説明

電子発光装置

本発明は、有機電子発光装置であって、第1の極性の電荷を注入するために基板上に配置される第1電極、前記第1の極性と反対の第2の極性の電荷を注入するために基板上に配置される第2の電極、第1および第2電極の間に配置される有機発光層、前記第2電極上に配置されるカプセル材を含み、前記第2電極およびカプセル材は前記発光層から発光される光に対して透明であり、前記カプセル材と前記第2電極の間にキャビティが供給され、前記装置からの光の離脱を改良するために前記発光層から発光された光の反射を防止するためのカプセル材の少なくとも1つの面に非反射性コーティングが供給され、前記非反射性コーティングは発光層から発光された光に対して透明であることを特徴とする有機電子発光装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非反射性コーティングを含む有機電子発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機電子発光装置は、例えば、PCT/WO/13148およびUS4539507に公知である。このような装置は、基板2、第1の極性の電荷を注入するための基板2上に蒸着された第1電極4、前記第1の極性と反対の極性の第2極性の電荷を注入するための第1電極4上に蒸着された第2電極6、前記第1と第2電極の間に配置された有機発光層8、第2電極6上に蒸着されたカプセル材10から通常構成される。図1に示される配列においては、基板2および第1電極は、有機発光層8から発光された光が通過できるように透明である。このような配列は、底面発光装置として知られている。図2に示される他の配列においては、第2電極6およびカプセル材10は、有機発光層8から発光された光が通過するように透明である。このような配列は上面発光装置として知られている。底面発光装置においては、カプセル材は不透明である。このようなカプセル材の例は、金属缶である。上面発光装置においては、カプセル材は透明でなければならない。透明カプセル材の例としては、上面の電極の上面に蒸着された薄いカプセル材、および有機発光装置の上のガラスシートが蒸着されるガラス缶カプセル材が挙げられる。
【0003】
上記構造の変形も公知である。第1電極はアノードであり、第2電極はカソードである。あるいは、第1電極はカソードであり、第2電極はアノードである。電荷注入および輸送を促進するために、他の層が電極と有機発光層の間に供給され得る。発光層中の有機材料は、低分子、デンドリマーまたはポリマーから構成され、および燐光部および/または正孔輸送部から構成されることができる。これらは、単一の分子中または別の分子中に供給される。
【0004】
上記の種類の装置のアレイの供給によって、ディスプレイは複数の発光画素を有して形成される。この画素は、モノクロディスプレイを形成するに同じ種類か、またはマルチカラーを形成するために異なる色である。
【0005】
多くの電子発光装置の問題は、有機発光層中の有機発光材料によって発光された多くの光が装置から放射されないことである。光は、散乱、内部反射、波導、吸収などによって装置内で損失する。これは層との効率低下をもたらす。さらに、これらの光学的影響によって、画像強度の低下、画像コントラストの低下、影、不良な画質をまねく他のものをもたらす。
【0006】
装置から放射される光の量を増加させる1つの方法は、装置構造において非反射コーティングを供給する。WO2004/044999は、基板と下部電極の間に配置された内孔を有する有機ポリマーからなる非反射コーティングを含む底面発光装置を開示する。WO2004/044999に開示される非反射コーティングは、発光層から透明基板中に発光された光を切り離すことによって、底面発光装置から放射される光の量を増加させるためのものである。しかしながら、出願人は、発光層に隣接する1または複数の追加の層の組み込みに伴う問題は、発光層の発光特性がクエンチまたはキャビティ効果のような近接場効果によって変えられることであることを発見した。
【0007】
US2004/0051950は環境光の反射を防止するために非反射薄膜を電子発光装置のモニターの表面に適用して使用することを開示している。このような非反射薄膜は、通常、装置構造から反射されて逃げる環境光を吸収するための円形偏光板を有する。円形偏光板も装置の発光層から発光される光の一部を吸収する。さらに、円形偏光体は、線形偏光板、1/4波長板を有し、発光層により発光される内部反射の増加をもたらす追加の境界が供給される。このように、円形偏光板は、それがコーティングされた表面での反射を減らさない点において本明細書で使用される用語としては「非反射コーティング」ではない。むしろ、円形偏光薄膜は、この反射光の吸収によって装置の他の表面からの環境光の反射を防止する。このような層は、装置からの光の離脱を改良しない。
【0008】
US2004/0041518は、発光層が形成される領域を除くガラス基板上に、上面電極層による環境光の反射の防止のための非反射層が形成される底面発光型有機電子発光装置を開示する。この層は、第2の電極層による反射を吸収するので、発光層からの光のみが装置のガラス基板を貫通して外に放射し、有機ELディスプレイ装置のコントラストを改良する。非反射コーティングは、光の伝達を防止するブラックマトリックスを含む。この層は、装置からの光の脱離防止を改良しない。
【0009】
このように、US2004/0041518およびUS2004/0051950に開示される非反射膜はディスプレイのコントラストを増加させるために環境光の反射を防止するためのものである。これらは、発光層から発光された光の離脱を改良しない。これに対して、WO2004/044999に開示される非反射コーティングは、発光層から発光されて透明基板中への脱離によって底面発光装置から逃げる光の量を増やすためのものである。
【特許文献1】米国特許公開2004/0041518号
【特許文献2】米国特許公開2004/0051950号
【特許文献3】国際公開2004/044999号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、近接場光学効果による問題を回避しながら、光学出力を増大する有機電子発光層を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、次のものから構成される有機電子発光装置が提供される。第1の極性の電荷を注入するために基板上に配置される第1電極、前記第1の極性と反対の第2の極性の電荷を注入するために基板上に配置される第2の電極、第1および第2電極の間に配置される有機発光層、前記第2電極上に配置されるカプセル材。前記第2電極およびカプセル材は前記発光層から発光される光に対して透明であり、前記カプセル材と前記第2電極の間にキャビティが供給され、前記装置からの光の離脱を改良するために前記発光層から発光された光の反射を防止するためのカプセル材の少なくとも1つの面に非反射性コーティングが供給され、前記非反射性コーティングは発光層から発光された光に対して透明である。
【0012】
このような配列は発光層から発光された光が透明な第2電極、キャビティおよび透明カプセル材を貫通して装置を通過する上面発光装置を提供する。非反射コーティングはカプセル材との境界において反射を減らす。さらに、キャビティによって発光構造から非反射コーティングを分離することにより、近接場光学効果による装置の発光特性は、非反射コーティングの供給の影響を受けない。すなわち、非反射コーティングは、近接場光学効果が避けられるように、発光層から十分な距離において供給される。
【0013】
好ましくは、非反射コーティングはキャビティとカプセル材の境界に供給される。
【0014】
キャビティとカプセル材の境界における非反射コーティングの供給は、発光層から発光された光がこの境界において内的に反射されるのを防止する。
【0015】
好ましくは、追加の非反射コーティングがキャビティの反対側のカプセル材の外側表面に供給される。この非反射コーティングの供給はカプセル材と装置の周りの空気の境界における反射を防止する。
【0016】
好ましくは、キャビティは10μm以上の厚さを有する。このようなキャビティの供給は、2つの機能を有する。(1)近接場光学効果が避けられるように、非反射コーティングは発光構造から十分距離をおかれる、および(2)カプセル材が発光構造と衝突して損傷をもたらすのを防止するように製造過程におけるカプセル材層の位置のばらつきを許容する。カプセル材の位置のばらつきは、カプセル材シート中のキャビティのエッチングの誤り、周囲の密封の厚さのばらつきによって生じる。
【0017】
光が装置から出るのを改良するために、非反射コーティングの吸収は少なくあるべきで、そうでなければ、屈折/反射のための境界における光損失の減少は吸収による相殺以上となる。被覆されたカプセル材は被覆されてないカプセル材より多くの光を伝達する。
【0018】
屈折/反射のためにカプセル材境界からに光損失は4%である。したがって、好ましくは、非反射コーティングの透明性は、発光層から発光された光において、96%以上であり、好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。
【0019】
キャビティは透明材料で満たすことができる。しかしながら、カプセル材の適用によって、材料は下層が損傷されないように堅固であることが好ましい。したがって、キャビティは気体、液体またはエラストマーのような変形可能な固体で満たされていることが好ましい。製造の容易のためには、キャビティは気体によって満たされていることが最も好ましい。
【0020】
好ましくは、気体が満たされた孔は高純度窒素のような不活性ガスを含む。これは、装置の劣化を減少させ、装置の寿命を増大させる。
【0021】
カプセル材は基板に直接または間接的に(例えば、第1電極によって)固着され周囲の封止を形成する。カプセル材は接着剤、溶融などによって接着される。好ましくは、周囲の封止はゲッター材を有する。このような材料は、酸素および湿気を吸収し、これによって装置の劣化を減らし、装置の寿命を延ばす。
【0022】
カプセル材は、ガラスシートまたはプラスチックシートから構成することができる。不活性で空気及び湿気に対して不透過性である堅固な装置のためにはガラスシートが好ましい。プラスチックは柔軟な装置のために有益である。
【0023】
ガラスカプセル材においては、0.1ないし1.1mmの範囲の厚さが好ましい。
【0024】
本発明の実施態様によれば、ディスプレイを形成する複数の画素から構成される本明細書に記載される有機電子発光装置が提供される。
【0025】
好ましくは、本発明の装置は、複数の画素が配置される共通の基板から構成される。
【0026】
好ましくは、本発明の装置は、複数の画素の上に共通のカプセル材を有する。
【0027】
本発明の装置は、複数の第1電極を有する。1つの配列において、基板は、アクティブマトリックスディスプレイを形成する複数の薄膜トランジスタを有する。このような配列においては、複数の画素に共通の単一の第2電極が供給される。典型的なアクティブマトリックス装置においては、薄膜トランジスタのような駆動回路は発光装置と基板上で同じ面に配置される。替わりの配列においては、パッシブマトリックスディスプレイを形成するために複数の第1および第2電極が供給される。
【0028】
本発明の第2の側面によれば、次の工程を含む有機電子発光装置の製造方法が提供される。基板上に少なくとも1つの第1の電極を蒸着する工程、前記少なくとも1つの電極上に有機発光材料を蒸着する工程、前記有機発光材料の上に少なくとも1つの第2の電極を蒸着する工程であって、前記少なくとも1つの第1の電極、前記有機発光材料および少なくとも1つの第2の電極は発光構造を形成し、前記発光構造の上にカプセル材を固着させる工程であって、前記少なくとも1つの第2の電極および前記カプセル材は前記発光材料から発光される光に対して透明であり、前記カプセル材および前記発光構造の間にキャビティが供給され、前記カプセル材は、前記発光材料から発光された光の反射を減らすために少なくとも1つの面に非反射コーティングを有し、前記非反射コーティングは前記発光材料から発光される光にたいして透明である。
【0029】
好ましくは、カプセル材はそのなかにキャビティを有する。これは、プレスまたはサンドブラストのような他の技術も可能であるが、エッチングによって形成されることが好ましい。非反射コーティングはキャビティのエッチングの後に蒸着される。好ましくは、カプセル材は基板に直接または間接的に、例えば、接着剤によって固着される。
【0030】
本発明の第3の側面によれば、基板およびカプセル材が複数の有機電子装置に共通で、カプセル材はそこに形成される複数のキャビティを有するシートを有し、キャビティは複数の有機電子発光装置の位置に対応する本明細書に記載されるように複数の有機電子発光装置を有すプリフォームが提供される。好ましくは、複数の有機電子発光装置の間に切断線が存在する。
【0031】
本発明の第4の側面によれば、プリフォームを切断する工程を含む、本明細書に記載されるプリフォームから複数の有機発光装置を製造する方法が提供される。
【0032】
本発明の第5の側面によれば、本明細書に記載されるプリフォームの製造方法が提供され、そのなかに複数のキャビティを形成した後カプセル材の上に非反射コーティングが蒸着される。好ましくは、キャビティ形成および蒸着工程の後、カプセル材が基板に直接又は間接的に固着される。カプセル材は、複数の発光構造の間に配置された接着剤線によって基板に固着される。複数のキャビティがシートをエッチングすることによって形成される。
【0033】
本発明の第6の側面によれば、有機発光装置のためにカプセルシートが提供される。カプセルシートは、有機発光構造を受け入れる側に複数のキャビティを有する材料の透明シートを有し、少なくとも1つの面からの光の反射を減らすために、前記少なくとも1つの面上に非反射コーティングを有する材料の透明シートが供給される。
【0034】
好ましくは、そのなかに複数のキャビティを有する透明シートの面上に非反射コーティングが蒸着される。有利には、キャビティ間のスペースではなくキャビティ内に非反射コーティングが蒸着される。これは、周囲の封止を形成するための固着点において非反射コーティングが透明シートに供給されないので、カプセルシートの装置の基板への良好な固着を可能にする。さらに、このような配列は、装置の周囲の封止において非反射コーティングを貫通して酸素及び水が浸入する可能性を回避する。
【0035】
有利には、そのなかにキャビティを有する面に反対の透明シートの面に他の非反射コーティングが供給される。
【0036】
本発明の第7の側面によれば、有機発光ディスプレイ装置を製造するための本明細書に記載されるカプセル材シートの使用方法が供給される。
【0037】
本発明の第8の側面によれば、有機発光装置のためのカプセルシートの製造方法が提供され、この方法は次の工程を含む。有機発光構造を受け入れるため透明シート材料の1つの面に複数のキャビティを形成する工程、および透明シート材料の少なくとも1つの面に前記少なくとも1つの面からの光の反射を減らすための非反射コーティングでコーティングする工程。
【0038】
好ましくは、キャビティを形成した後、そのなかに複数のキャビティを有する透明シートの面に非反射コーティングが蒸着される。有利には、非反射コーティングはキャビティ内に蒸着され、キャビティ間のスペースには蒸着されない。有利には、もう1つの非反射コーティングが、そのなかにキャビティを有する面と反対の透明シートの面に蒸着される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図3は、本発明の実施態様の有機発光装置12を示す。この装置12は、ガラス基板14、その上に蒸着されるアノード16、前記アノード16条に配置される発光ポリマー層18、前記発光ポリマー18の上に配置される気体孔29、および前記層をカプセルするガラス缶22から構成される。非反射性コーティング24,26はガラス缶カプセル材の一方の面に供給される。
【0040】
ガラス缶22の厚さは、非反射コーティング24,26がガラス缶22のどちらかの面に供給されるとき、スペーサーとして調整され得る。この場合、ガラス缶22の厚さは、
装置からの出力される光を脱離または最適化するために、約5ないし12μm、好ましくは10μmの厚さに調整される。したがって、非反射コーティング24、26は数秒波長の距離によって分離されるように配置される。
【0041】
ガラス上の非反射コーティングのガラスカプセル材と発光構造(電極および発光層)の間に気体が充満したキャビティを供給することによって、離脱された光を発光構造から離脱させることを可能にする。この離脱は、下記に述べるようにいくつかの異なる側面を有する。
【0042】
非反射コーティングが近接場光学効果(ニアフィールドオプティカルエフェクト)から切り離される。非反射コーティングを発光層から離すことにより、キャビティ効果による波長の変化による近接場光学効果(ニアフィールドオプティカルエフェクト)またはクエンチ効果により発光強度の減少のような装置の発光特性に影響を与えずに、装置からの光の離脱が改良される。
【0043】
非反射コーティングは、装置の他の層との間の悪い化学反応から切り離される。ガラス上への非反射コーティングのプロセスは、装置の他の層との潜在的に悪い相互作用することなく標準の非反射コーティングの適用を可能にする。
【0044】
非反射コーティングの供給は装置の製造方法とは切り離される。非反射コーティングを含むカプセル材は装置の製造の前に製造されることができ、これによって、装置製造複雑さとコスト増加を避けることができる。
【0045】
各種の非反射コーティングが本発明に適している。発光構造から非反射コーティングを離すことによって、前述の問題が回避される。しかしながら、非反射コーティングは、発光層から発光された光の波長の高い透過性を有すべきであり、そうでなければ、反射の減少による光の離脱の増加が吸収の増加によって相殺されてしまう。多種の非反射コーティングが多層の積層および蛾の目構造に使用される。
【0046】
非反射コーティングは上面発光有機発光ダイオード構造の離脱の8%までの増加を可能にする。さらに、光学的反射の減少は影からの影響を受けない画像をもたらす。
【0047】
図4は、複数の発光構造を製造するためのプリフォーム100の一部を示す簡略図を示す。プリフォーム100は、複数の発光構造を形成するために、複数のアノード104、有機電子発光材料106およびカソード108が蒸着される共通の基板から構成される。共通のカプセル材110が発光構造の上に配置され、接着剤120の線によって基板に固着される。カプセル材110は、そのなかに形成される複数のキャビティ122を有するシートから構成され、キャビティは複数の有機発光構造の位置に対応する。非反射コーティング124,126が発光構造から発光された光の反射を減らすためのカプセル材の各面に供給される。配列100は複数の装置を製造するために複数の発光構造の間の線に沿って切断される。より複雑な密封構造(図示しない)が簡易な切断を可能にするために供給される。例えば、溝によって強度の弱い線が引かれ、および/または切断プロセスの前に配列が切断される。
【0048】
発光構造は、例えば、単一のバックライトを形成するために単一の発光要素から構成される。あるいは、発光構造は、ディスプレイを形成するために複数の画素から構成されることができる。
プリフォーム100は、基板102上の発光構造を形成するために層104、106、108を蒸着し、ついで事前に製造されたカプセルシート119をその上に固着することによって製造される。
【0049】
図5は、有機発光構造104、106、108を受け入れるために1つの面内に複数のキャビティを有する材料の透明シート112から構成される。材料の透明シート112は、その各面上に供給される非反射コーティング124,126を有する。キャビティ122は透明シート112をエッチングすることによって形成され、非反射コーティング124はキャビティ間のスペースではなくキャビティ内に蒸着される。次いで、図4に示されるように、複数の発光構造104、106、108の間に配置される接着剤の線によってカプセル材110が基板102に固着される。
【0050】
本発明は、好ましい実施態様を参照して特別に示され記載されているが、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱しない限り多くの変更および改良が可能であることは当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】底面発光型有機発光装置の公知の構造を示す。
【図2】上面発光型有機発光装置の公知の構造を示す。
【図3】本発明の実施態様の有機発光装置を示す。
【図4】本発明の実施態様のディスプレイを示す。
【図5】本発明の実施態様の有機発光ディスプレイのカプセル材の一部を示す。
【符号の説明】
【0052】
2 基板
4 第1の電極
6 第2の電極
8 有機発光層
10 カプセル材
12 有機発光装置
14 ガラス基板
16 アノード
18 有機発光ポリマー
19 透明カソード
20 気体孔
22 ガラス缶
24 非反射コーティング
26 非反射コーティング
102 共通基板
104 アノード
106 有機電子発光材料
108 カソード
110 カプセル材
122 キャビティ
124 非反射コーティング
126 非反射コーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機電子発光装置であって、第1の極性の電荷を注入するために基板上に配置される第1電極、前記第1の極性と反対の第2の極性の電荷を注入するために基板上に配置される第2の電極、第1および第2電極の間に配置される有機発光層、前記第2電極上に配置されるカプセル材を含み、前記第2電極およびカプセル材は前記発光層から発光される光に対して透明であり、前記カプセル材と前記第2電極の間にキャビティが供給され、前記装置からの光の離脱を改良するために前記発光層から発光された光の反射を防止するためのカプセル材の少なくとも1つの面に非反射性コーティングが供給され、前記非反射性コーティングは発光層から発光された光に対して透明であることを特徴とする有機電子発光装置。
【請求項2】
前記反射コーティングが前記キャビティと前記カプセル材の間の境界に供給される請求項1に記載の有機電子発光装置。
【請求項3】
2つの非反射コーティングが前記カプセル材の各面に供給される請求項1または2に記載の有機電子発光装置。
【請求項4】
前記2つの反射コーティングが5ないし12μmの距離で離れるように、前記カプセル材が前記2つの反射コーティングの間のスペーサーとして機能する請求項3に記載の有機電子発光装置。
【請求項5】
前記キャビティは10μm以上の厚さを有する請求項1ないし4のいずれかに記載の有機電子発光装置。
【請求項6】
前記または各非反射コーティングは、前記発光層から発光した光に対して、96%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは98%以上および最も好ましくは98%以上の透過率を有する請求項1ないし5のいずれかに記載の有機電子発光装置。
【請求項7】
前記キャビティは気体が充満したキャビティである請求項1ないし6のいずれかに記載の有機電子発光装置。
【請求項8】
前記気体が充満したキャビティは不活性ガスを含む請求項7に記載の有機電子発光装置。
【請求項9】
前記不活性ガスは高純度窒素である請求項8に記載の有機電子発光装置。
【請求項10】
前記カプセル材は、周囲封止を形成するために前記基板に直接または間接的に固着される請求項1ないし9のいずれかに記載の有機電子発光装置。
【請求項11】
前記周囲封止は接着剤を含む請求項10に記載の有機電子発光装置。
【請求項12】
前記周囲封止はゲッター材料を含む請求項10または11に記載の有機電子発光装置。
【請求項13】
前記カプセル材はガラスシートまたはプラスチックシートを含む請求項1ないし12のいずれかに記載の有機電子発光装置。
【請求項14】
前記カプセル材の厚さ0.1ないし1.1mmの範囲である請求項1ないし13のいずれかに記載の有機電子発光装置。
【請求項15】
ディスプレイを構成する複数の画素を含む請求項1ないし14のいずれかに記載の有機電子発光装置。
【請求項16】
前記基板は複数の画素に共通のものである請求項15に記載の有機電子発光装置。
【請求項17】
前記カプセル材は複数の画素に共通のものである請求項15または16に記載の有機電子発光装置。
【請求項18】
前記ディスプレイは複数の第1の電極を有する請求項15ないし17のいずれかに記載の有機電子発光装置。
【請求項19】
前記基板はアクティブマトリックス背面を有する請求項15ないし18のいずれかに記載の有機電子発光装置。
【請求項20】
前記ディスプレイは複数の画素に共通の単一の第2の電極を有する請求項19に記載の有機電子発光装置。
【請求項21】
前記ディスプレイは複数の第2の電極を有する請求項18に記載の有機電子発光装置。
【請求項22】
有機電子発光装置の製造方法であって、基板上に少なくとも1つの第1の電極を蒸着する工程、前記少なくとも1つの電極上に有機発光材料を蒸着する工程、前記有機発光材料の上に少なくとも1つの第2の電極を蒸着する工程、および前記発光構造の上にカプセル材を固着させる工程を含み、前記少なくとも1つの第1の電極、前記有機発光材料および少なくとも1つの第2の電極は発光構造を形成し、前記少なくとも1つの第2の電極および前記カプセル材は前記発光材料から発光される光に対して透明であり、前記カプセル材および前記発光構造の間にキャビティが供給され、前記カプセル材は、前記発光材料から発光された光の反射を減らすために少なくとも1つの面に非反射コーティングを有し、前記非反射コーティングは前記発光材料から発光される光に対して透明であることを特徴とする有機電子発光装置の製造方法。
【請求項23】
前記カプセル材は、キャビティを有し、かつ周囲封止を形成するために前記基板に直接または間接的に固着され、前記キャビティおよび周囲封止は前記キャビティが維持されるような深さを有する請求項22に記載の有機電子発光装置の製造方法。
【請求項24】
前記発光構造はディスプレイを構成する複数の画素を含む請求項22または23に記載の有機電子発光装置の製造方法。
【請求項25】
前記基板は複数の画素に共通のものである請求項24に記載の電子発光装置の製造方法。
【請求項26】
前記カプセル材は複数の画素に共通のものである請求項24または25に記載の有機電子発光装置の製造方法。
【請求項27】
前記ディスプレイは複数の第1の電極を有する請求項24ないし26のいずれかに記載の有機電子発光装置の製造方法。
【請求項28】
前記基板はアクティブマトリックス背面を有する請求項24ないし27のいずれかに記載の有機電子発光装置の製造方法。
【請求項29】
前記ディスプレイは複数の画素に共通の単一の第2の電極を有する請求項28に記載の有機電子発光装置の製造方法。
【請求項30】
前記ディスプレイは複数の第2の電極を有する請求項27に記載の有機電子発光装置の製造方法。
【請求項31】
前記基板およびカプセル材は複数の有機電子発光装置に共通のものであり、前記カプセル材は、そのなかに形成される複数のキャビティを有するシートを含み、前記キャビティは前記複数の有機電子発光装置の位置に対応する請求項1ないし21のいずれかに記載の有機電子発光装置を複数含むプリフォーム。
【請求項32】
前記複数の有機電子発光装置の間に切断線が供給される請求項31に記載のプリフォーム。
【請求項33】
前記プリフォームを切断する工程を含む、請求項31または32に記載のプリフォームから複数の有機電子発光装置を製造する方法。
【請求項34】
切断の前に前記プリフォームにけがき線が引かれる請求項33に記載の方法。
【請求項35】
そのなかに複数のキャビティを形成した後に、前記非反射コーティングが前記カプセル材の上に蒸着される請求項31または32に記載のプリフォームの製造方法。
【請求項36】
前記キャビティの形成および蒸着工程の後に前記カプセル材が前記基板に直接または間接的に固着される請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記複数のキャビティは前記シートをエッチングすることにより形成される請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
有機発光構造を受け入れるために1つの面内に複数のキャビティを有する材料の透明シートから構成される有機発光ディスプレイのためのカプセル材シートであって、前記材料の透明シートは、少なくとも1つの面からの光の反射を減らすために前記少なくとも1つの面に供給される非反射コーティングを有するカプセル材シート。
【請求項39】
そのなかに前記複数のキャビティを有する透明シートの1つの面に前記非反射コートが配置される請求項38に記載のカプセル材シート。
【請求項40】
前記キャビティ間のスペースではなく前記キャビティ内に前記非反射コーティングが配置される請求項39に記載のカプセル材シート。
【請求項41】
2つの非反射コーティングが供給され、1つが前記カプセル材シートの各面に供給される請求項38ないし40のいずれかに記載のカプセル材シート。
【請求項42】
有機発光ディスプレイ装置を製造するための請求項38ないし41のいずれかに記載のカプセル材シートの使用方法。
【請求項43】
有機発光ディスプレイのためのカプセル材の製造方法であって、有機発光構造を受け入れるために透明シートの1つの面に複数のキャビティを形成する工程と前記透明シートの少なくとも1つの面に前記少なくとも1つの面からの光の反射を減らすための非反射性コーティングをコーティングする工程を含む方法。
【請求項44】
前記キャビティを形成した後、そのなかに複数のキャビティを有する透明シートの1つの面に前記非反射コーティングが蒸着される請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記非反射コーティングがキャビティ間のスペースではなくキャビティ内に配置される請求項44に記載の方法。
【請求項46】
2つの非反射コーティングが供給され、1つが前記カプセル材シートの各面に供給される請求項43または45のいずれかに記載の方法。






















【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2008−542986(P2008−542986A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512914(P2008−512914)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【国際出願番号】PCT/GB2006/001910
【国際公開番号】WO2006/125988
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(597063048)ケンブリッジ ディスプレイ テクノロジー リミテッド (152)
【Fターム(参考)】