面に沿ってスライドされるように構成されている。そして、フロントカバー2のスライドとともに、3つの突出片2dの各々の係合穴部2fが、対応する底面部1aの各々の突起部1gに挿入されることにより、突起部1gと係合穴部2fとが係合されるように構成されている。また、この際、図2に示すように、左右(Y方向)のリブ2eの各々の係合穴部2gが、対応する側面部1b(1c)の各々の突起部1hに挿入されることにより、突起部1hと係合穴部2gとが係合されるように構成されている。これにより、シャーシ1は、側面部1bおよび1cが左右(Y方向)からリブ2eに挟み込まれるとともに、底面部1aが下方から突出片2dによって支持された状態で、シャーシ1にフロントカバー2が固定されるように構成されている。
【0038】
この際、シャーシ1にフロントカバー2が取り付けられた状態を奥行方向(X方向)に沿った断面で見た場合、図5に示すように、シャーシ1の絞り部1iは、フロントカバー2の突出片2dが配置される位置に対応して形成されている。また、突出片2dには、外側面部2bに接続される根元部2hとは反対側の先端部2iが、シャーシ1の絞り部1iの略直上に配置されるように構成されている。また、先端部2iは、突出片2dが根元部2hから延びる方向(X方向)に対してシャーシ1から離れる方向(Z2方向)に傾斜するように形成されている。これにより、突出片2dの傾斜した先端部2iと、シャーシ1の外表面1f(絞り部1i)との間に、空間Sが形成されるように構成されている。また、この状態を平面的に見た場合、突出片2dの先端部2iが絞り部1iに重なる位置に配置されるように構成されている。
【0039】
また、本実施形態では、樹脂製の突出片2dは、シャーシ1の外表面1fから離れる方向に弾性変形することが可能に構成されている。これにより、シャーシ1にフロントカバー2が取り付けられた図5の状態からフロントカバー2をX2方向に沿って取り外す際、図6に示すように、突出片2dが矢印P方向に弾性変形することにより、突起部1gに対する係合穴部2fの係合状態が解除されるように構成されている。この際、突出片2dの先端部2iと、シャーシ1の外表面1f(絞り部1i)との間に空間Sが形成されているので、たとえば、作業者が、工具や指を空間Sに挿入しながら突出片2dを上方(矢印P方向)に引き上げることにより、突起部1gと係合穴部2fとの係合状態を容易に解除することが可能であるように構成されている。
【0040】
また、装置本体20は、図7に示すように、CDやDVDなどのディスク型記録媒体30の再生動作を担うディスク駆動部21と、装置本体20に対する操作が可能な複数(4つ)の操作ボタンからなる操作ボタン部22(図1参照)と、装置本体20の動作状態を表示する表示部23と、装置本体20の動作を制御するCPUなどにより構成された制御回路部24と、装置本体20に付属するリモコン機器(図示せず)からのリモコン信号(赤外線信号)を受光する赤外線受光部25(図1参照)と、ディスク型記録媒体30の再生動作に伴う出力を外部に出力するための外部出力部26とを備えている。
【0041】
本実施形態では、上記のように、突起部1gを有する金属製のシャーシ1と、係合穴部2fを有するフロントカバー2とを含む筐体10を備え、突起部1gに対して係合穴部2fが係合することにより、シャーシ1にフロントカバー2が取り付けられるように構成されており、シャーシ1が、突出片2dに対応する位置の突起部1gの近傍領域に設けられ、突起部1gに対して係合穴部2fが係合される側の外表面1fから内表面1eに向かって凹状(溝状)に窪むとともに長手方向(図2のY方向)に沿って延びる絞り部1iを有することによって、絞り部1iにより、シャーシ1におけるフロントカバー2が取り付けられる突起部1gの近傍領域(突出片2dに対応する領域)を、不意なねじれや反り変形などを起こすことなく所望の形状を有した状態に維持することができるので、フロントカバー2をシャーシ1に取り付ける際、シャーシ1の突起部1gに対してフロントカバー2の係合穴部2fを容易に係合させることができる。これにより、シャーシ1に対してフロントカバー2を取り付ける際の組立性を向上させることができる。
【0042】
また、本実施形態では、フロントカバー2の突出片2dに係合穴部2fが形成されており、シャーシ1にフロントカバー2が取り付けられた状態において、絞り部1iが突出片2dに対応する位置に形成されることにより、突出片2dとシャーシ1の外表面1fとの間に空間Sが形成されることによって、電子機器の保守や修理を行う際、作業者がシャーシ1からフロントカバー2を取り外して筐体10を分解する作業において、フロントカバー2の突出片2dとシャーシ1の絞り部1iとの間に設けられた空間Sに、工具や指などを差し込むことができる。これにより、空間Sに差し込まれた工具や指により、突起部1gと係合穴部2fとの係合状態を容易に解除することができる。
【0043】
また、本実施形態では、シャーシ1にフロントカバー2が取り付けられた状態からフロントカバー2を取り外す際、フロントカバー2の突出片2dがシャーシ1の外表面1fから離れる方向(図6のZ2方向)に弾性変形することにより、突起部1gと係合穴部2fとの係合状態が解除されるように構成されており、絞り部1iが突出片2dのフロントカバー2に繋がる根元部2hとは反対側の先端部2iに対応する位置に形成されることにより、突出片2dとシャーシ1の外表面1fとの間に空間Sが形成されることによって、作業者は、フロントカバー2の先端部2i(突出片2d)とシャーシ1の絞り部1iとの間に設けられた空間Sに工具や指などを差し込んだ状態で、フロントカバー2の突出片2dをシャーシ1の外表面1fから離れる方向に容易に引き上げることができる。これにより、シャーシ1からフロントカバー2を取り外す際に、突起部1gと係合穴部2fとの係合状態を確実に解除することができる。
【0044】
また、本実施形態では、突出片2dの先端部2iがシャーシ1の外表面1fから離れる方向(図5のZ2方向)に傾斜して形成されることにより、突出片2dの先端部2iとシャーシ1の外表面1fの絞り部1iとの間に空間Sが形成されることによって、突出片2dの先端部2iがシャーシ1の外表面1fから離れる方向に傾斜する分、突出片2dの先端部2iとシャーシ1の外表面1fとの間の空間Sがより広く確保されるので、作業者は、先端部2iと絞り部1iとの間の空間Sに工具や指などを容易に差し込むことができる。
【0045】
また、本実施形態では、シャーシ1にフロントカバー2が取り付けられた状態において、フロントカバー2は、平面的に見て、突出片2dの先端部2iがシャーシ1の絞り部1iに重なる位置に配置された状態(図4参照)で取り付けられることによって、突出片2dの先端部2iは絞り部1iの直上に配置される(図5参照)ので、突出片2dの先端部2iと絞り部1iとの間の空間Sに差し込まれた工具や指などにより、フロントカバー2の突出片2dをシャーシ1の外表面1fから離れる方向(Z2方向)により確実に引き上げることができる。
【0046】
また、本実施形態では、絞り部1iを、複数の突出片2dに対応する位置における各々の突起部1gの近傍領域を通るように長手方向(図3のY方向)に沿って延びるように形成することによって、突起部1gおよび係合穴部2fが第2方向に沿って複数組(3組)設けられている場合であっても、絞り部1iが、複数の突起部1gの各々の近傍領域を通るように形成されているので、長手方向(Y方向)に沿った全ての位置において突起部1gと係合穴部2fとの係合を容易に行うことができる。これにより、Y方向に沿って横長形状を有するような筐体10を組み立てる際、シャーシ1に対してフロントカバー2を確実に取り付けることができる。
【0047】
また、本実施形態では、絞り部1iを、シャーシ1の一方側(Y1側)の端部領域に形成された突起部1gの近傍領域から、シャーシ1の他方側(Y2側)の端部領域に形成された突起部1gの近傍領域までの区間にわたって、長手方向(図3のY方向)に沿って直線状に延びるように形成することによって、特にシャーシ1の第2方向に沿った両端部におけるシャーシ1のねじれや反り変形を、第2方向に沿って直線状に延びる絞り部1iによって有効に抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態では、絞り部1iを板金のプレス絞り加工により形成することによって、長手方向(Y方向)に沿って延びる絞り部1iを、シャーシ1に容易に形成することができる。
【0049】
また、本実施形態では、シャーシ1に、短手方向(図3のX方向)に沿ったシャーシ1の一方端部(X2側)とは反対側の他方端部側(X1側)に形成され、絞り部1iの延びる長手方向に沿って延びる凹状(溝状)の絞り部1jを形成することによって、シャーシ1には、短手方向に沿った一方端部側(X2側)および他方端部側(X1側)の両側において長手方向に沿って延びる一対の絞り部(絞り部1iおよび絞り部1j)が形成されているので、その分、シャーシ1のねじれや反り変形を確実に抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態では、絞り部1iのX方向の幅W1を、絞り部1jのX方向の幅W2よりも小さく(W1<W2)構成することによって、金属製のシャーシ1におけるフロントカバー2の突出片2dに対応する位置(突起部1gの近傍領域)には、絞り部1jの幅W2よりも小さい幅W1を有する絞り部1iが形成されるので、その分、突起部1gに絞り加工時の影響を及ぼすことなく、絞り部1iを形成することができる。
【0051】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0052】
たとえば、上記実施形態では、シャーシ1の長手方向(Y方向)に沿って延びる絞り部1iを底面部1aに対して凹状(溝状)に窪ませて形成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、突出片2dに対応する位置において、シャーシ1の底面部1aに、内表面1eから外表面1fへ向かって段状に窪むような絞り加工を施すことにより本発明の「第1絞り部」を設けるようにしてもよい。なお、段状に窪む「第1絞り部」は、1段であってもよいし、複数の階段状であってもよい。この際、内表面1eから外表面1fへ向かって段状に窪む「第1絞り部」の直上に、フロントカバー2の突出片2dの先端部2iが対応するように構成するのが好ましい。この変形例のように構成しても、シャーシ1に対するフロントカバー2の取り付け作業、および、シャーシ1からフロントカバー2を取り外す作業の両方を容易に行うことができる。
【0053】
また、上記実施形態では、シャーシ1に突起部1gを設けるとともに、フロントカバー2に係合穴部2fを設けることにより、シャーシ1の底面部1aとフロントカバー2の突出片2dとを係合させるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、シャーシ1に係合穴部を設けるとともに、フロントカバー2の突出片2dにシャーシ1側に突出する突出部を設けて、シャーシ1の底面部1aの係合穴部とフロントカバー2の突出片2dとを係合させるように構成してもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、シャーシ1に3つの突起部1gを設けるとともに、フロントカバー2に3つの突出片2d(係合穴部2f)を設けた例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、3つ以外の突起部1gおよび突出片2d(係合穴部2f)を設けて、シャーシ1とフロントカバー2とを係合させるようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、樹脂製のフロントカバー2を用いて本発明の「前側カバー部材」を構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、金属製(板金製)部材を用いて本発明の「前側カバー部材」を構成するとともに、板状の板金の弾性を利用して本発明の「突出部」および「突出部の先端部」を構成するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、シャーシ1の絞り部1iの幅W1が絞り部1jの幅W2よりも小さくなるとともに、絞り部1iによる外表面1fのZ1方向への突出高さH1が絞り部1jによる外表面1fの突出高さH2よりも小さくなるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、絞り部1iの幅(突出高さ)と絞り部1jの幅(突出高さ)とが略等しくなるように構成してもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、シャーシ1の絞り部1iと絞り部1jとが、共に外表面1fから内表面1eに向かって凹状(溝状)に窪むように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、絞り部1jが、絞り部1iの窪む方向とは反対の、内表面1eから外表面1fに向かって凹状(溝状)に窪むように形成されていてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、シャーシ1の絞り部1iと絞り部1jとの断面形状を、共に、筐体10の内側(図5のZ1側)に向かって略円弧形状(略U字形状)を有するように形成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、板金のプレス加工により、絞り部1iおよび絞り部1jの各々を、対向する略平面状の一対の内側面と、一対の内側面を繋ぐ略平面状の底面とを有する断面が略逆さ台形状の溝状に形成してもよいし、一対の内側面のみからなる略V字形状の溝状に形成してもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、絞り部1iを、突出片2dに対応する位置のシャーシ1の一方側(Y1側)の端部領域に形成された突起部1gの近傍から、シャーシ1の他方側(Y2側)の端部領域に形成された突起部1gの近傍までの区間にわたって、Y方向に沿って直線状に延びるように形成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、絞り部1iが少なくとも突出片2dに対応する位置の突起部1gの近傍領域にのみ形成されていてもよい。すなわち、絞り部1iは、突出片2dに対応する位置の突起部1gの近傍領域にのみ形成されていて、かつ、Y方向に沿って破線状に延びていてもよい。この変形例のように構成しても、シャーシ1に係合するフロントカバー2の突出片2dに対応する領域(突起部1gの近傍領域)には絞り部1iが形成されるので、シャーシ1が変形しにくい分、シャーシ1に対してフロントカバー2を容易に取り付けることができる。
【0060】
また、上記実施形態では、本発明の「電子機器」の一例としてのディスクプレーヤ100の筐体10に本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、シャーシを含む筐体を備えた電子機器であれば、ディスクプレーヤ100以外のたとえば、HDDレコーダや、AVアンプなどの電子機器や、電子機器同志を接続してAV機器ネットワークを構成するためのセットトップボックス(信号変換装置)などの筐体に、本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 シャーシ
1e 内表面(他方表面)
1f 外表面(一方表面)
1g 突起部(第1係合部、一方側係合部、他方側係合部)
1i 絞り部(第1絞り部)
1j 絞り部(第2絞り部)
2 フロントカバー(前側カバー部材)
2d 突出片(第2係合部、突出部)
2f 係合穴部(係合部分)
2h 根元部
2i 先端部
100 ディスクプレーヤ(電子機器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1係合部を有する金属製のシャーシと、前記第1係合部と係合する第2係合部を有する前側カバー部材とを含む筐体を備え、
前記第1係合部に対して前記第2係合部が係合することにより、前記シャーシに前記前側カバー部材が取り付けられるように構成されており、
前記シャーシは、前記第2係合部に対応する位置に設けられ、前記第1係合部に対して前記第2係合部が係合される側の一方表面から前記一方表面とは反対側の他方表面に向かって窪むとともに前記前側カバー部材が前記シャーシに取り付けられる第1方向と略直交する第2方向に沿って延びる第1絞り部をさらに有する、電子機器。
【請求項2】
前記前側カバー部材の前記第2係合部は、前記前側カバー部材の前記シャーシに対する装着方向に突出する突出部と、前記突出部に設けられ、前記第1係合部と係合する係合部分とを含み、
前記シャーシに前記前側カバー部材が取り付けられた状態において、前記第1絞り部が前記突出部に対応する位置に形成されていることにより、前記突出部と前記シャーシの一方表面との間に空間が形成されるように構成されている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記シャーシに前記前側カバー部材が取り付けられた状態から前記前側カバー部材を取り外す際、前記前側カバー部材の突出部が前記シャーシの一方表面から離れる方向に弾性変形することにより、前記第1係合部と前記第2係合部の係合部分との係合状態が解除されるように構成されており、
前記第1絞り部が前記突出部の前記前側カバー部材に繋がる根元部とは反対側の先端部に対応する位置に形成されることにより、前記突出部と前記シャーシの一方表面との間に前記空間が形成されるように構成されている、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記突出部の先端部が前記シャーシの一方表面から離れる方向に傾斜して形成されることにより、前記突出部の先端部と前記シャーシの一方表面の前記第1絞り部との間に前記空間が形成されるように構成されている、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記シャーシに前記前側カバー部材が取り付けられた状態において、前記前側カバー部材は、平面的に見て、前記突出部の先端部が前記シャーシの前記第1絞り部に重なる位置に配置された状態で取り付けられている、請求項3または4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第2係合部は、前記第2方向に沿って前記前側カバー部材に複数設けられるとともに、前記第1係合部は、複数の前記第2係合部の各々に対応して設けられており、
前記第1絞り部は、複数の前記第2係合部に対応する位置を通るように前記第2方向に沿って延びるように形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
複数の前記第1係合部は、前記シャーシの前記第2方向に沿った一方側の端部領域に形成された一方側係合部と、前記シャーシの前記第2方向に沿った他方側の端部領域に形成された他方側係合部とを含み、
前記第1絞り部は、前記一方側係合部の近傍領域から、前記他方側係合部の近傍領域までの区間にわたって、前記第2方向に沿って直線状に延びるように形成されている、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記シャーシは板金製であり、前記第1絞り部は、プレス絞り加工により形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記第1絞り部は、前記第1方向に沿った前記前側カバー部材が前記シャーシに取り付けられる側の前記シャーシの一方端部側に前記第2方向に延びるように形成されており、
前記シャーシは、前記第1方向に沿った前記シャーシの一方端部とは反対側の他方端部側に形成され、前記第1絞り部の延びる前記第2方向に沿って延びる凹状の第2絞り部をさらに有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記第1絞り部は、凹状に形成されるとともに、前記凹状の第2絞り部は、前記シャーシの前記一方表面から前記他方表面に向かって窪むように形成されており、
前記第1絞り部の前記第1方向の幅は、前記第2絞り部の前記第1方向の幅よりも小さい、請求項9に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−155113(P2011−155113A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15260(P2010−15260)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】