説明

電子機器

【課題】外部機器が複数の外部入力端子の何れに接続されていても、容易に入力切換を行うことができる電子機器を提供する。
【解決手段】外部機器を接続するための複数の外部入力端子1と、接続された外部機器へ入力切換を行うために、前記外部入力端子1と関連付けられた項目を有したメニューを表示する表示手段4とを備えた電子機器であって、前記外部入力端子1への外部機器の接続もしくは接続解除を検出する端子挿抜検出手段3と、該端子挿抜検出手段3の検出結果に基づいて前記メニューにおける項目の表示順序を設定する制御手段5を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するもので、特に外部機器を接続するための複数の外部入力端子を備えている電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
モニタ装置やテレビジョン受像機などの映像機器は、記録再生装置やビデオカメラなどの外部機器を接続可能とするための様々な外部入力端子を備えている。特に、近年の映像機器では7系統を越える複数の外部入力端子を備えて構成されて映像機器も市販されている。そこで、使用者が所望の外部機器に入力切換を行うためには、例えばリモコン操作により、外部入力へ切り換えるためのボタンを押して映像機器の表示画面上に入力切換メニューを表示させ、その中からリモコンのカーソルキーなどで機器に関する項目の選択を行なうことにより外部機器の入力切換が行われる。
【0003】
しかし、外部機器が接続された端子によっては、前記メニュー画面において、所望の外部機器を選択するまで何度もカーソルキーを押さなければならない可能性がある。また、映像機器の薄型化に伴い、壁に寄せて映像機器を設置している場合には、背面側に備わっている端子に外部機器を接続することは非常に困難である。そのため、接続し易い特定の外部入力端子のみを使用することになりがちであり、接続を行った機器の入力切換メニューでの表示位置によっては、同様の不都合が入力切換を行なおうとするたびに生じることとなる。
【0004】
そこで、かかる煩わしさを解決するために、特許文献1では、複数の外部入力端子の各々に信号有無判別回路を設け、信号有りと判別した外部入力端子を自動的に選択することにより、使用者が複数の外部入力端子から現在入力中のビデオ信号を自動的に出力できる技術について開示されている。
【0005】
特許文献2では、ユーザが入力端子に対して優先順位の設定を行なうことで、希望する外部機器への入力の切り替えを少ない操作で行なうことが出来る技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平3−231582号公報
【特許文献2】特開2005−102002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、外部機器を再生状態にしたときに出力されるビデオ信号以外の出力信号を誤検出して入力切換を行なう可能性がある。例えば、録画装置のタイマー予約の開始等のビデオ信号の検出を行なうことにより、現在再生中の映像が一時的に中断されるなどの不測の動作を行なうおそれがあり、不都合を生ずる。
【0008】
また、特許文献2記載の技術では、外部機器の接続を行なうたびに優先順位の設定を行なう必要があるため、その優先順位の設定が逆に煩わしいという課題を有している。
そこで、本発明はかかる課題を解決する為になされたものであり、複数の外部入力端子を有した電子機器において、何れの端子に外部機器を接続したとしても、入力切換メニューにおいて即座に所望の外部機器に入力切換を行うことができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる電子機器は、外部機器を接続するための複数の外部入力端子と、接続された外部機器へ入力切換を行うために、前記外部入力端子と関連付けられた項目を有したメニューを表示する表示手段とを備えた電子機器であって、前記外部入力端子への外部機器の接続もしくは接続解除を検出する端子挿抜検出手段と、該端子挿抜検出手段の検出結果に基づいて前記メニューにおける項目の表示順序を設定する制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる電子機器によれば、何れの外部入力端子に外部機器を接続したとしても、入力切換メニューにおいて即座に所望の外部機器に入力切換を行うことができる電子機器を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施例に関するブロック構成図。
【図2】本発明の第1の実施例に関する説明図。
【図3】本発明の第1の実施例に関する説明図。
【図4】本発明の第1の実施例に関する説明図。
【図5】本発明の第1の実施例に関する説明図。
【図6】本発明の第2の実施例に関するブロック構成図。
【図7】本発明の第2の実施例に関する説明図。
【図8】本発明の第3の実施例に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施例について以下に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施可能である。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の実施例1について図1〜図5を用いて説明する。図1は、本発明に係るブロック構成図であり、端子1〜端子8を有した外部入力端子1と、映像処理手段2と、端子挿抜検出手段3と、表示手段4と、制御手段5と、不揮発メモリ6から構成される。外部入力端子1は、コンポジット映像端子、セパレート映像端子(S端子)、コンポーネント映像端子、D映像端子、HDMI(High Definition Multimedia Interface)端子、DVI(Digital Visual Interface)端子などで構成され、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダなどの記録再生装置やビデオカメラなどの外部機器(図示せず)が接続される。
【0014】
次に、動作について説明する。外部入力端子1には、種々の外部機器が接続され、映像信号が入力される。入力された映像信号は、映像処理手段2において所定の映像処理が施され、表示手段4に出力される。端子挿抜検出手段3は、外部入力端子1の何れの端子に外部機器が接続されたかを検出し、検出結果を判別信号として制御手段5に通知する。
【0015】
ここで、端子挿抜検出について具体的に述べる。図2は、外部入力端子1の内の1つの端子の構成を示すものであり、信号電極7、接地電極8を備えている。信号電極7は、接続された外部機器からの入力信号が映像処理手段2に入力されるためのものであり、接地電極8は接地されている。接地電極8は、電位検出用の伝送路が接続されており、伝送路には、一端が電源Vccに接続された抵抗Rのもう一端が接続されている。接地電極8の電位は伝送路を介して判別信号として端子挿抜検出手段3に入力される。端子に外部機器を接続する入力ケーブルのプラグが接続されていない状態であると、接地電極8の電位は電源Vccの電位にほぼ等しく、接続がなされるとグラウンド電位にほぼ等しい。端子挿抜検出手段3は、入力される判別信号がローレベルであるかハイレベルであるかを検出することで、外部機器が接続されたか否かの判断を行なう。尚、端子挿抜の検出は上記に限るものではない。
【0016】
不揮発メモリ6には、図3に示すような入力1〜入力8の項目を有した入力切換項目と端子1〜端子8の項目を有した外部入力端子との関係を示すテーブルが格納されている。以下、該テーブルを端子情報保持テーブルと呼ぶ。端子情報保持テーブルは、外部機器が外部入力端子1の何れに接続されているか、入力切換項目の何れに外部機器が割り当てられているかなどの関係を規定している。該入力切換項目の入力1〜入力8は、後述する表示手段4に表示される入力切換メニュー9の入力1〜入力8に対応付けられている。ここで入力切換メニューとは、外部入力端子に接続されている外部機器に入力切換を行なうために、表示手段に表示される複数の項目を有した一覧であるとする。
【0017】
制御手段5は、通知された判別信号に基づき、前記テーブルにおいて、現在、外部機器が割り当てられていない入力切換項目の検出を行ない、接続された外部機器を何れかの項目に割り当てて、結果を表示手段4に出力する。本実施例では、前記入力切換項目への割り当ては、外部機器が外部入力端子に接続された順に、入力切換項目の最上段から割り当てることとし、図3では、端子7にDVDレコーダが接続され、入力切換項目の最上段に割り当てられている。
【0018】
表示手段4は、不揮発メモリ6に格納されている前記テーブル情報に基づいて、図4に示すように入力切換メニュー9を映像信号に重畳してオンスクリーン表示する。図4は、図3を用いて上述した端子7にDVDレコーダが接続されている場合を示しており、入力切換メニュー中の入力7の表示位置が最上段に変更されている。使用者は例えばリモコン(図示しない)のカーソルキーによって図4中のカーソル10(斜線部)を入力1〜入力8の何れかの項目に合わせて決定キーを押すことで、所望の外部機器に入力切換を行なうことが出来る。尚、図4では単に入力7として表示しているが、入力切換メニュー上でリモコンの所定のキーを用いて接続されている外部機器名に名称を変更できるような構成としてもよい。あるいは、機器の設定を変更する設定変更メニュー(図示せず)などから所望の機器名を選択するなどして名称を変更できる設定としてもよい。
【0019】
次に、外部機器が複数接続されている場合について説明する。図5は、既に外部機器が接続されている状態で、更に別の外部機器を接続したときの端子情報保持テーブルの様子と、複数の外部機器が接続されている状態で何れか1つの外部機器の接続を解除したときの前記テーブルの様子を示している。
【0020】
図5(a)は端子3にDVDレコーダが接続されていて、入力切換項目の入力3にDVDレコーダの割り当てが行なわれている。図5(b)では、更に端子5にビデオカメラの接続を行なった場合を示しており、最上段に割り当てられていたDVDレコーダが入力切換項目の上から2番目に変更して割り当てられ、新たにビデオカメラが入力切換項目の最上段に割り当てられる様子を示している。図5(c)では、ビデオカメラの接続を解除した場合を示しており、解除する前は上から2番目に割り当てられていたDVDレコーダが最上段に割り当てられる様子を示している。このような構成とすることで、接続した外部機器に関して即座に入力切換を行なうことができ、更に以前から接続していた外部機器に入力切換を行なう際にも、最小限のカーソル移動で済むため使い勝手がよい。
【0021】
尚、本実施例では、端子挿抜検出手段3に入力される判別信号がローレベルであるかハイレベルであるかを検出することにより外部機器の接続を検出して入力切換メニューの項目の表示位置を変更する構成としたが、これに限らず外部機器からの入力信号を検出することで、前記入力切換メニューの項目の表示位置を変更する構成であってもよいし、上記した前記外部機器の接続の検出と前記外部機器からの入力信号の検出の両方を組み合わせた構成であってもよいことは言うまでもない。
【0022】
また、本実施例では、外部機器を接続した順に入力切換メニューの最上段から表示されるとしたが、これに限られず接続が古い順に表示されるとしてもよいことは言うまでもない。
【0023】
また、本実施例では、外部機器の接続を検出して入力切換メニューにおける項目の表示位置を変更する構成としているが、例えば、前記検出に基づいて入力切換メニューが表示されたときのカーソルの表示位置を接続がなされた機器に関する項目に合わせるような構成としてもよいことは言うまでもない。
【0024】
上記構成により、何れの外部入力端子に外部機器を接続したとしても、入力切換メニューの外部機器の表示位置を変更することで、外部機器の選択を容易に行なうことが可能な電子機器を提供することが可能となる。
【実施例2】
【0025】
次に、本発明の実施例2について説明する。基本的には実施例1と同様の構成及び動作からなり、実施例1と異なる点について図6、図7を用いて説明する。
【0026】
図6は、図1で示したブロック構成図に新たに時刻/日付取得手段11を追加した構成としている。時刻/日付取得手段11は、時刻や日付に関する情報を有している。端子挿抜検出手段3が外部入力端子1の何れの端子に外部機器が接続されたかを検出し判別信号として制御手段5に通知が行なわれると、制御手段5は前記時刻/日付取得手段11より時刻、日付等に関する情報を取得し、図7に示すテーブルとして記憶する。ユーザは、機器の設定変更メニュー(図示せず)などから入力切換メニューの項目の表示順序を時系列に並べ替えることができる。尚、本実施例では、時刻、日付等に関する情報を取得するとしたが、外部入力端子に外部機器が接続された回数を所定のメモリ(図示せず)に保持しておき、該回数の情報を用いて並べ替えを行なってもよい。
【0027】
上記構成により、前記テーブルの時刻、日付情報を用いることで、入力切換メニューの項目を外部機器の接続された時刻、日付に応じて時系列に並べ替えることが可能となり、接続がなされてから時間が経過している外部機器に対して優先的に入力切換を行ないたいときなどに有効である。
【実施例3】
【0028】
次に、本発明の実施例3について説明する。基本的には実施例1と同様の構成及び動作からなり、実施例1と異なる点について図8を用いて説明する。既に上述した実施例1では、何れの外部入力端子1に外部機器が接続されたとしても、端子情報保持テーブルにおいて入力切換項目の最上段から割り当て、入力切換メニュー9において最上段に前記接続した機器に係る項目が表示される構成としたが、本実施例では特定の外部入力端子につき外部機器の接続がなされたとしても、入力切換項目において常に同一の項目に割り当てられるような構成とする。
【0029】
図8は、上記した内容を示している。図8(a)では、DVDレコーダ、ビデオカメラの2つの外部機器が接続されており、図8(b)では、そこにBD(Blue−ray Disc)レコーダを端子4に接続を行なった様子を示している。図8(c)は、更に端子1にDVDプレーヤを接続した様子を示している。図8(a)及び図8(b)の何れにおいてもBDレコーダの表示位置は固定されており、入力切換項目の上から2段目に表示されている。BDレコーダ以外の機器の表示位置に関しては、該機器が接続された順に入力切換項目において上から順番に割り当てが行なわれている。このように、特定の外部入力端子に接続される機器に関しては、入力切換メニュー9での表示位置を固定にする。これにより、例えば、ユーザにとって前記BDレコーダの使用頻度が比較的高いのであれば、上記した構成とすることで、入力切換メニューにおいて常に上段に表示されるため、入力切換の際に使い勝手がよい。また、BDレコーダ以外の機器に関しても入力切換メニューの上段から表示されるため効率的に入力切換を行なうことが出来る。
【0030】
上記構成により、使用頻度の高い特定の機器に関する項目は入力切換メニューにおける表示位置を変化させず、前記特定の機器以外の機器に関しても即座に入力切換を行なうことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、外部入力端子に接続される外部機器の選択を効率的に行なうことが出来るため、特に、複数の外部入力端子を備えた電子機器に広く適用出来る。
【符号の説明】
【0032】
1 外部入力端子
2 映像処理手段
3 端子挿抜検出手段
4 表示手段
5 制御手段
6 不揮発メモリ
7 信号電極
8 接地電極
9 入力切換メニュー
10 カーソル
11 時刻/日付取得手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器を接続するための複数の外部入力端子と、
接続された外部機器へ入力切換を行うために、前記外部入力端子と関連付けられた項目を有したメニューを表示する表示手段とを備えた電子機器であって、
前記外部入力端子への外部機器の接続もしくは接続解除を検出する端子挿抜検出手段と、
該端子挿抜検出手段の検出結果に基づいて前記メニューにおける項目の表示順序を設定する制御手段を備えた電子機器。
【請求項2】
前記項目の表示順序は外部機器の接続が行われた順序に基づいて定まることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記項目の表示順序は所定の外部入力端子に関してあらかじめ設定されていることを特徴とする請求項1〜2の何れかに記載の電子機器。
【請求項4】
前記項目は接続されている外部機器に関連した表示名として表示可能であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の電子機器。
【請求項5】
前記外部入力端子と前記メニューに表示される項目との関係を記憶する記憶手段を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電子機器。
【請求項6】
前記メニューに表示される項目を選択するためのカーソルを備えており、前記制御手段は前記端子挿抜検出手段の検出結果に基づいて前記カーソルの表示位置を設定することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の電子機器。
【請求項7】
前記設定された項目の表示順序は時刻もしくは日付に関する情報に基づいて変更可能であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−259334(P2011−259334A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133565(P2010−133565)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】