説明

電子機器

【課題】スルー画像内に表示されている範囲に存在する通信端末との間で通信を行うことができる電子機器を提供する。
【解決手段】被写体を撮影する撮影部32と、前記撮影部からの撮影信号に基づいてスルー画を表示する表示部26と、自己位置を測定する自己位置測定部10と、前記撮影部における撮影方位を計測する方位計測部14と、通信可否を示す画像の画像データを記憶する記憶部34と、前記自己位置の情報及び前記撮影方位の情報をサーバに対して送信する送信部48と、前記自己位置を基準とする前記撮影方位の方向に位置する前記通信端末ごとの位置情報及び通信可否情報を前記サーバから受信する受信部48と、前記スルー画上における各々の前記通信端末の前記位置情報に対応する位置に前記通信可否情報に基づいて前記通信可否を示す画像を重畳表示させる表示制御部27とを備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メール機能を有する携帯電話機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この携帯電話機によれば、アドレスが登録されている他のメール機能を有する通信端末とメール通信を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−290292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、以前より消費者の間では、携帯電話機等の電子機器においてスルー画撮影を行ったときに、スルー画像内に表示されている範囲に存在する通信端末との間で通信を行いたいという要望があった。
【0005】
本発明の目的は、スルー画像内に表示されている範囲に存在する通信端末との間で通信を行うことができる電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電子機器は、被写体を撮影する撮影部と、前記撮影部からの撮影信号に基づいてスルー画を表示する表示部と、自己位置を測定する自己位置測定部と、前記撮影部における撮影方位を計測する方位計測部と、通信可否を示す画像の画像データを記憶する記憶部と、前記自己位置の情報及び前記撮影方位の情報をサーバに対して送信する送信部と、前記自己位置を基準とする前記撮影方位の方向に位置する前記通信端末ごとの位置情報及び通信可否情報を前記サーバから受信する受信部と、前記スルー画上における各々の前記通信端末の前記位置情報に対応する位置に前記通信可否情報に基づいて前記通信可否を示す画像を重畳表示させる表示制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電子機器によれば、スルー画像内に表示されている範囲に存在する通信端末との間で通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係るデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態に係るデジタルカメラの送信モードの処理を示すフローチャートである。
【図3】実施の形態に係るデジタルカメラの送信モードの処理における表示状態を示す図である。
【図4】実施の形態に係るデジタルカメラの受信モードの処理を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態に係るデジタルカメラの受信モードの処理における表示状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るデジタルカメラについて説明する。図1は、実施の形態に係るデジタルカメラ2の構成を示すブロック図である。デジタルカメラ2は、CPU8を備え、CPU8には、GPS衛星から受信した信号に基づいて自己位置を測定するGPS10、自己位置を基準としたデジタルカメラ2の撮影方位を計測する方位センサ14及び操作部24が接続されている。ここで、操作部24には、電源スイッチ、レリーズボタン、スルー画像をLCD表示部26に表示するライブビューモードを設定するライブビューボタン、他の通報端末に現在の位置情報や画像データ等を送信する送信モードを設定する送信モードボタン、他の通報端末から位置情報等を受信する受信モードを設定する受信モードボタン、LCD表示部26にサムネイル画像の一覧を表示する画像一覧表示ボタン、サムネイル画像の一覧から画像の選択等を行うマルチセレクタ、マルチセレクタで選択した画像の決定等を行うOKボタン、webサーバに受信要求を行う受信要求ボタン等が含まれている。
【0010】
また、CPU8には、スルー画像等を表示するLCD表示部26の表示制御を行う表示制御部27、被写体を撮影するための撮像素子32、撮像素子32から出力された撮像信号から生成された画像データやwebサーバから受信した他の通信端末の位置情報等を一時的に記憶するメモリ34、メモリ34に記憶されている画像データにホワイトバランス調整等の画像処理を行う画像処理部36、現在の位置情報や現在の方位情報等を記憶する情報記憶部38、通信アドレス等の個人情報を予め記憶する個人情報記憶部40、スルー画上に重畳表示する画像の画像データを記憶する画像記憶部42、画像データを記憶するメモリカード44、LCD表示部26の表示制御等を行うためのプログラムを格納するプログラムメモリ46、インターネットを介してwebサーバとの間で画像データ等の送受信を行う無線通信部48が接続されている。
【0011】
次に、図2に示すフローチャートを参照して実施の形態に係るデジタルカメラ2における送信モードの処理について説明する。まず、ライブビューボタンが操作されると、CPU8は、撮像素子32により撮像を開始し、LCD表示部26にスルー画像を表示する(ステップS1)。
【0012】
次に、CPU8は、GPS10から現在の位置情報を取得し(ステップS2)、方位センサ14から現在の方位情報を取得する(ステップS3)。そして、取得した現在の位置情報及び現在の方位情報を情報記憶部38に記憶する。
【0013】
次に、操作者により送信モードボタンが操作され送信モードに設定されると、CPU8は、情報記憶部38から現在の位置情報及び現在の方位情報を読み出し、無線通信部48を介してwebサーバに送信する(ステップS4)。
【0014】
ここで、webサーバ内には、webサーバと通信可能な通信端末の位置情報、通信アドレス、他の通信端末からのデータを受信可能な状態にあるか否かを示す受信可否情報(例えば、その通信端末が受信拒否設定をしているか否かを示す情報等。)が通信端末ごとに記憶されている。webサーバは、デジタルカメラ2から現在の位置情報及び現在の方位情報を受信すると、現在の位置情報を基準として現在の撮影方位の方向に位置する通信端末を検出し、検出した通信端末の位置情報、通信アドレス、受信可否情報をデジタルカメラ2に対して送信する。
【0015】
次に、CPU8は、無線通信部48を介して通信端末の位置情報、通信アドレス、受信可否情報を受信しメモリ34に記憶する(ステップS5)。
【0016】
次に、CPU8は、メモリ34から受信可能状態にある通信端末の位置情報を、画像記憶部42から受信可能状態にあることを示す画像の画像データを読み出し、スルー画上において通信端末の位置情報に対応する位置に受信可能状態にあることを示す画像を重畳表示する(ステップS6)。例えば、人物1及び人物3が有する通信端末が受信可能状態にある場合には、図3に示すように、人物1の位置及び人物3の位置に受信可能状態にあることを示す画像を重畳表示する。同様に、メモリ34から受信可能状態にない通信端末の位置情報を、画像記憶部42から受信可能状態にないことを示す画像の画像データを読み出し、スルー画上において通信端末の位置情報に対応する位置に受信可能状態にないことを示す画像を重畳表示する(ステップS6)。例えば、人物2が有する通信端末が受信可能状態にない場合には、図3に示すように、人物2の位置に受信可能状態にないことを示す画像を重畳表示する。ここで、スルー画に表示されている範囲に受信可能状態にある通信端末が存在しない場合(ステップS7:No)、CPU8は、一連の処理を終了する。
【0017】
一方、スルー画に表示されている範囲に受信可能状態にある通信端末が存在する場合(ステップS7:Yes)、CPU8は、画像一覧表示ボタンが押下されたか否かの判定を行う(ステップS8)。画像一覧表示ボタンが押下された場合(ステップS8:Yes)、CPU8は、メモリカード44に記憶された画像データに付加されているサムネイル画像データを読み出し、サムネイル画像の一覧をLCD表示部26に表示する。
【0018】
そして、操作者によりマルチセレクタ及びOKボタンの操作が行われ、サムネイル画像一覧の中から所望の画像が選択されると、CPU8は、選択されたサムネイル画像に対応する画像の画像データをメモリカード44から読み出しメモリ34に記憶する。
【0019】
次に、CPU8は、スルー画に表示された範囲に存在する受信可能状態にある通信端末の中に既知の通信端末があるか否かの判定を行う(ステップS9)。即ち、CPU8は、受信可能状態にある通信端末の通信アドレスと個人情報記憶部40に予め記憶されている通信アドレスとを照合し、通信アドレスが一致した通信端末を既知の通信端末として認識する。既知の通信端末がない場合は(ステップS9:No)、ステップS13に進む。
【0020】
一方、既知の通信端末がある場合(ステップS9:Yes)、CPU8は、LCD表示部26に「選択した画像データをアドレスが登録されている通信端末に送信してもいいですか?」等の表示を行った後、「はい/いいえ」の選択画面を表示する(ステップS10)。「いいえ」が選択された場合(ステップS10:No)、ステップS13に進む。
【0021】
「はい」が選択された場合(ステップS10:Yes)、選択されたサムネイル画像に対応する画像の画像データをメモリ34から読み出し、既知の通信端末として認識した通信端末の通信アドレスと共に、無線通信部48を介してwebサーバに送信する(ステップS11)。通信アドレスと共にwebサーバに送信された画像データは、webサーバにより通信アドレスに対応する通信端末に送信される。ここで、受信可能状態にある通信端末が既知端末のみである場合には一連の処理を終了する(ステップS12:Yes)。
【0022】
一方、受信可能状態にある通信端末が既知端末のみでない場合(ステップS12:No)、CPU8は、既知の通信端末を除く通信端末の中から受信可能状態にある通信端末が選択されたか否かの判定を行う(ステップS13)。通信端末が選択された場合(ステップS13:Yes)、例えば、操作者によりマルチセレクタ及びOKボタンの操作が行われ、スルー画上において受信可能状態にあることを示す画像が選択された場合、CPU8は、ステップS8において選択された画像データ及び選択された受信可能状態にあることを示す画像に対応する通信端末の通信アドレスをメモリ34から読み出し、無線通信部48を介してwebサーバに送信する(ステップS14)。通信アドレスと共にwebサーバに送信された画像データは、webサーバにより通信アドレスに対応する通信端末に送信される。一方、通信端末が選択されなかった場合、CPU8は、一連の処理を終了する(ステップS13:No)。
【0023】
次に、図4に示すフローチャートを参照して実施の形態に係るデジタルカメラ2における受信モードの処理について説明する。まず、ライブビューボタンが操作されると、CPU8は、撮像素子32により撮像を開始し、LCD表示部26にスルー画像を表示する(ステップS21)。
【0024】
次に、CPU8は、GPS10から現在の位置情報を取得し(ステップS22)、方位センサ14から現在の方位情報を取得する(ステップS23)。そして、取得した現在の位置情報及び現在の方位情報を情報記憶部38に記憶する。
【0025】
次に、操作者により受信モードボタンが操作され受信モードに設定されると、CPU8は、情報記憶部38から現在の位置情報及び現在の方位情報を読み出し、無線通信部48を介してwebサーバに送信する(ステップS24)。
【0026】
ここで、webサーバ内には、webサーバと通信可能な通信端末の位置情報、通信アドレス、通信端末が送信可能なインフォメーションデータを有するか否を示す保有情報及び送信可能なインフォメーションデータを有する場合にはそのインフォメーションデータが通信端末ごとに記憶されている。webサーバは、デジタルカメラ2から現在の位置情報及び現在の方位情報を受信すると、現在の位置情報を基準として現在の撮影方位の方向に位置する通信端末を検出し、検出した通信端末の位置情報、通信アドレス、保有情報をデジタルカメラ2に対して送信する。
【0027】
次に、CPU8は、無線通信部48を介して通信端末の位置情報、通信アドレス、保有情報を受信しメモリ34に記憶する(ステップS25)。
【0028】
次に、CPU8は、メモリ34からインフォメーションデータを有する通信端末の位置情報を、画像記憶部42からインフォメーションデータを有することを示す画像の画像データを読み出し、スルー画上において通信端末の位置情報に対応する位置にインフォメーションデータを有することを示す画像を重畳表示する(ステップS26)。例えば、施設1及び人物4が有する通信端末が送信可能なインフォメーションデータを有する場合には、図5に示すように、施設1及び人物4の位置にインフォメーションデータを有することを示す画像を重畳表示する。同様に、メモリ34からインフォメーションデータを有さない通信端末の位置情報を、画像記憶部42からインフォメーションデータを有さないことを示す画像の画像データを読み出し、スルー画上において通信端末の位置情報に対応する位置にインフォメーションデータを有さないことを示す画像を重畳表示する(ステップS26)。なお、図5に示すスルー画の範囲には、インフォメーションデータを有さない通信端末が存在しないため、インフォメーションデータを有さないことを示す画像は表示されていない。ここで、スルー画に表示されている範囲にインフォメーションデータを有する通信端末が存在しない場合(ステップS27:No)、CPU8は、一連の処理を終了する。
【0029】
一方、スルー画に表示されている範囲にインフォメーションデータを有する通信端末が存在する場合(ステップS27:Yes)、CPU8は、スルー画に表示された範囲に存在する通信端末の中に既知の通信端末があるか否かの判定を行う(ステップS28)。即ち、CPU8は、スルー画に表示された範囲に存在する通信端末の通信アドレスと個人情報記憶部40に予め記憶されている通信アドレスとを照合し、通信アドレスが一致する通信端末を既知の通信端末として認識する。既知の通信端末がない場合は(ステップS28:No)、ステップS32に進む。
【0030】
一方、既知の通信端末がある場合(ステップS28:Yes)、CPU8は、LCD表示部26に「アドレスが登録されている通信端末からデータを受信してもいいですか?」等の表示を行った後、「はい/いいえ」の選択画面を表示する(ステップS29)。「いいえ」が選択された場合(ステップS29:No)、ステップS32に進む。
【0031】
「はい」が選択された場合(ステップS29:Yes)、既知の通信端末として認識した通信端末の通信アドレスを、無線通信部48を介してwebサーバに送信する。webサーバは、デジタルカメラ2から通信アドレスを受信すると、通信アドレスに対応する通信端末のインフォメーションデータをデジタルカメラ2に対して送信する。
【0032】
次に、CPU8は、無線通信部48を介して通信端末のインフォメーションデータを受信しメモリ34に記憶する(ステップS30)。なお、メモリ34に記憶されたインフォメーションデータは、その後メモリカード44に記憶される。ここで、スルー画に表示された範囲に存在する通信端末が既知端末のみである場合には一連の処理を終了する(ステップS31:Yes)。
【0033】
一方、スルー画に表示された範囲に存在する通信端末が既知端末のみでない場合(ステップS31:No)、CPU8は、既知の通信端末を除く通信端末が選択されたか否かの判定を行う(ステップS32)。通信端末が選択された場合(ステップS32:Yes)、例えば、操作者によりマルチセレクタ及びOKボタンの操作が行われ、スルー画上において既知端末でない通信端末のインフォメーションデータを有することを示す画像が選択された場合、CPU8は、選択された画像に対応する通信端末の通信アドレスをメモリ34から読み出し、無線通信部48を介してwebサーバに送信する。webサーバは、デジタルカメラ2から通信アドレスを受信すると、通信アドレスに対応する通信端末のインフォメーションデータをデジタルカメラ2に対して送信する。
【0034】
次に、CPU8は、無線通信部48を介してインフォメーションデータを受信しメモリ34に記憶する(ステップS33)。なお、メモリ34に記憶されたインフォメーションデータは、その後メモリカード44に記憶される。一方、通信端末が選択されなかった場合(ステップS32:No)、CPU8は、一連の処理を終了する。
【0035】
この実施の形態に係るデジタルカメラ2によれば、webサーバから現在の位置情報を基準として現在の撮影方位の方向に位置する通信端末の通信アドレス、受信可否情報等を受信することにより、スルー画像内に表示されている範囲に存在する通信端末との間で通信を行うことができる。また、スルー画上における通信端末の位置情報の位置に、通信端末が受信可能状態にあるか否かを示す画像、または通信端末が送信可能なインフォメーションデータを有するか否かを示す画像を重畳表示させることにより、操作者は他の通信端末との通信可否を容易に認識することができる。また、既知の通信端末が存在する場合には、通信端末を選択する等の操作を行うことなく速やかにデータの送受信を行うことができる。
【0036】
なお、上述の実施の形態においては、送信モードと受信モードを区別して処理を行っているが、送信モードと受信モードの処理を一括して行ってもよい。これにより、通信端末が受信可能状態にあるか否かを示す画像、及び通信端末が送信可能なインフォメーションデータを有するか否かを示す画像を同一の画面上に同時に表示することができる。
【0037】
また、上述の実施の形態の受信モードにおいて、インフォメーションデータを受信する前に受信可否を判定し、受信可能と判定したインフォメーションデータのみを受信するようにしてもよい。例えば、スルー画上においてインフォメーションデータを有することを示す画像が表示されている状態において、操作者により受信要求ボタンが押下されると、CPU8は、受信要求情報を生成し、webサーバに対してインフォメーションデータの受信可否を判定するための受信判定情報の受信要求を行う。次に、CPU8は、無線通信部48を介して受信した受信判定情報に基づいてインフォメーションデータの受信可否についての判定を行う。そして、受信可能なインフォメーションデータを有する通信端末が存在する場合、CPU8は、それらの通信端末からインフォメーションデータを受信し、受信可能なインフォメーションデータを有する通信端末が存在しない場合、一連の処理を終了する。
【0038】
なお、受信判定情報は、店舗やオフィス等のカテゴリを示すカテゴリ情報であってもよい。即ち、受信要求により施設1及び人物4(図5参照)の通信端末が有するインフォメーションデータのカテゴリ情報を受信した状態において、操作者により、例えば、レストランというカテゴリが選択されたとする。CPU8は、受信したカテゴリ情報と選択されたレストランというカテゴリとを照合し、受信したカテゴリ情報にレストランに係る情報が含まれるか否かの判定を行う。
【0039】
ここで、施設1についてのカテゴリ情報がレストランに係る情報を含み、人物4についてのカテゴリ情報がレストランに係る情報を含まなかった場合、CPU8は、施設1の通信端末が有するインフォメーションデータを受信可能と判定し、人物4の通信端末が有するインフォメーションデータを受信不可能と判定する。
【0040】
また、受信判定情報は、何歳以上の通信端末保有者にインフォメーションデータを送信できるかを示す年齢情報であってもよい。即ち、受信要求により施設1(図5参照)の通信端末が有するインフォメーションデータの年齢情報を受信した状態において、操作者により操作者の年齢が指定されたとする。CPU8は、受信した年齢情報と指定された年齢とを照合し、受信した年齢情報を有する通信端末のインフォメーションデータが受信可能であるか否かを判定する。例えば、受信した施設1についての年齢情報は、18歳以上の通信端末保有者に送信可能であることを示していたとする。一方、操作者は自己の年齢を19歳と指定したとする。この場合、CPU8は、施設1の通信端末が有するインフォメーションデータを受信可能と判定する。
【0041】
また、受信判定情報は、インフォメーションデータの有効期限を示す有効期限情報であってもよい。即ち、受信要求により施設1(図5参照)の通信端末が有するインフォメーションデータの有効期限情報を受信した場合において、CPU8は、受信した有効期限情報と受信日時とを照合し、受信した有効期限情報を有する通信端末のインフォメーションデータが受信可能であるか否かを判定する。例えば、受信した施設1についての有効期限情報が2010年7月31日だったとする。ここで、受信要求により施設1の通信端末が有するインフォメーションデータの有効期限情報を受信した日時が2010年8月10日であった場合、CPU8は、施設1の通信端末が有するインフォメーションデータを受信不可能と判定する。
【0042】
また、受信判定情報は、インフォメーションデータの容量を示す容量情報であってもよい。即ち、受信要求により施設1及び人物4(図5参照)の通信端末が有するインフォメーションデータの容量情報を受信した場合において、CPU8は、受信した容量情報に基づく容量の総和と予め設定されている受信可能な容量とを照合し、施設1及び人物4の通信端末が有するインフォメーションデータが受信可能であるか否かを判定する。例えば、デジタルカメラ2が受信可能な容量が1GBである場合において、施設1についての容量情報は、施設1の通信端末が有するインフォメーションデータが700MBであることを示し、人物4についての容量情報は、人物4の通信端末が有するインフォメーションデータが500MBであることを示していたとする。この場合、容量情報に基づくインフォメーションデータの容量の総和が1GBを超えるため、CPU8は、施設1及び人物4の通信端末が有するインフォメーションデータを受信不可能と判定する。
【0043】
また、上述の実施の形態の受信モードにおいては、スルー画上における通信端末の位置情報に対応する位置にインフォメーションデータを有するか否かを示す画像を重畳表示しているが、通信端末が送信可能状態にあるか否かを示す画像を重畳表示してもよい。即ち、CPU8は、webサーバから受信判定情報を受信し、受信判定情報に基づいてインフォメーションデータの受信可否について判定を行う。そして、スルー画上における通信端末の位置情報に対応する位置に送信可能状態にあることを示す画像または送信可能状態にないことを示す画像を重畳表示するようにしてもよい。
【0044】
また、上述の実施の形態においては、webサーバは、デジタルカメラ2の現在の位置情報を基準として現在の撮影方位の方向に位置する通信端末を検出しているが、検出する通信端末を、さらにデジタルカメラ2の現在の位置情報を基準とする所定の距離内に位置するものに限定してもよい。例えば、スルー画像の撮影方位の方向において、デジタルカメラ2の現在の位置を基準として10m以内に位置する通信端末のみを検出するようにしてもよい。
【0045】
また、上述の実施の形態の送信モードにおいては、画像データをメモリカード44から読み出し、webサーバに送信する場合を例に説明しているが、webサーバに送信するデータの種別は問わない。例えば、作成した電子メールのメールデータをwebサーバに送信してもよい。
【0046】
また、上述の実施の形態の送信モードにおいては、受信可能状態にないことを示す画像は図3に示すように斜線を付して示しているが、受信可能状態にないことを操作者が直感できる画像であれば、表示方法は問わない。例えば、受信可能状態にあることを示す画像はクリーム色で表示し、受信可能状態にないことを示す画像は赤く表示してもよい。受信モードにおいても同様に、インフォメーションデータを有さないことを操作者が直感できる画像であれば、表示方法は問わない。
【0047】
また、上述の実施の形態においては、操作をボタン操作により行っているが、タッチパネル機能により操作を行ってもよい。例えば、タッチセンサをLCD表示部26に重畳配置し、LCD表示部26に表示されているアイコンを指で触れることにより操作部24において行う操作を行えるようにしてもよい。
【0048】
また、上述の実施の形態においては、電子機器としてデジタルカメラ2を例に説明したが、他の通信端末との通信可否を通知する機能を備えていれば、携帯電話等、他の電子機器においても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0049】
2…デジタルカメラ、8…CPU、10…GPS、14…方位センサ、24…操作部、26…LCD表示部、27…表示制御部、32…撮像素子、34…メモリ、36…画像処理部、38…情報記憶部、40…個人情報記憶部、44…メモリカード、46…プログラムメモリ、48…無線通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する撮影部と、
前記撮影部からの撮影信号に基づいてスルー画を表示する表示部と、
自己位置を測定する自己位置測定部と、
前記撮影部における撮影方位を計測する方位計測部と、
通信可否を示す画像の画像データを記憶する記憶部と、
前記自己位置の情報及び前記撮影方位の情報をサーバに対して送信する送信部と、
前記自己位置を基準とする前記撮影方位の方向に位置する前記通信端末ごとの位置情報及び通信可否情報を前記サーバから受信する受信部と、
前記スルー画上における各々の前記通信端末の前記位置情報に対応する位置に前記通信可否情報に基づいて前記通信可否を示す画像を重畳表示させる表示制御部と
を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記通信可否情報は、前記通信端末が受信可能状態か否を示す受信可否情報を含み、
前記通信可否を示す画像は、前記通信端末が受信可能状態にあることを示す画像及び受信可能状態にないことを示す画像を含み、
前記表示制御部は、受信可能状態にある前記通信端末の前記位置情報に対応する位置に前記受信可能状態にあることを示す画像を表示させ、受信可能状態にない前記通信端末の前記位置情報に対応する位置に前記受信可能状態にないことを示す画像を表示させることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記通信端末に対して送信する送信データを記憶する送信データ記憶部を備え、
前記送信部は、受信可能状態にある前記通信端末に対して前記サーバを介して前記送信データを送信することを特徴とする請求項2記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記通信可否情報は、前記通信端末が送信可能な端末データを有するか否を示す保有情報を含み、
前記通信可否を示す画像は、前記通信端末が前記端末データを有することを示す画像及び前記通信端末が前記端末データを有さないことを示す画像を含み、
前記表示制御部は、前記端末データを有する前記通信端末の前記位置情報に対応する位置に前記端末データを有することを示す画像を表示させ、前記端末データを有しない前記通信端末の前記位置情報に対応する位置に前記端末データを有さないことを示す画像を表示させることを特徴とする請求項1記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
前記受信部は、前記端末データを有する前記通信端末から前記サーバを介して前記端末データを受信することを特徴とする請求項4記載のデジタルカメラ。
【請求項6】
前記端末データの受信可否を判定する判定部を備え、
前記送信部は、前記サーバに対して受信要求情報を送信し、
前記受信部は、前記通信端末から前記端末データの受信可否を判定するための受信判定情報を受信し、
前記判定部は、前記受信判定情報に基づいて前記端末データの受信可否を判定し、
前記受信部は、前記サーバを介して受信可能と判定した前記端末データを受信することを特徴とする請求項4記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記判定部は、前記受信判定情報に含まれるカテゴリ情報に基づいて前記端末データの受信可否を判定することを特徴とする請求項6に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
前記判定部は、前記受信判定情報に含まれる容量情報に基づいて前記端末データの受信可否を判定することを特徴とする請求項6に記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
前記判定部は、前記受信判定情報に含まれる年齢情報に基づいて前記端末データの受信可否を判定することを特徴とする請求項6に記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
前記判定部は、前記受信判定情報に含まれる有効期限情報に基づいて前記端末データの受信可否を判定することを特徴とする請求項6に記載のデジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−44543(P2012−44543A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185336(P2010−185336)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】