説明

電極材料、電極板、二次電池、及び電極材料の製造方法

【課題】電池等の内部抵抗(IV抵抗)を小さくすることができ、大電流による放電特性も良好にできると共に、電池等の寿命特性も良好にできる電極材料、及びその製造方法、並びに、これを用いた電極板、二次電池を提供する。
【解決手段】本発明の電極材料(正極材料154)は、活物質粒子(正極活物質粒子153)と、炭素材料からなり活物質粒子の表面に付着した第1導電材158と、繊維状の炭素材料からなり第1導電材158に結合した第2導電材159とを備えている。活物質粒子(正極活物質粒子153)は、その粒径が1μm以下であり、第2導電材159は、その繊維長が2μm以上10μm以下であり、第2導電材159のぞれぞれには、複数の活物質粒子(正極活物質粒子153)が、第1導電材158を介して結合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極材料、これを用いた電極板及び二次電池、並びに電極材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池等の二次電池は、ポータブル機器や携帯機器などの電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として注目されている。近年、リチウム二次電池の特性を良好とすべく、様々な電極材料の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−95426号公報
【特許文献2】特開2001−196064号公報
【特許文献3】特開2006−244984号公報
【0004】
特許文献1には、負極の導電ネットワークを良好とするために、メソフェーズ小球体炭素、及び、気相成長炭素繊維の少なくともいずれかを、添加混合した負極材料が提案されている。しかしながら、メソフェーズ小球体炭素や気相成長炭素繊維を添加混合するだけでは、これらを電池電極内に均一に分散させることが極めて困難である。しかも、充放電に伴って活物質粒子は膨張・収縮し、この影響で電極合材層に亀裂が生じることもあるため、単に、炭素繊維等の導電材を添加混合しているだけでは、活物質粒子と炭素繊維等の導電材との間の電気的接続を安定して維持することができない。このため、特許文献1の負極材料では、良好な導電ネットワークを安定して維持することができなかった。
【0005】
また、特許文献2及び特許文献3には、活物質(または、活物質の表面に設けた炭素皮膜)の表面に金属触媒を結合し、化学的気相成長法(CVD法)等により、この金属触媒上にカーボンナノファイバ等を成長させる電極材料の製造方法が提案されている。この電極材料によれば、充放電に伴って活物質粒子が膨張・収縮しても、活物質粒子とカーボンナノファイバとの間の電気的接続を維持することができると記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、金属触媒上でカーボンナノファイバ等を成長させる場合には、カーボンナノファイバ等の繊維径や繊維長を制御することが困難であるため、均質なカーボンナノファイバを活物質表面に形成することが難しい。さらには、化学的気相成長法(CVD法)等により、活物質表面にカーボンナノファイバ等を成長させる手法では、電極材料を大量生産することが困難であった。
【0007】
そして、何よりも、金属触媒上に成長したカーボンナノファイバは、金属触媒と強固に結合しておらず、蒸着したカーボンとして金属触媒上に微弱なファンデルワールス力により結合していると考えられる。このため、長期間にわたり、充放電に伴って活物質粒子が膨張・収縮を繰り返すことで、活物質とカーボンナノファイバとの結合が分断される虞があった。しかも、カーボンナノファイバの一端のみが活物質粒子に結合した状態であるため、カーボンナノファイバを通じて複数の活物質が電気的に接続した状態を、長期にわたり安定して維持することが難しかった。
【0008】
特に、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として用いる二次電池の場合には、大電流による充放電が繰り返し行われるため、活物質等に大きな負荷がかかることになる。しかも、携帯電話やノートパソコン等の携帯機器の電源として用いる場合に比べて、長期間(例えば、10年以上)の電池寿命が要求される。しかしながら、特許文献1〜特許文献3で提案されている電極材料及びその製造方法では、このような要求に応えることができなかった。
【0009】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、電池等の内部抵抗(IV抵抗)を小さくすることができ、大電流による放電特性も良好にできると共に、電池等の寿命特性も良好にできる電極材料、及びその製造方法、並びに、これを用いた電極板、二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その解決手段は、活物質粒子と、炭素材料からなり、上記活物質粒子の表面に付着した第1導電材と、繊維状の炭素材料からなり、上記第1導電材に結合した第2導電材と、を備え、上記活物質粒子は、その粒径が1μm以下であり、上記第2導電材は、その繊維長が2μm以上10μm以下であり、上記第2導電材のぞれぞれには、複数の上記活物質粒子が、上記第1導電材を介して結合してなる電極材料である。
【0011】
本発明の電極材料では、活物質として、粒径が1μm以下の活物質粒子を用いている。このように粒径の小さな活物質は、比表面積が極めて大きいので、活物質におけるLiイオンの挿入・離脱反応が良好となり、電池等の出力特性(放電特性)を良好にすることができる。
【0012】
その上、本発明の電極材料では、繊維長が2μm以上10μm以下の第2導電材を用い、この第2導電材のそれぞれに、複数の活物質粒子が第1導電材を介して結合している。これにより、複数の活物質粒子同士が電気的に接続されるので、電極材料の導電ネットワークが良好となる。このため、本発明の電極材料を用いることで、電池等の内部抵抗(IV抵抗)を小さくすることができ、大電流による放電特性も良好にできる。
なお、繊維長が10μmを上回る第2導電材を用いた場合には、電極材料の製造時に、活物質粒子と第2導電材とを適切に分散させることができず、第2導電材のぞれぞれに複数の活物質粒子を適切に結合させることができなくなる。
【0013】
ここで、活物質粒子と第1導電材との間の「付着」とは、活物質粒子と第1導電材との間で共有結合が生じている場合はもちろん、導電材が活物質粒子の表面に倣って密着することでファンデルワールス力により結合したものや、活物質粒子の表面の凹凸に導電材が嵌まり込んで機械的に結合するものも含む概念である。ファンデルワールス力による結合であっても、導電材が活物質粒子の表面に倣って密着する形態であれば、接触面積が大きくなるので強固な結合を実現することができる。また、導電材が活物質の表面を被覆している場合も含む。導電材が活物質表面を被覆して一体化している場合は、導電材と活物質粒子との間に共有結合による強固な結合が生じていなくても、両者の間の接触を安定して維持することができる。
【0014】
また、第1導電材と第2導電材との間の「結合」とは、第1導電材と第2導電材との間で共有結合が生じている場合はもちろん、第1導電材と第2導電材とが分子レベルで密着することで、ファンデルワールス力により第1導電材と第2導電材とが強固に結合したものも含む概念である。
【0015】
しかも、活物質粒子と第2導電材とは、活物質粒子表面に付着した第1導電材を介して結合しているので、充放電に伴う活物質粒子の膨張・収縮等の影響により、活物質粒子(第1導電材)と第2導電材と間に力が作用しても、活物質粒子と第2導電材との間の電気的接続を安定して維持することができる。従って、第2導電材を通じた活物質粒子同士の電気的接続を、安定して維持することができる。
【0016】
その上、粒径が1μm以下の(すなわち、比表面積が極めて大きい)活物質粒子を用いているため、充放電時において、活物質粒子の単位面積当たりに加わる反応負荷が小さくなり、活物質の膨張・収縮を抑制することができる。これにより、充放電を繰り返し行っても、良好な導電ネットワークを維持することができるので、本発明の電極材料を用いることで、電池等の寿命特性も良好にできる。
なお、本発明の電極材料は、正極材料にも負極材料にも適用できる。また、本発明の電極材料は、二次電池、一次電池、及びキャパシタの電極材料として用いることができる。
【0017】
また、第1導電材は、非晶質炭素材料、乱層炭素材料、及び活性炭のうちの少なくともいずれかであることが好ましい。本発明の電極材料を、例えば、リチウムイオン二次電池の負極材料に用いる場合、非晶質炭素材料、乱層炭素材料、及び活性炭のいすれかを活物質の表面に付着させることで、大電流を流した場合でも、リチウムイオンの授受を電子授受反応に相応して円滑に進行させることができる。これにより、大電流による二次電池の放電特性を良好にすることができる。また、本発明の電極材料を、電気二重層キャパシタの電極材料に用いる場合でも、非晶質炭素材料、乱層炭素材料、及び活性炭のいすれかを活物質の表面に付着させることで、電極材料の比表面積を大きくでき、これにより出力特性を向上させることができる。
【0018】
さらに、上記の電極材料であって、前記活物質粒子と前記第1導電材、及び、上記第1導電材と前記第2導電材とが焼結されてなる電極材料とすると良い。
【0019】
本発明の電極材料では、活物質粒子と第1導電材とが焼結され、且つ、第1導電材と第2導電材とが焼結されている。すなわち、活物質粒子と第1導電材とを、加熱(焼成)により結合させ、且つ、第1導電材と第2導電材とを、加熱(焼成)により結合させている。このため、活物質粒子と第1導電材との結合が強固で、且つ、第1導電材と第2導電材との結合も強固になる。これにより、充放電を繰り返し行っても、良好な導電ネットワークを維持することができるので、本発明の電極材料を用いることで、電池等の寿命特性をより一層良好にできる。
【0020】
さらに、上記いずれかの電極材料であって、前記第2導電材は、カーボン繊維、グラファイト繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノファイバー、及び、カーボンナノチューブの少なくともいずれかである電極材料とすると良い。
【0021】
これらの第2導電材は、物理的にも化学的にも安定であり、電気伝導性にも優れている。このため、良好な導電ネットワークを、長期にわたり安定に維持することができる。
【0022】
他の解決手段は、上記いずれかの電極材料と、上記電極材料を担持する集電部材と、を備える電極板である。
【0023】
本発明の電極板は、電極材料として、前述の電極材料を備えている。従って、本発明の電極板を用いることで、電池等の内部抵抗(IV抵抗)を小さくすることができ、大電流による放電特性も良好にできる。さらには、電池等の寿命特性も良好にできる。
なお、本発明の電極板は、正極板にも負極板にも適用できる。また、本発明の電極板は、二次電池、一次電池、及びキャパシタの電極板として用いることができる。
【0024】
他の解決手段は、正極板と、負極板と、セパレータとを含む電極体を備える二次電池であって、上記正極板及び上記負極板の少なくともいずれかは、前記の電極板である二次電池である。
【0025】
本発明の二次電池は、正極板及び負極板の少なくともいずれかとして、前述の電極板を備えている。従って、本発明の二次電池は、内部抵抗(IV抵抗)が小さくなり、大電流による放電特性も良好となると共に、寿命特性も良好になる。
【0026】
他の解決手段は、活物質粒子と、炭素材料からなり上記活物質粒子の表面に付着した第1導電材と、繊維状の炭素材料からなり上記第1導電材に結合した第2導電材とを有する電極材料の製造方法であって、粒径が1μm以下の活物質粒子、及び、炭素材料からなり上記活物質粒子の表面に付着した上記第1導電材、を有する第1導電材付着活物質粒子と、繊維状の炭素材料からなり、繊維長が2μm以上10μm以下の第2導電材とを、メカノケミカル結合により結合させる結合工程を備える電極材料の製造方法である。
【0027】
本発明の製造方法によれば、「繊維状の第2導電材のそれぞれに、複数の活物質粒子が第1導電材を介して結合した電極材料」を得ることができる。このような電極材料は、導電ネットワークが良好で、しかも、この良好な導電ネットワークを、長期にわたって安定して維持することができる。
従って、この製造方法により製造した電極材料を用いることで、電池等の内部抵抗(IV抵抗)を小さくすることができ、大電流による放電特性も良好にできる。さらには、電池等の寿命特性も良好にできる。
【0028】
なお、この製造方法は、正極材料の製造方法にも、負極材料の製造方法にも適用することができる。
また、この製造方法としては、例えば、メカノフュージョンにより、第1導電材付着活物質粒子の表面に第2導電材をメカノケミカル結合させる方法を挙げることができる。メカノフュージョン法によれば、第1導電材付着活物質粒子と第2導電材とを均一に分散させつつ、両者を結合させることができる。
【0029】
さらに、上記の電極材料の製造方法であって、前記結合工程の後、前記第2導電材を結合させた前記第1導電材付着活物質粒子を、焼成する焼成工程を備える電極材料の製造方法とするのが好ましい。
第2導電材をメカノケミカル結合させた第1導電材付着活物質粒子を、焼成することで、より一層、第1導電材付着活物質粒子と第2導電材との結合を強固にすることができる。これにより、良好な導電ネットワークを、長期にわたって安定して維持することができる。
【0030】
他の解決手段は、活物質粒子と、炭素材料からなり上記活物質粒子の表面に付着した第1導電材と、繊維状の炭素材料からなり上記第1導電材を介して上記活物質粒子に結合した第2導電材とを有する電極材料の製造方法であって、粒径が1μm以下の活物質粒子であって、その表面に上記第1導電材が付着した活物質粒子を形成すると共に、繊維長が2μm以上10μm以下の上記第2導電材を上記第1導電材を介して上記活物質粒子に結合させる結合工程を備える電極材料の製造方法である。
【0031】
本発明の製造方法によれば、「繊維状の第2導電材のそれぞれに、複数の活物質粒子が第1導電材を介して結合した電極材料」を、適切に得ることができる。特に、活物質粒子の表面に第2導電材が付着した活物質粒子を形成すると共に、第2導電材を第1導電材を介して活物質粒子に結合させるので、第2導電材の結合を、容易に且つ強固にすることができる。このような電極材料は、導電ネットワークが良好で、しかも、この良好な導電ネットワークを、長期にわたって安定して維持することができる。
【0032】
従って、本発明の製造方法により製造した電極材料を用いることで、電池等の内部抵抗(IV抵抗)を小さくすることができ、大電流による放電特性も良好にできる。さらには、電池等の寿命特性も良好にできる。
なお、本発明の製造方法は、正極材料の製造方法にも、負極材料の製造方法にも適用することができる。また、本発明の製造方法としては、例えば、活物質粒子と第1導電材と第2導電材とを混合し、これを焼成する方法が挙げられる。
【0033】
さらに、上記の電極材料の製造方法であって、前記結合工程は、前記活物質粒子、及び、焼成により上記活物質粒子となる活物質原料のうち少なくともいずれかと、前記第1導電材、及び、焼成により上記第1導電材となる第1導電材原料のうち少なくともいずれかと、前記第2導電材と、を混合し焼成する電極材料の製造方法とすると良い。
【0034】
本発明の製造方法によれば、活物質粒子と第1導電材とが焼結され、且つ、第1導電材と第2導電材とが焼結された電極材料を得ることができる。このような電極材料は、活物質粒子と第1導電材とが強固に結合し、且つ、第1導電材と第2導電材とが強固に結合するので、充放電を繰り返し行っても、良好な導電ネットワークを維持することができる。
従って、本発明の製造方法により製造した電極材料を用いることで、電池等の寿命特性をより一層良好にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(実施例1)
まず、本実施例1にかかる二次電池100について説明する。二次電池100は、図1に示すように、直方体形状の電池ケース110と、正極端子120と、負極端子130とを備える、角形密閉式のリチウムイオン二次電池である。
電池ケース110は、金属からなり、直方体形状の収容空間をなす角形収容部111と、金属製の蓋部112とを有している。電池ケース110(角形収容部111)の内部には、電極体150、正極集電部材122、負極集電部材132などが収容されている。正極集電部材122及び負極集電部材132は、細長板形状の金属部材であり、それぞれ、正極端子120及び負極端子130に接続されている。
【0036】
電極体150は、断面長円状をなし、シート状の正極板155、負極板156、及びセパレータ157を捲回してなる扁平型の捲回体である。この電極体150は、その軸線方向(図1において左右方向)の一方端部(図1において右端部)に位置し、正極板155の一部のみが渦巻状に重なる正極捲回部155bと、他方端部(図1において左端部)に位置し、負極板156の一部のみが渦巻状に重なる負極捲回部156bとを有している。正極板155には、正極捲回部155bを除く部位に、正極活物質を含む正極合材が塗工されている。同様に、負極板156には、負極捲回部156bを除く部位に、負極活物質を含む負極合材が塗工されている。
【0037】
ここで、正極板155について、図2を参照して詳細に説明する。正極板155は、図2に示すように、アルミニウム箔からなる正極集電部材151と、この正極集電部材151の表面に塗布された正極合材152とを有している。正極合材152は、正極材料154と、図示しないバインダ樹脂(本実施例1では、ポリフッ化ビニリデン)とを有している。
【0038】
このうち、正極材料154は、正極活物質粒子153と、この正極活物質粒子153の表面に付着(表面を被覆)した第1導電材158と、第1導電材158に結合した第2導電材159とを有している。正極材料154のSEM写真図を図3に示す。
【0039】
なお、本実施例1では、正極活物質粒子153として、粒径が1μ以下(詳細には、粒径が数百nm程度)のオリビン形鉄燐酸リチウムを用いている。また、第1導電材158として、カーボンブラックを用いている。また、第2導電材159として、繊維長が5μm程度のカーボンナノチューブを用いている。
【0040】
次に、本実施例1の二次電池100の製造方法について説明する。
(正極材料の作製)
図4に示すように、ステップS1において、正極材料154を製造した。
具体的には、まず、粒径が1μ以下(詳細には、粒径が数百nm程度)のオリビン形鉄燐酸リチウム粒子(正極活物質粒子153)の表面にカーボンブラック(第1導電材158)の被膜が形成された第1導電材付着活物質粒子153b(図2参照)と、繊維長が5μm程度のカーボンナノチューブ(第2導電材159)とを用意した。次いで、図5に示すように、ステップS11において、メカノフュージョンにより、90重量部の第1導電材付着活物質粒子153bと、2重量部のカーボンナノチューブ(第2導電材159)とを、メカノケミカル結合させた。
【0041】
次いで、ステップS12に進み、繊維長が5μm程度のカーボンナノチューブ(第2導電材159)に結合させた第1導電材付着活物質粒子153bを、500〜900℃の温度で焼成した。これにより、活物質粒子153と第1導電材158が焼結され、且つ、第1導電材158と第2導電材159とが焼結された正極材料154を得た。得られた正極材料154を、SEM(走査電子顕微鏡)にて観察したところ、図3に示すように、カーボンナノチューブ(第2導電材159)のぞれぞれに、複数の第1導電材付着活物質粒子153bが結合していることが確認できた。すなわち、カーボンナノチューブ(第2導電材159)のそれぞれに、複数のオリビン形鉄燐酸リチウム粒子(正極活物質粒子153)が、カーボンブラック(第1導電材158)を介して結合していた。
【0042】
(正極板の作製)
次に、図4に示すように、ステップS2に進み、正極板155を作製した。
具体的には、図6に示すように、ステップS21(正極スラリ作製工程)において、上述のようにして得た正極材料154と、バインダ樹脂(ポリフッ化ビニリデン)と、分散溶媒(N−メチルピロリドン)とを混合し、正極スラリを作製した。なお、正極材料154とバインダ樹脂とは、92:8の割合(重量比)で添加している。
【0043】
次いで、ステップS22(塗布工程)に進み、この正極スラリを、正極集電部材151(厚み20μmのアルミニウム箔)の表面に塗布した。その後、ステップS23に進み、塗布した正極スラリを乾燥させることで、これを正極合材152とした。次いで、ステップ24に進み、正極合材152が積層された正極集電部材151にプレス加工を施し、押圧成形して、厚み約160μmの正極板155を得た。
【0044】
(負極材料の作製)
また、図4に示すように、ステップS3において、負極材料を作製した。具体的には、まず、粒径が数μm程度の負極活物質(黒鉛粉末)とピッチタール(第1導電材原料に相当する)とを混合して、負極活物質粒子(黒鉛粉末)の表面をピッチタールで被覆した。引き続き、これに、繊維長5μm程度のカーボンナノチューブを混合して、ピッチタールを介して、負極活物質粒子(黒鉛粉末)にカーボンナノチューブ(第2導電材)を付着させた。なお、カーボンナノチューブは、負極活物質粒子(黒鉛粉末)の94重量部に対し、1重量部添加している。次いで、この混合物を、900〜1500℃の温度で焼成した。これにより、負極活物質粒子(黒鉛粉末)と第1導電材(ピッチタール由来の非晶質炭素)とが焼結され、且つ、第1導電材と第2導電材(カーボンナノチューブ)とが焼結された負極材料を得た。
【0045】
(負極板の作製)
次に、ステップS4に進み、上述のようにして作製した負極材料と、バインダ樹脂(ポリフッ化ビニリデン)と、分散溶媒(N−メチルピロリドン)とを混合し、負極スラリを作製した。なお、負極材料とバインダ樹脂とは、95:5の割合(重量比)で添加している。次いで、この負極スラリを、厚み約10μmの負極集電部材(銅箔)の表面に塗布し、乾燥させた後、プレス加工を施して、厚み約110μmの負極板156を得た。
【0046】
(電池の作製)
次に、ステップS5に進み、正極板155、負極板156、及びセパレータ157を積層し、これを捲回して断面長円状の電極体150を形成した。なお、本実施例1では、セパレータ157として、厚み20μmのポリエチレンシートを用いている。
次いで、ステップS6に進み、二次電池100の組み付けを行った。具体的には、電極体150を外部端子(正極端子120と負極端子130)と接続させると共に、角形収容部111内に収容した。その後、角形収容部111と蓋体112とを溶接して、電池ケース110を封止した(図1参照)。次いで、蓋体112に設けられている注液口(図示しない)を通じて電解液を注液した後、注液口を封止することで、本実施例1の二次電池100が完成する。
【0047】
なお、本実施例1では、電解液として、EC(エチレンカーボネート)とDMC(ジメチルカーボネート)とDEC(ジエチルカーボネート)とを、25:60:15(体積比)で混合した溶液中に、六フッ化燐酸リチウム(LiPF6)とVC(ビニレンカーボネート)とを各1モルずつ溶解したものを用いている。
また、本実施例1の二次電池100の理論容量は、1000mAhである。
【0048】
また、比較例として、実施例1と比較して正極材料のみが異なる3種類の二次電池(比較例1〜3とする)を用意した。
具体的には、比較例1では、正極活物質粒子として、粒径が1μmより大きな(具体的には、粒径が数μm程度)オリビン形鉄燐酸リチウム粒子を用い、第2導電材として、繊維長が1μm以下のカーボンナノチューブを用いている。その他については、実施例1と同様にして、二次電池を製造している。
【0049】
また、比較例2では、正極活物質粒子として、粒径が1μmより大きな(具体的には、粒径が数μm程度)オリビン形鉄燐酸リチウム粒子を用いている。その他については、実施例1と同様にして、二次電池を製造している。
また、比較例3では、第2導電材として、繊維長が1μm以下のカーボンナノチューブを用いている。その他については、実施例1と同様にして、二次電池を製造している。
【0050】
次に、実施例1の二次電池100及び比較例1〜3の二次電池について、電池特性の評価を行った。
(大電流負荷容量特性)
まず、各二次電池について、大電流負荷容量特性を評価した。具体的には、各二次電池について、電池電圧が4.0Vの充電状態から、電池電圧が2.5Vになるまで、1Cの電流値で放電を行った。このときの電流値と放電時間との積を、放電容量D1として取得した。次いで、1Cの電流値で電池電圧が4.0Vになるまで充電した後、引き続き、定電流(1C)−定電圧(4.0V)で充電を行い、計3時間の充電を行った。その後、電池電圧が2.5Vになるまで、5Cの電流値で放電を行った。このときの電流値と放電時間との積を、放電容量D2として取得した。そして、大電流負荷容量特性の評価基準として、D2/D1を算出した。これらの結果を表1に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
表1に示すように、比較例1では、D2/D1の値が0.31となり、1Cの電流値で放電したときの放電容量に比べて、5Cの大電流で放電したときの放電容量が極めて小さくなった。これは、比較例1では、カーボンナノチューブの繊維長(1μm以下)が、正極活物質粒子の粒径(数μm程度)よりも短いために、カーボンナノチューブにより正極活物質粒子同士を適切に結合させることができなかったためと考えられる。このために、正極において、良好な導電ネットワークを形成することができず、大電流での放電容量が大きく低下したと考えられる。
【0053】
比較例2,3でも、D2/D1の値がそれぞれ0.54,0.48となり、1Cの電流値で放電したときの放電容量に比べて、5Cの大電流で放電したときの放電容量が大きく低下した。比較例2,3では、カーボンナノチューブの繊維長を、正極活物質粒子の粒径と同程度としているが、これでも、カーボンナノチューブにより正極活物質粒子同士を適切に結合させることができなかったと考えられる。このために、正極において、良好な導電ネットワークを形成することができず、大電流での放電容量が低下したと考えられる。
【0054】
これに対し、実施例1の二次電池100では、D2/D1の値が0.95となり、1Cの電流値で放電したときの放電容量と、5Cの大電流で放電したときの放電容量とはほとんど変わらなかった。すなわち、実施例1の二次電池100では、大電流負荷容量特性が良好であった。これは、実施例1では、カーボンナノチューブの繊維長(5μm程度)が、正極活物質粒子の粒径(1μm以下)に比べて十分に長いため、カーボンナノチューブにより複数の正極活物質粒子を適切に結合させることができたためと考えられる。これにより、正極において、良好な導電ネットワークを形成することができ、大電流での放電特性も良好にすることができたと考えられる。
【0055】
しかも、粒径が1μm以下の正極活物質粒子153を用いることで、正極活物質粒子153の比表面積を極めて大きくしている。これにより、正極活物質粒子153におけるLiイオンの挿入・離脱反応が良好になるので、大電流での放電特性をより一層良好にすることができたと考えられる。
この結果より、繊維長が2μm以上10μm以下の第2導電材に、第1導電材を介して活物質粒子を結合させることで、良好な導電ネットワークを形成することができ、大電流での放電特性も良好にすることができるといえる。
【0056】
(IV抵抗の評価)
また、各二次電池について、それぞれ、IV抵抗値を測定した。具体的には、まず、各二次電池について、1Cの電流値で放電を行い、SOC(State Of Charge)を50%とした。その後、各二次電池について、2C,5C,10Cの各電流値で放電を行い、放電開始から5秒後の電池電圧をそれぞれ測定した。その後、横軸に電流値を設定し、縦軸に電池電圧を設定したグラフに、各測定値をプロットする。次いで、最小二乗法を用いて、これらのプロットデータに応じた直線の傾きを算出し、この算出した傾きを、各二次電池のIV抵抗値とした。そして、IV抵抗値が最も大きくなった比較例1の二次電池のIV抵抗値を基準(100%)として、各二次電池のIV抵抗値の比率(IV抵抗比)を算出した。これらの結果を表1に示す。
【0057】
表1に示すように、比較例3の二次電池では、IV抵抗比が95%となり、比較例1と同程度にIV抵抗値が大きくなった。これは、カーボンナノチューブの繊維長が、1μm以下と短いために、カーボンナノチューブにより正極活物質粒子同士を適切に結合させることができなかったためと考えられる。このために、正極において、良好な導電ネットワークを形成することができず、IV抵抗値(内部抵抗値)が大きくなったと考えられる。
また、比較例2の二次電池では、IV抵抗比が82%となり、比較例1に比べてIV抵抗値が小さくなったものの、IV抵抗値を十分に小さくすることができなかった。これは、繊維長が5μm程度と長いカーボンナノチューブを用いているが、正極活物質粒子の粒径が数μm程度と大きいために、カーボンナノチューブにより正極活物質粒子同士を適切に結合させることができなかったためと考えられる。
【0058】
これに対し、実施例1の二次電池100では、IV抵抗比が72%となり、IV抵抗値を十分に小さくすることができた。これは、実施例1では、カーボンナノチューブの繊維長(5μm程度)が、正極活物質粒子の粒径(1μm以下)に比べて十分に長いため、カーボンナノチューブにより正極活物質粒子同士を適切に結合させることができたためと考えられる。これにより、正極において、良好な導電ネットワークを形成することができ、二次電池のIV抵抗(内部抵抗)を小さくすることができたと考えられる。
この結果より、繊維長が2μm以上10μm以下の第2導電材に、第1導電材を介して活物質粒子を結合させることで、良好な導電ネットワークを形成することができ、二次電池のIV抵抗(内部抵抗)を小さくすることができるといえる。
【0059】
(寿命特性の評価)
また、各二次電池について、それぞれ、サイクル寿命特性を評価した。具体的には、まず、各二次電池について、60±2℃の高温環境下で、電池電圧が4.0Vになるまで3Cの電流値で充電を行った後、引き続き、定電流(3C)−定電圧(4.0V)で充電を行った。その後、3Cの電流値で、電池電圧が2.5Vになるまで放電を行った。この充放電サイクルを1サイクルとして、二次電池の放電容量が初期の放電容量の80%に低下するまで(このときを電池寿命とした)、充放電サイクルを繰り返し行った。このときの、各二次電池のサイクル数を表1に示す。
【0060】
なお、本実施例1のサイクル寿命試験は、携帯電話やノートパソコン等に用いられる民生用の二次電池のサイクル寿命試験に比べて、過酷な条件となっている。民生用の二次電池では、例えば、25±2℃の常温環境下で、電池電圧が4.0Vになるまで1Cの電流値で充電を行った後、引き続き、定電流(1C)−定電圧(4.0V)で充電を行い、その後、1Cの電流値で、電池電圧が2.5Vになるまで放電する充放電サイクルを1サイクルとして、サイクル寿命試験を行う。民生用の二次電池に比べて、35℃程度も高い温度条件で、しかも、3倍程度の大電流で充放電を行うという過酷な条件で、サイクル寿命試験を行うことで、長期間、大電流の充放電に耐えうる二次電池であるかどうかを評価した。
【0061】
表1に示すように、比較例1,3の二次電池では、150〜200サイクルで寿命に達してしまい、寿命特性が好ましくなかった。これは、カーボンナノチューブの繊維長が、1μm以下と短いために、カーボンナノチューブと正極活物質粒子(詳細には、カーボンブラックの被膜)とを適切に結合させることができなかったためと考えられる。このために、充放電に伴う活物質の膨張・収縮の影響により、カーボンナノチューブと正極活物質粒子(詳細には、カーボンブラックの被膜)との電気的接続が次第に切断されてしまい、放電容量が早期に低下してしまったと考えられる。
【0062】
また、比較例2の二次電池では、250〜300サイクルで寿命に達してしまい、比較例1,3に比べて寿命が延びたものの、良好な寿命特性は得られなかった。これは、次のような理由によるものと考えられる。繊維長が5μm程度と長いカーボンナノチューブを用いることで、比較例1,3に比べれば、カーボンナノチューブと正極活物質粒子(詳細には、カーボンブラックの被膜)との結合性を高めることができる。しかしながら、正極活物質粒子の粒径が数μm程度と大きいために、充放電に伴う活物質の膨張・収縮が大きく、その影響で次第に、カーボンナノチューブと正極活物質粒子(詳細には、カーボンブラックの被膜)との間の結合が切断されてしまったと考えられる。
【0063】
これに対し、実施例1の二次電池100では、600サイクルを超えて充放電サイクルを行っても寿命に達することなく、良好な寿命特性を示した。これは、実施例1では、正極活物質粒子の粒径(1μm以下)に比べて十分に長い繊維長(5μm程度)のカーボンナノチューブを、正極活物質粒子の表面を被覆するカーボンブラックに結合させたことにより、両者間の結合を強固にすることができたためと考えられる。しかも、粒径が1μm以下の(すなわち、比表面積が極めて大きい)活物質粒子を用いているため、充放電時において、活物質粒子の単位面積当たりに加わる反応負荷が小さくなり、活物質の膨張・収縮を抑制することができる。これにより、長期にわたり充放電を繰り返し行っても、カーボンナノチューブと正極活物質粒子(詳細には、カーボンブラックの被膜)との間の結合を維持することができるので、寿命特性が良好になったと考えられる。
【0064】
以上において、本発明を実施例1に即して説明したが、本発明は上記実施例等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0065】
例えば、実施例1では、本発明を正極材料に適用した。すなわち、正極材料において、粒径が1μm以下の活物質粒子を用い、且つ、繊維長が2μm以上10μm以下の第2導電材を用いて、これらを結合させた。しかしながら、本発明は、正極材料のみならず、負極材料にも適用できる。すなわち、負極材料において、粒径が1μm以下の活物質粒子を用い、且つ、繊維長が2μm以上10μm以下の第2導電材を用いて、これらを結合させるようにしても良い。具体的には、例えば、実施例1において、負極活物質として粒径が1μm以下の黒鉛粉末を用いることで、より一層、二次電池の特性(IV抵抗、大電流放電特性、寿命特性)を良好にすることができる。
【0066】
また、実施例1では、第1導電材付着活物質粒子153bとカーボンナノチューブとを、メカノフュージョンによりメカノケミカル結合させた後、これを焼成することで正極材料154を得たが、電極材料の製造方法は、これに限定されるものではない。
例えば、燐酸リチウム及び酸化鉄(これらは活物質原料に相当する)と、カーボンブラック(第1導電材に相当する)と、カーボンナノチューブ(第2導電材に相当する)とを混合し、500〜900℃の温度で焼成するようにしても良い。但し、燐酸リチウム及び酸化鉄は、粒径が1μm以下(好ましくは、200〜300nm程度)のものを用いる。
【0067】
このような製造方法によれば、正極活物質粒子253(オリビン形鉄燐酸リチウム粒子)と第1導電材258(カーボンブラック)とが焼結され、且つ、第1導電材258と第2導電材259(カーボンナノチューブ)とが焼結された電極材料254(図2参照)を得ることができる。この電極材料254は、活物質粒子253と第1導電材258とが強固に結合し、且つ、第1導電材258と第2導電材259とが強固に結合するので、充放電を繰り返し行っても、良好な導電ネットワークを維持することができる。
この電極材料254を用いて製造した二次電池200(図1参照)でも、大電流負荷容量特性、IV抵抗(内部抵抗)、及び寿命特性について、実施例1の二次電池100と同等の良好な特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施例にかかる二次電池100の断面図である。
【図2】二次電池100の正極板155の拡大断面図である。
【図3】正極材料154を10000倍に拡大したSEM写真図である。
【図4】二次電池100の製造の流れを示すフローチャートである。
【図5】正極材料154の製造の流れを示すフローチャートである。
【図6】正極板155の製造の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
100,200 二次電池
150 電極体
151 正極集電部材(集電部材)
153,253 正極活物質粒子(活物質粒子)
153b,253b 第1導電材付着活物質粒子
154,254 正極材料(電極材料)
155 正極板(電極板)
156 負極板(電極板)
157 セパレータ
158,258 第1導電材
159,259 第2導電材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活物質粒子と、
炭素材料からなり、上記活物質粒子の表面に付着した第1導電材と、
繊維状の炭素材料からなり、上記第1導電材に結合した第2導電材と、
を備え、
上記活物質粒子は、その粒径が1μm以下であり、
上記第2導電材は、その繊維長が2μm以上10μm以下であり、
上記第2導電材のそれぞれには、複数の上記活物質粒子が、上記第1導電材を介して結合してなる
電極材料。
【請求項2】
請求項1に記載の電極材料であって、
前記活物質粒子と前記第1導電材、及び、上記第1導電材と前記第2導電材とが焼結されてなる
電極材料。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電極材料であって、
前記第2導電材は、
カーボン繊維、グラファイト繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノファイバー、及び、カーボンナノチューブの少なくともいずれかである
電極材料。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電極材料と、
上記電極材料を担持する集電部材と、を備える
電極板。
【請求項5】
正極板と、負極板と、セパレータとを含む電極体を備える
二次電池であって、
上記正極板及び上記負極板の少なくともいずれかは、請求項4に記載の電極板である
二次電池。
【請求項6】
活物質粒子と、炭素材料からなり上記活物質粒子の表面に付着した第1導電材と、繊維状の炭素材料からなり上記第1導電材に結合した第2導電材とを有する電極材料の製造方法であって、
粒径が1μm以下の活物質粒子、及び、炭素材料からなり上記活物質粒子の表面に付着した上記第1導電材、を有する第1導電材付着活物質粒子と、
繊維状の炭素材料からなり、繊維長が2μm以上10μm以下の第2導電材とを、
メカノケミカル結合により結合させる結合工程を備える
電極材料の製造方法。
【請求項7】
活物質粒子と、炭素材料からなり上記活物質粒子の表面に付着した第1導電材と、繊維状の炭素材料からなり上記第1導電材に結合した第2導電材とを有する電極材料の製造方法であって、
粒径が1μm以下の活物質粒子であって、その表面に上記第1導電材が付着した活物質粒子を形成すると共に、繊維長が2μm以上10μm以下の上記第2導電材を上記第1導電材に結合させる結合工程を備える
電極材料の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の電極材料の製造方法であって、
前記結合工程は、
前記活物質粒子、及び、焼成により上記活物質粒子となる活物質原料のうち少なくともいずれかと、
前記第1導電材、及び、焼成により上記第1導電材となる第1導電材原料のうち少なくともいずれかと、
前記第2導電材と、
を混合し焼成する
電極材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−43514(P2009−43514A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206381(P2007−206381)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(502318560)エス・イー・アイ株式会社 (12)
【Fターム(参考)】