説明

電子装置及びキャリブレーション制御プログラム

【課題】任意のタイミングで自動的に正確なタッチパネルのキャリブレーション処理を行う。
【解決手段】携帯電話機100は、物体が当接する位置に応じた操作入力を受け付けるタッチパネル109を備えた表示側筐体106と、ヒンジ構造152を介して表示側筐体106に可動連結され、タッチパネル109と対向する対向部を備えた操作側筐体150とを備える。携帯電話機100は、操作側筐体150の対向部に設けられ、対向部がタッチパネル109に対向した状態でタッチパネル109に当接する突起156を備える。携帯電話機100は、突起156が当接するタッチパネル109の位置に応じた入力信号を検出し、検出された入力信号に基づいて、タッチパネル109の入力信号の較正を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及びキャリブレーション制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機などの電子装置は、表示画面上を例えばユーザの指などで押圧することによって各種の操作を行うことができるタッチパネルを備えるものが知られている。このようなタッチパネルには、抵抗感圧方式、静電容量方式、電磁誘導方式、赤外線方式など様々な方式が用いられている。
【0003】
このようなタッチパネルでは、部品の経年劣化や熱による劣化などの影響により、タッチパネルの押圧された位置の検出精度が狂い、実際に押圧された位置とは異なる箇所が押圧されたと誤認識されるケースがある。
【0004】
下記先行技術文献には、利用者に意図されない座標データが入力された場合に、入力が想定されている一番近い座標が入力されたものとしてキャリブレーションを行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−67186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記先行技術文献に開示されている技術は、利用者が意図している座標を想定に基づいて決定しているため、必ずしも正確なキャリブレーションが実行できるとは限らなかった。また、利用者による操作が行われないとキャリブレーションが実行されないため、電子装置主導の任意のタイミングでのキャリブレーション実行は困難であった。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、任意のタイミングで自動的に正確なタッチパネルのキャリブレーション処理を行うことができる電子装置及びキャリブレーション制御プログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する電子装置は、一つの態様において、物体が当接する位置に応じた操作入力を受け付けるタッチパネルを備えた第1の筐体を供える。また、電子装置は、前記第1の筐体に可動連結され、前記タッチパネルと対向する対向部を備えた第2の筐体を備える。また、電子装置は、前記対向部に設けられ、前記対向部が前記タッチパネルに対向した状態で前記タッチパネルに当接する突起を備える。また、電子装置は、前記突起が当接する前記タッチパネルの位置に応じた入力信号を検出する入力検出部を備える。また、電子装置は、前記入力検出部によって検出された入力信号に基づいて、前記タッチパネルの入力信号の較正を実行するキャリブレーション制御部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する電子装置の一つの態様によれば、任意のタイミングで自動的に正確なタッチパネルのキャリブレーション処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施形態の携帯電話機の外観を示す図である。
【図2】図2は、実施形態の携帯電話機の外観を示す図である。
【図3】図3は、実施形態の携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。
【図4】図4は、実施形態の携帯電話機の機能ブロックを示す図である。
【図5】図5は、入力検出部によってタッチパネルの打点位置を検出する処理の概要を示す図である。
【図6】図6は、キャリブレーション処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する電子装置及びキャリブレーション制御プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により開示技術が限定されるものではない。例えば、以下の実施形態では、電子装置の一例として携帯電話機を一例に挙げて説明するが、これに限らず、タッチパネル機能を備えた電子装置であればよい。また、以下の実施形態では、抵抗感圧式のタッチパネル機能を備えた携帯電話機を一例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば静電容量方式、電磁誘導方式、赤外線方式などのタッチパネル機能を備えた電子装置であればよい。また、以下の実施形態では、タッチパネル式の表示部を備えた表示側筐体と操作側筐体とがヒンジ構造によって互いに回転可能に連結されている折りたたみ式の携帯電話機を一例に挙げて説明するが、これには限られない。例えば、操作側筐体が、タッチパネル式の表示部を備えた表示側筐体に可動連結されており、かつ、表示部と対向する対向部を備える電子装置であればよい。
【0012】
図1,2は、実施形態の携帯電話機の外観を示す図である。図1,2に示すように、携帯電話機100は、表示側筐体106と操作側筐体150とを備える。表示側筐体106と操作側筐体150は、ヒンジ構造152を介して互いに回転可能に連結されている。図1は、表示側筐体106及び操作側筐体150が互いに開いた状態を図示している。また、図2は、表示側筐体106及び操作側筐体150が互いに閉じた状態を図示している。図1,2に示すように、携帯電話機100は、表示側筐体106と操作側筐体150による折りたたみ式の携帯電話機である。
【0013】
また、図1に示すように、表示側筐体106は、表示側筐体106と操作側筐体150とを閉じた状態で対向する面に、タッチパネル式の表示部107を備える。また、操作側筐体150は、表示側筐体106と操作側筐体150とを閉じた状態で表示部107に対向する対向面151を備える。また、操作側筐体150は、対向面151に、各種操作を行うための複数のキー154と、4つの突起156a〜156dとを備える。突起156a〜156dはそれぞれ、表示側筐体106を折りたたんだ状態で、表示部107の四隅に当接する位置に設けられる。
【0014】
図3は、実施形態の携帯電話機のハードウェア構成を示す図である。図3に示すように、本実施形態の携帯電話機100は、アンテナ102、無線通信部104、表示部107、マイク108、スピーカ110、及び音声入出力部112を備える。また、携帯電話機100は、メモリ130、SD(Secure Digital)カード挿入スロット135、およびプロセッサ140を備える。SDカード挿入スロット135には、SDカード136が挿入される。
【0015】
無線通信部104は、アンテナ102を介して音声や文字などの各種データの無線通信を行う。また、表示部107には、文字や画像などの各種情報を表示するとともに、ユーザの各種操作の入力を受け付けるタッチパネル109が併設されている。
【0016】
また、音声入出力部112は、マイク108を介して音声を入力するとともにスピーカ110を介して音声を出力する入出力インターフェースである。
【0017】
メモリ130は、携帯電話機100の各種機能を実行するためのデータを格納するROM(Read Only Memory)132と、各種機能を実行するための各種プログラムを格納するRAM(Random Access Memory)134とを有する。
【0018】
プロセッサ140は、ROM132又はRAM134に格納された各種プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等の演算処理部である。プロセッサ140は、ROM132又はRAM134に格納された各種プログラムを実行することにより、上述した無線通信部104、表示部107、タッチパネル109、及び音声入出力部112を制御する。なお、プロセッサ140で実行されるプログラムは、ROM132又はRAM134に格納されるだけではなく、CD(Compact Disc)−ROMやメモリ媒体等の頒布できる記憶媒体に記録しておき、記憶媒体から読み出して実行することができる。また、ネットワークを介して接続されたサーバにプログラムを格納し、サーバ上でプログラムが動作するようにしておいて、ネットワークを介して接続される携帯電話機100からの要求に応じてサービスを要求元の携帯電話機100に提供することもできる。
【0019】
図4は、実施形態の携帯電話機の機能ブロックを示す図である。図4に示すように、携帯電話機100は、プロセッサ140がROM132又はRAM134から各種プログラムを読み出して実行することによって実現される機能ブロックとして、開閉検出部161、タイマー制御部162及び入力検出部164を備える。また、携帯電話機100は、プロセッサ140がROM132又はRAM134から各種プログラムを読み出して実行することによって実現される機能ブロックとして、キャリブレーション制御部166及び補正値記憶部168を備える。
【0020】
開閉検出部161は、表示側筐体106と操作側筐体150とが互いに折りたたまれたことを検出する。開閉検出部161は、例えば、表示側筐体106に設けられた磁石からの磁束密度を、操作側筐体150に設けられたホールIC(Integrated Circuit)で検出し、検出した磁束密度の大きさに基づいて表示側筐体106と操作側筐体150との開閉状態を検出する。開閉検出部161は、例えば、ホールICで検出された磁束密度が予め設定された閾値より大きくなったら、表示側筐体106と操作側筐体150とが互いに折りたたまれたことを検出する。
【0021】
タイマー制御部162は、開閉検出部161によって表示側筐体106と操作側筐体150とが互いに折りたたまれてからの経過時間を計測する。
【0022】
入力検出部164は、タッチパネル109に物体(例えばユーザの指や突起156a〜156d)が当接したら、物体が当接した位置に応じた入力信号を検出する。入力検出部164は、例えば、物体が当接したタッチパネル109の位置に応じて2つの電圧値を検出する。また、入力検出部164は、例えば、検出された2つの電圧値に基づいて、タッチパネル109上の物体が当接した2次元の位置座標を求める。入力検出部164は、例えば、予め2つの電圧値に対応する2次元の位置座標が格納されたテーブルを用いるか、又は検出された2つの電圧値に応じて2次元の位置座標が算出される座標算出式を用いることにより、タッチパネル109上の物体が当接した位置座標を求める。入力検出部164は、タッチパネル109に突起156a〜156dが当接したら、突起156a〜156dごとに、タッチパネル109上の突起156a〜156dが当接した位置座標を求める。
【0023】
図5は、入力検出部によってタッチパネルの打点位置を検出する処理の概要を示す図である。図5に示すように、タッチパネル109は、対向する2枚の抵抗膜200,300を備える。また、抵抗膜200は、対向する2辺にそれぞれ正電極202及び負電極204が設けられる。また、抵抗膜300は、正電極202及び負電極204を結ぶ方向に直交する方向の対向する2辺にそれぞれ正電極302及び負電極304が設けられる。
【0024】
正電極202は端子206に接続され、正電極302は端子306に接続される。負電極204は端子208に接続され負電極304は端子308に接続される。一方電源400は、正電極側が端子402に接続され負電極側が端子404に接続される。端子402に設けられたスイッチ406は、端子206と端子306のいずれか一方に接続可能に設けられる。一方、端子404に設けられたスイッチ408は、端子208と端子308のいずれか一方に接続可能に設けられる。
【0025】
入力検出部164は、スイッチ406を端子206に接続する場合には、スイッチ408を端子208に接続する。一方、入力検出部164は、スイッチ406を端子306に接続する場合には、スイッチ408を端子308に接続する。つまり、入力検出部164は、抵抗膜200に電圧を印加している際には、抵抗膜300には電圧を印加せず、抵抗膜300に電圧を印加している際には、抵抗膜200には電圧を印加しない。
【0026】
仮に、抵抗膜200の押圧点210が物体によって押圧されたとする。すると、抵抗膜200が撓んで抵抗膜300に接触する。押圧点210と接触する抵抗膜300上の点を押圧点310とする。入力検出部164は、抵抗膜200と抵抗膜300とが接触した状態で、スイッチ406を端子206に接続し、スイッチ408を端子208に接続することにより、抵抗膜200に電圧を印加する。すると抵抗膜200の正電極202から負電極204へ電位勾配が発生し、例えばライン212には同電位の電圧が印加され、押圧点210の電圧が押圧点310に現れる。この状態で、入力検出部164は、例えば端子308の電位を測定することにより、押圧点310の電位を求める。
【0027】
次に、入力検出部164は、抵抗膜200と抵抗膜300とが接触した状態のままでで、スイッチ406及びスイッチ408を切り替える。つまり、入力検出部164は、スイッチ406を端子306に接続しスイッチ408を端子308に接続することにより、抵抗膜300に電圧を印加する。すると抵抗膜300の正電極302から負電極304へ電位勾配が発生し、例えばライン312には同電位の電圧が印加され、押圧点310の電圧が押圧点210に現れる。この状態で、入力検出部164は、例えば端子208の電位を測定することにより、押圧点210の電位を求める。
【0028】
そして、入力検出部164は、抵抗膜200に電圧を印加した状態で求められた押圧点310の電位と、抵抗膜300に電圧を印加した状態で求められた押圧点210の電位に基づいて、タッチパネル109における物体の当接する位置座標を検出する。
【0029】
図4の説明に戻って、キャリブレーション制御部166は、入力検出部164によって検出された入力信号に基づいて、タッチパネル109の入力信号の較正を実行する。例えば、キャリブレーション制御部166は、タイマー制御部162によって計測された経過時間が予め設定された時間を越えたら、入力検出部164によって検出された入力信号に基づいて、タッチパネル109の入力信号の較正(キャリブレーション)を実行する。なお、タイマー制御部162によって計測された経過時間の閾値となる設定時間は、初期値に固定してもよいし、ユーザの操作によって任意の値に設定することもできる。
【0030】
また、例えば、キャリブレーション制御部166は、開閉検出部161によって表示側筐体106と操作側筐体150とが折りたたまれたと検出された状態で予め設定された時刻になったら、入力検出部164によって検出された入力信号に基づいて、タッチパネル109の入力信号の較正(キャリブレーション)を実行する。なお、キャリブレーションを実行する時刻は、ユーザの操作によって任意に設定することができる。
【0031】
また、キャリブレーション制御部166は、入力検出部164によって検出された当接位置座標と、突起156a〜突起156dの当接位置に応じて予め設定された基準位置座標とに基づいて、タッチパネル109の入力信号の較正を実行する。例えば、キャリブレーション制御部166は、突起156a〜突起156dごとに、入力検出部164によって検出された2次元の当接位置座標と、予め設定された2次元の基準位置座標との各次元の差分を求め、この差分を補正値として求める。補正値は、例えばタッチパネル109の表示面上の直交2軸をx軸,y軸とすると、(x軸方向:−2,y軸方向:−3)などのように求められる。キャリブレーション制御部166は、突起156a〜突起156dごとに求められた補正値を、補正値記憶部168に格納する。
【0032】
なお、本実施形態では、4つの突起156a〜突起156dを、矩形のタッチパネル109の4隅に当接するように設ける例を示したが、これには限られない。例えば、突起156aと156dの組み合わせ又は突起156bと156cの組み合わせのように、矩形のタッチパネル109の対角線上の2隅に当接するように2つの突起を設けることもできる。
【0033】
補正値記憶部168は、キャリブレーション制御部166によって求められた座標の補正値が格納される記憶部である。なお、補正値記憶部168は、例えばメモリ130の内部に設けられるデータの記憶部である。
【0034】
なお、入力検出部164は、キャリブレーション処理を実行する際には、実際に検出された物体の当接位置座標をキャリブレーション制御部166に出力する。一方、入力検出部164は、キャリブレーション処理の実行時以外は、補正値記憶部168に補正値が格納されている場合には、実際に検出された物体の当接位置座標を、補正値記憶部168に格納された補正値によって補正する。入力検出部164は、例えば、突起156a〜突起156dごとに補正値が補正値記憶部168に格納されている場合には、いずれかの補正値を選択して、実際に検出された物体の当接位置座標の補正用に用いることができる。例えば、入力検出部164は、突起156a〜突起156dに対応する基準位置座標の中から、実際に検出された物体の当接位置座標と最も距離が近い基準位置座標を選択する。そして、入力検出部164は、選択した基準位置座標に対応する突起の補正値を、実際に検出された物体の当接位置座標の補正用に用いることができる。
【0035】
次に、キャリブレーション処理の流れを説明する。図6は、キャリブレーション処理のフローチャートである。図6に示すように、まず、開閉検出部161は、表示側筐体106と操作側筐体150との開閉が検出されたか否かを判定する(ステップS101)。開閉検出部161は、表示側筐体106と操作側筐体150との開閉が検出されるまで、ステップS101を繰り返す。
【0036】
開閉検出部161は、表示側筐体106と操作側筐体150との開閉が検出されたと判定されたら(ステップS101でYes)、表示側筐体106と操作側筐体150とが折りたたまれたか否かを判定する(ステップS102)。
【0037】
タイマー制御部162は、表示側筐体106と操作側筐体150とが折りたたまれたと判定されたら(ステップS102でYes)、タイマーを発行する(ステップS103)。続いて、キャリブレーション制御部166は、タイマー制御部162によってタイマーが発行されてから予め設定された時間が経過してタイマーが満了したか、又は現在時刻が予め設定された指定時刻であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0038】
キャリブレーション制御部166は、タイマー制御部162によってタイマーが発行されてから予め設定された時間が経過してタイマーが満了したか、又は現在時刻が予め設定された指定時刻であると判定されたら(ステップS104でYes)、キャリブレーション処理を開始する。キャリブレーション制御部166は、タイマー制御部162によってタイマーが発行されてから予め設定された時間が経過してタイマーが満了したか、又は現在時刻が予め設定された指定時刻であると判定されるまで、ステップS104の判定を繰り返す(ステップS104でNo)。
【0039】
キャリブレーション制御部166は、タッチパネル109を有効にする(ステップS106)。続いて、入力検出部164は、突起156a〜156dごとに、タッチパネル109の突起156の打点位置に応じて2次元の位置座標を検出する(ステップS107)。キャリブレーション制御部166は、入力検出部164によって検出された位置座標と、突起156a〜156dの当接位置に応じて予め設定された基準位置座標とに基づいて、位置座標の補正値を算出する(ステップS108)。キャリブレーション制御部166は、算出された補正値を、補正値記憶部168へ保存する(ステップS109)。キャリブレーション制御部166は、タッチパネル109を無効にして(ステップS110)、処理を終了する。
【0040】
一方、キャリブレーション制御部166は、表示側筐体106と操作側筐体150とが折りたたまれていないと判定されたら(ステップS102でNo)、S101に遷移し、次の開閉検出に向けて待機する。
【0041】
以上、本実施形態の携帯電話機100は、任意のタイミングで自動的に正確なタッチパネルのキャリブレーション処理を実行することができる。すなわち、本実施形態の携帯電話機100は、タッチパネル109に対向する対向部に、タッチパネル109に当接する突起を設けることにより、ユーザが指定位置を押圧することなく、任意のタイミングで自動的に正確なタッチパネル109のキャリブレーション処理を実行することができる。
【0042】
また、本実施形態のような折りたたみ形状の携帯電話機100は、携帯電話機100を利用しない場合には折りたたんで放置するケースが多い。そこで、本実施形態の携帯電話機100は、表示側筐体106と操作側筐体150とが折りたたまれたことが検出されてから、予め設定された時間が経過したら、キャリブレーション処理を実行する。よって、本実施形態の携帯電話機100によれば、携帯電話機100を使用していないと推測される時間を利用してタッチパネル109のキャリブレーションを実行することができる。
【0043】
また、本実施形態の携帯電話機100は、表示側筐体106と操作側筐体150とが折りたたまれた状態で予め設定された時刻になったら、タッチパネル109のキャリブレーションを実行する。よって、本実施形態の携帯電話機100によれば、例えば就寝中の時間など携帯電話機100を使用していない時間を利用してタッチパネル109のキャリブレーションを実行することができる。
【0044】
なお、本実施形態は、主に携帯電話機及びキャリブレーション制御方法を中心に説明したが、これに限らず、あらかじめ用意されたキャリブレーション制御プログラムをコンピュータで実行することによって、上述の実施形態と同様の機能を実現することができる。すなわち、キャリブレーション制御制御プログラムが処理を実行させる電子装置は、物体が当接する位置に応じた操作入力を受け付けるタッチパネルを備えた第1の筐体と、前記第1の筐体に可動連結され、前記タッチパネルと対向する対向部を備えた第2の筐体とを備える。また、キャリブレーション制御制御プログラムが処理を実行させる電子装置は、前記対向部に設けられ、前記対向部が前記タッチパネルに対向した状態で前記タッチパネルに当接する突起を備える。キャリブレーション制御制御プログラムは、このような電子装置に、前記突起が当接する前記タッチパネルの位置に応じた入力信号を検出する処理を実行させる。また、キャリブレーション制御制御プログラムは、このような電子装置に、前記検出された入力信号に基づいて、前記タッチパネルの入力信号の較正を実行する処理を実行させる。なお、キャリブレーション制御プログラムは、インターネットなどの通信ネットワークを介してコンピュータに配布することができる。また、キャリブレーション制御プログラムは、電子装置に設けられたメモリ、ハードディスク、その他のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【符号の説明】
【0045】
100 携帯電話機
106 表示側筐体
107 表示部
109 タッチパネル
150 操作側筐体
151 対向面
152 ヒンジ構造
156a〜156d 突起
161 開閉検出部
162 タイマー制御部
164 入力検出部
166 キャリブレーション制御部
168 補正値記憶部
200,300 抵抗膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体が当接する位置に応じた操作入力を受け付けるタッチパネルを備えた第1の筐体と、
前記第1の筐体に可動連結され、前記タッチパネルと対向する対向部を備えた第2の筐体と、
前記対向部に設けられ、前記対向部が前記タッチパネルに対向した状態で前記タッチパネルに当接する突起と、
前記突起が当接する前記タッチパネルの位置に応じた入力信号を検出する入力検出部と、
前記入力検出部によって検出された入力信号に基づいて、前記タッチパネルの入力信号の較正を実行するキャリブレーション制御部と、
を備えることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
前記電子装置は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とがヒンジ構造を介して相互に回動自由に連結された折りたたみ構造を有し、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折りたたまれたことを検出する開閉検出部と、
前記開閉検出部によって前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折りたたまれたと検出されてからの経過時間を計測するタイマー制御部とをさらに備え、
前記キャリブレーション制御部は、前記タイマー制御部によって計測された経過時間が予め設定された時間を超えたら、前記入力検出部によって検出された入力信号に基づいて、前記タッチパネルの入力信号の較正を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記電子装置は、前記第1の筐体と前記第2の筐体とがヒンジ構造を介して相互に回動自由に連結された折りたたみ構造を有し、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折りたたまれたことを検出する開閉検出部を
さらに備え、
前記キャリブレーション制御部は、前記開閉検出部によって前記第1の筐体と前記第2の筐体とが折りたたまれたと検出された状態で予め設定された時刻になったら、前記入力検出部によって検出された入力信号に基づいて、前記タッチパネルの入力信号の較正を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記タッチパネルは、対向する2枚の抵抗膜を備える抵抗感圧式タッチパネルであり、
前記入力検出部は、前記物体の当接圧力によって前記2枚の抵抗膜が接触した状態で、前記2枚の抵抗膜に順次電圧を印加することにより前記2枚の抵抗膜それぞれの接触点における電圧値を検出し、検出された電圧値に応じて前記物体の当接位置座標を検出し、
前記キャリブレーション制御部は、前記入力検出部によって検出された当接位置座標と、前記突起の当接位置に応じて予め設定された基準位置座標とに基づいて、前記タッチパネルの入力信号の較正を実行する
ことを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
物体が当接する位置に応じた操作入力を受け付けるタッチパネルを備えた第1の筐体と、前記第1の筐体に可動連結され、前記タッチパネルと対向する対向部を備えた第2の筐体と、前記対向部に設けられ、前記対向部が前記タッチパネルに対向した状態で前記タッチパネルに当接する突起とを備えた電子装置に、
前記突起が当接する前記タッチパネルの位置に応じた入力信号を検出し、
前記検出された入力信号に基づいて、前記タッチパネルの入力信号の較正を実行する
処理を実行させることを特徴とするキャリブレーション制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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