電子機器
【課題】不意な開蓋を防止するとともに、必要時に容易に開蓋できる。
【解決手段】カバー部材12に略L字型の第1の案内孔12cを備え、操作部材11が第1の位置と第2の位置との間を移動する方向と、操作部材11が第2の位置と第3の位置との間を移動する方向とを、互いに異ならせた。また、操作部材11が第2の位置と第3の位置との間を移動するときのみ、ロックプレート13を変位させる構成とした。すなわち、ロックプレート13の係合部13fと係合リブ21との係合を外す際の操作部材11の変位方向と、ロックプレート13の変位を規制/解除する際の操作部材11の変位方向とが異なるため、外部から加わる衝撃等によって容易にロックが解除されてしまうことを防ぐことができる。
【解決手段】カバー部材12に略L字型の第1の案内孔12cを備え、操作部材11が第1の位置と第2の位置との間を移動する方向と、操作部材11が第2の位置と第3の位置との間を移動する方向とを、互いに異ならせた。また、操作部材11が第2の位置と第3の位置との間を移動するときのみ、ロックプレート13を変位させる構成とした。すなわち、ロックプレート13の係合部13fと係合リブ21との係合を外す際の操作部材11の変位方向と、ロックプレート13の変位を規制/解除する際の操作部材11の変位方向とが異なるため、外部から加わる衝撃等によって容易にロックが解除されてしまうことを防ぐことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、開閉蓋を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコンやデジタルカメラ等の携帯型電子機器は、バッテリーを着脱可能なスロットと、スロットを開閉可能な蓋体とを備えていることがある。
【0003】
特許文献1は、バッテリースロットを開閉可能な電池蓋構造を備え、バッテリースロットの一端に備える一対の係止穴に電池蓋体に配置した係止突起がスライド嵌合することで、バッテリースロットを閉蓋する構成を開示している。特許文献2は、ロックレバーとロックレバープレートとが防水フタを貫通して固着し、ロックレバーを回転させることで挿入口を閉蓋する構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−142841号公報
【特許文献2】特開2001−21979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献が開示している構成では、電子機器を誤って床等に落下させてしまったときに、その落下衝撃によって電池蓋が容易に開いてしまう場合がある。具体的には、電子機器が通電され動作しているときに、不意に電池蓋が開き、電子機器から電池が脱落し、電池と電子機器との通電状態が遮断されてしまうと、電子機器に障害が生じてしまう可能性がある。例えば、特許文献1及び2に開示されているようなカメラにおいて、記憶媒体(例えば特許文献1のメモリカード32)に撮影画像を記録しているときに電池がカメラから脱落すると、記憶媒体へ記録しようとしている撮影画像が失われてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する電子機器は、開口部を備えた筐体と、前記開口部を開閉するカバー部材と、前記カバー部材に変位可能に配されている操作部材と、前記カバー部材に配され、前記筐体に係合し前記カバー部材の開蓋動作を規制する第1の位置と、前記筐体から離間し前記カバー部材の開蓋動作を可能とする第2の位置とに変位可能なロック部材とを備えている。前記操作部材は、前記ロック部材が前記第1の位置と前記第2の位置との間を変位するとき、前記ロック部材に同期して変位し、前記ロック部材が前記第1の位置にあるとき、第3の位置と第4の位置との第1の方向に変位可能であり、前記ロック部材が前記第1の位置から前記第2の位置への変位に連動して前記第4の位置から第5の位置の第2の方向に変位可能であり、前記第1の方向と前記第2の方向とが異なる。
【発明の効果】
【0007】
本願の開示によれば、開口部を閉蓋する蓋体が電子機器に加わる衝撃によって容易に開きにくくするとともに、ユーザーが蓋体を開閉する際の操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ノートパソコンの斜視図
【図2】蓋体の分解斜視図
【図3】カバー部材における第1の案内孔近傍の平面図
【図4】ロックプレートにおける第2の案内孔近傍の平面図
【図5A】蓋体の表面側の平面図(ロック状態)
【図5B】蓋体の表面側の平面図(操作部材をスライドさせた状態)
【図5C】蓋体の表面側の平面図(ロック解除状態)
【図6A】蓋体の裏面側の平面図(ロック状態)
【図6B】蓋体の裏面側の平面図(操作部材をスライドさせた状態)
【図6C】蓋体の裏面側の平面図(ロック解除状態)
【図7A】蓋体の断面図(ロック状態)
【図7B】蓋体の断面図(ロック解除状態)
【図7C】蓋体の断面図(開蓋可能状態)
【図8A】蓋体の変形例を示す裏面側の平面図(ロック解除状態)
【図8B】蓋体の変形例を示す裏面側の平面図(操作部材をスライドさせた状態)
【図8C】蓋体の変形例を示す裏面側の平面図(ロック状態)
【図9A】蓋体の変形例を示す裏面側の平面図
【図9B】図9AにおけるL−L部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
〔1.電子機器の構成〕
図1は、本実施の形態にかかるノートパソコンの外観を示す斜視図である。図1に示すノートパソコンは、電子機器の一例である。本実施の形態では、電子機器の一例としてノートパソコンを挙げたが、少なくともバッテリーユニットやハードディスクドライブユニット等を着脱可能なスロットと、そのスロットを開閉する蓋体とを備えた電子機器であればよい。本実施の形態の電子機器は、ノートパソコンの他、デジタルカメラ、携帯型ゲーム機等に適用することができる。
【0010】
図1に示すように、ノートパソコンは、第1の筐体1と第2の筐体2とを備えている。第1の筐体1は、各種電気素子が実装された回路基板や、中央演算処理装置等を内蔵している。第2の筐体2は、ディスプレイパネル4を備えている。ディスプレイパネル4は、例えば液晶ディスプレイパネルで実現することができる。第1の筐体1と第2の筐体2とは、ヒンジ部3によって互いに回動自在に支持されている。なお、本実施の形態では、第1の筐体1と第2の筐体2とを備えたノートパソコンを挙げたが、スレート型コンピューター等のように単一筐体からなる電子機器であってもよい。第1の筐体1の上面1aには、キーボード5とポインティングデバイス6とが配されている。第1の筐体1は、バッテリースロット20を内蔵している。第1の筐体1の側面1bには、蓋体10が配されている。
【0011】
蓋体10は、第1の筐体1に回動可能に支持され、第1の筐体1内に設けられたバッテリースロット20を閉蓋する閉蓋位置と、バッテリースロット20を開放する開蓋位置とに変位可能である。図1は、蓋体10が閉蓋位置にある状態を示している。蓋体10を開蓋位置へ変位させることによって、バッテリーユニット100をバッテリースロット20へ挿入(矢印B)またはバッテリースロット20から取り出すことができる。
【0012】
バッテリースロット20は、蓋体10によって開閉可能な開口部を有する。バッテリースロット20は、内部にバッテリーユニット100の電気接点と電気的に接続可能な電気接点を備えている。
【0013】
バッテリーユニット100は、二次電池を内蔵している。なお、バッテリーユニット100は、本実施の形態のように充電及び放電が可能な二次電池に限らず、放電のみ可能な一次電池であってもよい。
【0014】
〔2.蓋体10の構成〕
図2は、蓋体10の分解斜視図である。蓋体10は、操作部材11、カバー部材12、ロックプレート13、スライドプレート14、およびネジ15a〜15cを備えている。図3は、カバー部材12に形成された第1の案内孔12c近傍の平面図である。図4は、ロックプレート13に形成された第2の案内孔13c近傍の平面図である。
【0015】
操作部材11は、平板状の部材である。操作部材11は、ユーザーが蓋体10を開閉する際にスライド操作する部材である。操作部材11は、本実施の形態ではマグネシウム等の金属で形成したが、樹脂等で形成してもよく、材料は限定されない。操作部材11は、外部に露出する表面11aと、カバー部材12に対向する裏面11bとを有する。表面11aは、ユーザーが指等で操作部材11をスライド操作する際に、指を当接させる面である。表面1aは、ユーザーが指等で操作部材11をスライド操作する際に指を滑りにくくするために、複数の微小凹凸が形成されていることが好ましい。表面11aは、ユーザーが操作部材11のスライド方向を目視で把握できるように、スライド方向を示す記号等が表記されていることが好ましい。操作部材11は、表面11aの外周縁部において表面11aから突出した突起部11dを備えている。突起部11dは、表面11aを囲むように形成されている。突起部11dを備えたことにより、ユーザーが指で操作部材11を変位させる際、突起部11dに指を引っ掛けることができるため、操作部材11を指の移動に確実に追従させることができる。したがって、操作部材11を変位させて蓋体10のロックを解除または蓋体のロックをする際の操作性を向上させることができる。なお、本実施の形態では、表面11aの周囲全域に突起部11dを設けたが、少なくともユーザーが指を引っ掛けることができればよいため、表面11aの周囲の一部にのみ突起部11dを設けてもよい。また、操作部材11の表面11aと指との摩擦を高める構成を備えていれば、突起部11dは省略することができる。裏面11bは、操作部材11をスライドさせる際、カバー部材12の表面12aを摺動する。裏面11bは、操作部材11を円滑にスライド可能なように、滑りやすい加工が施されていることが好ましい。裏面11bには、ボス11cが突出形成されている。ボス11cは、例えば円柱形状に形成されているが、この形状に限定されなく、四角柱形状等であってもよい。ボス11cは、端面にネジ孔(不図示)が形成されている。
【0016】
カバー部材12は、平板状の部材である。カバー部材12は、少なくともバッテリースロット20(図1参照)の開口部を閉塞できる形状及び大きさを有する。カバー部材12は、本実施の形態では樹脂で形成したが、金属等で形成してもよく、材料は限定されない。カバー部材12は、表面12aから裏面12bに達するまで貫通するように第1の案内孔12cが形成されている。表面12aは、外部に露出する面である。裏面12bは、バッテリースロット20を閉口する面である。第1の案内孔12cは、表面12a及び裏面12bにおける開口形状が略L字形状である。第1の案内孔12cは、操作部材11に形成されたボス11cが遊嵌される。第1の案内孔12cは、図3に示すように、第1規制面12g、第2規制面12h、第3規制面12j、第4規制面12k、第5規制面12m、および第6規制面12nを有する。第1規制面12gと第2規制面12h及び第6規制面12nとは、平行対向している。第4規制面12kと第3規制面12j及び第5規制面12mとは、平行対向している。第1規制面12gと第3規制面12j及び第4規制面12k、第2規制面12hと第3規制面12j及び第5規制面12m、第6規制面12nと第4規制面12k及び第5規制面12mとは、それぞれ直交している。カバー部材12は、裏面12bにネジ孔12d及び12eが形成されている。カバー部材12は、端部に2個のヒンジ金具12fが配されている。ヒンジ金具12fは、支軸22(後述)によってカバー部材12に回動自在に支持されている。
【0017】
ロックプレート13は、平板状の部材である。ロックプレート13は、本実施の形態では平面形状を長方形としたが、この形状に限定されない。ロックプレート13は、カバー部材12の裏面12bに配置される。ロックプレート13は、カバー部材12の裏面12b上をY軸方向へ変位可能である。ロックプレート13は、本実施の形態ではアルミニウム等の金属で形成したが、樹脂等で形成してもよく、材料は限定されない。ロックプレート13は、第1の筐体1の係合リブ(後述)に係合可能である。ロックプレート13は、表面13aから裏面13bに達するまで第2の案内孔13cが形成されている。第2の案内孔13cは、X軸方向に長辺を有する略長方形状に形成されている。第2の案内孔13cは、操作部材11に形成されたボス11cが遊嵌している。第2の案内孔13cは、互いに平行対向する一対の長辺13g及び13hと、互いに平行対向する一対の短辺13j及び13kとを有する。長辺13gと短辺13j及び13k、長辺13hと短辺13j及び13kとは、それぞれ直交している。ロックプレート13は、表面13aから裏面13bに達するまで第3の案内孔13d及び第4の案内孔13eが形成されている。第3の案内孔13d及び第4の案内孔13eは、Y軸方向に長辺を有する略長方形状に形成されている。第3の案内孔13d及び第4の案内孔13eは、ネジ15b及び15cが遊嵌している。ネジ15bは第3の案内孔13d内を変位可能であり、ネジ15cは第4の案内孔13e内を変位可能であるため、ロックプレート13はY軸方向へ変位可能である。ロックプレート13は、一方の長辺に沿って係合部13fが形成されている。係合部13fは、ロックプレート13の裏面13b側に突出して形成されている。係合部13fは、第1の筐体1に形成された係合リブ(後述)に係合可能である。なお、第2の案内孔13c、第3の案内孔13d、および第4の案内孔13eは、開口形状が長方形に限らず、長円形(オーバル型)であってもよい。
【0018】
スライドプレート14は、平板状の部材である。スライドプレート14は、本実施の形態では長方形状に形成したが、この形状に限定されない。スライドプレート14は、ロックプレート13の裏面13bに摺動可能に配置される。スライドプレート14は、本実施の形態ではリン青銅等の金属で形成したが、樹脂等で形成してもよく、材料は限定されない。スライドプレート14は、孔部14aが貫通形成されている。孔部14aは、ネジ15aを挿通可能な内径を有する。
【0019】
ネジ15aは、スライドプレート14の孔部14a、ロックプレート13の第2の案内孔13c、およびカバー部材12の第1の案内孔12cを挿通し、操作部材11のボス11cに形成されたネジ孔に螺合される。ネジ15bは、ロックプレート13の第3の案内孔13dを挿通し、カバー部材12に形成されたネジ孔12dに螺合される。ネジ15cは、ロックプレート13の第4の案内孔13eを挿通し、カバー部材12に形成されたネジ孔12eに螺合される。これにより、操作部材11、カバー部材12、ロックプレート13、およびスライドプレート14は、互いに結合する。
【0020】
〔3.蓋体10の開閉動作〕
図5A〜図5Cは、蓋体10の表面10a側の平面図である。図6A〜図6Cは、蓋体10の裏面10b側の平面図である。図7Aは、図5AにおけるL1−L1部の断面図である。図7Bは、図5CにおけるL2−L2部の断面図である。図7Cは、蓋体10を開いた状態を示す断面図である。図5A、図6A、および図7Aは、操作部材11がロック位置にある状態を示す。図5B及び図6Bは、操作部材11がロック解除位置にある状態を示す。図5C、図6C、および図7Bは、操作部材11が開閉可能位置にある状態を示す。蓋体10は、操作部材11がロック位置、ロック解除位置、および開閉可能位置にあるとき、バッテリースロット20(図1参照)を閉塞している。なお、図6A〜図6Cは、ボス11cと第1の案内孔12cとの嵌合状態を明確に図示するために、スライドプレート14及びネジ15aの図示は省略した。
【0021】
まず、操作部材11は、図5A及び図6Aに示すロック位置にあるとき、ボス11cが第1の案内孔12cの第1規制面12g及び第2規制面12hに近接または当接しているため、Y軸方向の位置が規制されている。操作部材11は、ボス11cが第1の案内孔12cの第3規制面12jに近接または当接しているため、矢印X1に示す方向の位置が規制されている。また、図6A及び図7Aに示すように、ロックプレート13は、係合部13fがリブ21に係合する位置にある。ロックプレート13は、ボス11cが第2の案内孔13cの長辺13g及び13hに近接または当接しているため、Y軸方向の位置が規制されている。ロックプレート13は、第3の案内孔13dの一対の長辺にネジ15bが近接または当接し、第4の案内孔13eの一対の長辺にネジ15cが近接または当接しているため、X軸方向の位置が規制されている。以上により、蓋体10は、ロック位置にあるとき、バッテリースロット20(図1参照)を閉塞するとともに、係合部13fが係合リブ21に係合しているため閉塞状態を維持している。
【0022】
操作部材11は、ロック位置にあるとき、図5A及び図6Aに示す矢印Cに示す方向へ変位可能である。具体的には、ボス11cが第1の案内孔12cに沿って変位可能であるため、操作部材11は、図5A及び図6Aに示す位置から矢印Cに示す方向へ変位可能である。操作部材11は、図5A及び図6Aに示す位置から矢印Cに示す方向へ変位させると、図5B及び図6Bに示すロック解除位置へ変位する。
【0023】
操作部材11は、ロック解除位置にあるとき、ボス11cが第1の案内孔12cの第1規制面12g及び第4規制面12kに近接または当接しているため、矢印X2に示す方向及び矢印Y1に示す方向への変位が規制されている。
【0024】
操作部材11は、ロック解除位置にあるとき、図5B及び図6Bに示す矢印Dに示す方向へ変位可能である。具体的には、ボス11cが第1の案内孔12cに沿って変位可能であるため、操作部材11は、図5B及び図6Bに示す位置から矢印Dに示す方向へ変位可能である。操作部材11を図5B及び図6Bに示す位置から矢印Dに示す方向へ変位させると、ボス11cは、第1の案内孔12cの第4規制面12k及び第5規制面12mに沿って矢印Dに示す方向へ変位する。このとき、ロックプレート13は、ボス11cがロックプレート13の第2の案内孔13cの長辺13gを押すため、矢印Dに示す方向へ変位する。また、ロックプレート13は、ネジ15bが第3の案内孔13dに遊嵌し、ネジ15cが第4の案内孔13eに遊嵌しているため、第3の案内孔13d及び第4の案内孔13eの長手方向に沿って矢印Dに示す方向へ変位する。
【0025】
操作部材11は、図5C及び図6Cに示すように開閉可能位置にあるとき、ボス11cが第1の案内孔12cの第4規制面12k及び第5規制面12mに近接または当接しているため、X軸方向の位置が規制されている。操作部材11は、ボス11cが第1の案内孔12cの第6規制面12nに近接または当接しているため、矢印Y2に示す方向の位置が規制されている。また、図6C及び図7Bに示すように、ロックプレート13は、係合部13fと係合リブ21との係合が外れた位置にある。ロックプレート13は、ボス11cが第2の案内孔13cの長辺13g及び13hに近接または当接しているため、Y軸方向の位置が規制されている。ロックプレート13は、第3の案内孔13bの長辺にネジ15bが近接または当接し、第4の案内孔13cの長辺にネジ15cが近接または当接しているため、X軸方向の位置が規制されている。
【0026】
以上により、蓋体10は、操作部材11が開閉可能位置にあるとき、ロックプレート13の係合部13fと係合リブ21との係合が外れているため、図7Cに示すようにバッテリースロット20(図1参照)を開放する位置へ回動させることができる。図7Cに示す蓋体10の状態を、「開蓋状態」と称する。蓋体10を図7Bに示す閉蓋状態から図7Cに示す開蓋状態へ移行させる際は、ユーザーが蓋体10の一部(例えばカバー部材12の端部)を把持して矢印Aに示す方向へ回動させてもよいし、蓋体10の自重により矢印Aに示す方向へ回動させる構成としてもよい。
【0027】
蓋体10がバッテリースロット20を開放することにより、バッテリースロット20内へバッテリーユニット100(図1参照)を挿入したり、バッテリースロット20に収納されているバッテリーユニット100を取り出したりすることができる。
【0028】
なお、カバー部材12は、図7A〜図7Cに示すように、支軸22によって第1の筐体1に回動自在に支持されている。したがって、カバー部材12は、支軸22を軸にして矢印A(図7B参照)に示す方向および矢印H(図7C参照)に示す方向へ回動させることができる。
【0029】
蓋体10を図7Cに示す開蓋状態から閉蓋状態へ移行する際は、まず、蓋体10を矢印Gに示す方向へ回動させて図7Bに示す状態にする。図7Bに示す状態では、カバー部材12が係合リブ21の側部に当接している。このとき、操作部材11は、図5Cに示す開閉可能位置にある。また、ロックプレート13及びスライドプレート14は、図6Cに示す開閉可能位置にある。
【0030】
次に、操作部材11を矢印Eに示す方向へ変位させる。このとき、操作部材11のボス11cが、ロックプレート13の第2の案内孔13cの長辺13hを矢印Eに示す方向へ押すため、ロックプレート13は、操作部材11の変位に伴って矢印Eに示す方向へ変位する。また、スライドプレート14も、操作部材11の変位に伴って矢印Eに示す方向へ変位する。
【0031】
ボス11cが第1の案内孔12cの第1規制面12gに当接するまで操作部材11を変位させることによって、操作部材11,ロックプレート13,スライドプレート14は、図5B、図6B、および図7Aに示すロック解除位置に到達する。このとき、ロックプレート13がロック解除位置に達することにより、ロックプレート13の係合部13fが係合リブ21に係合する。これにより、蓋体10を矢印Aに示す方向へ回動することが規制される。
【0032】
次に、操作部材11を矢印Gに示す方向へ変位させる。このときボス11cは、第1の案内孔12c内を第1規制面12g及び第2規制面12hに沿って変位するとともに、第2の案内孔13c内を長辺13g及び13hに沿って変位する。スライドプレート14は、操作部材11の変位に伴って、矢印Gに示す方向へ変位する。ロックプレート13は、図6Bに示すロック解除位置にとどまる。
【0033】
操作部材11を図5Aに示すロック位置へ変位させることにより、ボス11cが、第1の案内孔12cの第1規制面12g及び第2規制面12hに近接または当接した状態となるため、操作部材11はY軸方向への変位が規制される。また、ロックプレート13は、第2の案内孔13cにボス11cが遊嵌し、第2の案内孔13cの長辺13g及び13hにボス11cが近接または当接しているため、Y軸方向への変位が規制される。したがって、ロックプレート13の係合部13fと係合リブ21との係合状態が維持され、蓋体10が矢印Aに示す方向へ回動することが規制される。
【0034】
〔4.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、カバー部材12に略L字型の第1の案内孔12cを備え、操作部材11がロック位置とロック解除位置との間を移動する方向と、操作部材11がロック解除位置と開閉可能位置との間を移動する方向とを、互いに異ならせた。また、操作部材11がロック解除位置と開閉可能位置との間を移動するときのみ、ロックプレート13を変位させる構成とした。すなわち、ロックプレート13の係合部13fと係合リブ21との係合を外す際の操作部材11の変位方向と、ロックプレート13の変位を規制/解除する際の操作部材11の変位方向とが異なる構成とした。このような構成としたことにより、例えば電子機器を誤って床等に落下させてしまったときなど、外部から衝撃が加わった際に、容易にロックが解除されて蓋体が開いてしまうことを防ぐことができる。
【0035】
また、本実施の形態の操作部材11は、ユーザーが片手の一本の指(例えば第2指)を表面11aに押し当てながらX軸方向及びY軸方向(図5A〜図5C等参照)へ変位させることができる。したがって、蓋体10のロックを解除する操作及び蓋体10をロックする操作を容易に行うことができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、蓋体10でバッテリースロット20を開閉する蓋体に本実施の形態の構成を適用したが、バッテリースロット20に限らず、例えばハードディスクドライブスロット、拡張カードスロット、インターフェース端子等を開閉する蓋体にも本実施の形態の構成を適用できる。
【0037】
また、本実施の形態では、蓋体10及びそれにより開閉される開口部(本実施の形態ではバッテリースロット20)は、第1の筐体1に備えたが、第2の筐体2に備えてもよい。
【0038】
また、スライドプレート14は、板バネ等の弾性材料で形成し、僅かに弾性変形させながらロックプレート13に当接させることにより、操作部材11,カバー部材12,ロックプレート13、およびスライドプレート14における機械的ガタツキを低減することができる。
【0039】
また、本実施の形態におけるバッテリースロット20は、開口部の一例である。第1の筐体1は、筐体の一例である。操作部材11は、操作部材の一例である。カバー部材12は、カバー部材の一例である。ロックプレート13は、ロック部材の一例である。図6A及び図6Bに示すロックプレート13の位置は、第1の位置の一例である。図6Cに示すロックプレート13の位置は、第2の位置の一例である。図5Aに示す操作部材11の位置(ロック位置)は、第3の位置の一例である。図5Bに示す操作部材11の位置(ロック解除位置)は、第4の位置の一例である。図5Cに示す操作部材11の位置(開閉可能位置)は、第5の位置の一例である。図5Aに示すX軸方向は、第1の方向の一例である。図5Aに示すY軸方向は、第2の方向の一例である。
【0040】
以下、本実施の形態の電子機器について、変形例を開示する。
【0041】
(変形例1)
図8A〜図8Cは、蓋体10の変形例を示す平面図である。図8Aは、操作部材11が開閉可能位置にある状態を示す。図8Bは、操作部材11がロック解除位置にある状態を示す。図8Cは、操作部材11がロック位置にある状態を示す。図8A〜図8Cに示す変形例は、本実施の形態の蓋体10にバネ16を追加した構成である。バネ16は、ねじりコイルバネで構成されている。バネ16は、一方の端部16aがロックプレート13に係止され、他方の端部16bが操作部材11のボス11cに当接している。バネ16は、弾性変形した状態で端部16aがロックプレート13に係止され端部16bがボス11cに当接しているため、端部16bは、バネ16の弾性復帰力によってボス11cを矢印Jに示す方向へ押圧している。
【0042】
まず、図8Aに示す状態のとき、ボス11cは、カバー部材12の第1の案内孔12cの第4規制面12k及び第5規制面12mに近接または当接しているため、X軸方向の位置が規制されている。したがって、バネ16の端部16bによってボス11cに矢印Jに示す方向の付勢力が加わっているが、ボス11c及びそれを備えた操作部材11はX軸方向へ変位しない。
【0043】
次に、図8Aに示す状態から操作部材11を矢印Fに示す方向へ変位させると、図8Bに示す状態になる。図8Bに示す状態では、ボス11cは、第2の案内孔12cの第1規制面12g及び第4規制面12kに近接または当接しているため、矢印Jに示す方向へ変位可能となる。このとき、ボス11cは、バネ16の端部16bによる矢印Jに示す方向の付勢力によって、矢印Jに示す方向へ押圧されて変位する。これに伴い、操作部材11は、図8Bに示す位置から矢印Jに示す方向へ変位し、図8Cに示す状態となる。
【0044】
このように、図8A〜図8Cに示す変形例によれば、蓋体10をロック状態へ移行する際に、操作部材11を開閉可能位置からロック解除位置へ手動で変位させるだけで、バネ16の付勢力によって操作部材11はロック位置へ変位させられる。したがって、蓋体10をロック状態へ移行する操作を容易に行うことができる。
【0045】
(変形例2)
図9Aは、蓋体10の変形例を示す平面図である。図9Bは、図9AにおけるL−L部の断面図である。図9A及び図9Bに示す構成は、本実施の形態のカバー部材12に防水部材17を追加した構成である。なお、図9A及び図9Bは、ボス11cと第1の案内孔12cとの嵌合状態を明確に図示するために、スライドプレート14及びネジ15aの図示は省略した。
【0046】
防水部材17は、カバー部材12の裏面12bの外周縁部近傍に配されている。防水部材17は、カバー部材12の裏面12bを囲むように形成されている。防水部材17は、水等の液体を透過させず、弾力性がある材料で形成され、例えばシリコンゴムで形成することができる。防水部材17は、図9Bに示すように、蓋体10を閉蓋状態にしたときにバッテリースロット20の開口部を囲む部分に当接するように構成されている。防水部材17は、バッテリースロット20内への液体の進入を防止するために、バッテリースロット20の開口部を囲む部分に密着していることが好ましい。防水部材17は、バッテリースロット20内への液体の進入を確実に防止するために、カバー部材12と第1の筐体1とに挟まれて弾性変形し、バッテリースロット20の開口部を囲む部分に密着していることが好ましい。また、バッテリースロット20の開口部を囲む部分において、防水部材17が当接する部位に、防水部材17に向かって突出する凸部を立設する構成が望ましい。
【0047】
また、本変形例2では、カバー部材12に防水部材17を配置した例で説明したが、防水部材をバッテリースロット20の開口部を囲む部分に備える構成であってもよく、この構成の場合には防水部材に向かって突出する凸部をカバー部材12の裏面12bにおける密着部位に配置する構成が望ましい。
【0048】
このような構成とすることにより、蓋体10を閉蓋状態へ移行したときに、バッテリースロット20内へ外部から液体等の異物が進入することを防止することができる。
【0049】
また、上述の説明ではバッテリーの着脱を例として挙げて説明したが、例えばコネクタやハードディスクドライブ等を開閉蓋する蓋にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本願の開示は、電子機器に有用である。
【符号の説明】
【0051】
10 蓋体
11 操作部材
12 カバー部材
13 ロックプレート
14 スライドプレート
【技術分野】
【0001】
本願は、開閉蓋を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ノートパソコンやデジタルカメラ等の携帯型電子機器は、バッテリーを着脱可能なスロットと、スロットを開閉可能な蓋体とを備えていることがある。
【0003】
特許文献1は、バッテリースロットを開閉可能な電池蓋構造を備え、バッテリースロットの一端に備える一対の係止穴に電池蓋体に配置した係止突起がスライド嵌合することで、バッテリースロットを閉蓋する構成を開示している。特許文献2は、ロックレバーとロックレバープレートとが防水フタを貫通して固着し、ロックレバーを回転させることで挿入口を閉蓋する構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−142841号公報
【特許文献2】特開2001−21979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら特許文献が開示している構成では、電子機器を誤って床等に落下させてしまったときに、その落下衝撃によって電池蓋が容易に開いてしまう場合がある。具体的には、電子機器が通電され動作しているときに、不意に電池蓋が開き、電子機器から電池が脱落し、電池と電子機器との通電状態が遮断されてしまうと、電子機器に障害が生じてしまう可能性がある。例えば、特許文献1及び2に開示されているようなカメラにおいて、記憶媒体(例えば特許文献1のメモリカード32)に撮影画像を記録しているときに電池がカメラから脱落すると、記憶媒体へ記録しようとしている撮影画像が失われてしまう可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する電子機器は、開口部を備えた筐体と、前記開口部を開閉するカバー部材と、前記カバー部材に変位可能に配されている操作部材と、前記カバー部材に配され、前記筐体に係合し前記カバー部材の開蓋動作を規制する第1の位置と、前記筐体から離間し前記カバー部材の開蓋動作を可能とする第2の位置とに変位可能なロック部材とを備えている。前記操作部材は、前記ロック部材が前記第1の位置と前記第2の位置との間を変位するとき、前記ロック部材に同期して変位し、前記ロック部材が前記第1の位置にあるとき、第3の位置と第4の位置との第1の方向に変位可能であり、前記ロック部材が前記第1の位置から前記第2の位置への変位に連動して前記第4の位置から第5の位置の第2の方向に変位可能であり、前記第1の方向と前記第2の方向とが異なる。
【発明の効果】
【0007】
本願の開示によれば、開口部を閉蓋する蓋体が電子機器に加わる衝撃によって容易に開きにくくするとともに、ユーザーが蓋体を開閉する際の操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ノートパソコンの斜視図
【図2】蓋体の分解斜視図
【図3】カバー部材における第1の案内孔近傍の平面図
【図4】ロックプレートにおける第2の案内孔近傍の平面図
【図5A】蓋体の表面側の平面図(ロック状態)
【図5B】蓋体の表面側の平面図(操作部材をスライドさせた状態)
【図5C】蓋体の表面側の平面図(ロック解除状態)
【図6A】蓋体の裏面側の平面図(ロック状態)
【図6B】蓋体の裏面側の平面図(操作部材をスライドさせた状態)
【図6C】蓋体の裏面側の平面図(ロック解除状態)
【図7A】蓋体の断面図(ロック状態)
【図7B】蓋体の断面図(ロック解除状態)
【図7C】蓋体の断面図(開蓋可能状態)
【図8A】蓋体の変形例を示す裏面側の平面図(ロック解除状態)
【図8B】蓋体の変形例を示す裏面側の平面図(操作部材をスライドさせた状態)
【図8C】蓋体の変形例を示す裏面側の平面図(ロック状態)
【図9A】蓋体の変形例を示す裏面側の平面図
【図9B】図9AにおけるL−L部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
〔1.電子機器の構成〕
図1は、本実施の形態にかかるノートパソコンの外観を示す斜視図である。図1に示すノートパソコンは、電子機器の一例である。本実施の形態では、電子機器の一例としてノートパソコンを挙げたが、少なくともバッテリーユニットやハードディスクドライブユニット等を着脱可能なスロットと、そのスロットを開閉する蓋体とを備えた電子機器であればよい。本実施の形態の電子機器は、ノートパソコンの他、デジタルカメラ、携帯型ゲーム機等に適用することができる。
【0010】
図1に示すように、ノートパソコンは、第1の筐体1と第2の筐体2とを備えている。第1の筐体1は、各種電気素子が実装された回路基板や、中央演算処理装置等を内蔵している。第2の筐体2は、ディスプレイパネル4を備えている。ディスプレイパネル4は、例えば液晶ディスプレイパネルで実現することができる。第1の筐体1と第2の筐体2とは、ヒンジ部3によって互いに回動自在に支持されている。なお、本実施の形態では、第1の筐体1と第2の筐体2とを備えたノートパソコンを挙げたが、スレート型コンピューター等のように単一筐体からなる電子機器であってもよい。第1の筐体1の上面1aには、キーボード5とポインティングデバイス6とが配されている。第1の筐体1は、バッテリースロット20を内蔵している。第1の筐体1の側面1bには、蓋体10が配されている。
【0011】
蓋体10は、第1の筐体1に回動可能に支持され、第1の筐体1内に設けられたバッテリースロット20を閉蓋する閉蓋位置と、バッテリースロット20を開放する開蓋位置とに変位可能である。図1は、蓋体10が閉蓋位置にある状態を示している。蓋体10を開蓋位置へ変位させることによって、バッテリーユニット100をバッテリースロット20へ挿入(矢印B)またはバッテリースロット20から取り出すことができる。
【0012】
バッテリースロット20は、蓋体10によって開閉可能な開口部を有する。バッテリースロット20は、内部にバッテリーユニット100の電気接点と電気的に接続可能な電気接点を備えている。
【0013】
バッテリーユニット100は、二次電池を内蔵している。なお、バッテリーユニット100は、本実施の形態のように充電及び放電が可能な二次電池に限らず、放電のみ可能な一次電池であってもよい。
【0014】
〔2.蓋体10の構成〕
図2は、蓋体10の分解斜視図である。蓋体10は、操作部材11、カバー部材12、ロックプレート13、スライドプレート14、およびネジ15a〜15cを備えている。図3は、カバー部材12に形成された第1の案内孔12c近傍の平面図である。図4は、ロックプレート13に形成された第2の案内孔13c近傍の平面図である。
【0015】
操作部材11は、平板状の部材である。操作部材11は、ユーザーが蓋体10を開閉する際にスライド操作する部材である。操作部材11は、本実施の形態ではマグネシウム等の金属で形成したが、樹脂等で形成してもよく、材料は限定されない。操作部材11は、外部に露出する表面11aと、カバー部材12に対向する裏面11bとを有する。表面11aは、ユーザーが指等で操作部材11をスライド操作する際に、指を当接させる面である。表面1aは、ユーザーが指等で操作部材11をスライド操作する際に指を滑りにくくするために、複数の微小凹凸が形成されていることが好ましい。表面11aは、ユーザーが操作部材11のスライド方向を目視で把握できるように、スライド方向を示す記号等が表記されていることが好ましい。操作部材11は、表面11aの外周縁部において表面11aから突出した突起部11dを備えている。突起部11dは、表面11aを囲むように形成されている。突起部11dを備えたことにより、ユーザーが指で操作部材11を変位させる際、突起部11dに指を引っ掛けることができるため、操作部材11を指の移動に確実に追従させることができる。したがって、操作部材11を変位させて蓋体10のロックを解除または蓋体のロックをする際の操作性を向上させることができる。なお、本実施の形態では、表面11aの周囲全域に突起部11dを設けたが、少なくともユーザーが指を引っ掛けることができればよいため、表面11aの周囲の一部にのみ突起部11dを設けてもよい。また、操作部材11の表面11aと指との摩擦を高める構成を備えていれば、突起部11dは省略することができる。裏面11bは、操作部材11をスライドさせる際、カバー部材12の表面12aを摺動する。裏面11bは、操作部材11を円滑にスライド可能なように、滑りやすい加工が施されていることが好ましい。裏面11bには、ボス11cが突出形成されている。ボス11cは、例えば円柱形状に形成されているが、この形状に限定されなく、四角柱形状等であってもよい。ボス11cは、端面にネジ孔(不図示)が形成されている。
【0016】
カバー部材12は、平板状の部材である。カバー部材12は、少なくともバッテリースロット20(図1参照)の開口部を閉塞できる形状及び大きさを有する。カバー部材12は、本実施の形態では樹脂で形成したが、金属等で形成してもよく、材料は限定されない。カバー部材12は、表面12aから裏面12bに達するまで貫通するように第1の案内孔12cが形成されている。表面12aは、外部に露出する面である。裏面12bは、バッテリースロット20を閉口する面である。第1の案内孔12cは、表面12a及び裏面12bにおける開口形状が略L字形状である。第1の案内孔12cは、操作部材11に形成されたボス11cが遊嵌される。第1の案内孔12cは、図3に示すように、第1規制面12g、第2規制面12h、第3規制面12j、第4規制面12k、第5規制面12m、および第6規制面12nを有する。第1規制面12gと第2規制面12h及び第6規制面12nとは、平行対向している。第4規制面12kと第3規制面12j及び第5規制面12mとは、平行対向している。第1規制面12gと第3規制面12j及び第4規制面12k、第2規制面12hと第3規制面12j及び第5規制面12m、第6規制面12nと第4規制面12k及び第5規制面12mとは、それぞれ直交している。カバー部材12は、裏面12bにネジ孔12d及び12eが形成されている。カバー部材12は、端部に2個のヒンジ金具12fが配されている。ヒンジ金具12fは、支軸22(後述)によってカバー部材12に回動自在に支持されている。
【0017】
ロックプレート13は、平板状の部材である。ロックプレート13は、本実施の形態では平面形状を長方形としたが、この形状に限定されない。ロックプレート13は、カバー部材12の裏面12bに配置される。ロックプレート13は、カバー部材12の裏面12b上をY軸方向へ変位可能である。ロックプレート13は、本実施の形態ではアルミニウム等の金属で形成したが、樹脂等で形成してもよく、材料は限定されない。ロックプレート13は、第1の筐体1の係合リブ(後述)に係合可能である。ロックプレート13は、表面13aから裏面13bに達するまで第2の案内孔13cが形成されている。第2の案内孔13cは、X軸方向に長辺を有する略長方形状に形成されている。第2の案内孔13cは、操作部材11に形成されたボス11cが遊嵌している。第2の案内孔13cは、互いに平行対向する一対の長辺13g及び13hと、互いに平行対向する一対の短辺13j及び13kとを有する。長辺13gと短辺13j及び13k、長辺13hと短辺13j及び13kとは、それぞれ直交している。ロックプレート13は、表面13aから裏面13bに達するまで第3の案内孔13d及び第4の案内孔13eが形成されている。第3の案内孔13d及び第4の案内孔13eは、Y軸方向に長辺を有する略長方形状に形成されている。第3の案内孔13d及び第4の案内孔13eは、ネジ15b及び15cが遊嵌している。ネジ15bは第3の案内孔13d内を変位可能であり、ネジ15cは第4の案内孔13e内を変位可能であるため、ロックプレート13はY軸方向へ変位可能である。ロックプレート13は、一方の長辺に沿って係合部13fが形成されている。係合部13fは、ロックプレート13の裏面13b側に突出して形成されている。係合部13fは、第1の筐体1に形成された係合リブ(後述)に係合可能である。なお、第2の案内孔13c、第3の案内孔13d、および第4の案内孔13eは、開口形状が長方形に限らず、長円形(オーバル型)であってもよい。
【0018】
スライドプレート14は、平板状の部材である。スライドプレート14は、本実施の形態では長方形状に形成したが、この形状に限定されない。スライドプレート14は、ロックプレート13の裏面13bに摺動可能に配置される。スライドプレート14は、本実施の形態ではリン青銅等の金属で形成したが、樹脂等で形成してもよく、材料は限定されない。スライドプレート14は、孔部14aが貫通形成されている。孔部14aは、ネジ15aを挿通可能な内径を有する。
【0019】
ネジ15aは、スライドプレート14の孔部14a、ロックプレート13の第2の案内孔13c、およびカバー部材12の第1の案内孔12cを挿通し、操作部材11のボス11cに形成されたネジ孔に螺合される。ネジ15bは、ロックプレート13の第3の案内孔13dを挿通し、カバー部材12に形成されたネジ孔12dに螺合される。ネジ15cは、ロックプレート13の第4の案内孔13eを挿通し、カバー部材12に形成されたネジ孔12eに螺合される。これにより、操作部材11、カバー部材12、ロックプレート13、およびスライドプレート14は、互いに結合する。
【0020】
〔3.蓋体10の開閉動作〕
図5A〜図5Cは、蓋体10の表面10a側の平面図である。図6A〜図6Cは、蓋体10の裏面10b側の平面図である。図7Aは、図5AにおけるL1−L1部の断面図である。図7Bは、図5CにおけるL2−L2部の断面図である。図7Cは、蓋体10を開いた状態を示す断面図である。図5A、図6A、および図7Aは、操作部材11がロック位置にある状態を示す。図5B及び図6Bは、操作部材11がロック解除位置にある状態を示す。図5C、図6C、および図7Bは、操作部材11が開閉可能位置にある状態を示す。蓋体10は、操作部材11がロック位置、ロック解除位置、および開閉可能位置にあるとき、バッテリースロット20(図1参照)を閉塞している。なお、図6A〜図6Cは、ボス11cと第1の案内孔12cとの嵌合状態を明確に図示するために、スライドプレート14及びネジ15aの図示は省略した。
【0021】
まず、操作部材11は、図5A及び図6Aに示すロック位置にあるとき、ボス11cが第1の案内孔12cの第1規制面12g及び第2規制面12hに近接または当接しているため、Y軸方向の位置が規制されている。操作部材11は、ボス11cが第1の案内孔12cの第3規制面12jに近接または当接しているため、矢印X1に示す方向の位置が規制されている。また、図6A及び図7Aに示すように、ロックプレート13は、係合部13fがリブ21に係合する位置にある。ロックプレート13は、ボス11cが第2の案内孔13cの長辺13g及び13hに近接または当接しているため、Y軸方向の位置が規制されている。ロックプレート13は、第3の案内孔13dの一対の長辺にネジ15bが近接または当接し、第4の案内孔13eの一対の長辺にネジ15cが近接または当接しているため、X軸方向の位置が規制されている。以上により、蓋体10は、ロック位置にあるとき、バッテリースロット20(図1参照)を閉塞するとともに、係合部13fが係合リブ21に係合しているため閉塞状態を維持している。
【0022】
操作部材11は、ロック位置にあるとき、図5A及び図6Aに示す矢印Cに示す方向へ変位可能である。具体的には、ボス11cが第1の案内孔12cに沿って変位可能であるため、操作部材11は、図5A及び図6Aに示す位置から矢印Cに示す方向へ変位可能である。操作部材11は、図5A及び図6Aに示す位置から矢印Cに示す方向へ変位させると、図5B及び図6Bに示すロック解除位置へ変位する。
【0023】
操作部材11は、ロック解除位置にあるとき、ボス11cが第1の案内孔12cの第1規制面12g及び第4規制面12kに近接または当接しているため、矢印X2に示す方向及び矢印Y1に示す方向への変位が規制されている。
【0024】
操作部材11は、ロック解除位置にあるとき、図5B及び図6Bに示す矢印Dに示す方向へ変位可能である。具体的には、ボス11cが第1の案内孔12cに沿って変位可能であるため、操作部材11は、図5B及び図6Bに示す位置から矢印Dに示す方向へ変位可能である。操作部材11を図5B及び図6Bに示す位置から矢印Dに示す方向へ変位させると、ボス11cは、第1の案内孔12cの第4規制面12k及び第5規制面12mに沿って矢印Dに示す方向へ変位する。このとき、ロックプレート13は、ボス11cがロックプレート13の第2の案内孔13cの長辺13gを押すため、矢印Dに示す方向へ変位する。また、ロックプレート13は、ネジ15bが第3の案内孔13dに遊嵌し、ネジ15cが第4の案内孔13eに遊嵌しているため、第3の案内孔13d及び第4の案内孔13eの長手方向に沿って矢印Dに示す方向へ変位する。
【0025】
操作部材11は、図5C及び図6Cに示すように開閉可能位置にあるとき、ボス11cが第1の案内孔12cの第4規制面12k及び第5規制面12mに近接または当接しているため、X軸方向の位置が規制されている。操作部材11は、ボス11cが第1の案内孔12cの第6規制面12nに近接または当接しているため、矢印Y2に示す方向の位置が規制されている。また、図6C及び図7Bに示すように、ロックプレート13は、係合部13fと係合リブ21との係合が外れた位置にある。ロックプレート13は、ボス11cが第2の案内孔13cの長辺13g及び13hに近接または当接しているため、Y軸方向の位置が規制されている。ロックプレート13は、第3の案内孔13bの長辺にネジ15bが近接または当接し、第4の案内孔13cの長辺にネジ15cが近接または当接しているため、X軸方向の位置が規制されている。
【0026】
以上により、蓋体10は、操作部材11が開閉可能位置にあるとき、ロックプレート13の係合部13fと係合リブ21との係合が外れているため、図7Cに示すようにバッテリースロット20(図1参照)を開放する位置へ回動させることができる。図7Cに示す蓋体10の状態を、「開蓋状態」と称する。蓋体10を図7Bに示す閉蓋状態から図7Cに示す開蓋状態へ移行させる際は、ユーザーが蓋体10の一部(例えばカバー部材12の端部)を把持して矢印Aに示す方向へ回動させてもよいし、蓋体10の自重により矢印Aに示す方向へ回動させる構成としてもよい。
【0027】
蓋体10がバッテリースロット20を開放することにより、バッテリースロット20内へバッテリーユニット100(図1参照)を挿入したり、バッテリースロット20に収納されているバッテリーユニット100を取り出したりすることができる。
【0028】
なお、カバー部材12は、図7A〜図7Cに示すように、支軸22によって第1の筐体1に回動自在に支持されている。したがって、カバー部材12は、支軸22を軸にして矢印A(図7B参照)に示す方向および矢印H(図7C参照)に示す方向へ回動させることができる。
【0029】
蓋体10を図7Cに示す開蓋状態から閉蓋状態へ移行する際は、まず、蓋体10を矢印Gに示す方向へ回動させて図7Bに示す状態にする。図7Bに示す状態では、カバー部材12が係合リブ21の側部に当接している。このとき、操作部材11は、図5Cに示す開閉可能位置にある。また、ロックプレート13及びスライドプレート14は、図6Cに示す開閉可能位置にある。
【0030】
次に、操作部材11を矢印Eに示す方向へ変位させる。このとき、操作部材11のボス11cが、ロックプレート13の第2の案内孔13cの長辺13hを矢印Eに示す方向へ押すため、ロックプレート13は、操作部材11の変位に伴って矢印Eに示す方向へ変位する。また、スライドプレート14も、操作部材11の変位に伴って矢印Eに示す方向へ変位する。
【0031】
ボス11cが第1の案内孔12cの第1規制面12gに当接するまで操作部材11を変位させることによって、操作部材11,ロックプレート13,スライドプレート14は、図5B、図6B、および図7Aに示すロック解除位置に到達する。このとき、ロックプレート13がロック解除位置に達することにより、ロックプレート13の係合部13fが係合リブ21に係合する。これにより、蓋体10を矢印Aに示す方向へ回動することが規制される。
【0032】
次に、操作部材11を矢印Gに示す方向へ変位させる。このときボス11cは、第1の案内孔12c内を第1規制面12g及び第2規制面12hに沿って変位するとともに、第2の案内孔13c内を長辺13g及び13hに沿って変位する。スライドプレート14は、操作部材11の変位に伴って、矢印Gに示す方向へ変位する。ロックプレート13は、図6Bに示すロック解除位置にとどまる。
【0033】
操作部材11を図5Aに示すロック位置へ変位させることにより、ボス11cが、第1の案内孔12cの第1規制面12g及び第2規制面12hに近接または当接した状態となるため、操作部材11はY軸方向への変位が規制される。また、ロックプレート13は、第2の案内孔13cにボス11cが遊嵌し、第2の案内孔13cの長辺13g及び13hにボス11cが近接または当接しているため、Y軸方向への変位が規制される。したがって、ロックプレート13の係合部13fと係合リブ21との係合状態が維持され、蓋体10が矢印Aに示す方向へ回動することが規制される。
【0034】
〔4.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、カバー部材12に略L字型の第1の案内孔12cを備え、操作部材11がロック位置とロック解除位置との間を移動する方向と、操作部材11がロック解除位置と開閉可能位置との間を移動する方向とを、互いに異ならせた。また、操作部材11がロック解除位置と開閉可能位置との間を移動するときのみ、ロックプレート13を変位させる構成とした。すなわち、ロックプレート13の係合部13fと係合リブ21との係合を外す際の操作部材11の変位方向と、ロックプレート13の変位を規制/解除する際の操作部材11の変位方向とが異なる構成とした。このような構成としたことにより、例えば電子機器を誤って床等に落下させてしまったときなど、外部から衝撃が加わった際に、容易にロックが解除されて蓋体が開いてしまうことを防ぐことができる。
【0035】
また、本実施の形態の操作部材11は、ユーザーが片手の一本の指(例えば第2指)を表面11aに押し当てながらX軸方向及びY軸方向(図5A〜図5C等参照)へ変位させることができる。したがって、蓋体10のロックを解除する操作及び蓋体10をロックする操作を容易に行うことができる。
【0036】
なお、本実施の形態では、蓋体10でバッテリースロット20を開閉する蓋体に本実施の形態の構成を適用したが、バッテリースロット20に限らず、例えばハードディスクドライブスロット、拡張カードスロット、インターフェース端子等を開閉する蓋体にも本実施の形態の構成を適用できる。
【0037】
また、本実施の形態では、蓋体10及びそれにより開閉される開口部(本実施の形態ではバッテリースロット20)は、第1の筐体1に備えたが、第2の筐体2に備えてもよい。
【0038】
また、スライドプレート14は、板バネ等の弾性材料で形成し、僅かに弾性変形させながらロックプレート13に当接させることにより、操作部材11,カバー部材12,ロックプレート13、およびスライドプレート14における機械的ガタツキを低減することができる。
【0039】
また、本実施の形態におけるバッテリースロット20は、開口部の一例である。第1の筐体1は、筐体の一例である。操作部材11は、操作部材の一例である。カバー部材12は、カバー部材の一例である。ロックプレート13は、ロック部材の一例である。図6A及び図6Bに示すロックプレート13の位置は、第1の位置の一例である。図6Cに示すロックプレート13の位置は、第2の位置の一例である。図5Aに示す操作部材11の位置(ロック位置)は、第3の位置の一例である。図5Bに示す操作部材11の位置(ロック解除位置)は、第4の位置の一例である。図5Cに示す操作部材11の位置(開閉可能位置)は、第5の位置の一例である。図5Aに示すX軸方向は、第1の方向の一例である。図5Aに示すY軸方向は、第2の方向の一例である。
【0040】
以下、本実施の形態の電子機器について、変形例を開示する。
【0041】
(変形例1)
図8A〜図8Cは、蓋体10の変形例を示す平面図である。図8Aは、操作部材11が開閉可能位置にある状態を示す。図8Bは、操作部材11がロック解除位置にある状態を示す。図8Cは、操作部材11がロック位置にある状態を示す。図8A〜図8Cに示す変形例は、本実施の形態の蓋体10にバネ16を追加した構成である。バネ16は、ねじりコイルバネで構成されている。バネ16は、一方の端部16aがロックプレート13に係止され、他方の端部16bが操作部材11のボス11cに当接している。バネ16は、弾性変形した状態で端部16aがロックプレート13に係止され端部16bがボス11cに当接しているため、端部16bは、バネ16の弾性復帰力によってボス11cを矢印Jに示す方向へ押圧している。
【0042】
まず、図8Aに示す状態のとき、ボス11cは、カバー部材12の第1の案内孔12cの第4規制面12k及び第5規制面12mに近接または当接しているため、X軸方向の位置が規制されている。したがって、バネ16の端部16bによってボス11cに矢印Jに示す方向の付勢力が加わっているが、ボス11c及びそれを備えた操作部材11はX軸方向へ変位しない。
【0043】
次に、図8Aに示す状態から操作部材11を矢印Fに示す方向へ変位させると、図8Bに示す状態になる。図8Bに示す状態では、ボス11cは、第2の案内孔12cの第1規制面12g及び第4規制面12kに近接または当接しているため、矢印Jに示す方向へ変位可能となる。このとき、ボス11cは、バネ16の端部16bによる矢印Jに示す方向の付勢力によって、矢印Jに示す方向へ押圧されて変位する。これに伴い、操作部材11は、図8Bに示す位置から矢印Jに示す方向へ変位し、図8Cに示す状態となる。
【0044】
このように、図8A〜図8Cに示す変形例によれば、蓋体10をロック状態へ移行する際に、操作部材11を開閉可能位置からロック解除位置へ手動で変位させるだけで、バネ16の付勢力によって操作部材11はロック位置へ変位させられる。したがって、蓋体10をロック状態へ移行する操作を容易に行うことができる。
【0045】
(変形例2)
図9Aは、蓋体10の変形例を示す平面図である。図9Bは、図9AにおけるL−L部の断面図である。図9A及び図9Bに示す構成は、本実施の形態のカバー部材12に防水部材17を追加した構成である。なお、図9A及び図9Bは、ボス11cと第1の案内孔12cとの嵌合状態を明確に図示するために、スライドプレート14及びネジ15aの図示は省略した。
【0046】
防水部材17は、カバー部材12の裏面12bの外周縁部近傍に配されている。防水部材17は、カバー部材12の裏面12bを囲むように形成されている。防水部材17は、水等の液体を透過させず、弾力性がある材料で形成され、例えばシリコンゴムで形成することができる。防水部材17は、図9Bに示すように、蓋体10を閉蓋状態にしたときにバッテリースロット20の開口部を囲む部分に当接するように構成されている。防水部材17は、バッテリースロット20内への液体の進入を防止するために、バッテリースロット20の開口部を囲む部分に密着していることが好ましい。防水部材17は、バッテリースロット20内への液体の進入を確実に防止するために、カバー部材12と第1の筐体1とに挟まれて弾性変形し、バッテリースロット20の開口部を囲む部分に密着していることが好ましい。また、バッテリースロット20の開口部を囲む部分において、防水部材17が当接する部位に、防水部材17に向かって突出する凸部を立設する構成が望ましい。
【0047】
また、本変形例2では、カバー部材12に防水部材17を配置した例で説明したが、防水部材をバッテリースロット20の開口部を囲む部分に備える構成であってもよく、この構成の場合には防水部材に向かって突出する凸部をカバー部材12の裏面12bにおける密着部位に配置する構成が望ましい。
【0048】
このような構成とすることにより、蓋体10を閉蓋状態へ移行したときに、バッテリースロット20内へ外部から液体等の異物が進入することを防止することができる。
【0049】
また、上述の説明ではバッテリーの着脱を例として挙げて説明したが、例えばコネクタやハードディスクドライブ等を開閉蓋する蓋にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本願の開示は、電子機器に有用である。
【符号の説明】
【0051】
10 蓋体
11 操作部材
12 カバー部材
13 ロックプレート
14 スライドプレート
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を備えた筐体と、
前記開口部を開閉するカバー部材と、
前記カバー部材に変位可能に配されている操作部材と、
前記カバー部材に配され、前記筐体に係合し前記カバー部材の開蓋動作を規制する第1の位置と、前記筐体から離間し前記カバー部材の開蓋動作を可能とする第2の位置とに変位可能なロック部材とを備え、
前記操作部材は、
前記ロック部材が前記第1の位置と前記第2の位置との間を変位するとき、前記ロック部材に同期して変位し、
前記ロック部材が前記第1の位置にあるとき、第3の位置と第4の位置との第1の方向に変位可能であり、前記ロック部材が前記第1の位置から前記第2の位置への変位に連動して前記第4の位置から第5の位置の第2の方向に変位可能であり、
前記第1の方向と前記第2の方向とが異なる、電子機器。
【請求項2】
前記ロック部材は、前記第1の方向に変位可能の状態にあるとき、前記第3の位置に前記操作部を付勢する付勢部を備える、請求項1記載の電子機器。
【請求項1】
開口部を備えた筐体と、
前記開口部を開閉するカバー部材と、
前記カバー部材に変位可能に配されている操作部材と、
前記カバー部材に配され、前記筐体に係合し前記カバー部材の開蓋動作を規制する第1の位置と、前記筐体から離間し前記カバー部材の開蓋動作を可能とする第2の位置とに変位可能なロック部材とを備え、
前記操作部材は、
前記ロック部材が前記第1の位置と前記第2の位置との間を変位するとき、前記ロック部材に同期して変位し、
前記ロック部材が前記第1の位置にあるとき、第3の位置と第4の位置との第1の方向に変位可能であり、前記ロック部材が前記第1の位置から前記第2の位置への変位に連動して前記第4の位置から第5の位置の第2の方向に変位可能であり、
前記第1の方向と前記第2の方向とが異なる、電子機器。
【請求項2】
前記ロック部材は、前記第1の方向に変位可能の状態にあるとき、前記第3の位置に前記操作部を付勢する付勢部を備える、請求項1記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2012−253268(P2012−253268A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126402(P2011−126402)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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