電子機器
【課題】薄型化を図ることができる電子機器を得る。
【解決手段】電子機器1は、筐体2と、筐体2に収容され、発熱部品11が実装された回路基板7と、発熱部品11に対向した板状のヒートシンク21と、ヒートシンク21に取り付けられ、回路基板7に少なくとも2箇所で固定された固定部材34とを具備した。
【解決手段】電子機器1は、筐体2と、筐体2に収容され、発熱部品11が実装された回路基板7と、発熱部品11に対向した板状のヒートシンク21と、ヒートシンク21に取り付けられ、回路基板7に少なくとも2箇所で固定された固定部材34とを具備した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシンクを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なヒートシンクは、複数のフィンを有する。
【0003】
特許文献1には、フィンを有しないヒートシンクが開示されている。このヒートシンクは、複数の発熱部品に対向している。ヒートシンクと発熱部品との間には、発熱部品の形状や部品高さの不揃いに追従して変形する硬化組成物が挟まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−51573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで近年の電子機器は、更なる薄型化が要望されている。
【0006】
本発明の目的は、薄型化を図ることができる電子機器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの形態に係る電子機器は、筐体と、前記筐体に収容され、発熱部品が実装された回路基板と、前記発熱部品に対向した板状のヒートシンクと、前記ヒートシンクに取り付けられ、前記回路基板に少なくとも2箇所で固定された固定部材とを具備した。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子機器の薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子機器の斜視図。
【図2】図1中に示された回路基板の下面図。
【図3】図2中に示された回路基板のヒートシンクを取り付けた状態の下面図。
【図4】図3中に示された回路基板とヒートシンクを分解して示す斜視図。
【図5】図4中に示されたヒートシンクの裏面を示す平面図。
【図6】図1中に示された回路基板の平面図。
【図7】図3中に示されたヒートシンクのF7−F7線に沿う断面図。
【図8】図7中に示された固定部材の1点鎖線F8で囲まれた領域を拡大して示す断面図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るヒートシンクの斜視図。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るヒートシンクの斜視図。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る固定部材の断面図。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る固定部材の変形例の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図12に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子機器1を示す。電子機器1は、例えば各種テレビ番組を受信する機能を有したテレビ接続機器である。なお本発明が適用可能な電子機器は、上記に限定されるものではない。本発明は、録画再生装置やノートブック型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal digital Assistant)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0011】
図1に示すように、電子機器1は、扁平な箱形の筐体2を備えている。筐体2は、上壁3、下壁4、及び周壁5を有する。上壁3及び下壁4は、それぞれ略水平に広がっている。周壁5は、下壁4に対して起立し、下壁4の周縁部と上壁3の周縁部とを繋いでいる。下壁4には脚部6が取り付けられている。これにより、下壁4は、載置面Sとの間に隙間g1を空ける。
【0012】
図1に示すように、筐体2には、回路基板7が収容されている。回路基板7は、例えば下面となる第1の面7aと、上面となる第2の面7bとを有している。図2に示すように、第1の面7aには、例えばCPU(Central Processing Unit)11、FET(Field Effect Transistor)12、電源レギュレータ13、VIDEOドライバ14、LVDS(Low Voltage Differential Signals)15、NAND・FRASHメモリ16、マイコン17、及びメインメモリ18,19が実装されている。
【0013】
CPU11は、本発明でいう「発熱部品」の一例であり、他の上記電子部品に比べて発熱量が大きい。なお本発明でいう「発熱部品」は、上記例に限らず、例えばグラフィックチップやノース・ブリッジ(登録商標)など放熱が望まれる種々の部品が適宜該当する。
【0014】
FET12及び電源レギュレータ13は、それぞれ「第1電子部品」の一例である。FET12及び電源レギュレータ13は、CPU11よりも背が低い、すなわち実装高さが小さい部品である。FET12及び電源レギュレータ13は、CPU11の比較的近くに配置されている。
【0015】
VIDEOドライバ14、LVDS15、NAND・FRASHメモリ16、マイコン17、及びメインメモリ18,19は、それぞれ「第2電子部品」の一例である。VIDEOドライバ14は、アナログ画像出力用のICである。LVDS15は、画像出力用のICである。NAND・FRASHメモリ16は、メインプログラムを格納している。マイコン17は、IRリモコン処理及び電源管理を行う。これら第2電子部品は、上記第1電子部品に比べて大型の部品である。
【0016】
VIDEOドライバ14、LVDS15、NAND・FRASHメモリ16、マイコン17、及びメインメモリ18,19は、CPU11の周囲を避けるようにCPU11から比較的遠くに、例えばCPU11から見て上記第1電子部品よりも遠くに配置されている。
【0017】
図2中の2点鎖線Lは、後述のヒートシンク21の外形を示す。第1電子部品であるFET12及び電源レギュレータ13は、ヒートシンク21の領域内、すなわちヒートシンク21の外形よりも内側の領域に配置されている。
【0018】
VIDEOドライバ14、LVDS15、NAND・FRASHメモリ16、マイコン17、及びメインメモリ18,19は、ヒートシンク21の領域外、すなわちヒートシンク21の外形よりも外側の領域か、ヒートシンク21の外形に一部のみが重なる領域に配置されている。換言すれば、比較的背が低くて小型の第1電子部品をヒートシンク21の領域内に実装し、比較的大型の第2電子部品をヒートシンク21の領域外に逃がしている。
【0019】
図6に示すように、回路基板7の第2の面7bには、B−CAS(BS-Condition Access System)カードスロット22と、チューナーモジュール23が実装されている。回路基板7は、長方形状をしている。B−CASカードスロット22は、回路基板7の長手方向の第1の端部25に配置されている。
【0020】
チューナーモジュール23は、第1の端部25とは反対側となる回路基板7の長手方向の第2の端部26に配置されている。B−CASカードスロット22及びチューナーモジュール23は、それぞれ本発明でいう「発熱部」の一例である。すなわち、回路基板7は、B−CASカードスロット22及びチューナーモジュール23によって、第1の端部25及び第2の端部26が熱をもちやすい。一方、CPU11及びヒートシンク21は、第1の端部25と第2の端部26との間に位置する回路基板7の中央部27に配置されている。
【0021】
図4及び図7に示すように、回路基板7には、薄型のプレートヒートシンク21(以下、単にヒートシンク21)が取り付けられている。ヒートシンク21は、長方形状の板状に形成されており、フィンなどを有しない。ヒートシンク21は、例えばアルミ合金のような熱伝導性に優れた板金部材で形成されている。
【0022】
図7に示すように、ヒートシンク21は、回路基板7に対向した第1の面21aと、この第1の面21aの反対側に位置する第2の面21bとを有する。第1の面21aには、インシュレータ29が貼り付けられている。インシュレータ29は、絶縁材料で形成されている。図5に示すように、インシュレータ29は、例えばヒートシンク21よりも大きな外形を有し、ヒートシンク21の略全面を覆っている。
【0023】
図3及び図7に示すように、ヒートシンク21は、CPU11に対向している。ヒートシンク21は、例えば熱伝導シート30を介してCPU11に熱接続されている。これによりヒートシンク21は、CPU11から熱を受け取り、その熱をヒートシンク21の全面に拡散させることでCPU11の放熱を促進する。なおヒートシンク21は、熱伝導シート30に代えて、熱伝導グリスなどを介してCPU11に熱接続されてもよい。
【0024】
ヒートシンク21は、CPU11を中心にして、左右前後に略対称の外形を有する。上述のように、ヒートシンク21は、回路基板7の中央部27に配置されている。ヒートシンク21の長手方向は、ヒートシンク21の短手方向に略一致している。
【0025】
ヒートシンク21は、CPU11の外形に比べて比較的大きな外形を有する。ヒートシンク21は、他の電子部品に重なる領域まで広がっており、第1電子部品であるFET12及び電源レギュレータ13に対向している。なおFET12及び電源レギュレータ13とヒートシンク21との間には隙間が空いている。
【0026】
図2に示すように、ヒートシンク21は、例えばVIDEOドライバ14の側部、LVDS15の側部、及びNAND・FRASHメモリ16の側部に隣接している。すなわち、それぞれ直線状をしたVIDEOドライバ14の辺部14a、LVDS15の辺部15a、及びNAND・FRASHメモリ16の辺部16aは、ヒートシンク21の外形ラインLに沿っている。LVDS15は、本体部31と、リード32とを有する。ヒートシンク21は、例えばLVDS15の本体部31に対向しないとともに、リード32に対向している。
【0027】
図3及び図4に示すように、ヒートシンク21には、当該ヒートシンク21を固定するための固定部材34が取り付けられている。固定部材34は、回路基板7に少なくとも2箇所で固定されている。本実施形態に係る固定部材34は、ヒートシンク21とは別体であり、細長い板金部材である。固定部材34は、第1固定部35、第2固定部36、及び押圧部37を有する。
【0028】
第1固定部35及び第2固定部36は、ヒートシンク21の長手方向に並んでいる。第1固定部35及び第2固定部36は、それぞれ回路基板7に固定される脚部であり、回路基板7と平行な固定部本体38と、この固定部本体38の端部から起立した起立部39とを有する。固定部本体38には、挿通孔40が設けられている。
【0029】
押圧部37は、第1固定部35と第2固定部36との間を繋いだ固定部材34の本体部であり、例えば緩い円弧状をしている。押圧部37は、ヒートシンク21の長手方向に延びている。この押圧部37と第1固定部35、第2固定部36が協働することで固定部材34は板ばねとして機能する。押圧部37は、ヒートシンク21をCPU11に向けて押圧し、ヒートシンク21とCPU11との密着性を高める。
【0030】
図4に示すように、ヒートシンク21は、第1固定部35に対応した第1開口部41と、第2固定部36に対応した第2開口部42とを有する。第1固定部35及び第2固定部36は、それぞれ第1開口部41または第2開口部42に通されている。押圧部37は、CPU11に重なる位置においてヒートシンク21の第2の面21bに対向している。
【0031】
固定部材34は、ヒートシンク21に係合し、ヒートシンク21と一体として取り扱い可能になる。具体的には、図8に示すように、第1固定部35及び第2固定部36の起立部39は、それぞれ開口部41,42の縁に向いて突出した突起43を有する。第1固定部35及び第2固定部36を開口部41,42に挿入すると、突起43がヒートシンク21の第1の面21aに係止する。
【0032】
これにより、固定部材34はヒートシンク21と一体になる。固定部材34がヒートシンク21と一体であれば、組立時において固定部材34とヒートシンク21を別々に位置合わせする必要がなく、組立性が向上する。
【0033】
図2に示すように、回路基板7には、第1固定部35が固定される第1取付部45と、第2固定部36が固定される第2取付部46とが設けられている。第1取付部45及び第2取付部46は、CPU11の両側に分かれて配置され、互いに回路基板7の短手方向に並んでいる。
【0034】
第1取付部45及び第2取付部46は、CPU11の近傍に設けられている。例えば上記第1電子部品よりも第1取付部45及び第2取付部46は、CPU11の近くに位置する。
【0035】
第1取付部45及び第2取付部46は、それぞれねじ穴47を有している。第1取付部45及び第2取付部46は、例えば回路基板7の第2の面7bに立設されたスタッド48によって形成されている。
【0036】
図4に示すように、第1固定部35及び第2固定部36は、それぞれ例えばねじのような取付部材51によって第1取付部45及び第2取付部46に固定されている。つまり、取付部材51が第1固定部35及び第2固定部36の挿通孔40に通され、この取付部材51がねじ穴47に係合することで固定部材34が固定される。
【0037】
これにより、第1固定部35及び第2固定部36は、ヒートシンク21の領域内、つまりヒートシンク21の外形よりもCPU11の近くで回路基板7に固定されている。上記第1電子部品よりも第1固定部35及び第2固定部36は、CPU11の近くに位置する。
【0038】
図7に示すように、ヒートシンク21と筐体2の下壁4との間には、例えば数mmの隙間g2が空いている。これにより、ヒートシンク21の熱は下壁4に直接伝わらない。そのため、下壁4の局所的な温度上昇が抑制される。
【0039】
このような構成によれば、電子機器の薄型化を図ることができる。
すなわち、フィンを有しない板状にヒートシンク21を形成することで、放熱構造に必要な厚さを薄くすることができる。これにより電子機器1の薄型化を図ることができる。
【0040】
ヒートシンク21が、CPU11に対して比較的大きな外形を有し、上記第1電子部品に対向する領域まで広がっていると、板状の薄型ヒートシンク21であっても良好な放熱性能を確保しやすい。
【0041】
例えば組立時や事後的な原因で、ヒートシンク21が傾いてしまうことがある。しかしながら、本実施形態のようにヒートシンク21にインシュレータ29が取り付けられていると、インシュレータ29が上記第1電子部品などに接触し、ヒートシンク21と第1電子部品が短絡しない。これにより、第1電子部品をより適切に保護することができる。
【0042】
長方形状をしたヒートシンク21は、その短手方向よりも、その長手方向にぐらつきやすい。そこで、第1固定部35及び第2固定部36がヒートシンク21の長手方向に並んでいると、ヒートシンク21がその長手方向の2箇所で固定され、ヒートシンク21がよりぐらつきにくくなる。
【0043】
第1固定部35及び第2固定部36がヒートシンク21の領域内で回路基板7に固定されると、第1固定部35と第2固定部36との間隔を小さくしやすい。第1固定部35と第2固定部36との間隔が小さいと、CPU11に対する押圧中心の設定や押圧力の調整を行いやすく、ヒートシンク21をCPU11に向けてより適切に押圧することができる。
【0044】
ヒートシンク21の領域内は、CPU11よりも背が低い部品の配置が中心になるなど実装に関する制約が大きい。一方で、ヒートシンク21の領域外は、実装に関する制約が小さい。そこで、第1固定部35及び第2固定部36をヒートシンク21の領域内に配置すると、制約が少ないヒートシンク21の領域外の実装面積をより有効に利用することができる。これは実装密度の向上に寄与する。
【0045】
本実施形態では、ヒートシンク21が第1開口部41及び第2開口部42を有し、固定部材34の第1固定部35及び第2固定部36が第1開口部41または第2開口部42に通されて回路基板7に取り付けている。このような構成によれば、ヒートシンク21に対して固定部材34を別体で形成するともに、比較的簡単な構成で第1固定部35及び第2固定部36をヒートシンク21の領域内に配置することができる。
【0046】
ヒートシンク21を上記第2電子部品の側部に隣接させると、上記第2電子部品に重ならない範囲でヒートシンク21を大型化することができる。これにより、ヒートシンク21の放熱面積を拡大し、薄型ヒートシンク21の放熱性能を向上させることができる。
【0047】
ここで、比較的大型の第2電子部品をヒートシンク21の領域内に配置すると、回路基板7とヒートシンク21との間の空気の流動性が低下し、ヒートシンク21の熱が逃げにくくなる場合がある。一方で、本実施形態のように、比較的小型の第1電子部品をヒートシンク21の領域内に配置するとともに、比較的大型の第2電子部品をヒートシンク21の領域外に逃がすことで、ヒートシンク21の熱がより逃げやすい構成を実現することができる。これは、電子機器1の冷却性能の向上に寄与する。
【0048】
ヒートシンク21が上記第2電子部品の本体部31に対向させないとともに、リード32のみに対向させることで、上記第2電子部品の背が高い部分に重ならない範囲でヒートシンク21をより大型化することができる。これにより、ヒートシンク21の面積を拡大し、薄型ヒートシンク21の放熱性能をさらに向上させることができる。
【0049】
回路基板7は、その長手方向の両端部に、発熱部であるB−CASカードスロット22及びチューナーモジュール23を備えている。ここで仮に、ヒートシンク21の長手方向を回路基板7の長手方向に略一致させると、ヒートシンク21の熱が回路基板7の長手方向の端部25,26に流れて、これら端部25,26をさらに暖めてしまう可能性がある。
【0050】
一方で、本実施形態では、ヒートシンク21の長手方向を回路基板7の短手方向と略一致させている。これによれば、ヒートシンク21の熱が回路基板7の長手方向の端部に流れにくく、回路基板7の局所的な温度上昇を抑制することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子機器1について、図9を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0052】
図9に示すように、本実施形態に係る固定部材34は、ヒートシンク21と一体に板金部材で形成され、本発明でいう「固定部」の一例を形成している。第1固定部35及び第2固定部36は、ヒートシンク21の長手方向の両端部に分かれて設けられている。
【0053】
このような構成によっても、上記第1の実施形態と同様に、電子機器の薄型化を図ることができる。固定部材34がヒートシンク21と一体に形成されていると、部品点数を少なくすることができる。
【0054】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る電子機器1について、図10を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0055】
図10に示すように、本実施形態に係る固定部材34は、ヒートシンク21の長手方向の長さよりも大きく形成されている。第1固定部35及び第2固定部36は、ヒートシンク21の長手方向の両側で、ヒートシンク21の領域の外側で回路基板7に固定されている。
【0056】
このような構成によっても、上記第1の実施形態と同様に、電子機器の薄型化を図ることができる。
【0057】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る電子機器1について、図11を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0058】
図11に示すように、本実施形態に係る取付部材51は、例えばリベットのようなピン部材である。回路基板7には、固定部材34の挿通孔40に連通した挿通孔61が設けられている。取付部材51は、挿通孔40,61に通された本体部62と、回路基板7の第2の面7bに係止される第1の端部63と、固定部材34の第1固定部35または第2固定部36に対向した第2の端部64とを有する。
【0059】
本実施形態に係る固定部材34は、弾性を有しない。その代わりに、取付部材51の第2の端部64と固定部材34との間には、例えばコイルばねのような弾性部材65が挟まれている。この弾性部材65の弾性力により、固定部材34はヒートシンク21をCPU11に向けて押圧する。
【0060】
このような構成によっても、上記第1の実施形態と同様に、電子機器の薄型化を図ることができる。また、本実施形態のような取付部材51によれば、組み立てが簡単になり、製造性を向上させることができる。なお取付部材51は、図12に示すように、コイルばねを有しないものであってもよい。
【0061】
以上、本発明の第1乃至第4の実施形態に係る電子機器1について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。第1乃至第4の実施形態に係る各構成要素は、適宜組み合わせて用いることができる。また、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0062】
固定部材34の固定箇所は、2箇所に限らず、3箇所以上が固定されるものであってもよい。ヒートシンク21は、ひとつの発熱部品のみに熱接続されるものに限らず、2つ以上の発熱部品に熱接続されてもよい。回路基板7には、例えば複数の第2電子部品が実装されているが、本発明でいう「ヒートシンクが第2電子部品の側部に隣接した」などは、上記複数の第2電子部品の少なくともひとつに対して該当すればよい。
【符号の説明】
【0063】
1…電子機器、2…筐体、7…回路基板、11…発熱部品、12,13…第1電子部品、14,15,16,17,18,19…第2電子部品、21…ヒートシンク、22,23…発熱部、29…インシュレータ、31…本体部、32…リード、34…固定部材、35…第1固定部、36…第2固定部、37…押圧部、41,42…開口部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートシンクを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なヒートシンクは、複数のフィンを有する。
【0003】
特許文献1には、フィンを有しないヒートシンクが開示されている。このヒートシンクは、複数の発熱部品に対向している。ヒートシンクと発熱部品との間には、発熱部品の形状や部品高さの不揃いに追従して変形する硬化組成物が挟まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−51573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで近年の電子機器は、更なる薄型化が要望されている。
【0006】
本発明の目的は、薄型化を図ることができる電子機器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの形態に係る電子機器は、筐体と、前記筐体に収容され、発熱部品が実装された回路基板と、前記発熱部品に対向した板状のヒートシンクと、前記ヒートシンクに取り付けられ、前記回路基板に少なくとも2箇所で固定された固定部材とを具備した。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電子機器の薄型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子機器の斜視図。
【図2】図1中に示された回路基板の下面図。
【図3】図2中に示された回路基板のヒートシンクを取り付けた状態の下面図。
【図4】図3中に示された回路基板とヒートシンクを分解して示す斜視図。
【図5】図4中に示されたヒートシンクの裏面を示す平面図。
【図6】図1中に示された回路基板の平面図。
【図7】図3中に示されたヒートシンクのF7−F7線に沿う断面図。
【図8】図7中に示された固定部材の1点鎖線F8で囲まれた領域を拡大して示す断面図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係るヒートシンクの斜視図。
【図10】本発明の第3の実施形態に係るヒートシンクの斜視図。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る固定部材の断面図。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る固定部材の変形例の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図12に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子機器1を示す。電子機器1は、例えば各種テレビ番組を受信する機能を有したテレビ接続機器である。なお本発明が適用可能な電子機器は、上記に限定されるものではない。本発明は、録画再生装置やノートブック型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal digital Assistant)、ゲーム機などを含む種々の電子機器に広く適用可能である。
【0011】
図1に示すように、電子機器1は、扁平な箱形の筐体2を備えている。筐体2は、上壁3、下壁4、及び周壁5を有する。上壁3及び下壁4は、それぞれ略水平に広がっている。周壁5は、下壁4に対して起立し、下壁4の周縁部と上壁3の周縁部とを繋いでいる。下壁4には脚部6が取り付けられている。これにより、下壁4は、載置面Sとの間に隙間g1を空ける。
【0012】
図1に示すように、筐体2には、回路基板7が収容されている。回路基板7は、例えば下面となる第1の面7aと、上面となる第2の面7bとを有している。図2に示すように、第1の面7aには、例えばCPU(Central Processing Unit)11、FET(Field Effect Transistor)12、電源レギュレータ13、VIDEOドライバ14、LVDS(Low Voltage Differential Signals)15、NAND・FRASHメモリ16、マイコン17、及びメインメモリ18,19が実装されている。
【0013】
CPU11は、本発明でいう「発熱部品」の一例であり、他の上記電子部品に比べて発熱量が大きい。なお本発明でいう「発熱部品」は、上記例に限らず、例えばグラフィックチップやノース・ブリッジ(登録商標)など放熱が望まれる種々の部品が適宜該当する。
【0014】
FET12及び電源レギュレータ13は、それぞれ「第1電子部品」の一例である。FET12及び電源レギュレータ13は、CPU11よりも背が低い、すなわち実装高さが小さい部品である。FET12及び電源レギュレータ13は、CPU11の比較的近くに配置されている。
【0015】
VIDEOドライバ14、LVDS15、NAND・FRASHメモリ16、マイコン17、及びメインメモリ18,19は、それぞれ「第2電子部品」の一例である。VIDEOドライバ14は、アナログ画像出力用のICである。LVDS15は、画像出力用のICである。NAND・FRASHメモリ16は、メインプログラムを格納している。マイコン17は、IRリモコン処理及び電源管理を行う。これら第2電子部品は、上記第1電子部品に比べて大型の部品である。
【0016】
VIDEOドライバ14、LVDS15、NAND・FRASHメモリ16、マイコン17、及びメインメモリ18,19は、CPU11の周囲を避けるようにCPU11から比較的遠くに、例えばCPU11から見て上記第1電子部品よりも遠くに配置されている。
【0017】
図2中の2点鎖線Lは、後述のヒートシンク21の外形を示す。第1電子部品であるFET12及び電源レギュレータ13は、ヒートシンク21の領域内、すなわちヒートシンク21の外形よりも内側の領域に配置されている。
【0018】
VIDEOドライバ14、LVDS15、NAND・FRASHメモリ16、マイコン17、及びメインメモリ18,19は、ヒートシンク21の領域外、すなわちヒートシンク21の外形よりも外側の領域か、ヒートシンク21の外形に一部のみが重なる領域に配置されている。換言すれば、比較的背が低くて小型の第1電子部品をヒートシンク21の領域内に実装し、比較的大型の第2電子部品をヒートシンク21の領域外に逃がしている。
【0019】
図6に示すように、回路基板7の第2の面7bには、B−CAS(BS-Condition Access System)カードスロット22と、チューナーモジュール23が実装されている。回路基板7は、長方形状をしている。B−CASカードスロット22は、回路基板7の長手方向の第1の端部25に配置されている。
【0020】
チューナーモジュール23は、第1の端部25とは反対側となる回路基板7の長手方向の第2の端部26に配置されている。B−CASカードスロット22及びチューナーモジュール23は、それぞれ本発明でいう「発熱部」の一例である。すなわち、回路基板7は、B−CASカードスロット22及びチューナーモジュール23によって、第1の端部25及び第2の端部26が熱をもちやすい。一方、CPU11及びヒートシンク21は、第1の端部25と第2の端部26との間に位置する回路基板7の中央部27に配置されている。
【0021】
図4及び図7に示すように、回路基板7には、薄型のプレートヒートシンク21(以下、単にヒートシンク21)が取り付けられている。ヒートシンク21は、長方形状の板状に形成されており、フィンなどを有しない。ヒートシンク21は、例えばアルミ合金のような熱伝導性に優れた板金部材で形成されている。
【0022】
図7に示すように、ヒートシンク21は、回路基板7に対向した第1の面21aと、この第1の面21aの反対側に位置する第2の面21bとを有する。第1の面21aには、インシュレータ29が貼り付けられている。インシュレータ29は、絶縁材料で形成されている。図5に示すように、インシュレータ29は、例えばヒートシンク21よりも大きな外形を有し、ヒートシンク21の略全面を覆っている。
【0023】
図3及び図7に示すように、ヒートシンク21は、CPU11に対向している。ヒートシンク21は、例えば熱伝導シート30を介してCPU11に熱接続されている。これによりヒートシンク21は、CPU11から熱を受け取り、その熱をヒートシンク21の全面に拡散させることでCPU11の放熱を促進する。なおヒートシンク21は、熱伝導シート30に代えて、熱伝導グリスなどを介してCPU11に熱接続されてもよい。
【0024】
ヒートシンク21は、CPU11を中心にして、左右前後に略対称の外形を有する。上述のように、ヒートシンク21は、回路基板7の中央部27に配置されている。ヒートシンク21の長手方向は、ヒートシンク21の短手方向に略一致している。
【0025】
ヒートシンク21は、CPU11の外形に比べて比較的大きな外形を有する。ヒートシンク21は、他の電子部品に重なる領域まで広がっており、第1電子部品であるFET12及び電源レギュレータ13に対向している。なおFET12及び電源レギュレータ13とヒートシンク21との間には隙間が空いている。
【0026】
図2に示すように、ヒートシンク21は、例えばVIDEOドライバ14の側部、LVDS15の側部、及びNAND・FRASHメモリ16の側部に隣接している。すなわち、それぞれ直線状をしたVIDEOドライバ14の辺部14a、LVDS15の辺部15a、及びNAND・FRASHメモリ16の辺部16aは、ヒートシンク21の外形ラインLに沿っている。LVDS15は、本体部31と、リード32とを有する。ヒートシンク21は、例えばLVDS15の本体部31に対向しないとともに、リード32に対向している。
【0027】
図3及び図4に示すように、ヒートシンク21には、当該ヒートシンク21を固定するための固定部材34が取り付けられている。固定部材34は、回路基板7に少なくとも2箇所で固定されている。本実施形態に係る固定部材34は、ヒートシンク21とは別体であり、細長い板金部材である。固定部材34は、第1固定部35、第2固定部36、及び押圧部37を有する。
【0028】
第1固定部35及び第2固定部36は、ヒートシンク21の長手方向に並んでいる。第1固定部35及び第2固定部36は、それぞれ回路基板7に固定される脚部であり、回路基板7と平行な固定部本体38と、この固定部本体38の端部から起立した起立部39とを有する。固定部本体38には、挿通孔40が設けられている。
【0029】
押圧部37は、第1固定部35と第2固定部36との間を繋いだ固定部材34の本体部であり、例えば緩い円弧状をしている。押圧部37は、ヒートシンク21の長手方向に延びている。この押圧部37と第1固定部35、第2固定部36が協働することで固定部材34は板ばねとして機能する。押圧部37は、ヒートシンク21をCPU11に向けて押圧し、ヒートシンク21とCPU11との密着性を高める。
【0030】
図4に示すように、ヒートシンク21は、第1固定部35に対応した第1開口部41と、第2固定部36に対応した第2開口部42とを有する。第1固定部35及び第2固定部36は、それぞれ第1開口部41または第2開口部42に通されている。押圧部37は、CPU11に重なる位置においてヒートシンク21の第2の面21bに対向している。
【0031】
固定部材34は、ヒートシンク21に係合し、ヒートシンク21と一体として取り扱い可能になる。具体的には、図8に示すように、第1固定部35及び第2固定部36の起立部39は、それぞれ開口部41,42の縁に向いて突出した突起43を有する。第1固定部35及び第2固定部36を開口部41,42に挿入すると、突起43がヒートシンク21の第1の面21aに係止する。
【0032】
これにより、固定部材34はヒートシンク21と一体になる。固定部材34がヒートシンク21と一体であれば、組立時において固定部材34とヒートシンク21を別々に位置合わせする必要がなく、組立性が向上する。
【0033】
図2に示すように、回路基板7には、第1固定部35が固定される第1取付部45と、第2固定部36が固定される第2取付部46とが設けられている。第1取付部45及び第2取付部46は、CPU11の両側に分かれて配置され、互いに回路基板7の短手方向に並んでいる。
【0034】
第1取付部45及び第2取付部46は、CPU11の近傍に設けられている。例えば上記第1電子部品よりも第1取付部45及び第2取付部46は、CPU11の近くに位置する。
【0035】
第1取付部45及び第2取付部46は、それぞれねじ穴47を有している。第1取付部45及び第2取付部46は、例えば回路基板7の第2の面7bに立設されたスタッド48によって形成されている。
【0036】
図4に示すように、第1固定部35及び第2固定部36は、それぞれ例えばねじのような取付部材51によって第1取付部45及び第2取付部46に固定されている。つまり、取付部材51が第1固定部35及び第2固定部36の挿通孔40に通され、この取付部材51がねじ穴47に係合することで固定部材34が固定される。
【0037】
これにより、第1固定部35及び第2固定部36は、ヒートシンク21の領域内、つまりヒートシンク21の外形よりもCPU11の近くで回路基板7に固定されている。上記第1電子部品よりも第1固定部35及び第2固定部36は、CPU11の近くに位置する。
【0038】
図7に示すように、ヒートシンク21と筐体2の下壁4との間には、例えば数mmの隙間g2が空いている。これにより、ヒートシンク21の熱は下壁4に直接伝わらない。そのため、下壁4の局所的な温度上昇が抑制される。
【0039】
このような構成によれば、電子機器の薄型化を図ることができる。
すなわち、フィンを有しない板状にヒートシンク21を形成することで、放熱構造に必要な厚さを薄くすることができる。これにより電子機器1の薄型化を図ることができる。
【0040】
ヒートシンク21が、CPU11に対して比較的大きな外形を有し、上記第1電子部品に対向する領域まで広がっていると、板状の薄型ヒートシンク21であっても良好な放熱性能を確保しやすい。
【0041】
例えば組立時や事後的な原因で、ヒートシンク21が傾いてしまうことがある。しかしながら、本実施形態のようにヒートシンク21にインシュレータ29が取り付けられていると、インシュレータ29が上記第1電子部品などに接触し、ヒートシンク21と第1電子部品が短絡しない。これにより、第1電子部品をより適切に保護することができる。
【0042】
長方形状をしたヒートシンク21は、その短手方向よりも、その長手方向にぐらつきやすい。そこで、第1固定部35及び第2固定部36がヒートシンク21の長手方向に並んでいると、ヒートシンク21がその長手方向の2箇所で固定され、ヒートシンク21がよりぐらつきにくくなる。
【0043】
第1固定部35及び第2固定部36がヒートシンク21の領域内で回路基板7に固定されると、第1固定部35と第2固定部36との間隔を小さくしやすい。第1固定部35と第2固定部36との間隔が小さいと、CPU11に対する押圧中心の設定や押圧力の調整を行いやすく、ヒートシンク21をCPU11に向けてより適切に押圧することができる。
【0044】
ヒートシンク21の領域内は、CPU11よりも背が低い部品の配置が中心になるなど実装に関する制約が大きい。一方で、ヒートシンク21の領域外は、実装に関する制約が小さい。そこで、第1固定部35及び第2固定部36をヒートシンク21の領域内に配置すると、制約が少ないヒートシンク21の領域外の実装面積をより有効に利用することができる。これは実装密度の向上に寄与する。
【0045】
本実施形態では、ヒートシンク21が第1開口部41及び第2開口部42を有し、固定部材34の第1固定部35及び第2固定部36が第1開口部41または第2開口部42に通されて回路基板7に取り付けている。このような構成によれば、ヒートシンク21に対して固定部材34を別体で形成するともに、比較的簡単な構成で第1固定部35及び第2固定部36をヒートシンク21の領域内に配置することができる。
【0046】
ヒートシンク21を上記第2電子部品の側部に隣接させると、上記第2電子部品に重ならない範囲でヒートシンク21を大型化することができる。これにより、ヒートシンク21の放熱面積を拡大し、薄型ヒートシンク21の放熱性能を向上させることができる。
【0047】
ここで、比較的大型の第2電子部品をヒートシンク21の領域内に配置すると、回路基板7とヒートシンク21との間の空気の流動性が低下し、ヒートシンク21の熱が逃げにくくなる場合がある。一方で、本実施形態のように、比較的小型の第1電子部品をヒートシンク21の領域内に配置するとともに、比較的大型の第2電子部品をヒートシンク21の領域外に逃がすことで、ヒートシンク21の熱がより逃げやすい構成を実現することができる。これは、電子機器1の冷却性能の向上に寄与する。
【0048】
ヒートシンク21が上記第2電子部品の本体部31に対向させないとともに、リード32のみに対向させることで、上記第2電子部品の背が高い部分に重ならない範囲でヒートシンク21をより大型化することができる。これにより、ヒートシンク21の面積を拡大し、薄型ヒートシンク21の放熱性能をさらに向上させることができる。
【0049】
回路基板7は、その長手方向の両端部に、発熱部であるB−CASカードスロット22及びチューナーモジュール23を備えている。ここで仮に、ヒートシンク21の長手方向を回路基板7の長手方向に略一致させると、ヒートシンク21の熱が回路基板7の長手方向の端部25,26に流れて、これら端部25,26をさらに暖めてしまう可能性がある。
【0050】
一方で、本実施形態では、ヒートシンク21の長手方向を回路基板7の短手方向と略一致させている。これによれば、ヒートシンク21の熱が回路基板7の長手方向の端部に流れにくく、回路基板7の局所的な温度上昇を抑制することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る電子機器1について、図9を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0052】
図9に示すように、本実施形態に係る固定部材34は、ヒートシンク21と一体に板金部材で形成され、本発明でいう「固定部」の一例を形成している。第1固定部35及び第2固定部36は、ヒートシンク21の長手方向の両端部に分かれて設けられている。
【0053】
このような構成によっても、上記第1の実施形態と同様に、電子機器の薄型化を図ることができる。固定部材34がヒートシンク21と一体に形成されていると、部品点数を少なくすることができる。
【0054】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る電子機器1について、図10を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0055】
図10に示すように、本実施形態に係る固定部材34は、ヒートシンク21の長手方向の長さよりも大きく形成されている。第1固定部35及び第2固定部36は、ヒートシンク21の長手方向の両側で、ヒートシンク21の領域の外側で回路基板7に固定されている。
【0056】
このような構成によっても、上記第1の実施形態と同様に、電子機器の薄型化を図ることができる。
【0057】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係る電子機器1について、図11を参照して説明する。なお上記第1の実施形態の構成と同一または類似の機能を有する構成は、同一の符号を付してその説明を省略する。また、下記に説明する以外の構成は、上記第1の実施形態と同じである。
【0058】
図11に示すように、本実施形態に係る取付部材51は、例えばリベットのようなピン部材である。回路基板7には、固定部材34の挿通孔40に連通した挿通孔61が設けられている。取付部材51は、挿通孔40,61に通された本体部62と、回路基板7の第2の面7bに係止される第1の端部63と、固定部材34の第1固定部35または第2固定部36に対向した第2の端部64とを有する。
【0059】
本実施形態に係る固定部材34は、弾性を有しない。その代わりに、取付部材51の第2の端部64と固定部材34との間には、例えばコイルばねのような弾性部材65が挟まれている。この弾性部材65の弾性力により、固定部材34はヒートシンク21をCPU11に向けて押圧する。
【0060】
このような構成によっても、上記第1の実施形態と同様に、電子機器の薄型化を図ることができる。また、本実施形態のような取付部材51によれば、組み立てが簡単になり、製造性を向上させることができる。なお取付部材51は、図12に示すように、コイルばねを有しないものであってもよい。
【0061】
以上、本発明の第1乃至第4の実施形態に係る電子機器1について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。第1乃至第4の実施形態に係る各構成要素は、適宜組み合わせて用いることができる。また、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0062】
固定部材34の固定箇所は、2箇所に限らず、3箇所以上が固定されるものであってもよい。ヒートシンク21は、ひとつの発熱部品のみに熱接続されるものに限らず、2つ以上の発熱部品に熱接続されてもよい。回路基板7には、例えば複数の第2電子部品が実装されているが、本発明でいう「ヒートシンクが第2電子部品の側部に隣接した」などは、上記複数の第2電子部品の少なくともひとつに対して該当すればよい。
【符号の説明】
【0063】
1…電子機器、2…筐体、7…回路基板、11…発熱部品、12,13…第1電子部品、14,15,16,17,18,19…第2電子部品、21…ヒートシンク、22,23…発熱部、29…インシュレータ、31…本体部、32…リード、34…固定部材、35…第1固定部、36…第2固定部、37…押圧部、41,42…開口部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容され、発熱部品が実装された回路基板と、
前記発熱部品に対向した板状のヒートシンクと、
前記ヒートシンクに取り付けられ、前記回路基板に少なくとも2箇所で固定された固定部材と、
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記ヒートシンクは、長方形状であり、前記固定部材は、前記ヒートシンクの長手方向に並んだ第1固定部及び第2固定部を有したことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、
前記回路基板に実装され、前記発熱部品よりも背が低い第1電子部品を更に備え、
前記ヒートシンクは、隙間を空けて前記第1電子部品に対向したことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項3の記載において、
前記ヒートシンクは、前記回路基板に対向した面にインシュレータが取り付けられたことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4の記載において、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記ヒートシンクの領域内で前記回路基板に固定されたことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5の記載において、
前記第1電子部品よりも前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記発熱部品に近いことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6の記載において、
前記ヒートシンクは、前記第1固定部及び前記第2固定部に対応した開口部を有し、
前記固定部材は、前記第1固定部及び前記第2固定部が前記開口部に通されて前記回路基板に取り付けられたことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7の記載において、
前記固定部材は、前記第1固定部と前記第2固定部とを繋ぐとともに、前記ヒートシンクに対向した押圧部を有したことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項8の記載において、
前記回路基板に実装された第2電子部品を更に備え、
前記ヒートシンクは、前記第2電子部品の側部に隣接したことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項9の記載において、
前記第2電子部品は、本体部と、リードとを有し、
前記ヒートシンクは、前記本体部に対向しないとともに、前記リードに対向したことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項10の記載において、
前記回路基板は、長方形状であり、その長手方向の両端部に発熱部を有し、
前記ヒートシンクは、前記回路基板の中央部において当該ヒートシンクの長手方向を前記回路基板の短手方向に略一致させたことを特徴とする電子機器。
【請求項12】
筐体と、
前記筐体に収容され、発熱部品が実装された回路基板と、
前記発熱部品に対向した板状のヒートシンクと、
前記ヒートシンクに取り付けられ、前記回路基板に少なくとも2箇所で固定された固定部と、
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容され、発熱部品が実装された回路基板と、
前記発熱部品に対向した板状のヒートシンクと、
前記ヒートシンクに取り付けられ、前記回路基板に少なくとも2箇所で固定された固定部材と、
を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1の記載において、
前記ヒートシンクは、長方形状であり、前記固定部材は、前記ヒートシンクの長手方向に並んだ第1固定部及び第2固定部を有したことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項2の記載において、
前記回路基板に実装され、前記発熱部品よりも背が低い第1電子部品を更に備え、
前記ヒートシンクは、隙間を空けて前記第1電子部品に対向したことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項3の記載において、
前記ヒートシンクは、前記回路基板に対向した面にインシュレータが取り付けられたことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4の記載において、
前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記ヒートシンクの領域内で前記回路基板に固定されたことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5の記載において、
前記第1電子部品よりも前記第1固定部及び前記第2固定部は、前記発熱部品に近いことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項6の記載において、
前記ヒートシンクは、前記第1固定部及び前記第2固定部に対応した開口部を有し、
前記固定部材は、前記第1固定部及び前記第2固定部が前記開口部に通されて前記回路基板に取り付けられたことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7の記載において、
前記固定部材は、前記第1固定部と前記第2固定部とを繋ぐとともに、前記ヒートシンクに対向した押圧部を有したことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項8の記載において、
前記回路基板に実装された第2電子部品を更に備え、
前記ヒートシンクは、前記第2電子部品の側部に隣接したことを特徴とする電子機器。
【請求項10】
請求項9の記載において、
前記第2電子部品は、本体部と、リードとを有し、
前記ヒートシンクは、前記本体部に対向しないとともに、前記リードに対向したことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
請求項10の記載において、
前記回路基板は、長方形状であり、その長手方向の両端部に発熱部を有し、
前記ヒートシンクは、前記回路基板の中央部において当該ヒートシンクの長手方向を前記回路基板の短手方向に略一致させたことを特徴とする電子機器。
【請求項12】
筐体と、
前記筐体に収容され、発熱部品が実装された回路基板と、
前記発熱部品に対向した板状のヒートシンクと、
前記ヒートシンクに取り付けられ、前記回路基板に少なくとも2箇所で固定された固定部と、
を具備したことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−166024(P2011−166024A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−29220(P2010−29220)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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