電子機器
【課題】タッチパネル式の表示部に使用される入力用のペンの収納時およびそのペンをスタンドとして用いる場合に、動作が煩雑になるのを抑制することが可能な電子機器を提供する。
【解決手段】この携帯電話100(電子機器)は、本体部1と、タッチパネル式の表示部2と、表示部2に使用されるスタイラスペン4と、スタイラスペン4が入力用のペンとして用いられる場合にスタイラスペン4を外すことが可能なように着脱可能に保持するペン保持部5とを備え、スタイラスペン4がペン保持部5に装着された状態で、本体部1のスタンドとして機能するスタンド位置と、入力用のペンとして用いられず、かつ、スタンドとして機能しない非使用時に配置する収納位置とにスタイラスペン4を移動可能なように構成されている。
【解決手段】この携帯電話100(電子機器)は、本体部1と、タッチパネル式の表示部2と、表示部2に使用されるスタイラスペン4と、スタイラスペン4が入力用のペンとして用いられる場合にスタイラスペン4を外すことが可能なように着脱可能に保持するペン保持部5とを備え、スタイラスペン4がペン保持部5に装着された状態で、本体部1のスタンドとして機能するスタンド位置と、入力用のペンとして用いられず、かつ、スタンドとして機能しない非使用時に配置する収納位置とにスタイラスペン4を移動可能なように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器に関し、特に、タッチパネル式の表示部に使用される入力用のペンを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネル式の表示部に使用される入力用のペンを備えた電子機器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、本体部と、タッチパネルディスプレイと、タッチパネルディスプレイに使用される入力用のスタイラスペンと、本体部の側面に設けられたスタイラスペンを収納するための細長溝とを備えたタブレットPC(電子機器)が開示されている。このタブレットPCでは、タッチパネルディスプレイの背面に凹部が形成されており、この凹部にスタイラスペンの先端部を差し込むことによってスタイラスペンをタッチパネルディスプレイのスタンドとして機能させる。これにより、入力用のスタイラスペンをスタンドとして用いることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−4400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のタブレットPC(電子機器)では、入力用のスタイラスペンをスタンドとして用いることが可能である一方、スタイラスペンをスタンドとして用いた後に収納位置に収納する場合には、スタイラスペンをタッチパネルディスプレイの背面側の凹部から抜き取って本体部の側面の細長溝内の収納位置に配置する必要があるとともに、スタイラスペンを収納状態からスタンドとして用いる場合には、細長溝内からスタイラスペンを取り出した後、スタイラスペンをタッチパネルディスプレイの背面の凹部に差し込んでスタンド位置(スタンドとして機能する位置)に配置する必要がある。このように、上記特許文献1のタブレットPC(電子機器)では、スタイラスペンの収納時およびスタイラスペンをスタンドとして用いる場合に、煩雑な動作が必要であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、タッチパネル式の表示部に使用される入力用のペンの収納時およびそのペンをスタンドとして用いる場合に、動作が煩雑になるのを抑制することが可能な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の一の局面による電子機器は、本体部と、タッチパネル式の表示部と、表示部に使用される入力用のペンと、ペンが入力用のペンとして用いられる場合にペンを外すことが可能なように着脱可能に保持するペン保持部とを備え、ペンがペン保持部に装着された状態で、本体部のスタンドとして機能するスタンド位置と、入力用のペンとして用いられず、かつ、スタンドとして機能しない非使用時に配置する収納位置とにペンを移動可能なように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による電子機器では、上記のように、ペンがペン保持部に装着された状態で、本体部のスタンドとして機能するスタンド位置と、入力用のペンとして用いられず、かつ、スタンドとして機能しない非使用時に配置する収納位置とにペンを移動可能なように構成することによって、ペンをペン保持部に装着したままの状態で、スタンド位置と収納位置との両方にペンを移動することができる。これにより、ペンをスタンドとして用いた後に収納位置に収納する場合、および、ペンを収納状態からスタンドとして用いる場合のいずれの場合にも、ペンをペン保持部から外したりペンをペン保持部に装着したりする必要がなく、ペン保持部に装着したままのペンを移動するだけで、容易に、ペンを収納し、または、ペンをスタンドとして用いることができる。このように、この電子機器では、タッチパネル式の表示部に使用される入力用のペンの収納時およびそのペンをスタンドとして用いる場合に、動作が煩雑になるのを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による電子機器において、好ましくは、ペンは、ペン保持部に装着された状態で本体部に対して回動することによって、スタンド位置と収納位置とに移動するように構成されている。このように構成すれば、ペンを本体部に対して回動させるだけで容易にスタンド位置と収納位置とに移動させることができるので、ペンの収納時およびペンをスタンドとして用いる場合に、ユーザの動作をより簡略化することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、ペン保持部は、本体部に対して回動可能に構成されているとともに、第1係合部を有し、ペン保持部の第1係合部は、ペンがスタンド位置に位置する状態で本体部に設けられた第2係合部に係合してペンがスタンド位置から回動するのを規制するとともに、ペンが収納位置に位置する状態で本体部に設けられた第3係合部に係合してペンが収納位置から回動するのを規制するように構成されている。このように構成すれば、ペンがスタンド位置に位置する場合には、第1係合部および第2係合部によりペンがスタンド位置から回動するのを規制することができるので、ペンにより安定した状態で本体部を支持することができる。また、ペンが収納位置に位置する場合には、第1係合部および第3係合部によりペンが収納位置から回動するのを規制することができるので、ペンを確実に収納位置に収納することができる。
【0011】
上記ペン保持部が第1係合部を有する構成において、好ましくは、スタンド位置は、第2係合部に対応する第1スタンド位置および第1スタンド位置とはペンの回動角度が異なる第2スタンド位置を含み、ペン保持部の第1係合部は、第1スタンド位置に対応する第2係合部に係合してペンが第1スタンド位置から回動するのを規制するとともに、第2スタンド位置に対応する第4係合部に係合してペンが第2スタンド位置から回動するのを規制するように構成されている。このように構成すれば、異なる回動角度の第1スタンド位置および第2スタンド位置の両方の位置において、ペンにより安定した状態で本体部を支持することができるので、ユーザは本体部の設置場所の状況に応じて第1スタンド位置および第2スタンド位置を適宜使い分けることができる。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0012】
上記一の局面による電子機器において、好ましくは、本体部は、ペンを収納する凹部を含み、ペンは、ペン保持部に装着された状態で、非使用時に凹部の内部に収納されることにより収納位置に配置されるように構成されている。このように構成すれば、ペンを収納する場合に、本体部の凹部の内部にペンを配置することができるので、収納時にペンが本体部の外側に配置される場合とは異なり、ペンを収納した状態の電子機器の外形寸法が大きくなるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態による携帯電話を示した正面図である。
【図2】本発明の一実施形態による携帯電話を示した背面図である。
【図3】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンをペン保持部から抜き取った状態を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンを示した斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンを収納した状態を示した斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンを第1スタンド位置に回動した状態を示した斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンを第2スタンド位置に回動した状態を示した斜視図である。
【図8】図2の300−300線に沿った断面図である。
【図9】図8の400−400線に沿った断面図である。
【図10】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンが上側に位置する場合においてスタイラスペンを第1スタンド位置に回動した状態を示した斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンが上側に位置する場合においてスタイラスペンを第2スタンド位置に回動した状態を示した斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態による携帯電話を縦置きにした状態を示した斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態による携帯電話の変形例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
まず、図1〜図12を参照して、本発明の一実施形態による携帯電話100の構成について説明する。なお、携帯電話100は、本発明の「電子機器」の一例である。
【0016】
本発明の一実施形態による携帯電話100は、図1に示すように、正面側(図5のY1方向側)から見て、略矩形形状の本体部1と、本体部1の正面側に配置されたタッチパネル式の表示部2とを備えている。また、本体部1の正面側には、表示部2の上側(Z1方向側)に隣接するようにカメラレンズ3が設けられている。また、携帯電話100は、図2および図3に示すように、タッチパネル式の表示部2に使用されるスタイラスペン4と、スタイラスペン4を着脱可能な状態で保持するペン保持部5とを備えている。また、本体部1の背面側(図5のY2方向側)には、カメラレンズ6が設けられている。また、本体部1の背面側には、スタイラスペン4を収納する収納部7が設けられている。なお、スタイラスペン4は、本発明の「ペン」の一例であり、収納部7は、本発明の「凹部」の一例である。
【0017】
表示部2は、図1に示すように、略矩形形状を有している。また、表示部2は、抵抗膜式のタッチパネルにより構成されている。
【0018】
スタイラスペン4は、図3および図4に示すように、伸縮可能に構成されている。これにより、スタイラスペン4を入力用のペンとして用いる場合には、スタイラスペン4を伸ばしてユーザが把持し易いようにすることが可能であるとともに、スタイラスペン4を収納部7に収納する場合には、スタイラスペン4を縮めて小さくすることが可能である。また、スタイラスペン4は、図3に示すように、収納時に、本体部1の下方側(Z2方向側)から収納部7に挿入されるように構成されている。また、スタイラスペン4は、収納状態において、先端部41がペン保持部5の図示しない挿入孔に挿入されることによってペン保持部5に装着されるように構成されている。これにより、スタイラスペン4は、ペン保持部5により保持される。また、スタイラスペン4は、入力用のペンとして用いられる場合にはペン保持部5から抜き取られてユーザに把持された状態で使用される。また、スタイラスペン4は、入力用のペンとして機能することに加えて、後述するように、本体部1のスタンドとしても機能するように構成されている。また、スタイラスペン4は、ペン保持部5に装着された状態で、後述するように、収納位置(図5に示す位置)および本体部1のスタンドとして機能するスタンド位置(図6に示す位置および図7に示す位置)に回動可能に構成されている。また、スタイラスペン4の後端部42は、図2および図5に示すように、スタイラスペン4が収納部7に収納された状態で、本体部1の下側表面(Z2方向側の表面)と略面一となる形状に形成されている。また、スタイラスペン4は、図5に示すように、収納部7に収納された状態で本体部1の背面側表面と略面一となるように構成されている。
【0019】
ここで、本実施形態では、ペン保持部5は、本体部1の背面側に設けられている。また、ペン保持部5は、図示しない挿入孔によりスタイラスペン4を着脱可能な状態で保持するように構成されている。また、ペン保持部5は、図5に示すように、スタイラスペン4が収納部7に収納された状態で本体部1の背面側表面と略面一となるように構成されている。また、ペン保持部5は、本体部1に対して回動可能なように構成されている。具体的には、図5〜図7に示すように、ペン保持部5は、スタイラスペン4を保持した状態で、本体部1に対して上下方向(Z方向)に回動可能なように構成されている。
【0020】
ここで、図8および図9を参照して、ペン保持部5の回動機構についてより詳細に説明する。ペン保持部5は、図8に示すように、ピン8により本体部1に回動可能に取り付けられており、ピン8を回動中心として回動するように構成されている。また、ペン保持部5は、スタイラスペン4を保持した状態で本体部1に対して回動することによって、スタイラスペン4を、収納部7内の収納位置(図5に示す位置)、収納位置から約45度回動した第1スタンド位置(図6に示す位置)および収納位置から約90度回動した第2スタンド位置(図7に示す位置)に移動することが可能である。また、ペン保持部5は、図8および図9に示すように、ピン8に対してスタイラスペン4とは反対側の部分に半球形状の凹部51を有している。
【0021】
凹部51は、ペン保持部5のX1方向側の側面に設けられている。また、ペン保持部5の凹部51は、スタイラスペン4が収納位置に位置する状態で、本体部1に設けられた第1凸部11に係合するように構成されている。これにより、スタイラスペン4は、収納位置から回動するのが規制される。また、凹部51は、スタイラスペン4が第1スタンド位置および第2スタンド位置に位置する状態で、それぞれ、本体部1に設けられた第2凸部12および第3凸部13に係合するように構成されている。これにより、スタイラスペン4は、第1スタンド位置および第2スタンド位置から回動するのが規制される。また、図8および図9に示すように、第1凸部11、第2凸部12および第3凸部13は、ペン保持部5の凹部51に係合可能な半球形状を有し、ペン保持部5側(X2方向側)に突出するように形成されている。なお、凹部51は、本発明の「第1係合部」の一例である。また、第1凸部11、第2凸部12および第3凸部13は、それぞれ、本発明の「第3係合部」、「第2係合部」および「第4係合部」の一例である。
【0022】
上記の構成により、本実施形態の携帯電話100は、図6および図7に示すように、本体部1のX2方向側の側面を下にした状態(横置きにした状態)で、スタイラスペン4をスタンドとして用いることにより自立することが可能である。この際、表示部2は、設置面に対して略85度傾斜している。これにより、ユーザは、携帯電話100を把持することなく自立させた状態でテレビ画像などを視聴可能である。また、携帯電話100は、図10および図11に示すように、本体部1のX1方向側の側面を下にした状態(横置きにした状態)で、スタイラスペン4をスタンドとして用いることにより自立することが可能である。この場合には、スタイラスペン4を伸縮させることによって、設置面に対する表示部2の傾斜角度を変動させることが可能である。また、スタイラスペン4を第1スタンド位置に配置させた場合(図10参照)と第2スタンド位置に配置させた場合(図11参照)とで、それぞれ、設置面に対する表示部2の傾斜角度を異ならせることが可能となる。さらに、携帯電話100は、図12に示すように、本体部1の下側表面(Z2方向側の表面)を下にした状態(縦置きにした状態)でも、スタイラスペン4をスタンドとして用いることにより自立することが可能である。このように携帯電話100を自立させる場合には、ユーザは、セルフタイマー機能を用いて本体部1の正面側に設けられたカメラレンズ3(図1参照)により写真撮影することも可能となる。
【0023】
収納部7は、図6、図7、図10および図11に示すように、本体部1の内側に凹んだ凹形状を有している。また、図2および図5に示すように、収納部7は、Z方向に延びるように形成されており、縮んだ状態のスタイラスペン4と略同じ長さを有している。また、収納部7は、スタイラスペン4を凹形状の内部に収納可能に構成されている。
【0024】
本実施形態では、上記のように、スタイラスペン4がペン保持部5に装着された状態で、本体部1のスタンドとして機能するスタンド位置(第1スタンド位置および第2スタンド位置)と、入力用のペンとして用いられず、かつ、スタンドとして機能しない非使用時に配置する収納位置とにスタイラスペン4を移動可能なように構成する。これによって、スタイラスペン4をペン保持部5に装着したままの状態で、スタンド位置と収納位置との両方にスタイラスペン4を移動することができる。これにより、スタイラスペン4をスタンドとして用いた後に収納位置に収納する場合、および、スタイラスペン4を収納状態からスタンドとして用いる場合のいずれの場合にも、スタイラスペン4をペン保持部5から外したりスタイラスペン4をペン保持部5に装着したりする必要がなく、ペン保持部5に装着したままのスタイラスペン4を移動するだけで、容易に、スタイラスペン4を収納し、または、スタイラスペン4をスタンドとして用いることができる。このように、この携帯電話100では、タッチパネル式の表示部2に使用される入力用のスタイラスペン4の収納時およびそのスタイラスペン4をスタンドとして用いる場合に、動作が煩雑になるのを抑制することができる。
【0025】
また、本実施形態では、スタイラスペン4を、ペン保持部5に装着された状態で本体部1に対して回動することによってスタンド位置(第1スタンド位置および第2スタンド位置)と収納位置とに移動するように構成することによって、スタイラスペン4を本体部1に対して回動させるだけで容易にスタンド位置と収納位置とに移動させることができるので、スタイラスペン4の収納時およびスタイラスペン4をスタンドとして用いる場合に、ユーザの動作をより簡略化することができる。
【0026】
また、本実施形態では、ペン保持部5の凹部51を、スタイラスペン4が第1スタンド位置に位置する状態で本体部1に設けられた第2凸部12に係合してスタイラスペン4が第1スタンド位置から回動するのを規制するとともに、スタイラスペン4が収納位置に位置する状態で本体部1に設けられた第1凸部11に係合してスタイラスペン4が収納位置から回動するのを規制するように構成する。これによって、スタイラスペン4がスタンド位置に位置する場合には、凹部51および第2凸部12によりスタイラスペン4が第1スタンド位置から回動するのを規制することができるので、スタイラスペン4により安定した状態で本体部1を支持することができる。また、スタイラスペン4が収納位置に位置する場合には、凹部51および第1凸部11によりスタイラスペン4が収納位置から回動するのを規制することができるので、スタイラスペン4を確実に収納位置に収納することができる。
【0027】
また、本実施形態では、ペン保持部5の凹部51を、第1スタンド位置に対応する第2凸部12に係合してスタイラスペン4が第1スタンド位置から回動するのを規制するとともに、第2スタンド位置に対応する第3凸部13に係合してスタイラスペン4が第2スタンド位置から回動するのを規制するように構成する。これによって、異なる回動角度の第1スタンド位置および第2スタンド位置の両方の位置において、スタイラスペン4により安定した状態で本体部1を支持することができるので、ユーザは本体部1の設置場所の状況に応じて第1スタンド位置および第2スタンド位置を適宜使い分けることができる。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0028】
また、本実施形態では、本体部1にスタイラスペン4を収納する凹形状の収納部7を設けることによって、スタイラスペン4を収納する場合に、本体部1の凹形状の収納部7の内部にスタイラスペン4を配置することができるので、収納時にスタイラスペン4が本体部1の外側に配置される場合とは異なり、スタイラスペン4を収納した状態の携帯電話100の外形寸法が大きくなるのを抑制することができる。
【0029】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0030】
たとえば、上記実施形態では、電子機器の一例として、携帯電話を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、PDA(携帯情報端末)など、携帯電話以外の電子機器であってもよい。
【0031】
また、上記実施形態では、スタイラスペンをペン保持部に装着した状態で、スタイラスペンを本体部に対して回動させることによって収納位置およびスタンド位置に移動する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スタイラスペンをペン保持部に装着した状態であれば、たとえば、スタイラスペンを直線的に移動するなど、回動以外の動作によってスタイラスペンを収納位置およびスタンド位置に移動する構成であってもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、ペン保持部を本体部に対して回動可能なように本体部とは別体で設けたが、本発明はこれに限られない。本発明では、ペン保持部を本体部に一体的に設けてもよい。この場合、本体部と一体的に設けられた固定的なペン保持部により、スタイラスペンを回動可能に保持するように構成する。
【0033】
また、上記実施形態では、ペン保持部を本体部に対して回動可能に構成することによって、ペン保持部に装着されたスタイラスペンを回動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スタイラスペン自体に回動機構(たとえば、ヒンジ機構)を設けることによって、ペン保持部を本体部に対して回動させることなく、ペン保持部に装着されたスタイラスペンだけをスタイラスペン自体に設けた回動機構により本体部に対して回動させる構成であってもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、ペン保持部の第1係合部としての半球形状の凹部と、第2係合部(第3係合部および第4係合部)としての半球形状の第2凸部(第1凸部および第3凸部)とが互いに係合することによってスタイラスペンの回動を規制する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、爪状の突起片と突起片に係合するフック形状の係合部など、半球形状の凹部および凸部以外の形状の係合部が係合することによってスタイラスペンの回動を規制する構成であってもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、第1スタンド位置および第2スタンド位置の2つのスタンド位置においてスタイラスペンがスタンドとして機能する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つのスタンド位置、または、3つ以上のスタンド位置においてスタイラスペンがスタンドとして機能する構成であってもよいし、収納位置以外のいずれの位置でも無段階にスタイラスペンがスタンドとして機能する構成であってもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、凹形状の収納部にスタイラスペンを収納する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ペン保持部に装着された状態のスタイラスペンを収納位置およびスタンド位置に移動可能な構成であれば、凹形状以外の、たとえば、筒形状の収納部にスタイラスペンを収納する構成であってもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、スタイラスペンが収納位置に位置する状態で、ペン保持部の第1係合部としての凹部が第3係合部としての凸部に係合することによってスタイラスペンが収納位置から回動するのを規制する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スタイラスペンが収納位置に位置する状態において、第1係合部および第3係合部の係合に代えて、または、第1係合部および第3係合部の係合に加えて、スタイラスペンが収納位置から回動するのを規制する機構を別途設けてもよい。具体的には、たとえば、図13に示すように、スタイラスペン204の後端部に略J形状のフック部204aを設けるとともに、本体部にフック部204aに係合する被係合部211を設ける。被係合部211は、スタイラスペン204が収納位置に位置する状態でフック部204aに係合することによって、スタイラスペン204が収納位置から回動するのを規制する。そして、被係合部211をZ方向にスライド可能に構成し、被係合部211をZ1方向にスライドさせることによって、被係合部211とフック部204aとの係合を解除してスタイラスペン204を収納位置から回動可能にする構成であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 本体部
2 表示部
4、204 スタイラスペン(ペン)
5 ペン保持部
7 収納部(凹部)
11 第1凸部(第3係合部)
12 第2凸部(第2係合部)
13 第3凸部(第4係合部)
51 凹部(第1係合部)
100 携帯電話(電子機器)
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子機器に関し、特に、タッチパネル式の表示部に使用される入力用のペンを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチパネル式の表示部に使用される入力用のペンを備えた電子機器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、本体部と、タッチパネルディスプレイと、タッチパネルディスプレイに使用される入力用のスタイラスペンと、本体部の側面に設けられたスタイラスペンを収納するための細長溝とを備えたタブレットPC(電子機器)が開示されている。このタブレットPCでは、タッチパネルディスプレイの背面に凹部が形成されており、この凹部にスタイラスペンの先端部を差し込むことによってスタイラスペンをタッチパネルディスプレイのスタンドとして機能させる。これにより、入力用のスタイラスペンをスタンドとして用いることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−4400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のタブレットPC(電子機器)では、入力用のスタイラスペンをスタンドとして用いることが可能である一方、スタイラスペンをスタンドとして用いた後に収納位置に収納する場合には、スタイラスペンをタッチパネルディスプレイの背面側の凹部から抜き取って本体部の側面の細長溝内の収納位置に配置する必要があるとともに、スタイラスペンを収納状態からスタンドとして用いる場合には、細長溝内からスタイラスペンを取り出した後、スタイラスペンをタッチパネルディスプレイの背面の凹部に差し込んでスタンド位置(スタンドとして機能する位置)に配置する必要がある。このように、上記特許文献1のタブレットPC(電子機器)では、スタイラスペンの収納時およびスタイラスペンをスタンドとして用いる場合に、煩雑な動作が必要であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、タッチパネル式の表示部に使用される入力用のペンの収納時およびそのペンをスタンドとして用いる場合に、動作が煩雑になるのを抑制することが可能な電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の一の局面による電子機器は、本体部と、タッチパネル式の表示部と、表示部に使用される入力用のペンと、ペンが入力用のペンとして用いられる場合にペンを外すことが可能なように着脱可能に保持するペン保持部とを備え、ペンがペン保持部に装着された状態で、本体部のスタンドとして機能するスタンド位置と、入力用のペンとして用いられず、かつ、スタンドとして機能しない非使用時に配置する収納位置とにペンを移動可能なように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による電子機器では、上記のように、ペンがペン保持部に装着された状態で、本体部のスタンドとして機能するスタンド位置と、入力用のペンとして用いられず、かつ、スタンドとして機能しない非使用時に配置する収納位置とにペンを移動可能なように構成することによって、ペンをペン保持部に装着したままの状態で、スタンド位置と収納位置との両方にペンを移動することができる。これにより、ペンをスタンドとして用いた後に収納位置に収納する場合、および、ペンを収納状態からスタンドとして用いる場合のいずれの場合にも、ペンをペン保持部から外したりペンをペン保持部に装着したりする必要がなく、ペン保持部に装着したままのペンを移動するだけで、容易に、ペンを収納し、または、ペンをスタンドとして用いることができる。このように、この電子機器では、タッチパネル式の表示部に使用される入力用のペンの収納時およびそのペンをスタンドとして用いる場合に、動作が煩雑になるのを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による電子機器において、好ましくは、ペンは、ペン保持部に装着された状態で本体部に対して回動することによって、スタンド位置と収納位置とに移動するように構成されている。このように構成すれば、ペンを本体部に対して回動させるだけで容易にスタンド位置と収納位置とに移動させることができるので、ペンの収納時およびペンをスタンドとして用いる場合に、ユーザの動作をより簡略化することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、ペン保持部は、本体部に対して回動可能に構成されているとともに、第1係合部を有し、ペン保持部の第1係合部は、ペンがスタンド位置に位置する状態で本体部に設けられた第2係合部に係合してペンがスタンド位置から回動するのを規制するとともに、ペンが収納位置に位置する状態で本体部に設けられた第3係合部に係合してペンが収納位置から回動するのを規制するように構成されている。このように構成すれば、ペンがスタンド位置に位置する場合には、第1係合部および第2係合部によりペンがスタンド位置から回動するのを規制することができるので、ペンにより安定した状態で本体部を支持することができる。また、ペンが収納位置に位置する場合には、第1係合部および第3係合部によりペンが収納位置から回動するのを規制することができるので、ペンを確実に収納位置に収納することができる。
【0011】
上記ペン保持部が第1係合部を有する構成において、好ましくは、スタンド位置は、第2係合部に対応する第1スタンド位置および第1スタンド位置とはペンの回動角度が異なる第2スタンド位置を含み、ペン保持部の第1係合部は、第1スタンド位置に対応する第2係合部に係合してペンが第1スタンド位置から回動するのを規制するとともに、第2スタンド位置に対応する第4係合部に係合してペンが第2スタンド位置から回動するのを規制するように構成されている。このように構成すれば、異なる回動角度の第1スタンド位置および第2スタンド位置の両方の位置において、ペンにより安定した状態で本体部を支持することができるので、ユーザは本体部の設置場所の状況に応じて第1スタンド位置および第2スタンド位置を適宜使い分けることができる。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0012】
上記一の局面による電子機器において、好ましくは、本体部は、ペンを収納する凹部を含み、ペンは、ペン保持部に装着された状態で、非使用時に凹部の内部に収納されることにより収納位置に配置されるように構成されている。このように構成すれば、ペンを収納する場合に、本体部の凹部の内部にペンを配置することができるので、収納時にペンが本体部の外側に配置される場合とは異なり、ペンを収納した状態の電子機器の外形寸法が大きくなるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態による携帯電話を示した正面図である。
【図2】本発明の一実施形態による携帯電話を示した背面図である。
【図3】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンをペン保持部から抜き取った状態を示した図である。
【図4】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンを示した斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンを収納した状態を示した斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンを第1スタンド位置に回動した状態を示した斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンを第2スタンド位置に回動した状態を示した斜視図である。
【図8】図2の300−300線に沿った断面図である。
【図9】図8の400−400線に沿った断面図である。
【図10】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンが上側に位置する場合においてスタイラスペンを第1スタンド位置に回動した状態を示した斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態による携帯電話のスタイラスペンが上側に位置する場合においてスタイラスペンを第2スタンド位置に回動した状態を示した斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態による携帯電話を縦置きにした状態を示した斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態による携帯電話の変形例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
まず、図1〜図12を参照して、本発明の一実施形態による携帯電話100の構成について説明する。なお、携帯電話100は、本発明の「電子機器」の一例である。
【0016】
本発明の一実施形態による携帯電話100は、図1に示すように、正面側(図5のY1方向側)から見て、略矩形形状の本体部1と、本体部1の正面側に配置されたタッチパネル式の表示部2とを備えている。また、本体部1の正面側には、表示部2の上側(Z1方向側)に隣接するようにカメラレンズ3が設けられている。また、携帯電話100は、図2および図3に示すように、タッチパネル式の表示部2に使用されるスタイラスペン4と、スタイラスペン4を着脱可能な状態で保持するペン保持部5とを備えている。また、本体部1の背面側(図5のY2方向側)には、カメラレンズ6が設けられている。また、本体部1の背面側には、スタイラスペン4を収納する収納部7が設けられている。なお、スタイラスペン4は、本発明の「ペン」の一例であり、収納部7は、本発明の「凹部」の一例である。
【0017】
表示部2は、図1に示すように、略矩形形状を有している。また、表示部2は、抵抗膜式のタッチパネルにより構成されている。
【0018】
スタイラスペン4は、図3および図4に示すように、伸縮可能に構成されている。これにより、スタイラスペン4を入力用のペンとして用いる場合には、スタイラスペン4を伸ばしてユーザが把持し易いようにすることが可能であるとともに、スタイラスペン4を収納部7に収納する場合には、スタイラスペン4を縮めて小さくすることが可能である。また、スタイラスペン4は、図3に示すように、収納時に、本体部1の下方側(Z2方向側)から収納部7に挿入されるように構成されている。また、スタイラスペン4は、収納状態において、先端部41がペン保持部5の図示しない挿入孔に挿入されることによってペン保持部5に装着されるように構成されている。これにより、スタイラスペン4は、ペン保持部5により保持される。また、スタイラスペン4は、入力用のペンとして用いられる場合にはペン保持部5から抜き取られてユーザに把持された状態で使用される。また、スタイラスペン4は、入力用のペンとして機能することに加えて、後述するように、本体部1のスタンドとしても機能するように構成されている。また、スタイラスペン4は、ペン保持部5に装着された状態で、後述するように、収納位置(図5に示す位置)および本体部1のスタンドとして機能するスタンド位置(図6に示す位置および図7に示す位置)に回動可能に構成されている。また、スタイラスペン4の後端部42は、図2および図5に示すように、スタイラスペン4が収納部7に収納された状態で、本体部1の下側表面(Z2方向側の表面)と略面一となる形状に形成されている。また、スタイラスペン4は、図5に示すように、収納部7に収納された状態で本体部1の背面側表面と略面一となるように構成されている。
【0019】
ここで、本実施形態では、ペン保持部5は、本体部1の背面側に設けられている。また、ペン保持部5は、図示しない挿入孔によりスタイラスペン4を着脱可能な状態で保持するように構成されている。また、ペン保持部5は、図5に示すように、スタイラスペン4が収納部7に収納された状態で本体部1の背面側表面と略面一となるように構成されている。また、ペン保持部5は、本体部1に対して回動可能なように構成されている。具体的には、図5〜図7に示すように、ペン保持部5は、スタイラスペン4を保持した状態で、本体部1に対して上下方向(Z方向)に回動可能なように構成されている。
【0020】
ここで、図8および図9を参照して、ペン保持部5の回動機構についてより詳細に説明する。ペン保持部5は、図8に示すように、ピン8により本体部1に回動可能に取り付けられており、ピン8を回動中心として回動するように構成されている。また、ペン保持部5は、スタイラスペン4を保持した状態で本体部1に対して回動することによって、スタイラスペン4を、収納部7内の収納位置(図5に示す位置)、収納位置から約45度回動した第1スタンド位置(図6に示す位置)および収納位置から約90度回動した第2スタンド位置(図7に示す位置)に移動することが可能である。また、ペン保持部5は、図8および図9に示すように、ピン8に対してスタイラスペン4とは反対側の部分に半球形状の凹部51を有している。
【0021】
凹部51は、ペン保持部5のX1方向側の側面に設けられている。また、ペン保持部5の凹部51は、スタイラスペン4が収納位置に位置する状態で、本体部1に設けられた第1凸部11に係合するように構成されている。これにより、スタイラスペン4は、収納位置から回動するのが規制される。また、凹部51は、スタイラスペン4が第1スタンド位置および第2スタンド位置に位置する状態で、それぞれ、本体部1に設けられた第2凸部12および第3凸部13に係合するように構成されている。これにより、スタイラスペン4は、第1スタンド位置および第2スタンド位置から回動するのが規制される。また、図8および図9に示すように、第1凸部11、第2凸部12および第3凸部13は、ペン保持部5の凹部51に係合可能な半球形状を有し、ペン保持部5側(X2方向側)に突出するように形成されている。なお、凹部51は、本発明の「第1係合部」の一例である。また、第1凸部11、第2凸部12および第3凸部13は、それぞれ、本発明の「第3係合部」、「第2係合部」および「第4係合部」の一例である。
【0022】
上記の構成により、本実施形態の携帯電話100は、図6および図7に示すように、本体部1のX2方向側の側面を下にした状態(横置きにした状態)で、スタイラスペン4をスタンドとして用いることにより自立することが可能である。この際、表示部2は、設置面に対して略85度傾斜している。これにより、ユーザは、携帯電話100を把持することなく自立させた状態でテレビ画像などを視聴可能である。また、携帯電話100は、図10および図11に示すように、本体部1のX1方向側の側面を下にした状態(横置きにした状態)で、スタイラスペン4をスタンドとして用いることにより自立することが可能である。この場合には、スタイラスペン4を伸縮させることによって、設置面に対する表示部2の傾斜角度を変動させることが可能である。また、スタイラスペン4を第1スタンド位置に配置させた場合(図10参照)と第2スタンド位置に配置させた場合(図11参照)とで、それぞれ、設置面に対する表示部2の傾斜角度を異ならせることが可能となる。さらに、携帯電話100は、図12に示すように、本体部1の下側表面(Z2方向側の表面)を下にした状態(縦置きにした状態)でも、スタイラスペン4をスタンドとして用いることにより自立することが可能である。このように携帯電話100を自立させる場合には、ユーザは、セルフタイマー機能を用いて本体部1の正面側に設けられたカメラレンズ3(図1参照)により写真撮影することも可能となる。
【0023】
収納部7は、図6、図7、図10および図11に示すように、本体部1の内側に凹んだ凹形状を有している。また、図2および図5に示すように、収納部7は、Z方向に延びるように形成されており、縮んだ状態のスタイラスペン4と略同じ長さを有している。また、収納部7は、スタイラスペン4を凹形状の内部に収納可能に構成されている。
【0024】
本実施形態では、上記のように、スタイラスペン4がペン保持部5に装着された状態で、本体部1のスタンドとして機能するスタンド位置(第1スタンド位置および第2スタンド位置)と、入力用のペンとして用いられず、かつ、スタンドとして機能しない非使用時に配置する収納位置とにスタイラスペン4を移動可能なように構成する。これによって、スタイラスペン4をペン保持部5に装着したままの状態で、スタンド位置と収納位置との両方にスタイラスペン4を移動することができる。これにより、スタイラスペン4をスタンドとして用いた後に収納位置に収納する場合、および、スタイラスペン4を収納状態からスタンドとして用いる場合のいずれの場合にも、スタイラスペン4をペン保持部5から外したりスタイラスペン4をペン保持部5に装着したりする必要がなく、ペン保持部5に装着したままのスタイラスペン4を移動するだけで、容易に、スタイラスペン4を収納し、または、スタイラスペン4をスタンドとして用いることができる。このように、この携帯電話100では、タッチパネル式の表示部2に使用される入力用のスタイラスペン4の収納時およびそのスタイラスペン4をスタンドとして用いる場合に、動作が煩雑になるのを抑制することができる。
【0025】
また、本実施形態では、スタイラスペン4を、ペン保持部5に装着された状態で本体部1に対して回動することによってスタンド位置(第1スタンド位置および第2スタンド位置)と収納位置とに移動するように構成することによって、スタイラスペン4を本体部1に対して回動させるだけで容易にスタンド位置と収納位置とに移動させることができるので、スタイラスペン4の収納時およびスタイラスペン4をスタンドとして用いる場合に、ユーザの動作をより簡略化することができる。
【0026】
また、本実施形態では、ペン保持部5の凹部51を、スタイラスペン4が第1スタンド位置に位置する状態で本体部1に設けられた第2凸部12に係合してスタイラスペン4が第1スタンド位置から回動するのを規制するとともに、スタイラスペン4が収納位置に位置する状態で本体部1に設けられた第1凸部11に係合してスタイラスペン4が収納位置から回動するのを規制するように構成する。これによって、スタイラスペン4がスタンド位置に位置する場合には、凹部51および第2凸部12によりスタイラスペン4が第1スタンド位置から回動するのを規制することができるので、スタイラスペン4により安定した状態で本体部1を支持することができる。また、スタイラスペン4が収納位置に位置する場合には、凹部51および第1凸部11によりスタイラスペン4が収納位置から回動するのを規制することができるので、スタイラスペン4を確実に収納位置に収納することができる。
【0027】
また、本実施形態では、ペン保持部5の凹部51を、第1スタンド位置に対応する第2凸部12に係合してスタイラスペン4が第1スタンド位置から回動するのを規制するとともに、第2スタンド位置に対応する第3凸部13に係合してスタイラスペン4が第2スタンド位置から回動するのを規制するように構成する。これによって、異なる回動角度の第1スタンド位置および第2スタンド位置の両方の位置において、スタイラスペン4により安定した状態で本体部1を支持することができるので、ユーザは本体部1の設置場所の状況に応じて第1スタンド位置および第2スタンド位置を適宜使い分けることができる。これにより、ユーザの利便性を高めることができる。
【0028】
また、本実施形態では、本体部1にスタイラスペン4を収納する凹形状の収納部7を設けることによって、スタイラスペン4を収納する場合に、本体部1の凹形状の収納部7の内部にスタイラスペン4を配置することができるので、収納時にスタイラスペン4が本体部1の外側に配置される場合とは異なり、スタイラスペン4を収納した状態の携帯電話100の外形寸法が大きくなるのを抑制することができる。
【0029】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0030】
たとえば、上記実施形態では、電子機器の一例として、携帯電話を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、PDA(携帯情報端末)など、携帯電話以外の電子機器であってもよい。
【0031】
また、上記実施形態では、スタイラスペンをペン保持部に装着した状態で、スタイラスペンを本体部に対して回動させることによって収納位置およびスタンド位置に移動する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スタイラスペンをペン保持部に装着した状態であれば、たとえば、スタイラスペンを直線的に移動するなど、回動以外の動作によってスタイラスペンを収納位置およびスタンド位置に移動する構成であってもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、ペン保持部を本体部に対して回動可能なように本体部とは別体で設けたが、本発明はこれに限られない。本発明では、ペン保持部を本体部に一体的に設けてもよい。この場合、本体部と一体的に設けられた固定的なペン保持部により、スタイラスペンを回動可能に保持するように構成する。
【0033】
また、上記実施形態では、ペン保持部を本体部に対して回動可能に構成することによって、ペン保持部に装着されたスタイラスペンを回動させる構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スタイラスペン自体に回動機構(たとえば、ヒンジ機構)を設けることによって、ペン保持部を本体部に対して回動させることなく、ペン保持部に装着されたスタイラスペンだけをスタイラスペン自体に設けた回動機構により本体部に対して回動させる構成であってもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、ペン保持部の第1係合部としての半球形状の凹部と、第2係合部(第3係合部および第4係合部)としての半球形状の第2凸部(第1凸部および第3凸部)とが互いに係合することによってスタイラスペンの回動を規制する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、爪状の突起片と突起片に係合するフック形状の係合部など、半球形状の凹部および凸部以外の形状の係合部が係合することによってスタイラスペンの回動を規制する構成であってもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、第1スタンド位置および第2スタンド位置の2つのスタンド位置においてスタイラスペンがスタンドとして機能する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、1つのスタンド位置、または、3つ以上のスタンド位置においてスタイラスペンがスタンドとして機能する構成であってもよいし、収納位置以外のいずれの位置でも無段階にスタイラスペンがスタンドとして機能する構成であってもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、凹形状の収納部にスタイラスペンを収納する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ペン保持部に装着された状態のスタイラスペンを収納位置およびスタンド位置に移動可能な構成であれば、凹形状以外の、たとえば、筒形状の収納部にスタイラスペンを収納する構成であってもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、スタイラスペンが収納位置に位置する状態で、ペン保持部の第1係合部としての凹部が第3係合部としての凸部に係合することによってスタイラスペンが収納位置から回動するのを規制する構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、スタイラスペンが収納位置に位置する状態において、第1係合部および第3係合部の係合に代えて、または、第1係合部および第3係合部の係合に加えて、スタイラスペンが収納位置から回動するのを規制する機構を別途設けてもよい。具体的には、たとえば、図13に示すように、スタイラスペン204の後端部に略J形状のフック部204aを設けるとともに、本体部にフック部204aに係合する被係合部211を設ける。被係合部211は、スタイラスペン204が収納位置に位置する状態でフック部204aに係合することによって、スタイラスペン204が収納位置から回動するのを規制する。そして、被係合部211をZ方向にスライド可能に構成し、被係合部211をZ1方向にスライドさせることによって、被係合部211とフック部204aとの係合を解除してスタイラスペン204を収納位置から回動可能にする構成であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 本体部
2 表示部
4、204 スタイラスペン(ペン)
5 ペン保持部
7 収納部(凹部)
11 第1凸部(第3係合部)
12 第2凸部(第2係合部)
13 第3凸部(第4係合部)
51 凹部(第1係合部)
100 携帯電話(電子機器)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
タッチパネル式の表示部と、
前記表示部に使用される入力用のペンと、
前記ペンが入力用のペンとして用いられる場合に前記ペンを外すことが可能なように着脱可能に保持するペン保持部とを備え、
前記ペンが前記ペン保持部に装着された状態で、前記本体部のスタンドとして機能するスタンド位置と、入力用のペンとして用いられず、かつ、前記スタンドとして機能しない非使用時に配置する収納位置とに前記ペンを移動可能なように構成されている、電子機器。
【請求項2】
前記ペンは、前記ペン保持部に装着された状態で前記本体部に対して回動することによって、前記スタンド位置と前記収納位置とに移動するように構成されている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記ペン保持部は、前記本体部に対して回動可能に構成されているとともに、第1係合部を有し、
前記ペン保持部の第1係合部は、前記ペンが前記スタンド位置に位置する状態で前記本体部に設けられた第2係合部に係合して前記ペンが前記スタンド位置から回動するのを規制するとともに、前記ペンが前記収納位置に位置する状態で前記本体部に設けられた第3係合部に係合して前記ペンが前記収納位置から回動するのを規制するように構成されている、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記スタンド位置は、前記第2係合部に対応する第1スタンド位置および前記第1スタンド位置とは前記ペンの回動角度が異なる第2スタンド位置を含み、
前記ペン保持部の第1係合部は、前記第1スタンド位置に対応する前記第2係合部に係合して前記ペンが前記第1スタンド位置から回動するのを規制するとともに、前記第2スタンド位置に対応する第4係合部に係合して前記ペンが前記第2スタンド位置から回動するのを規制するように構成されている、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記本体部は、前記ペンを収納する凹部を含み、
前記ペンは、前記ペン保持部に装着された状態で、前記非使用時に前記凹部の内部に収納されることにより前記収納位置に配置されるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項1】
本体部と、
タッチパネル式の表示部と、
前記表示部に使用される入力用のペンと、
前記ペンが入力用のペンとして用いられる場合に前記ペンを外すことが可能なように着脱可能に保持するペン保持部とを備え、
前記ペンが前記ペン保持部に装着された状態で、前記本体部のスタンドとして機能するスタンド位置と、入力用のペンとして用いられず、かつ、前記スタンドとして機能しない非使用時に配置する収納位置とに前記ペンを移動可能なように構成されている、電子機器。
【請求項2】
前記ペンは、前記ペン保持部に装着された状態で前記本体部に対して回動することによって、前記スタンド位置と前記収納位置とに移動するように構成されている、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記ペン保持部は、前記本体部に対して回動可能に構成されているとともに、第1係合部を有し、
前記ペン保持部の第1係合部は、前記ペンが前記スタンド位置に位置する状態で前記本体部に設けられた第2係合部に係合して前記ペンが前記スタンド位置から回動するのを規制するとともに、前記ペンが前記収納位置に位置する状態で前記本体部に設けられた第3係合部に係合して前記ペンが前記収納位置から回動するのを規制するように構成されている、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記スタンド位置は、前記第2係合部に対応する第1スタンド位置および前記第1スタンド位置とは前記ペンの回動角度が異なる第2スタンド位置を含み、
前記ペン保持部の第1係合部は、前記第1スタンド位置に対応する前記第2係合部に係合して前記ペンが前記第1スタンド位置から回動するのを規制するとともに、前記第2スタンド位置に対応する第4係合部に係合して前記ペンが前記第2スタンド位置から回動するのを規制するように構成されている、請求項3に記載の電子機器。
【請求項5】
前記本体部は、前記ペンを収納する凹部を含み、
前記ペンは、前記ペン保持部に装着された状態で、前記非使用時に前記凹部の内部に収納されることにより前記収納位置に配置されるように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−22481(P2012−22481A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159238(P2010−159238)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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