説明

電子管用カソード

【課題】カソードの振動の影響を最少化して、マグネトロンの諸特性、特にパルス内発振周波数の安定化を図る。
【解決手段】円筒状カソードスリーブ2内の軸部にヒータ21を配置し、このヒータ21の両端をエンドシールド4a,4bで固定し、支持電極体9にてカソードスリーブ2をその軸線方向に対し角度を持った方向から支持する構成において、カソード重心位置をカソードスリーブ2の軸から離れた位置に設定するための絶縁体の重心移動部材27を設ける。この重心移動部材27は、例えば上記カソードスリーブ軸と異なる軸を持つ円形空洞が形成された円盤状のもので、カソードスリーブ軸から見て支持電極体配置方向に重心を移動させることで、振動を小さくする。また、ヒータ21のカソード電位側巻線端に、カソード両端の重量バランスをとるための第2絶縁体24及び支持用金属部材25を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子管用カソード、特に耐振動及び固有振動数制御のためのカソード構造に関する。
【背景技術】
【0002】
電子管、例えばマグネトロンにおいては、カソードの組立位置の精度が極めて重要であり、その精度は0.01mm単位で制御されており、この組立位置が変化すると、カソードとアノード共振回路の電磁的結合状態が変わり、マグネトロンの様々な動作特性に変化が生じる。特に、マグネトロンを線形加速器の高周波源として使用する場合、マグネトロンのパルス内発振周波数に変化が大きいと、線形加速器が極めて高いQ値を有するために、電力反射が生じ、効率的に線形加速器を駆動できなくなる。
【0003】
そこで、カソードの組立位置精度の向上のために、多くの検討がなされているが、カソードの組立位置精度は、カソード支持構造に大きく依存する。即ち、従来のマグネトロンのカソード支持構造としては、主に、図5(A)のような同軸支持構造、図5(B)のように軸を横方向から支持する構造(片持ち支持)の2つのタイプがある。
【0004】
図5(A)のマグネトロンでは、カソード1は、円筒状のカソードスリーブ2、このカソードスリーブ2の外周に設けられた電子放出物3、カソードスリーブ2の両端に配置されたエンドシールド4a,4bからなり、このカソード1の外周方向にアノード5、上下方向にポールピース6a,6bが配置される。そして、このカソード1は、カソードスリーブ2に同軸で上方に取り付けられたカソード入力(電極)部7にて支持され、またカソード1の上下方向に磁気回路8a,8bが配置される。
【0005】
図5(B)のマグネトロンは、上記と同様の構造のカソード1がカソードスリーブ2の軸(円筒中心軸)に対し直角の方向に取り付けられた支持電極体9によって支持され、この支持電極体9はカソード入力部10にて固定される構造となっている。即ち、カソード1はカソード入力部10側から片持ち状態で支持される。
【0006】
上記図5(A)のマグネトロンは、カソード1の位置精度を比較的良好にすることができるが、電磁石による外付けの磁気回路8a,8bと組み合わせて使用する場合、その構造上、ポールピース6a,6bと同じ方向がカソード入力となるので、磁気回路8a,8bとマグネトロンの取付け、取外しには構造上の困難が生じる。また、ポールピース6a,6bの形状を両極で同じにすることが難しくなる場合もあり、この場合には、磁束密度分布の広がりによるマグネトロン特性の影響を考慮する必要が生じる。
【0007】
一方、図5(B)のマグネトロンは、カソード1の位置精度を変化させ易い構造を潜在的に持っているが、電磁石による外付けの磁気回路8a,8bと組み合わせて使用する場合、この磁気回路8a,8bとマグネトロンの取付け、取外しが容易であるという利便性から、線形加速器用マグネトロンでは良く利用されているカソード支持構造である。
【0008】
しかし、この図5(B)のカソード支持(片持ち支持)構造においては、外部から荷電粒子の加速度をマグネトロンが受けた場合、カソード1自体が、図5(B)のカソード入力部10の取付け部を支点として、自重により振動し易いという問題がある。また、磁束と直交する方向からカソード1を支持するので、マグネトロン電流が流れたとき作用空間付近のカソード支持系がローレンツカを受け、パルスの繰り返し周波数で振動するという問題がある。
【0009】
このようなカソード1の自重による振動及びローレンツカによる振動に対しては、カソード総重量の軽減化,支持系の剛性強化が設計上重要で、これらにより、振動の振幅抑制とカソード支持系の最低時の固有振動数を高くできることが知られている。特に、固有振動数はマグネトロンを駆動する高電圧パルスの繰り返し周波数よりも高くすることが重要である。
【0010】
更に、カソード1内部に具備しているヒータの振動影響も重要であり、カソード1が振動した際に、その内部のヒータが振動するとカソード1の振動が複雑化して制御が難しくなるばかりでなく、マグネトロンの特性の影響も複雑化する。このため、従来では、カソード1内のヒータの配置について図6のような構造が採用されている。
【0011】
図6(A)の例では、ヒータ巻きピッチに合った溝を有する絶縁物12を設け、この絶縁物12に沿ってヒータ13を巻いて固定することで、振動を抑制している。また、図6(B)の例では、通し孔である中空の絶縁物14を設け、この絶縁物14の通し孔にヒータ13を通すと共に、両側のエンドシールド4a,4bでヒータ13を押すようにして(ヒータ13による付勢力を発生させて)ヒータ13を固定することで、振動の抑制が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平6−260078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図6(A)のように、ヒータ巻きピッチの溝を有する絶縁物12でヒータ13を固定するものでは、カソード(1)自体の重量が重くなり、円筒軸の横方向から支持するカソード支持構造では、ヒータ13の振動は抑制できる反面、カソード自体の振動振幅は逆に大きくなる。また、重量が増えるとカソード支持系の固有振動数は下がり、パルスの繰り返し周波数と共振するおそれが生じるという問題があった。
【0014】
また、図6(B)のように、絶縁物14の通し孔にヒータ13を通すと共に、両端のエンドシールド4a,4bでヒータ13を押すようにしてヒータ13を固定するものでは、コイル状ヒータ13のカソード電位側の巻き始めの2〜3巻きまでは温度が上がらないため、この領域は実質的にヒータとして機能せず、この巻き始めの分がカソード1において余分な重量の増加になっている。
【0015】
更に、図6(B)の構造の場合、図示されるように、ヒータ13が上側(エンドシールド4a側)のヒータ電位側ではヒータ碍子15等が配置されるのに対し、下側(エンドシールド4b側)のカソード電位側ではヒータ碍子等が配置されない構造とされ、カソード電位側とヒータ電位側で構造上対称にならないため、カソード1において両端のバランスがとれず、振動を助長するという問題があった。即ち、重量の軽減は振動影響にとって有利であり、可能な限りカソード1を軽量化することが好ましく、またカソード1(或いはヒータ13及びその取付け)において両端のバランスをとることも、振動の抑制に重要な役割をすることになる。
【0016】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カソードの振動の影響を最少化して、マグネトロンの諸特性、特にパルス内発振周波数の安定化を図ることができる電子管用カソードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る電子管用カソードは、電子放出物質を表面に塗布した円筒状の金属筒(カソードスリーブ)と、この金属筒内の軸部に配置したヒータと、このヒータの両端を上記金属筒の両端に固定するための円盤状金属(エンドシールド)とを有し、上記ヒータの電極及びカソード支持体として機能する支持電極体を上記金属筒の軸線方向に対し角度を持って配置した電子管用カソードにおいて、絶縁体からなり、カソード重心位置を上記金属筒の中心軸から離れた位置に設定するための重心移動部材を、上記金属筒内に設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、電子放出物質を表面に塗布した円筒状の金属筒と、この金属筒内の軸部に配置したヒータと、このヒータの両端を上記金属筒の両端に固定するための円盤状金属とを有し、上記ヒータの電極及びカソード支持体として機能する支持電極体を上記金属筒の軸線方向に対し角度を持って配置した電子管用カソードにおいて、上記金属筒と同電位となるカソード電位側のヒータ巻線端と上記円盤状金属との間に、上記金属筒のヒータ電位側との重量バランスをとるための第2絶縁体及び支持用部材を設けたことを特徴とする。
【0018】
上記請求項1の構成によれば、上記重心移動部材は、例えば金属筒内に嵌合する円盤状絶縁物であり、その円盤中に、金属筒中心軸と異なる中心軸を持ち、ヒータ通し孔を包含する大きめの円形空洞が形成されたもの、又は金属筒中心軸と同軸のヒータ通し孔を備え、そのヒータ通し孔の外周の一部から外側へ切り欠きを形成したもの、又は金属筒中心軸と同軸のヒータ通し孔を備え、そのヒータ通し孔の外側の一部に小孔や溝を形成したものとされ、この円盤状絶縁物が金属筒の軸線方向の中央に配置される。この重心移動部材は、例えば金属筒の中心軸から見て支持電極体が配置された方向(カソード軸線に垂直な方向で支持電極体による支持側)と逆方向のカソードの重量を軽くする、即ちカソードの重心が金属筒の中心軸から支持電極体配置方向へ移動することとなり、これによって、振動が抑制される。
【0019】
上記請求項2の構成によれば、第2絶縁体及び支持用部材により、カソードの軸線方向におけるヒータのカソード電位側とヒータ電位側の重量バランスがとれることで、振動の抑制が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の電子管用カソードによれば、外部から荷電粒子の加速度を受けた際のカソードの振動を小さくでき、またカソード及びその支持系の固有振動周波数をより高くでき、マグネトロンの諸特性、特に線形加速器用高出力パルスマグネトロン等におけるパルス内発振周波数の安定化を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例に係る電子管用カソードの構成を示し、図(A)は図(B)のI−I線断面図、図(B)は軸線方向の断面図である。
【図2】実施例の電子管用カソードの円盤状絶縁物の他の構成例を示す図である。
【図3】実施例の電子管用カソードを用いたマグネトロンの構成を示す一部断面図である。
【図4】実施例の電子管用カソードの振動を示すグラフ[図(A)]と、従来例の振動を示すグラフ図[図(B)]である。
【図5】従来のマグネトロンにおける2つのカソード支持構造を示す図である。
【図6】従来のカソードにおけるヒータ配置の2つの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1には、本発明の実施例に係る電子管用カソード(例えば線形加速器用高出力パルスマグネトロンのカソード)の構成が示され、図3には、実施例のカソードを配置したマグネトロンの構成が示されており、まずマグネトロンの構成から説明する。図3に示されるように、カソード18は、その両端がカソードスリーブ2の軸(円筒中心軸)に直角(90度以外の角度でもよい)となる方向に配置された2本の支持電極体(棒)9によって支持され、この2本の支持電極体9がカソード入力部10内のステム19により固定される。また、従来と同様に、カソード18の周囲にアノード5が設けられ、上下にはポールピース6a,6bが配置される。従って、カソード18は、ステム19に固定される支持電極体9にてその軸線方向に対し角度を持った方向から支持されるので、片持ち支持となり、ステム19の部分を支点として振動が生じることになる。
【0023】
図1において、カソード18は、円筒状のカソードスリーブ(金属筒)2、このカソードスリーブ2の外表面に塗布された電子放出物3、カソードスリーブ2の両端のエンドシールド(円盤状金属)4a,4b、このエンドシールド4a,4bの中心に固定され、カソードスリーブ2の軸と同軸に配置されたコイル状ヒータ21を有して構成される。
【0024】
このヒータ21の上側のヒータ電位側巻線端には、内部のヒータ碍子22a、外側の金属部材22bで構成される中空円盤状の支持用部材22と絶縁体23が配置され、これらによってヒータ21が円盤状エンドシールド4aの中心部に取り付けられる。一方、下側のカソード電位側巻線端は、エンドシールド4bの中心に、比較的薄い中空円盤状の第2絶縁物24と中空円盤状の支持用金属部材25によって取り付けられる。ここで、コイル状のヒータ21は、第2絶縁物24及び支持用金属部材25を押すようにして、即ちヒータ21が付勢力を持つ状態で、両側のエンドシールド4a,4bの間にしっかりと取付け・固定される。なお、上記支持用金属部材25は、上記支持用部材22と同様の構成であってもよい。
【0025】
そして、実施例では、カソードスリーブ2内の軸方向の中央に、絶縁体(碍子)からなり、内壁に嵌合する重心移動部材27を設ける。この重心移動部材27は、図1(A)に示されるように、その円盤中に、カソードスリーブ2の軸(中心軸)cと異なる軸(中心軸)cを持ち、ヒータ通し孔を包含する大きさの(従来の通し孔よりも大きい)円形空洞27Hが形成されており、この円形空洞27Hは、その軸cを金属筒2の軸cに対し支持電極体9側とは反対側に配置する。これにより、実施例では、支持電極体9による支持方向と逆方向のカソード18の重量を軽くし、カソード18の重心位置が支持電極体9側、即ちカソード支持側(カソード軸線に垂直な方向で支持電極体配置側)へ移動する。この結果、カソード支持系の固有振動数が高くなる方向に作用することになり、パルスの繰返し周波数よりもカソード支持系の固有振動数を高くすることがより容易となる。また、カソード18の重心が最適化されることで、マグネトロンが外部から加速度を受けた際のカソード振幅を最少化することが可能になる。
【0026】
図2には、実施例の重心移動部材の他の例が示されており、図2(A)の重心移動部材28は、カソードスリーブ2の中心軸cと同軸のヒータ通し孔50を備え、そのヒータ通し孔50の外周の一部から外側(支持電極体配置側と反対の方向)へ切り欠いた長孔(又は楕円孔)28Hを形成し、図2(B)の重心移動部材29は、カソードスリーブ2の軸cと同軸のヒータ通し孔50を備え、そのヒータ通し孔50から外側(支持電極体配置側と反対の方向)の上下面に溝29Dを形成したものである。
【0027】
また、図2(C)の重心移動部材30は、上記と同様のヒータ通し孔50を備え、そのヒータ通し孔50の外側円周方向の半面(支持電極体配置側と反対の方向)に5個(1個でもよい)の小孔30Hを形成し、図2(D)の重心移動部材31は、上記と同様のヒータ通し孔50を備え、そのヒータ通し孔50の外側(支持電極体配置側と反対の方向)に、凹部(段差部)31Dを形成したものである。このような重心移動部材28〜31によっても、例えば支持電極体配置側と反対の方向の重さを軽くして、カソード18の重心位置を電極支持棒9側、即ちカソード支持側へ移動させることができる。
【0028】
また、実施例では、上述したように、ヒータ21のカソード電位側巻線端(下側)を第2絶縁物24と支持用金属部材25を介して取り付けており、これによって、カソード18の両端(軸線方向)の重量バランスを均等にし、かつカソード18全体の軽量化ができると共に、ヒータ21のカソード電位側の温度低下を防止できるという利点がある。即ち、従来から設けられていたヒータ電位側巻線端の支持用部材22(ヒータ碍子22a,金属部材22b)及び絶縁体23を考慮して、カソード電位側巻線端にも、第2絶縁物24と支持用金属部材25を設けることで、カソード18の両端のバランスを均等にすることができ、またこの第2絶縁物24と支持用金属部材25を設けた領域の分だけ、比較的重量があるヒータ21の巻線数が減るので、カソード18全体の軽量化が可能となる。
【0029】
そして、このカソード18の両端バランスの均等化と軽量化は、マグネトロンが外部から加速度を受けた際のカソード振幅を小さくする方向に作用し、またカソード支持系の固有振動数を高くする方向に作用する。この結果、パルスの繰り返し周波数よりもカソード支持系の固有振動数を高くすることがより容易となる。
【0030】
図4には、実施例の電子管用カソードの振動の状態[図(A)]と従来例の振動の状態[図(B)]が示されており、従来例が0.6mmに近い振幅の振動であるに対し、実施例では、0.1mm程度の振幅の振動が得られた。
【0031】
更に、上述のように、ヒータ21のカソード電位側に、第2絶縁物24を設けたことで、ヒータ21の熱がエンドシールド4b側へ逃げないようにして、ヒータ21のカソード電位側巻線部の温度低下を防ぐことができるという利点がある。ここで、第2絶縁物24と支持用金属部材25を合せた全長は、ヒータ巻きピッチの5倍以下とすることが好ましい。即ち、この第2絶縁物24と支持用金属部材25は、温度が上がっていない若しくは十分でない部分であるカソード電位側からの巻き始めの5巻き分の置き換えとし、これにより、ヒータ21の電流−電圧特性や温度−電圧特性が良好となるにすることが好ましい。
【0032】
上記実施例では、ヒータ21のカソード電位側に設けた第2絶縁物24及び支持用金属部材25で、カソード電位側を軽くしたが、逆にカソード電位側を重くしてカソード18の軸方向の重量バランスを均等にするようにしてもよく、また重心移動部材27を軸方向の中央以外に設けることで、軸方向の重量バランスを調整することもできる。更に、実施例では、線形加速器用高出力パルスマグネトロンに用いた例を説明したが、本発明は、その他のマグネトロン等の電子管のカソードに適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1,18…カソード、 2…カソードスリーブ(金属筒)、
4a,4b…エンドシールド(円盤状金属)、
9…支持電極体、 10…カソード入力部、
13,21…ヒータ、 19…ステム、
15,22a…ヒータ碍子、 23…絶縁物、
24…第2絶縁物、 25…支持用金属部材、
27〜31…重心移動部材、 27H…円形空洞、
28H…長孔、 29D…溝、
30H…小孔、 31D…凹部、
50…ヒータ通し孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子放出物質を表面に塗布した円筒状の金属筒と、この金属筒内の軸部に配置したヒータと、このヒータの両端を上記金属筒の両端に固定するための円盤状金属とを有し、上記ヒータの電極及びカソード支持体として機能する支持電極体を上記金属筒の軸線方向に対し角度を持って配置した電子管用カソードにおいて、
絶縁体からなり、カソード重心位置を上記金属筒の中心軸から離れた位置に設定するための重心移動部材を、上記金属筒内に設けたことを特徴とする電子管用カソード。
【請求項2】
電子放出物質を表面に塗布した円筒状の金属筒と、この金属筒内の軸部に配置したヒータと、このヒータの両端を上記金属筒の両端に固定するための円盤状金属とを有し、上記ヒータの電極及びカソード支持体として機能する支持電極体を上記金属筒の軸線方向に対し角度を持って配置した電子管用カソードにおいて、
上記金属筒と同電位となるカソード電位側のヒータ巻線端と上記円盤状金属との間に、上記金属筒のヒータ電位側との重量バランスをとるための第2絶縁体及び支持用部材を設けたことを特徴とする電子管用カソード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−199031(P2012−199031A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61691(P2011−61691)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000191238)新日本無線株式会社 (569)
【Fターム(参考)】