説明

電気エネルギーを利用した酸素ガスによる廃水処理装置

【課題】気相中の高電場において酸素ガスを活性化し、O2−を生成して処理水中に溶解せしめ、これに続く反応からOHラジカルを生成せしめて、これにより廃水中の有機物を分解してCODを低下させる。
【解決手段】気相中で酸素を電気エネルギーによって還元して、活性酸素種の前駆体であるスーパーオキシドアニオンラジカルを生成して、すみやかに、処理廃水に導入して、排水中の水と反応して生成する活性酸素種である過酸化水素ラジカル及びOHラジカルによって、廃水の有機成分を効率よく酸化分解する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種工場等から排出される廃水処理装置に関するものである。
【0002】
本発明は、気相中の高電場において酸素ガスを活性化し、O2−を生成して処理水中に溶解せしめ、これに続く反応からOHラジカルを生成せしめて、これにより廃水中の有機物を分解してCODを低下させるもので、電気化学的処理技術である。
【背景技術】
【0003】
2011年の時点で経済は不況にあるとは言え、100年前とは比較しようもないほど生産量は増加している。生産が増加すればそれに伴って各施設から排出される廃水の量も増加している。以前にもまして深刻に考慮しなければならないのは環境意識の高まりである。環境問題を考慮しない生産はあってはならないと言っても良い。
【0004】
このような状況下で各企業は種々の廃水処理技術を開示している。ただ、化学的、物理的あるいはこれら二つを組み合わせた処理のみでは、浄化が不十分なので、微生物による処理と組み合わせたものが多い。微生物処理を除いた分野においても、各技術は、多数にわたっている。開示されているものの内から新しいものを以下に例示する。廃水を凝集剤で沈降させたり、あるいは有機物を泡などと共に浮上させたりする技術は昔から良く知られているが、今更引用するまでもない。
【0005】
現在開示されている技術としては、特許文献1に示す酸素による酸化処理、特許文献2及び非特許文献1に示すオゾンによる酸化処理、特許文献3に示すオゾンと過酸化水素によるもの、特許文献4及び非特許文献2に示すオゾンと電解処理特許文献5のフェントン反応特許文献6のハロゲン化物を添加した電解反応特許文献7の高電圧パルス印加処理特許文献8のマイクロ波照射等がある。
【0006】
特許文献9から10までには、廃水処理の工程でOHラジカルによる処理と明言している技術が開示されている。これらは過酸化水素を使用しているか、紫外線ランプを使用しているので廃水処理工程においてOHラジカルが存在する可能性は十分あるが、OHラジカルの存在を凝縮系で確認することは容易ではない。第一にラジカルは一般に反応性が高くその寿命はmsからμsのオーダーであること、特性光吸収が紫外部にあり光学吸収スペクトルによる測定は凝縮系では困難である事による。唯一の方法はESR(Electron Spin Resonance)によるスピントラップ法より他はない。非特許文献3,4には、ESRによる凝縮系でのOHラジカルの測定は水中放電の研究で報告されている。
【0007】
【特許文献1】 特開2000−279995
【特許文献2】 特開2008−168201
【特許文献3】 特開2000−279974
【特許文献4】 特開2008−207089
【特許文献5】 特開2004−181446
【特許文献6】 特開2004−122032
【特許文献7】 特開2005−13858
【特許文献8】 特開平11−90420
【特許文献9】 特開2004−130185
【特許文献10】 特開2004−130186
【特許文献11】 特開2000−79395
【特許文献12】 特開2000−288559
【特許文献13】 特開2000−102794
【非特許文献1】 岩本等、環境技術、33(11),831(2004).
【非特許文献2】 岸本、環境技術、 33(11),837(2004).
【非特許文献3】 田原、繊維学会誌、59(4)、153(2003).
【非特許文献4】 田原、繊維学会誌、34(12)、366(2008).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、廃水処理が益々困難になってきている。オゾン処理を数回繰り返してようやく微生物処理に移行しているのが現状である。この原因はスピンドル油、クーラント等が水に対して溶解性を持つか、少なくとも親水性に富むものが使用されだしたことにある。これらの物質に対しては、従来の油水分離装置のようなものは無力である。廃水中にこれらの成分が混入してCODが10000mg/lを越えるようになってきている。このため廃水処理施設の面積の増加や処理コストの増大など深刻な問題を抱えるに至っている。
【0009】
現状としては大型のオゾン発生装置を多数用い、微生物分解池に至る前に徹底したオゾン処理を行わなければならない。また次亜塩素酸塩の使用は後段の微生物処理や最終段階後水を廃棄する際に新たな問題となる。またその他の手段として従来の電解法を併用するとCODが高いために電力消費もかなり必要となる。
【0010】
オゾン処理は確かに有効な方法ではあるが、現状の難分解性の廃水に対しては不十分である。また、オゾンと過酸化水素の併用には、ケミカルを導入することに対して抵抗が多い。オゾン処理の効果を一段と高める必要に迫られていたものである。
【0011】
オゾンは放電によるオゾン発生器から供給しているわけであるが、オゾンガスと言っても実は排出ガス中オゾンの量は5%程度で残り約95%は酸素である。然し酸素の酸化力はオゾンほど強力ではない。もし残りの分95%の酸素は従来とは異なった新規な方法で廃水処理に役立たせることが出来れば、廃水処理コストの低減に大きく寄与できるという課題があった。
【0012】
そして、近年オゾンよりも酸化力が高いとされているOH・ラジカルが有力な手段として用いられるようになった。実はOH・ラジカルは水の電解において生成しているのであるが、電子との反応性が高いので選択的に電子と反応してOH−に変じてしまう。またこのような電解反応においてはアノード金属のイオン溶出がコストとか追加的な電解処理物の問題を引き起こしている。
【0013】
このような課題を解決すべく最初に試みた方法は、廃水の流路にカソードを設け、当該流路に別途酸素又は(オゾン−酸素)ガスを導入して廃水に溶解せしめ、この酸素または(オゾン−酸素)ガスを溶解した廃水をカソードに接触させ、カソードから電子の供給を受けせしめることである。図3に、この時の実験装置の概念図を示す。
この開発初期の過程を反応式で記述すると(1)式のようになる。
【0014】
反応式(1)
O2 + e− → O2− k=1.9×1010l mol−1s−1 (1)
【0015】
オゾンも酸素と同様に高い電子親和力を持つので(1)式と同様に電子と反応し高い反応速度定数をもつと考えられるが、オゾンを単離する事が難しいので反応速度定数は求められていない。一方オゾンは高い酸化力のために廃水に溶解後直ちに溶存する有機物と反応し電子との反応の寄与はそんなに高くない。前段に述べたように、オゾンガスと言っても実は排出ガス中オゾンの量は5%程度で残り約95%は酸素である。いずれにせよ期待されるのは95%もの酸素の活用である。
【0016】
反応式(2)から(7)
O2− + H2O→OH− + HOO・ [proton transfer] (2)
HOO・ → ・OH + O (3)*
・OH + e− → OH− (4)
O + H2O → 2・OH [H atom abstraction] (5)
2・OH + 2e− → 2OH− (6)
HOO・ + e− → OH− + O (3’)
O2 + 2H2O + 4e− → 4OH− (7)
【0017】
通常の電気化学では、(1)式に続く一連の反応ではOH−に変化してしまう。
これを反応式(2)以下、反応式(7)までに示す。
(3)式の代わりに(3’)式でも考えられる。以上の反応は最終結果として(7)式を与える。
【0018】
このように、従来技術の電解処理に代表される電気化学的な処理の限界が見えてきたので、本発明者は、オゾン処理からオゾンと過酸化水素による併用処理から、さらにはオゾン処理へと、さらには高圧電場における酸素処理へと研究実験を重ねてきたものである。電気化学的な処理として、酸素に電気エネルギーを与えて、活性酸素種を生成して、廃水を酸化分解処理する最良な方法を見出そうとしたのである。
【0019】
前段で述べた事項は電気化学では既知のことである。また(1)式から始まる酸素の電子捕獲反応は(7)式に要約されるように全てOH−となる。然し通常の電気化学では必ず電解液にアノードを浸漬している。これは通常では不可欠の条件である。然し我々は以下の事実を発見した。
【0020】
即ち、脱イオン水を容器に入れ、カソードを反応容器中央に設置し、アノードを電解液に浸漬する代わり、系に直流高電圧を印加し、即ち、アノードを一切使用せずカソードに対してマイナス数kVの電位を印加し、カソード周辺のpHが11に達することを確認した。
【0021】
此処までの議論ではOH−が生成するところで止まっている。OH−は洗浄作用があるものの廃水処理には使用できない。ところが反応式(1)から(6)に至る過程では、OH−生成にはラジカルの発生を伴うという事実がある。即ち(3*)および(5)式ではOH・ラジカルが生成する。ところがこのOH・ラジカルは電子との反応性が高い。反応は(8)式で示される。
【0022】
反応式(8)
OH・+e− → OH− k=3×1010l mol−1s−1 (8)
【0023】
(8)式の反応速度定数は(1)式より大きく、OH・ラジカルが存在すれば、O2より優先的に電子と反応し、消滅してしまうことが解る。即ち通常の電気化学においてはOH・ラジカルが生成することは確かだが短時間の内にOH−へと変化してしまう。その寿命は永くてもms程度と考えられる。
【0024】
本発明にいたる初期の実験段階において、カソードにはマイナス数kVを印加し、電源の他の出力端子には何も接続せず、解放状態とした。
【0025】
アノードついては、意図的に用意せず、直流電源の一方の端子は解放状態である。これは回路図的に考えれば、図1に示すとおりである。金属部分を電源に接続しマイナス数kVを印加し(この端子を−で表す)、他の端子(これを+で表す)は何も接続していない解放状態であるが、回路的には、図3の灰色の線で示したように、高抵抗とコンデンサーを介した回路を形成していると考えて良い。この結果、容器Fの外側は正に帯電した電荷が存在すると考えられる。カソードで例えればトンネル効果により溶存酸素やオゾンと電子が反応すれば、容器Fから正の電荷が液層に移ると考えられる。
【0026】
ところが容器F外壁から液層に正電荷が注入されると、これが廃水処理にとっては好都合な現象となる。即ち水分子がイオン化して正イオンとなり、この正イオンから他の水分子にプロトンを移す反応(proton transfer)が進行する。これを以下に示す。
【0027】
反応式(9)
H2O+ + H2O → OH・+H3O+ (proton transfer) (9)
【0028】
(9)式は一般的な反応である。例えば凍結状態(液体窒素温度(−196℃)や液体ヘリウム温度(−269℃))でガラス状態を示す炭化水素(例えば3−メチルペンタン)は光吸収スペトルやESRの測定が可能であるので、放射線化学でよく使用されていた。このような凍結ガラスに放射線照射を行うと電子(trapped electron)は必ず観測されるのに、正イオンの観測は永い間観測されなかった。この原因は放射線によりイオン化した正イオン、RH+が近傍の分子RHへプロトンを渡すことによりR・ラジカルとなってしまうことが確認された。
【0029】
反応式(10)(11)
RH → RH+ + e− (γ−irradiation) (10)
RH+ + RH → R・+RH2 (proton transfer) (11)
【0030】
(9)式と(11)式は、物質は異なるが反応のタイプは同じである。このようなproton transferは一般的である。
【0031】
このような反応容器Fの外壁周辺での正電荷移動は、この領域でOH・ラジカルが生成することを意味し、この事実から反応外壁周辺領域は廃水の浄化がOH・ラジカルにより進行する。一方カソード領域でも流速が十分早ければ生成しOH・ラジカルが電子との反応から逃れ、廃水浄化に寄与できる。
【0032】
しかし、この方法には重大な課題が残った。酸素ガスが廃水中でマイナス高電圧を付与した電極に接触させても、十分な実用可能な酸素還元反応が進行しないことが実験によって確認された。すなわち、実験的には、前段に述べたような廃水の酸化分解処理は可能であり、理論的も正しいことは確認できたが、手段と方法に研究の余地があるということがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0033】
問題の解決手段として、酸素ガスを気相中で電子を与えて還元すればよいことを見出し、しかも、気相中に生成したスーパーオキシドアニオンラジカルO2−は、オゾンと違って水に溶けやすい性質であることを見出して本発明に至ったものである。
【0034】
廃水の酸化分解処理において、気相中で酸素を電気エネルギーによって還元して、活性酸素種の前駆体であるスーパーオキシドアニオンラジカルを生成して、すみやかに、処理廃水に導入して、排水中の水と反応して生成する活性酸素種である過酸化水素ラジカル及びOHラジカルによって、廃水の有機成分を効率よく酸化分解すればよいことを見出したのである。
【0035】
請求項1の手段は、気相で酸素O2に電子を与えて、活性酸素種の前駆体であるスーパーオキシドアニオンラジカルO2−をつくり、このO2−を廃水にすみやかに導入して、廃水中の水H2Oと反応させて、活性酸素種である過酸化水素HOO*ラジカルおよびヒドロキシルラジカルOH*をつくり、これらの酸化作用によって、廃水中の有機物を酸化分解するものである。
【0036】
請求項2の手段は、気相で酸素O2に電子を与える方法が、高電圧による火花放電であり、火花放電場に酸素ガスを通過せしめることによって、スーパーオキシドアニオンラジカルO2−を生成するというものである。コロナ放電によって、酸素に電子を与えるものである。
【0037】
請求項3の手段は、気相で酸素O2に電子を与える方法が、直流パルス高電圧を付与されたマイナス電極にO2酸素を接触通過せしめることによって、スーパーオキシドアニオンラジカルO2−を生成するというものである。電界電子放出によって、酸素に電子を与えるものである。
【0038】
請求項4の手段は、スーパーオキシドアニオンラジカルO2−を処理する廃水に導入する気液混合装置と、直流電圧を付与されたプラス電極を具備したバッファータンクとを連結して、これに廃水を継続循環して、目標のCOD削減値にいたるまで、スーパーオキシドアニオンラジカルO2−を廃水に導入するというものである。
【発明の効果】
【0039】
本発明の実施例に示す廃水処理装置によって、マンガンCOD値が5900ppmの難分解性廃水を処理したところ、140ppmまで低減できた。(株式会社ユニケミー検査報告書・第11−02047600号)この削減効果は、従来技術と比較して画期的なものである。
【0040】
本発明の実施例に示す廃水処理装置によって、PH7,2の名古屋市水道水がPH11.0のアルカリ水に改質できた。この効果結果は、本発明の目標であるOHラジカルの生成が実現できたことを証明している。
【0041】
近年廃水中にクーラントやスピンドル油等の水溶性や親水性の成分や、難分解性の成分が混入してきており、処理する有効手段が見つからないのが現状である。これらの親水性成分や難分解性成分の処理には一般に強力な酸化剤が必要となる。本発明においては、酸化剤としての化学薬品等を一切使用せず、物質としては処理水と空気のみであり、その処理手段は物理的手法に依るので処理過程と環境とが無理なく調和できる。
【0042】
廃水処理はいかなる場合においても酸化反応が必要である。処理に対して化学薬品を使わないとすれば現実的には電気化学的手法に頼らざるを得ない。ここで問題となるのがアノードである。金属アノードは電解過程においてイオン溶出してしまい、その分のコスト高や溶出金属の処理等の問題を残す。これを避けるためには、ドープされたダイヤモンド電極等の高コストに耐えねばならない。本発明においては電解液にアノードを浸漬しないというこれまでに発見されていない手法を用いることに意義がある。これは消耗するアノード分の高コスト、溶出するアノードに対する環境問題への対応、これらの問題を完全に避けて通ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
図3に本発明の新しい電気化学的処理の基本概念図を示す。
【0044】
図4に本発明の気相で酸素ガスからO2マイナスを生成して、廃水中でOHラジカルを生成するプロセスの概念図を示す。
【0045】
図5に本発明のO2マイナス生成のプロセスのより詳細な概念図を示す。
【実施例】
【0046】
本発明による廃水処理の最良の形態を実施例として示す。
図1に実施例の廃水処理装置の工程図を示す。
図2に実施例の廃水処理装置の概念図を示す
【0047】
本発明の実施例を図1及び図2にしたがって説明する。
【0048】
図1の工程図のように、10:廃水タンクに取り込まれた廃水は4:O2マイナス生成ユニット5:気液混合ユニット7:シャワー型電荷付与器兼バッファータンクの工程を経て処理され、さらに、4:O2マイナス生成ユニット5:気液混合ユニット7:シャワー型電荷付与器兼バッファータンクの工程を循環して所定の時間経過後8:処理水タンクへ納められる。
20:酸素ユニット酸素濃縮器又は酸素ボンベで構成されている。
6:電源ユニットは、次の3種類の電源で構成されている。
(X):バイアス電極用電源は、6A:バイアス回路用直流電源 6B:バイアス回路用直流源 6C:バイアス回路用直流電源でいずれも、(0V〜500V可変15W)
(Y):直流高圧電極用電源:最高5000V直流パルス200W
(Z):火花放電電極用電源で構成され、特殊テスラーコイル電源75Wである。
【0049】
本発明の実施例の装置の詳細を図2の概念図にしたがって説明する。
(X):バイアス電極:直流低圧○V〜500V使用材質銅箔)
(Y):直流高圧電極:直流高圧(最高5000V直流パルス使用使用材質カーボン)
(Z)火花放電電極:テスラーコイル電極(最高20000V特殊高周波電源使用材質ステンレス)
本実施例の反応は概念図に示すように、
4:O2マイナス生成ユニットで火花放電によって20酸素ガスユニットから供給される所定量のO2酸素ガスからO2マイナスを生成して、直ちに5:気液混合ユニットで10廃水現役タンクユニットから供給される廃水に5気液混合ユニットで導入される。ここで活性酸素種によって酸化分解反応が進み、続いて廃水は7:シャワー型電荷付与器兼バッファータンクへ送られてさらに酸化分解反応が進められる。
廃水の酸化分解反応時間が所定時間経過したら、処理廃水は7:シャワー型電荷付与器兼バッファータンクから、8:処理水タンクへ送り処理を完了する。
【産業上の利用可能性】
【0050】
近年廃水中に水溶性ないし親水性のクーラントやスピンドル油等が混入してきて廃水処理のコストの増加や処理規模の拡大等の問題を引き起こしており、優れた技術の一日も早い出現が渇望されている。本発明はまさにこの要請に応えうるものであり早期の設置が求められている。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施例廃水処理装置の工程図
【図2】実施例廃水処理装置のフロー図
【図3】電気化学的処理の基本概念図
【図4】O2マイナス生成からOHラジカル生成装置の概念図
【図5】サイクロン方お2マイナス生成装置の詳細図
【符号の説明】
【0053】
(A):酸素濃縮器又は酸素ボンベ
(B):気液混合装置・エジェクター
(B’):気液混合装置・サイクロン型
(C):ポンプ、
(D):主反応装置(O2マイナス・活性酸素種生成装置)
(E):直流高圧電源、
(F):反応容器、
(G):カスケードポンプ
(X):バイアス電極
(Y):直流高圧電極
(Z):火花放電電極
1&2:処理水路、
3:酸素ガス流路
4:O2マイナス生成ユニット
5:気液混合ユニット
6:電源ユニット
6A:バイアス回路用直流電源(0V〜500V)
6B:バイアス回路用直流電源(0V〜500V)
6C:バイアス回路用直流電源(0V〜500V)
7:シャワー型電荷付与器兼バッファータンク
8:処理水タンク
10:廃水タンク
20:酸素ガスユニット(酸素濃縮器又は酸素ボンベ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気相で酸素Oに電子を与えて、活性酸素種の前駆体であるスーパーオキシドアニオンラジカルOをつくり、このOを廃水にすみやかに導入して、廃水中の水HOと反応させて、活性酸素種である過酸化水素HOOおよびヒドロキシルラジカルOHをつくり、これらの酸化力によって、廃水中の有機物を酸化分解する装置
【請求項2】
気相で酸素Oに電子を与える方法が、高電圧による放電であり、放電場に酸素ガスを通過せしめることによって、スーパーオキシドアニオンラジカルOを生成することを特徴とする請求項1記載の装置
【請求項3】
気相で酸素Oに電子を与える方法が、直流パルス高電圧が付与されたマイナス電極によるもので、電極に酸素Oを接触通過せしめることによって、スーパーオキシドアニオンラジカルOを生成することを特徴とする請求項1記載の装置
【請求項4】
スーパーオキシドアニオンラジカルOを、処理する廃水に導入する気液混合装置を有し、さらに直流電圧を付与されたプラス電極を具備したバッファータンクを有し、廃水に継続循環して、所定のCOD削減値にいたるまで、スーパーオキシドアニオンラジカルOを廃水に導入することを特徴とする請求項2又は請求項3の装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−245514(P2012−245514A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133691(P2011−133691)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(594117995)三基工業株式会社 (4)
【出願人】(598001375)
【出願人】(503200338)
【出願人】(511146635)
【Fターム(参考)】