説明

電子機器

【課題】 デジタルカメラなど携帯電子機器は回路基板の小型化と実装密度の増加によって、回路基板上にこのようなスペースを確保することが難しくなっている。
【解決手段】 電子部品が実装される回路基板と、前記回路基板に配置する第1の絶縁シートと、前記第1の絶縁シートに重ねて配置するとともに、前記第1の絶縁シートと接合される第2の絶縁シートと、前記第1の絶縁シートと前記第2の絶縁シートとの間に配線されるリード線とを有し、前記リード線の配線が禁止される領域にて、前記第1の絶縁シートと前記第2の絶縁シートとを接合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板とリード線を有する電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子回路が内蔵された様々な機器において、リード線を接着剤や両面粘着テープで回路基板上に固定することが行われている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−244698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リード線を回路基板に固定するためには、回路基板上にリード線を固定するためのスペースだけでなく、接着剤を塗布するスペースや両面粘着テープを貼着するスペースが必要となる。近年、デジタルカメラなど携帯電子機器は回路基板の小型化と実装密度の増加によって、回路基板上にこのようなスペースを確保することが難しくなっている。
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明の目的は、回路基板上にリード線を固定するためのスペース、接着剤を塗布するスペースもしくは両面粘着テープを貼着するスペースを確保する必要がない電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、電子部品が実装される回路基板と、前記回路基板に配置する第1の絶縁シートと、前記第1の絶縁シートに重ねて配置するとともに、前記第1の絶縁シートと接合される第2の絶縁シートと、前記第1の絶縁シートと前記第2の絶縁シートとの間に配線されるリード線とを有し、前記リード線の配線が禁止される領域にて、前記第1の絶縁シートと前記第2の絶縁シートとを接合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、回路基板上にリード線を固定するためのスペース、接着剤を塗布するスペースもしくは両面粘着テープを貼着するスペースを確保する必要がない電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態であるデジタルカメラを説明する図である。
【図2】マイクリード線221の配線構造を説明する図である。
【図3】マイクリード線221の配線作業の手順を説明する図である。
【図4】本発明の第2の実施例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0010】
図1(a)は本発明に係る電子機器であるデジタルカメラを前方向(被写体方向)から見た斜視図である。図1(b)は図1(a)に示したデジタルカメラの前カバー5を外した状態を前方向から見た斜視図である。図1(b)において、デジタルカメラ中央にレンズ鏡筒1が配置されている。
【0011】
レンズ鏡筒1を介して入射した被写体像は不図示の撮像素子に結像され、電気信号に変換される。
鏡筒1の右側には、絶縁シート3が配置されている。絶縁シート3は、ストロボ基板に実装されている電子部品が、金属製の前カバー5に接触することを防止するためのものである。ここで、前カバー5は外装部材に相当する。絶縁シート3はストロボ基板を覆うように配置され、前カバー5とストロボ基板を絶縁している。
【0012】
鏡筒1の右側および左側にマイクユニット2が配置されている。
ステレオ録音を行うためのマイクユニット2は、右側マイク本体211、左側マイク本体212を具備している。右側マイク本体211は鏡筒1の右側でストロボ基板61とストロボ発光部であるプリズム63の間に配置される。左側マイク本体212は鏡筒1の左側でカメラのメイン基板4上に配置される。左側マイク本体212はマイクホルダ7に保持されている。
【0013】
右側マイク本体211はマイクリード線221によってマイクコネクタ23に接続されている。左側マイク本体212は不図示のマイクリード線によってマイクコネクタ23に接続されている。それぞれのマイクリード線は、+側と−側の2本のリード線から成っている。マイクホルダ7にはマイクコネクタ23から右側マイク本体211につながるマイクリード線221を案内するためのリード線案内溝が形成されている。マイクホルダ7はメイン基板4上に配置した放熱板9に固定される。放熱板9は三脚部10の位置まで延出形成され、三脚部10と熱結合されている。マイクホルダ7も三脚部10の位置まで延出形成されている。
【0014】
マイクコネクタ23はメイン基板4に実装される基板コネクタに接続されている。マイクコネクタ23が接続される基板コネクタは、メイン基板4に実装されるオーディオICの近傍に実装されている。
【0015】
右側マイク本体211、左側マイク本体212をユニット化することで、マイク本体の生産ロットによる特性のばらつきを抑えることができる。すなわち、マイク本体の特性は生産ロットによって多少差が出るが、本実施例のように、左右のマイクをユニット化しておくことで、左右で異なる生産ロットのマイク本体を使ってしまうことがない。これによって、ステレオマイクの特性を調整する回路や調整工程を省略することができる。
【0016】
また、マイクコネクタ23が接続される基板コネクタがオーディオICの近傍に実装されているので、マイク本体からの信号線はメイン基板4に形成される他の信号線によるノイズの影響を受けにくく、ノイズを低減することができる。
【0017】
マイクユニット2を取り付ける際は、マイクコネクタ23をメイン基板4に実装される基板コネクタに差し込む。その後、右側マイク本体211に接続されているマイクリード線221を、マイクホルダ7に形成されるリード線案内溝に落とし込む。これによって、マイクリード線221はリード線案内溝によって案内される。マイクホルダ7は三脚部10まで延出形成され、リード線案内溝も三脚部10まで延出形成されているので、マイクリード線221は、リード線案内溝に沿ってマイクホルダ7の右端部71まで配線される。
【0018】
マイクリード線221は、マイクホルダ7の右端部71まで案内された後、絶縁性を有する2枚のシート材を重ねて構成した絶縁シート3の中に配線される。すなわち、マイクリード線221は、絶縁シート3を構成する2枚のシート材の間に挟み込まれる状態となる。
【0019】
マイクリード線221を絶縁シート3の間に挟み込んだ後、右側マイク本体211を、ストロボホルダ62に形成されるマイク保持部624に固定する。
【0020】
マイクリード線221のリード線案内溝に落とし込まれる部分では、2本のリード線がツイストされている。これにより、メイン基板4に形成される他の信号線によるノイズの影響を受けにくく、ノイズを低減することができる。また、2本のリード線がツイストされていない状態では、リード線の暴れが起きやすく、2本のリード線を同時にリード線案内溝に落とし込むのは手間がかかる。しかし、2本のリード線がツイストされることで、マイクリード線221をリード線案内溝に落とし込みやすくなる。
【0021】
一方、マイクリード線221の絶縁シート3の間に挟み込まれる部分では、2本のリード線はツイストされていない。2本のリード線を横方向に並べて配線する場合には、2本のリード線の縦方向の寸法は最大でも1本のリード線の外径寸法となる。しかし、2本のリード線をツイストすると、2本のリード線の縦方向の寸法は最大で2本のリード線の外径寸法となる。したがって、ツイストしたリード線の周囲に十分なクリアランスが確保されていない部分に配線する場合には、リード線が圧迫されることで、リード線がダメージを受けることが考えられる。
【0022】
マイクホルダ7のリード線案内溝のようにリード線の周囲に十分なクリアランスが確保されている部分に配線する場合には、組み立て性やノイズの低減の観点から2本のリード線はツイストした方が好ましい。しかし、リード線の周囲に十分な空間が確保されていない部分に配線する場合には、信頼性の観点から2本のリード線はツイストしない方が好ましい。
【0023】
前カバー5には右側マイク本体211に対応する位置にマイク穴511が設けられており、左側マイク本体212に対応する位置にマイク穴512が設けられている。右側マイク本体211はマイク穴511を通して集音する。左側マイク本体212はマイク穴512を通して集音する。
【0024】
図2は、鏡筒1の右側におけるマイクリード線221の配線構造を説明する図である。
図2(a)は鏡筒1の右側における分解斜視図である。ストロボユニット6は、ストロボホルダ62と、ストロボホルダ62に配置されるストロボ基板61と、プリズム63によって構成される。
図2(b)は、マイクリード線221が上側絶縁シート31と下側絶縁シート32との間に配線され、右側マイク本体211がストロボホルダ62に形成されるマイク保持部624に固定された状態を示している。
図2(c)は、図2(b)に示すA−A断面図である。
【0025】
ストロボ基板61には、発光開始・停止や充電を制御する回路素子が実装されている。ストロボ基板61はストロボホルダ62に形成されたボス621、622によって位置決めされ、ビス締めされることで、ストロボホルダ62に固定されている。
【0026】
絶縁シート3は、上側絶縁シート31、下側絶縁シート32から構成されており、第1の両面テープ33によって上側絶縁シート31と下側絶縁シート32とが接合されている。ここで、ストロボ基板61は回路基板として機能する。下側絶縁シート32は第1の絶縁シートに相当し、上側絶縁シート31は第2の絶縁シートに相当する。また、第2の両面テープ34によって下側絶縁シート32とストロボ基板61とが貼りあわされることで、絶縁シート3はストロボ基板61に配置される。上側絶縁シート31、下側絶縁シート32、第1の両面テープ33および第2の両面テープ34は絶縁性を有する材料で形成されている。
【0027】
下側絶縁シート32には穴321が形成され、ストロボホルダ62に形成されるボス621が穴321に挿通させる、下側絶縁シート32の右端部322をストロボホルダ62に設けられたリブ623の外形に沿わせる。これによって、下側絶縁シート32はストロボホルダ62に対して位置決めされる。
【0028】
下側絶縁シート32はシート表面を軽度のマット処理することで乳白色としている。下側絶縁シート32が無色透明であると、下側絶縁シート32の穴321の位置や下側絶縁シート32の右端322の位置を識別しにくくなってしまう。本実施例では、下側絶縁シート32を乳白色に色付けすることで、下側絶縁シート32の穴321の位置や下側絶縁シート32の右端322の位置を識別しやすくしている。また、下側絶縁シート32はストロボホルダ62に位置決めしたときに、ストロボ基板61を視認することができる程度の透明性も有している。これによって、下側絶縁シート32をストロボホルダ62に位置決めしたときに、ストロボ基板61の状態を目視チェックすることも可能となっている。本実施例では、透明のシート表面を軽度のマット処理することで着色したが、シート母材に染料を加え薄く着色することで有色透明のシートとしても同様の作用効果を奏する。
【0029】
上側絶縁シート31は無色透明のシートで形成されている。これは、上側絶縁シート31と下側絶縁シート32との間にマイクリード線221を挟み込んだ後、マイクリード線221の状態を目視チェックするためである。また、第1の両面テープ33によって上側絶縁シート31と下側絶縁シート32とが接合された状態で、上述したように、下側絶縁シート32はストロボホルダ62に位置決めされる。したがって、上側絶縁シート31と下側絶縁シート32とを接合する際には、図2(b)に図示するように、上側絶縁シート31が下側絶縁シート32の穴321や下側絶縁シート32の右端322と重ならないように、両者を接合する。下側絶縁シート32をストロボホルダ62に位置決めするときには、上側絶縁シート31と下側絶縁シート32とが貼りあわされた状態となっている。このとき、上側絶縁シート31が無色透明のシートでなければ、上側絶縁シート31と下側絶縁シート32とが重なる部分では、上述したストロボ基板61の状態の目視チェックが困難になってしまう。
【0030】
図2(b)に図示するように、マイクリード線221は、第1の両面テープ33によって上側絶縁シート31と下側絶縁シート32とが接合された後に、上側絶縁シート31と下側絶縁シート32との間に配線される。したがって、マイクリード線221は上側絶縁シート31と下側絶縁シート32との間のうち、第1の両面テープ33が貼られている領域以外の領域に配線される。すなわち、上側絶縁シート31と下側絶縁シート32との間のうち、マイクリード線221の配線が禁止される領域に第1の両面テープ33を貼着すればよい。
【0031】
図2(a)に図示するように、上側絶縁シート31には、下側絶縁シート32と重ならない非重合領域が形成される。非重合領域の先端部311は、デジタルカメラの外形から突出するように形成されている。これによって、マイクリード線221を上側絶縁シート31の下方からデジタルカメラの外形に沿ってたぐり上げるだけで、マイクリード線221は簡単に上側絶縁シート31の下に配線することができる。すなわち、上側絶縁シート31をめくる必要なく、マイクリード線221を上側絶縁シート31の下に配線することができ、上側絶縁シート31と下側絶縁シート32との間にマイクリード線221を入れる作業を効率よく行うことができる。
【0032】
上述したように、マイクリード線221は上側絶縁シート31と下側絶縁シート32との間のうち、第1の両面テープ33が貼られている領域以外の領域に配線される。したがって、組立作業性の改善やマイクリード線221の長さのばらつきなどから、マイクリード線221の配線が禁止される領域を変更する場合には、第1の両面テープ33の形状や貼着位置を変更するだけでよい。
【0033】
図2(a)、あるいは図2(c)に図示するように、前カバー5には、カバーリングを貼着する際に位置決めとして機能する半抜き形状部が形成されている。本実施例では、前カバー5の外側から内側に半抜き形状を形成しているので、前カバー5の内側にはエッジ部51が形成される。このエッジ部51はストロボ基板61に対して最も近接する箇所の一つとなる。そして、図2(c)に図示するように、エッジ部51と対向するストロボ基板61にはDC−DCコンバータの発振トランス611が実装されている。したがって、エッジ部51と対向する領域は、上側絶縁シート31と前カバー5とのクリアランスが少ない領域となっている。
【0034】
図2(c)において、エッジ部51の下にマイクリード線221が配線されると、マイクリード線221がエッジ部51と発振トランス611との間に挟まれるおそれがある。さらに、エッジ部51は鋭利な形状であるため、エッジ部51がマイクリード線221にダメージをあたる可能性も高い。このような点を考慮して、本実施例では、上側絶縁シート31と下側絶縁シート32との間のうち、エッジ部51と対向する領域に第1の両面テープ33を貼着している。これによって、マイクリード線221がエッジ部51と対向する領域がマイクリード線221の配線が禁止される領域となり、マイクリード線221がダメージを受けることを防止することができる。
【0035】
図3はマイクリード線221の配線作業の手順を説明する図である。
図3(a)はストロボ基板61に絶縁シート3を貼着した状態を示している。絶縁シート3は、上側絶縁シート31と下側絶縁シート32とを貼りあわされた状態で、ストロボホルダ62に対して位置決めされ、第2の両面テープ34によって下側絶縁シート32をストロボ基板61に貼着する。
【0036】
図3(b)はマイクリード線221を上側絶縁シート31と下側絶縁シート32の間に入れる直前の状態を示している。
【0037】
図1(b)に図示するように、マイクリード線221は、リード線案内溝に沿ってマイクホルダ7の右端部71まで配線される。作業者は右側マイク本体211を持って、マイクリード線221を上側絶縁シート31の先端部311から上側絶縁シート31の下にくぐらせる。そして、マイクリード線221が下側絶縁シート32の上を通す。本実施例では、上側絶縁シート31の下に下側絶縁シート32が重なっていない第1の非重合領域と、下側絶縁シート32の上に上側絶縁シート31が重なっていない第2の非重合領域322とが近接している。これによって、作業者が上側絶縁シート31をめくらなくても、マイクリード線221を上側絶縁シート31と下側絶縁シート32の間に入れることができる。
【0038】
図3(c)はマイクリード線221を上側絶縁シート31と下側絶縁シート32の間に配線した後、右側マイク本体211をストロボホルダ62に設けたマイク保持部624に固定した状態を示している。この状態で、上側絶縁シート31の先端部311は図3(a)および(b)に示す状態と同じ状態である。
【0039】
図3(d)は上側絶縁シート31の先端部311を底面カバー11の内側に差し込んだ状態を示している。
【0040】
図3(a)ないし(c)に図示するように、上側絶縁シート31の先端部311はデジタルカメラの外形から突出するように形成されている。デジタルカメラの外形から突出した先端部311を底面カバー11の内側に差し込むことで、前カバー5の取り付け作業時に上側絶縁シート31がめくれることがない。また、マイクリード線221はマイクホルダ7の右端部71から上側絶縁シート31に覆われるので、前カバー5の取り付け作業時にマイクリード線221が引きずり出されてしまうこともない。
【実施例2】
【0041】
図4を用いて本発明の第2の実施例を説明する。第1の実施例と同様である部分については説明を省略する。
図4(a)は絶縁シート8の形状を説明する図で、図4(b)はマイクリード線221の配線状態を説明する斜視図である。
図4(a)において、絶縁シート8は、絶縁シート本体82および両面テープ81によって構成される。両面テープ81は絶縁シート本体82に貼着されている。絶縁シート本体82および両面テープ80および81は絶縁性を有する材料で形成されている。
【0042】
絶縁シート本体82には穴821が形成され、ストロボホルダ62に形成されるボス621が穴821に挿通させ、絶縁シート本体82の右端部823をストロボホルダ62に設けられたリブ623の外形に沿わせる。これによって、絶縁シート本体82はストロボホルダ62に対して位置決めされる。
【0043】
両面テープ81および83は、一方面が絶縁シート本体82に貼着され、他方面がストロボ基板61に貼着される。これによって、絶縁シート本体82はストロボ基板61に貼着される。第1の実施例の第1の両面テープ33と同じように、両面テープ81はエッジ部51と対向する領域に貼着されている。
【0044】
絶縁シート本体82には、スリット824が形成されている。スリット824の幅はマイクリード線221の外径寸法より小さくなるように形成されている。第1のスリット824の端には、リード線固定部825が形成される。リード線固定部825は、2本のリード線で構成されるマイクリード線221が十分安定して入ることができるよう、マイクリード線221の外径寸法の2倍より大きな直径を有する。すなわち、スリット824の幅とリード線固定部825の直径との間には差がある。このため、マイクリード線221をリード線固定部825まで入れてしまえば、マイクリード線221はリード線固定部825から抜けてしまうことはない。また、リード線固定部825を曲線で形成することによって、スリット824の端部から生じる破断を防止することができる。
【0045】
両面テープ83は穴821の近傍およびスリット824の上端部に貼着される。穴821の近傍にて絶縁シート本体82がストロボ基板61に貼着されることで、絶縁シート本体82がボス621から抜けることがない。また、スリット824の上端部にて絶縁シート本体82がストロボ基板61に貼着されることで、マイクリード線221をスリット824に入れやすくなる。マイクリード線221をスリット824に入れる作業を行う際に、作業者は右側マイク本体211を持って、マイクリード線221を絶縁シート本体82の先端部822から絶縁シート本体82の下にくぐらせて、マイクリード線221をスリット824に入れる。このとき、スリット824の上端部が両面テープ83でストロボ基板61に貼着され、スリット824の下端部は貼着されていないので、スリット824の下端部だけが持ち上がる。これによって、作業者は絶縁シート本体82をめくることなく、マイクリード線221をスリット824に入れることができる。
【0046】
図4(b)に図示するように、マイクリード線221を絶縁シート本体82の先端部822をくぐらせて、スリット824からリード線固定部825に入れる。これによって、マイクリード線221は絶縁シート本体82の上に導かれる。本実施例ではこのようにして、マイクリード線221を絶縁シート本体82の上下に配線する。
【0047】
両面テープ81はエッジ部51と対向する領域で、絶縁シート本体82とストロボ基板61とを接合している。したがって、マイクリード線221が絶縁シート本体82とストロボ基板61との間に配線される場合には、両面テープ81が貼られている部分がマイクリード線221の配線が禁止される領域となる。
【0048】
前カバー5のエッジ部51と対向する領域では、マイクリード線221を絶縁シート本体82の下に配線され、かつエッジ部51と対向する領域で絶縁シート本体82はストロボ基板61に貼着されている。したがって、エッジ部51と対向する領域にマイクリード線221が配線されることがなく、上述した第1の実施例と同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0049】
31 上側絶縁シート
32 下側絶縁シート
33 第1の両面テープ
34 第2の両面テープ
61 ストロボ基板
81 両面テープ
82 絶縁シート本体
221 マイクリード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が実装される回路基板と、
前記回路基板に配置する第1の絶縁シートと、
前記第1の絶縁シートに重ねて配置するとともに、前記第1の絶縁シートと接合される第2の絶縁シートと、
前記第1の絶縁シートと前記第2の絶縁シートとの間に配線されるリード線とを有し、
前記リード線の配線が禁止される領域にて、前記第1の絶縁シートと前記第2の絶縁シートとを接合することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記第1の絶縁シートには、前記回路基板に配置する際の位置決めとなる位置決め部が形成され、
前記第2の絶縁シートは前記位置決め部に重ならないように、前記第1の絶縁シートに重ねて配置することを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記第1の絶縁シートは有色透明な材料で形成され、前記第2の絶縁シートは無色透明な材料で形成されることを特徴とする請求項1または2の記載の電子機器。
【請求項4】
前記第2の絶縁シートには、前記第1の絶縁シートと重ならない非重合領域が形成され、前記非重合領域の先端部が電子機器の外形から突出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
絶縁性を有する両面テープによって、前記第1の絶縁シートと前記第2の絶縁シートとを接合することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記第2の絶縁シートを覆うように配置される外装部材を有し、前記第2の絶縁シートと前記外装部材とのクリアランスが少ない領域を前記リード線の配線が禁止される領域とすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
電子部品が実装される回路基板と、
前記回路基板に配置する絶縁シートと、
前記回路基板と前記絶縁シートとの間に配線されるリード線とを有し、
前記リード線の配線が禁止される領域にて、前記回路基板と前記絶縁シートとを接合することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
前記絶縁シートの先端部が電子機器の外形から突出することを特徴とする請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
絶縁性を有する両面テープによって、前記回路基板と前記絶縁シートとを接合することを特徴とする請求項7または8項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記絶縁シートを覆うように配置される外装部材を有し、前記絶縁シートと前記外装部材とのクリアランスが少ない領域を前記リード線の配線が禁止される領域とすることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1項に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−164750(P2012−164750A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22863(P2011−22863)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】