説明

電子機器

【課題】 ユーザが光ディスクを光ディスク装置へ挿入する使い勝手が良く、かつ光ディスク装置への異物の誤挿入を防止すること。
【解決手段】 本体ケース7と、前面パネル3と、この前面パネル3に光ディスク12を挿入する挿脱口11を有する電子機器であって、本体ケース7に、光ディスク12に保持されたデータを再生する再生部10が収納され、挿脱口11と再生部10の間に光ディスク12の通過するガイド部材18を備え、このガイド部材18に下側開口部18aを設ける構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク装置を収納する電子機器に関し、特に挿入された光ディスクを光ディスク装置へ誘導するガイド部材を有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用として用いられる電子機器において、本体ケースと、前面パネルと、この前面パネルに光ディスクを挿入する挿脱口を有する電子機器であって、本体ケースに、光ディスクに保持されたデータを再生する再生部が収納され、挿脱口から再生部へ光ディスクを誘導するガイド部材を備えたものがある。
【0003】
例えば、図5に示すように、光ディスク装置10aへ光ディスク12を挿入するため、前面パネル3と光ディスク装置10aの間にガイド部材18を設ける構成がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平1−121193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の構造では、子供などが誤って光ディスクの挿入口に硬貨などの異物を挿入すると、挿入された異物がガイド部材により光ディスク装置の内部に安易に入り込み、電子機器が故障することがある。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、光ディスク装置への異物の誤挿入を防止することのできる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、本体ケースと、前面パネルと、この前面パネルに光ディスクを挿入する挿脱口を有する電子機器であって、本体ケースに、光ディスクに保持されたデータを再生する再生部が収納され、挿脱口と再生部の間に光ディスクの通過するガイド部材を備え、このガイド部材に下側開口部を設ける構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、従来の問題を解決するために、本体ケースと、前面パネルと、この前面パネルに光ディスクを挿入する挿脱口を有する電子機器であって、本体ケースに、光ディスクに保持されたデータを再生する再生部が収納され、挿脱口と再生部の間に光ディスクの通過するガイド部材を備え、このガイド部材に下側開口部を設ける構成としたため、光ディスク装置への異物の誤挿入を防止することのできる電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態にかかる電子機器を示す斜視図
【図2】(a)同電子機器の断面図(b)同電子機器のガイド部材の斜視図
【図3】同電子機器の断面図
【図4】同電子機器の収納部を示す図
【図5】従来の電子機器の断面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施例1)
以下、本発明の実施形態の電子機器について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、車両のコンソールボックスなどに取り付けられた電子機器1の全体斜視図を示している。電子機器1は、光ディスク12に保持された音楽データなどを再生する再生部10を収納している。再生部10は、図2に示す光ディスク装置10aが代表である。その他にも電子機器1は、ラジオ2等を本体ケース7に収納している。なお、本発明の実施形態では、再生部10が光ディスク装置10aであるとして説明する。
【0012】
また、電子機器1は前面パネル3を有し、前面パネル3には、機能を切り替える釦4aや電源/ボリュームつまみ4bに加えて、光ディスク装置10aへ光ディスク12を挿入する挿脱口11、ラジオ用のチューニングつまみ2a等が設けられている。また、内部には、ラジオ2、光ディスク装置10a等を制御する制御部(図示せず)が設けられている。
【0013】
図2(a)は、電子機器1に設けられた本発明の実施形態である前面パネル3の、図1中X−X位置における断面図である。
【0014】
図2(a)に示すように光ディスク装置10aは、情報が記録された光ディスク12を内部に収納可能な本体13と、この本体13の内部に対して光ディスク12を挿脱可能な開口11aと、本体13の内部に設けられ、光ディスク12を挟持した状態で回転することにより搬送可能な一対のローラである挿脱ローラ14とを備えている。
【0015】
本体13の内部には、挿脱口11から挿入された光ディスク12の再生を行う図示省略の再生機構が設けられている。
【0016】
ユーザにより挿入された光ディスク12は、ガイド部材18(図2(b)は、拡大した斜視図)により挿脱ローラ14まで誘導される。また、図2(a)、(b)に示すように、異物Aがユーザにより誤って挿入されたとしても、異物Aは、ガイド部材18の下側開口部18aから下側へ排出され、光ディスク装置10aの本体13には至らない。
【0017】
また、ユーザにより光ディスク12が斜め方向に挿入されたとしても、ガイド部材18には、リブ部18bを有しているので、光ディスク12は、下側開口部18aに引っかかることなく、挿脱ローラ14まで誘導される。
【0018】
よって、ユーザが光ディスク12を光ディスク装置10aへ挿入する際、使い勝手が良く、かつ光ディスク装置10aへの異物Aの挿入を防止することができる。
【0019】
さらに、ガイド部材18に下側開口部18aおよび/またはリブ部18bを設ける簡単な構造で、光ディスク12の挿入時の引っかかり防止と、異物Aの挿入防止を可能とする。つまり、ガイド部材18に下側開口部18aおよび/またはリブ部18bを設けるだけであるので、部品点数を増やすことがなく、生産コストを低減することができる。
【0020】
図3は、さらに収納部15を有する形態を示している。また、図4は、図3の形態において、前面パネル3を裏側から見た図を示している。
【0021】
前面パネル3の裏側には、釦6やつまみ4bを実装したプリント基板16が取り付けられ、このプリント基板16には、図1の釦4aによる機能切り替えや、図1のつまみ4bによるボリューム操作などを行う回路が実装されている。
【0022】
また、プリント基板16には、挿脱口11と勘合する孔が設けられ、挿脱口11に挿入された光ディスク12は、光ディスク装置10aへと搬送可能となっている。そして挿脱口11の本体ケース7側に、前面パネル3と本体ケース7の間に挿脱口11から侵入した所定の大きさの異物Aが通過可能な開口部15bを有する収納部15が設置されている。なお、ガイド部材18の下側開口部18aを通過した異物Aが収納部15の開口部15bも通過する構造とする。
【0023】
この収納部15は、本体ケース7と前面パネル3の間に設置されており、異物Aが誤挿入されたとき、異物Aは光ディスク装置10aに入ることなく、異物Aを一時収納可能な収納部15の下部のポケット15aへ落ちる。そして、ポケット15aは、前面パネル3の側面19に設けたスリット17に接続する構造となっている。なお、スリット17は、誤挿入された異物Aを前面パネル3および本体ケース7の外部へ取り出すことのできる開口部であればよく、形状は縦長の四角形に限らない。したがって、スリット17は、本体ケース7など別の箇所に設けられてもよい。
【0024】
また、収納部15に傾斜を設け、誤挿入された異物がポケット15aに集まる構造とすれば、より異物Aの排出が容易となる。
【0025】
また、サービス工場などでの電子機器1を車両から外し、本体ケース7を車両に取り付けた状態から略90度傾けることによりスリット17が下向きとなるようにすれば、電子機器1の本体ケース7や前面パネル3などを取り外して分解することなく、混入した異物Aを容易に取り出すことが可能となる。
【0026】
なお、収納部15は、前面パネル3の前方に設けたスリット17と接続され、異物Aを一時収納するのではなく、異物Aが誤挿入されるとそのままスリット17を通じて外部へ異物Aを排出する構造でもよい。この場合、スリット17に蓋を設ければ、収納部15に異物Aを一時収納する構造を特別に設けなくとも、一時収納可能となる。
【0027】
ここで、車両に取り付けられた電子機器1は、車両のサービス工場などでは、取り外すことはできても製品保証の問題などにより本体ケース7や前面パネル3などの筺体を分解することができない場合が多い。そうすると、取り外した電子機器を製造したメーカーに送らなければ修理ができないなど、非常に多くの手間や時間が必要になる。
【0028】
しかし、本発明の実施形態のように、混入した異物を電子機器1の機能に影響しない箇所へ誘導し、スリット17により容易に取り出すことのできる構造とすることにより、車両のサービス工場などでも異物Aを容易に取り出すことができる。
【0029】
以上説明したように、本発明の実施形態による電子機器1は、前面パネル3と本体ケース7の間に、挿脱口11から誤挿入された小型の異物Aを誘導する収納部15を設置している。そうすることにより、光ディスク装置10aの内部やプリント基板16の近くに異物Aが入ることを防止することのみならず、異物Aによる光ディスク装置10aの詰まりなど、様々な不具合を防止することができる。特に、サービス工場などでは、電子機器1を取り外すことはできても製品保証の問題から分解することができない場合が多い。そのような場合でも、本発明の実施形態のようにスリット17を設ければ、取り外した電子機器1を製造したメーカーに送り修理をするなどの手間を省くことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上のように、本発明にかかる電子機器は、本体ケースと、前面パネルと、この前面パネルに光ディスクを挿入する挿脱口を有する電子機器であって、本体ケースに、光ディス
クに保持されたデータを再生する再生部が収納され、挿脱口と再生部の間に光ディスクの通過するガイド部材を備え、このガイド部材に下側開口部を設ける構成としたので、光ディスク装置への異物の誤挿入を防止することができ、車両に搭載される音響機器などとして有用である。
【符号の説明】
【0031】
1 電子機器
2 ラジオ
3 前面パネル
4a、6 釦
4b 電源/ボリュームつまみ
7 本体ケース
10 再生部
10a 光ディスク装置
11 挿脱口
11a 開口
12 光ディスク
14 挿脱ローラ
15 収納部
15a ポケット
15b 開口部
16 プリント基板
17 スリット
18 ガイド部材
18a 下側開口部
18b リブ部
19 側面
A 異物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースと、前面パネルと、この前面パネルに光ディスクを挿入する挿脱口を有する電子機器であって、
前記本体ケースに、前記光ディスクに保持されたデータを再生する再生部が収納され、
前記挿脱口と前記再生部の間に前記光ディスクの通過するガイド部材を備え、このガイド部材に下側開口部を設ける構成とした電子機器。
【請求項2】
前記下側開口部にリブ部を設ける構成としたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記下側開口部を複数設ける構成としたことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記下側開口部を通過した異物を収納する収納部を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
前記収納部は、前記異物を前記前面パネルおよび前記本体ケースの外側に取り出し可能なスリットに接続されていることを特徴とする請求項4に記載の電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−142038(P2012−142038A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291928(P2010−291928)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】