説明

電子辞書、電子辞書の検索方法及び電子辞書の検索プログラム

【課題】 検索文字の入れ直し操作を少なくすることができる電子辞書を提供する。
【解決手段】 入力された文字に対応するキーワード候補を一覧表示するステップ(S13)、表示されたキーワード候補から任意のキーワードを選択して、選択されたキーワードをキーワード入力欄に入力するステップ(S16)と、キーワード入力欄に入力操作が行われるたびにキーワード入力欄に入力された1又は複数の文字を基に例文データベースを検索するステップ(S14)と、検索結果を表示するステップ(S15)とによって制御される電子辞書である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力された文字情報に基づいて辞書データベースを検索する電子辞書、電子辞書の検索方法及び電子辞書の検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子辞書では、操作者が文字キーやカーソルキーを操作して入力した文字情報を検索キーとして辞書データベースが検索される。辞書データベースは、たとえば、複数の見出し語と各見出し語の読み方、意味、成句、用例などを対応づけて登録したものであったり、複数のキーワードとキーワードを含む例文や熟語などを対応づけて登録したものであったりする。電子辞書においては、辞書データベースを充実させることだけでなく、検索キーの入力や検索結果の表示における使い勝手の向上が重要な検討要素となっている。
【0003】
たとえば特許文献1には、入力した単語に綴り誤りがあってもその単語の綴りに近似した単語に対応する例文、成句、熟語が検索されるようにした電子辞書が開示されている。また、特許文献2には、入力した文字に前方一致する見出し語を複数表示して、操作者が見出し語を選択することで検索文字を決定できるようにした電子辞書が記載されている。
【特許文献1】特開2005−70873号公報
【特許文献2】特開2007−94547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子辞書における検索方法のひとつに日本語キーワード例文検索と呼ばれるものがある。日本語のキーワードを1又は複数個入力することで、すべてのキーワードを和訳文中に含む対応する外国語例文を例文として検索、表示するものである。たとえば「駅」、「歩く」、「すぐ」という3つの単語をキーワードに設定したとすると、これらのキーワードのすべてを和訳文中に含む対応する外国語例文を検索して、該当する外国語例文がみつかった場合にはそれらが表示される。しかし、該当する外国語例文がみつからなかった場合には、キーワードを入れ替えて検索をやり直さなければない。
【0005】
たとえば特許文献2に記載されている電子辞書では、複数の検索文字(キーワード)のすべてを含む例文を検索する際に、検索文字がすべて入力され、検索文字を決定するキーが操作されたときに検索が開始される。そのため、たとえば検索文字すべてを含む例文が見つからなかった場合には、1又は複数の検索文字を消去したり、他の検索文字に入れ替えたりした後、再び検索文字の決定キーを操作して、例文検索を行わなければならなかった。
【0006】
この場合、どのキーワードを消去あるいは入れ替えるべきなのか、何個のキーワードを消去あるいは入れ替えるべきなのかということの決定は、操作者にゆだねられている。そのため、場合によっては、時間がかかってしまったり、何度も入れ直しが必要となってしまったりして、操作者によるキーワード選定の思考過程が妨げられてしまうというようなことがあった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、電子辞書における検索のしやすさを向上することを目的としたものであって、より具体的には検索文字の入れ直し操作を少なくすることができる電子辞書、電子辞書の検索方法及び電子辞書の検索プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、キーワード入力欄に文字を入力する文字入力手段と、前記文字入力手段によって入力された文字に対応するキーワード候補を一覧表示するキーワード候補表示手段と、前記キーワード候補表示手段によって表示された前記キーワード候補から任意のキーワードを選択するキーワード選択手段と、前記キーワード選択手段によって選択された前記キーワードを前記キーワード入力欄に入力するキーワード入力手段と、前記文字入力手段又は前記キーワード入力手段によって前記キーワード入力欄に入力操作が行われるたびに、前記キーワード入力欄に入力された1又は複数の文字を基に所定のデータベースを検索する検索手段と、前記検索手段による検索結果を表示する検索結果表示手段とを具備することを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記文字入力手段による入力操作が、前記キーワード入力欄へ文字を入力する操作及びカーソルを移動する操作であることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、前記キーワード候補表示手段が、前記文字入力手段によって入力された文字に一部又は全部の文字が一致する単語を前記キーワード候補として一覧表示することを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、前記キーワード候補表示手段が、前記文字入力手段によって入力された文字に一部又は全部の文字が類似する単語を前記キーワード候補として一覧表示することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、キーワード入力欄に文字を入力する文字入力過程と、前記文字入力過程で入力された文字に対応するキーワード候補を一覧表示するキーワード候補表示過程と、前記キーワード候補表示過程で表示された前記キーワード候補から任意のキーワードを選択するキーワード選択過程と、前記キーワード選択過程で選択された前記キーワードを前記キーワード入力欄に入力するキーワード入力過程と、前記文字入力過程又は前記キーワード入力過程で前記キーワード入力欄に入力操作が行われるたびに、前記キーワード入力欄に入力された1又は複数の文字を基に所定のデータベースを検索する検索過程と、検索過程による検索結果を表示する検索結果表示過程とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、キーワード入力欄に文字を入力する文字入力過程と、前記文字入力過程で入力された文字に対応するキーワード候補を一覧表示するキーワード候補表示過程と、前記キーワード候補表示過程で表示された前記キーワード候補から任意のキーワードを選択するキーワード選択過程と、前記キーワード選択過程で選択された前記キーワードを前記キーワード入力欄に入力するキーワード入力過程と、前記文字入力過程又は前記キーワード入力過程で前記キーワード入力欄に入力操作が行われるたびに、前記キーワード入力欄に入力された1又は複数の文字を基に所定のデータベースを検索する検索過程と、前記検索過程による検索結果を表示する検索結果表示過程とをコンピュータを用いて実行するための記述を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、検索手段によって、文字入力手段又はキーワード入力手段によってキーワード入力欄に入力操作が行われるたびに、キーワード入力欄に入力された1又は複数の文字を基に所定のデータベースが検索され、検索結果表示手段によって、検索手段による検索結果を表示される。したがって、所望の検索結果が得られなかった場合でも、最小、1文字あるいは1単語を入れ直すだけで新たな検索を行うことができる。よって、キーワード入力欄への文字あるいは単語の入れ直し操作を少なくすることができる。また、文字あるいは単語を増やしていくたびに絞り込まれた検索結果が随時表示されることになるので、どの文字あるいは単語を入れ直すべきなのかに関するヒントを操作者に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の電子辞書の実施の形態について説明する。図1は、本発明の電子辞書の実施の形態の構成を示すブロック図である。図1に示す電子辞書は、制御部1、入力部2、記憶部3および表示部4から構成されている。
【0016】
制御部1は、CPU(中央処理装置)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)のほか、不揮発性メモリ、各種インターフェース回路などから構成されていて、ROMに記憶されているプログラムを実行することで各部を制御する。
【0017】
入力部2は、文字入力キー、エンターキー、スペースキー、「&」キーなどの記号キー、1文字消去用のデリートキーおよびバックスペースキー、操作対象を指定するカーソル表示を上下左右に動かす4個のカーソルキー、数字キー、複数のファンクション・キーなどの複数の操作子を備えて構成されている。操作者が、入力部2の操作子を操作すると、制御部1内のRAMに操作された操作子の情報が一時記憶される。
【0018】
記憶部3は、ROMなどからなり、英和、和英などの各種辞書データベースを複数、記憶している。本実施の形態では、たとえば図2に示す例文データベース30を記憶している。図2に示す例文データベース30は、例文ID(識別符号)に対応させて、英文の例文と、その英文を和訳した例文と、a〜cの各3個のキーワードを、複数組、記憶して構成されている。この例では、たとえば例文ID「ID1」の例文に「駅」、「歩く」および「すぐに」の3個のキーワードが登録されていて、また、例文ID「ID2」の例文に「駅」、「歩く」および「ゆっくり」の3個のキーワードが登録されている。この例では、たとえば「駅」および「歩く」の2個の単語を検索キー(キーワードあるいは検索語ともいう。)として例文データベース30が検索された場合、例文ID「ID1」および「ID2」が該当する検索結果として抽出されることになる。また、たとえば「駅」、「歩く」および「すぐに」の3個の単語を検索キーとして例文データベース30が検索された場合、例文ID「ID1」のみが該当する検索結果として抽出されることになる。
【0019】
一方、図1の表示部4は、液晶ディスプレイなどから構成されていて、制御部1の制御の下、文字や画像を表示する。
【0020】
次に、図3のフローチャートと、表示部4の表示画面を示す図4〜図11を参照して、図1に示す電子辞書でキーワード検索を行う場合の動作を説明する。図3は、キーワード検索処理を行うサブルーチンを示すフローチャートであり、図示していないメインルーチンあるいは他のサブルーチンによる制御によって、キーワード検索処理を行うモードに設定された状態で、入力部2において所定の操作子が操作された場合に呼び出されるようになっている。
【0021】
キーワード検索処理では、まず、操作子の操作が文字入力あるいは表示画面上のカーソルを移動させる操作なのか、「&」キーなどの区切り文字が入力されたのか、あるいはキーワード候補を選択するカーソルキーやエンターキーなどの操作が行われたのかを判定する(S11)。
【0022】
いま、入力部2の文字キーが操作され、かな文字「え」が入力されたとする。ステップS11では文字入力と判定されるので、次に、図4に示すように入力された文字「え」が表示部4の表示画面4A上のキーワード入力欄41に表示される(ステップS12)。また、「え」と前方の文字あるいは読みが一致とする複数の単語が50音順にキーワード候補表示としてポップアップウィンドウ42内に一覧表示される(ステップS13)。ただし、後述するようにキーワードの区切り文字「&」が入力されている場合には、最後の区切り文字「&」の後方にある文字に対してキーワード候補が表示される。
【0023】
なお、キーワード候補表示は、かな文字からなる見出し語とキーワード候補となる単語とを対応づけたデータベースを検索することで抽出される。たとえばこのデータベースは記憶部3に登録されている。また、ポップアップウィンドウ42内に表示されている下向きの矢印43は、単語一覧にはまだ続きがあることを示している。
【0024】
次に、キーワード入力欄41に入力されている文字(あるいは文字列)「え」に基づいて、図2に示す例文データベース30が検索される(ステップS14)。この際、検索キーとしては、入力されている文字「え」のほか、ポップアップウィンドウ42内でカーソル表示されている単語(図4の例では反転表示されている「エ」)が用いられる。次に、検索された例文が、図4の表示領域44に表示される(ステップS15)。
【0025】
次に、図5に示すように、文字「き」が入力され、さらにポップアップウィンドウ42でカーソルが操作され、キーワード候補の単語「駅」にカーソルが移動したとする。この場合、ステップS11でカーソル移動と判定され、ステップS12〜ステップS15の処理が行われて、表示画面4B上の表示領域44に「えき」または「駅」をキーワードとして例文データベース30を検索した結果が表示される。また、ポップアップウィンドウ45内に、検索された例文のなかで表示領域44で最上部に表示された例文の内容(英文の例文と和訳の例文)が表示される。
【0026】
次に、入力部2においてエンターキーなどが操作され、図5の表示画面4B上でポップアップウィンドウ42に表示されている単語「駅」が選択されたとする。この場合、ステップS11で、候補選択がなされたと判定されるので、図6に示すように、表示画面4C上のキーワード入力欄41に単語「駅」が入力されるとともに(ステップS16)、ポップアップウィンドウ42が消去される(ステップS17)。
【0027】
次に、ステップS14およびS15の処理がなされて、キーワード入力欄に入力されている文字を基に例文データベース30を検索した結果が表示される。また、ポップアップウィンドウ45内に、検索された例文のなかで表示領域44の最上部に表示された例文の内容(英文の例文と和訳の例文)が表示される。
【0028】
次に、図7に示すように、入力部2においてキーワード間の区切り文字「&」(アンド)が入力されたとすると、ステップS11で区切り文字が入力されたと判定されて、区切り文字「&」がキーワード入力欄41に入力される。そして、上記と同様にしてステップS14およびS15の処理が行われる。
【0029】
次に、2番目のキーワードとして文字「あ」、「る」、「く」が入力されたとすると、ステップS11、S12〜S15の処理が繰り返し行われて、図7に示すように、表示画面4D上のキーワード入力欄41に「あるく」の文字列が表示されるとともに、ポップアップウィンドウ42内に「あるく」に前方の文字あるいは文字の読みが一致するキーワード候補「歩く」などの単語が一覧表示される(ステップS13)。
【0030】
次に、図7のポップアップウィンドウ42内でキーワード候補の一覧から「歩く」が選択されたとすると、図8に示すように、単語「歩く」が表示画面4E上のキーワード入力欄41に入力される(ステップS16)。次に、図9に表示画面4Fとして示すように、ポップアップウィンドウ42が消去され(ステップS17)、キーワード入力欄41に入力されている単語「駅」と単語「歩く」の両方のキーワードに合致する例文が、例文データベース30から検索される(ステップS14)。そして、検索結果が表示画面4Fの表示領域44に表示される(ステップS15)。
【0031】
さらに、区切り文字「&」が入力され、文字「す」および「ぐ」が入力されたとすると、図10に表示画面4Gとして示すように、「すぐ」と前方の文字あるいは文字の読み(ただし濁点や半濁点を除いた読みを含むものとする。)が一致するキーワード候補がポップアップウィンドウ42内に一覧表示される。
【0032】
そして、ポップアップウィンドウ42で単語「すぐ」が選択された場合、図11に表示画面4Hとして示すように、キーワード入力欄41に入力されている3つのキーワード「駅」、「歩く」および「すぐ」に該当して検索された結果が表示領域44に表示される。
【0033】
以上のように、本実施の形態によれば、 キーワード入力欄41に対して入力操作が行われるたびに、キーワード入力欄41に入力された1又は複数の文字を基に例文データベース30が検索され、検索結果が表示されるので、文字あるいは単語を入力していくたびに絞り込まれた検索結果が随時表示されることになるので、所望の例文が見つからなかった場合には、どの文字あるいはどの単語を入れ直すべきなのかということに関してヒントとなる情報を操作者に提供することができる。
【0034】
なお、ステップS11で文字入力と判定されるのは、上述した文字入力や表示画面上でのカーソル操作のほか、デリートキーの操作、バックスペースキーの操作などの文字を消去する操作も含まれている。また、ステップS16でポップアップウィンドウ42内に表示するキーワード候補の検索は、入力文字列に前方の単語が完全に一致するものに限らず、たとえば、ひらがなを漢字に変換したものとか、1文字あるいは複数文字を他の文字に置換したものとか、ひらがなとカタカタで置き換えたものとか、長音記号や濁音・半濁音記号を除いたり加えたりしたものとか、あるいは所定の条件で類似すると判定される文字列に変更するとかしたものを検索キーとして用いるようにすることができる。
【0035】
なお、入力文字列に対応するキーワード候補を表示する際に、上記の入力文字列の1文字あるいは複数文字を他の文字に置き換えたものに対応する単語をキーワード候補として表示することは、すなわち入力文字列に一部または全部の文字が一致する単語を候補として表示することを意味する。これは、自動的に1文字または複数文字を不確定文字としてキーワード候補を検索すること、すなわち、一般にワイルドカード検索と呼ばれている1または複数文字を不確定文字とする検索と実質的に同等の機能を実現することを意味する。なお、文字入力の際に、操作者が1または複数の不確定文字を表す記号などを入力して、明示的に不確定文字を定めた上でワイルドカード検索を行えるようにすることも可能である。
【0036】
また、キーワード候補となる単語の検索の際に、上記の入力文字列を所定の条件で類似すると判定される文字列に変更したものを用いることは、入力文字列と一部または全部の文字が類似する単語をキーワード候補の単語として表示することなどを意味する。この条件の一例としてはたとえば英文などでスペルチェック機能と呼ばれているような機能を用意しておくことで、入力文字列に基づいてつづりが正しいと推定されるような単語がある場合に条件が成立することとして、そのような単語を候補としてリストアップするようなことが考えられる。なお、複数のキーワードの区切りは、区切り文字を用いるもののほか、表示画面上に複数のキーワード入力欄を設けて、入力欄ごとに区別する方法などを用いることも可能である。
【0037】
次に、図12〜図17に示す表示部40の表示画面における表示例を参照して、他の実施の形態について説明する。この実施の形態は、上述した日本語を入力して例文をキーワード検索する実施形態に対して、検索対象のデータベースを変更することで、英文を入力してキーワード検索するようにした点が異なっている。すなわち、図3のフローチャートにおいて、ステップS14で検索対象となるデータベースが、英文のキーワードと英文の例文およびその和訳の例文とを対応づけて複数組登録したデータベースとなっている点が異なっている。
【0038】
図12は、表示画面4I上のキーワード入力欄41に単語「reach」と区切り文字「&」と文字列「cons」が入力された状態を示している。この場合、文字列「cons」と前方一致する英単語「conscience」などがキーワード候補としてポップアップウィンドウ42内に表示されている。また、表示画面4I上の表示領域44には、単語「reach」と単語「conscience」などに基づいて検索された例文が表示されている。
【0039】
図13は、表示画面4J上のキーワード入力欄41に単語「reach」と区切り文字「&」と文字列「conse」が入力された状態を示している。この場合、文字列「conse」と前方一致する英単語「consecrate」などがキーワード候補としてポップアップウィンドウ42内に表示されている。
【0040】
また、図14の表示画面4Kは、図13の表示画面4Jで、ポップアップウィンドウ42内でカーソルを単語「consensus」に移動した状態を示し、図15の表示画面4Lは、図14の表示画面4Kで、エンターキーを押して単語「consensus」を選択した場合の状態を示している。表示画面4Lの表示領域44には、単語「reach」と単語「consensus」に基づいて検索された例文が表示されている。
【0041】
このように、本実施の形態によれば、英文字を入力して例文を検索する場合にも、文字を入力するたびに検索結果を更新するようにすることができる。したがって、所望の検索結果が得られなかった場合でも、最小、1文字あるいは1単語を入れ直すだけで新たな検索を行うことができる。
【0042】
また、英文字を入力して検索を行う場合には、たとえば図16に表示画面4Mとして示すように誤った綴りの文字列(この場合、「concensus」(正しくは「consensus」))を入力して、検索結果がえられなかったような場合には、例文が検索できなかったことを示す「該当する候補がありません」という表示46が行われる。このような場合、操作者がスペルチェックを指示するスペルチェックキー(入力部2に設けられていることとする。)を押下することで正しい単語の候補を表示させるようにすることができる。たとえば図17に表示画面4Nとして示すように、スペルチェックを行った結果得られた正しい綴りの候補が、ポップアップウィンドウ47内に表示される。ここで、カーソルキー移動により、候補を選択すると、入力中の単語はその選択された単語に置換される。
【0043】
なお、本発明の実施の形態は上記のものに限定されず、たとえば本発明の構成を汎用OS(オペレーティングシステム)が稼働するコンピュータとそれによって実行されるソフトウェア・プログラムとから構成することも可能である。その場合、プログラムは、通信回線やコンピュータ読み取り可能な記録媒体を介して頒布することが可能である。
【0044】
また。本発明が適用される辞書データベースは、複数のキーワードを基に例文を検索するものに限定されず、たとえば見出し語と対応する意味とを登録した国語辞書データベースや英英辞書データベースとすることができる。この場合たとえば、入力した1又は複数のキーワードに基づいて意味を表す文字列内の単語を検索し、検索された意味に対応する見出し語を、検索結果として表示するようにする。たとえば、「犬」「大きい」「黒」というキーワードを入力して、意味を表す文字列を検索し、すべてを含む文字列がある場合にその見出し語(たとえば「ドーベルマン」)を表示するような検索が行われることになる。その場合、「犬」を入力すると、意味に単語「犬」が含まれる見出し語が検索されて表示され、続いて、「大きい」を入力すると、たとえば大きい犬の種類を表す見出し語が検索されて、複数表示されるというようなことになる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1の記憶部3内に記憶される例文データベースの構成例を示す図である。
【図3】図1の電子辞書の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図5】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図6】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図7】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図8】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図9】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図10】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図11】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図12】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図13】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図14】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図15】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図16】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【図17】図1の表示部4における画面表示の例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 制御部
2 入力部
3 記憶部
4 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーワード入力欄に文字を入力する文字入力手段と、
前記文字入力手段によって入力された文字に対応するキーワード候補を一覧表示するキーワード候補表示手段と、
前記キーワード候補表示手段によって表示された前記キーワード候補から任意のキーワードを選択するキーワード選択手段と、
前記キーワード選択手段によって選択された前記キーワードを前記キーワード入力欄に入力するキーワード入力手段と、
前記文字入力手段又は前記キーワード入力手段によって前記キーワード入力欄に入力操作が行われるたびに、前記キーワード入力欄に入力された1又は複数の文字を基に所定のデータベースを検索する検索手段と、
前記検索手段による検索結果を表示する検索結果表示手段と
を具備することを特徴とする電子辞書。
【請求項2】
前記文字入力手段による入力操作が、前記キーワード入力欄へ文字を入力する操作及びカーソルを移動する操作である
ことを特徴とする請求項1記載の電子辞書。
【請求項3】
前記キーワード候補表示手段が、前記文字入力手段によって入力された文字に一部又は全部の文字が一致する単語を前記キーワード候補として一覧表示する
ことを特徴とする請求項1又は2項記載の電子辞書。
【請求項4】
前記キーワード候補表示手段が、前記文字入力手段によって入力された文字に一部又は全部の文字が類似する単語を前記キーワード候補として一覧表示する
ことを特徴とする請求項1又は2項記載の電子辞書。
【請求項5】
キーワード入力欄に文字を入力する文字入力過程と、
前記文字入力過程で入力された文字に対応するキーワード候補を一覧表示するキーワード候補表示過程と、
前記キーワード候補表示過程で表示された前記キーワード候補から任意のキーワードを選択するキーワード選択過程と、
前記キーワード選択過程で選択された前記キーワードを前記キーワード入力欄に入力するキーワード入力過程と、
前記文字入力過程又は前記キーワード入力過程で前記キーワード入力欄に入力操作が行われるたびに、前記キーワード入力欄に入力された1又は複数の文字を基に所定のデータベースを検索する検索過程と、
検索過程による検索結果を表示する検索結果表示過程と
を有することを特徴とする電子辞書の検索方法。
【請求項6】
キーワード入力欄に文字を入力する文字入力過程と、
前記文字入力過程で入力された文字に対応するキーワード候補を一覧表示するキーワード候補表示過程と、
前記キーワード候補表示過程で表示された前記キーワード候補から任意のキーワードを選択するキーワード選択過程と、
前記キーワード選択過程で選択された前記キーワードを前記キーワード入力欄に入力するキーワード入力過程と、
前記文字入力過程又は前記キーワード入力過程で前記キーワード入力欄に入力操作が行われるたびに、前記キーワード入力欄に入力された1又は複数の文字を基に所定のデータベースを検索する検索過程と、
前記検索過程による検索結果を表示する検索結果表示過程と
をコンピュータを用いて実行するための記述を含むことを特徴とする電子辞書の検索プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−59140(P2009−59140A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−225364(P2007−225364)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】