説明

電子機器

【課題】 マザーボード基板を使用して複数のプリント基板間の電気的な接続を行う電子機器のうち、特に対流による熱伝達が見込めない高真空環境下においてマザーボード基板の部品実装及びパターン設計に大きな影響を与えることなく、高い排熱特性を有する電子機器の筐体を提供する。
【解決手段】 電子機器内部に水平方向にマザーボード2を配置し、同マザーボード2に対し垂直方向にプリント基板5を複数配置する。プリント基板はモジュールフレーム4がねじ固定されており、モジュールフレーム4にはリテーナー10がねじ固定され、1枚のモジュールを構成する。モジュールは電子機器筐体の排熱面となる筐体外壁、ベースフレーム1およびサイドフレーム7に直接接触する構造となっており、高い排熱性能を確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、マザーボード基板を用いて複数のプリント基板との電気的な接続を行う電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
マザーボード基板は、コネクタを介して複数のプリント基板が挿抜される。マザーボード基板の実装された電子機器の筐体は、筐体内を流れる空気の対流冷却によって発熱部品の冷却を行うことが一般的である(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-77680号公報
【特許文献2】特開平10-62047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人工衛星に搭載される電子機器筐体は、周囲が高真空状態であるため伝熱形態が伝導及び放射の2形態に限られる。このため、電子機器筐体の衛星への取付け面(以下、筐体取付け面)への熱伝導が重要となる。
【0005】
また、電子機器の筐体を組み立てる場合、マザーボード基板と、コネクタを介してマザーボード基板に接続されるモジュール基板と、各基板を固定する筐体との位置関係を調整した後、マザーボード基板の位置を最後に固定する必要がある。このため、筐体におけるマザーボード基板のS面側に開口部を設けて、筐体外部からマザーボード基板にアクセスすることで、マザーボード基板を固定できる構造とすることが一般的である。また、モジュール基板の両端部は、マザーボード基板に垂直に立設したリテーナーに保持され、筐体に固定される。
【0006】
マザーボード基板の配置については、筐体取付け面に対して垂直に側壁に配置する場合と、水平に筐体下面に配置する場合がある。
前者の場合、モジュール基板の一端部を保持するリテーナーが筐体取付け面側に位置し、モジュール基板の排熱経路がリテーナーを経由して筐体取付け面へ放熱される1方向となるため、筐体上部において基板温度が上昇する。
後者の場合、排熱経路がモジュール基板の両端部を保持する2つのリテーナーを介して筐体取付け面へ放熱される2方向となるものの、前述した通りマザーボード基板のS面側に開口部を設ける都合上、筐体取付け面の面積を十分に確保できず、十分な排熱特性を得られない問題があった。
また、十分な排熱特性を得るために筐体の壁厚を厚くすると、電子機器筐体全体の質量や基板上に実装する部品の実装面積を犠牲にするという欠点もあった。
【0007】
この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、マザーボード基板を機器取付け面の下側に備えた電子機器において、マザーボード基板に接続されるプリント基板からの熱伝導による排熱性を高めることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による電子機器は、発熱部品の実装されたマザーボード基板と、上記マザーボード基板が取付けられるベースフレームと、上記マザーボード基板に対してコネクタにより電気的に接続されるプリント基板と、上記プリント基板が取付けられるとともに、当該コネクタ側に設けられベースフレームに当接して熱的に接続される取付け脚を有したモジュールフレームと、から成る複数のモジュールユニットと、上記モジュールユニットの側端部がそれぞれ当接して熱的に接続されるとともに、着脱可能に嵌め込まれる複数の嵌合部を有し、底面がベースフレームの底面と同じ高さに位置しベースフレームの側面から立設したサイドフレームとを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、プリント基板からサイドフレームを介して放熱する排熱パスを設けることができるので、より高い排熱性能を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明に係る実施の形態1による電子機器筐体の構成を示す分解斜視図である。
【図2】この発明に係る実施の形態1によるリテーナー取付け部の概念図である。
【図3】この発明に係る実施の形態1による電子機器筐体の排熱経路示す概念図である。
【図4】この発明に係る実施の形態2によるモジュール取付け部の概念図である。
【図5】この発明に係る実施の形態3によるモジュール取付け部の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る実施の形態1による電子機器の構成を示す図である。図1において、実施の形態1の電子機器は、マザーボード基板2が取付けられた矩形板状のベースフレーム1と、プリント基板5が取付けられたモジュールフレーム4と、矩形板状のサイドフレーム7と、矩形板状のサイドカバー8と、矩形板状のトップカバー9から構成され、ベースフレーム1、モジュールフレーム4、サイドフレーム7、サイドカバー8、及びトップカバー9は電子機器の筐体を構成する。この電子機器は、例えば人工衛星の構体パネルにおける機器取り付け面に取り付けられて、所定の信号処理を行う。
【0012】
ベースフレーム1は、マザーボード基板2がベースフレーム1の上部よりねじ固定されている。サイドフレーム7は、ベースフレーム1の側端面に取り付けられ、ベースフレーム1に対し垂直に立設し、ねじ固定されている。また、ベースフレーム1の一部がマザーボード基板2よりも高くなるように突起(後述する突起部35、36)が設けられている。
【0013】
マザーボード基板2には、配線パターンが形成されるとともに、プリント基板5との電気的な接続を行うためのコネクタ3がはんだ付けされている。また、マザーボード基板2には、ベースフレーム1の突起(後述する突起部36)が貫通する穴15が設けられている。
【0014】
プリント基板5には、配線パターンが形成されるとともに、集積回路部品、電気部品、及びマザーボード基板2への電気的な接続を行うためのコネクタ6がはんだ付けされている。集積回路部品、電気部品には発熱性部品が含まれる。プリント基板5は、モジュールフレーム4にねじ固定されている。
【0015】
モジュールフレーム4は、プリント基板5を保持する保持部の形成されたフレーム中枠(梁)と矩形状のフレーム外枠から構成される。モジュールフレーム4は、相対する両側の外枠における端縁部分に、リテーナー10がねじ固定されており、プリント基板5と合わせて1つのモジュールユニット17を構成している。また、モジュールフレーム4におけるリテーナー10の取り付けられた外枠は、リテーナー10の軸の延在方向に突き出した固定部18と、モジュールフレーム4の外枠下部中央から突き出した固定部19が設けられている。この固定部18、19は、ベースフレーム1に当接して熱的に接続される取付け脚を構成する。
リテーナー10は、例えば2つの棒の端面に、互いに斜面が突き合わさる楔が設けられ、2つの棒を貫通する雄ねじが回転することで、棒の端面の楔斜面ですべりを生じて2つの棒が横方向(軸に垂直な方向)に膨らむように構成されている。
【0016】
サイドフレーム7は、下部側面がベースフレーム1の側端面に接触して取り付けられ、ねじの締結力によってベースフレーム1に密着して固定される。サイドフレーム7には、マザーボード基板2上のコネクタ3へのモジュールユニット17の抜き差し時の案内(誘導)と、モジュールユニット17のリテーナー10への嵌合による保持固定と、を行うための溝30が設けられている。この溝30は、モジュールユニット17の側端部がそれぞれ当接して熱的に接続されるとともに、着脱可能に嵌め込まれる嵌合部を構成する。
また、サイドフレーム7は、下端部に板面から外側に突き出した突縁部が設けられ、当該突縁部に電子機器取り付け用のインタフェース(取付けねじ穴)が形成されている。モジュールフレーム4は、サイドフレーム7に保持されることで、マザーボード基板2の基板面に対して垂直に接続される。サイドフレーム7は、底面がベースフレーム1の底面と同じ高さに位置するように、ベースフレーム1の側面から立設している。
【0017】
図2は、モジュールユニット17におけるリテーナー取付け部の概念図である。図2に示される通り、モジュールフレーム4は端部に段部25が形成されており、段部25にリテーナー10が収納される構造となっている。また、プリント基板5とモジュールフレーム4は端面が概ね揃って互いに貼り合わされている。このため、プリント基板5、モジュールフレーム4及びリテーナー10が、サイドフレーム7の溝30によって挟持される構造となっている。
【0018】
モジュールユニット17は、リテーナー10が膨らむことによってサイドフレーム7の溝30に押圧力を生じ、この押圧力によってモジュールユニット17のマザーボード基板2に対する位置が固定される。また、この押圧力により、プリント基板5がサイドフレーム7の溝30内面に密着することとなる。
【0019】
また、モジュールフレーム4は、固定部19がマザーボード基板2に設けられた穴15を貫通し、固定部19がベースフレーム1の突起部(後述する突起部36)に直接接触する構造となっている。モジュールフレーム4の固定部19側にねじ穴を設けることで、ベースフレーム1より、ねじの締結力によりモジュールユニット17を引き込み固定することができる構造となっている。
【0020】
サイドフレーム4には、サイドカバー8が側面よりねじ固定される。また、サイドカバー8は、サイドフレーム7の他、下面よりベースフレーム1と、上面よりトップカバー9とねじ固定できる構造となっている。トップカバー9はサイドフレーム3の上面にも固定される。
また、ベースフレーム1上でサイドフレーム7が取り付けられない、サイドカバー8側の端部は、サイドカバー8の外面位置よりも外側方向に突き出しており、当該突き出し部に電子機器取り付け用のインタフェースが形成されている。
【0021】
トップカバー9は、複数の外部コネクタ挿入用開口穴61が設けられた板であり、サイドフレーム7及びサイドカバー8の上部側端部に取り付けられてねじにより固定される。この外部コネクタ挿入用開口穴61から挿入される外部コネクタ(図示せず)は、プリント基板5におけるコネクタ3と反対側の側端部に設けられたコネクタ60に嵌合させることができる。
【0022】
実施の形態1による電子機器は以上のように構成され、次のように組み立てられる。
まず、ベースフレーム1にマザーボード基板2を組み付ける。
モジュールフレーム4にプリント基板5及びリテーナー10を組み付け、モジュールユニット17を構成する。
ベースフレーム1の両側端部に、ベースフレーム1と直角(垂直)に2つのサイドフレーム7を対向配置して取付ける。
【0023】
次に、少なくとも3枚のモジュールユニット17を、間隔を空けてサイドフレーム7の溝30に挿入し、モジュールユニット17のプリント基板5のコネクタ6をマザーボード基板2のコネクタ3に嵌合させる。
このとき、モジュールユニット17とマザーボード基板2のコネクタ同士が確実に嵌合するように、ベースフレーム1に対するサイドフレーム7の位置を調整してから、ベースフレーム1とサイドフレーム7の固定ねじを増し締めし、ベースフレーム1とサイドフレーム7の位置を固定する。また、モジュールユニット17の固定部18、19とベースフレーム1の取付け部を、ベースフレーム1の裏面側から挿入されるねじにより固定する。
【0024】
その後、ベースフレーム1と直角(垂直)に2つのサイドカバー8を対向配置して取付け、サイドフレーム7及びサイドカバー8をロの字形状に組み合わせ、サイドカバー8をねじによりベースフレーム1及びサイドフレーム7に固定する。
【0025】
残りの全てのモジュールユニット17をサイドフレーム7の溝30に挿入し、モジュールユニット17のプリント基板5のコネクタ6をマザーボード基板2のコネクタ3に嵌合させる。また、モジュールユニット17の固定部18、19とベースフレーム1の取付け部(後述する突起部35、36)を、ベースフレーム1の裏面側から挿入されるねじにより固定する。更に、リテーナー10を膨脹させてモジュールユニット17をサイドフレーム7に保持する。
更に、サイドフレーム7及びサイドカバー8の上面から、トップカバー9をねじにより取付け固定することで、電子機器の筐体を形成する。
【0026】
このように構成された電子機器においては、マザーボード基板2をベースフレーム1に固定しマザーボード基板2とベースプレート1を1体として取扱う。また、サイドカバー8の取り付け部の上下2面を、ベースフレーム1及びトップカバー9側からねじ固定する構造とすることで、ベースフレーム1の位置をずらしたとしても、サイドカバー8を後から取り付けて筐体を構成できるようになる。
これにより、プリント基板5とマザーボード基板2及びサイドフレーム7の位置調整を、ベースフレーム1ごと、サイドフレーム7の側面から行えるようになる。
【0027】
したがって、ベースフレーム1にマザーボード基板2の位置調整のための大きな開口部を設ける必要がなくなり、筐体取付け面の面積を大きく確保でき、高い排熱特性を有することができるようになる。
また、上記構成は、電子機器筐体を構成するための最低限の構成要素であるため、排熱特性確保のために、質量増加に繋がる特別な構成要素を追加しなくても済む。
【0028】
また、マザーボード基板2に穴を設けて固定部19を後述する突起部36に当接させることにより、ベースフレーム1とモジュールフレーム4との接触箇所を増やすことができ、筐体取り付け面に対して効率的に排熱パスを設けることができるようになる。
【0029】
次に、実施の形態1による電子機器の排熱作用について説明する。
図3はプリント基板5からの排熱経路を示した図である。
プリント基板5上の発熱性部品から発する熱を放熱する経路は、両サイドフレーム7を通じて筐体取付け面に熱を流す経路11aと、ベースフレーム1を通じて筐体取付け面に熱を流す経路11bとが確保できるようになる。
すなわち、プリント基板5から発生した熱は、プリント基板5の表面から溝30内面を介してサイドフレーム7に伝導され、サイドフレーム7から経路11aによって筐体取付け面100に放熱される。
また、プリント基板5から発生した熱は、プリント基板5からモジュールフレーム4に伝導され、モジュールフレーム4から固定部18、19を通じて、ベースフレーム1の突起部35、36に伝導され、ベースフレーム1から経路11bによって筐体取付け面100に放熱される。
【0030】
これによって、プリント基板5の3方向から排熱をすることが可能となるため、高い排熱性能を確保できるようになる。また、プリント基板5上の温度分布を低く抑えることが可能となる。
【0031】
また、マザーボード基板2に穴を設けて、モジュールフレーム4の固定部19を、ベースフレーム1の突起部36に当接させ、モジュールユニット17の中央部に固定点を設けることで、モジュールユニット17の強度が増加し、モジュールフレーム4の軽量化を実施することができる。
【0032】
電子機器をこのように構成する際、プリント基板5において、例えばねじ固定部のような放熱用固定点を増やす必要もないので、プリント基板5の実装面積に与える影響を最小限にすることができる。
【0033】
また、モジュールユニット17のリテーナー10による固定部において、プリント基板5をサイドフレーム7の溝30内面と直接接触させる構造とすることにより、モジュールフレーム4を経由する以外に、プリント基板5からサイドフレーム7に直接放熱する排熱パスを設けることができるので、より高い排熱性能を得ることが可能となる。
【0034】
実施の形態1による電子機器は、発熱部品の実装されたマザーボード基板2と、マザーボード基板2が取付けられるベースフレーム1と、マザーボード基板2に対してコネクタ6により電気的に接続されるプリント基板5と、プリント基板5が取付けられるとともに、当該コネクタ側に設けられベースフレーム1に当接して熱的に接続される取付け脚(固定部18、19)を有したモジュールフレーム4とから成る複数のモジュールユニット17と、モジュールユニット17の側端部がそれぞれ当接して熱的に接続されるとともに、着脱可能に嵌め込まれる複数の嵌合部を有し、底面がベースフレーム1の底面と同じ高さに位置しベースフレーム1の側面から立設したサイドフレーム7と、を備えたことを特徴とする。これによって、プリント基板からサイドフレームを介して放熱する排熱パスを設けることができるので、より高い排熱性能を得ることが可能となる。
【0035】
また、プリント基板5及びモジュールフレーム4の側端部がそれぞれ当接して熱的に接続されることによって、プリント基板5からサイドフレーム7に直接放熱する排熱パスを設けることができる。
【0036】
また、取付け脚(固定部18、19)は、モジュールフレーム4の両側面底部と中央底部に設けられる。さらに、マザーボード基板2は、モジュールフレーム4の取付け脚(固定部18、19)がベースフレーム1まで通過する貫通穴15が設けられる。これによって、プリント基板5の3方向から排熱をすることが可能となるため、高い排熱性能を確保できるようになる。
【0037】
実施の形態2.
図4は、この発明に係る実施の形態2によるモジュールフレーム4の固定部の概念を示す図である。モジュールフレーム4の端面は、ねじ12によりサイドフレーム7の溝30の内面に固定される。また、プリント基板5とサイドフレーム7の溝30の間に、放熱シートを挟むことにより、プリント基板5からサイドフレーム7への熱伝導を促進するようにしても良い。
【0038】
実施の形態1では、リテーナー10を用いてモジュールフレーム4の固定を行っているが、この実施の形態2では、リテーナー10の代わりにねじによる締結方法を用いる。これによって、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、プリント基板5からの熱は、モジュールフレーム4を介してサイドフレーム7に排熱されることとなるが、前述の通り、放熱シートを介してプリント基板5からサイドフレーム7へ熱伝導するようにしても良い。
【0039】
実施の形態3.
図5は、この発明に係る実施の形態3の電子機器における、モジュールフレーム4の固定部を示す概念図である。上記の実施の形態1によるモジュールフレーム4の固定において、ベースフレーム1の突起部35、36と、モジュールフレーム4の固定部18、19が接触するよりも、電気的接続のためのコネクタ3とコネクタ6が先に接触すると、ベースフレーム1とモジュールフレーム4が接触しなくなり、排熱パスを確保できなくなる可能性がある。
【0040】
このため、実施の形態3では、コネクタの位置を細かくコントロールする必要がある。この場合、ベースフレーム1とモジュールフレーム4との間に接着剤のような間接熱伝導剤を用いることで、排熱パスを確保することができる。
なお、接着剤の変わりに熱伝導性のシートを挟みこむ形態でも、同様な効果を得ることができる。
【0041】
以上説明した実施の形態1乃至3による電子機器は、コネクタを用いてプリント基板とマザーボード基板を接続する構造を有した電子機器の内、真空中での使用、特に衛星搭載を目的とした電子機器筐体の排熱方法に利用することができる。
【0042】
なお、実施の形態1乃至3による上記説明では、熱伝導のみを考慮して、サイドフレーム7及びベースフレーム1から筐体取付け面へ排熱する場合について述べた。しかし、筐体外壁からの熱放射(輻射)、及び対流を持たせることができる場合についても、この発明を利用することができ、同様の効果を有することは言うまでもない。
【0043】
また、ベースフレーム1へのモジュールフレーム4の固定点を増加させることができるので、耐震性を要する電子機器筐体にも用いることができることもいうまでもない。
【符号の説明】
【0044】
1 ベースフレーム、2 マザーボード基板、3 コネクタ、4 モジュールフレーム、5 プリント基板、6 コネクタ、7 サイドフレーム、8 サイドカバー、9 トップカバー、10 リテーナー、17 モジュールユニット、18 固定部(取付け脚)、19固定部(取付け脚)、30 溝(嵌合部)、35 突起部、36 突起部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部品の実装されたマザーボード基板と、
上記マザーボード基板が取付けられるベースフレームと、
上記マザーボード基板に対してコネクタにより電気的に接続されるプリント基板と、上記プリント基板が取付けられるとともに、当該コネクタ側に設けられベースフレームに当接して熱的に接続される取付け脚を有したモジュールフレームと、から成る複数のモジュールユニットと、
上記モジュールユニットの側端部がそれぞれ当接して熱的に接続されるとともに、着脱可能に嵌め込まれる複数の嵌合部を有し、底面がベースフレームの底面と同じ高さに位置しベースフレームの側面から立設したサイドフレームと、
を備えた電子機器。
【請求項2】
マザーボード基板と、
上記マザーボード基板が取付けられるベースフレームと、
上記マザーボード基板に対してコネクタにより電気的に接続されるプリント基板と、プリント基板が取付けられるとともに、当該コネクタ側に設けられベースフレームに当接して熱的に接続される取付け脚を有したモジュールフレームと、から成る複数のモジュールユニットと、
上記モジュールユニットを構成するプリント基板及びモジュールフレームの側端部がそれぞれ当接して熱的に接続されるとともに、着脱可能に嵌め込まれる複数の嵌合部を有し、ベースフレームの側面から立設したサイドフレームと、
を備えた電子機器。
【請求項3】
上記取付け脚は、モジュールフレームの両側面底部と中央底部に設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
上記マザーボード基板は、上記モジュールフレームの取付け脚が上記ベースフレームまで通過する貫通穴が設けられたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
上記嵌合部は溝から構成され、
上記モジュールユニットのモジュールフレーム側端部にリテーナーが設けられて、当該リテーナーの膨張によりプリント基板及びモジュールフレームがそれぞれ当該溝に接触することを特徴とする請求項2に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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