説明

電子機器

【課題】美観を損なうことなく表示部の破損を防止すること。
【解決手段】液晶保護パネル110は、携帯端末装置内部に設けられた液晶パネルを覆っており、中央部分の表示領域において、液晶パネルに表示される画像を透過させることにより種々の画像を表示する。フロントケース120は、携帯端末装置の表示部側の筐体を形成し、液晶パネルを支持するとともに、この液晶パネルを覆う位置には液晶保護パネル110が取り付けられるようになっている。フロントキー150は、液晶保護パネル110及びフロントケース120の境界から外側へ露出し、押下されることにより携帯端末装置に所定の機能を実行させる。突起部材160は、フロントキー150が備える複数のキーの境界から外側へ突出している。具体的には、突起部材160は、液晶保護パネル110の表示領域の面よりも高く外側に向かって突出している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば携帯電話機などの電子機器には、2分割された筐体が互いに折り畳み可能な形状になっているものがある。このような折り畳み型電子機器の多くは、一方の筐体に例えばキーなどの操作部を備え、他方の筐体に例えば液晶パネルなどの表示部を備えている。そして、これらの2つの筐体が例えばヒンジを介して接続されることにより、折り畳み可能な形状となっている。
【0003】
通常、折り畳み型電子機器は、携帯のしやすさの観点から、非使用時には折り畳まれた形状となることが多い。そして、折り畳まれた形状においては、操作部や表示部が外側に露出しないように、2つの筐体の操作部と表示部とが互いに対向した状態となることがある。このとき、操作部のキーなどが表示部に接触して表示部が破損する虞があるため、一方の筐体に突起を設けることにより、電子機器が折り畳まれた形状でも表示部を保護することが考えられている。
【0004】
すなわち、例えば操作部を備えた面の周縁などのように、操作部の周囲であって電子機器が折り畳まれた際に表示部が存在しない領域に対向する位置に突起を設けることが考えられている。このような突起を設けることにより、電子機器が折り畳まれる際には、突起が表示部以外の領域に当接することになり、キーなどが表示部に直接接触しなくなる。結果として、電子機器が折り畳まれた場合でも、表示部の破損を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−264617号公報
【特許文献2】特開2006−115163号公報
【特許文献3】特開2009−260461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、表示部の破損は、折り畳み型電子機器のみで起こり得る問題ではない。例えば折り畳むことができないストレート型の携帯電話機などでは、常に表示部が外側に露出しているため、この携帯電話機を載置する際などに表示部の破損が発生する可能性がある。
【0007】
具体的には、このようなストレート型電子機器を表示部を下側にして机の上等に載置する場合、表示部が直接机に接触して傷つくことが考えられる。そこで、ストレート型電子機器の表示部の破損を防止するために、折り畳み型電子機器と同様の突起を表示部の周囲に設けることが考えられる。
【0008】
しかしながら、このような突起を筐体の表面に設けると、電子機器の美観が損なわれるため、製品のデザイン性の観点からは望ましくない。特に、ストレート型電子機器は、折り畳まれることがないため、表示部の周囲に設けられた突起が常に露出していることになり、見栄えが悪くなる。
【0009】
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、美観を損なうことなく表示部の破損を防止することができる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願が開示する電子機器は、1つの態様において、面状の表示領域を備えた表示部と、前記表示部の表示領域と同一面に設けられ、押下可能な複数のキーを備えた操作部と、前記複数のキーの境界に形成され、前記表示部の表示領域の面より突出する突起部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本願が開示する電子機器の1つの態様によれば、美観を損なうことなく表示部の破損を防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施の形態1に係る携帯端末装置の表示部側の外観を示す斜視図である。
【図2】図2は、実施の形態1に係る携帯端末装置のカメラ側の外観を示す斜視図である。
【図3】図3は、実施の形態1に係る携帯端末装置の分解斜視図である。
【図4】図4は、実施の形態1に係る携帯端末装置の他の分解斜視図である。
【図5】図5は、図1のX−X線断面を模式的に示す図である。
【図6】図6は、実施の形態1に係るフロントキー部を示す斜視図である。
【図7】図7は、実施の形態1に係るフロントキー部を示す分解斜視図である。
【図8】図8は、実施の形態1に係る携帯端末装置を載置した状態を示す図である。
【図9】図9は、実施の形態2に係る携帯端末装置の表示部側の外観を示す斜視図である。
【図10】図10は、図9のY−Y線断面を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本願が開示する電子機器の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施の形態においては、電子機器の一例として携帯端末装置を例に挙げて説明するが、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る携帯端末装置の表示部側の外観を示す斜視図である。また、図2は、実施の形態1に係る携帯端末装置のカメラ側の外観を示す斜視図である。図1及び図2に示す携帯端末装置は、液晶保護パネル110、フロントケース120、リアケース130、サイドキー140、フロントキー150、突起部材160、リアカバー170及びカメラ180を有している。
【0015】
液晶保護パネル110は、携帯端末装置内部に設けられた液晶パネルを覆っており、中央部分の表示領域において、液晶パネルに表示される画像を透過させることにより、例えばカメラ180によって撮影された画像などの種々の画像を表示する。すなわち、液晶保護パネル110は、後述する液晶パネルとともに携帯端末装置の表示部を形成している。
【0016】
フロントケース120は、携帯端末装置の表示部側の筐体を形成し、後述する液晶パネルを支持するとともに、この液晶パネルを覆う位置には液晶保護パネル110が取り付けられるようになっている。
【0017】
リアケース130は、携帯端末装置のカメラ180側の筐体を形成し、フロントケース120と接合されることにより、携帯端末装置全体の外側形状を規定している。
【0018】
サイドキー140は、リアケース130から外側へ露出し、押下されることにより携帯端末装置に所定の機能を実行させる。すなわち、サイドキー140は、例えば音量調節などのユーザの操作を受け付ける。
【0019】
フロントキー150は、液晶保護パネル110及びフロントケース120の境界から外側へ露出し、押下されることにより携帯端末装置に所定の機能を実行させる。すなわち、フロントキー150は、例えば電源オンなどのユーザの操作を受け付ける。なお、フロントキー150は、複数の独立したキーを備えており、それぞれのキーに異なる機能が割り当てられている。また、フロントキー150は、液晶保護パネル110と同一の面に露出した操作部であるため、この携帯端末装置においては、表示部と操作部が同一面に設けられていることになる。
【0020】
突起部材160は、フロントキー150が備える複数のキーの境界から外側へ突出している。具体的には、突起部材160は、液晶保護パネル110の表示領域の面よりも高く外側に向かって突出している。さらに、突起部材160は、押下されていない状態のフロントキー150よりも高く外側に向かって突出している。したがって、携帯端末装置の液晶保護パネル110が設けられる面においては、突起部材160の先端部が表示領域の面から最も離間する方向に突出していることになる。
【0021】
リアカバー170は、リアケース130に取り付けられ、携帯端末装置のカメラ180側の表面を覆っている。
【0022】
カメラ180は、後述するカメラモジュールを備えており、ユーザの操作に従って画像を取得する。カメラ180の操作には、サイドキー140又はフロントキー150を利用することができる。
【0023】
図3は、実施の形態1に係る携帯端末装置を表示部側から見た分解斜視図である。また、図4は、実施の形態1に係る携帯端末装置をカメラ側から見た分解斜視図である。図3及び図4に示すように、液晶保護パネル110の内側には液晶パネル111が設けられている。液晶パネル111は、フロントケース120に支持されるとともに、フレキシブルケーブル111aによって基板200上の回路に接続される。これにより、液晶パネル111に種々の画像を表示することが可能となり、これらの画像が液晶保護パネル110の中央部分の表示領域を透過し、液晶保護パネル110及び液晶パネル111が表示部として機能する。
【0024】
また、フロントキー150及び突起部材160は、キーラバー190に固定されており、一体的に形成されている。すなわち、フロントキー150が備える複数のキーは、キーラバー190によって連結されており、複数のキーの間には、突起部材160が固定されている。これにより、フロントキー150が備える複数のキーと突起部材160とが全体として1つの部品のようになっている。キーラバー190は、フロントケース120の下部に形成された貫通孔を介して基板200に取り付けられる。そして、フロントキー150が備えるキーが押下された場合には、それぞれのキーに対応して基板200上に設けられたスイッチ201がキーの押下を検知する。フロントキー150、突起部材160及びキーラバー190を含むフロントキー部の構成については、後に詳述する。
【0025】
基板200は、フロントケース120及びリアケース130によって挟持されている。基板200には、サイドキー140やカメラモジュール181などが取り付けられるとともに、携帯端末装置を動作させる回路が形成されている。また、リアケース130とリアカバー170の間には、防水パッキン171が介挿されている。防水パッキン171により、携帯端末装置内部への液体や微小な埃などの進入が妨げられ、基板200上の回路などを保護することができる。
【0026】
次いで、実施の形態1に係る携帯端末装置のフロントキー150周辺の構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、図1に示したX−X線断面を模式的に示す図である。図5に示すように、フロントキー150は、独立した3つのキーを備えており、それぞれのキーの境界からは、突起部材160が突出している。具体的には、突起部材160の先端部160aは、液晶保護パネル110及びフロントキー150の表面よりも高い位置に突出している。すなわち、突起部材160の先端部160aは、基板200から最も離間している。このため、液晶保護パネル110の面を下にして携帯端末装置が机上などに載置される場合でも、突起部材160の先端部160aと筐体のフロントキー150が設けられていない周縁部分とが机の表面に接触することになる。すなわち、液晶保護パネル110の中央部分にある表示領域は、机の表面に直接接触せず、表示部の破損を防止することができる。
【0027】
また、図5に示すように、フロントキー150の表面は、液晶保護パネル110の表面よりも高い位置にあり、突起部材160は、フロントキー150の境界において突出している。このため、フロントキー150及び突起部材160の部分が全体として液晶保護パネル110の表面から盛り上がった形状となる。結果として、突起部材160が突出していることは目立たず、液晶保護パネル110やフロントケース120の表面に独立した突起を設ける場合と比べて、突起部材160が突出していることによる美観の劣化はほとんど無い。そして、美観の劣化がほとんど無いため、突起部材160の先端部160aを十分な高さにまで突出させることができ、確実に表示部の破損を防止することができる。
【0028】
さらに、突起部材160の先端部160aをフロントキー150の表面よりも高い位置に突出させることにより、液晶保護パネル110の面を下にして携帯端末装置が載置される場合に、フロントキー150が誤って押下されることを防止することができる。この結果、携帯端末装置の誤動作を防止することができる。同様に、ユーザがフロントキー150を押下する場合にも、突起部材160が各キーの間のセパレータとして機能するため、複数のキーが同時に押下されることがない。したがって、ユーザの操作時における誤動作も防止することができる。
【0029】
これらのフロントキー150及び突起部材160は、いずれもキーラバー190に固定されている。具体的には、フロントキー150の基板200側の面と突起部材160の基底部160bとがキーラバー190に接着される。フロントキー150の基板200側の面には、凸部150aが形成されており、キーラバー190には、凸部150aの形状に沿った凹部190aが形成されている。そして、フロントキー150が押下された場合には、キーラバー190の凹部190aを介して、凸部150aが基板200上のスイッチ201を押圧する。結果として、基板200上の回路は、押圧されたスイッチ201に対応する機能を実行する。
【0030】
また、突起部材160の基底部160bは、キーラバー190の肉厚部190bに接着される。そして、肉厚部190bは、基板200に固定される。これにより、液晶保護パネル110の面を下にして携帯端末装置が載置される場合に、突起部材160の先端部160aが受ける衝撃を突起部材160及び肉厚部190bが吸収する。したがって、突起部材160が破損しにくくなり、耐衝撃性を高めることができる。
【0031】
次に、実施の形態1に係るフロントキー部の構成について、図6及び図7を参照して詳細に説明する。図6は、実施の形態1に係るフロントキー部を示す斜視図である。図6に示すように、フロントキー150及び突起部材160は、キーラバー190に固定されている。すなわち、キーラバー190には、フロントキー150が備える複数のキーが押下可能に固定されており、これらのキーの境界に突起部材160が固定されている。そして、突起部材160の先端は、フロントキー150の表面よりも高い位置にまで突出している。このように、フロントキー150が備える複数のキーと突起部材160とが1つのキーラバー190に固定されることにより、比較的小さな部品であるキーや突起部材の位置決めなどが容易となり、携帯端末装置の組立効率が向上する。
【0032】
フロントキー150は、合成樹脂や金属メッキが施された合成樹脂などから形成されており、ユーザが押下しやすいように表面が曲面状になっている。突起部材160は、透明又は半透明の合成樹脂などから形成されている。また、キーラバー190は、透明又は半透明の弾性材料(例えばゴム)などから形成されている。このように、突起部材160及びキーラバー190が透明又は半透明の材料から形成されているため、携帯端末装置の基板200に取り付けられたLED(Light Emitting Diode)などが発光すると、フロントキー150の境界から突出する突起部材160が光る。このため、例えば暗い場所で携帯端末装置が使用される場合にも、フロントキー150が備える各キーの視認性を向上することができる。以下、キーの視認性を向上するための構成について、より詳細に説明する。
【0033】
図7は、実施の形態1に係るフロントキー部を示す分解斜視図である。図7に示すように、フロントキー150及び突起部材160は、遮光シート191を介してキーラバー190に固定されている。遮光シート191は、遮光性が高いシート状の部材であり、フロントキー150に対応する位置に貫通孔191aが形成されるとともに、突起部材160に対応する位置に貫通孔191bが形成されている。
【0034】
そして、突起部材160は、遮光シート191の貫通孔191bを介してキーラバー190に固定される。このとき、突起部材160の先端部160aより幅広な基底部160bがキーラバー190の肉厚部190bに接着される。一方、フロントキー150が備える各キーは、遮光シート191の貫通孔191aを介してキーラバー190に押下可能に固定される。このとき、キーの裏面に設けられた凸部が凹部190aに嵌合するようにキーがキーラバー190に固定される。突起部材160及びフロントキー150がキーラバー190に固定されることにより、フロントキー150が備える各キーの境界からは、突起部材160の先端部160aが突出する。
【0035】
フロントキー150及び突起部材160とキーラバー190との間には、遮光シート191が間挿されているため、携帯端末装置内部から照射された光は、キーラバー190を経由して遮光シート191の貫通孔191a、191bから漏出する。そして、貫通孔191bを介してキーラバー190に接着された突起部材160が透明又は半透明の材料から形成されているため、突起部材160の位置において携帯端末装置外部からも光が視認可能となる。結果として、フロントキー150が備える各キーの境界が光って見えることになり、暗い場所などでもそれぞれのキーの位置が把握可能となる。
【0036】
なお、遮光シート191の貫通孔191aから漏出する光は、フロントキー150の周囲に形成される隙間から視認可能であるため、フロントキー150の輪郭が強調され、キーの位置が明確に把握可能となる。
【0037】
以上のように、実施の形態1によれば、フロントキー150が備える複数のキーの境界から液晶保護パネル110よりも高い位置に突出する突起部材160を有しており、この突起部材160が透明又は半透明の材料から形成されている。このため、図8に示すように、液晶保護パネル110の面を下にして携帯端末装置を平面上に載置する場合でも、図中二点鎖線で示す平面に接触するのは、突起部材160と筐体の周縁部分Aとなる。換言すれば、液晶保護パネル110の表示領域が直接平面に接触することがなく、表示領域に傷が付くなどの破損を防止することができる。
【0038】
また、突起部材160は、フロントキー150の境界部分に設けられ、キー間のセパレータとして自然な状態で突出する。このため、突起部材160を設けたことによる携帯端末装置の美観の劣化が無い。すなわち、実施の形態1に係る携帯端末装置によれば、美観を損なうことなく表示部の破損を防止することができる。
【0039】
(実施の形態2)
実施の形態2の特徴は、フロントキーの境界に突起部材を設ける代わりに、液晶保護パネル又はフロントケースの形状をフロントキーの境界において隆起させる形状とすることである。
【0040】
図9は、実施の形態2に係る携帯端末装置の表示部側の外観を示す斜視図である。図9において、図1と同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略する。また、実施の形態2に係る携帯端末装置のカメラ側の外観は、実施の形態1に係る携帯端末装置と同様であるため、図示を省略している。図9に示す携帯端末装置は、液晶保護パネル115、フロントケース125、リアケース130、サイドキー140及びフロントキー150を有している。
【0041】
液晶保護パネル115は、実施の形態1に係る液晶保護パネル110と同様に、携帯端末装置内部に設けられた液晶パネルを覆っており、中央部分の表示領域において、液晶パネルに表示される画像を透過させる。ただし、液晶保護パネル115は、液晶保護パネル110と異なり、フロントキー150が備える複数のキーの境界において隆起する隆起部115aを有している。
【0042】
フロントケース125は、実施の形態1に係るフロントケース120と同様に、携帯端末装置の表示部側の筐体を形成し、液晶パネルを支持するとともに、この液晶パネルを覆う位置には液晶保護パネル115が取り付けられるようになっている。ただし、フロントケース125は、フロントケース120と異なり、フロントキー150が備える複数のキーの境界において隆起する隆起部125aを有している。
【0043】
そして、液晶保護パネル115の隆起部115aとフロントケース125の隆起部125aとが接合し、全体としてアーチ形状に突起している。このアーチ形状の先端部は、液晶保護パネル115の表示領域の面よりも高く外側に向かって突出している。さらに、アーチ形状の先端部は、押下されていない状態のフロントキー150よりも高く外側に向かって突出している。したがって、携帯端末装置の液晶保護パネル115が設けられる面においては、隆起部115a及び隆起部125aによって形成されるアーチ形状の先端部が表示領域の面から最も離間する方向に突出していることになる。
【0044】
なお、実施の形態2においては、フロントキー150が液晶保護パネル115及びフロントケース125の境界において外側へ露出しているため、液晶保護パネル115及びフロントケース125の双方に隆起部115a、125aが形成されている。しかし、フロントキー150が例えばフロントケースの貫通孔から外側へ露出しているような場合には、このフロントキー150の境界においてフロントケースがアーチ形状に隆起していれば良い。同様に、フロントキー150が例えば液晶保護パネルの貫通孔から外側へ露出しているような場合には、このフロントキー150の境界において液晶保護パネルがアーチ形状に隆起していれば良い。
【0045】
次いで、実施の形態2に係る携帯端末装置のフロントキー150周辺の構成について、図10を参照しながら説明する。図10は、図9に示したY−Y線断面を模式的に示す図である。図10に示すように、フロントキー150は、独立した3つのキーを備えており、それぞれのキーの境界においては、液晶保護パネル115の隆起部115aが突出している。なお、フロントケース125の隆起部125aを含む断面においては、それぞれのキーの境界において隆起部125aが突出していることはいうまでもない。
【0046】
図10に示すように、隆起部115aは、周囲の液晶保護パネル115の面及びフロントキー150の表面よりも高い位置に突出している。すなわち、隆起部115aは、基板200から最も離間している。このため、液晶保護パネル115の面を下にして携帯端末装置が机上などに載置される場合でも、隆起部115aと筐体のフロントキー150が設けられていない周縁部分とが机の表面に接触することになる。すなわち、液晶保護パネル115の中央部分にある表示領域は、机の表面に直接接触せず、表示部の破損を防止することができる。
【0047】
また、図10に示すように、フロントキー150の表面は、液晶保護パネル115の表示領域がある面よりも高い位置にあり、隆起部115aは、フロントキー150の境界において隆起している。このため、液晶保護パネル115やフロントケース125の表面に独立した突起を設ける場合と比べて、液晶保護パネル115やフロントケース125の一部が隆起していることによる美観の劣化はほとんど無い。そして、美観の劣化がほとんど無いため、隆起部115a、125aを十分な高さにまで隆起させることができ、結果として、確実に表示部の破損を防止することができる。
【0048】
さらに、隆起部115a、125aをフロントキー150の表面よりも高い位置に隆起させることにより、液晶保護パネル115の面を下にして携帯端末装置が載置される場合に、フロントキー150が誤って押下されることを防止することができる。この結果、携帯端末装置の誤動作を防止することができる。同様に、ユーザがフロントキー150を押下する場合にも、隆起部115a、125aによって形成されるアーチ形状が各キーの間のセパレータとして機能するため、複数のキーが同時に押下されることがない。したがって、ユーザの操作時における誤動作も防止することができる。
【0049】
そして、実施の形態2においては、フロントキー150が備える複数のキーの境界を突起させるために、新たな突起部材などを使用する必要がない。このため、実施の形態2の構成によれば、実施の形態1の構成と比較して、部品点数の増大を抑制することができる。
【0050】
以上のように、実施の形態2によれば、フロントキー150が備える複数のキーの境界において、液晶保護パネル115又はフロントケース125の一部が液晶保護パネル115の表示領域の面よりも高い位置にまで隆起している。このため、液晶保護パネル115の面を下にして携帯端末装置を平面上に載置する場合でも、平面に接触するのは、液晶保護パネル115又はフロントケース125の隆起部115a、125aと筐体の周縁部分となる。換言すれば、液晶保護パネル115の表示領域が直接平面に接触することがなく、表示領域に傷が付くなどの破損を防止することができる。
【0051】
また、隆起部115a、125aは、フロントキー150の境界部分に設けられ、キー間のセパレータとして自然な状態で隆起する。このため、隆起部115a、125aを設けたことによる携帯端末装置の美観の劣化が無い。すなわち、実施の形態2に係る携帯端末装置によれば、美観を損なうことなく表示部の破損を防止することができる。さらに、実施の形態2に係る携帯端末装置によれば、表示部を保護するための新たな突起部材などが不要であるため、携帯端末装置の部品点数の増大を抑制することができる。
【0052】
なお、上記実施の形態2においては、隆起部115a、125aが透明又は半透明となるように携帯端末装置の筐体を製造しても良い。すなわち、液晶保護パネル115及びフロントケース125を例えば透明な合成樹脂などを成形することにより作成し、表示領域や隆起部115a、125a以外の部分を着色しても良い。このようにすることにより、携帯端末装置内部に設けられたLEDなどが発光すると、隆起部115a、125aから外部へ光が伝達される。このため、実施の形態1に係る突起部材160を透明又は半透明の材料から形成する場合と同様の効果が得られる。
【0053】
ところで、上記各実施の形態においては、フロントキー150の境界における突起部材160又は隆起部115a、125aがフロントキー150の表面よりも高い位置にまで突出するものとした。しかし、突起部材160又は隆起部115a、125aを含む突起部は、必ずしもフロントキー150の表面より高い位置にまで突出しなくても良い。すなわち、これらの突起部が少なくとも液晶保護パネル110、115の表示領域の面よりも高い位置に突出していれば、フロントキー150又は突起部によって携帯端末装置を載置する際の表示部の破損を防止することができる。
【0054】
また、上記各実施の形態においては、携帯端末装置を例に挙げて説明したが、表示部と同じ面にフロントキーなどの操作部が設けられている電子機器であれば、上記各実施の形態と同様の突起部を設けることにより、美観を損なうことなく表示部の破損を防止することができる。
【符号の説明】
【0055】
110、115 液晶保護パネル
115a 隆起部
111 液晶パネル
111a フレキシブルケーブル
120、125 フロントケース
125a 隆起部
130 リアケース
140 サイドキー
150 フロントキー
150a 凸部
160 突起部材
160a 先端部
160b 基底部
170 リアカバー
171 防水パッキン
180 カメラ
181 カメラモジュール
190 キーラバー
190a 凹部
190b 肉厚部
191 遮光シート
191a、191b 貫通孔
200 基板
201 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状の表示領域を備えた表示部と、
前記表示部の表示領域と同一面に設けられ、押下可能な複数のキーを備えた操作部と、
前記複数のキーの境界に形成され、前記表示部の表示領域の面より突出する突起部と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記複数のキーを連結し、前記電子機器内部の基板に接続させる連結部材をさらに有し、
前記突起部は、
前記連結部材に固定されることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記突起部は、
透明又は半透明の材料から形成され、前記電子機器内部において照射される光を前記電子機器外部へ伝達することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記突起部は、
前記複数のキー周辺の筐体の一部を前記表示部の表示領域の面よりも高く隆起させてなることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記突起部は、
前記複数のキーの表面よりも高く突出することを特徴とする請求項1記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−235431(P2012−235431A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104610(P2011−104610)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】