説明

電極マウント、放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置

【課題】細いリード線であっても電極本体をガラスバルブ内面に対して高精度に取付けられる、電極マウント、放電ランプ、バックライトユニットおよび液晶表示装置を提供する。
【解決手段】ガラスバルブ101の内壁に蛍光体層110が形成され、ガラスバルブ101の内部に希ガス、又は希ガスと水銀とが封入され、ガラスバルブ101の両端にリード線106が気密に封着され、ガラスバルブ101の内部側におけるリード線106の端部のそれぞれに電極102が接続された放電ランプ100において、電極102は、その先端部及び外周面をガラスバルブ101の空間内部に突出して露出した状態で電極102の後端側の底面がガラスバルブ101の空間側端面に当接して設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極マウント、放電ランプおよび当該放電ランプを光源とするバックライトユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(以下LCD)のバックライトユニットに用いられる放電ランプ(冷陰極蛍光ランプ)は、LCDの大型化、薄型化に伴い、長尺化、細径化が進んでいる。この放電ランプは、筒状のガラスバルブと、ガラスバルブの両端に封着された冷陰極型の電極とを備える。電極は、例えば、有底筒状の電極本体とその底に取着されたリード線とを有し、リード線の一部分がガラスバルブの端部にガラスビーズを介して封着されている。このとき電極有底部とそれと対向するガラスビーズ端面とは隙間を有している(特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−253141号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、放電ランプは、液晶表示装置の薄型化に伴い細管化し、これにあわせて、電極(本体)の小型化が進んでいる。つまり、有底筒状の電極本体は、長寿命化を図るために、ガラスバルブ内面に対して、微小隙間を有して電極外径を最大にしている。
【0004】
放電ランプの細管化に伴い、リード線が太いと熱膨張による寸法変化が大きく、かつガラスビーズの径方向の封着しろも小さくなり、熱膨張に起因する封着部の割れが発生する。その割れを抑えるためにリード線の線径を細くすると、有底筒状の電極本体が管軸に対して傾斜してリード線で保持できなくなり、電極本体の先端が厚みの薄いガラスバルブ内面に当接し、点灯中に電極熱が当接部分に集中してガラスバルブ内面が溶ける恐れがあると言う問題があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、細いリード線であっても電極本体をガラスバルブ内面に対して高精度に取付けられる、電極マウント、放電ランプおよびこのランプを用いたバックライトユニット、液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1記載の電極マウントは、外周面に平面を有する電極と、この電極平面に接続されたリード線と、このリード線が保持されたガラスビーズまたはガラスステムとを備え、前記電極平面が前記ガラスビーズまたは前記ガラスステムの端面に当接して設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2記載の電極マウントでは、前記電極の形状は、有底筒状、棒状または円錐状であることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3記載の電極マウントでは、有底筒状または棒状の前記電極は、その電極先端部より電極後端側が径小となるテーパー状に形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4記載の電極マウントでは、前記電極は、この電極平面の中央部に接続されたリード線を有し、前記リード線の延伸外方から見たときに、前記電極平面が前記リード線を包囲する状態で前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面に接触していることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項5記載の電極マウントでは、前記ガラスビーズまたは前記ガラスステムには、前記電極平面に接続された少なくとも2本のリード線が保持され、かつ給排気管が2本のリード線間に配置されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項6記載の電極マウントでは、前記リード線の延伸外方から見たときに、前記電極平面の外周縁部が前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面に対して非接触であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項7記載の電極マウントでは、前記電極の平面は、前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面に面接触していることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項8記載の電極マウントでは、前記電極の平面と前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面との間にあって、前記電極中心を包囲するように、前記電極と前記ガラスビーズまたはガラスステムのいずれか一方に凸部を設け、前記電極が前記凸部を介して前記ガラスビーズまたはガラスステムに保持されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項9記載の電極マウントでは、前記電極平面とリード線とが接続された接続部には、前記接続部が収容される凹部を前記電極平面と前記ガラスビーズまたはガラスステムとのいずれか一方に設けたことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項10記載の電極マウントでは、前記リード線の長手方向の位置において、前記接続部の接続位置を前記電極平面と前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面とが接触する位置とほぼ同じ位置に設けたことを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項11記載の電極マウントでは、前記リード線に対する線膨張係数は、前記ガラスビーズまたはガラスステムがほぼ同じ材料であり、かつ前記電極と同じ材料または異なる材料であることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項12記載の電極マウントでは、前記電極は、ニッケル、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタン、タングステンあるいはその合金材料にて形成することを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項13記載の電極マウントでは、前記リード線の少なくとも一部が封着用線材からなることを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項14記載の放電ランプでは、一対の電極をガラスバルブの両端部に有する放電ランプにおいて、前記一対の電極の少なくとも一方は請求項1から13のいずれかに記載の電極マウントが前記ガラスバルブの貫通孔の端部に封着されていることを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項15記載の放電ランプでは、ガラスバルブの内壁に蛍光体層が形成され、前記ガラスバルブの内部に希ガス、又は希ガスと水銀とが封入され、前記ガラスバルブの両端にリード線が気密に封着され、前記ガラスバルブの内部側における前記リード線の端部のそれぞれに、電極が接続された放電ランプにおいて、前記電極は、その先端部及び外周面を前記ガラスバルブの空間内部に突出して露出した状態で前記電極の後端側の平面が前記ガラスバルブの空間側端面に当接して設けられていることを特徴とする放電ランプ。
【0021】
本発明の請求項16記載の放電ランプでは、前記電極は、その形状が有底筒状、棒状または円錐状であることを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項17記載の放電ランプでは、有底筒状または棒状の前記電極は、その電極先端部より電極後端側が径小となるテーパー状に形成されていることを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項18記載の放電ランプでは、前記ガラスバルブの内周面と前記筒状電極の外周面との最小距離(d)を0<d≦0.2[mm]の範囲で規制したことを特徴とする。
【0024】
本発明の請求項19記載の放電ランプでは、前記電極は、この電極底面の中央部に接続された前記リード線を有し、前記リード線の延伸外方から見たときに、前記電極底面が前記リード線を包囲する状態で前記ガラスバルブの内側端面に接触していることを特徴とする。
【0025】
本発明の請求項20記載の放電ランプでは、前記ガラスバルブの封止部の少なくとも一方には、前記電極底面に接続された少なくとも2本の前記リード線及びその2本のリード線間に給排気管が配置されていることを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項21記載の放電ランプでは、前記電極は、ニッケル、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタン、タングステンあるいはその合金材料にて形成することを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項22記載の放電ランプでは、前記リード線は少なくとも一部が封着用線材からなることを特徴とする。
【0028】
本発明の請求項23記載の放電ランプでは、前記リード線は、Fe、NiおよびCoを含む封着性合金であり、前記ガラスバルブは、ホウケイ酸ガラスからなることを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項24記載の放電ランプでは、前記ホウケイ酸ガラスは、紫外線吸収剤がドープされてなることを特徴とする。
【0030】
本発明の請求項25記載の放電ランプでは、前記紫外線吸収剤は、酸化チタンおよび酸化セリウムのうちのいずれか1つまたは複数の組み合わせからなることを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項26記載の放電ランプでは、前記リード線は、モリブデンまたはタングステンであり、前記ガラスバルブは、硬質ガラスからなることを特徴とする。
【0032】
本発明の請求項27記載の放電ランプでは、前記リード線は、ジュメット線であり、前記ガラスバルブは、軟質ガラスからなることを特徴とする。
【0033】
本発明の請求項28記載の放電ランプでは、前記ガラスバルブの両端部の外側に設けられ、前記電極のリード線と接合された給電端子とを備え、前記給電端子は、前記リード線との接合部分以外が、前記ガラスバルブの外表面上に形成された薄膜であることを特徴とする。
【0034】
本発明の請求項29記載の放電ランプでは、前記薄膜は、膜厚が5〜120[μm]であることを特徴とする。
【0035】
本発明の請求項30記載の放電ランプでは、前記リード線は、前記ガラスバルブの外表面から前記ガラスバルブの管軸方向に向けて突出する突出部分で前記給電端子と接合されており、前記突出部分の前記管軸方向の長さが1[mm]以下であることを特徴とする。
【0036】
本発明の請求項31記載の放電ランプでは、前記給電端子は、少なくとも前記接合部分が半田で形成されていることを特徴とする。
【0037】
本発明の請求項32記載のバックライトユニットでは、光源として、請求項14から31のいずれかに記載の放電ランプが搭載されていることを特徴とする。
【0038】
本発明の請求項33記載の液晶表示装置では、上記バックライトユニットが搭載されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明の請求項1記載の電極マウント構成により、電極平面側が端面側に当接して設けられているので、細いリード線であっても電極をガラスビーズまたはガラスステムに高精度に取付けることができる。また、電極は熱膨張による径方向の寸法変化を放電空間側で吸収でき、かつ、細いリード線は熱膨張による径方向の寸法変化を小さくできるので、熱膨張に起因する封着部の割れを防止することができる。さらに、細いリード線を用いるとガラスビーズまたはガラスステムの径方向の封着しろを大きくすることができるので、さらに、熱膨張に起因する封着部の割れを抑制することができる。
【0040】
本発明の請求項2記載の電極マウント構成により、特に電極の形状を有底筒状にすることで、特にガラスバルブの内径(D)が1〜8[mm]と細いものでは放電面積が大きくなり、電極の長寿命化を図ることができる。
【0041】
本発明の請求項3記載の電極マウント構成により、有底筒状または棒状の電極をその電極先端部より電極後端側が径小となるテーパー状に形成されているので、例えば、ガラスバルブの端部にガラスビーズまたはガラスステムを封着した際に、径小となるテーパー状の電極の外周面とガラスバルブの内周面との当接を防止することができる。その結果、封着部の割れを抑制することができる。
【0042】
本発明の請求項4記載の電極マウント構成により、リード線の延伸外方から見たときに、電極平面がリード線を包囲する状態でガラスビーズまたはガラスステムの端面に接触しているので、細いリード線で電極をガラスビーズまたはガラスステムに高精度でかつ頑固に取付けることができる。
【0043】
本発明の請求項5記載の電極マウント構成により、ガラスビーズまたはガラスステムには、電極平面に接続された少なくとも2本のリード線が保持され、かつ給排気管が2本のリード線間に配置されているので、特にガラスバルブの内径(D)が8[mm]以上の大きいものにおいても、細いリード線で電極をガラスビーズまたはガラスステムに高精度でかつ頑固に取付けることができる。
【0044】
本発明の請求項6記載の電極マウント構成により、前記リード線の延伸外方から見たときに、前記電極平面の外周縁部が前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面に対して非接触であるので、前記電極平面の外周縁部が熱膨張により変化しても、前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面に引っかかることなくスムーズに電極の径方向に伸縮することができる。その結果、前記電極の径方向の伸縮により発生するガラスビーズまたはガラスステムの割れを抑制することができる。
【0045】
本発明の請求項7記載の電極マウント構成により、電極の平面をガラスビーズまたはガラスステムの端面に面接触しているので、電極とリード線及びガラスビーズまたは、電極とリード線及びガラスステムとが線膨張係数が異なったとしても電極が径方向及び軸方向に伸縮できる。その結果、特に前記電極とリード線及びガラスビーズまたは、電極とリード線及びガラスステムの軸方向の伸縮により発生するガラスビーズまたはガラスステムの割れを抑制することができる。
【0046】
本発明の請求項8記載の電極マウント構成により、前記電極が前記凸部を介して前記ガラスビーズまたはガラスステムに保持されているので、熱膨張により電極が径方向にスムーズに伸縮することができる。その結果、前記電極の径方向の伸縮により発生するガラスビーズまたはガラスステムの割れを抑制することができる。
【0047】
本発明の請求項9記載の電極マウント構成により、電極平面とリード線とが接続された接続部には、前記接続部が収容される凹部を電極平面とガラスビーズまたはガラスステムとの一方に設けているので、前記接続部が熱膨張しても前記凹部により熱膨張を吸収することができる。その結果、電極の変形、ガラスビーズまたはガラスステムの割れを防止することができる。
【0048】
本発明の請求項10記載の電極マウント構成により、前記リード線の長手方向の位置において、前記接続部の接続位置を前記電極平面と前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面とが接触する位置とほぼ同じ位置に設けたことで、電極とリード線またはガラスビーズもしくはガラスステムとの線膨張係数が異なっても、前記接続部の接続位置を基点に電極とリード線またはガラスビーズもしくはガラスステムが伸縮する。その結果、電極をガラスビーズまたはガラスステムに高精度でかつ頑固に取付けることができる。
【0049】
本発明の請求項11記載の電極マウント構成により、前記リード線に対する線膨張係数については、ガラスビーズまたはガラスステムがほぼ同じ材料であり、かつ電極と同じ材料または異なる材料であっても、ガラスビーズまたはガラスステムに接触した電極平面を基準に電極が伸縮する。その結果、前記異なる材料であっても電極線膨張係数に起因するガラスビーズまたはガラスステムの割れを防止することができる。
【0050】
本発明の請求項12記載の電極マウント構成により、電極としてニッケルを用いれば安価にでき、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタン、タングステンあるいはその合金材料を用いれば長寿命にすることができる。
【0051】
本発明の請求項13記載の電極マウント構成により、リード線の少なくとも一部が封着用線材で構成されているので、ガラスビーズまたはガラスステムとの気密性を保つことができる。
【0052】
本発明の請求項14記載の放電ランプ構成により、請求項1から13のいずれかに記載の電極マウントがガラスバルブの貫通孔の端部に封着されているので、ガラスバルブの貫通孔の端部に電極マウントを高精度に取付けることができる。また、ガラスバルブに電極マウントを封着する際、電極は熱膨張による径方向の寸法変化を放電空間側で吸収でき、かつ、細いリード線は熱膨張による径方向の寸法変化を小さくできるので、熱膨張に起因する封着部の割れを防止することができる。また、細いリード線であるのでガラスビーズまたはガラスステムの径方向の封着しろを大きくすることができ、熱膨張に起因する封着部の割れをさらに抑制することができる。また、電極平面側が端面側に当接して設けられているので、電極平面とそれと対向するガラスビーズ端面とは隙間を有している従来の放電ランプに対して前記隙間分だけ有効発光長を長くすることができる。さらに、電極底部とそれと対向するガラスビーズ端面とに隙間がないので、点灯中において放電が電極マウントのリード線に移行しにくくなり、リード線のスパッタリングを抑制して水銀の消耗速度を抑えることができ、ランプの長寿命化を図ることができる。
【0053】
本発明の請求項15記載の放電ランプ構成により、電極として、有底筒状、棒状または円錐状の種々の形状を使用することができる。特に電極として、有底筒状を用いると、その筒状内面に放電が集中するため、ガラスバルブの内径(D)が1〜6mmと細いものにおいて有底筒状部の外径をガラスバルブの内径近傍まで大きくすることができる。その結果、有底筒状部の内面の放電面積が大きくなり電極の長寿命化や、有底筒状部の外周面において放電を防止することができるので、電極のスパッタリングによる水銀の消耗速度を抑えることができる。
【0054】
本発明の請求項16記載の放電ランプ構成により、電極の有底面がガラスバルブの封着された内側端面側に当接して設けられているので、細いリード線で電極を高精度に保持でき、かつ電極有底部とそれと対向するガラスバルブの封着された内側端面とは隙間を有している従来の放電ランプに対して前記隙間分だけ有効発光長を長くすることができる。また、有底筒状の電極であるので、特にガラスバルブの内径(D)が1〜8[mm]と細いものでは放電面積が大きくなり、電極の長寿命化を図ることができる。さらに、電極有底部とそれと対向するガラスビーズ端面とに隙間がないので、点灯中の放電がリード線に移行しにくくなり、リード線のスパッタリングを抑制して水銀の消耗速度を抑えることができ、さらにランプ寿命化を図ることができる。
【0055】
本発明の請求項17記載の放電ランプ構成により、有底筒状、棒状または円錐状の電極をその電極先端部より電極後端側が径小となるテーパー状に形成されているので、ガラスバルブの端部を封着した際に、電極平面側の外周縁とガラスバルブ端部側のガラスバルブの内面との当接を防止することができる。
【0056】
本発明の請求項18記載の放電ランプ構成により、ガラスバルブの内周面と筒状電極の外周面との最小距離(d)が0<d≦0.2[mm]の範囲で規制されているので、点灯中の放電が筒状電極の外側に移行しにくくなり、過剰のスパッタリングを抑制して水銀の消耗速度を抑えることができ、ランプの長寿命化を図ることができる。
【0057】
本発明の請求項19記載の放電ランプ構成により、リード線の延伸外方から見たときに、電極底面がリード線を包囲する状態でガラスバルブの内側端面に接触しているので、細いリード線で電極をガラスバルブの内側端面に高精度でかつ頑固に取付けることができる。
【0058】
本発明の請求項20記載の放電ランプ構成により、ガラスバルブの封止部の少なくとも一方には、電極底面に接続された少なくとも2本のリード線及びその2本のリード線間に給排気管が配置されているので、特にガラスバルブの内径(D)が8[mm]以上の大きいものにおいても、細いリード線で電極をガラスバルブの封止部に高精度でかつ頑固に取付けることができる。
【0059】
本発明の請求項21記載の放電ランプ構成により、電極としてニッケルを用いれば安価にでき、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタン、タングステンあるいはその合金材料を用いればスパッタリングが抑制され水銀の消耗速度を抑えることができ、長寿命にすることができる。
【0060】
本発明の請求項22記載の放電ランプ構成により、リード線の少なくとも一部が封着用線材で構成されているので、ガラスバルブの封止部における気密性を保つことができる。
【0061】
本発明の請求項23記載の放電ランプ構成により、リード線がFe、NiおよびCoを含む封着性合金であり、かつガラスバルブがホウケイ酸ガラスで構成されているのでガラスバルブの封止部における気密性を保つことができる。
【0062】
本発明の請求項24記載の放電ランプ構成により、紫外線吸収剤がドープされているので、紫外線を遮蔽することができる。その結果、紫外線による樹脂製の拡散板や反射板の劣化・変色を抑制することができ、ひいてはバックライトユニットの表面輝度の低下を抑制することができる。
【0063】
本発明の請求項25記載の放電ランプ構成により、紫外線吸収剤が酸化チタンおよび酸化セリウムのうちのいずれか1つまたは複数の組み合わせからなることで、特に、313[nm]紫外線が十分に遮蔽されており、特にPC樹脂製の拡散板や反射板の劣化・変色を抑制することができ、ひいてはバックライトユニットの表面輝度の低下を抑制することができる。
【0064】
本発明の請求項26記載の放電ランプ構成により、リード線がモリブデンまたはタングステンであり、かつガラスバルブが硬質ガラスで構成されているのでガラスバルブの封止部における気密性を保つことができる。
【0065】
本発明の請求項27記載の放電ランプ構成により、リード線がジュメット線であり、かつガラスバルブが軟質ガラスで構成されているのでガラスバルブの封止部における気密性を保つことができる。また、特にジュメット線を構成する銅は水銀を吸着し無効水銀となり水銀消耗しやすいが、電極有底部とそれと対向するガラスビーズ端面とに隙間がないので、ジュメット線への水銀吸着を抑制して水銀の消耗速度を抑える。
【0066】
本発明の請求項28記載の放電ランプ構成により、電極のリード線と接合された給電端子が、ガラスバルブの外表面上に薄膜で形成されている。そのため、給電端子は、外表面の面積が小さく、従来の給電端子と比べて放熱作用が小さい。したがって、リード線の温度が低下しにくく、リード線の周囲に水銀蒸気が集まりにくいため、放電路の水銀蒸気が不足してランプ輝度が低下する現象が起こりにくくなる。
【0067】
本発明の請求項29記載の放電ランプ構成により、薄膜の膜厚が5[μm]以上であるので十分なランプ輝度を得ることができる。つまり、薄膜の膜厚が5[μm]よりも薄いと、薄膜がガラスバルブから剥がれ易く実使用に耐えない。一方、薄膜の膜厚が厚くなり、給電端子の外表面の面積が大きくなり過ぎた場合、給電端子の放熱作用が大きくなり過ぎてリード線の温度が低くなるため、背景技術で説明した冷陰極蛍光ランプではリード線の周囲に水銀蒸気が付着することがあったが、この構成では電極の平面とガラスバルブの空間側端面に当接してリード線が隠れているのでリード線への水銀蒸気付着を抑制することができる。したがって、薄膜の膜厚さに対する自由度があり、かつ、薄膜の膜厚が厚くなり過ぎても放電路の水銀蒸気が不足して冷陰極蛍光ランプのランプ輝度が低下する現象が起こりにくい。
【0068】
本発明の請求項30記載の放電ランプ構成により、リード線の突出部分の管軸方向の長さが1[mm]以下である場合は、上記背景技術で説明した一般的なサイズの放電ランプにおいて、突出部分がランプ全体からみて突出し過ぎることがない。したがって、突出部分がぶつかって折れ曲がったり、突出部分が折れ曲がる際の応力によってリード線封着部が破損したりするおそれが少ない。
【0069】
本発明の請求項31記載の放電ランプ構成により、給電端子の少なくとも接合部分が半田で形成されている場合、公知のディップ法等で給電端子を形成することができる。特に、給電端子全体が半田で形成されている場合は、前記ディップ法で前記給電端子を形成し易い。そのため、部品の組み立てが必要な従来の給電端子と比べて、より簡単かつ安価に放電ランプを製造することができる。加えて、半田は、キャップ状の給電端子に使用される鉄・ニッケル合金よりも一般的に熱伝導性が低いため、前記給電端子の放熱作用をより小さくすることができる。そのため、ランプ輝度がより低下しにくい。
【0070】
本発明の請求項32記載のバックライトユニットの構成により、光源として、上記放電ランプが搭載しているため、長寿命でありながら、十分なランプ輝度を有する。また、上記放電ランプがランプ全長に対し有効発光長を長くすることができるので、ユニットの小型化を図ることができる。
【0071】
本発明の請求項33記載の液晶表示装置の構成により、上記放電ランプが搭載しているため、長寿命でありながら、十分なランプ輝度を有する。また、上記放電ランプがランプ全長に対し有効発光長を長くすることができるので、液晶表示装置の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0072】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるディスプレイ装置の1つである液晶テレビの概要を示す図である。
【0073】
図1に示す液晶表示装置10は、例えば32吋液晶テレビであり、液晶画面ユニット11とバックライトユニット12とを備える。
【0074】
本発明の実施の形態1における液晶テレビの液晶画面ユニット11は、カラーフィルタ基板、液晶、TFT基板、駆動モジュール等(図示せず)を備え、外部からの画像信号に基づいてカラー画像を形成する。
【0075】
図2は、バックライトユニット12を示す斜視図で、前面パネル21の一部を切り欠き、内部の構造を示す図である。
【0076】
バックライトユニット12は、例えば、複数の放電ランプ100(以下、「ランプ100」という)と、開口部を有しこれらのランプ100を収納する筐体13と、この筐体13の開口部を覆う前面パネル21と、複数のランプ100を点灯する点灯装置50(図3及び図4を参照)とを備える。
【0077】
筐体13は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂材料であって、その内面14にアルミニウム等の金属が蒸着され反射面が形成されている。
【0078】
ランプ100は、直管状をしており、その両端部に給電端子104、105を有する例えば16本のランプ100が筐体13内に直下方式で配置されている。なお、ランプ100の詳細な構成については後述する。
【0079】
点灯装置50は、図3及び図4に示すように、筐体13側の内面には各ランプ100の取り付け位置に対応する位置に配置された一組のU字状のランプホルダー15、16と、例えば、筐体13の外部に取り付けられ、ランプホルダー15、16に接続された各ランプ100を点灯させるための点灯制御回路60(図4参照)とから構成されている。
【0080】
ランプホルダー15、16は、導電性であり、例えば、ステンレス、りん青銅等の板材を折り曲げて形成したものである。そして、各ランプホルダー15(16)は、挟持板15a、15b(16a、16b)とそれら挟持板15a、15b(16a、16b)を下端縁で連結する連結片15c(16c)とからなる。挟持板15a、15b及び挟持板16a、16bには、ランプ100の給電端子104、105の外形に合わせた凹部が設けられており、その凹部内にランプ100の給電端子104、105をはめ込むことにより、挟持板15a、15b及び挟持板16a、16bの板ばね作用によって、各ランプ100が各ランプホルダー15、16に保持されるとともに、ランプホルダー15、16と給電端子104、105とが電気的に接続される。なお、ランプホルダー15、16の保持部分の幅Dは、ランプ点灯時のコロナ放電の発生を抑制するために、ランプ100の両端部の外側に設けられた給電端子104、105の領域内で保持できる寸法に設計している。
【0081】
そして、バックライトユニット12に設けられた各ランプ100には、図4に示す点灯制御回路60からランプホルダー15、16を介して電力が供給される。
【0082】
ここでは、ランプホルダー15、16により、複数本のランプ100のそれぞれが所定の間隔を保って略平行に保持され、かつ、隣り合う2本のランプ100における一方の給電端子104(図4においてはランプLa1、La2およびランプLa7、La8等の給電端子104)を保持するランプホルダー15同士が接続されている。その結果、例えば、2本の直管状のランプLa1、La2により、疑似屈曲管(U字管)を形成することができる。この構成によれば、インバータ本数を半分に減らすことができる疑似屈曲部(U字管)を形成することができることに加え、従来の屈曲部を有するランプに比べ、ランプ長方向(筐体内の左右両側)の輝度むらを少なくでき、かつ、ランプ100の封着部等の破損を防止し、ランプ100をワンタッチで着脱することができる。
【0083】
また、両端部に電極(以下で説明する「ホロー電極102」等である)を有する複数の直管状のランプ100を、例えば上下方向に所定の間隔を開けて配列しているため、発熱源となる前記電極が片側に集中することがないので、筐体13内の左右に温度差が生じることを防止でき、その結果、ランプの水銀蒸気圧の影響によるバックライトユニット12の輝度むらを抑制することができる。
【0084】
さらに、ランプホルダー15、16と筐体13との間には、ランプホルダー15、16と筐体13とを絶縁するポリカーボネートからなる絶縁板17が配置されている。また、上記実施の形態では、例えば、ランプLa1とランプLa2の給電端子104又はランプLa7とランプLa8の給電端子104が接続されているランプホルダー15は、U字状のランプホルダー15の1つ1つを金属基板15dに溶接したものである。なお、このランプホルダー15は、各ランプに対応するようにU字状のランプホルダー15の1つ1つを金属基板15dに溶接した複数の部品で構成されたものであるが、これに限らず、周知の方法により、1枚の板から各挟持板15a、15bを切り起こした1部品の構成のものでもよい。
【0085】
図4は、点灯装置50が備える点灯制御回路60の一例を示し、図4の(a)が点灯制御回路60を示す図で、図4の(b)が点灯制御回路60に接続された各ランプ100の接続関係を示す図である。
【0086】
例えば、点灯制御回路60は、(a)に示すように、直流電源(VDC)、直流電源(VDC)に接続されたスイッチ素子Q1、Q2およびコンデンサC2、C3、スイッチ素子Q1とスイッチ素子Q2の接続点とコンデンサC2とコンデンサC3の接続点との間に接続された昇圧トランスT1、T2(又は昇圧トランスT7、T8)、スイッチ素子Q1、Q2を交互にON−OFFさせるためのゲート信号を供給するインバータ制御ICから構成されたものである。
【0087】
また、トランス2次側においては、(b)に示すように、トランス2次側漏れインダクタンスと、トランス出力と筐体13の内面14およびランプに発生する寄生容量により直列共振回路を形成し、点灯制御回路60は、隣り合う2本のランプLa1、La2に位相差を略180度とした正弦波電流を供給する。
【0088】
なお、複数本のランプ100の接続は、図4の(b)に示すように、隣り合う2本のランプLa1、La2の一方の給電端子104を保持するランプホルダー15同士が接続され、疑似屈曲管(U字管)を形成する形態に限らず、図4の(c)に示すように、ランプホルダーが隣り合う2本のランプ100の一方同士の給電端子104又は他方同士の給電端子105を接続するものであって、複数本が配列された放電ランプ100(例えば、隣り合う2本のランプLa1、La2、隣り合う2本のランプLa2、La3、隣り合う2本のランプLa3、La4や隣り合う2本のランプLa9、La10、隣り合う2本のランプLa10、La11、隣り合う2本のランプLa11、La12等であり、以降、説明を分かりやすくするため、隣り合う2本のランプLa1、La2、隣り合う2本のランプLa2、La3、隣り合う2本のランプLa3、La4についてのみ説明する)において、隣り合う2本のランプLa1、La2の給電端子104の一方同士、次に隣り合う2本のランプLa2、La3の給電端子105の他方同士および次に隣り合う2本のランプLa3、La4の給電端子104の一方同士の順に接続するように、ランプホルダー15、16を千鳥状に配置したものでもよい。この構成によれば、さらに点灯制御回路を少なくすることができると共に、ランプホルダー15、16による千鳥状に配置するだけでハーネス処理ができ、つまり、各ランプホルダー15、16に対して点灯制御回路からの配線処理を行う必要がないので、ハーネス処理を軽減することができる。
【0089】
図2に戻って、筺体13の開口部は、ポリカーボネート樹脂製の拡散板18、拡散シート19及びアクリル樹脂製のレンズシート20を積層してなる透光性の前面パネル21で密閉されている。
【0090】
前面パネル21における拡散板18及び拡散シート19は、ランプ100から発せられた光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート20は、当該シート20の法線方向へ光をそろえるものであって、これらによりランプ100から発せられた光が前面パネル21の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方を照射するように構成されている。
【0091】
そして、上記ランプ100は、点灯周波数40〜120kHz、ランプ電流3.5〜8.5[mA]で動作される。
【0092】
図5は、本発明の実施の形態に係る冷陰極放電ランプ100を示す一部破断斜視図で、図6は、冷陰極放電ランプ100の一端部を示す拡大断面図である。
【0093】
図5に示すように、ランプ100は、バックライトユニット12の光源として用いられるものであって、ガラスバルブ101と、ガラスバルブ101の両端部(貫通孔の端部)に封着されたホロー電極102を有する電極マウント103と、ガラスバルブ101の両端部の外側に設けられた給電端子104、105とを備える。また、ガラスバルブ101の内面には蛍光体層110が形成されている。蛍光体層110は、例えば、青色蛍光体がユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al1627:Eu2+] (略号:BAM−B)、緑色蛍光体がセリウム・テルビウム共付活リン酸ランタン[LaPO4:Ce3+,Tb3+] (略号:LAP)及び赤色蛍光体がユーロピウム付活酸化イットリウム[Y23:Eu3+](略号:YOX)からなる希土類蛍光体で形成されている。さらに、ガラスバルブ101の内部には、例えば、約1200μgの水銀、および、希ガスとして約8kPa(20℃)のネオン・アルゴン混合ガス(Ne95%+Ar5%)が封入されている。
【0094】
なお、水銀および希ガスの構成は上記構成に限定されない。例えば、希ガスとしてネオン・クリプトン混合ガス(Ne95%+Kr5%)が封入されていても良い。希ガスとしてネオン・クリプトン混合ガスを用いると、ランプ始動性が向上し、ランプ100を低い電圧で点灯させることができる。
【0095】
ガラスバルブ101は、ホウケイ酸ガラス製の硬質ガラス管を加工したものであって、ホウケイ酸ガラス中に紫外線吸収剤である酸化チタンがドープされたものである。紫外線吸収剤は酸化チタンに限らず、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛および酸化鉄のうちのいずれか1つまたは複数の組み合わせからなるものでもよい。ガラスバルブ101は、管状のガラスバルブ本体108と、ガラスバルブ本体108の長手方向両側に位置する一対の破線で示す球状のガラスビーズ107(図6参照)を用いて形成された封着部109とで構成されている。ガラスバルブ本体108は、断面が円環形状であって、全長が730[mm]、外径が4[mm]、内径が3[mm]、肉厚が0.5[mm]である。封着部109には、ガラスバルブ101の管軸A方向における幅Sが2[mm]以上でホロー電極102のリード線106が気密に封着されている。
【0096】
電極マウント103は、外周面に略平面102aを有する電極、例えば有底筒状の底面を有するホロー電極102と、この電極平面102a(底面)の中央部に接続されたリード線106と、このリード線106が保持されたガラスビーズ107とを備え、リード線106の延伸外方から見たときに、電極平面102aがリード線106を包囲する状態でガラスビーズ107の端面側に当接して設けられている。この実施の形態では、電極平面102aは、ガラスビーズ107の端面に面接触しているので、例えば細いリード線106であってもホロー電極102をガラスビーズ107に高精度に取付けることができる。また、ホロー電極102の底面とそれと対向するガラスビーズ107の端面とに隙間がないので、ホロー電極とそれと対向するガラスバルブの封着された内側端面とは隙間を有している従来の放電ランプに対して前記隙間分だけ有効発光長を長くすることができ、かつ、点灯中の放電がリード線106に移行しにくくなり、リード線106のスパッタリングを抑制して水銀の消耗速度を抑えることができ、ランプの長寿命化を図ることができる。また有底筒状の電極の形状であるので、特にガラスバルブの内径(D)が1〜8[mm]と細いものでは放電面積が大きくなり、電極の長寿命化を図ることができる。また、ホロー電極102は熱膨張による径方向の寸法変化を放電空間側で吸収でき、かつ、細いリード線106は熱膨張による径方向の寸法変化を小さくできるので、熱膨張に起因する封着部の割れを防止することができる。さらに、細いリード線106を用いるとガラスビーズ107の径方向の封着しろを大きくすることができ、熱膨張に起因する封着部の割れをさらに抑制することができる。
【0097】
また、リード線106の長手方向の位置において、電極平面102aとリード線106とが接続された接続部の接続位置は、電極平面102aとガラスビーズ107とが接触する位置とほぼ同じ位置に設けられている。この構成により、ホロー電極102とリード線106またはガラスビーズ107との線膨張係数が異なっても、ホロー電極102をガラスビーズ107に高精度でかつ頑固に取付けることができる。
【0098】
さらに、リード線106の延伸外方から見たときに、電極平面102aの外周縁部Cが曲げR形状をしており、ガラスビーズ107の端面に対して非接触にしてある。なお、電極平面102aの外周縁部Cとガラスビーズ107の端面とを非接触にする構成は、上記曲げR形状にしたものに限らず、曲げR形状に代え面取りしたもの、又は電極平面102aの外周縁部がガラスビーズ107から離れるように例えばガラスビーズ107を湾曲したものでもよい。この構成により、電極平面102aの外周縁部Cが熱膨張により変化しても、ガラスビーズ107の端面に引っかかることなくスムーズにホロー電極102の径方向に伸縮することができる。その結果、ホロー電極102の径方向の伸縮により発生するガラスビーズの割れを抑制することができる。
【0099】
ホロー電極102は、ニッケル(Ni)材料で有底筒状に形成されたものである。有底筒状部は、全長Lが5.2[mm]、外径Pが2.7[mm]、内径Pが2.3[mm]、肉厚tが0.2[mm]である。ホロー電極102は、その先端部(開口端)及び外周面をガラスバルブ101の空間内部に突出して露出した状態、つまり、有底筒状部の軸芯とガラスバルブ101の管軸とがほぼ一致するように配置されており、前記有底筒状部の外周面とガラスバルブ101の内面との最小間隔(以下で説明する「最小距離d」である)が有底筒状部の外周全域に亘ってほぼ均一になっている状態で、電極の後端側の電極平面102aがガラスバルブ101の内側端面(ガラスバルブの空間側端面)に当接して設けられている。
【0100】
具体的には最小距離dが0.15[mm]である。好ましくは、ガラスバルブ101の内周面と筒状電極の外周面との最小距離dが0<d≦0.2[mm]の範囲にしている。つまりこの最小距離dが上記狭い範囲であると、前記間隔に放電が入り込まず、ホロー電極102の内部に主体的に放電が起こるからである。その結果、点灯中の放電がホロー電極102の外周面側に移行しにくくなり、筒状電極外周面と対向するガラスバルブ101の内周面に堆積するスパッタ物質を抑制されるので水銀の消耗速度を抑えることができ、ランプの長寿命化を図ることができる。また、電極の形状を有底筒状にすることで、特にガラスバルブの内径(D)が1[mm]〜8[mm]の細いものでは放電面積が大きくなり、電極の長寿命化を図ることができる。
【0101】
リード線106は、タングステン(W)製またはモリブデン(Mo)製の内部リード線106aと、半田等が付着し易いニッケル製の外部リード線106bとの継線である。当該リード線106は、内部リード線106aと外部リード線106bとの接合面が、ガラスバルブ101の外表面とほぼ面一にある。すなわち、内部リード線106aは、ガラスバルブ101の外表面よりも内側に位置し、外部リード線106bは、ガラスバルブ101の外表面よりも外側に位置する。
【0102】
内部リード線106aは、断面が略円形であって、全長が2[mm]、線径が0.4[mm]である。当該内部リード線106aは、外部リード線106b側がガラスバルブ101の封着部109に封着され、外部リード線106b側とは反対側の端部がホロー電極102の底面102aの外側面略中央に溶接等により接合されている。なお、内部リード線106aは、線径が0.4[mm]に限らず、ガラスバルブの内径(D)が1[mm]〜8[mm]の細いものでは、線径が0.1[mm]〜0.8[mm]の細いリード線が好適である。つまり、線径が0.1[mm]以下では、ホロー電極102の底面102aとの溶接強度が低下し、また線径が0.8[mm]以上ではガラスバルブの内径(D)によって、封着部109を破損させたりする問題がある。
【0103】
外部リード線106bは、ガラスバルブ101の外表面から管軸A方向に向けて突出する突出部分であって、給電端子104と接合されている。当該外部リード線106bは、全長が1[mm]であり、外部リード線106bの軸心とガラスバルブ101の管軸Aとがほぼ一致しているため、外部リード線106bの管軸A方向の長さは1[mm]である。また、外部リード線106bは、断面が略円形であり、線径が例えば0.3[mm]で、内部リード線106aよりも細くしてある。
【0104】
なお、外部リード線106bの管軸A方向の長さは、1[mm]以下が好適である。つまり、外部リード線106bの管軸A方向の長さが1[mm]以下であれば、放電ランプ100全体からみて外部リード線106bが突出し過ぎず、例えば、ランプ100をバックライトユニット12に取り付ける際に、外部リード線106bがバックライトユニット12にぶつかって折れ曲がったり、ぶつかった際に外部リード線106bに加わる応力によって封着部109を破損させたりすることが少ない。
【0105】
給電端子104は、ガラスバルブ101の両端部にそれら両端部を覆うようにして設けられている。当該給電端子104は、半田製であって、外部リード線106bと接合された接合部分111と、前記接合部分111以外の部分として膜厚が5[μm]〜120[μm]、薄膜長さが2[mm]〜19[mm]の薄膜部分112とで構成されている。
【0106】
接合部分111は、給電端子104がリード線106と電気的に接続されている部分であって、外観視略円錐体形状である。この構成によれば、外部リード線106bが給電端子104で完全に覆い隠され、放電ランプ100の端部が滑らかに丸められているため、放電ランプ100の端部をバックライトユニット12にぶつけても外部リード線106bが折れ曲がったり、外部リード線106bに応力が加わって封着部109が破損したりするおそれが少ない。
【0107】
薄膜部分112は、給電端子104の放熱を考慮して、ガラスバルブ本体108の外表面上における封着部109側の所定の領域、および、封着部109の外表面上におけるガラスバルブ本体108側の所定の領域および膜厚を適宜設定して形成されている。
【0108】
給電端子104は、公知のディッピング法で形成することができる(例えば、特開2004−146351号公報)。ディッピング法で給電端子104を形成する方法を簡単に説明すると、例えば、ホロー電極102が封着されたガラスバルブ101の封着部109を、溶融槽内の溶融半田に浸漬させて行う。溶融半田に封着部109を浸漬させる際には、超音波を加えてもよい。このようなディッピング法は、給電端子104を簡単かつ安価に形成することができるため、放電ランプ100を安価に製造することができる。
【0109】
なお、給電端子104は、ディッピング法以外の方法で形成しても良い。例えば蒸着、メッキ等の方法によって形成しても良い。
【0110】
また、給電端子104の構成は上記構成に限定されず、例えば変形例1及び2に示すような構成とすることが考えられる。なお、変形例1及び2に係る放電ランプは、給電端子および電極の構成が異なる他は、基本的に本実施の形態の放電ランプ100と同様の構成を有する。したがって、共通する部分には本実施の形態と同じ符号を付して説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0111】
図7は、変形例1に係る放電ランプの一端部を示す拡大断面図である。図7に示す放電ランプ200の給電端子204は、接合部分211と薄膜部分212とからなる。接合部分211は、例えばタングステン(W)製のリード線206(実施形態1の内部リード線のみで構成されている)の外表面全体を覆う薄膜である。その膜厚は薄膜部分212と同じ10[μm]である。このように、給電端子204全体を薄膜とすることによって、半田の使用量を減らすことができ、より安価に放電ランプ200を製造することができる。
【0112】
図8は、変形例2に係る放電ランプの一端部を示す拡大断面図であり、図9は、給電端子を構成する薄膜部材を示す斜視図である。図8に示す放電ランプ300の給電端子304は、半田製の接合部分314と、薄膜部分として熱膨張係数が近い、例えば、鉄・ニッケル合金製の薄膜部材312とからなる。このように、給電端子304は、必ずしもその全体が同じ材料で構成されていなくても良い。
【0113】
図9に示すように、薄膜部材312は、断面略C字形に形成された肉厚120[μm]の筒体であって、ガラスバルブ101の端部に外嵌されている。薄膜部材312の内径はガラスバルブ101の外径よりもやや小さく、また薄膜部材312にはスリット313が設けられている。したがって、薄膜部材312の内径とガラスバルブ101の外径との間に多少の寸法誤差が生じても、薄膜部材312の内面がガラスバルブ101の外面に密着するように設計されている。なお、薄膜部材312は、断面略C字形の筒体に限定されず、断面が略三角形や略四角形等の多角形、或いは楕円の筒体に、スリットを設けたものであっても良い。また、スリットを設けない場合も考えられる。
【0114】
外部リード線106bの全長は2[mm]であり、そのうちの内部リード線106a側である薄膜部材312の内部に収まった部分の長さLは1[mm]であって、残りの薄膜部材312から外側に突出している部分の長さLは1[mm]である。接合部分314は、外部リード線106bのうちの薄膜部材312内部に収まった部分と接合している厚肉領域316と、外部リード線106bのうちの薄膜部材312から外側に突出している部分を覆う薄肉領域315とで構成される。
【0115】
給電端子304を上記構成とした場合、外部リード線106bが薄膜部材312の厚肉領域316で固定されているため、外部リード線106bのうちの薄膜部材312から外側に突出している部分をぶつけてもガラスバルブ101の封着部109に応力が加わりにくく、封着部109が破損しにくい。但し、外部リード線106bはなるべくならぶつかりにくい方が良いため、外部リード線106bの薄膜部材312から外側に突出している部分の長さLは1[mm]以下であることが好ましい。なお、外部リード線106bの突出部分とは、例えば、変形例2に係る外部リード線106bの場合は、Lで示す部分である。
【0116】
なお、上記の実施の形態1では、電極マウント103は、リード線106の保持手段としてガラスビーズ107を用いたが、このガラスビーズ107に代えてガラスステムを用いても同様な効果が得られる。
【0117】
但し、ランプ100を細くする場合には、リード線106の保持手段としてガラスビーズ107を用いることが望ましく、一般的には、ガラスバルブ本体108の内径が1.0[mm]〜8.0[mm]で厚みが0.2[mm]〜0.7[mm]であることが好ましい。ランプ100を太くする場合には、リード線106の保持手段として、一般の蛍光ランプ等に用いられるガラスステムを用いることが望ましく、一般的には、ガラスバルブ本体108の内径が8.0[mm]〜32.5mmで厚みが0.5[mm]〜1.0[mm]であることが好ましい。
【0118】
また、内部リード線106aは、タングステン材料で形成したが、これに限らず、Fe、NiおよびCoを含む封着性合金等であり、つまり、ホウケイ酸ガラスと熱膨張係数のほぼ同じ封着用線材にすることが考えられる。
【0119】
また、外部リード線106bは、ニッケル材料で形成したが、これに限らず、例えばFe−Ni合金、Cu−Ni合金等のNi合金等であり、つまり、半田との付着し易い材料にすることが考えられる。
【0120】
さらに、放電ランプの両端部の構成は、上記構成に限定されない。以下に、その構成について説明する。
【0121】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2に係る冷陰極放電ランプ400を示す部分断面図及び部分斜視図である。なお、本実施の形態2に係る放電ランプは、封着部分109およびリード線106の構成が異なる他は、基本的に実施の形態1の放電ランプ100、200、300と同様の構成を有する。したがって、共通する部分には実施の形態1と同じ符号を付して説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0122】
図10に示すように、ランプ400は、上記のガラスビーズ及びガラスステムを有しないものであって、両端が圧潰された圧潰部401を有する円筒状のガラスバルブ101と、少なくとも一方の圧潰部401には、ホロー電極102の底面に接続された2本のリード線406及びその2本のリード線間に給排気管407が配置されている。また、給排気管407は、例えば、その一方の端部がガラスバルブ101の管軸方向に圧潰部401から放電空間側に突出して、ホロー電極102の底面の中央部に面接触し、ホロー電極102を支持している。
【0123】
そして、給電端子404、405は、ガラスバルブ101の両端部の外側に設け、ガラスバルブ101の外表面からガラスバルブ101の管軸方向に向けて突出する2本のリード線406の突出部分で接合されている。
【0124】
この本実施の形態では、他方の圧潰部401には、ホロー電極102の底面に接続された2本のリード線406及びその2本のリード線間にガラス管408(またはガラス棒408)が配置されている。また、ガラス管408(またはガラス棒408)は、例えば、その一方の端部がガラスバルブ101の管軸方向に圧潰部401から放電空間側に突出して、ホロー電極102の底面の中央部に面接触し、ホロー電極102を支持している。
【0125】
そして、給電端子404、405は、ガラスバルブ101の両端部の外側に設け、ガラスバルブ101の外表面からガラスバルブ101の管軸方向に向けて突出する2本のリード線406の突出部分で接合されている。リード線406の突出部分の管軸方向の長さは0.5[mm]〜1[mm]である。
【0126】
なお、圧潰部401に2本のリード線及び給排気管を設けた構成に限らず、例えば、ガラスビーズまたはガラスステムに2本のリード線及び給排気管を設けた構成にしてもよい。
【0127】
また、上記構成部品の材料は、ガラスバルブ101、給排気管407およびガラス管408(またはガラス棒408)がソーダーライムガラス或いは鉛フリーガラスからなる軟質ガラスからなり、2本のリード線406がジュメット線からなり、ホロー電極102がニッケル(Ni)材料からなる。つまり、熱膨張係数は、ガラスバルブ101、給排気管407、ガラス管408(またはガラス棒408)およびリード線406の部品が同等であり、当該部品とホロー電極102とは異なる。
【0128】
(実施の形態3)
図11(a)(b)(c)は、本発明の実施の形態3に係る冷陰極放電ランプを示す部分断面図である。なお、本実施の形態3に係る放電ランプは、給電端子がなく、封着部分109及び電極の形状の構成が異なる他は、基本的に実施の形態1の放電ランプ100、200、300と同様の構成を有する。したがって、共通する部分には実施の形態1と同じ符号を付して説明は省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0129】
図11(a)に示すように、ランプ500は、両端には給電端子を有しないものであって、ホロー電極102の底面中央部(電極平面)102aに、リード線106の端部を溶接したものである。また、電極平面102とリード線106とが接続された接続部102dには、接続部102dが収容される凹部(接続部102dよりも大きい窪み)をホロー電極102とガラスビーズ107のいずれか一方に設け、例えば、接続部102dが収容される凹部107dをガラスビーズ107に設けてある。そして、ホロー電極102は、ニッケル(Ni)材料で、全長Lが5.2[mm]、外径Pが2.7[mm]、内径Pが2.3[mm]、肉厚tが0.2[mm]に形成されたものである。リード線106は、タングステン(W)製で全長が8[mm]、線径が0.8[mm]に形成されたものである。
【0130】
図11(b)に示すように、ランプ600は、両端には給電端子を有しないものであって、ガラスバルブ本体108の長手方向両側に位置する一対の円柱状のガラスビーズ107aを用いて形成された封着部109とで構成されている。そして、ホロー電極602の底面602aとガラスビーズ107aの端面107bとの間にあって、ホロー電極602の中心(軸芯)を包囲するように、ホロー電極602とガラスビーズ107aのいずれか一方に凸部を設け、例えば、ホロー電極602の底面に一体形成された筒状の凸部602bを設け、ホロー電極602が凸部602bを介してガラスビーズ107aに保持されている。また、ホロー電極602の底面中央部(電極平面)602aには、リード線106の端部が溶接されている。そして、ホロー電極602は、ニッケル(Ni)材料で、全長Lが6.2[mm]、外径Pが2.7[mm]、内径Pが2.3[mm]、凸部Hが1.0[mm]、肉厚tが0.2[mm]に形成されたものである。また、内部リード線106は、タングステン(W)製で全長が8[mm]、線径が0.8[mm]に形成されたものである。この構成により、ホロー電極602の底面602aとガラスビーズ107aの端面107bとの接触面積が小さくなり、ホロー電極602の外周縁部Cが熱膨張により変化しても、ガラスビーズ107aの端面に対してスムーズにホロー電極602が伸縮することができる。
【0131】
なお、凸部602bは、筒状形状に限らず、例えば、電極中心線に対して所定の角度および位置で高さの均一な凸状の載置部を3カ所以上有してもよい。この構成では、さらに上記接触面積を小さくすることができる。
【0132】
図11(c)に示すように、ランプ700は、両端には給電端子を有しないものであって、ガラスバルブ本体108の長手方向両側に位置する一対の円柱状のガラスビーズ107aを用いて形成された封着部109とで構成されている。また、ホロー電極702は、電極先端側の開口部702aより電極底面側の電極平面部702bが径小となるようテーパー状に形成されたものである。具体的には、ホロー電極702は、ニッケル(Ni)材料で、全長Lが5.2[mm]、肉厚tが0.2[mm]、開口部の外径P3が2.7[mm]、電極平面部の外径P4が2.1[mm]に形成されてある。そして、ホロー電極702の底面中央部に、リード線106の端部が溶接されている。この構成により、ガラスバルブ101の端部にガラスビーズ107を封着した際に、径小となるテーパー状のホロー電極702の外周面とガラスバルブ101の内周面との当接を防止することができる。その結果、封着部の割れを抑制することができる。
【0133】
なお、上記実施の形態1、その変形例、実施の形態2及び実施の形態3に基づいて具体的に説明してきたが、本発明に係る放電ランプは、上記の実施の形態に限定されない。
【0134】
放電ランプは、外形が直管状のもので説明したが、これに限らず、「U」字状、「コ」字状または「L」字状の屈曲管を用いてもよい。また、断面については、円形のもので説明したが、これに限らず、例えば両端の電極部を除く有効発光部の断面を楕円または長穴円の形状にした等の扁平形放電ランプであってもよい。
【0135】
ガラスバルブ101の材料はホウケイ酸ガラスを使用したが、これに限らず、鉛ガラス、鉛フリーガラス、ソーダガラス等を用いてもよい。この場合に、暗黒始動性が改善できる。すなわち、上記したようなガラスは、酸化ナトリウム(Na2O)に代表されるアルカリ金属酸化物を多く含み、例えば、酸化ナトリウムの場合はナトリウム(Na)成分が時間の経過とともにガラスバルブ内面に溶出する。ナトリウムは電気陰性度が低いため、特に保護膜の形成されていないガラスバルブ内側端部に溶出したナトリウムが、暗黒始動性の向上に寄与するものと考える。
【0136】
例えば、アルカリ金属酸化物が酸化ナトリウムの場合、その含有率は、5[mol%]以上20[mol%]以下が好ましい。5[mol%]未満であると暗黒始動時間が1秒を超える確率が高くなり(換言すると、5[mol%]以上であれば暗黒始動時間が1秒以内になる確率が高くなる)、20[mol%]を超えると、長時間の使用によりガラスバルブが白色化して輝度の低下を招いたり、ガラスバルブの強度が低下したりするなどの問題が生じるからである。
【0137】
そして、自然環境保護を考慮した場合、鉛フリーガラスを用いるのが好ましい。ただ、鉛フリーガラスは、製造過程で不純物として鉛を含んでしまう場合がある。そこで、0.1%以下といった不純物レベルで鉛を含有するガラスも鉛フリーガラスと定義することとする。
【0138】
次にガラスバルブ101の材料、例えば、ホウケイ酸ガラス鉛ガラス、鉛フリーガラス、ソーダガラス等への添加物については以下の通りである。
【0139】
ガラスの熱膨張係数を調節することにより、冷陰極蛍光ランプのリード線等の封着部材との封着強度を高めることができる。例えば、封着部材がタングステン(W)製の場合には、36×10-7[K-1]〜45×10-7[K-1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を4[mol%]〜10[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0140】
封着部材がコバール(Kovar)製、モリブデン(Mo)製の場合には45×10-7[K-1]〜56×10-7[K-1]とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を7[mol%]〜14[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0141】
封着部材がジュメット線の場合には94×10-7[K-1]近傍とすることが好ましい。この場合、ガラス中のアルカリ金属成分およびアルカリ土類金属成分の合計を20[mol%]〜30[mol%]とすることでガラスの熱膨張係数を上記の範囲とすることができる。
【0142】
ガラスに遷移金属の酸化物をその種類(紫外線吸収剤)によって所定量をドープすることにより254[nm]や313[nm]の紫外線を吸収することができる。具体的には、例えば酸化チタン(TiO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収し、組成比率2[mol%]以上ドープすることにより313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化チタンを組成比率5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまうため、組成比率0.05[mol%]以上5.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0143】
酸化セリウム(CeO2)の場合は、組成比率0.05[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化セリウムを組成比率0.05[mol%]以上0.5[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。なお、酸化セリウムに加えて酸化スズ(SnO)をドープすることにより、酸化セリウムによるガラスの着色を抑えることができるため、酸化セリウムを組成比率5.0[mol%]以下までドープすることができる。この場合、酸化セリウムを組成比率0.5[mol%]以上ドープすれば313[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、この場合においても酸化セリウムを組成比率が5.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが失透してしまう。
【0144】
酸化亜鉛(ZnO)の場合は、組成比率2.0[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化亜鉛を組成比率10[mol%]より多くドープした場合、ガラスの熱膨張係数が大きくなり、封着部材がタングステン(W)製である場合に、封着部材の熱膨張係数(約44×10-7[K-1])とガラスの熱膨張係数に差異が生じ、封着が困難となるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上10[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。ただし、封着部材がコバール(Koval)製やモリブデン(Mo)製の場合には、封着部材の熱膨張係数(約51×10-7[K-1])がタングステン製の場合よりも大きくなるため、酸化亜鉛を組成比率14[mol%]以下までドープすることができる。さらに、酸化亜鉛を組成比率20[mol%]より多くドープした場合、ガラスが失透してしまうおそれがあるため、酸化亜鉛を2.0[mol%]以上20[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0145】
酸化鉄(Fe23)の場合は、組成比率0.01[mol%]以上ドープすることにより254[nm]の紫外線を吸収することができる。ただし、酸化鉄を組成比率2.0[mol%]より多くドープした場合には、ガラスが着色してしまうため、酸化鉄を組成比率0.01[mol%]以上2.0[mol%]以下の範囲でドープすることが好ましい。
【0146】
ガラス中の水分含有量を示す赤外線透過率係数は、0.3以上1.2以下の範囲、特に0.4以上0.8以下の範囲となるように調整することが好ましい。赤外線透過率係数が1.2以下であれば、長尺の冷陰極蛍光ランプ等の高電圧印加ランプに適用可能な低い誘電正接を得やすくなり、0.8以下であれば誘電正接が十分に小さくなって、さらに高電圧印加ランプに適用可能となる。
【0147】
なお、赤外線透過率係数(X)は下式で表すことができる。
【0148】
[数式1]X=(log(a/b))/t
a:3840[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
b:3560[cm-1]付近の極小点の透過率[%]
t:ガラスの厚み
ホロー電極102は、ニッケル材料で説明したが、これに限らず、例えば、電極のスパッタリングの少ないIV〜VI族の遷移金属、例えば、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タングステン(W)あるいはその合金材料の材料とすることが好ましい。また、電極の形状は、有底筒状に限らず、棒状または円錐状であってもよい。さらに、暗黒始動特性をさらに良好にするためにセシウム,Li,K,Rbなどの化合物等の始動補助用金属からなる被膜は、始動補助用金属の飛散を低減するために、ガラスバルブ内面と対向するホロー電極の外周面に設けることが好ましい。
【0149】
給電端子104、204、304、404は、形成する材料として半田を用いて説明したが、これに限らず、少なくとも導電性を有する材料であれば良い。一般に半田は、導電性が良く、低価格であるため、給電端子の材料として好適である。特に、スズ(Sn)、スズ・インジウム(In)合金、スズ・ビスマス(Bi)合金等を主成分とする半田は、機械的強度の高い給電端子104、204、304、404を形成することができるため、より好適である。それらに、アンチモン(Sb)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、金(Au)、鉄(Fe)、白金(Pt)およびパラジウム(Pd)のうちの少なくとも1種類を添加した半田は、ガラスとの馴染みが良いために、ガラスバルブ101から剥がれ難い給電端子104、204、304、404を形成することができ、さらに好適である。加えて、鉛を含まない半田は、環境に配慮した放電ランプを作製することができるため好適である。
【0150】
そして、給電端子104、204、304を形成する材料がタングステンと馴染みが良い場合、外部リード線106bをタングステン製にすることも考えられる。すなわち、リード線106全体をタングステンで形成することが考えられる。このようにすることで、リード線106、206の断線不良が減少するとともに部品のコストが低減できる。
【0151】
また、給電端子は、上記半田材料の構成に限らず、例えば、ガラスバルブの外表面に形成された銀または銅を主成分とする本体層及びその外側に積層された主成分が半田からなるコーティング層からなる構成のものでもよい。この場合、給電端子の最大厚みが5[μm]〜120[μm]であって、前記給電端子の端縁部の厚みが端縁に近づく程薄くしている。
【0152】
この構成によれば、給電端子の本体層が大気中にさらされ難く、銀の硫化や銅の酸化が起こり難いことから導電性の低下が起こり難い。その結果、給電端子と電極のリード線との接続性を良好にすることができ、かつ、ランプホルダーに放電ランプを装着時に給電端子のキズやひび割れを生じにくくすることができ、かつ、給電端子の端縁部が角張ったものに比べ、給電端子の端縁部とガラスバルブの外表面との間で発生するコロナ放電を防止でき、オゾンの発生を抑制することができる。
【0153】
蛍光体層110は、青色蛍光体がBAM−B、緑色蛍光体がLAP及び赤色蛍光体がYOXを用いて説明したが、これに限らず、目的に応じた下記の蛍光体を用いてもよい。
【0154】
(1)紫外線吸収について
例えば、近年、液晶カラーテレビの大型化に伴って、バックライトユニットの開口を塞ぐ拡散板に寸法安定性の良いポリカーボネートが使用されるようになっている。このポリカーボネートは、水銀が発する313[nm]の波長の紫外線により劣化しやすい。このような場合には、波長313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を利用すると良い。なお、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体としては、以下のものがある。
【0155】
(a)青色
ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl1017]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl1627
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0≦z<0.1なる条件を満たす数であるであることが好ましい。
【0156】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al1627:Eu2+]、[BaMgAl1017:Eu2+] (略号:BAM−B)や、ユーロピウム付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al1627:Eu2+]、[(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+](略号:SBAM−B)等がある。
【0157】
(b)緑色
・マンガン不活マグネシウムガレート[MgGa24:Mn2+](略号:MGM)
・マンガン付活アルミン酸セリウム・マグネシウム・亜鉛[Ce(Mg,Zn)Al1119:Mn2+](略号:CMZ)
・テルビウム付活アルミン酸セリウム・マグネシウム[CeMgAl1119:Tb3+](略号:CAT)
・ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[Ba1-x-ySrxEuyMg1-zMnzAl1017]又は[Ba1-x-ySrxEuyMg2-zMnzAl1627
ここで、x,y,zはそれぞれ0≦x≦0.4、 0.07≦y≦0.25、 0.1≦z≦0.6なる条件を満たす数であり、zは0.4≦x≦0.5であることが好ましい。
【0158】
このような蛍光体としては、例えば、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・マグネシウム[BaMg2Al1627:Eu2+,Mn2+]、[BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+](略号:BAM−G)や、ユーロピウム・マンガン共付活アルミン酸バリウム・ストロンチウム・マグネシウム[(Ba,Sr)Mg2Al1627:Eu2+,Mn2+]、[(Ba,Sr)MgAl1017:Eu2+,Mn2+](略号:SBAM−G)等がある。
【0159】
(c)赤色
・ユーロピウム付活リン・バナジン酸イットリウム[Y(P,V)O4:Eu3+](略号:YPV)
・ユーロピウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Eu3+](略号:YVO)
・ユーロピウム付活イットリウムオキシサルファイド[Y22S:Eu3+](略号:YOS)
・マンガン付活フッ化ゲルマン酸マグネシウム[3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+](略号:MFG)
・ジスプロシウム付活バナジン酸イットリウム[YVO4:Dy3+](赤と緑の2成分発光蛍光体であり、略号:YDS)
なお、一種類の発光色に対して、異なる化合物の蛍光体を混合して用いても良い。例えば、青色にBAM−B(313nmを吸収する。)のみ、緑色にLAP(313nmを吸収しない。)とBAM−G(313nmを吸収する。)、赤色にYOX(313nmを吸収しない。)とYVO(313nmを吸収する。)の蛍光体を用いても良い。このような場合は、前述のように波長313(nm)を吸収する蛍光体が、総重量組成比率で50%より大きくなるように調整することで、紫外線がガラス管外に漏れ出ることをほとんど防止できる。したがって、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体を蛍光体層110に含む場合には、上記のバックライトユニットの開口を塞ぐポリカーボネート(PC)からなる拡散板等の紫外線による劣化が抑制され、バックライトユニットとしての特性を長時間維持することができる。
【0160】
ここで、「313[nm]の紫外線を吸収する」とは、254[nm]付近の励起波長スペクトル(励起波長スペクトルとは、蛍光体を波長変化させながら励起発光させ、励起波長と発光強度をプロットしたものである。)の強度を100(%)としたときに、313[nm]の励起波長スペクトルの強度が80[%]以上のものと定義する。すなわち、313[nm]の紫外線を吸収する蛍光体とは、313[nm]の紫外線を吸収して可視光に変換できる蛍光体である。
【0161】
(2)高色再現について
液晶カラーテレビで代表される液晶表示装置では、近年における高画質化の一環としてなされる高色再現化に伴い、当該液晶表示装置のバックライトユニットの光源として用いられる放電ランプにおいて、再現可能な色度範囲の拡大化の要請がある。
【0162】
このような要請に対して、例えば、以下の蛍光体を用いることで、実施の形態での蛍光体を用いる場合よりも、色度範囲の拡大を図ることができる。具体的には、CIE1931色度図において、高色再現用の当該蛍光体の色度座標値が、実施の形態で使用した3つの蛍光体の色度座標値を結んでできる三角形を含んで色再現範囲を広げる座標に位置する。
【0163】
(a)青色
・ユーロピウム付活ストロンチウム・クロロアパタイト[Sr10(PO46Cl2:Eu2+](略号:SCA)、色度座標:x=0.151、y=0.065
上記以外に、ユーロピウム付活ストロンチウム・カルシウム・バリウム・クロロアパタイト[(Sr,Ca,Ba)10(PO46Cl2:Eu2+](略号:SBCA)も使用でき、上記波長313[nm]の紫外線も吸収できるSBAM−Bも高色再現用に使用できる。
【0164】
(b)緑色
・BAM−G、色度座標:x=0.139、y=0.574
・CMZ、色度座標:x=0.164、y=0.722
・CAT、色度座標:x=0.267、y=0.663
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、MGMも高色再現用に使用することもできる。
【0165】
(c)赤色
・YOS、色度座標:x=0.651、y=0.344
・YPV、色度座標:x=0.658、y=0.333
・MFG、色度座標:x=0.711、y=0.287
なお、これらは上述したように、波長313[nm]の紫外線も吸収でき、また、ここで説明した3つの蛍光体粒子以外にも、YVO、YDSも高色再現用に使用することもできる。
【0166】
また、上記で示した色度座標値は各々の蛍光体の粉体のみで測定した代表値であり、測定方法(測定原理)等に起因して、各蛍光体の粉体が示す色度座標値は、上掲した値と若干異なる場合があり得る。参考として上記実施の形態1の各蛍光体の粉体の色度座標値は、YOX(x=0.644、y=0.353)、LAP(x=0.351、y=0.585)、BAM−B(x=0.148、y=0,056)で構成されている。
【0167】
さらに、赤、緑、青の各色を発光させるために用いる蛍光体は各波長につき1種類に限らず、複数種類を組み合わせて用いることとしても良い。
【0168】
ここで、上記の高色再現用の蛍光体粒子を用いて蛍光体層を形成した場合について説明する。ここでの評価は、CIE1931色度図内においてNTSC規格の3原色の色度座標値を結ぶNTSC三角形(NTSCtriangle)の面積を基準とした、高色再現用の蛍光体を用いた場合の3つの色度座標値を結んでできる三角形の面積の比(以下、NTSC比という。)で行なう。
【0169】
例えば、青色としてBAM−B、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例1)、NTSC比が92[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYVOを用いると(例2)、NTSC比が100[%]となり、また、青色としてSCA、緑色としてBAM−G、赤色としてYOXを用いると(例3)、NTSC比が95[%]となり、例1及び2に比べて輝度を10[%]向上させることができる。
【0170】
なお、ここでの評価に用いた色度座標値は、ランプ等が組み込まれた液晶表示装置とした状態で測定したものである。
【0171】
さらに、上記における実施の形態、変形例、応用例等のいずれかとを組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0172】
本発明に係る放電ランプは、細いリード線であっても電極をガラスビーズまたはガラスステムに高精度に取付けることができる効果を有し、このランプを用いる、点灯装置、バックライトユニット、照明装置、液晶テレビおよび液晶ディスプレイ等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】本発明の実施の形態1における液晶テレビの概要を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1に係るバックライトユニットを示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態1に係る点灯装置を示す斜視図
【図4】本発明の実施の形態1に係る点灯装置が備える点灯制御回路の一例を示し、(a)が点灯制御回路を示す図、(b)が点灯制御回路に接続された各放電ランプの接続関係を示す図、(c)が点灯制御回路に接続された各放電ランプの他の接続関係を示す図
【図5】本発明の実施の形態1に係る放電ランプを示す一部破断斜視図
【図6】同放電ランプの一端部を示す拡大断面図
【図7】変形例1に係る放電ランプの一端部を示す拡大断面図
【図8】変形例2に係る放電ランプの一端部を示す拡大断面図
【図9】給電端子を構成する薄膜部材を示す斜視図
【図10】本発明の実施の形態2に係る放電ランプを示す部分断面図及び端部斜視図
【図11】(a)は本発明の実施の形態3に係る放電ランプを示す断面図、(b)はその応用例1に係る放電ランプを示す断面図、(c)はその応用例2に係る放電ランプを示す断面図
【符号の説明】
【0174】
100、200、300、400、500、600 放電ランプ
101 ガラスバルブ
102、602、702 ホロー電極
104、105、204、304、404、405 給電端子
106 206、406 リード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面に略平面を有する電極と、この電極平面に接続されたリード線と、このリード線が保持されたガラスビーズまたはガラスステムとを備え、前記電極平面が前記ガラスビーズまたは前記ガラスステムの端面に当接して設けられていることを特徴とする電極マウント。
【請求項2】
前記電極の形状は、有底筒状、棒状または円錐状であることを特徴とする請求項1記載の電極マウント。
【請求項3】
有底筒状または棒状の前記電極は、その電極先端部より電極後端側が径小となるテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の電極マウント。
【請求項4】
前記電極は、この電極平面の中央部に接続されたリード線を有し、前記リード線の延伸外方から見たときに、前記電極平面が前記リード線を包囲する状態で前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面に接触していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電極マウント。
【請求項5】
前記ガラスビーズまたは前記ガラスステムには、前記電極平面に接続された少なくとも2本のリード線が保持され、かつ給排気管が2本のリード線間に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電極マウント。
【請求項6】
前記リード線の延伸外方から見たときに、前記電極平面の外周縁部が前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面に対して非接触であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の電極マウント。
【請求項7】
前記電極の平面は、前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面に面接触していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電極マウント。
【請求項8】
前記電極の平面と前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面との間にあって、前記電極中心を包囲するように、前記電極と前記ガラスビーズまたはガラスステムのいずれか一方に凸部を設け、前記電極が前記凸部を介して前記ガラスビーズまたはガラスステムに保持されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の電極マウント。
【請求項9】
前記電極平面とリード線とが接続された接続部には、前記接続部が収容される凹部を前記電極と前記ガラスビーズまたはガラスステムとのいずれか一方に設けたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の電極マウント。
【請求項10】
前記リード線の長手方向の位置において、前記接続部の接続位置を前記電極平面と前記ガラスビーズまたはガラスステムの端面とが接触する位置とほぼ同じ位置に設けたことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の電極マウント。
【請求項11】
前記リード線に対する線膨張係数は、前記ガラスビーズまたはガラスステムがほぼ同じ材料であり、かつ前記電極と同じ材料または異なる材料であることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の電極マウント。
【請求項12】
前記電極は、ニッケル、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタン、タングステンあるいはその合金材料にて形成することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の電極マウント。
【請求項13】
前記リード線の少なくとも一部が封着用線材からなることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の電極マウント。
【請求項14】
一対の電極をガラスバルブの両端部に有する放電ランプにおいて、前記一対の電極の少なくとも一方は請求項1から13のいずれかに記載の電極マウントが前記ガラスバルブの貫通孔の端部に封着されていることを特徴とする放電ランプ。
【請求項15】
ガラスバルブの内壁に蛍光体層が形成され、前記ガラスバルブの内部に希ガス、又は希ガスと水銀とが封入され、前記ガラスバルブの両端にリード線が気密に封着され、前記ガラスバルブの内部側における前記リード線の端部のそれぞれに、電極が接続された放電ランプにおいて、前記電極は、その先端部及び外周面を前記ガラスバルブの空間内部に突出して露出した状態で前記電極の後端側の平面が前記ガラスバルブの空間側端面に当接して設けられていることを特徴とする放電ランプ。
【請求項16】
前記電極は、その形状が有底筒状、棒状または円錐状であることを特徴とする請求項15記載の放電ランプ。
【請求項17】
前記電極は、その電極先端部より電極後端側が径小となるテーパー状に形成されていることを特徴とする請求項16記載の放電ランプ。
【請求項18】
前記ガラスバルブの内周面と前記電極の外周面との最小距離(d)を0<d≦0.2[mm]の範囲で規制したことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の放電ランプ。
【請求項19】
前記電極は、この電極底面の中央部に接続された前記リード線を有し、前記リード線の延伸外方から見たときに、前記電極底面が前記リード線を包囲する状態で前記ガラスバルブの内側端面に接触していることを特徴とする請求項15から18のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項20】
前記ガラスバルブの封止部の少なくとも一方には、前記電極底面に接続された少なくとも2本の前記リード線及びその2本のリード線間に給排気管が配置されていることを特徴とする請求項15から18のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項21】
前記電極は、ニッケル、モリブデン、ニオブ、タンタル、チタン、タングステンあるいはその合金材料にて形成することを特徴とする請求項15から20のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項22】
前記リード線の少なくとも一部が封着用線材からなることを特徴とする請求項15から21のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項23】
前記リード線は、Fe、NiおよびCoを含む封着性合金であり、前記ガラスバルブは、ホウケイ酸ガラスからなることを特徴とする請求項15から22のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項24】
前記ホウケイ酸ガラスは、紫外線吸収剤がドープされてなることを特徴とする請求項23記載の放電ランプ。
【請求項25】
前記紫外線吸収剤は、酸化チタンおよび酸化セリウムのうちのいずれか1つまたは複数の組み合わせからなることを特徴とする請求項24記載の放電ランプ。
【請求項26】
前記リード線は、モリブデンまたはタングステンであり、前記ガラスバルブは、硬質ガラスからなることを特徴とする請求項15から21のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項27】
前記リード線は、ジュメット線であり、前記ガラスバルブは、軟質ガラスからなることを特徴とする請求項15から22のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項28】
前記ガラスバルブの両端部の外側に設けられ、前記電極のリード線と接合された給電端子とを備え、前記給電端子は、前記リード線との接合部分以外が、前記ガラスバルブの外表面上に形成された薄膜であることを特徴とする請求項14から27のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項29】
前記薄膜は、膜厚が5〜120[μm]であることを特徴とする請求項28記載の放電ランプ。
【請求項30】
前記リード線は、前記ガラスバルブの外表面から前記ガラスバルブの管軸方向に向けて突出する突出部分で前記給電端子と接合されており、前記突出部分の前記管軸方向の長さが1[mm]以下であることを特徴とする請求項28または29記載の放電ランプ。
【請求項31】
前記給電端子は、少なくとも前記接合部分が半田で形成されていることを特徴とする請求項28から30のいずれかに記載の放電ランプ。
【請求項32】
光源として、請求項14から31のいずれかに記載の放電ランプが搭載されていることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項33】
請求項32に記載のバックライトユニットが搭載されていることを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−146841(P2008−146841A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328995(P2006−328995)
【出願日】平成18年12月6日(2006.12.6)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】