説明

電子装置用筐体

【課題】回路基板への応力を抑制することができる電子装置用筐体を提供すること。
【解決手段】電子部品12が実装された回路基板10を収納するベース30とケース20とからなり、被取付体200に取付けられる電子装置用筐体であって、ベース30は、アルミをプレス加工して形成されるものであり、回路基板10が固定される固定部31と、被取付体200に対してネジ止めされる部位であり、ネジを通す貫通穴34を有する取付部33と、固定部31と取付部33とを連結する連結部36とを備え、取付部33及び連結部36のうち少なくとも一方は、被取付体200によって生じる応力を吸収する応力吸収部をなす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被取付体に取付けられる電子装置用筐体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子装置用筐体として特許文献1に示すものがあった。特許文献1に示す電子装置用筐体は、底面が開口するケースと、このケースの開口部を閉鎖するための略平板状のベースとを備える。そして、ケースとベースとの間に、コネクタ部を一体化した回路基板を挟んだ状態で、ケース、ベース、回路基板がネジの締め付けにより組み付けされる。
【0003】
また、ベースには、ケースよりも外側に突出する一対の被取付体(車両など)への取付部が一体形成されており、その取付部には、ブラケット部材を取り付けるための取付孔が設けられている。そして、取付部に取り付けられるブラケット部材を介して電子装置用筐体を被取付体に搭載する。もしくは、取付部そのものをブラケット部材として用い、取付孔により電子装置用筐体を被取付体に直接搭載するものである。
【特許文献1】特開2002−246762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的にベースは、外部からの衝撃によって内蔵する回路基板が損傷しないようにするために、ある程度の強度が必要とされる。しかしながら、被取付体における取付部が取付けられる部位に歪などがある場合、電子装置用筐体を被取付体に取付けた際に、被取付体の歪によってベースの取付部に応力が生じる可能性がある。また、ベースには、強度があるため、ベースの取付部に生じる応力が回路基板にも生じる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、回路基板への応力を抑制することができる電子装置用筐体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の電子装置用筐体は、電子部品が実装された回路基板を収納するベースとケースとからなり、被取付体に取付けられる電子装置用筐体であって、ベースは、回路基板が固定される固定部と、被取付体に対する取付部と、固定部と取付部とを連結する連結部とを備え、取付部及び連結部のうち少なくとも一方は、被取付体によって生じる応力を吸収する応力吸収部をなすことを特徴とするものである。
【0007】
このように、取付部及び連結部のうち少なくとも一方は、被取付体によって生じる応力を吸収する応力吸収部をなすことによって、被取付体によって生じる応力が回路基板に伝わるのを抑制することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の電子装置用筐体では、連結部は、固定部から略垂直に屈曲し、取付部は、連結部から略垂直に屈曲した形状をなすことを特徴とするものである。
【0009】
このようにすることによって、連結部が足部のような形状をなし、被取付体からの応力を連結部で吸収しやすくすることができ、回路基板へ応力が伝わることをより一層抑制することができる。
【0010】
また、応力吸収部は、請求項3に示すように、回路基板よりも低硬度とすることによって、被取付体によって生じる応力を吸収しやすくでき、被取付体によって生じる応力を回路基板へ伝えにくくすることができる。
【0011】
また、請求項4に示すように、連結部は、固定部と取付部とを結ぶ方向に補強リブを備えることによって、耐振性を向上させることができる。
【0012】
また、請求項5に示すように、取付部は、取付部の端部と連結部とを結ぶ方向に第1スリットを備えることによって、被取付体によって生じる応力を吸収しやすくでき、被取付体によって生じる応力をより一層回路基板へ伝えにくくすることができる。
【0013】
また、請求項6に示すように、連結部は、固定部と取付部とを結ぶ方向に第2スリットを備えることによって、被取付体による連結部がねじれる方向への応力を吸収しやすくでき、被取付体によって生じる応力をより一層回路基板へ伝えにくくすることができる。
【0014】
また、連結部は、固定部と取付部とを結ぶ方向に第2スリットを備えることによって、連結部に応力がかかって歪んだ場合に亀裂などが生じることを抑制することができる。また、連結部への応力は、端部に応力が生じやすい。したがって、請求項7に示すように、第2スリットを少なくとも前記連結部の端部に設けることによって、より一層亀裂などが生じることを抑制することができる。
【0015】
また、請求項8に記載の電子装置用筐体では、取付部は、ネジ止め時に塑性変形可能な材料からなることを特徴とするものである。
【0016】
このように、取付部は、ネジ止め時に塑性変形することによって、被取付体の歪などを吸収することができ、被取付体によって生じる応力を回路基板に伝えにくくすることができる。なお、請求項9に示すように、ベースは、0.2%耐力が100N/mm以下のアルミとすることによって、ネジ止め時に塑性変形しやすくすることができる。また、取付部をネジ止めする時に塑性変形させることによって、被取付体に歪などがあっても取付部が浮いたりすることがなく、取付部と被取付体との接触面積が広くなり、回路基板から生じた熱を被取付体に放熱しやすくできる。
【0017】
また、請求項10に示すように、ベースは、熱伝導率が150W/m・K以上のアルミをプレス加工することによって形成されることによって、被取付体の歪などを吸収しやすくすることができ、被取付体によって生じる応力をより一層回路基板に伝えにくくすることができる。さらに、熱伝導率が150W/m・K以上のアルミを用いることで、回路基板から生じた熱をより一層被取付体に放熱しやすくできる。
【0018】
また、請求項11に示すように、取付部は、貫通穴にネジを通すカラーを圧入することによって、ネジの締め付けトルクに対し、締め付け強度を向上させることができる。また、カラーは、請求項12又は請求項13に示すように、金属やアルミダイキャスト製品であると、より一層締め付け強度を向上させることができるので好ましい。
【0019】
また、取付部がアルミであった場合、カラーをアルミダイキャスト製品とすることによって、取付部とカラーとの線膨張係数は同等とすることができるので、冷熱の繰り返しによる応力の発生が略無くなる。
【0020】
さらに、カラーは、請求項14に示すように、取付部を陥没させた状態で圧入することによって、カラーを強固な状態で貫通穴に固定することができる。また、請求項14、請求項15に示すように、カラーは、取付部に陥没させた状態で圧入するか、もしくは、カラーの端面が少なくとも取付部における被取付体と対向する面と略同一面となる状態で圧入することによって、取付部からカラーが出っ張ることなく、取付部と被取付体との接触面積を増やすことができる。このように、取付部と被取付体との接触面積が増えることによって、回路基板から生じた熱をより一層被取付体に放熱しやすくできる。
【0021】
また、請求項16に記載の電子装置用筐体では、ケースは、取付部の貫通穴に対応するネジを通す貫通穴を有するケース側取付部を備え、ベースと共に被取付体に対してネジ止めされることを特徴とするものである。このように、ケースとベースとを共に被取付体に対してネジ止めすることにより、ネジの締め付けトルクに対し、締め付け強度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す斜視図である。図2は、本発明の第1の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す図面であり、(a)はベースに回路基板を搭載した状態の平面図であり、(b)はベースに回路基板を搭載した場合の側面図である。図3は、本発明の第1の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す部分的断面図である。図4は、本発明の第1の実施の形態における電子装置用筐体の取付部の平面図である。なお、図2に関しては、プリント基板11上の電子部品12を省略している。なお、本実施形態に係る電子装置用筐体は防水構造を有しており、車両の車室外(例えばエンジンルーム内)に配置される電子装置(例えば車両のエンジンECU(Electric Control Unit))として好適である。
【0023】
電子装置100は、回路基板10、筐体を構成するケース20及びベース30、回路基板10が収容される、ケース20及びベース30の内部空間を防水空間とするシール材40、回路基板10からの放熱性を向上するための熱伝導材50を含んでいる。
【0024】
回路基板10は、図示されない配線パターンや、配線パターン間を接続するビアホール等を形成してなるプリント基板11に、マイコン、抵抗、コンデンサ等の電子部品12を実装してなるものである。プリント基板11の構成材料としては、特に限定されるものではない。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、セラミック、ガラス(例えばガラス布)と樹脂との複合体等の公知材料を採用することができる。本実施形態においては、ガラス布を含むエポキシ樹脂に、配線パターンを多層に配置してなる多層基板を採用している。
【0025】
また、電子部品12には、例えばパワートランジスタといった動作によって過度に発熱する発熱素子12aが含まれている。発熱素子12aは、図1及び図3に示すように、放熱経路を短縮するために、プリント基板11の周縁部位に実装されている。尚、符号13は、プリント基板11に形成される配線パターンなどと電気的に接続される端子122を備え、プリント基板11に実装された外部接続端子としてのコネクタであり、電子装置100を構成した状態で、一端が筐体外に露出するように構成されている。符号14は、筐体(ケース20)と位置決めするために、プリント基板11の角部に設けられた位置決め用凹部である。また、図3中に示す符号11aは、発熱素子12aから筐体(ベース30)への放熱性を向上させるために、発熱素子12aに対応してプリント基板11に形成されたサーマルビアである。
【0026】
筐体を構成するケース20は、銅板などをプレス加工することによって、一方が開放された底の深い箱状に成形されている。符号21はベース30と対向し、シール材40と接触する固定部であり、固定部21には、プリント基板11に形成された位置決め用凹部14に対応する位置決め用凸部22が形成されている。また、符号23は、固定部21に対して折曲されており、内部空間を構成するための空間構成部である。
【0027】
筐体を構成するベース30は、アルミ(アルミ板)をプレス加工することによって、ケース20の開放面を閉塞すべく底の浅い箱状に成形されている。また、ベース30を構成するアルミは、熱伝導率が150W/m・K以上(例えば、150W/m・K〜230W/m・K)のアルミを用いると好ましい。ベース30は、後ほど説明するように、被取付体(例えば、エンジンルームの側壁など)200の歪(段差など)などから生じる応力を吸収するための応力吸収部(取付部33及び/又は連結部36)を備えると共に、回路基板10(発熱素子12a)から生じた熱を放熱するものである。したがって、ベース30を熱伝導率が150W/m・K以上のアルミで形成することによって、被取付体200の歪などを吸収しやすくすることができ、被取付体200によって生じる応力を回路基板10に伝えにくくすることができる。
【0028】
さらに、素材の熱輸送量[W]は、物体の熱伝導率[W/m℃]×(伝導断面積[m]/距離[m])×温度差[℃]で表せるため、熱伝導率が大きければ効果大である。したがって、熱伝導率が150W/m・K以上(例えば、150W/m・K〜230W/m・K)のアルミを用いることで、回路基板10から生じた熱をより一層被取付体に放熱しやすくできる。
【0029】
従来、電子装置100の筐体(ベース30)としては、アルミダイキャスト素材や鋼板などが用いられている。このアルミダイキャスト素材の熱伝導率は90W/m・K程度であり、鋼板の熱伝導率は51W/m・K程度である。したがって、アルミダイキャスト素材や鋼板の熱伝導率と本実施の形態で用いるプレス加工されるアルミの熱伝導率とを比較しても、放熱性が向上するのは明らかである。より具体的には、ベース30として150W/m・K以上(例えば、150W/m・K〜230W/m・K)のアルミを用いることによって、アルミダイキャスト素材や鋼板を用いる場合に比べて、放熱性を約2倍とすることができる。
【0030】
また、ベース30に熱伝導率が230W/m・Kである純アルミや、熱伝導率が220W/m・K程度である純アルミに近いアルミを用いると、ベース30が比較的軟らかくなり被取付体200の歪(段差など)などから生じる応力をより一層吸収しやすくするこができると共に、回路基板10(発熱素子12a)から生じた熱をより一層放熱しやすくできる。
【0031】
また、電子装置100を車両に取付ける場合、ある程度の放熱性と耐振動性とが要求される。そこで、ベース30に熱伝導率が200W/m・Kであるアルミを用いるとより一層好ましい。すなわち、熱伝導率が200W/m・Kであるアルミは、純アルミや純アルミに近いアルミに比べて、熱伝導率は劣るものの、耐振動性を向上させることができる。さらに、ベース30に熱伝導率が200W/m・Kであるアルミを用いた場合、車両の振動に対しても十分に耐えうると共に、回路基板10(発熱素子12a)から生じた熱を十分放熱することができる。したがって、ベース30に熱伝導率が200W/m・Kであるアルミを用いることによって、放熱性と耐振動性とのバランスが取れたベース30とすることができる。
【0032】
符号31は、ケース20の固定部21と略平行であり、少なくとも一部にシール材40が配置される固定部であり、図3に示すように、ケース20の固定部21との間隔が狭いか間隔がほぼゼロ(すなわちシール材40が介在されないか、介在されても肉厚が薄い部位)である狭部位31aと、間隔が広く、シール材40とともにプリント基板11が介在される広部位31bとを、折曲部位である連結部位31cにて連結してなる。
【0033】
符号32は、固定部31に対して折曲されており、内部空間を構成するための空間構成部であり、その一部に、発熱素子12aの形成領域に対応して、電子装置100を構成した状態で他の空間構成部よりもプリント基板11との間隔が狭く、広部位31bよりもプリント基板11との間隔が広い隆起領域32aが区画されている。この隆起領域上に熱伝導材50が配置することで、放熱性が向上するようにしている。
【0034】
符号33は、被取付体200に固定するための取付部であり、取付部33には、ネジ止め用の穴34(本発明における貫通穴に相当する)が形成されている。この取付部33は、固定部31に対してケース20とは反対方向に略垂直に折曲された連結部36を介して形成されるものであり、連結部36に対して空間構成部32とは反対方向、すなわちベース30の外方向に略垂直に屈曲されている。すなわち、ベース30は、固定部31から足部のような形状の連結部36を介して、被取付体200へ取り付けるための部材(ブラケット)として取付部33が形成される。そして、ベース30は、図3に示すように、回路基板10から熱伝導材50を経て筐体(ベース30)へ伝達された熱を、被取付体200に逃がすように放熱経路が構成されている。従って、上述したように、発熱素子12aをプリント基板11の周縁部位に実装することで、放熱経路を短縮し、放熱性を向上することができる。また、このように、被取付体200への取付部33を足部のような形状をなした連結部36を介して設けることによって、被取付体からの応力を連結部36で吸収しやすくすることができ、回路基板10へ応力が伝わることをより一層抑制することができる。
【0035】
連結部36は、本発明における応力吸収部をなすものであり、ベース30を形成する際にアルミ板をプレス加工することによって形成され、回路基板10(プリント基板11)よりも十分低硬度としている。例えば、ベース30をアルミダイキャストや銅板などで形成することも考えられる。しかし、このアルミダイキャストや銅板などはアルミ板に比べて高硬度である。従って、被取付体200に歪などがあると、取付部33を被取付体200にネジ止めした際に、この被取付体200の歪などよって連結部36に応力が生じることとなる。そして、この取付部33及び連結部36に生じた応力は、回路基板10へと伝わることとなる。このように回路基板10へ応力が伝わると、回路基板10に歪が生じて、電子部品12やコネクタ13とプリント基板11との接合部にクラックなどが生じる可能性がある。
【0036】
また、連結部36には、固定部31と取付部33とを結ぶ方向に第2スリット302が形成される。このように、第2スリット302を設けることによって、連結部36に応力がかかって歪んだ場合であっても、応力による歪みの許容範囲が広くなり、亀裂などが生じることを抑制することができる。
【0037】
しかしながら、本実施の形態に示すように、連結部36は、アルミ板をプレス加工にて形成することによって十分低硬度である。よって、被取付体200の歪などによる応力が連結部36に生じたとしても、連結部36が変形することによって応力を吸収することとなる。したがって、被取付体200によって生じる応力が回路基板10に伝わるのを抑制することができる。
【0038】
なお、連結部36は、アルミ板で形成すると、回路基板10やケース20の重量により筐体が振動した際に共振して破損する恐れもある。そこで、図1及び図2に示すように、連結部36は、固定部31と取付部33とを結ぶ方向に補強リブ300を備える。このように、連結部36に補強リブ300を設けることによって、耐振性を向上させることができ、連結部36の破損を抑制することができる。なお、この補強リブ300は、ベース30をプレス加工する際に一体的に形成してもよいし、ベース30とは別体で取付けるようにしても良い。また、補強リブ300は、本実施の形態においては、3箇所に設ける例を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、連結部36が被取付体200によって生じる応力が吸収でき、かつ、連結部36の破損を抑制できれば本発明の目的を達成できるものである。
【0039】
また、取付部33に関しても、本発明における応力吸収部をなすものであり、ベース30を形成する際にアルミ板をプレス加工することによって形成されて、十分低硬度である。よって、被取付体200の歪などによる応力が取付部33に生じたとしても、取付部33が変形することによって応力を吸収することとなる。すなわち、図4に示すように、取付部33は、歪などがある被取付体200にネジ止め(ネジ400で固定)したとしても、取付部33自体が塑性変形することによって、被取付部200の歪をなじませることができ、被取付体200から浮いたりすることを抑制することができる。したがって、被取付体200によって生じる応力が回路基板10に伝わるのを抑制することができる。また、取付部33は、ネジ止め時に塑性変形することによって、被取付体200との接触面積が広くなり、回路基板10(発熱素子12a)から生じた熱を被取付体に放熱しやすくできる。なお、取付部33をネジ止め時に塑性変形させるためには、ベース30(取付部33)を0.2%耐力が100N/mm以下のアルミとすると好ましい。
【0040】
また、応力吸収部(取付部33及び/又は連結部36)は、回路基板10(プリント基板11)よりも低硬度となる材料(アルミ)であれば、被取付体200によって生じる応力を吸収しやすくでき、被取付体200によって生じる応力を回路基板へ伝えにくくすることができる。
【0041】
また、取付部33は、ネジ止め時に塑性変形可能な材料(アルミ)であれば、被取付体200の歪などを吸収することができ、被取付体によって生じる応力を回路基板10に伝えにくくすることができる。
【0042】
また、連結部36及び取付部33の少なくとも一方が、被取付体200の歪などによる応力を吸収できれば本発明の目的は達成できるものである。
【0043】
さらにベース30には、熱伝導材50の配置部位とシール材40の配置部位(固定部31)との間に、熱伝導材50の配置部位に対して内面側に突起する突起部35が、プレス加工によりベース30の一部として一体的に形成されている。従って、この突起部35により、硬化前のシール材40が流動して熱伝導材50と接触する、又は、熱伝導材50が振動等の印加により移動して、シール材40と接触するのを防ぐことができる。このように、突起部35はシール材40及び熱伝導材50に対してダムとして機能する。
【0044】
また、本実施形態においては、突起部35を、図3に示すように、熱伝導材50の配置部位(隆起領域32a)からの突起高さが、隆起領域32aと対向するプリント基板11の表面との間隔よりも短く、プリント基板11の表面に接触しない高さとしている。従って、筐体(ベース30)が導電材料からなる場合であっても、プリント基板11とのショートを防ぐことができる。また、図3に示すように、突起部35を、熱伝導材50の配置部位と固定部31との間の、近接する対向部位間にのみ設けている。従って、プレス加工により筐体(ベース30)に生じる歪をできる限り抑える(すなわち、プレス加工による成形負荷を低減する)ことができる。
【0045】
シール材40は、反発力と粘着力を兼ね備えた材料であり、ケース20とベース30との間に介在し、ケース20とベース30により構成される空間を防水空間とすることのできる材料(シール効果を発揮できるもの)であれば採用することができる。本実施形態においては、硬化前の状態で150〜200Pa・sである湿気硬化型のシリコン接着剤を採用している。それ以外にも、例えば本出願人による特開2005−93602号公報に記載の材料を採用することができる。
【0046】
熱伝導材50は、発熱素子12aにより生じた熱を、筐体(ベース30)を介して外部に放出するように、発熱素子12aに対応して、筐体と発熱素子12aとの間、若しくは、筐体とプリント基板11における発熱素子12aの実装部位の裏面との間に配置される。熱伝導材50としては、例えば本出願人による特開2003−289191号公報に記載の、柔軟性を有する(粘弾性が低い)熱伝導材を採用することができる。柔軟性を有する熱伝導材50を、上述の部位に配置すると、密着性を向上することができる。すなわち、放熱性を向上することができる。また、柔軟性を有するので、筐体とプリント基板11、若しくは、筐体と発熱素子12aとの間隔が一定でなくとも、発熱素子12aの局部に応力が集中し、破損が生じるのを防ぐことができる。本実施形態においては、熱伝導材50として600〜1000Pa・sであるシリコンゲルを採用し、プリント基板11における発熱素子12aの実装部位の裏面とベース30(隆起領域32a)との間に、熱伝導材50を介在させる構成としている。
【0047】
次に、組み付け方法の一例を説明する。上述した回路基板10、筐体を構成するケース20及びベース30を準備する。図1に示すように、熱伝導材50が隆起領域32aに配置され、固定部31にシール材40が塗布されたベース30に対し、回路基板10が固定部31の広部位31bに配置されるように、回路基板10をシール材40に押し付けてベース30上に載置する。その後、図2(a)、(b)に示すように、コネクタ13のケース20と接続する部位にシール材40を塗布する。そして、プリント基板11の位置決め用凹部14にケース20の位置決め用凸部22が挿入されるように両者を組み付けると共に、ケース20をシール材40に押し付けてベース30上に載置する。
【0048】
このとき、図3に示すように、プリント基板11の端面、ケース20の固定部21、及びベース30の固定部31(連結部位31c)により構成される隙間に、シール材40が確保される。従って、シール性と接続信頼性を確保することができる。また、載置時に、回路基板10及びケース20によって押されたシール材40は、固定部31の広部位31bと対向するプリント基板11との間の隙間を介して、固定部31よりも低位置である隆起領域32aに移動する。しかしながら、突起部35によってシール材40が堰き止められ、シール材40と熱伝導材50が接触することはない。この状態で、シール材40が硬化され、シール材40によってケース20とコネクタ13、コネクタ13とベース30、ベース30とケース20、回路基板10とベース30がそれぞれ接続される。すなわち、コネクタ13、ケース20、及びベース30により構成される空間内に回路基板10が防水状態で収容された電子装置100が構成される。
【0049】
なお、回路基板10とベース30とは、シール材40で接続すると共に、図示しないネジにてネジ止めすることによって比較的強固に接続(固定)してもよい。このように、回路基板10とベース30とをネジ止めすることによって、回路基板10は、ベース30に押し付けられることとなる。回路基板10がベース30に押し付けられると、熱伝導材50が回路基板10とベース30とに、より一層確実に押し付けられ密着することとなる。上述のように、熱伝導材50は、回路基板10に実装される発熱素子12aが発する熱を筐体(ベース30)へ逃がす方熱経路の一部を担っている。したがって、熱伝導材50が回路基板10とベース30とに確実に押し付けられ、密着することによって放熱性を向上させることができる。
【0050】
このように本実施の形態に係る電子装置100によれば、筐体の構成要素(ケース20及びベース30)がプレス加工により成形されている。従って、ダイキャストや樹脂射出成形等の金型鋳造法を用いる場合よりも製造コストを低減することができると共に軽量化することができる。なお、プリント基板11に対して熱伝導材50が配置される側の筐体の構成要素(本実施形態におけるベース30)のみがプレス加工により成形された構成としても、製造コストを低減することができる。
【0051】
また、本実施の形態においては、被取付体200による応力を取付部33及び/又は連結部36で抑えられることで、その応力が回路基板10まで影響しない。したがって、ケース20とコネクタ13、コネクタ13とベース30、ベース30とケース20をリジッドにネジ締めしなくてもシール材40によって接続することができ、ネジ削減による部品費、工程のコストダウン効果がある。
【0052】
また、本実施の形態においては、プリント基板11の端面、ケース20の固定部21、及びベース30の固定部31(連結部位31c)により構成される隙間に、シール材40を確保するようにしている。従って、簡素な構成でありながら、シール性と接続信頼性を確保することができる。尚、本実施形態においては、固定部31の広部位31bとプリント基板11との間にシール材40が介在しているので、接続信頼性をより向上することができる。
【0053】
また、本実施の形態においては、広部位31bによって突起部35までのシール材40の移動距離を稼ぐ構造となっている。すなわち、ケース20をベース30に載置するに際し、シール材40が、その流動性(粘性)により、広部位31bとプリント基板11とで形成される空間(流路)を充填しながらプリント基板11のより内側に配置される(延びる)こととなる。したがって、シール性(防水性)の向上を図りつつ、シール材40の熱伝導材50との接触をより効果的に防ぐことができる。
【0054】
なお、本実施の形態においては、放熱経路を短縮するために、発熱素子12aの形成領域に対応して、電子装置100を構成した状態で他の空間構成部32よりもプリント基板11との間隔が狭い隆起領域32aが区画され、この隆起領域32aに熱伝導材50が配置される例を示した。しかしながら、隆起領域32aのない構成としても良い。
【0055】
また、プリント基板11上において、プリント基板11と発熱素子12aとの間に、他の素子が配置されても良いが、本実施形態に示すように、プリント基板11の最外周に発熱素子12aが配置されることが放熱上好ましい。
【0056】
また、本実施の形態においては、取付部33は、ネジ400によって被取付体200に固定される例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。取付部33は、例えば、リベット、溶接などによって被取付体200に固定されるようにしてもよい。
【0057】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す斜視図である。
【0058】
第2の実施の形態における電子装置用筐体は、上述の第1の実施の形態によるものと共通するところが多いので、異なる部分を重点的に説明する。第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態と異なる点は取付部33に第1スリット301を設けた点である。なお、第2の実施の形態において、取付部33に第1スリット301を設けた点以外に関しては、上述の第1の実施の形態と共通するので詳しい説明は省略する。
【0059】
図5に示すように、本実施の形態におけるベース30は、取付部33に第1スリット301を備える。この第1スリット301は、取付部33の端部と連結部36とを結ぶ方向、すなわち連結部36に対して略垂直方向に設ける。
【0060】
このように、取付部33の端部と連結部36とを結ぶ方向、すなわち連結部36に対して略垂直方向に第1スリット301を設けることによって、被取付体200によって生じる応力を取付部33における第1スリット301を介して隣り合う部位で伝達しにくくすることができる。したがって、被取付体200によって生じる応力をより一層回路基板10へ伝えにくくすることができる。
【0061】
なお、本実施の形態においては、取付部33に第1スリット301が2箇所形成される例を示した。しかしながら、取付部33への第1スリット301の形成個数は上記例に限定されるものではない。取付部33の少なくとも1箇所に第1スリット301が形成されていれば、本発明の目的は達成できるものである。
【0062】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図6は、本発明の第3の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す斜視図である。
【0063】
第3の実施の形態における電子装置用筐体は、上述の第1〜第2の実施の形態によるものと共通するところが多いので、異なる部分を重点的に説明する。第3の実施の形態において、上述の第1〜第2の実施の形態と異なる点は連結部36に第2スリット302を設けた点である。なお、第3の実施の形態において、連結部36に第2スリット302を設けた点以外に関しては、上述の第1〜第2の実施の形態と共通するので詳しい説明は省略する。
【0064】
図6に示すように、本実施の形態におけるベース30は、連結部36に第2スリット302を備える。この第2スリット302は、連結部36の端部に固定部31と取付部33とを結ぶ方向、すなわち取付部33もしくは固定部31から略垂直方向に設ける。
【0065】
このように、連結部36の端部に固定部31と取付部33とを結ぶ方向、すなわち取付部33及び固定部31から略垂直方向に設けることによって、被取付体200による連結部36がねじれる方向への応力を吸収しやすくでき、被取付体200によって生じる応力をより一層回路基板10へ伝えにくくすることができる。
【0066】
連結部36は、応力がかかって歪んだ場合に亀裂などが生じる可能性がある。特に、連結部36の端部に応力が集中しやすい。しかしながら、図6に示すように、少なくとも連結部36の端部に固定部31と取付部33とを結ぶ方向に第2スリット302を備えることによって、応力による歪みの許容範囲が広くなり、亀裂などが生じることを抑制することができる。
【0067】
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図7は、本発明の第4の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す斜視図である。
【0068】
第4の実施の形態における電子装置用筐体は、上述の第1〜第3の実施の形態によるものと共通するところが多いので異なる部分を重点的に説明する。第4の実施の形態において、上述の第1〜第3の実施の形態と異なる点はケース20を被取付体にネジ止めする点である。なお、第4の実施の形態において、ケース20を被取付体にネジ止めする点以外に関しては、上述の第1〜第3の実施の形態と共通するので詳しい説明は省略する。
【0069】
図7に示すように、本実施の形態におけるケース20は、ベース30の取付部33の穴34に対応するネジ400を通す穴21a1を有するケース側取付部21aを備える。このケース側取付部21aは、ベース30の連結部36及び取付部33に対応しており、ケース20の固定部21に対してベース30側に略垂直に屈曲された連結部を介して形成されるものであり、この連結部に対して空間構成部23とは反対方向に略垂直に屈曲されている。そして、ケース20は、ベース30と共に被取付体200に対してネジ止めされる。
【0070】
ベース30は、アルミ板をプレス加工することによって形成されているため、ネジ400の締め付けトルクに対して比較的弱いものである。しかしながら、本実施の形態に示すように、ケース20とベース30とを共に被取付体200に対してネジ止めすることにより、ネジ400の締め付けトルクに対し、締め付け強度を向上させることができる。なお、ネジ400の締め付けトルクに対し、締め付け強度を向上させるためには、ケース20は、銅板やアルミダイキャスト製品などのように高硬度であると好ましい。
【0071】
(第5の実施の形態)
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図8は、本発明の第5の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す図面であり、(a)は斜視図であり、(b)は特徴部分の拡大平面図である。図9は、本発明の第5の実施の形態の変形例を適用した場合における、図8(a)のAA断面図である。
【0072】
第5の実施の形態における電子装置用筐体は、上述の第1〜第4の実施の形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分についての詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第5の実施の形態において、上述の第1〜第4の実施の形態と異なる点は、ネジを通す穴34にカラー34aを設けた点である。なお、第5の実施の形態において、カラー34aを設けた点以外に関しては、上述の第1〜第4の実施の形態と共通するので詳しい説明は省略する。
【0073】
ベース30は、アルミ板をプレス加工することによって形成されているため、ネジ400の締め付けトルクに対して比較的弱いものである。そこで、本実施の形態においては、図8(a)、(b)に示すように、取付部33のネジを通す穴34にカラー34aを圧入する。このカラー34aの材料としては、金属(例えば鉄)やアルミダイキャスト製品(例えばADC12)が好ましい。また、このカラー34aは、ベース30をプレス加工する際に同時に穴34に圧入する。
【0074】
このように、穴34にネジを通すカラー34aを圧入することによって、ネジ400の締め付けトルクに対し、締め付け強度を向上させることができる。
【0075】
また、カラー34aに鉄などを用いると、比較的安価にすることができる。また、取付部33がアルミであるため、カラー34aをアルミダイキャスト製品とすることによって、取付部33とカラー34aとの線膨張係数は同等とすることができるので、冷熱の繰り返しによる応力の発生が略無くなる。
【0076】
また、変形例1として、カラー34aは、図9に示すように、取付部33に陥没させた状態で圧入すると好ましい。このように、取付部33に陥没させた状態でカラー34aを圧入することによって、カラー34aを強固な状態で穴34に固定することができる。
【0077】
また、取付部33に陥没させた状態でカラー34aを圧入することによって、取付部33からカラー34aが出っ張ることを防止できる。したがって、取付部33と被取付体200との接触面積が増え、回路基板10から生じた熱をより一層被取付体に放熱しやすくできる。
【0078】
また、変形例2として、カラー34aは、図10に示すように、カラー34aの端面が少なくとも取付部33における被取付体200と対向する面と略同一面となる状態で圧入するようにしてもよい。このようにすることによっても、取付部33からカラー34aが出っ張ることを防止できる。したがって、取付部33と被取付体200との接触面積が増え、回路基板10から生じた熱をより一層被取付体に放熱しやすくできる。
【0079】
なお、上述の第1乃至第5の実施の形態は、それぞれ個別で実施することも可能であるが、それぞれを組み合わせて実施することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の第1の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す図面であり、(a)はベースに回路基板を搭載した状態の平面図であり、(b)はベースに回路基板を搭載した場合の側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す部分的断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における電子装置用筐体の取付部の平面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す斜視図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態における電子装置用筐体の概略構成を示す図面であり、(a)は斜視図であり、(b)は特徴部分の拡大平面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態の変形例1における電子装置用筐体の概略構成を示す特徴部分の拡大断面図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態の変形例2における電子装置用筐体の概略構成を示す特徴部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0081】
10 回路基板、11 プリント基板、11a サーマルビア、12 電子部品、12a 発熱素子(発熱する電子部品)、122 端子、13 コネクタ、14 位置決め用凹部、20 ケース、21 固定部、21a 取付部、21a1 穴、22 位置決め用凸部、23 空間構成部、30 ベース、31 固定部、31a 狭部位、31b 広部位、31c 連結部位、32 空間構成部、32a 隆起領域、33 取付部、34 穴、34a カラー、35 突起部、36 連結部、40 シール材、50 熱伝導材、100 電子装置、200 被取付体、300 補強リブ、301 第1スリット、302 第2スリット、400 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が実装された回路基板を収納するベースとケースとからなり、被取付体に取付けられる電子装置用筐体であって、
前記ベースは、
前記回路基板が固定される固定部と、
前記被取付体に対する取付部と、
前記固定部と前記取付部とを連結する連結部とを備え、
前記取付部及び前記連結部のうち少なくとも一方は、前記被取付体によって生じる応力を吸収する応力吸収部をなすことを特徴とする電子装置用筐体。
【請求項2】
前記連結部は、前記固定部から略垂直に屈曲し、前記取付部は、前記連結部から略垂直に屈曲した形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の電子装置用筐体。
【請求項3】
前記応力吸収部は、前記回路基板よりも低硬度であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子装置用筐体。
【請求項4】
前記連結部は、前記固定部と前記取付部とを結ぶ方向に補強リブを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電子装置用筐体。
【請求項5】
前記取付部は、当該取付部の端部と前記連結部とを結ぶ方向に第1スリットを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子装置用筐体。
【請求項6】
前記連結部は、前記固定部と前記取付部とを結ぶ方向に第2スリットを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電子装置用筐体。
【請求項7】
前記第2スリットは、少なくとも前記連結部の端部に形成されることを特徴とする請求項6に記載の電子装置用筐体。
【請求項8】
前記取付部は、前記ネジ止め時に塑性変形可能な材料からなることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電子装置用筐体。
【請求項9】
前記ベースは、0.2%耐力が100N/mm以下のアルミからなることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の電子装置用筐体。
【請求項10】
前記ベースは、熱伝導率が150W/m・K以上のアルミをプレス加工することによって形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の電子装置用筐体。
【請求項11】
前記取付部は、前記貫通穴に前記ネジを通すカラーが圧入されることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の電子装置用筐体。
【請求項12】
前記カラーは、金属からなることを特徴とする請求項11に記載の電子装置用筐体。
【請求項13】
前記カラーは、アルミダイキャスト製品であることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の電子装置用筐体。
【請求項14】
前記カラーは、前記取付部に陥没させた状態で圧入されることを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の電子装置用筐体。
【請求項15】
前記カラーは、当該カラーの端面が少なくとも前記取付部における前記被取付体と対向する対向面と略同一面となる状態で圧入されることを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の電子装置用筐体。
【請求項16】
前記ケースは、前記取付部の貫通穴に対応するネジを通す貫通穴を有するケース側取付部を備え、前記ベースと共に前記被取付体に対してネジ止めされることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載の電子装置用筐体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−41718(P2008−41718A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−210286(P2006−210286)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】