説明

電子部品の実装構造

【目的】 基板の振動や衝撃が電子部品に伝達されることがなく、しかも取り付け加工の簡単な電子部品の実装構造を提供する。
【構成】 電子部品(例えばコンデンサーマイク)1のリード端子5を基板4に実装する構造に於いて、コンデンサーマイク1のリード端子5をバネ状として基板4に取り付ける。あるいはコンデンサーマイク1を基板4に実装する構造に於いて、基板4側にバネ状の接続端子10を実装し、コンデンサーマイク1のリード端子11をバネ状の接続端子10に突き刺して取付ける。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器及びオーディオ機器等に装着される電子部品の実装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、パソコンやワープロ等に代表される電子機器及びオーディオ機器等において、基板に実装される電子部品としては、例えば録音機能としてマイクロフォン、とりわけコンデンサーマイクが装着されるものが多い。従来、このようなコンデンサーマイクの本体への取り付け実装では、振動や衝撃対策としてゴムのブッシュを被せたのち、コンデンサーマイクのリード端子を基板に直に半田付けするか、又はリード線でプリント基板に接続していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来技術の一例であるコンデンサーマイクのリード端子を基板に直付けする構造では、基板の振動や衝撃がリード端子を介してコンデンサーマイクに伝達されるという問題があり、このため基板の取付部にダンパゴムを介在させる等の対策を施さねばならなかった。更に、前記従来技術の他の例であるリード線でつなぐ構造においては、新たにコネクターが必要になるほか、工程が増加する等の欠点があった。
【0004】本発明は前記従来技術の抱える問題点や欠点を解決するためなされたもので、その目的は基板の振動や衝撃が電子部品に伝達されることがなく、しかも取り付け加工の簡単な電子部品の実装構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため本発明は、電子部品を基板に実装する構造に於いて、電子部品のリード端子をバネ状とし基板に取り付けることを特徴とする。
【0006】さらに、電子部品を基板に実装する構造に於いて、基板側にバネ状の接続端子を実装し、電子部品のリード端子を前記バネ状の接続端子に突き刺して取り付けることを特徴とする。
【0007】
【作用】電子部品のリード端子をバネ状に加工して、基板に半田付け等により取り付けすることで、基板からの振動や衝撃がリード端子のバネ部分に吸収され、電子部品に伝わる振動や衝撃が軽減される。また工程も簡略化される。
【0008】さらに、基板側にバネ状の接続端子を実装し、前記バネ状の接続端子に電子部品のリード端子を突き刺して接続することで、基板からの振動や衝撃が接続端子のバネ部分に吸収され、電子部品に伝わる振動や衝撃が軽減される。さらに、単にリード端子を突き刺すのみで電気的接続が完了するので、半田付け等による取り付けに比して工程が飛躍的に簡略化される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施例を示す電子部品の実装構造の断面図である。同図に示す如く、本発明に係る電子部品(例えばコンデンサーマイク)の実装構造は、コンデンサーマイク1に中空円筒状のゴムブッシュ2を被せる。
【0010】ゴムブッシュ2上部は円状開口端であり、外部の音声を通過させる。ゴムブッシュ2下端には下方に延伸する複数個の爪3を設け、これら爪3はプリント基板4に設けた嵌挿孔4aと嵌合して、コンデンサーマイク1を擁したゴムブッシュ2をプリント基板4に自立させる。
【0011】本実施例におけるコンデンサーマイクの実装構造は、次にコンデンサーマイク1のリード端子5を細径線にて形成し、さらにこの細径線によるリード端子5をコイル状に加工し、コイルバネとしたのちプリント基板4に直接半田付けする。
【0012】このようにして、コイルバネ状のリード端子5によりプリント基板4に直接半田付けされたコンデンサーマイク1をゴムブッシュ2を介して配設した状態のプリント基板4は、ケース6のガイド部12に挿入して固定される。
【0013】前記の実施例において、プリント基板4上に自立するゴムブッシュ2は弾力性を有するから、プリント基板4あるいはケース6のガイド部12の発生する振動や衝撃を効果的に吸収し、よってコンデンサーマイク1に伝わる振動や衝撃を軽減させる。
【0014】さらに、従来ではリード端子5が太線で剛性を有していたために、プリント基板4の発生する振動や衝撃がリード端子5を介してコンデンサーマイク1に伝わり、不都合を生じていたが、本発明では前記のようにリード端子5を細径線にて形成し、これに加えて細径線によるリード端子5をコイル状に加工し、コイルバネとしたから、振動や衝撃のエネルギーがコイルバネに吸収され、緩衝吸収効果が実現されるものである。
【0015】すなわち、前記の実施例においては、コンデンサーマイク1本体に加えられる振動や衝撃はゴムブッシュ2が緩衝吸収し、一方、コンデンサーマイク1への配線を介して加えられる振動や衝撃はコイルバネ状のリード端子5が緩衝吸収する。この2重の効果によって、非常に効果的な緩衝吸収を可能にするものである。
【0016】つぎに、図2および図3に示す他の実施例に基づいて、本発明に係る電子部品の実装構造をさらに説明する。図2は他の実施例の実装構造断面図であり、図3は図2の分解斜視図である。
【0017】本実施例においては、図2および図3に示す如く電子部品(例えばコンデンサーマイク)1を保持するゴムブッシュ2をマイク保持部7と外郭部8の二重構造とし、数本のリブ9にてマイク保持部7を宙吊りとするものである。
【0018】一方、ゴムブッシュ2が保持されるプリント基板4にはバネ状の接続端子10が半田付けされており、この接続端子10がコンデンサーマイク1との接続端子として作用する。コンデンサーマイク1のリード端子11を接続端子10のコイル間に突き刺して、ゴムブッシュ2の爪3を基板4の嵌挿孔4aにとりつける。この状態でゴムブッシュ2をケース6のガイド部12に挿入し、プリント基板4は固定される。
【0019】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように本発明は、電子部品を基板に実装する構造に於いて、電子部品のリード端子をバネ状として基板に取り付ける構造としたから、基板の振動や衝撃をバネが吸収し、よって電子部品に振動を伝えにくくするものである。
【0020】さらに基板上のバネ状接続端子に電子部品のリード端子を突き刺して電気的に接合させる構成としたから、ケース及びそれに伴う基板の振動や衝撃の吸収効果がさらに高まり、加えて簡単にして迅速な取り付け加工を実現して工程の簡素化と製造コストの低減化を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電子部品の実装構造の断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す電子部品の実装構造の断面図である。
【図3】図2の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 コンデンサーマイク(電子部品)
2 ゴムブッシュ
3 爪
4 プリント基板(基板)
5 リード端子
6 ケース
7 マイク保持部
8 外郭部
9 リブ
10 バネ状の接続端子
11 リード端子
12 ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子部品を基板に実装する構造に於いて、電子部品のリード端子をバネ状とし基板に取り付けることを特徴とする電子部品の実装構造。
【請求項2】 電子部品を基板に実装する構造に於いて、基板側にバネ状の接続端子を実装し、電子部品のリード端子を前記バネ状の接続端子に突き刺して取り付けることを特徴とする電子部品の実装構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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