電子機器
【課題】表示ユニットの位置に応じて制御を加えることができる電子機器を提供する。
【解決手段】電子機器は、本体ユニットと、本体ユニットの内部に収容されるとともに、磁気ディスク47に対して情報の読み書きを行うヘッド48を有したハードディスクドライブ27と、本体ユニットに対して被さった第1の位置と、本体ユニットに対して起立した第2の位置との間で回転できる表示ユニットと、表示ユニットの設置角度を感知する感知部34と、感知部で表示ユニットの設置角度の変化を感知した際に、ヘッド48を退避位置に退避させる制御部と、を具備する。
【解決手段】電子機器は、本体ユニットと、本体ユニットの内部に収容されるとともに、磁気ディスク47に対して情報の読み書きを行うヘッド48を有したハードディスクドライブ27と、本体ユニットに対して被さった第1の位置と、本体ユニットに対して起立した第2の位置との間で回転できる表示ユニットと、表示ユニットの設置角度を感知する感知部34と、感知部で表示ユニットの設置角度の変化を感知した際に、ヘッド48を退避位置に退避させる制御部と、を具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示ユニットを有した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイの開閉動作に起因した衝撃からハードディスク装置を保護した携帯通信端末が開示されている。この携帯通信端末では、CPUは、開状態検出スイッチおよび閉状態検出スイッチのいずれか一方の信号がONからOFFに変化したことを検出した場合には、使用者による携帯情報端末の開動作または閉動作が行われたと判断する。この場合には、動作が完了して開状態または閉状態になった瞬間に携帯通信端末に衝撃が発生することを予測して、HDDのヘッドを安全な位置に退避してHDDのディスクおよびヘッドが故障することを防止する。
【0003】
より詳細には、開状態検出スイッチは、携帯通信端末が開状態から所定角度閉じるまでの間はON状態を保つ。このため、CPUは、携帯通信端末が開状態から所定量閉じたときに使用者による閉動作を検出する。同様に、閉状態検出スイッチは、携帯通信端末が閉状態から所定角度開くまでの間はON状態を保つ。このため、CPUは、携帯通信端末が閉状態から所定量開いたときに使用者による開動作を検出する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−181188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般的な電子機器では、開状態のままでディスプレイの設置角度を調整したりする場合も多いが、上記従来の携帯通信端末では、開状態のままでディスプレイの設置角度を調整したりする場合に対応することができず、改良の余地があった。
【0006】
本発明の目的は、表示ユニットの位置に応じて制御を加えることができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、本体ユニットと、前記本体ユニットの内部に収容されるとともに、磁気ディスクに対して情報の読み書きを行うヘッドを有したハードディスクドライブと、前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体ユニットに対して起立した第2の位置との間で回転できる表示ユニットと、前記表示ユニットの設置角度を感知する感知部と、前記感知部で前記表示ユニットの設置角度の変化を感知した際に、前記ヘッドを退避位置に退避させる制御部と、を具備する。
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る電子機器は、第1の表示部を有した第1のユニットと、前記第1のユニットに対して被さった第1の位置と、前記第1のユニットに対して開いた第2の位置と、前記第1の位置と前記第2の位置との略中間に位置する第3の位置と、の間で回転できるとともに、第2の表示部を有した第2のユニットと、前記第1の表示部および前記第2の表示部に文書の当該ページを表示させるとともに、所定の時間内に前記第2のユニットを前記第2の位置から前記第3の位置に移動させ、前記第3の位置から前記第2の位置に戻した際に、前記第1の表示部および前記第2の表示部に前記文書の当該ページの次にある次ページを表示させる制御部と、を具備する。
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る電子機器は、本体ユニットと、前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体に対して起立した第2の位置との間で回転できるとともに、表示部を有する表示ユニットと、前記表示ユニットの設置角度を感知する感知部と、前記感知部で前記表示ユニットの設置角度の変化を感知した際に、前記表示部の輝度および色彩をユーザが見易いように調整する制御部と、を具備する。
【0010】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る電子機器は、本体ユニットと、前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体に対して起立した第2の位置との間で回転できる表示ユニットと、前記表示ユニットの設置角度を抵抗値の変化で感知する可変抵抗器と、前記本体ユニットの内部に収容されるとともに、前記可変抵抗器で感知された抵抗値の変化量を累積して記憶する記憶部と、を具備する。
【発明の効果】
【0011】
上記の構成によれば、表示ユニットの位置に応じて制御を加えることができる電子機器を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係るポータブルコンピュータを示す斜視図。
【図2】図1に示すポータブルコンピュータの制御構成を示したブロック図。
【図3】図1に示すポータブルコンピュータのヒンジ部の周囲を拡大して示した斜視図。
【図4】図3に示すポータブルコンピュータの感知部である可変抵抗器を示した斜視図。
【図5】第1の実施形態にかかるポータブルコンピュータのヘッド退避動作を示したフローチャート。
【図6】第2の実施形態にかかるポータブルコンピュータの感知部であるロータリエンコーダを示した斜視図。
【図7】第3の実施形態にかかる電子ブックのページ送り動作を示したフローチャート。
【図8】第3の実施形態にかかる電子ブックの第2のユニットが第2の位置にある状態を示した斜視図。
【図9】図8に示す電子ブックの第2のユニットを第2の位置から第3の位置に移動させた状態を示した斜視図。
【図10】第3の実施形態にかかる電子ブックの変形例を示した斜視図。
【図11】第4の実施形態にかかるポータブルコンピュータの表示部の輝度・色彩の最適化の流れを示したフローチャート。
【図12】第5の実施形態にかかるポータブルコンピュータのヒンジ部の保守交換の判断の流れを示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図1から図5を参照して、電子機器の第1の実施形態について説明する。本明細書において、手前側(即ちユーザ側)を前方向F、ユーザから見て奥側を後方向R、ユーザから見て左側を左方向、ユーザから見て右側を右方向、ユーザから見て上方を上方向、ユーザから見て下方を下方向と定義する。
【0014】
図1に示すように、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、表示ユニット13と、本体ユニット12と表示ユニット13との間に設けられるヒンジ部14と、を備えている。ヒンジ部14は、表示ユニット13を回転可能に支持している。表示ユニット13は、本体ユニット12に対して被さった第1の位置P1と、本体ユニット12に対して起立した第2の位置P2との間で回転できる。
【0015】
表示ユニット13は、表示部21と、表示部21の周囲を取り囲む合成樹脂製のディスプレイケース22と、を有している。表示部21の一例として、本実施形態では、例えば液晶ディスプレイが用いられている。ディスプレイケース22は、金属製のものでもよい。
【0016】
図1から図4に示すように、本体ユニット12は、例えば、合成樹脂によって箱状に形成される本体ケース23と、本体ケース23の上面に取り付けられたキーボード24およびタッチパッド25と、本体ケース23の内部に収容されたプリント回路板26と、を備えている。図1では、キーボード24のうち、一部のキーのみを示している。
【0017】
また、本体ユニット12は、ハードディスクドライブ27(HDD)と、不揮発性メモリ28と、リアルタイムクロック31(RTC)と、EC32(エンベデッドコントローラ)と、電源回路33と、可変抵抗器34と、表示コントローラ35と、バッテリ36、をそれぞれ本体ケースの内部に収容している。本体ユニット12は、ACアダプタ37を外部に有している。
【0018】
プリント回路板26は、プリント配線板26Aと、プリント配線板26A上に固定されたCPU41と、プリント配線板26A上に固定されたメインメモリ42と、プリント配線板26A上に固定されたBIOS−ROM43と、を有している。本発明にいう制御部は、例えば、CPU41、メインメモリ42、不揮発性メモリ28、BIOS−ROM43、EC32、ソフトウェアで構成されるフィルタドライバ、ハードディスクコントローラ38、表示コントローラ35などを含んだ概念である。
【0019】
可変抵抗器34は、例えば、ヒンジ部14の軸部14Aの一方の端部に固定されている。可変抵抗器34は、表示ユニット13の設置角度を感知する感知部の一例である。この可変抵抗器34は、例えば、0Ωから100Ωの範囲で抵抗値を変化させることができる。表示ユニット13の設置角度は、抵抗値(絶対値)を利用して計測され、例えば、表示ユニット13が本体ユニット12に対して90°の角度をなしているときに、抵抗値が50Ωとなるように設定される。
【0020】
図4に示すように、可変抵抗器34は、本体部分44と、回転軸部49と、本体部分44から突出した端子部45と、例えば本体部分44から「L」字形に突出した固定部46と、を有している。この可変抵抗器34は、表示ユニット13が第1の位置P1にあることを検出するための検出スイッチを兼ねている。すなわち、制御部は、可変抵抗器34で感知された抵抗値が5Ω以下である場合には、表示ユニット13が閉じた状態と判断する。ハードディスクドライブ27は、磁気ディスク47と、磁気ディスク47に対して情報の読み書きを行うヘッド48と、を有している。
【0021】
続いて、図5を参照して、本実施形態のハードディスクドライブ27のヘッド退避の制御について説明する。まず、ユーザが表示ユニット13を操作して、表示ユニット13の設置角度を調整したとする。
【0022】
このとき、所定値を越える抵抗値の変化をEC32において感知すると(ステップS11)、制御部のフィルタドライバがヘッド退避指令を発令する(ステップS12)。ヘッド退避指令に従って、ハードディスクドライブ27でヘッド48が磁気ディスクから退避した退避位置に移動される(ステップS13)。そして、表示ユニット13の操作から所定時間経過した後に、抵抗値の変化量が所定値以下となったことがEC32によって感知された場合(ステップS14)には、制御部のフィルタドライバは、ハードディスクドライブ27におけるヘッド退避動作を解除する(ステップS15)。また、ステップS11において、EC32が所定値以上の抵抗値の変化量を感知しなかった場合には、ステップS14において再度抵抗値の変化量が所定値以下であることを確認し、ハードディスクドライブ27のヘッド退避動作を解除する。
【0023】
第1の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、本体ユニット12の内部に収容されるとともに、磁気ディスク47に対して情報の読み書きを行うヘッド48を有したハードディスクドライブ27と、本体ユニット12に対して被さった第1の位置P1と、本体ユニット12に対して起立した第2の位置P2との間で回転できる表示ユニット13と、表示ユニット13の設置角度を感知する感知部と、感知部で表示ユニット13の設置角度の変化を感知した際に、ヘッド48を退避位置に退避させる制御部と、を具備する。
【0024】
この構成によれば、感知部で表示ユニット13の動きを感知した際に、次の瞬間に衝撃がくることを予想して、制御部がヘッド48を退避位置に移動させることができる。これによって、例えばユーザが表示ユニット13の設置角度を操作した場合などに、ハードディスクドライブ27の磁気ディスク47が破損してしまうことを防止することができる。
【0025】
また、本実施形態において、感知部は、可変抵抗器34である。この構成によれば、感知部を簡単かつ安価な構造で実現することができる。また、感知部は、表示ユニット13が第1の位置P1にあることを検出する検出スイッチを兼ねているので、検出スイッチを別途に設ける場合に比して、部品点数を削減することができる。
【0026】
続いて、図6を参照して、電子機器の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、可変抵抗器に代えてロータリエンコーダが用いられる点で第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。第2の実施形態のポータブルコンピュータ11は、図1に示すものと同様の外観を有する。
【0027】
本実施形態では、感知部の一例として、ロータリエンコーダ51が用いられている。ロータリエンコーダ51は、本体部分44と、本体部分44から突出した回転軸部49と、を有している。本体部分44は、本体ケース23に例えばねじ止め等によって固定されている。第2の実施形態のポータブルコンピュータ11は、EC32においてロータリエンコーダ51のパルスを検出すると、制御部のフィルタドライバがヘッド退避指令を発令する。こうして、予めハードディスクドライブ27に加えられる衝撃を予測して、ヘッド48を安全な位置に退避させることが可能となる。
【0028】
本実施形態によれば、感知部は、ロータリエンコーダ51であるため、感知部を簡単且つ安価な構造で実現することができる。
【0029】
続いて、図7から図10を参照して、電子機器の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の電子機器の一例である電子ブックは、その外観が第1の実施形態のものと異なっているが、内部構造その他の部分は概ね共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。
【0030】
電子ブック61は、内蔵された記憶装置に記憶された小説等の文書を第1の表示部および第2の表示部に表示して、ユーザの読書等に用いられるものである。
【0031】
図8に示すように、電子ブック61は、第1の表示部64を有する第1のユニット62と、第2の表示部65を有する第2のユニット63と、第1のユニット62と第2のユニット63との間の位置に設けられるヒンジ部14と、を有している。ヒンジ部14は、第1のユニット62に対して第2のユニット63が被さったり、第1のユニット62に対して第2のユニット63が開いたりできるようにこれらを連結している。すなわち、第2のユニット63は、第1のユニット62に対して被さった第1の位置P1と、第1のユニット62に対して開いた第2の位置P2と、第1の位置P1と第2の位置P2との略中間に位置する第3の位置P3と、の間で回転することができる。第1の表示部64および第2の表示部65は、それぞれ例えば液晶ディスプレイで構成されている。
【0032】
続いて、図7から図9を参照して、本実施形態の電子ブック61のページ送り動作について説明する。まず、図8に示すように、第2のユニット63が第2の位置P2にある状態において、第2のユニット63が第1のユニット62に対して例えば100°〜180°開いていることを可変抵抗器34を介してEC32が感知する(ステップS21)。このとき、具体的には、抵抗値は、50Ωから90Ωの範囲内の値として測定される。この状態では、例えば第1の表示部64および第2の表示部65に文書の第1のページおよび第2のページ(当該ページ)が表示されている。
【0033】
続いて、ユーザが第1のユニット62および第2のユニット63に対して閉じ動作を行って、第2のユニット63が第3の位置P3になると、EC32は、第2のユニット63が第1のユニット62に対して例えば45°〜90°の位置まで閉じたことを感知する(ステップS22)。このとき、具体的には、抵抗値は、22.5Ωから45Ωの範囲内の値として測定される。
【0034】
そして、再びユーザが第1のユニット62および第2のユニット63に対して開き動作を行って、第2のユニット63が第2の位置P2になると、EC32は、第2のユニット63が第1のユニット62に対して例えば100°から180°開いたことを感知する(ステップS23)。このとき、抵抗値は、50Ωから90Ωの範囲内の値として測定される。
【0035】
これらステップS21からS23が所定の時間内、すなわち、本実施形態では、例えば1秒以内になされた場合には、制御部(OS)は、ページ送り動作がなされたと判断する。そして、制御部(OS)は、第1の表示部64および第2の表示部65の表示を第1のページおよび第2のページ(当該ページ)から、第3のページおよび第4のページ(次ページ)に切り換える(ステップS24)。
【0036】
一方、ページ戻しを行う場合には、まず、通常の使用状態にあるときに、EC32は、第2のユニット63が第1のユニット62に対して例えば100°〜180°開いていることを感知する。この状態では、例えば第1の表示部64および第2の表示部65に文書の第3のページおよび第4のページ(当該ページ)が表示されている。
【0037】
この状態から、ユーザが一旦第2のユニット63を第1のユニット62に完全に被さった状態にすると、EC32は、第2のユニット63が第1の位置P1になったことを感知する。そして、再びユーザが第1のユニット62および第2のユニット63に対して開き動作を行って、第2のユニット63を第2の位置P2にすると、EC32は、第2のユニット63が第1のユニット62に対して例えば100°から180°開いたことを感知する。これらステップが所定の時間内、すなわち、本実施形態では、例えば1秒間になされた場合には、制御部(OS)がページ戻し動作がなされたと判断する。そして、制御部(OS)は、第1の表示部64および第2の表示部65の表示を第3のページおよび第4のページ(当該ページ)から、第1のページおよび第2のページ(前のページ)に切り換える。このようにして、ページ戻し作業が実行される。
【0038】
本実施形態によれば、電子ブック61は、第1の表示部64を有した第1のユニット62と、第1のユニット62に対して被さった第1の位置P1と、第1のユニット62に対して開いた第2の位置P2と、第1の位置P1と第2の位置P2との略中間に位置する第3の位置P3と、の間で回転できるとともに、第2の表示部65を有した第2のユニット63と、第1の表示部64および第2の表示部65に文書の当該ページを表示させるとともに、所定の時間内に第2のユニット63を第2の位置P2から第3の位置P3に移動させ、且つ第3の位置P3から第2の位置P2に戻した際に、第1の表示部64および第2の表示部65に文書の当該ページの次にある次ページを表示させる制御部と、を具備する。
【0039】
この構成によれば、ユーザが開状態にある第2の位置P2から、半閉じ状態である第3の位置P3にして、再び開状態である第2の位置P2に第2のユニット63を移動させることによって、簡単に文書のページ送りをすることができる。これによって、例えば第1の表示部64および第2の表示部65にあるページ送りのアイコン等を操作することがなく、ユーザが簡単でかつ直感的なページの送り動作を行うことができる。
【0040】
なお、電子ブック61は、図10に示すように、第1のユニット62と第2のユニット63とに、それぞれ指を掛けるためのベルト66を設けてもよい。このようにベルト66を設けた場合には、ユーザは片手(左手)で電子ブック61の開閉の操作をすることができる。また、第1のユニット62および第2のユニット63を開閉する際に必要な力が小さく、且つ、第2のユニット63の重量が十分に大きい場合には、第2のユニット63に設けたベルト66を省略することもできる。
【0041】
続いて、図11を参照して、電子機器の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、表示部21の輝度等を制御する点でハードディスクドライブ27のヘッド48を退避する第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。第4の実施形態のポータブルコンピュータ11は、図1に示すものと同様の外観を有する。
【0042】
第4の実施形態では、まず、図1に示すような通常の使用状態において、EC32は、表示ユニット13が解放されたことを感知している(ステップS31)。また、このとき、EC32が可変抵抗器34を介して感知している現在の抵抗値は、メインメモリ42等に基準抵抗値として記憶される(ステップS32)。この状態で、ユーザが表示ユニット13の設置角度を操作すると(ステップS33)、EC32は、可変抵抗器34を介して抵抗値を感知する(ステップS34)。さらに、制御部(OS)は、基準抵抗値に対する現在の抵抗値の変化量に基づいて、表示部21の輝度・色彩を最適化して、ユーザに対して最も見やすいような制御を行う(ステップS35)。具体的には、ユーザの目に対して表示ユニット13が斜めになる場合には、例えば、輝度を高くし、かつ、色彩を濃い色にするような制御が行われる。
【0043】
第4の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、本体ユニット12に対して被さった第1の位置P1と、本体ユニット12に対して起立した第2の位置P2との間で回転できるとともに、表示部21を有する表示ユニット13と、表示ユニット13の設置角度を感知する感知部と、感知部で表示ユニット13の設置角度の変化を感知した際に、表示部21の輝度および色彩をユーザが見易いように調整する制御部と、を具備する。
【0044】
この構成によれば、表示ユニット13の設置角度の変化した場合にも、表示部21の輝度および色彩の調整を自動的に行って、ユーザが最も見易いように表示部21を表示することができる。これによって、ユーザが表示ユニット13の設置角度を操作した際に、個別に輝度・色彩を微調整する必要がなく、ユーザによる表示部21の視認性を向上できる。
【0045】
続いて、図12を参照して、電子機器の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、抵抗値の変化量で表示ユニット13の開閉回数を測定する点で、ハードディスクドライブ27のヘッド48を退避する第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。第5の実施形態のポータブルコンピュータ11は、図1に示すものと同様の外観を有する。
【0046】
第5の実施形態では、可変抵抗器34で測定した抵抗値の変化を表示ユニット13の開閉回数をカウントする手段として利用する。ポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12の内部に、記憶部の一例である不揮発性メモリ28やハードディスクドライブ27を収容している。
【0047】
ユーザが通常の使用において、表示ユニット13を開いたり、閉じたりする(ステップS41)。このとき、EC32は、可変抵抗器を介して抵抗値の変化量を感知する(ステップS42)。このEC32で感知された抵抗値の変化量は、制御部(OS)において表示ユニット13の開閉回数に換算され、開閉回数の累積値が、記憶部の一例である不揮発性メモリ28やハードディスクドライブ27に記憶される(ステップS43)。さらに、制御部では、この開閉回数の累積値が保守交換の基準回数以上か否かを判断する(ステップS44)。開閉回数の累積値が基準回数以上である場合には、制御部は、例えば表示部21に「ユーザサポートの窓口までご連絡ください」等のメッセージを表示する(ステップS45)。または、表示部21に具体的なメッセージを表示することはせずに、開閉回数の累積値を不揮発性メモリ28やハードディスクドライブ27に記憶しておき、修理等でポータブルコンピュータ11をメーカが回収した際に、ヒンジ部14の交換の要否を判断するための判断材料としてもよい。
【0048】
開閉回数の累積値が基準回数以下である場合には、制御部は、引き続き抵抗値の変化量を開閉回数に換算して、開閉回数の累積値を例えば不揮発性メモリ28やハードディスクドライブ27に記憶する(ステップS44)。
【0049】
本実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、本体ユニット12に対して被さった第1の位置P1と、本体ユニット12に対して起立した第2の位置P2との間で回転できる表示ユニット13と、表示ユニット13の設置角度を抵抗値の変化で感知する可変抵抗器34と、本体ユニット12の内部に収容されるとともに、可変抵抗器34で感知された抵抗値の変化量を累積して記憶する記憶部と、を具備する。
【0050】
この構成によれば、可変抵抗器34で感知した抵抗値の変化量に基づいて、ヒンジ部14の交換の要否を判断する判断材料にすることができる。
【0051】
電子機器は、上記実施形態に示したポータブルコンピュータ用に限らず、例えば携帯電話機のようなその他の電子機器に対しても実施可能である。その他、電子機器は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
11…ポータブルコンピュータ、12…本体ユニット、13…表示ユニット、14…ヒンジ部、21…表示部、27…ハードディスクドライブ、34…可変抵抗器、47…磁気ディスク、48…ヘッド、51…ロータリエンコーダ、61…電子ブック、62…第1のユニット、63…第2のユニット、64…第1の表示部、65…第2の表示部、P1…第1の位置、P2…第2の位置、P3…第3の位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示ユニットを有した電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイの開閉動作に起因した衝撃からハードディスク装置を保護した携帯通信端末が開示されている。この携帯通信端末では、CPUは、開状態検出スイッチおよび閉状態検出スイッチのいずれか一方の信号がONからOFFに変化したことを検出した場合には、使用者による携帯情報端末の開動作または閉動作が行われたと判断する。この場合には、動作が完了して開状態または閉状態になった瞬間に携帯通信端末に衝撃が発生することを予測して、HDDのヘッドを安全な位置に退避してHDDのディスクおよびヘッドが故障することを防止する。
【0003】
より詳細には、開状態検出スイッチは、携帯通信端末が開状態から所定角度閉じるまでの間はON状態を保つ。このため、CPUは、携帯通信端末が開状態から所定量閉じたときに使用者による閉動作を検出する。同様に、閉状態検出スイッチは、携帯通信端末が閉状態から所定角度開くまでの間はON状態を保つ。このため、CPUは、携帯通信端末が閉状態から所定量開いたときに使用者による開動作を検出する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−181188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般的な電子機器では、開状態のままでディスプレイの設置角度を調整したりする場合も多いが、上記従来の携帯通信端末では、開状態のままでディスプレイの設置角度を調整したりする場合に対応することができず、改良の余地があった。
【0006】
本発明の目的は、表示ユニットの位置に応じて制御を加えることができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る電子機器は、本体ユニットと、前記本体ユニットの内部に収容されるとともに、磁気ディスクに対して情報の読み書きを行うヘッドを有したハードディスクドライブと、前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体ユニットに対して起立した第2の位置との間で回転できる表示ユニットと、前記表示ユニットの設置角度を感知する感知部と、前記感知部で前記表示ユニットの設置角度の変化を感知した際に、前記ヘッドを退避位置に退避させる制御部と、を具備する。
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る電子機器は、第1の表示部を有した第1のユニットと、前記第1のユニットに対して被さった第1の位置と、前記第1のユニットに対して開いた第2の位置と、前記第1の位置と前記第2の位置との略中間に位置する第3の位置と、の間で回転できるとともに、第2の表示部を有した第2のユニットと、前記第1の表示部および前記第2の表示部に文書の当該ページを表示させるとともに、所定の時間内に前記第2のユニットを前記第2の位置から前記第3の位置に移動させ、前記第3の位置から前記第2の位置に戻した際に、前記第1の表示部および前記第2の表示部に前記文書の当該ページの次にある次ページを表示させる制御部と、を具備する。
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る電子機器は、本体ユニットと、前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体に対して起立した第2の位置との間で回転できるとともに、表示部を有する表示ユニットと、前記表示ユニットの設置角度を感知する感知部と、前記感知部で前記表示ユニットの設置角度の変化を感知した際に、前記表示部の輝度および色彩をユーザが見易いように調整する制御部と、を具備する。
【0010】
前記目的を達成するため、本発明の他の形態に係る電子機器は、本体ユニットと、前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体に対して起立した第2の位置との間で回転できる表示ユニットと、前記表示ユニットの設置角度を抵抗値の変化で感知する可変抵抗器と、前記本体ユニットの内部に収容されるとともに、前記可変抵抗器で感知された抵抗値の変化量を累積して記憶する記憶部と、を具備する。
【発明の効果】
【0011】
上記の構成によれば、表示ユニットの位置に応じて制御を加えることができる電子機器を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係るポータブルコンピュータを示す斜視図。
【図2】図1に示すポータブルコンピュータの制御構成を示したブロック図。
【図3】図1に示すポータブルコンピュータのヒンジ部の周囲を拡大して示した斜視図。
【図4】図3に示すポータブルコンピュータの感知部である可変抵抗器を示した斜視図。
【図5】第1の実施形態にかかるポータブルコンピュータのヘッド退避動作を示したフローチャート。
【図6】第2の実施形態にかかるポータブルコンピュータの感知部であるロータリエンコーダを示した斜視図。
【図7】第3の実施形態にかかる電子ブックのページ送り動作を示したフローチャート。
【図8】第3の実施形態にかかる電子ブックの第2のユニットが第2の位置にある状態を示した斜視図。
【図9】図8に示す電子ブックの第2のユニットを第2の位置から第3の位置に移動させた状態を示した斜視図。
【図10】第3の実施形態にかかる電子ブックの変形例を示した斜視図。
【図11】第4の実施形態にかかるポータブルコンピュータの表示部の輝度・色彩の最適化の流れを示したフローチャート。
【図12】第5の実施形態にかかるポータブルコンピュータのヒンジ部の保守交換の判断の流れを示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図1から図5を参照して、電子機器の第1の実施形態について説明する。本明細書において、手前側(即ちユーザ側)を前方向F、ユーザから見て奥側を後方向R、ユーザから見て左側を左方向、ユーザから見て右側を右方向、ユーザから見て上方を上方向、ユーザから見て下方を下方向と定義する。
【0014】
図1に示すように、電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、表示ユニット13と、本体ユニット12と表示ユニット13との間に設けられるヒンジ部14と、を備えている。ヒンジ部14は、表示ユニット13を回転可能に支持している。表示ユニット13は、本体ユニット12に対して被さった第1の位置P1と、本体ユニット12に対して起立した第2の位置P2との間で回転できる。
【0015】
表示ユニット13は、表示部21と、表示部21の周囲を取り囲む合成樹脂製のディスプレイケース22と、を有している。表示部21の一例として、本実施形態では、例えば液晶ディスプレイが用いられている。ディスプレイケース22は、金属製のものでもよい。
【0016】
図1から図4に示すように、本体ユニット12は、例えば、合成樹脂によって箱状に形成される本体ケース23と、本体ケース23の上面に取り付けられたキーボード24およびタッチパッド25と、本体ケース23の内部に収容されたプリント回路板26と、を備えている。図1では、キーボード24のうち、一部のキーのみを示している。
【0017】
また、本体ユニット12は、ハードディスクドライブ27(HDD)と、不揮発性メモリ28と、リアルタイムクロック31(RTC)と、EC32(エンベデッドコントローラ)と、電源回路33と、可変抵抗器34と、表示コントローラ35と、バッテリ36、をそれぞれ本体ケースの内部に収容している。本体ユニット12は、ACアダプタ37を外部に有している。
【0018】
プリント回路板26は、プリント配線板26Aと、プリント配線板26A上に固定されたCPU41と、プリント配線板26A上に固定されたメインメモリ42と、プリント配線板26A上に固定されたBIOS−ROM43と、を有している。本発明にいう制御部は、例えば、CPU41、メインメモリ42、不揮発性メモリ28、BIOS−ROM43、EC32、ソフトウェアで構成されるフィルタドライバ、ハードディスクコントローラ38、表示コントローラ35などを含んだ概念である。
【0019】
可変抵抗器34は、例えば、ヒンジ部14の軸部14Aの一方の端部に固定されている。可変抵抗器34は、表示ユニット13の設置角度を感知する感知部の一例である。この可変抵抗器34は、例えば、0Ωから100Ωの範囲で抵抗値を変化させることができる。表示ユニット13の設置角度は、抵抗値(絶対値)を利用して計測され、例えば、表示ユニット13が本体ユニット12に対して90°の角度をなしているときに、抵抗値が50Ωとなるように設定される。
【0020】
図4に示すように、可変抵抗器34は、本体部分44と、回転軸部49と、本体部分44から突出した端子部45と、例えば本体部分44から「L」字形に突出した固定部46と、を有している。この可変抵抗器34は、表示ユニット13が第1の位置P1にあることを検出するための検出スイッチを兼ねている。すなわち、制御部は、可変抵抗器34で感知された抵抗値が5Ω以下である場合には、表示ユニット13が閉じた状態と判断する。ハードディスクドライブ27は、磁気ディスク47と、磁気ディスク47に対して情報の読み書きを行うヘッド48と、を有している。
【0021】
続いて、図5を参照して、本実施形態のハードディスクドライブ27のヘッド退避の制御について説明する。まず、ユーザが表示ユニット13を操作して、表示ユニット13の設置角度を調整したとする。
【0022】
このとき、所定値を越える抵抗値の変化をEC32において感知すると(ステップS11)、制御部のフィルタドライバがヘッド退避指令を発令する(ステップS12)。ヘッド退避指令に従って、ハードディスクドライブ27でヘッド48が磁気ディスクから退避した退避位置に移動される(ステップS13)。そして、表示ユニット13の操作から所定時間経過した後に、抵抗値の変化量が所定値以下となったことがEC32によって感知された場合(ステップS14)には、制御部のフィルタドライバは、ハードディスクドライブ27におけるヘッド退避動作を解除する(ステップS15)。また、ステップS11において、EC32が所定値以上の抵抗値の変化量を感知しなかった場合には、ステップS14において再度抵抗値の変化量が所定値以下であることを確認し、ハードディスクドライブ27のヘッド退避動作を解除する。
【0023】
第1の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、本体ユニット12の内部に収容されるとともに、磁気ディスク47に対して情報の読み書きを行うヘッド48を有したハードディスクドライブ27と、本体ユニット12に対して被さった第1の位置P1と、本体ユニット12に対して起立した第2の位置P2との間で回転できる表示ユニット13と、表示ユニット13の設置角度を感知する感知部と、感知部で表示ユニット13の設置角度の変化を感知した際に、ヘッド48を退避位置に退避させる制御部と、を具備する。
【0024】
この構成によれば、感知部で表示ユニット13の動きを感知した際に、次の瞬間に衝撃がくることを予想して、制御部がヘッド48を退避位置に移動させることができる。これによって、例えばユーザが表示ユニット13の設置角度を操作した場合などに、ハードディスクドライブ27の磁気ディスク47が破損してしまうことを防止することができる。
【0025】
また、本実施形態において、感知部は、可変抵抗器34である。この構成によれば、感知部を簡単かつ安価な構造で実現することができる。また、感知部は、表示ユニット13が第1の位置P1にあることを検出する検出スイッチを兼ねているので、検出スイッチを別途に設ける場合に比して、部品点数を削減することができる。
【0026】
続いて、図6を参照して、電子機器の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、可変抵抗器に代えてロータリエンコーダが用いられる点で第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。第2の実施形態のポータブルコンピュータ11は、図1に示すものと同様の外観を有する。
【0027】
本実施形態では、感知部の一例として、ロータリエンコーダ51が用いられている。ロータリエンコーダ51は、本体部分44と、本体部分44から突出した回転軸部49と、を有している。本体部分44は、本体ケース23に例えばねじ止め等によって固定されている。第2の実施形態のポータブルコンピュータ11は、EC32においてロータリエンコーダ51のパルスを検出すると、制御部のフィルタドライバがヘッド退避指令を発令する。こうして、予めハードディスクドライブ27に加えられる衝撃を予測して、ヘッド48を安全な位置に退避させることが可能となる。
【0028】
本実施形態によれば、感知部は、ロータリエンコーダ51であるため、感知部を簡単且つ安価な構造で実現することができる。
【0029】
続いて、図7から図10を参照して、電子機器の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の電子機器の一例である電子ブックは、その外観が第1の実施形態のものと異なっているが、内部構造その他の部分は概ね共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。
【0030】
電子ブック61は、内蔵された記憶装置に記憶された小説等の文書を第1の表示部および第2の表示部に表示して、ユーザの読書等に用いられるものである。
【0031】
図8に示すように、電子ブック61は、第1の表示部64を有する第1のユニット62と、第2の表示部65を有する第2のユニット63と、第1のユニット62と第2のユニット63との間の位置に設けられるヒンジ部14と、を有している。ヒンジ部14は、第1のユニット62に対して第2のユニット63が被さったり、第1のユニット62に対して第2のユニット63が開いたりできるようにこれらを連結している。すなわち、第2のユニット63は、第1のユニット62に対して被さった第1の位置P1と、第1のユニット62に対して開いた第2の位置P2と、第1の位置P1と第2の位置P2との略中間に位置する第3の位置P3と、の間で回転することができる。第1の表示部64および第2の表示部65は、それぞれ例えば液晶ディスプレイで構成されている。
【0032】
続いて、図7から図9を参照して、本実施形態の電子ブック61のページ送り動作について説明する。まず、図8に示すように、第2のユニット63が第2の位置P2にある状態において、第2のユニット63が第1のユニット62に対して例えば100°〜180°開いていることを可変抵抗器34を介してEC32が感知する(ステップS21)。このとき、具体的には、抵抗値は、50Ωから90Ωの範囲内の値として測定される。この状態では、例えば第1の表示部64および第2の表示部65に文書の第1のページおよび第2のページ(当該ページ)が表示されている。
【0033】
続いて、ユーザが第1のユニット62および第2のユニット63に対して閉じ動作を行って、第2のユニット63が第3の位置P3になると、EC32は、第2のユニット63が第1のユニット62に対して例えば45°〜90°の位置まで閉じたことを感知する(ステップS22)。このとき、具体的には、抵抗値は、22.5Ωから45Ωの範囲内の値として測定される。
【0034】
そして、再びユーザが第1のユニット62および第2のユニット63に対して開き動作を行って、第2のユニット63が第2の位置P2になると、EC32は、第2のユニット63が第1のユニット62に対して例えば100°から180°開いたことを感知する(ステップS23)。このとき、抵抗値は、50Ωから90Ωの範囲内の値として測定される。
【0035】
これらステップS21からS23が所定の時間内、すなわち、本実施形態では、例えば1秒以内になされた場合には、制御部(OS)は、ページ送り動作がなされたと判断する。そして、制御部(OS)は、第1の表示部64および第2の表示部65の表示を第1のページおよび第2のページ(当該ページ)から、第3のページおよび第4のページ(次ページ)に切り換える(ステップS24)。
【0036】
一方、ページ戻しを行う場合には、まず、通常の使用状態にあるときに、EC32は、第2のユニット63が第1のユニット62に対して例えば100°〜180°開いていることを感知する。この状態では、例えば第1の表示部64および第2の表示部65に文書の第3のページおよび第4のページ(当該ページ)が表示されている。
【0037】
この状態から、ユーザが一旦第2のユニット63を第1のユニット62に完全に被さった状態にすると、EC32は、第2のユニット63が第1の位置P1になったことを感知する。そして、再びユーザが第1のユニット62および第2のユニット63に対して開き動作を行って、第2のユニット63を第2の位置P2にすると、EC32は、第2のユニット63が第1のユニット62に対して例えば100°から180°開いたことを感知する。これらステップが所定の時間内、すなわち、本実施形態では、例えば1秒間になされた場合には、制御部(OS)がページ戻し動作がなされたと判断する。そして、制御部(OS)は、第1の表示部64および第2の表示部65の表示を第3のページおよび第4のページ(当該ページ)から、第1のページおよび第2のページ(前のページ)に切り換える。このようにして、ページ戻し作業が実行される。
【0038】
本実施形態によれば、電子ブック61は、第1の表示部64を有した第1のユニット62と、第1のユニット62に対して被さった第1の位置P1と、第1のユニット62に対して開いた第2の位置P2と、第1の位置P1と第2の位置P2との略中間に位置する第3の位置P3と、の間で回転できるとともに、第2の表示部65を有した第2のユニット63と、第1の表示部64および第2の表示部65に文書の当該ページを表示させるとともに、所定の時間内に第2のユニット63を第2の位置P2から第3の位置P3に移動させ、且つ第3の位置P3から第2の位置P2に戻した際に、第1の表示部64および第2の表示部65に文書の当該ページの次にある次ページを表示させる制御部と、を具備する。
【0039】
この構成によれば、ユーザが開状態にある第2の位置P2から、半閉じ状態である第3の位置P3にして、再び開状態である第2の位置P2に第2のユニット63を移動させることによって、簡単に文書のページ送りをすることができる。これによって、例えば第1の表示部64および第2の表示部65にあるページ送りのアイコン等を操作することがなく、ユーザが簡単でかつ直感的なページの送り動作を行うことができる。
【0040】
なお、電子ブック61は、図10に示すように、第1のユニット62と第2のユニット63とに、それぞれ指を掛けるためのベルト66を設けてもよい。このようにベルト66を設けた場合には、ユーザは片手(左手)で電子ブック61の開閉の操作をすることができる。また、第1のユニット62および第2のユニット63を開閉する際に必要な力が小さく、且つ、第2のユニット63の重量が十分に大きい場合には、第2のユニット63に設けたベルト66を省略することもできる。
【0041】
続いて、図11を参照して、電子機器の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、表示部21の輝度等を制御する点でハードディスクドライブ27のヘッド48を退避する第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。第4の実施形態のポータブルコンピュータ11は、図1に示すものと同様の外観を有する。
【0042】
第4の実施形態では、まず、図1に示すような通常の使用状態において、EC32は、表示ユニット13が解放されたことを感知している(ステップS31)。また、このとき、EC32が可変抵抗器34を介して感知している現在の抵抗値は、メインメモリ42等に基準抵抗値として記憶される(ステップS32)。この状態で、ユーザが表示ユニット13の設置角度を操作すると(ステップS33)、EC32は、可変抵抗器34を介して抵抗値を感知する(ステップS34)。さらに、制御部(OS)は、基準抵抗値に対する現在の抵抗値の変化量に基づいて、表示部21の輝度・色彩を最適化して、ユーザに対して最も見やすいような制御を行う(ステップS35)。具体的には、ユーザの目に対して表示ユニット13が斜めになる場合には、例えば、輝度を高くし、かつ、色彩を濃い色にするような制御が行われる。
【0043】
第4の実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、本体ユニット12に対して被さった第1の位置P1と、本体ユニット12に対して起立した第2の位置P2との間で回転できるとともに、表示部21を有する表示ユニット13と、表示ユニット13の設置角度を感知する感知部と、感知部で表示ユニット13の設置角度の変化を感知した際に、表示部21の輝度および色彩をユーザが見易いように調整する制御部と、を具備する。
【0044】
この構成によれば、表示ユニット13の設置角度の変化した場合にも、表示部21の輝度および色彩の調整を自動的に行って、ユーザが最も見易いように表示部21を表示することができる。これによって、ユーザが表示ユニット13の設置角度を操作した際に、個別に輝度・色彩を微調整する必要がなく、ユーザによる表示部21の視認性を向上できる。
【0045】
続いて、図12を参照して、電子機器の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態の電子機器の一例であるポータブルコンピュータ11は、抵抗値の変化量で表示ユニット13の開閉回数を測定する点で、ハードディスクドライブ27のヘッド48を退避する第1の実施形態のものと異なっているが、他の部分は共通している。このため、主として第1の実施形態と異なる部分について説明し、共通する箇所については共通の符号を付して説明を省略する。第5の実施形態のポータブルコンピュータ11は、図1に示すものと同様の外観を有する。
【0046】
第5の実施形態では、可変抵抗器34で測定した抵抗値の変化を表示ユニット13の開閉回数をカウントする手段として利用する。ポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12の内部に、記憶部の一例である不揮発性メモリ28やハードディスクドライブ27を収容している。
【0047】
ユーザが通常の使用において、表示ユニット13を開いたり、閉じたりする(ステップS41)。このとき、EC32は、可変抵抗器を介して抵抗値の変化量を感知する(ステップS42)。このEC32で感知された抵抗値の変化量は、制御部(OS)において表示ユニット13の開閉回数に換算され、開閉回数の累積値が、記憶部の一例である不揮発性メモリ28やハードディスクドライブ27に記憶される(ステップS43)。さらに、制御部では、この開閉回数の累積値が保守交換の基準回数以上か否かを判断する(ステップS44)。開閉回数の累積値が基準回数以上である場合には、制御部は、例えば表示部21に「ユーザサポートの窓口までご連絡ください」等のメッセージを表示する(ステップS45)。または、表示部21に具体的なメッセージを表示することはせずに、開閉回数の累積値を不揮発性メモリ28やハードディスクドライブ27に記憶しておき、修理等でポータブルコンピュータ11をメーカが回収した際に、ヒンジ部14の交換の要否を判断するための判断材料としてもよい。
【0048】
開閉回数の累積値が基準回数以下である場合には、制御部は、引き続き抵抗値の変化量を開閉回数に換算して、開閉回数の累積値を例えば不揮発性メモリ28やハードディスクドライブ27に記憶する(ステップS44)。
【0049】
本実施形態によれば、ポータブルコンピュータ11は、本体ユニット12と、本体ユニット12に対して被さった第1の位置P1と、本体ユニット12に対して起立した第2の位置P2との間で回転できる表示ユニット13と、表示ユニット13の設置角度を抵抗値の変化で感知する可変抵抗器34と、本体ユニット12の内部に収容されるとともに、可変抵抗器34で感知された抵抗値の変化量を累積して記憶する記憶部と、を具備する。
【0050】
この構成によれば、可変抵抗器34で感知した抵抗値の変化量に基づいて、ヒンジ部14の交換の要否を判断する判断材料にすることができる。
【0051】
電子機器は、上記実施形態に示したポータブルコンピュータ用に限らず、例えば携帯電話機のようなその他の電子機器に対しても実施可能である。その他、電子機器は、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
11…ポータブルコンピュータ、12…本体ユニット、13…表示ユニット、14…ヒンジ部、21…表示部、27…ハードディスクドライブ、34…可変抵抗器、47…磁気ディスク、48…ヘッド、51…ロータリエンコーダ、61…電子ブック、62…第1のユニット、63…第2のユニット、64…第1の表示部、65…第2の表示部、P1…第1の位置、P2…第2の位置、P3…第3の位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ユニットと、
前記本体ユニットの内部に収容されるとともに、磁気ディスクに対して情報の読み書きを行うヘッドを有したハードディスクドライブと、
前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体に対して起立した第2の位置との間で回転できる表示ユニットと、
前記表示ユニットの設置角度を感知する感知部と、
前記感知部で前記表示ユニットの設置角度の変化を感知した際に、前記ヘッドを退避位置に退避させる制御部と、
を具備することを特徴とすることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記感知部は、可変抵抗器であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記感知部は、前記表示ユニットが前記第1の位置にあることを検出する検出スイッチを兼ねたことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記感知部は、ロータリエンコーダであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
第1の表示部を有した第1のユニットと、
前記第1のユニットに対して被さった第1の位置と、前記第1のユニットに対して開いた第2の位置と、前記第1の位置と前記第2の位置との略中間に位置する第3の位置と、の間で回転できるとともに、第2の表示部を有した第2のユニットと、
前記第1の表示部および前記第2の表示部に文書の当該ページを表示させるとともに、所定の時間内に前記第2のユニットを前記第2の位置から前記第3の位置に移動させ、且つ前記第3の位置から前記第2の位置に戻した際に、前記第1の表示部および前記第2の表示部に前記文書の当該ページの次にある次ページを表示させる制御部と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項6】
本体ユニットと、
前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体ユニットに対して起立した第2の位置との間で回転できるとともに、表示部を有する表示ユニットと、
前記表示ユニットの設置角度を感知する感知部と、
前記感知部で前記表示ユニットの設置角度の変化を感知した際に、前記表示部の輝度および色彩をユーザが見易いように調整する制御部と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
本体ユニットと、
前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体ユニットに対して起立した第2の位置との間で回転できる表示ユニットと、
前記表示ユニットの設置角度を抵抗値の変化で感知する可変抵抗器と、
前記本体ユニットの内部に収容されるとともに、前記可変抵抗器で感知された抵抗値の変化量を累積して記憶する記憶部と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項1】
本体ユニットと、
前記本体ユニットの内部に収容されるとともに、磁気ディスクに対して情報の読み書きを行うヘッドを有したハードディスクドライブと、
前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体に対して起立した第2の位置との間で回転できる表示ユニットと、
前記表示ユニットの設置角度を感知する感知部と、
前記感知部で前記表示ユニットの設置角度の変化を感知した際に、前記ヘッドを退避位置に退避させる制御部と、
を具備することを特徴とすることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記感知部は、可変抵抗器であることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記感知部は、前記表示ユニットが前記第1の位置にあることを検出する検出スイッチを兼ねたことを特徴とする請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記感知部は、ロータリエンコーダであることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
第1の表示部を有した第1のユニットと、
前記第1のユニットに対して被さった第1の位置と、前記第1のユニットに対して開いた第2の位置と、前記第1の位置と前記第2の位置との略中間に位置する第3の位置と、の間で回転できるとともに、第2の表示部を有した第2のユニットと、
前記第1の表示部および前記第2の表示部に文書の当該ページを表示させるとともに、所定の時間内に前記第2のユニットを前記第2の位置から前記第3の位置に移動させ、且つ前記第3の位置から前記第2の位置に戻した際に、前記第1の表示部および前記第2の表示部に前記文書の当該ページの次にある次ページを表示させる制御部と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項6】
本体ユニットと、
前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体ユニットに対して起立した第2の位置との間で回転できるとともに、表示部を有する表示ユニットと、
前記表示ユニットの設置角度を感知する感知部と、
前記感知部で前記表示ユニットの設置角度の変化を感知した際に、前記表示部の輝度および色彩をユーザが見易いように調整する制御部と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
本体ユニットと、
前記本体ユニットに対して被さった第1の位置と、前記本体ユニットに対して起立した第2の位置との間で回転できる表示ユニットと、
前記表示ユニットの設置角度を抵抗値の変化で感知する可変抵抗器と、
前記本体ユニットの内部に収容されるとともに、前記可変抵抗器で感知された抵抗値の変化量を累積して記憶する記憶部と、
を具備することを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−170929(P2011−170929A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35206(P2010−35206)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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