説明

電子装置

【課題】 プログラムの実行中に当該プログラムの進行とは無関係な操作が行われても、ユーザに不利益をもたらすことがないようにすることができる電子装置の提供。
【解決手段】 各種プログラムを実行可能な携帯型電子装置1は、プログラム等が格納されているディスクがセットされる小型ディスクドライブ186と、この小型ディスクドライブ186におけるディスクの有無を検出するディスク検出センサ187と、中央処理装置180とを備え、中央処理装置180は、何らかのプログラムの実行中にディスク検出センサ187から小型ディスクドライブ186にディスクが無い旨を示す信号を受け取ると、ユーザに当該プログラムを終了させるか否か問い合わせるための問い合わせ画面IPをLCD12に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置に関し、特に、各種プログラムを実行可能な電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型のゲーム装置や個人情報端末(PDA)、あるいは携帯電話といった携帯型電子装置が普及しており、ユーザは場所を選ばずにゲームプログラムや各種アプリケーションプログラムを利用できるようになってきている。また、この種の電子装置としては、各種プログラム等を格納した記憶媒体がセットされるドライブユニットを備えたものも普及しつつある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のような電子装置において何らかのプログラムが実行されている際、例えばドライブユニットから記憶媒体を取り出す操作といったような当該プログラムの進行とは無関係な操作がユーザの意志や誤りによってなされることもあり得る。このような操作が行われた際に、例えば当該プログラムの実行が直ちに終了させられたのでは、ユーザに不利益をもたらすおそれがある。
【0004】
そこで、本発明は、プログラムの実行中に当該プログラムの進行とは無関係な操作が行われても、ユーザに不利益をもたらすことがないようにすることができる電子装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による電子装置は、所定のプログラムを実行可能な電子装置において、記憶媒体がセットされるドライブユニットと、ドライブユニットにおける記憶媒体の有無を検出する検出手段と、プログラムの実行中に検出手段がドライブユニットに記憶媒体が無いことを検出した際に、ユーザにプログラムを終了させるか否か問い合わせるための処理を実行する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明による他の電子装置は、所定のプログラムを実行可能な電子装置において、表示部と、表示部に基本メニューを表示させるためのボタンと、プログラムの実行中に当該ボタンが操作された際に、ユーザにプログラムを終了させるか否か問い合わせるための画面を表示部に表示させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明による更に他の電子装置は、所定のプログラムを実行可能な電子装置において、プログラムの実行中に当該プログラムの進行とは無関係な操作が行われた際に、ユーザにプログラムを終了させるか否か問い合わせるための処理を実行する制御手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、プログラムの実行中に当該プログラムの進行とは無関係な操作が行われても、ユーザに不利益をもたらすことがないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明による電子装置では、プログラムの実行中に、例えばユーザによってドライブユニットからそこにセットされていた記憶媒体が取り出され、検出手段によってドライブユニットに記憶媒体が無いことが検出されると、制御手段によってユーザにプログラムを終了させるか否か問い合わせるための処理が実行される。すなわち、この電子装置では、プログラムの実行中に当該プログラムの進行とは無関係な記憶媒体の取り出し操作等が行われても、プログラムの実行が直ちに終了させられることはなく、ユーザにプログラムの実行を終了させるか否か判断する機会を与えることができる。これにより、この電子装置によれば、例えば未更新データが失われてしまうといったような不利益がユーザにもたらされることを抑制することが可能となる。なお、ここでいう「ドライブユニットに記憶媒体が無い状態」には、ドライブユニットから記憶媒体が完全に取り出されたり、記憶媒体がドライブユニットから離脱しているが完全に取り出されていなかったりして、ドライブユニットで記憶媒体を読み込みできない状態や、記憶媒体はドライブユニットから離脱していないがドライブユニットの蓋部が開いており、ドライブユニットで記憶媒体を読み込みしない状態等が含まれる。
【0010】
この場合、電子装置は、表示部を更に備えるとよく、制御手段は、プログラムの実行中に検出手段がドライブユニットに記憶媒体が無いことを検出した際に、ユーザにプログラムを終了させるか否か問い合わせるための画面を表示部に表示させると好ましい。このような構成のもとでは、ユーザに対して、プログラムの実行を終了させるか否か判断する機会が視覚を通じて与えられるので、例えば未更新データが失われてしまうといったような不利益がユーザにもたらされることを良好に抑制することが可能となる。
【0011】
また、本発明による他の電子装置では、プログラムの実行中に、表示部に基本メニューを表示させるためのボタンが操作されると、ユーザにプログラムを終了させるか否か問い合わせるための画面が表示部に表示される。すなわち、この電子装置では、プログラムの実行中に当該プログラムの進行とは無関係なボタン操作が行われても、プログラムの実行が直ちに終了させられることはなく、視覚を通じてユーザにプログラムの実行を終了させるか否か判断する機会を与えることができる。これにより、この電子装置によっても、例えば未更新データが失われてしまうといったような不利益がユーザにもたらされることを抑制することが可能となる。
【0012】
そして、本発明による電子装置は、ユーザによって携帯され得るように構成されていると好ましい。また、プログラムは、上記記憶媒体に格納されていてもよく、プログラムは、ゲームプログラムであってもよい。
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について具体的に説明する。
【0014】
図1は、本発明による電子装置の一例である携帯型電子装置の正面図であり、図2は、図1の携帯型電子装置の制御ブロック図である。これらの図面に示される携帯型電子装置1は、好ましくは複数の機能を有し、本実施形態の携帯型電子装置1は、ユーザによって携帯され得るゲーム機として機能すると共に音楽再生装置としても機能する。なお、携帯型電子装置1の機能は、これらに限定されるものではなく、携帯型電子装置1は、例えば一般的な個人情報端末(PDA)と同様に、住所録、スケジューラ、メモ帳、メール通信といった機能を有するものとして構成されてもよい。
【0015】
携帯型電子装置1は、全体に横長の長円形状を呈する筐体10を含む。筐体10の正面の概ね中央には、表示部としての液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という)12が型枠を介して嵌め込まれている。このLCD12には、例えば携帯型電子装置1がゲーム機として機能する際にゲーム画面が表示され、例えば携帯型電子装置1がいわゆる個人情報端末(PDA)として機能する際にスケジュール帳や住所録等が表示される。また、筐体10の内部には、図示されない回路基板が配置されており、この回路基板には、図2からわかるように、各種ボタン操作による信号を発生するスイッチ接点、信号を処理して各種演算を実行する中央処理装置(以下、「CPU」という)180、画像処理を実行する画像処理ユニット182、および音声処理を実行する音声処理ユニット184等が実装されている。
【0016】
更に、携帯型電子装置1は、小型ディスクドライブ186およびメモリスロット188を有している。小型ディスクドライブ186には、筐体10の背面の概ね中央に設けられた図示されない蓋部を開けることによりアクセス可能となる。この蓋部は、筐体10の上側面に設けられた図示されないエジェクトスイッチを操作すると展開し、これにより、内部の小型ディスクドライブ186に記憶媒体としてのディスクをセット可能となる。また、小型ディスクドライブ186にディスクがセットされている状態で上記エジェクトスイッチを操作すると、蓋部の展開と同時に、ディスクが小型ディスクドライブ186から離脱させられる。なお、小型ディスクドライブ186の光学ピックアップ(例えば、レンズ、サーボ機構)といった機構の大部分は、図1においてLCD12の右半面の裏側に配置されている。
【0017】
一方、メモリスロット188は、メモリカード等のリムーバブル記憶媒体が挿入されるものであり、筐体10の左側面下部に形成されている。なお、小型ディスクドライブにセットされるディスクは、主として、携帯型電子装置1のゲームプログラムやアプリケーションプログラムを提供するものである。また、メモリカードは、音楽コンテンツ等を提供する他、ゲームプログラムやアプリケーションプログラムを提供するのにも用いられる。
【0018】
図1に示されるように、筐体10の表面すなわちユーザと相対する面は、主として、ユーザの左手により把持される左手領域48Lと、右手により把持される右手領域48Rと、LCD12と、LCD12の下方に位置し各種ボタンが配置される横長のボタン領域50と、LCD12の上方に位置する装飾領域16とに区分されている。
【0019】
左手領域48Lには、主として方向指示の入力を行うための十字キー20と、主として方向指示のアナログ入力を行うためのアナログデバイス22とが設けられている。アナログデバイス22は、十字キー20よりもユーザに近い側に位置する。また、筐体10の左上コーナ部および左下コーナ部には、それぞれ切り欠き84L,87Lが形成されている。左上の切り欠き84Lの近傍には、Lボタン46Lが配置されている。Lボタン46Lは、ユーザの左手人差し指または中指で操作され、十字キー20のみでは設定できない特別な指令を与える際に用いられる。左下の切り欠き86Lの近傍には、把持部87Lが設けられており、把持部87Lには、図示されないストラップ等を繋止するための穴24Lが形成されている。更に、左手領域48Lには、インジケータ32および34が配置されている。インジケータ32は、上述のメモリカードにアクセス中であることを示すものであり、インジケータ34は、ワイヤレスLAN(以下「WLAN」という)通信中であることを示すものである。加えて、左手領域48Lには、LCD12の左側に位置するように、ユーザに音声を提供するための一つのスピーカ穴28Lが形成されている。
【0020】
右手領域48Rには、主として単一の指示を入力するためのボタン30a,30b,30c,30d(以下、適宜これらを総称して「ボタンキー30」という)が設けられている。また、筐体10の右上コーナ部および右下コーナ部には、それぞれ切り欠き84R,86Rが形成されている。左上の切り欠き84Rの近傍には、Rボタン46R(以下、適宜Lボタン46LとRボタン46Rとを総称して「LRボタン46」という)が配置されている。Rボタン46Rは、ユーザの右手人差し指または中指で操作され、ボタンキー30のみでは設定できない特別な指令を与える際に用いられる。更に、右手領域48Rには、インジケータ36,38および40が配置されている。インジケータ36は、携帯型電子装置1の電源スイッチがオンされると点灯し、インジケータ38は、携帯型電子装置1の充電中に点灯し、インジケータ40は、携帯型電子装置1の概ねすべてのキー操作が無効とされるホールド状態であるときに点灯する。加えて、右手領域48Rにも、LCD12の右側に位置するように、ユーザに音声を提供するための一つのスピーカ穴28Rが形成されている。
【0021】
ボタン領域50は、携帯型電子装置1を保持するユーザに近い側に定められ、好ましくは、左手領域48Lおよび右手領域48Rと視覚的に明瞭に区別できるように構成される。このボタン領域50には、上述の十字キー20、アナログデバイス22およびボタンキー30以外のボタン52〜64が配置される。本実施形態において、ボタン領域50に配列されるボタン群には、ゲームの進行やその他アプリケーションの主要な操作のためには余り使用されず、頻繁に操作する必要がないボタンであると好ましい。
【0022】
具体的に説明すると、ホームボタン52は、LCD12に基本メニューを表示させるために操作されるボタンである。また、ボリュームボタン54および56は、スピーカまたはヘッドフォンから発せられる音の音量を増減させるためのボタンである。ディスプレイボタン58は、LCD12のバックライトの電源をオン/オフするためのボタンであり、サウンドボタン60は、音声出力をオン/オフするためのボタンである。セレクトボタン62は、画面表示された項目を選択する際に操作されるボタンであり、スタートボタン64は、主としてゲームプログラムが実行されているときにゲームのプレイを開始するために操作されるボタンである。
【0023】
図2に示されるように、上述の十字キー20、ボタン30a、30b、30c、30d、Lボタン46L、Rボタン46R、およびホームボタン52を始めとするボタン領域50のボタン群、更には、アナログデバイス22は、インターフェース(以下、「I/F」という)190を介して、CPU180に接続されている。これにより、これらのボタン類が押圧または操作されると、操作に応じたデジタル信号がI/F190を介してCPU180に与えられる。また、アナログデバイス22の操作量は、デジタル信号に変換され、I/F190を介してCPU180に与えられる。
【0024】
更に、CPU180には、赤外線モジュール88、WLANモジュール90、マイク142、リモートコントローラ140等がI/F190を介して接続されている。赤外線モジュール88やWLANモジュール90への入力信号は、I/F190を介してCPU180に与えられる。また、マイク142への音声入力は、デジタル信号に変換されてCPU180に与えられる。更に、リモートコントローラ140を操作すると、操作に応じたデジタル信号がI/F190を介してCPU180に与えられる。
【0025】
同様に、小型ディスクドライブ186およびメモリスロット188も、I/F190を介してCPU180に接続される。本実施形態の携帯型電子装置1では、小型ディスクドライブ186に対してディスク検出センサ187が設けられている。ディスク検出センサ187は、小型ディスクドライブ186におけるディスクの有無を検出するものであり、I/F190を介してCPU180に接続されている。小型ディスクドライブ186にディスクがセットされている状態でエジェクトスイッチが操作され、蓋部の展開と同時に、ディスクが小型ディスクドライブ186から離脱すると、ディスク検出センサ187は小型ディスクドライブ186にディスクが無い旨、すなわち、小型ディスクドライブ186からディスクが無くなった旨を示す信号をCPU180に与える。
【0026】
更に、CPU180には、画像処理ユニット182を介して上述のLCD12が、音声処理ユニット184を介してスピーカ28およびヘッドフォン144が接続されている。CPU180は、小型ディスクドライブ186にセットされたディスクに格納されている各種プログラムや、メモリスロット188に挿入されたメモリカードに格納されているデータ等を処理し、それに応じた処理結果として画像信号や音声信号を出力する。画像処理ユニット182は、CPU180からの画像信号を処理してLCD12に表示させる。音声処理ユニット184は、CPU180からの音声信号を処理してスピーカ28またはヘッドフォン144から発生させる。加えて、本実施形態の携帯型電子装置1では、電源制御部192や着脱状態検出部194等を介してカメラユニットまたはGPSユニットといった外部装置をCPU180に接続することができる。
【0027】
さて、上述のように構成される携帯型電子装置1の小型ディスクドライブ186にゲームプログラムが格納されているディスクがセットされると、携帯型電子装置1は、ゲーム機として機能する。すなわち、小型ディスクドライブ186にディスクをセットして電源スイッチをオンすると、ゲームプログラムがディスクから読み込まれて起動され、LCD12にゲームの開始画面が表示される。この状態で、ユーザは十字キー20、アナログデバイス22、ボタンキー30またはLRボタン46を適宜操作することにより、画面上でメニュー項目を選択したりキャラクタを操作したりする。ユーザによって入力された信号はCPU180に送信され、CPU180は、これらの信号とゲームプログラムとに従ってゲームを進行させる。なお、小型ディスクドライブ186にセットされたディスクにアプリケーションプログラムが格納されている場合には、携帯型電子装置1において当該アプリケーションソフトが実行されることになる。更に、メモリスロット188にゲームプログラムやアプリケーションプログラムを格納したメモリカードがセットされても、上述の手順と同様に、携帯型電子装置1においてゲーム等の実行が開始される。
【0028】
また、携帯型電子装置1を音楽再生装置として機能させる場合、ユーザは、音楽データが格納されているメモリカードをメモリスロット188に挿入すればよい。これにより、携帯型電子装置1により当該メモリカードに格納されている音楽データを再生することができる。この場合、ユーザは、十字キー20またはアナログデバイス22を使用して、LCD12に表示されるリストの中から所望の音楽データを選択することができる。選択された音楽データは、音声処理ユニット184によりアナログ音声に変換されて、スピーカ28またはヘッドフォン144から出力される。なお、携帯型電子装置1の小型ディスクドライブ186に音楽データを格納したディスクがセットされても、上述の手順と同様に、音楽データの再生を実行することができる。
【0029】
ところで、上述の携帯型電子装置1において何らかのプログラムが実行されている際、例えば小型ディスクドライブ186からディスクを取り出すためのエジェクトボタンの操作や、基本メニューを呼び出すためのホームボタン52の操作といった当該プログラムの進行とは無関係な操作がユーザによってなされた場合、基本的には、ユーザがプログラムの終了を希望していると推測される。しかしながら、このような操作がユーザの意志によるものか、誤りによるものかを装置側で正確に判断することは困難である。そして、上述のような操作がユーザの誤操作である場合に、当該プログラムの実行が直ちに終了させられたのでは、それまでのプログラムの実行に伴って生じたデータの保存等がなされず、ユーザに不利益をもたらすおそれがある。このような点に鑑みて、本実施形態の携帯型電子装置1では、ユーザに不利益をもたらすことがないようにするために、ゲームプログラム等の実行中にCPU180によって以下に説明されるルーチンが実行される。
【0030】
図3は、プログラムの実行中にCPU180によって実行されるルーチンを示すフローチャートである。ここでは、携帯型電子装置1においてゲームプログラムが実行されているケースを例にとって説明する。図3のルーチンは、例えば、小型ディスクドライブ186にゲームプログラムを格納したディスクがセットされると共に電源スイッチがオンされてゲームプログラムの実行が開始されたり、メモリスロット188にゲームプログラムを格納したメモリカードがセットされると共に電源スイッチがオンされてゲームプログラムの実行が開始されたりすると実行される。CPU180は、ゲームプログラムの実行を開始させると、小型ディスクドライブ186のディスク検出センサ187から小型ディスクドライブ186にディスクが無い旨を示す信号が発せられたか、あるいは、LCD12に基本メニューを呼び出すためのホームボタン52が操作されたか否か判定する(S10)。
【0031】
CPU180は、ディスク検出センサ187からディスクが無い旨を示す信号が発せられておらず、かつ、ホームボタン52が操作されていないと判断する間(S10におけるNo)、S10の判定を繰り返し実行する。一方、CPU180は、ディスク検出センサ187からディスクが無い旨を示す信号が発せられたか、あるいは、ホームボタン52が操作されたと判断すると(S10におけるYes)、図4に示される問い合わせ画面IPがLCD12に表示されるように画像処理ユニット182に指令信号を与える(S12)。
【0032】
問い合わせ画面IPは、ユーザに対してプログラム(ここでは、ゲームプログラム)の実行を終了するか否か問い合わせるためのものであり、図4に示されるように、少なくとも「ゲームを終了しますか?」という文字情報と、「はい」ボタンおよび「いいえ」ボタンとを含む。かかる問い合わせ画面IP上でユーザが「はい」ボタンを選択すれば、オペレーションシステムが提供するタスクマネージャーは、ゲームプログラム側に終了イベントを送り、それまで実行されていたゲームプログラムの終了を要求するか、あるいは、それ自体がゲームプログラムを終了させる。また、ユーザが「いいえ」ボタンを選択すれば、ゲームプログラム側に終了イベントが送信されず、それまで実行されていたゲームプログラムは終了されずに続行される。
【0033】
このように、携帯型電子装置1では、小型ディスクドライブ186にセットされたディスクやメモリスロット188に挿入されたメモリカードからロードされたゲームプログラムの実行中に、ユーザによって小型ディスクドライブ186からそこにセットされていたディスクが取り出され、小型ディスクドライブ186にディスクが無いと判断されると(S10におけるYes)、ユーザにゲームプログラムを終了させるか否か問い合わせるための処理が実行される(S12)。同様に、ゲームプログラムの実行中に、LCD12に基本メニューを表示させるためのホームボタン52が操作されると(S10におけるYes)、ユーザにゲームプログラムを終了させるか否か問い合わせるための処理が実行される(S12)。
【0034】
すなわち、携帯型電子装置1では、ゲームプログラムの実行中にユーザが誤ってディスクの取り出し操作やホームボタン52の操作を行ってしまったり、メモリスロット188に挿入されたメモリカードに格納されたプログラムの実行中にユーザがセットしたままのディスクを取り出したりしても、プログラムの実行が直ちに終了させられることはない。そして、プログラムの進行とは無関係なこれらの操作が行われても、ユーザには、プログラムの実行を終了させるか否か判断する機会が視覚を通じて与えられることになる。これにより、携帯型電子装置1では、それまでのプログラムの実行に伴って生じたデータの保存等がなされず、未更新データが失われてしまうといったような不利益がユーザにもたらされることを抑制することが可能となる。
【0035】
S12にてLCD12に問い合わせ画面IPを表示させると、CPU180は、ユーザによって「はい」ボタンが選択されたか否か判定する(S14)。そして、ユーザによって「はい」ボタンが選択された場合には(S14におけるYes)、タスクマネージャーからの終了イベントに従って、例えば未更新データを保存するか否かの確認といったそれまで実行されていたゲームプログラムを終了させるための処理が実行され(S16)、図3のルーチンが一旦終了する。一方、ユーザによって「いいえ」ボタンが選択された場合には(S14におけるNo)、ゲームプログラム側にはタスクマネージャーから終了イベントが送られないので、それまで実行されていたゲームプログラムが続行され、再度S10にてディスク検出センサ187からディスクが無い旨を示す信号が発せられたか、あるいは、ホームボタン52が操作されたか否か判定されることになる。ここで、小型ディスクドライブ186にセットされたディスクに格納されたゲームプログラムの実行中に、当該ディスクが取り出されたとしても、当該ディスクのゲームプログラムは携帯型電子装置1側に既にロードされていることから、ゲームプログラムの続行に何ら支障はない。
【0036】
なお、携帯型電子装置1においてメモリスロット188に挿入されたメモリカードに格納されたプログラムが実行されている際に、当該メモリカードがメモリスロット188から取り出されたような場合に、LCD12に上述の問い合わせ画面IPを表示させてもよい。これに対して、メモリカードからプログラムが起動されている場合に、例えばエジェクトスイッチが操作され、小型ディスクドライブ186にディスクが無いと判断された場合には、問い合わせ画面IPはLCD12に表示されない。また、携帯型電子装置1において実行されるプログラムは、上述のディスクやメモリカードに格納されたものに限られず、携帯型電子装置1のメモリに格納されているプログラムであってもよい。
【0037】
更に、1つのプログラムが複数の記憶媒体に跨って格納される場合には、例えばドライブユニットに最初にセットされる記憶媒体に、記憶媒体の交換を促すためのモジュールと問い合わせ画面IPの表示を禁止するためのモジュールとを含む管理プログラムを格納すると共に、携帯型電子装置1に対して、プログラムに問い合わせ画面IPの画面表示を禁止する機能を提供するユーザから利用可能なシステムレジスタを設けるとよい。この場合、上記モジュールによってシステムレジスタに命令が書き込まれるので、ディスクの交換時に、上述の問い合わせ画面IPの表示、すなわち、ユーザに対するゲームを終了するか否かの問い合わせが省略されることになる。このように、携帯型電子装置1において複数のディスクに跨って格納されているゲームプログラムが実行されるような場合に問い合わせ画面IPの表示を省略することにより、ユーザに対して操作が煩雑であるという印象を与えることを抑制可能となる。
【0038】
また、ゲームの実行中に小型ディスクドライブ186またはメモリスロット188からディスクまたはメモリカードが一旦取り出された後、直ちに戻されたような場合には、ユーザが上述の「いいえ」ボタン、すなわち、プログラムの続行を選択しているか否かに拘らず、プログラムが実行されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による電子装置の一例を示す正面図である。
【図2】図1の電子装置の制御ブロック図である。
【図3】図1の電子装置においてプログラムが実行されている際に実行されるルーチンを説明するためのフローチャートである。
【図4】図1の電子装置の表示部に表示される問い合わせ画面を例示する図である。
【符号の説明】
【0040】
1 携帯型電子装置、10 筐体、16 装飾領域、20 十字キー、22 アナログデバイス、24L 穴、28 スピーカ、28L、28R スピーカ穴、30 ボタンキー、32,34,36,38,40 インジケータ、46 LRボタン、48L 左手領域、48R 右手領域、50 ボタン領域、52 ホームボタン、54 ボリュームボタン、58 ディスプレイボタン、60 サウンドボタン、62 セレクトボタン、64 スタートボタン、87L 把持部、88 赤外線モジュール、90 モジュール、140 リモートコントローラ、142 マイク、144 ヘッドフォン、180 中央処理装置、182 画像処理ユニット、184 音声処理ユニット、186 小型ディスクドライブ、187 ディスク検出センサ、188 メモリスロット、192 電源制御部、194 着脱状態検出部、IP 問い合わせ画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のプログラムを実行可能な電子装置において、
記憶媒体がセットされるドライブユニットと、
前記ドライブユニットにおける前記記憶媒体の有無を検出する検出手段と、
前記プログラムの実行中に前記検出手段が前記ドライブユニットに前記記憶媒体が無いことを検出した際に、ユーザに前記プログラムを終了させるか否か問い合わせるための処理を実行する制御手段とを備えることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
ユーザによって携帯され得るように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
表示部を更に備え、前記制御手段は、前記プログラムの実行中に前記検出手段が前記ドライブユニットに前記記憶媒体が無いことを検出した際に、ユーザに前記プログラムを終了させるか否か問い合わせるための画面を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記プログラムは、前記記憶媒体に格納されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の電子装置。
【請求項5】
前記プログラムは、ゲームプログラムであることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の電子装置。
【請求項6】
所定のプログラムを実行可能な電子装置において、
表示部と、
前記表示部に基本メニューを表示させるためのボタンと、
前記プログラムの実行中に前記ボタンが操作された際に、ユーザに前記プログラムを終了させるか否か問い合わせるための画面を前記表示部に表示させる制御手段とを備えることを特徴とする電子装置。
【請求項7】
所定のプログラムを実行可能な電子装置において、
前記プログラムの実行中に当該プログラムの進行とは無関係な操作が行われた際に、ユーザに前記プログラムを終了させるか否か問い合わせるための処理を実行する制御手段を備えることを特徴とする電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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