説明

電極カテーテル

【課題】焼灼時に先端電極の一部に異常な温度上昇(高温部)が生じることがなく、先端電極の表面の冷却効果および先端電極の表面における血栓の形成抑制効果に優れ、しかも、効率的な焼灼治療を行うことができる電極カテーテルを提供することにある。
【解決手段】液体の流路となるルーメン11を有するカテーテルシャフト10と、その先端側に接続された絶縁性の灌注部材20と、その先端側に接続された先端電極30とを備え、灌注部材20には、カテーテルシャフト10から供給される液体の貯留空間24と、貯留空間24内の液体を排出するために、灌注部材20の外周に沿って等角度間隔に配置された複数の開口25と、開口25の各々から先端方向に延びる液体の案内溝26とが形成され、先端電極30の基端部表面には、灌注部材20の案内溝26の各々に連続する液体の案内溝36が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極カテーテルに関し、更に詳しくは、カテーテルの先端に電極が装着されるとともに、この電極に生理食塩水などの液体を灌注する機構を備えた電極カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
電極カテーテルであるアブレーションカテーテルにおいて、焼灼時に高温となった先端電極を冷却するための灌注機構を備えているものが使用されている。
【0003】
灌注機構を備えた従来のカテーテルとしては、カテーテルシャフトを通って先端電極の内部に供給された生理食塩水をこの先端電極の表面に形成された複数の開口から噴射するタイプのものが紹介されている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2562861号公報
【特許文献2】特開2006−239414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、先端電極の表面に灌注用の開口が形成されてなる従来公知のカテーテルには、下記(1)〜(3)のような問題がある。
【0006】
(1)先端電極の表面に開口を設けると、開口縁などに不可避的にエッジが形成される。そして、このようなエッジが形成されている先端電極によって焼灼を行うと、エッジ部分の電流密度がきわめて高くなり、この部分で異常な温度上昇が起きて、血栓が急速に形成される虞がある。
(2)先端電極の表面に形成された開口から生理食塩水を噴射しても、先端電極の表面に対して十分な灌注を行うこと(表面を液体で覆うこと)ができないため、先端電極の表面を十分に冷却することができない。特に、先端電極の軸に対して垂直方向に生理食塩水を噴射する上記特許文献1および特許文献2に記載のカテーテルにおいては、先端電極の表面に対して生理食塩水を十分に接触させることができないため、電極表面の冷却効果はきわめて低いものである。
(3)複数の開口を電極表面に形成することにより、先端電極の表面積を十分に確保することができなくなり、効率的な焼灼治療を行うことができない。
【0007】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の目的は、焼灼時において先端電極の一部に異常な温度上昇(高温部)を生じることがなく、先端電極表面の冷却効果および先端電極表面における血栓の形成抑制効果に優れ、しかも、効率的な焼灼治療を行うことができる、灌注機構を備えた電極カテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の電極カテーテルは、液体の流路となるルーメンを少なくとも1つ有するカテーテルシャフトと、
このカテーテルシャフトの先端側に接続された絶縁性灌注部材と、
この絶縁性灌注部材の先端側に接続された先端電極とを備えてなり、
前記絶縁性灌注部材には、前記カテーテルシャフトから供給される液体の貯留空間と、当該貯留空間内の液体を排出するために、前記絶縁性灌注部材の外周に沿って等角度間隔に配置された複数の開口と、前記複数の開口の各々から先端方向に延びる液体の案内溝とが形成され、
前記先端電極の基端部(基端部表面)には、前記絶縁性灌注部材の案内溝の各々に連続する液体の案内溝が形成され、
前記カテーテルシャフトには、前記先端電極のリード線を延在させるための中央ルーメンが形成されているとともに、液体の流路となるルーメンが、前記中央ルーメンの周囲に(当該カテーテルシャフトの外周に沿って)複数配置され、
前記絶縁性灌注部材は、前記先端電極の内側凹部に連通する空間を区画する内管部と、外管部との二重管構造を有し、前記液体の貯留空間は、前記内管部と外管部とにより仕切られたジャケット空間であり、
前記カテーテルシャフトの先端部(凹部)に前記絶縁性灌注部材の基端部が挿入されることにより、当該カテーテルシャフトの先端側に当該絶縁性灌注部材が接続され、
前記カテーテルシャフトに形成された中央ルーメンが、第1の継手チューブを介して、前記絶縁性灌注部材の内管の内部空間と連通し、
前記カテーテルシャフトに配置された液体の流路となる複数のルーメンの各々が、第2の継手チューブを介して、前記絶縁性灌注部材のジャケット空間と連通していることを特徴とする。
【0009】
このような構成の電極カテーテルによれば、灌注用の開口が絶縁性灌注部材に形成されているので、先端電極には開口を形成する必要がない。これにより、先端電極には、開口の形成に伴うエッジが存在しないので、焼灼時において先端電極の一部に異常な温度上昇を生じることはなく、これにより、血栓の形成が抑制される。
なお、開口の形成に伴うエッジが絶縁性灌注部材に存在していても、エッジ部分が絶縁性であるために、当該部分に電流が集中して温度が上昇することはない。
従って、本発明の電極カテーテルは、灌注機構を備えた従来公知のカテーテルと比較して、先端電極表面における血栓形成抑制効果が格段に優れている。
【0010】
また、このような構成の電極カテーテルによれば、絶縁性灌注部材から先端電極の表面に対して液体が灌注されるので、先端電極の表面に十分な量の液体を接触させることができ、また、先端電極の表面を灌注する液体は、先端電極の基端部から先端部に向かって、当該先端電極の表面に沿うように流れるので、灌注機構を備えた従来のカテーテルと比較して先端電極の表面の冷却効果に優れるとともに、先端電極表面付近の血液が十分に攪拌・希釈されることによっても優れた血栓形成抑制効果が奏される。
【0011】
また、絶縁性灌注部材の外周に沿って等角度間隔に配置された複数の開口と、開口の各々から先端方向に延びる複数の案内溝とが形成されているので、先端電極の表面を周方向の全域にわたり灌注することができる。
【0012】
また、先端電極には開口を形成する必要がないので、十分な表面積を確保することができ、効率的な焼灼治療を行うことができる。
【0013】
また、絶縁性灌注部材に液体の貯留空間が形成されていることにより、カテーテルシャフトから絶縁性灌注部材の内部に供給された液体は、貯留空間において流れを整えた後、等角度間隔に配置された複数の開口から噴射(排出)されるので、複数の開口の間で噴射する液量にバラツキがなくなり、絶縁性灌注部材の周方向において均一な噴射を行うことが可能となり、先端電極の表面を周方向の全域にわたり均等に灌注することができる。
【0014】
また、絶縁性灌注部材に、複数の開口の各々から先端方向に延びる液体の案内溝が形成されていることにより、開口から排出(噴射)される液体を、先端電極に向けて確実に案内(誘導)することができる。
【0015】
また、先端電極の基端部表面に、絶縁性灌注部材の案内溝の各々に連続する液体の案内溝が形成されていることにより、絶縁性灌注部材に形成された案内溝を通って先端電極の基端部に到達した液体を、先端電極の先端部に案内(誘導)することができ、これにより、先端電極の表面全体に液体を供給することができる。
【0016】
また、カテーテルシャフトに、先端電極のリード線を延在させるための中央ルーメンが形成されているとともに、液体の流路となるルーメンが、中央ルーメンの周囲に複数配置され、絶縁性灌注部材は、先端電極の内側凹部に連通する空間を区画する内管部と、外管部との二重管構造を有し、液体の貯留空間は、内管部と外管部とにより仕切られたジャケット空間であることにより、カテーテルシャフトに配置された複数のルーメンから絶縁性灌注部材に供給される液体を、貯留空間(ジャケット空間)内で合流させることができる。
【0017】
また、上記のような構成の電極カテーテルによれば、カテーテルシャフトに形成された中央ルーメンが、絶縁性灌注部材の内管の内部空間と連通しているので、先端電極のリード線を、先端電極の内側凹部、絶縁性灌注部材の内管の内部空間およびカテーテルシャフトの中央ルーメンに延在させることができる。
【0018】
また、カテーテルシャフトに配置された液体の流路となる複数のルーメンの各々が絶縁性灌注部材のジャケット空間と連通しているので、カテーテルシャフト(複数のルーメン)からの液体を絶縁性灌注部材のジャケット空間に確実に供給させることができる。
【0019】
また、カテーテルシャフトに形成された中央ルーメンと、絶縁性灌注部材の内管の内部空間とを連通させるために第1の継手チューブが介在されているとともに、カテーテルシャフトに配置された液体の流路となる複数のルーメンの各々と、絶縁性灌注部材のジャケット空間とを連通させるために第2の継手チューブが介在されていることにより、カテーテルシャフトの先端側に対する絶縁性灌注部材の接続を確実なものとすることができる。
【0020】
また、液体の流路となる複数のルーメンの各々と、絶縁性灌注部材のジャケット空間とを連通させるために第2の継手チューブが介在されていることにより、カテーテルシャフトの先端面(液体の流路となるルーメンの開口面)と、絶縁性灌注部材の基端面との当接箇所からの液体の漏れ(これに伴う中央ルーメンへの液体の浸入)を防止することができる。
【0021】
(2)本発明の電極カテーテルにおいて、第2の継手チューブが挿入された前記絶縁性灌注部材のジャケット空間(隣り合う第2の継手チューブの間の空隙部分)にシール材が充填されていることが好ましい。
このような構成の電極カテーテルによれば、中央ルーメンへの液体の浸入を確実に防止することができる。
【0022】
(3)本発明の電極カテーテルにおいて、前記絶縁性灌注部材および前記先端電極の基端部表面に形成された複数の案内溝の各々は、外側に傾斜しながら先端方向に延びるていることが好ましい。
このような構成の電極カテーテルによれば、ある程度サイズの大きな先端電極(例えば、カテーテルシャフトの管径と同等以上の径を有する先端電極)の表面に対しても十分に灌注することが可能になる。
【0023】
(4)本発明の電極カテーテルにおいて、前記先端電極の先端が膨出しており、当該先端電極の最大径をD1、前記カテーテルシャフトの管径をD2とするとき、D1/D2の値が1.0以上であることが好ましい。
【0024】
このような構成の電極カテーテルによれば、先端電極において焼灼治療に十分な表面積が確保することができる。
【0025】
(5)本発明の電極カテーテルにおいて、前記カテーテルシャフトには、先端偏向操作を行うための引張ワイヤが延在するルーメンが前記中央ルーメンの周囲に形成され、前記絶縁性灌注部材には、前記引張ワイヤの挿通路が形成されていることが好ましい。
【0026】
(6)この場合において、前記カテーテルシャフトに形成された引張ワイヤが延在するルーメンが、第3の継手チューブを介して、前記絶縁性灌注部材における引張ワイヤの挿通路に連通されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明の電極カテーテルによれば、焼灼時において先端電極の一部に異常な温度上昇が生じることがなく、先端電極の表面の冷却効果および先端電極の表面における血栓の形成抑制効果に優れ、しかも、効率的な焼灼治療を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の電極カテーテルの一実施形態に係るアブレーションカテーテルの正面図である。
【図2】図1に示したアブレーションカテーテルの先端部分を示す正面図である。
【図3】図1に示したアブレーションカテーテルの先端部分における縦断面図(図2の III−III 断面図)である。
【図4】図1に示したアブレーションカテーテルの先端部分における横断面図(図3のIV−IV断面図)である。
【図5】図1に示したアブレーションカテーテルの先端部分における横断面図(図3のV−V断面図)である。
【図6】図1に示したアブレーションカテーテルの先端部分における縦断面図(図4のVI−VI断面図)である。
【図7】図1に示したアブレーションカテーテルの先端部分における横断面図(図6の VII−VII 断面図)である。
【図8】図1に示したアブレーションカテーテルを構成する灌注部材を示す斜視図である。
【図9】図1に示したアブレーションカテーテルを構成する灌注部材を示す斜視図である。
【図10】図1に示したアブレーションカテーテルを構成する灌注部材の内部を示す断面斜視図である。
【図11】灌注部材のジャケット空間に継手チューブが挿入された状態を示す斜視図である。
【図12】ジャケット空間に継手チューブが挿入された状態の灌注部材の内部を示す断面斜視図である。
【図13】継手チューブが挿入された絶縁性灌注部材のジャケット空間にシール材が充填された状態を示す斜視図である。
【図14】図1に示したアブレーションカテーテルにおいて、カテーテルチューブと、灌注部材と、先端電極との接続状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の電極カテーテルの一実施形態について図面を用いて説明する。
図1乃至図7に示す電極カテーテルは、心臓における不整脈の治療に用いられるアブレーションカテーテルである。
【0030】
この実施形態のアブレーションカテーテル100は、液体の流路となる8本のルーメン11を有するカテーテルシャフト10と、このカテーテルシャフト10の先端側に接続された絶縁性の灌注部材20と、この灌注部材20の先端側に接続された先端電極30と、カテーテルシャフト10の先端部に装着されたリング状電極40と、カテーテルの先端偏向操作を行うための引張ワイヤ61,62と、カテーテルシャフト10の基端側に接続された制御ハンドル70と、液体の注入管78とを備えてなり、
カテーテルシャフト10には、先端電極30に接続されたリード線(図示省略)を延在させる(引き通す)ための中央ルーメン13と、この中央ルーメン13の周囲に等角度間隔(36°間隔)で配置された10本のルーメン(液体の流路となる8本のルーメン11および引張ワイヤの挿通路となる2本のルーメン12)とが形成され、
灌注部材20は、先端電極30の内側凹部35に連通する空間を区画する内管部23と、外管部(外管薄肉部21および外管厚肉部22)との二重管構造を有し、灌注部材20には、カテーテルシャフト10のルーメン11の各々から供給される液体の貯留空間として、内管部23と外管部(外管薄肉部21および外管厚肉部22)とにより仕切られたジャケット空間(以下、「貯留ジャケット空間」という)24が形成されているとともに、この貯留ジャケット空間24に供給された液体を排出するために、灌注部材20の外周に沿って等角度間隔(45°間隔)に配置された8つの開口25と、これらの開口25の各々から先端方向に延びる液体の案内溝26とが形成され、
先端電極30の基端部(頸部32)には、灌注部材20の案内溝26の各々に連続する液体の案内溝36が形成されており、
カテーテルシャフト10の先端部(先端に形成された凹部)に灌注部材20の基端部(内管部23および外管薄肉部21)が挿入されることにより、カテーテルシャフト10の先端側に灌注部材20が接続され、
カテーテルシャフト10に形成された中央ルーメン13が、第1の継手チューブ51を介して、灌注部材20の内管部23の内部空間と連通し、カテーテルシャフト10に形成された8本のルーメン11(液体の流路となるルーメン)の各々が、第2の継手チューブ52を介して、灌注部材20の貯留ジャケット空間24と連通し、カテーテルシャフト10に形成された2本のルーメン12(引張ワイヤの挿通路となるのルーメン)の各々が、第3の継手チューブ53を介して、灌注部材20における引張ワイヤの挿通路27と連通している電極カテーテルである。
【0031】
図1に示した注入管78は、制御ハンドル70の内部を通ってカテーテルシャフト10に接続されており、この注入管78を通って、カテーテルシャフト10のルーメン11に液体が供給される。ここに、「液体」としては、生理食塩水を例示することができる。
【0032】
図1に示した制御ハンドル70は、カテーテルチューブ10の基端側に接続されており、カテーテルの先端偏向操作を行うための回転板75を備えている。
【0033】
図7に示すように、アブレーションカテーテル100を構成するカテーテルシャフト10には、その中心軸を囲むように形成され、先端電極30およびリング状電極40の各々に接続されたリード線(図示省略)などが引き通される中央ルーメン13と、この中央ルーメン13の周りに等角度(36°=360°/10)の間隔で配置された10本のルーメンが形成されている。
【0034】
中央ルーメン13の周りに等間隔で形成されている10本のルーメンは、同一の外径を有している。10本のルーメンのうちの2本のルーメン12には、アブレーションカテーテル100の先端偏向操作を行うための引張ワイヤ61,62が挿通されている。そして、引張ワイヤ61,62が挿通されていない8本のルーメン11が液体の流路となる。
【0035】
なお、図7において、15は、引張ワイヤ61,62による偏向操作を確実に行わせるためにカテーテルシャフト10内に埋め込まれた剛性体である。
剛性体15は、Ni−Ti合金などの金属製の棒ばねからなり、曲げ方向(引張ワイヤ61,62の配列方向)に対して垂直方向に配列された剛性体15,15により曲げ方向の異方性を担保することができる。
【0036】
カテーテルシャフト10は、軸方向に沿って同じ特性の材料で構成してもよいが、軸方向に沿って剛性(硬度)の異なる材料を用いて一体的に形成することが好ましい。具体的には、近位端側の構成材料が相対的に高い剛性を有し、遠位端側の構成材料が相対的に低い剛性を有するものであることが好ましい。
【0037】
カテーテルシャフト10は、例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリウレタン、ナイロン、PEBAX(ポリエーテルブロックアミド)などの合成樹脂で構成される。また、カテーテルシャフト10の近位端側は、これらの合成樹脂からなるチューブをステンレス素線で編組したブレードチューブであってもよい。
【0038】
カテーテルシャフト10の外径は1.0〜3.0mmであることが好ましく、更に好ましくは1.6〜2.7mmとされ、好適な一例を示せば2.36mmである。
カテーテルシャフト10の長さは600〜1500mmであることが好ましく、更に好ましくは900〜1200mmとされる。
【0039】
灌注部材20を示す図8〜図10において、21は外管薄肉部、22は外管厚肉部、23は内管部、24は貯留ジャケット空間、25は貯留ジャケット空間24内の液体を排出するための開口、26は液体の案内溝、27は引張ワイヤの挿通路、28は中央開口、29は抜け止め用凸部である。
この灌注部材20において、開口25、液体の案内溝26は、それぞれ、灌注部材20の外周に沿って45°間隔で8つずつ設けられている。
【0040】
灌注部材20は、絶縁性樹脂または絶縁性セラミックの成型品からなる。これにより、複雑な形状・構造であっても、安価に製造することができるとともに、灌注部材20にエッジが形成されていても、アブレーションカテーテル100の使用(焼灼)時に、エッジ部分に電流が集中して高温になることはない。
【0041】
図6、図9および図10に示したように、アブレーションカテーテル100を構成する灌注部材20は、内管部23と、外管部(外管薄肉部21および外管厚肉部22)との二重管構造を有しており、内管部23と外管部(外管薄肉部21および外管厚肉部22)とにより貯留ジャケット空間24が仕切られている。
【0042】
内管部23の内部空間は、先端電極30の内側凹部35に連通する空間である。
内管部23と外管部(外管薄肉部21および外管厚肉部22)とにより仕切られる貯留ジャケット空間24は、カテーテルシャフト10のルーメン11の各々から灌注部材20に供給される液体を合流させるための空間である。
図9および図10に示したように、貯留ジャケット空間24は、引張ワイヤの挿通路27を区画する管状部分によって2室に分割されている。
貯留ジャケット空間24には、挿通路27を区画する管状部分以外に、周方向の隔壁がないために、貯留ジャケット空間24(何れかの室)に流入した液体を当該室内において周方向に自由に流動させることができる。
【0043】
灌注部材20には、その外周に沿って等角度間隔(45°間隔)に配置された8つの開口25が形成されている。開口25は、貯留ジャケット空間24に貯留された液体を排出するための噴射口である。
【0044】
また、灌注部材20の先端部(外部)には、開口25の各々の形成位置から先端方向に延びる液体の案内溝26が形成されている。
この案内溝26により、開口25から排出(噴射)される液体を、先端電極30に向けて確実に案内(誘導)することができる。
【0045】
また、図6に示すように、案内溝26の各々は、灌注部材20の軸方向に対して外側(灌注部材20の半径方向の外側)に傾斜するように形成されている。
これにより、開口25から排出された液体は、先端方向外側(灌注部材20の軸方向における先端側で、かつ半径方向における外側)に向けて噴射される。このため、ある程度サイズの大きな先端電極30の表面に対しても灌注することが可能になる。
【0046】
また、図3および図8〜図10に示したように、灌注部材20には、先端偏向操作を行うための引張ワイヤの挿通路27が形成されている。
引張ワイヤ61,62は、それぞれの近位端が、制御ハンドル70の回転板75(図1参照)に連結され、図3に示したように、カテーテルシャフト10のルーメン12,12、灌注部材20の挿通路27,27を通り、それぞれの遠位端が、灌注部材20の先端において固定されている。
これにより、例えば、図1に示すA1方向に回転板75を回転させると、引張ワイヤ61が引っ張られ、カテーテル100の先端部分が矢印A方向に偏向動作し、図1に示すB1方向に回転板75を回転させると、引張ワイヤ62が引っ張られ、カテーテル100の先端部分が矢印B方向に偏向動作する。
【0047】
灌注部材20の構成する樹脂材料としては、医療分野で使用されている絶縁性樹脂であれば特に限定されるものではないが、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの芳香族ポリエーテルケトンなどが好ましい。また、灌注部材20の構成するセラミック材料としても特に限定されるものではない。灌注部材20は、例えば射出成形により製造することができる。
【0048】
灌注部材20の長さ(カテーテルシャフト10に接続するときに埋め込まれる部分を含む)は、例えば1〜5mmとされ、好適な一例を示せば2mmである。
灌注部材20の外径(外管厚肉部22における外径)は、カテーテルシャフト10の外径と同じであることが好ましい。
【0049】
図3および図6に示したように、カテーテルシャフト10の先端部分(先端から1〜5mm程度の範囲に形成された凹部)に、灌注部材20の基端部(内管部23および外管薄肉部21)が挿入されることにより、カテーテルシャフト10の先端側に灌注部材20が接続されている。
【0050】
この状態において、カテーテルシャフト10の先端部分(凹部)における中央ルーメン13の開口縁(開口の周囲の端面部分)と、灌注部材20の内管部23の基端側端面とが当接しているとともに、中央ルーメン13の先端領域(開口から1〜10mm程度)、および内管部23の内部空間の基端領域(基端から0.5〜5mm程度)には、第1の継手チューブ51が挿入されている。
これにより、カテーテルシャフト10の中央ルーメン13は、第1の継手チューブ51を介して、灌注部材20の内管部23の内部空間と連通している。
【0051】
また、図6に示したように、この状態において、カテーテルシャフト10の先端部分(凹部)におけるルーメン11の各々の先端領域(開口から1〜10mm程度)、および貯留ジャケット空間24の基端領域(基端から0.5〜5mm程度)には、第2のカテーテルチューブ52が挿入されている。
これにより、カテーテルシャフト10に形成された8本のルーメン11(液体の流路となるルーメン)の各々は、第2の継手チューブ52を介して、灌注部材20の貯留ジャケット空間24と連通している。
【0052】
また、図3に示したように、この状態において、カテーテルシャフト10の先端部分(凹部)における2本のルーメン12の各々の先端領域(開口から1〜10mm程度)、および引張ワイヤの挿通路27の基端領域(基端から0.5〜3mm程度)には、第3の継手チューブ53が挿入されている。
これにより、カテーテルシャフト10に形成された2本のルーメン12(引張ワイヤの挿通路となるルーメン)の各々は、第3の継手チューブ53を介して、灌注部材20における引張ワイヤの挿通路27と連通している。
【0053】
図11および図12は、灌注部材20に継手チューブが挿入された状態を示している。ここに、第1の継手チューブ51、第2の継手チューブ52および第3の継手チューブ53は、それぞれ、内管部23の内部空間、貯留ジャケット空間24、引張ワイヤの挿通路27に挿入されている。
【0054】
ここで、第2の継手チューブ52の貯留ジャケット空間24への挿入を確保するため、図9に示したように、灌注部材20を構成する内管部23の外周および外管部の内周には、第2の継手チューブ52の挿入を確保するための溝23Cおよび溝21Cが形成されている。溝23Cおよび溝21Cは、第2の継手チューブ52の外周に適合する形状を有している。これらの溝が形成されていることにより、貯留ジャケット空間24への継手チューブの挿入作業の容易化を図ることができる。
また、内管部23と外管部(外管薄肉部21)の肉厚が十分に確保されることにより、灌注部材20の成形の容易化を図ることができる。そのような溝を形成しない場合には、継手チューブを挿入するために、内管部および外管部の肉厚をきわめて薄くしなければならず、灌注部材の成形性に問題を生じるおそれがある。
【0055】
図13は、第2の継手チューブ52が挿入された灌注部材20の貯留ジャケット空間24(継手チューブの間の空隙部分)にシール材80が充填された状態を示している。
これにより、中央ルーメン13への液体の浸入を確実に防止することができる。
【0056】
アブレーションカテーテル100を構成する先端電極30は、半球状の先端膨出部31と、頸部32と、円筒状部分33とを有する。
【0057】
図3および図6に示したように、先端電極30は、その円筒状部分33が、図8に示す中央開口28から灌注部材20の内部(内管部23の内部空間)に挿入固着されることにより、灌注部材20の先端側に接続される。
【0058】
先端電極30の先端膨出部31の径としては1.0〜3.3mmであることが好ましく、更に好ましくは2.2〜2.6mm、特に好ましくは2.3〜2.5mm、好適な一例を示せば2.36mmである。
【0059】
また、先端膨出部31の径(先端電極30の最大径)をD1、カテーテルシャフト10の管径をD2とするとき、D1/D2の値が1.0以上であることが好ましく、更に好ましくは1.0〜1.5とされ、好適な一例を示せば1.0(D1/D2=2.36mm/2.36mm)である。
D1/D2の値が過小である場合には、そのような先端電極を備えたカテーテルにより効率的な焼灼治療を行うことが困難となる。
他方、D1/D2の値が過大である場合には、そのような先端電極の表面に対して十分な量の液体を灌注すること(十分に冷却効果・血栓の形成抑制効果を発現させること)が困難となる。
【0060】
なお、D1/D2の値が1.0以上である先端電極30の表面に対して十分な量の液体を灌注できるのは、灌注部材20に形成されている案内溝26の各々を、灌注部材20の軸方向に対して外側(灌注部材20の半径方向の外側)に傾斜させていることによって、傾斜させない場合よりも開口25を外側に位置させているからである。この点においても、灌注部材20を介在させる意義がある。
【0061】
また、先端電極30の基端部(頸部32)には、灌注部材20の案内溝26の各々に連続する液体の案内溝36が形成されている。
この案内溝36が形成されていることにより、灌注部材20に形成された案内溝26を通って先端電極30の基端部に到達した液体を、先端電極30の先端部に案内(誘導)することができ、これにより、先端膨出部31を含む先端電極30の表面全体に対して液体を供給することができる。
なお、先端電極30に形成された案内溝36は緩やかなR形状を有しているので、焼灼時においても、この部分において異常な温度上昇は起こらない。
【0062】
この実施形態のアブレーションカテーテル100は下記のようにして製造することができる。
先ず、内管部23の内部空間の基端領域に第1の継手チューブ51の先端側を挿入し、貯留ジャケット空間24の基端領域に8本の第2の継手チューブ52の先端側を挿入し、第2の継手チューブ52を挿入した貯留ジャケット空間24の基端領域(継手チューブの間の空隙部分)にシール材80を充填し、引張ワイヤの挿通路27の基端領域に2本の第3の継手チューブ53の先端側を挿入し、引張ワイヤの挿通路27(第3の継手チューブ53)に引張ワイヤ61,62を挿入した状態の灌注部材20を準備する。
次いで、図14に示すように、第1の継手チューブ51の基端側が中央ルーメン13に挿入され、第2の継手チューブ52の各々の基端側がルーメン11に挿入され、引張ワイヤ61,62および第3の継手チューブ53の各々の基端側がルーメン12に挿入されるようにして、灌注部材20の基端部(内管部23および外管薄肉部21)を、カテーテルシャフト10の先端部分(凹部)に挿入する。これによって、カテーテルシャフト10の先端側に灌注部材20が接続される。なお、引張ワイヤ61,62の後端は、制御ハンドル70の回転板75(図1参照)に連結する。
次いで、図14に示したように、先端電極30の円筒状部分33を、中央開口28から灌注部材20の内部(内管部23の内部空間)に挿入固着することにより、灌注部材20の先端側に先端電極30を接続する。
【0063】
この実施形態のアブレーションカテーテル100によれば、液体を噴射する開口25が絶縁性の灌注部材20に形成されていて、導電性の先端電極30には開口を形成する必要がなく、開口の形成に伴うエッジが存在しないので、アブレーションカテーテル100の使用時(焼灼時)において先端電極30の一部に異常な温度上昇(高温部)を生じることはなく、そのような高温部に血液が接触することによる血栓の形成が抑制される。
従って、このアブレーションカテーテル100は、先端電極に灌注用の開口が形成されている従来公知のカテーテルと比較して、先端電極30の表面における血栓形成抑制効果が格段に優れている。
しかも、先端電極30には開口を形成する必要がないので、焼灼するために十分な表面積を確保することができ、効率的な焼灼治療を行うことができる。
【0064】
また、この実施形態のアブレーションカテーテル100によれば、後方にある灌注部材20から先端電極30の表面に対して液体が灌注されるので、先端電極30の表面に十分な量の液体を接触させることができる。
しかも、先端電極30の表面に灌注される液体は、先端電極30の基端部(頸部32)から先端部(先端膨出部31)に向かって、先端電極30の表面に沿うように流れる(先端電極30の周辺の血液は十分に攪拌・希釈される)。
従って、このアブレーションカテーテル100は、先端電極に灌注用の開口が形成されている従来公知のカテーテルと比較して、先端電極30の表面の冷却効果に優れるとともに、先端電極30の周辺の血液が十分に攪拌・希釈されることによって、更に優れた血栓形成抑制効果が奏される。
【0065】
また、灌注部材20の外周に沿って等角度(45°)間隔に配置された8つの開口25と、これらの開口25の各々の形成位置から先端方向に延びる8本の案内溝26とが形成されているので、先端電極30の表面を周方向の全域(360°)にわたり灌注することができる。
【0066】
また、カテーテルシャフト10の外周に沿って配置されているルーメン11の各々から灌注部材20に供給された液体は、貯留ジャケット空間24において合流して流れを整えた後、灌注部材20の外周に沿って等角度(45°)間隔で配置された8つの開口25の各々から排出(噴射)されるので、カテーテルシャフト10から灌注部材20に供給される液体の量に周方向のバラツキ(例えば、液体の流路とならないルーメン12が形成され、液体の流路であるルーメン11が全周にわたって形成されていないことに起因するバラツキ)があるにも関わらず、8つの開口25の間で噴射する液量にはバラツキがなくなり、先端電極30の表面を周方向の全域(360°)にわたり均等に灌注することができる。
【0067】
また、灌注部材に、開口25の各々の形成位置から先端方向に延びる液体の案内溝26が形成されていることにより、開口25の各々から排出(噴射)される液体を、先端電極30に向けて確実に案内(誘導)することができる。
【0068】
また、先端電極30の基端部(頸部32)表面に、案内溝26の各々に連続する液体の案内溝36が形成されていることにより、灌注部材20に形成された案内溝26を通って先端電極30の基端部に到達した液体を、先端電極30の先端部(先端膨出部31)に案内(誘導)することができ、これにより、先端電極30の表面全体に液体を供給することができる。
【0069】
また、カテーテルシャフト10の先端部(凹部)に灌注部材20の基端部(内管部23および外管薄肉部21)が挿入されることによって、カテーテルシャフト10の先端側に灌注部材20が接続され、カテーテルシャフト10に形成された中央ルーメン13が第1の継手チューブ51を介して灌注部材20の内管部23の内部空間と連通し、カテーテルシャフト10に配置された8本のルーメン11の各々が第2の継手チューブ52を介して灌注部材20の貯留ジャケット空間24と連通し、カテーテルシャフト10に配置された2本のルーメン12の各々が第3の継手チューブ53を介して灌注部材20の挿通路27と連通し、第2の継手チューブ52が挿入された貯留ジャケット空間24にシール材80が充填されていることにより、カテーテルシャフト10の先端部と、灌注部材20の後端部との接続を確実なものとすることができる。
【0070】
また、カテーテルチューブ10の中央ルーメン13と灌注部材20の内管部23の内部空間とが第1の継手チューブ51を介して連通していることにより、先端電極30のリード線などを、先端電極30の内側凹部35、灌注部材20の内管部23の内部空間およびカテーテルシャフト10の中央ルーメン13に延在させることができる。
【0071】
また、カテーテルチューブ10のルーメン11の各々と灌注部材20の貯留ジャケット空間24とが第2の継手チューブ52を介して連通していることによって、ルーメン11の各々からの液体を貯留ジャケット空間24に確実に供給させることができる。
また、ルーメン11の各々の先端領域および貯留ジャケット空間24の基端領域に挿入することによって第2の継手チューブ52を介在させるとともに、貯留ジャケット空間24(隣り合う第2の継手チューブ52の間の空隙部分)にシール材80が充填されていることにより、カテーテルシャフト10の先端面(ルーメン11の開口面)と灌注部材20の基端面との当接箇所からの液体の漏れ(これに伴う中央ルーメン13への液体の浸入)を確実に防止することができる。
【0072】
また、灌注部材20に形成された案内溝26および先端電極30に形成された案内溝36の各々は、灌注部材20の軸方向に対して外側に傾斜するように形成されているので、ある程度サイズの大きな先端電極(D1/D2の値が1.0以上である先端電極30)の表面に対しても十分に灌注することができる。
【0073】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、灌注部材における開口の数は8でなくてもよく、例えば3〜12の範囲で適宜選択することができる。
また、カテーテルシャフトの内部構造についても、液体の流路となるルーメンを少なくとも1つ有するものであれば、特に制限されるものではない。
また、先端電極の形状は特に限定されるものではなく、砲弾形状などであってもよい。但し、電極カテーテルの使用時(焼灼時)において電流が集中する鋭いエッジが形成されていないことが必要である。
【符号の説明】
【0074】
100 アブレーションカテーテル
10 カテーテルシャフト
11 ルーメン(液体の流路)
12 ルーメン(引張ワイヤの挿通路)
13 中央ルーメン(リード線の挿通路)
15 剛性体(針金)
20 灌注部材
21 外管部(外管薄肉部)
22 外管部(外管厚肉部)
23 内管部
24 貯留ジャケット空間
25 開口
26 液体の案内溝
27 引張ワイヤの挿通路
29 抜け止め用凸部
30 先端電極
31 先端膨出部
32 頸部
33 円筒状部分
35 内側凹部
36 液体の案内溝
40 リング状電極
51 第1の継手チューブ
52 第2の継手チューブ
53 第3の継手チューブ
61 引張ワイヤ
62 引張ワイヤ
70 制御ハンドル
75 回転板
78 液体の注入管
80 シール材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の流路となるルーメンを少なくとも1つ有するカテーテルシャフトと、
このカテーテルシャフトの先端側に接続された絶縁性灌注部材と、
この絶縁性灌注部材の先端側に接続された先端電極とを備えてなり、
前記絶縁性灌注部材には、前記カテーテルシャフトから供給される液体の貯留空間と、当該貯留空間内の液体を排出するために、前記絶縁性灌注部材の外周に沿って等角度間隔に配置された複数の開口と、前記複数の開口の各々から先端方向に延びる液体の案内溝とが形成され、
前記先端電極の基端部には、前記絶縁性灌注部材の案内溝の各々に連続する液体の案内溝が形成され、
前記カテーテルシャフトには、前記先端電極のリード線を延在させるための中央ルーメンが形成されているとともに、液体の流路となるルーメンが、前記中央ルーメンの周囲に複数配置され、
前記絶縁性灌注部材は、前記先端電極の内側凹部に連通する空間を区画する内管部と、外管部との二重管構造を有し、前記液体の貯留空間は、前記内管部と外管部とにより仕切られたジャケット空間であり、
前記カテーテルシャフトの先端部に前記絶縁性灌注部材の基端部が挿入されることにより、当該カテーテルシャフトの先端側に当該絶縁性灌注部材が接続され、
前記カテーテルシャフトに形成された中央ルーメンが、第1の継手チューブを介して、前記絶縁性灌注部材の内管の内部空間と連通し、
前記カテーテルシャフトに配置された液体の流路となる複数のルーメンの各々が、第2の継手チューブを介して、前記絶縁性灌注部材のジャケット空間と連通していることを特徴とする電極カテーテル。
【請求項2】
前記第2の継手チューブが挿入された前記絶縁性灌注部材のジャケット空間にシール材が充填されていることを特徴とする請求項1に記載の電極カテーテル。
【請求項3】
前記絶縁性灌注部材および前記先端電極の基端部に形成された複数の案内溝の各々は、外側に傾斜しながら先端方向に延びるていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電極カテーテル。
【請求項4】
前記先端電極の先端が膨出しており、当該先端電極の最大径をD1、前記カテーテルシャフトの管径をD2とするとき、D1/D2の値が1.0以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電極カテーテル。
【請求項5】
前記カテーテルシャフトには、先端偏向操作を行うための引張ワイヤが延在するルーメンが前記中央ルーメンの周囲に形成され、
前記絶縁性灌注部材には、前記引張ワイヤの挿通路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の電極カテーテル。
【請求項6】
前記カテーテルシャフトに形成された引張ワイヤが延在するルーメンが、第3の継手チューブを介して、前記絶縁性灌注部材における引張ワイヤの挿通路に連通されていることを特徴とする請求項5に記載の電極カテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−176119(P2012−176119A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40808(P2011−40808)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(594170727)日本ライフライン株式会社 (83)
【Fターム(参考)】