電気コネクタ
【課題】複数のコンタクトピンを備え、製品コストの低廉化を図ることができるコネクタを実現すること。
【解決手段】ジャック10では、シールドケース160の内部に、複数のコンタクトピン110が互いに所定間隔を空けて配置されている。これら複数のコンタクトピン110には、隣り合うコンタクトピン110側に突出する突出部120が形成されている。これら突出部120は、互いのコンタクトピン110の間隔を、所定の間隔よりも短くして静電容量を変化させる。
【解決手段】ジャック10では、シールドケース160の内部に、複数のコンタクトピン110が互いに所定間隔を空けて配置されている。これら複数のコンタクトピン110には、隣り合うコンタクトピン110側に突出する突出部120が形成されている。これら突出部120は、互いのコンタクトピン110の間隔を、所定の間隔よりも短くして静電容量を変化させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関し、特に自動車用のデータ伝送に用いられる電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーブルと印刷回路基板(Print Circuit Board:PCB)との接続に用いられるコネクタは、種々のスキームに従って規格化されている。自動車技術では、特に、欧州、アメリカで標準的に採用されているFAKRAと称されるスキームが知られている。このFAKRAは、自動車分野での国際規格化の関心を代表するドイツ規格協会内の自動車規格委員会(Normenausschuss Kraftfahrzeuge)である。FAKRAが広めた規格は、規格スキームを立案した組織名を用いたFAKRA規格として称され、自動車用途において、GPS、AM/FMラジオ、携帯電話、エアバッグシステム、マルチメディア装置等に多く使用されている。
【0003】
このFAKRA規格における伝送ケーブルの接続に用いられるコネクタとして、例えば、特許文献1に示すコネクタが知られている。
【0004】
特許文献1は、FAKRA規格におけるSMB型(FAKRA−SMB)の1極のジャック(レセプタクル)コネクタであり、このジャックと、プラグコネクタとによって一同軸ケーブルを接続する。FAKRA規格では、ジャックのジャックキーは、対応するプラグ側のキー溝にのみ接続できる。ジャックハウジングのFAKRAで定義されたラッチ受け部及びプラグハウジングの対応するラッチにより、コネクタハウジングの確実な位置決め及びロックが容易になる。
【0005】
ところで、自動車技術で使用されるコネクタとして、例えば、非特許文献1に示す4極のライトアングルタイプのジャックが知られている。
【0006】
このジャックの本体は、L型の4つのピンが配設された絶縁部材を、寸法精度を規定しやすい真鍮のダイカストによって成形された被覆体の中空部内に配設することで形成されている。具体的には、被覆体は、開口した一端部側からプラグの先端部が挿入される筒状部と、筒状部の他端側に連続して設けられ、筒状部の内部に連通する直方形状の本体部と、を有する。これら筒状部及び本体部内には、継ぎ目のないL型円筒状の中空部が形成され、この中空部内に4つのピンが配置されている。4つのピンはそれぞれ、筒状部内に筒状部の軸方向に沿って配設された第1辺部から第2辺部が直交して形成されている。この第2辺部において本体部の下面から下方に突出する部分が端子部(リード部)となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−272752号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】HDS_Catalog_2010(Rosenberger社 2010年4月発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来の4極ジャックの構成によれば、ハウジングがダイカスト製であるため、ハウジングの寸法を容易に調整してジャック自体の有する特性インピーダンスを安定させ易いが、ジャック自体の製品コストが嵩むという問題がある。
【0010】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、複数のコンタクトピンを備え、所望の特性インピーダンスを有するとともに、製品コストの低廉化を図ることができる電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電気コネクタは、接続相手コネクタのコンタクトにそれぞれ接続される複数のコンタクトピンと、前記複数のコンタクトピンが互いに所定間隔を空けて並べて配設される絶縁ハウジングと、前記絶縁ハウジングを被覆して設けられるシールドケースとを備えるとともに、基板に実装される電気コネクタであって、前記複数のコンタクトピンのうち少なくとも一つのコンタクトピンは、隣り合う他のコンタクトピン側に突出して設けられ、前記他のコンタクトピンとの間隔を前記所定間隔よりも短くする突出部を備える構成を採る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数のコンタクトピンを備えるコネクタにおいて、所望の特性インピーダンスを有するとともに、製品コストの低廉化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコネクタを示す斜視図
【図2】同コネクタにおいてカバーを外したコネクタ本体の斜視図
【図3】同コネクタを示す正面図
【図4】同コネクタを示す背面図
【図5】同コネクタを示す平面図
【図6】同コネクタを示す底面図
【図7】同コネクタを示す左側面図
【図8】同コネクタを示す右側面図
【図9】図3のA−A線矢視断面図
【図10】本発明の一実施の形態に係るコネクタの接続を示す断面図
【図11】同コネクタが取り付けられる基板の平面図
【図12】本発明の一実施の形態に係るコネクタに接続されるプラグの斜視図
【図13】同プラグを示す正面図
【図14】同コネクタに接続されるプラグを示す背面図
【図15】同コネクタに接続されるプラグを示す平面図
【図16】同コネクタに接続されるプラグを示す底面図
【図17】同コネクタに接続されるプラグを示す左側面図
【図18】同コネクタに接続されるプラグを示す右側面図
【図19】図13のB−B線断面図
【図20】コンタクトピンと丸ピンとの特性インピーダンスの比較を示す図
【図21】図20で示す丸ピンを備える比較対象ジャックと、プラグとの接続状態を示す図
【図22】本発明の一実施の形態に係るコネクタにおけるコンタクトピンの変形例を模式的に示す平面図
【図23】同コネクタにおけるコンタクトピンの変形例を模式的に示す側面図
【図24】同コネクタにおけるコンタクトピンの変形例を模式的に示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1〜図9は、本発明の一実施の形態に係る電気コネクタの構成を示す図である。なお、本実施の形態における前,後、左,右とは、電気コネクタにおいて、接続相手のコネクタに向かって、前,後、左,右を意味する。
【0016】
図1〜図9に示す電気コネクタ10は、自動車技術におけるデータ伝送ケーブル30(図12参照)に使用される。この電気コネクタ10は、ケーブル30の端部に設けられたプラグ20(図10及び図12から図19参照)20に接続されるジャックコネクタ10(以下、「ジャック」という)である。
【0017】
図1、図3〜図9に示すジャック10は、コンタクトピン110を備えるジャック本体100と、ジャック本体100に取り付けられる筒状のカバー13とを備える。ジャック10は、プラグ20(図10参照)の接続方向と、ジャック本体100から導出されてなり、搭載実装される基板に接続される端子部(リード部)118(図3、図4、図6〜図9参照)の導出方向とが交差するコネクタである。すなわち、ジャック10は、相手コネクタが嵌合される方向と直交する方向に基板に取り付けられるライトアングルコネクタである。
【0018】
ジャック本体(コネクタ本体)100は、図9に示すように、一端面側で開口するプラグ挿入口102を備える円筒状の接続筒部100aの他端面側で直方形状の本体基部100bが連設された形状をなしている。
【0019】
このジャック本体100は、複数のコンタクトピン110(ここでは4つのコンタクトピン110−1、110−2)が配設された絶縁ハウジング(以下、「ハウジング」という)140と、ハウジング140を被覆するシールドケース160とを備える。
【0020】
ハウジング140は、ここでは絶縁性を有する材料、ここでは、樹脂により成形されている。ハウジング140は、直方形状のハウジング基部142と、ハウジング基部142の一面から突出して設けられた凸状部144とを備える。これらハウジング基部142及び凸状部144の外面はシールドケース160により被覆される。
【0021】
本実施の形態のジャック10におけるシールドケース160は、板状の導電部材、ここでは、板金を加工して形成されている。このシールドケース160は、図2に示すように、一面(ここでは下面)で開口する箱状の基部被覆部(直方形状被覆部)162と、基部被覆部162の他面(前面)162aに挿入された筒状被覆部164とを備える。基部被覆部162の他面(前面)162aに絞り加工を施すとともに開口部162bが形成される。この開口部162b内に、板金を筒状に湾曲してなる筒状被覆部164を挿入することによってシールドケース160は形成される。なお、筒状被覆部164は、その外径を開口部の内径よりの若干大きく形成されている。筒状被覆部164は、開口部に縮径して挿入した後で、スプリングバックにより拡径することで、開口部に内嵌した状態で基部被覆部162の一面に強固に固定されている。
【0022】
シールドケース160では、基部被覆部162が、ハウジング基部142の底面を除いてハウジング基部142の外周を被覆するとともに、筒状被覆部164が、ハウジング140の凸状部144の外周を覆う。
【0023】
このようにシールドケース160で覆われたハウジング140には、複数のコンタクトピン110(110−1、110−2)が配設されている。なお、コンタクトピン110−1とコンタクトピン110−2とは、第1辺部112の長さのみ異なり、その他の構成は同様の構成である。このため、両コンタクトピン110−1、110−2の基本的な構成の説明は、コンタクトピン110として説明する。
【0024】
コンタクトピン110は、導電性を有する長尺部材であり、ここでは、図9に示すように、第1辺部112と、第1辺部112の延在方向と直交する第2辺部114とでL字状に形成されている。
【0025】
複数のコンタクトピン110(110−1、110−2)は、シールドケース160内において、コンタクトピン110の長手方向に沿ってマトリクス状に位置するようにハウジング140に固定されている。
【0026】
具体的には、各コンタクトピン110の第1辺部112は、それぞれシールドケース160の筒状被覆部164内において、筒状被覆部164の軸方向と平行に配置されている。
【0027】
これら第1辺部112は、筒状被覆部164の内面からそれぞれ等間隔に位置する。また第1辺部112は、それぞれ、筒状被覆部164の開口側から見て(図3参照)、筒状被覆部164内で縦横のピッチPでマトリクス状に位置する。なお、ピッチPは、例えば、FAKRA規格では2mmである。また、第2辺部114は、シールドケース160の基部被覆部162内で、第1辺部112の後端部から下方に延在して配設されている。
【0028】
これら第2辺部114は、図6に示すように、基部被覆部162内で、ジャック10が実装される基板40(図10及び図11参照)に対してマトリクス状に位置している。
【0029】
コンタクトピン110(110−1、110−2)の構成について具体的に説明する。
【0030】
図9に示すように、第1辺部112は、ハウジング140の凸状部144の前面から突出する接触部115と、接触部115に連続してハウジング基部142内で固定される固定部116とを有する。第1辺部112は、接触部115と固定部116とで棒状に形成されている。
【0031】
接触部115は、筒状被覆部164内で、筒状被覆部164の開口部(プラグ挿入口102に相当)側に向かって突出して配置される。接触部115は、筒状被覆部164内に挿入するプラグ20の挿入部24(図10参照)のプラグコンタクト26に内嵌して接触する。
【0032】
固定部116は、外周面に軸方向に沿って形成されたリブ116aにより接触部115よりも幅が大きい。このリブ116aを介して固定部116は、ハウジング基部142内に圧入することによってハウジング140に固定されている。これにより、固定部116は、コンタクトピン110自体をハウジング140に固定する。
【0033】
第2辺部114は、第1辺部112の固定部116から下方に延出して設けられてなる。第2辺部114は、端子部118と、基部被覆部162内で、前後方向で隣り合う他のコンタクトピン110側に突出して形成された突出部120とを有する。
【0034】
端子部118は、突出部120(120−1、120−2)から下方に延在し、ジャック10の下面から下方に突出する。
【0035】
端子部118は、実装される基板40上の回路パターンに接続されるものである。これら端子部118の互いの配置位置は、ここでは、図11に示す基板40における取付穴41の位置で示すように、所定間隔を開けて位置するように設定されている。
【0036】
突出部120は、ここでは、第2辺部114において長手方向に延在した細長い板状に形成されている。突出部120は、基部被覆部162内で、第2辺部114の軸部(端子部118に相当)の外周から他の突出部120側に張り出すように突出して形成されている。これにより、近接配置された突出部120−1、120−2どうしは、互いの第2辺部114の軸部(端子部118に相当)どうしよりも近づく。これにより、所定間隔(端子部118間)をあけて配設されたコンタクトピン110−1、110−2どうしは、両第2辺部114で、端子部118−1、118−2間よりも近接する。
【0037】
ここでは、突出部120(120−1、120−2)は、コンタクトピン110を形成する断面円形の棒状のピンの所定部分を平板状に潰すことで形成されている。
【0038】
そして、各コンタクトピン110の突出部120は、図9に示すように、それぞれジャック10の前後方向、つまり、第1辺部112の延在方向に突出して形成されている。これにより、板金を直方形状に加工して形成された基部被覆部162内において、ジャック10の前後方向で並ぶ複数の第2辺部114どうしは、突出部120−1、120−2で、互いの端子部118−1、118−2の間隔よりも近づく。
【0039】
つまり、ジャック10の前後方向(つまり、プラグ20の挿抜方向)に沿って並ぶ第2辺部114の端子部118−1、118−2どうしの間隔dよりも、第2辺部114の突出部120−1、120−2どうしの間隔Dの方が短い。
【0040】
これにより、本実施の形態のジャック10では、複数のコンタクトピン110は、端子部118−1、118−2どうしの間隔dを狭めることなく、突出部120−1、120−2で互いに近接することとなる。
【0041】
板金を加工してなるシールドケース160でコンタクトピン110を囲むジャック10では、コンタクトピン110は、シールドケース160の筒状被覆部164内に配置された第1辺部112の接触部115で、プラグ20と接続する。また、コンタクトピン110は、シールドケース160の直方形状の基部被覆部162内に配置された第2辺部114に形成された突出部120(120−1、120−2)によって、コンタクトピン110間の距離が短くなっている。これにより、挿入方向に沿って配置されたコンタクトピン110−1、110−2どうしは、端子部118−1、118−2間距離よりも近づく。
【0042】
図12〜図19に示すプラグ20は、ケーブル30の先端部に取り付けられ、ジャック10への接続方向が、ケーブル30の導出方向に対して直交するライトアングルタイプのプラグ20である。プラグ20から導出するケーブル30は、ここでは、4芯(信号線)の同軸ケーブルとし、それぞれ対角に位置する芯どうしで一対の信号を伝送するものとする。なお、ケーブル30の芯の数は複数であればよく、芯どうしの組み合わせは対角どうしの組み合わせでなく、どのように組み合わせてもよい。
【0043】
プラグ20では、ケーブル30の先端部に取り付けられるプラグ本体22からケーブル30の導出方向と直交して円筒状の挿入部24が突出している。
【0044】
プラグ本体22は、図13および図19に示すように、ジャック10のコンタクトピン110と接触するプラグコンタクト26と、プラグコンタクト26が固定されるプラグハウジング222と、プラグハウジング222を被覆するシールドケース224とを備える。
【0045】
挿入部24は、ジャック10の接続筒部100aの形状に対応して形成されており、嵌合口21を介してジャック10の接続筒部100aと嵌合する。
【0046】
挿入部24の外周には、プラグカバー28によって構成されている。
【0047】
プラグカバー28は、ジャック10のカバー13に内嵌し、カバー13の被係合部16とラッチ29によって係合する。
【0048】
プラグコンタクト26は、ジャック10のコンタクトピン110の配置位置に対応してプラグハウジング222の挿入部24内に配置される嵌合凸部222aに配設されている。嵌合凸部222aの外周は、シールドケース224の筒状被覆部226により囲まれている。すなわち、プラグコンタクト26は、嵌合口21側から見て、シールドケース224の筒状被覆部226内でマトリクス状に配置されている。また、プラグコンタクト26は、筒状被覆部226の内面から等間隔に位置するように位置している。この筒状被覆部226は、ジャック10の筒状被覆部164に外嵌する。
【0049】
図10に示すように、本実施の形態のジャック10は、プラグ20のプラグコンタクト26にそれぞれ接続される複数のコンタクトピン110と、複数のコンタクトピン110が互いに所定間隔を空けて並べて配設されるハウジング140と、ハウジング140を被覆して設けられるシールドケース160とを備え、基板40に実装される。複数のコンタクトピン110のうち少なくとも一つのコンタクトピン、ここでは全てのコンタクトピン110−1、110−2は、隣り合う他のコンタクトピン110−2,110−1側に突出して設けられた突出部120を備える。
【0050】
これら突出部120は、隣り合う他のコンタクトピン110−2,110−1との間隔(突出部120−1、120−2どうしの間隔Dに相当)を前記所定間隔(ピッチPに相当)よりも短くする。
【0051】
具体的には、前後方向、つまり第1辺部112の延在方向で隣り合うコンタクトピン110−1,110−2の第2辺部どうし120−1、120−2は、第1辺部112の延在方向で所定間隔をあけて並べて配置されている。これら第2辺部114−1、114−2のそれぞれから突出部120−1、120−2は、互いの第2辺部114−1、114−2どうしに向かって突出して設けられている。
【0052】
これら第2辺部114の突出部120−1、120−2どうしの間隔Dは、第1辺部112どうしの間隔Pよりも小さい(D<P)。
【0053】
ジャック10によれば、筒状被覆部164内に配置されたコンタクトピン110の各第1辺部112と筒状被覆部164の内面との距離を等しくして、これらコンタクトピン110をハウジング140内に配置できる。これに加えて、ジャック10では、直方形状の基部被覆部162内でコンタクトピン110どうしが、突出部120−1、120−2を介して、端子部118間d距離よりも近接させて配置できる。これにより、コンタクトピン110の静電容量を変化させる。
【0054】
この構成によって、ジャック10は、使用時に発生する特性インピーダンスを、コンタクトピン110を被覆するシールドケース160部分が直方形状であっても減少させることができる。
【0055】
図20は、本実施の形態のジャック10と、本実施の形態におけるジャック10の構成において全コンタクトピン110を突出部120の無い丸ピンで形成したジャック(「比較対象ジャック」ともいう)との特性インピーダンスの比較を示す図である。詳細には、図20Aは、コンタクトピン110に突出部120を備える本ジャック10についてTDR(Time Domain Reflectometry:時間軸反射率)波形を数値解析によって求めた結果を示す。また、図20Bは、対象ジャックについてTDR波形を数値解析によって求めた結果を示す。なお、図20において、縦軸は特性インピーダンス(Ω)の計算値であり、横軸は入射波が対象物の内部で反射して戻ってくるまでの時間(ps)である。そして、実線(太線)L1、L11は、伝送した周波数2GHzの信号の波形を示し、実線(細線)L2、L21は、伝送した周波数1.5GHzの信号の波形を示し、破線L3、L31は、伝送した周波数1GHzの信号の波形を示している。
【0056】
また、図20Aにおいて、第2辺部114(端子部118、突出部120に相当)、第1辺部112(固定部116、接触部115に相当)の上述の時間は、それぞれ0〜400ps、400〜800psである。また、図20Bにおける上述の時間0〜400ps、400〜800psは、それぞれ、比較対象ジャックの第2辺部(突出部無し)、第1辺部112に相当する。また、各ジャックでは、特性インピーダンスの基準値がいずれもXΩに設定されるものとする。図21は、図20で示す丸ピンをコンタクトピンとして備える比較対象ジャック1と、本実施の形態のプラグ20との接続状態を示す図である。つまり、図21に示す比較対象ジャック1は、ジャック10におけるL字状のコンタクトピン110に替えて、同じ材質の丸棒体を屈曲して形成したL字状の丸ピン2、3としており、その他の構造はジャック10と同一とし、同符号を付して説明は省略する。図21に示す比較対象ジャック1は、プラグ20と嵌合している。この比較対象ジャック1における丸ピン2,3の先端部を構成する接触部2a、3aがプラグコンタクト26に内嵌して接触している。
【0057】
ジャック10(図20A参照)では、比較対象ジャック1(図20B参照)と比較して、0〜400psの上述の時間に対する特性インピーダンスがXΩに近い値まで格段に減少している。すなわち、本実施の形態に係るジャック10の方が、コンタクトピンを丸ピン2、3で形成した比較対象のジャック1(図21参照)よりも突出部120(直方形状の基部被覆部162で囲まれた第2辺部の一部分)における特性インピーダンスの上昇が小さく抑えられている。
【0058】
これは、ジャック10の構成では、突出部120によって、前後方向に並ぶコンタクトピン110どうしが近づく、つまり、コンタクトピン110間の距離Dが短くなると、コンタクトピン110における静電容量が減少するためである。これにより、周波数の大きさにかかわらず特性インピーダンスが小さくなる。
【0059】
このように本実施の形態のジャック10は、複数のコンタクトピン110において、各コンタクトピン110の端子部118の間隔を変更することなく、特性インピーダンスを減少させることができる。
【0060】
ここで、ピンを被覆するジャック本体をダイカストで形成した従来の4極ジャックの構成について説明する。この構成によれば、例えば、ジャック本体内におけるピンの配設位置及びピンどうしの配設間隔が規定されている場合であっても、これに対応できた。すなわち、従来の4極ジャックにおいてジャック本体をダイカストで形成しているため、寸法設計が容易であり、コンタクトピンの配設位置に応じてジャック本体自体を、特性インピーダンスを好適な値に抑制するように設計できた。例えば、ジャック本体(コネクタ本体)を、複数のコンタクトピンが、継ぎ目の無い筒状の内周面で囲まれ、且つ、各コンタクトピンとの内周面との距離が等しくなるように設計して容易に形成できた。しかしながら、ジャック本体にダイカストを用いることによってジャック自体の製作コストがかかってしまう。
【0061】
これに対し、本実施の形態では、端子部118間が予め設定されたジャック10であっても、ダイカストでハウジング140を成形することなく、ダイカストよりも安価な板金をシールドケース160としてジャック10を形成することができる。よって、ジャック10自体の製作コストの低廉化を図ることができ、安価な製品としての量産化を容易に図ることができる。
【0062】
また、ジャック10では、軸部分の外周面から、ジャック10の前後方向に張り出す突出部120を備えるL型の4つのコンタクトピン110を用いている。すなわち、本実施の形態のジャック10では、複数のコンタクトピン110において隣り合うコンタクトピン110−1、110−2の第2辺部114−1、114−2どうしは、第1辺部112の延在方向で所定間隔Dを開けて並べて配置されている。これら第2辺部114−1、114−2に設けられた突出部120−1、120−2は、互い対向する第2辺部114−2、114−1に向かって第1辺部112の延在方向に突出して設けられている。これにより、ジャック10に使用するコンタクトピン110は、突出部120−1、120−2を備えるコンタクトピン110−1、110−2の2種類だけでよい。よって、一つのジャック10に3つ以上の異なるコンタクトピンを用意する場合と比較して、コストの低廉化を図ることができる。
【0063】
また、本実施の形態のジャック10によれば、シールドケース160の直方形状の基部被覆部162内において、ジャック10の前後方向に並ぶ第2辺部114のうちの一方の第2辺部に、他方の第2辺部に向かって突出部120が張り出すように構成してもよい。
【0064】
すなわち、突出部120は、端子部118よりも外周方向に張り出して、近接する他のコンタクトピンに近づく構成であれば、どのように構成されてもよい。
【0065】
図22及び図23は、突出部120を備えるコンタクトピン110の他の配置例の説明に供する図であり、シールドケース160における直方形状の基部被覆部162内にケーブルコンタクトピンの配置を模式的に示す概略平面図である。図22Aは、上述した本実施の形態のジャック10におけるコンタクトピン110の配置を示し、図22B〜図22D、図23A及び図23Bは、ジャック10の構成とは異なるコンタクトピン110の配置パターンを有するジャック10B〜10Fを示している。
【0066】
図22B〜図22D及び図23に示すジャック10B〜10Fでは、第2辺部114の軸部分(端子部118)の外面から張り出す突出部120を備えるコンタクトピン110において、突出部120の張り出す方向がそれぞれ異なる。
【0067】
このように、ジャック10B〜〜10Fにおけるコンタクトピン110の各配置パターンで示すように、突出部120の突出する方向は、他のコンタクトピンに近接する構成であれば、どの方向に突出して構成されてもよい。
【0068】
また、突出部120の第2辺部114の軸部、つまり端子部118の外周面における突出する長さ、つまり、突出する幅(第2辺部114の軸方向の長さ)は、どのような範囲でもよい。図24では、コンタクトピン110−1、110−2は、各突出部120A、120Bの突出する幅(第2辺部114の軸方向の長さ)Wを、図9で示す突出部120の長さ(図24では想像線で示す)よりも短くしている。なお、図24は、基板40に実装された図示しないジャック10において、突出部120の構成の高さ(第2辺部114の軸方向の長さW)のみ変更したコンタクトピン110−1、110−2を示している。
【0069】
図24に示すように、シールドケース160における直方形状の基部被覆部162内におけるコンタクトピン110の一部分(第2辺部114−1、114−2)の延在方向に沿う部位において部分的に側方に突出する構成としてもよい。図9で示すジャック10の突出部120のように、極力長い幅を有する構成、つまり、基部被覆部(直方形状被覆部)162内に位置する第2辺部114の上端から下端に亘る部位から突出して設けられている構成であれば一層効果的である。
【0070】
なお、上記本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、種々の改変をなすことができ、そして本発明が該改変させたものに及ぶことは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係る電気コネクタは、複数のコンタクトピンを備え、所望の特性インピーダンスを有するとともに、製品コストの低廉化を図ることができる効果を有し、コンタクトピンの距離や特性インピーダンス等が予め設定されるジャックとして有用である。
【符号の説明】
【0072】
10 ジャック(電気コネクタ)
20 プラグ
21 嵌合口
30 ケーブル
40 基板
41 取付穴
100 ジャック本体
100a 接続筒部
100b 本体基部
102 挿入口
110、110−1、110−2 コンタクトピン
112 第1辺部
114 第2辺部
115 接触部
116 固定部
118、118−1、118−2 端子部
120、120−1、120−2、120A、120B 突出部
140 ハウジング
142 ハウジング基部
144 凸状部
160 シールドケース
162 基部被覆部
164、226 筒状被覆部
222 プラグハウジング
224 シールドケース
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関し、特に自動車用のデータ伝送に用いられる電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーブルと印刷回路基板(Print Circuit Board:PCB)との接続に用いられるコネクタは、種々のスキームに従って規格化されている。自動車技術では、特に、欧州、アメリカで標準的に採用されているFAKRAと称されるスキームが知られている。このFAKRAは、自動車分野での国際規格化の関心を代表するドイツ規格協会内の自動車規格委員会(Normenausschuss Kraftfahrzeuge)である。FAKRAが広めた規格は、規格スキームを立案した組織名を用いたFAKRA規格として称され、自動車用途において、GPS、AM/FMラジオ、携帯電話、エアバッグシステム、マルチメディア装置等に多く使用されている。
【0003】
このFAKRA規格における伝送ケーブルの接続に用いられるコネクタとして、例えば、特許文献1に示すコネクタが知られている。
【0004】
特許文献1は、FAKRA規格におけるSMB型(FAKRA−SMB)の1極のジャック(レセプタクル)コネクタであり、このジャックと、プラグコネクタとによって一同軸ケーブルを接続する。FAKRA規格では、ジャックのジャックキーは、対応するプラグ側のキー溝にのみ接続できる。ジャックハウジングのFAKRAで定義されたラッチ受け部及びプラグハウジングの対応するラッチにより、コネクタハウジングの確実な位置決め及びロックが容易になる。
【0005】
ところで、自動車技術で使用されるコネクタとして、例えば、非特許文献1に示す4極のライトアングルタイプのジャックが知られている。
【0006】
このジャックの本体は、L型の4つのピンが配設された絶縁部材を、寸法精度を規定しやすい真鍮のダイカストによって成形された被覆体の中空部内に配設することで形成されている。具体的には、被覆体は、開口した一端部側からプラグの先端部が挿入される筒状部と、筒状部の他端側に連続して設けられ、筒状部の内部に連通する直方形状の本体部と、を有する。これら筒状部及び本体部内には、継ぎ目のないL型円筒状の中空部が形成され、この中空部内に4つのピンが配置されている。4つのピンはそれぞれ、筒状部内に筒状部の軸方向に沿って配設された第1辺部から第2辺部が直交して形成されている。この第2辺部において本体部の下面から下方に突出する部分が端子部(リード部)となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−272752号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】HDS_Catalog_2010(Rosenberger社 2010年4月発行)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、従来の4極ジャックの構成によれば、ハウジングがダイカスト製であるため、ハウジングの寸法を容易に調整してジャック自体の有する特性インピーダンスを安定させ易いが、ジャック自体の製品コストが嵩むという問題がある。
【0010】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、複数のコンタクトピンを備え、所望の特性インピーダンスを有するとともに、製品コストの低廉化を図ることができる電気コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電気コネクタは、接続相手コネクタのコンタクトにそれぞれ接続される複数のコンタクトピンと、前記複数のコンタクトピンが互いに所定間隔を空けて並べて配設される絶縁ハウジングと、前記絶縁ハウジングを被覆して設けられるシールドケースとを備えるとともに、基板に実装される電気コネクタであって、前記複数のコンタクトピンのうち少なくとも一つのコンタクトピンは、隣り合う他のコンタクトピン側に突出して設けられ、前記他のコンタクトピンとの間隔を前記所定間隔よりも短くする突出部を備える構成を採る。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数のコンタクトピンを備えるコネクタにおいて、所望の特性インピーダンスを有するとともに、製品コストの低廉化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコネクタを示す斜視図
【図2】同コネクタにおいてカバーを外したコネクタ本体の斜視図
【図3】同コネクタを示す正面図
【図4】同コネクタを示す背面図
【図5】同コネクタを示す平面図
【図6】同コネクタを示す底面図
【図7】同コネクタを示す左側面図
【図8】同コネクタを示す右側面図
【図9】図3のA−A線矢視断面図
【図10】本発明の一実施の形態に係るコネクタの接続を示す断面図
【図11】同コネクタが取り付けられる基板の平面図
【図12】本発明の一実施の形態に係るコネクタに接続されるプラグの斜視図
【図13】同プラグを示す正面図
【図14】同コネクタに接続されるプラグを示す背面図
【図15】同コネクタに接続されるプラグを示す平面図
【図16】同コネクタに接続されるプラグを示す底面図
【図17】同コネクタに接続されるプラグを示す左側面図
【図18】同コネクタに接続されるプラグを示す右側面図
【図19】図13のB−B線断面図
【図20】コンタクトピンと丸ピンとの特性インピーダンスの比較を示す図
【図21】図20で示す丸ピンを備える比較対象ジャックと、プラグとの接続状態を示す図
【図22】本発明の一実施の形態に係るコネクタにおけるコンタクトピンの変形例を模式的に示す平面図
【図23】同コネクタにおけるコンタクトピンの変形例を模式的に示す側面図
【図24】同コネクタにおけるコンタクトピンの変形例を模式的に示す側面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1〜図9は、本発明の一実施の形態に係る電気コネクタの構成を示す図である。なお、本実施の形態における前,後、左,右とは、電気コネクタにおいて、接続相手のコネクタに向かって、前,後、左,右を意味する。
【0016】
図1〜図9に示す電気コネクタ10は、自動車技術におけるデータ伝送ケーブル30(図12参照)に使用される。この電気コネクタ10は、ケーブル30の端部に設けられたプラグ20(図10及び図12から図19参照)20に接続されるジャックコネクタ10(以下、「ジャック」という)である。
【0017】
図1、図3〜図9に示すジャック10は、コンタクトピン110を備えるジャック本体100と、ジャック本体100に取り付けられる筒状のカバー13とを備える。ジャック10は、プラグ20(図10参照)の接続方向と、ジャック本体100から導出されてなり、搭載実装される基板に接続される端子部(リード部)118(図3、図4、図6〜図9参照)の導出方向とが交差するコネクタである。すなわち、ジャック10は、相手コネクタが嵌合される方向と直交する方向に基板に取り付けられるライトアングルコネクタである。
【0018】
ジャック本体(コネクタ本体)100は、図9に示すように、一端面側で開口するプラグ挿入口102を備える円筒状の接続筒部100aの他端面側で直方形状の本体基部100bが連設された形状をなしている。
【0019】
このジャック本体100は、複数のコンタクトピン110(ここでは4つのコンタクトピン110−1、110−2)が配設された絶縁ハウジング(以下、「ハウジング」という)140と、ハウジング140を被覆するシールドケース160とを備える。
【0020】
ハウジング140は、ここでは絶縁性を有する材料、ここでは、樹脂により成形されている。ハウジング140は、直方形状のハウジング基部142と、ハウジング基部142の一面から突出して設けられた凸状部144とを備える。これらハウジング基部142及び凸状部144の外面はシールドケース160により被覆される。
【0021】
本実施の形態のジャック10におけるシールドケース160は、板状の導電部材、ここでは、板金を加工して形成されている。このシールドケース160は、図2に示すように、一面(ここでは下面)で開口する箱状の基部被覆部(直方形状被覆部)162と、基部被覆部162の他面(前面)162aに挿入された筒状被覆部164とを備える。基部被覆部162の他面(前面)162aに絞り加工を施すとともに開口部162bが形成される。この開口部162b内に、板金を筒状に湾曲してなる筒状被覆部164を挿入することによってシールドケース160は形成される。なお、筒状被覆部164は、その外径を開口部の内径よりの若干大きく形成されている。筒状被覆部164は、開口部に縮径して挿入した後で、スプリングバックにより拡径することで、開口部に内嵌した状態で基部被覆部162の一面に強固に固定されている。
【0022】
シールドケース160では、基部被覆部162が、ハウジング基部142の底面を除いてハウジング基部142の外周を被覆するとともに、筒状被覆部164が、ハウジング140の凸状部144の外周を覆う。
【0023】
このようにシールドケース160で覆われたハウジング140には、複数のコンタクトピン110(110−1、110−2)が配設されている。なお、コンタクトピン110−1とコンタクトピン110−2とは、第1辺部112の長さのみ異なり、その他の構成は同様の構成である。このため、両コンタクトピン110−1、110−2の基本的な構成の説明は、コンタクトピン110として説明する。
【0024】
コンタクトピン110は、導電性を有する長尺部材であり、ここでは、図9に示すように、第1辺部112と、第1辺部112の延在方向と直交する第2辺部114とでL字状に形成されている。
【0025】
複数のコンタクトピン110(110−1、110−2)は、シールドケース160内において、コンタクトピン110の長手方向に沿ってマトリクス状に位置するようにハウジング140に固定されている。
【0026】
具体的には、各コンタクトピン110の第1辺部112は、それぞれシールドケース160の筒状被覆部164内において、筒状被覆部164の軸方向と平行に配置されている。
【0027】
これら第1辺部112は、筒状被覆部164の内面からそれぞれ等間隔に位置する。また第1辺部112は、それぞれ、筒状被覆部164の開口側から見て(図3参照)、筒状被覆部164内で縦横のピッチPでマトリクス状に位置する。なお、ピッチPは、例えば、FAKRA規格では2mmである。また、第2辺部114は、シールドケース160の基部被覆部162内で、第1辺部112の後端部から下方に延在して配設されている。
【0028】
これら第2辺部114は、図6に示すように、基部被覆部162内で、ジャック10が実装される基板40(図10及び図11参照)に対してマトリクス状に位置している。
【0029】
コンタクトピン110(110−1、110−2)の構成について具体的に説明する。
【0030】
図9に示すように、第1辺部112は、ハウジング140の凸状部144の前面から突出する接触部115と、接触部115に連続してハウジング基部142内で固定される固定部116とを有する。第1辺部112は、接触部115と固定部116とで棒状に形成されている。
【0031】
接触部115は、筒状被覆部164内で、筒状被覆部164の開口部(プラグ挿入口102に相当)側に向かって突出して配置される。接触部115は、筒状被覆部164内に挿入するプラグ20の挿入部24(図10参照)のプラグコンタクト26に内嵌して接触する。
【0032】
固定部116は、外周面に軸方向に沿って形成されたリブ116aにより接触部115よりも幅が大きい。このリブ116aを介して固定部116は、ハウジング基部142内に圧入することによってハウジング140に固定されている。これにより、固定部116は、コンタクトピン110自体をハウジング140に固定する。
【0033】
第2辺部114は、第1辺部112の固定部116から下方に延出して設けられてなる。第2辺部114は、端子部118と、基部被覆部162内で、前後方向で隣り合う他のコンタクトピン110側に突出して形成された突出部120とを有する。
【0034】
端子部118は、突出部120(120−1、120−2)から下方に延在し、ジャック10の下面から下方に突出する。
【0035】
端子部118は、実装される基板40上の回路パターンに接続されるものである。これら端子部118の互いの配置位置は、ここでは、図11に示す基板40における取付穴41の位置で示すように、所定間隔を開けて位置するように設定されている。
【0036】
突出部120は、ここでは、第2辺部114において長手方向に延在した細長い板状に形成されている。突出部120は、基部被覆部162内で、第2辺部114の軸部(端子部118に相当)の外周から他の突出部120側に張り出すように突出して形成されている。これにより、近接配置された突出部120−1、120−2どうしは、互いの第2辺部114の軸部(端子部118に相当)どうしよりも近づく。これにより、所定間隔(端子部118間)をあけて配設されたコンタクトピン110−1、110−2どうしは、両第2辺部114で、端子部118−1、118−2間よりも近接する。
【0037】
ここでは、突出部120(120−1、120−2)は、コンタクトピン110を形成する断面円形の棒状のピンの所定部分を平板状に潰すことで形成されている。
【0038】
そして、各コンタクトピン110の突出部120は、図9に示すように、それぞれジャック10の前後方向、つまり、第1辺部112の延在方向に突出して形成されている。これにより、板金を直方形状に加工して形成された基部被覆部162内において、ジャック10の前後方向で並ぶ複数の第2辺部114どうしは、突出部120−1、120−2で、互いの端子部118−1、118−2の間隔よりも近づく。
【0039】
つまり、ジャック10の前後方向(つまり、プラグ20の挿抜方向)に沿って並ぶ第2辺部114の端子部118−1、118−2どうしの間隔dよりも、第2辺部114の突出部120−1、120−2どうしの間隔Dの方が短い。
【0040】
これにより、本実施の形態のジャック10では、複数のコンタクトピン110は、端子部118−1、118−2どうしの間隔dを狭めることなく、突出部120−1、120−2で互いに近接することとなる。
【0041】
板金を加工してなるシールドケース160でコンタクトピン110を囲むジャック10では、コンタクトピン110は、シールドケース160の筒状被覆部164内に配置された第1辺部112の接触部115で、プラグ20と接続する。また、コンタクトピン110は、シールドケース160の直方形状の基部被覆部162内に配置された第2辺部114に形成された突出部120(120−1、120−2)によって、コンタクトピン110間の距離が短くなっている。これにより、挿入方向に沿って配置されたコンタクトピン110−1、110−2どうしは、端子部118−1、118−2間距離よりも近づく。
【0042】
図12〜図19に示すプラグ20は、ケーブル30の先端部に取り付けられ、ジャック10への接続方向が、ケーブル30の導出方向に対して直交するライトアングルタイプのプラグ20である。プラグ20から導出するケーブル30は、ここでは、4芯(信号線)の同軸ケーブルとし、それぞれ対角に位置する芯どうしで一対の信号を伝送するものとする。なお、ケーブル30の芯の数は複数であればよく、芯どうしの組み合わせは対角どうしの組み合わせでなく、どのように組み合わせてもよい。
【0043】
プラグ20では、ケーブル30の先端部に取り付けられるプラグ本体22からケーブル30の導出方向と直交して円筒状の挿入部24が突出している。
【0044】
プラグ本体22は、図13および図19に示すように、ジャック10のコンタクトピン110と接触するプラグコンタクト26と、プラグコンタクト26が固定されるプラグハウジング222と、プラグハウジング222を被覆するシールドケース224とを備える。
【0045】
挿入部24は、ジャック10の接続筒部100aの形状に対応して形成されており、嵌合口21を介してジャック10の接続筒部100aと嵌合する。
【0046】
挿入部24の外周には、プラグカバー28によって構成されている。
【0047】
プラグカバー28は、ジャック10のカバー13に内嵌し、カバー13の被係合部16とラッチ29によって係合する。
【0048】
プラグコンタクト26は、ジャック10のコンタクトピン110の配置位置に対応してプラグハウジング222の挿入部24内に配置される嵌合凸部222aに配設されている。嵌合凸部222aの外周は、シールドケース224の筒状被覆部226により囲まれている。すなわち、プラグコンタクト26は、嵌合口21側から見て、シールドケース224の筒状被覆部226内でマトリクス状に配置されている。また、プラグコンタクト26は、筒状被覆部226の内面から等間隔に位置するように位置している。この筒状被覆部226は、ジャック10の筒状被覆部164に外嵌する。
【0049】
図10に示すように、本実施の形態のジャック10は、プラグ20のプラグコンタクト26にそれぞれ接続される複数のコンタクトピン110と、複数のコンタクトピン110が互いに所定間隔を空けて並べて配設されるハウジング140と、ハウジング140を被覆して設けられるシールドケース160とを備え、基板40に実装される。複数のコンタクトピン110のうち少なくとも一つのコンタクトピン、ここでは全てのコンタクトピン110−1、110−2は、隣り合う他のコンタクトピン110−2,110−1側に突出して設けられた突出部120を備える。
【0050】
これら突出部120は、隣り合う他のコンタクトピン110−2,110−1との間隔(突出部120−1、120−2どうしの間隔Dに相当)を前記所定間隔(ピッチPに相当)よりも短くする。
【0051】
具体的には、前後方向、つまり第1辺部112の延在方向で隣り合うコンタクトピン110−1,110−2の第2辺部どうし120−1、120−2は、第1辺部112の延在方向で所定間隔をあけて並べて配置されている。これら第2辺部114−1、114−2のそれぞれから突出部120−1、120−2は、互いの第2辺部114−1、114−2どうしに向かって突出して設けられている。
【0052】
これら第2辺部114の突出部120−1、120−2どうしの間隔Dは、第1辺部112どうしの間隔Pよりも小さい(D<P)。
【0053】
ジャック10によれば、筒状被覆部164内に配置されたコンタクトピン110の各第1辺部112と筒状被覆部164の内面との距離を等しくして、これらコンタクトピン110をハウジング140内に配置できる。これに加えて、ジャック10では、直方形状の基部被覆部162内でコンタクトピン110どうしが、突出部120−1、120−2を介して、端子部118間d距離よりも近接させて配置できる。これにより、コンタクトピン110の静電容量を変化させる。
【0054】
この構成によって、ジャック10は、使用時に発生する特性インピーダンスを、コンタクトピン110を被覆するシールドケース160部分が直方形状であっても減少させることができる。
【0055】
図20は、本実施の形態のジャック10と、本実施の形態におけるジャック10の構成において全コンタクトピン110を突出部120の無い丸ピンで形成したジャック(「比較対象ジャック」ともいう)との特性インピーダンスの比較を示す図である。詳細には、図20Aは、コンタクトピン110に突出部120を備える本ジャック10についてTDR(Time Domain Reflectometry:時間軸反射率)波形を数値解析によって求めた結果を示す。また、図20Bは、対象ジャックについてTDR波形を数値解析によって求めた結果を示す。なお、図20において、縦軸は特性インピーダンス(Ω)の計算値であり、横軸は入射波が対象物の内部で反射して戻ってくるまでの時間(ps)である。そして、実線(太線)L1、L11は、伝送した周波数2GHzの信号の波形を示し、実線(細線)L2、L21は、伝送した周波数1.5GHzの信号の波形を示し、破線L3、L31は、伝送した周波数1GHzの信号の波形を示している。
【0056】
また、図20Aにおいて、第2辺部114(端子部118、突出部120に相当)、第1辺部112(固定部116、接触部115に相当)の上述の時間は、それぞれ0〜400ps、400〜800psである。また、図20Bにおける上述の時間0〜400ps、400〜800psは、それぞれ、比較対象ジャックの第2辺部(突出部無し)、第1辺部112に相当する。また、各ジャックでは、特性インピーダンスの基準値がいずれもXΩに設定されるものとする。図21は、図20で示す丸ピンをコンタクトピンとして備える比較対象ジャック1と、本実施の形態のプラグ20との接続状態を示す図である。つまり、図21に示す比較対象ジャック1は、ジャック10におけるL字状のコンタクトピン110に替えて、同じ材質の丸棒体を屈曲して形成したL字状の丸ピン2、3としており、その他の構造はジャック10と同一とし、同符号を付して説明は省略する。図21に示す比較対象ジャック1は、プラグ20と嵌合している。この比較対象ジャック1における丸ピン2,3の先端部を構成する接触部2a、3aがプラグコンタクト26に内嵌して接触している。
【0057】
ジャック10(図20A参照)では、比較対象ジャック1(図20B参照)と比較して、0〜400psの上述の時間に対する特性インピーダンスがXΩに近い値まで格段に減少している。すなわち、本実施の形態に係るジャック10の方が、コンタクトピンを丸ピン2、3で形成した比較対象のジャック1(図21参照)よりも突出部120(直方形状の基部被覆部162で囲まれた第2辺部の一部分)における特性インピーダンスの上昇が小さく抑えられている。
【0058】
これは、ジャック10の構成では、突出部120によって、前後方向に並ぶコンタクトピン110どうしが近づく、つまり、コンタクトピン110間の距離Dが短くなると、コンタクトピン110における静電容量が減少するためである。これにより、周波数の大きさにかかわらず特性インピーダンスが小さくなる。
【0059】
このように本実施の形態のジャック10は、複数のコンタクトピン110において、各コンタクトピン110の端子部118の間隔を変更することなく、特性インピーダンスを減少させることができる。
【0060】
ここで、ピンを被覆するジャック本体をダイカストで形成した従来の4極ジャックの構成について説明する。この構成によれば、例えば、ジャック本体内におけるピンの配設位置及びピンどうしの配設間隔が規定されている場合であっても、これに対応できた。すなわち、従来の4極ジャックにおいてジャック本体をダイカストで形成しているため、寸法設計が容易であり、コンタクトピンの配設位置に応じてジャック本体自体を、特性インピーダンスを好適な値に抑制するように設計できた。例えば、ジャック本体(コネクタ本体)を、複数のコンタクトピンが、継ぎ目の無い筒状の内周面で囲まれ、且つ、各コンタクトピンとの内周面との距離が等しくなるように設計して容易に形成できた。しかしながら、ジャック本体にダイカストを用いることによってジャック自体の製作コストがかかってしまう。
【0061】
これに対し、本実施の形態では、端子部118間が予め設定されたジャック10であっても、ダイカストでハウジング140を成形することなく、ダイカストよりも安価な板金をシールドケース160としてジャック10を形成することができる。よって、ジャック10自体の製作コストの低廉化を図ることができ、安価な製品としての量産化を容易に図ることができる。
【0062】
また、ジャック10では、軸部分の外周面から、ジャック10の前後方向に張り出す突出部120を備えるL型の4つのコンタクトピン110を用いている。すなわち、本実施の形態のジャック10では、複数のコンタクトピン110において隣り合うコンタクトピン110−1、110−2の第2辺部114−1、114−2どうしは、第1辺部112の延在方向で所定間隔Dを開けて並べて配置されている。これら第2辺部114−1、114−2に設けられた突出部120−1、120−2は、互い対向する第2辺部114−2、114−1に向かって第1辺部112の延在方向に突出して設けられている。これにより、ジャック10に使用するコンタクトピン110は、突出部120−1、120−2を備えるコンタクトピン110−1、110−2の2種類だけでよい。よって、一つのジャック10に3つ以上の異なるコンタクトピンを用意する場合と比較して、コストの低廉化を図ることができる。
【0063】
また、本実施の形態のジャック10によれば、シールドケース160の直方形状の基部被覆部162内において、ジャック10の前後方向に並ぶ第2辺部114のうちの一方の第2辺部に、他方の第2辺部に向かって突出部120が張り出すように構成してもよい。
【0064】
すなわち、突出部120は、端子部118よりも外周方向に張り出して、近接する他のコンタクトピンに近づく構成であれば、どのように構成されてもよい。
【0065】
図22及び図23は、突出部120を備えるコンタクトピン110の他の配置例の説明に供する図であり、シールドケース160における直方形状の基部被覆部162内にケーブルコンタクトピンの配置を模式的に示す概略平面図である。図22Aは、上述した本実施の形態のジャック10におけるコンタクトピン110の配置を示し、図22B〜図22D、図23A及び図23Bは、ジャック10の構成とは異なるコンタクトピン110の配置パターンを有するジャック10B〜10Fを示している。
【0066】
図22B〜図22D及び図23に示すジャック10B〜10Fでは、第2辺部114の軸部分(端子部118)の外面から張り出す突出部120を備えるコンタクトピン110において、突出部120の張り出す方向がそれぞれ異なる。
【0067】
このように、ジャック10B〜〜10Fにおけるコンタクトピン110の各配置パターンで示すように、突出部120の突出する方向は、他のコンタクトピンに近接する構成であれば、どの方向に突出して構成されてもよい。
【0068】
また、突出部120の第2辺部114の軸部、つまり端子部118の外周面における突出する長さ、つまり、突出する幅(第2辺部114の軸方向の長さ)は、どのような範囲でもよい。図24では、コンタクトピン110−1、110−2は、各突出部120A、120Bの突出する幅(第2辺部114の軸方向の長さ)Wを、図9で示す突出部120の長さ(図24では想像線で示す)よりも短くしている。なお、図24は、基板40に実装された図示しないジャック10において、突出部120の構成の高さ(第2辺部114の軸方向の長さW)のみ変更したコンタクトピン110−1、110−2を示している。
【0069】
図24に示すように、シールドケース160における直方形状の基部被覆部162内におけるコンタクトピン110の一部分(第2辺部114−1、114−2)の延在方向に沿う部位において部分的に側方に突出する構成としてもよい。図9で示すジャック10の突出部120のように、極力長い幅を有する構成、つまり、基部被覆部(直方形状被覆部)162内に位置する第2辺部114の上端から下端に亘る部位から突出して設けられている構成であれば一層効果的である。
【0070】
なお、上記本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、種々の改変をなすことができ、そして本発明が該改変させたものに及ぶことは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係る電気コネクタは、複数のコンタクトピンを備え、所望の特性インピーダンスを有するとともに、製品コストの低廉化を図ることができる効果を有し、コンタクトピンの距離や特性インピーダンス等が予め設定されるジャックとして有用である。
【符号の説明】
【0072】
10 ジャック(電気コネクタ)
20 プラグ
21 嵌合口
30 ケーブル
40 基板
41 取付穴
100 ジャック本体
100a 接続筒部
100b 本体基部
102 挿入口
110、110−1、110−2 コンタクトピン
112 第1辺部
114 第2辺部
115 接触部
116 固定部
118、118−1、118−2 端子部
120、120−1、120−2、120A、120B 突出部
140 ハウジング
142 ハウジング基部
144 凸状部
160 シールドケース
162 基部被覆部
164、226 筒状被覆部
222 プラグハウジング
224 シールドケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続相手コネクタのコンタクトにそれぞれ接続される複数のコンタクトピンと、前記複数のコンタクトピンが互いに所定間隔を空けて並べて配設される絶縁ハウジングと、前記絶縁ハウジングを被覆して設けられるシールドケースとを備えるとともに、基板に実装される電気コネクタであって、
前記複数のコンタクトピンのうち少なくとも一つのコンタクトピンは、隣り合う他のコンタクトピン側に突出して設けられ、前記他のコンタクトピンとの間隔を前記所定間隔よりも短くする突出部を備える、
電気コネクタ。
【請求項2】
前記シールドケースは、板状の導電部材によって形成されてなる、
請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記複数のコンタクトピンの各コンタクトピンは、一端に相手側コンタクトと接続する接触部が形成される第1辺部と、
前記第1辺部の他端から前記第1辺部の延在方向と直交する方向に延設され、且つ、前記基板と接続する端子部を備える第2辺部とを有する、
請求項1又は2記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記複数のコンタクトピンにおいて隣り合うコンタクトピンの前記第2辺部どうしは、前記第1辺部の延在方向で前記所定間隔を開けて並べて配置され、
前記突出部は、互い対向する前記第2辺部に向かって前記第1辺部の延在方向に突出して設けられている、
請求項3記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記シールドケースは、前記第1辺部を囲む円筒被覆部と、
前記第2辺部を囲む直方形状被覆部と、を有する、
請求項3記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記複数のコンタクトピンは、マトリクス状に前記所定間隔を空けて配列された4つのコンタクトピンである、
請求項1から5のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記突出部は、平板状である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記突出部は、前記直方形状被覆部内に位置する前記第2辺部の上端から下端に亘る部位から突出して設けられている、
請求項5記載の電気コネクタ。
【請求項1】
接続相手コネクタのコンタクトにそれぞれ接続される複数のコンタクトピンと、前記複数のコンタクトピンが互いに所定間隔を空けて並べて配設される絶縁ハウジングと、前記絶縁ハウジングを被覆して設けられるシールドケースとを備えるとともに、基板に実装される電気コネクタであって、
前記複数のコンタクトピンのうち少なくとも一つのコンタクトピンは、隣り合う他のコンタクトピン側に突出して設けられ、前記他のコンタクトピンとの間隔を前記所定間隔よりも短くする突出部を備える、
電気コネクタ。
【請求項2】
前記シールドケースは、板状の導電部材によって形成されてなる、
請求項1記載の電気コネクタ。
【請求項3】
前記複数のコンタクトピンの各コンタクトピンは、一端に相手側コンタクトと接続する接触部が形成される第1辺部と、
前記第1辺部の他端から前記第1辺部の延在方向と直交する方向に延設され、且つ、前記基板と接続する端子部を備える第2辺部とを有する、
請求項1又は2記載の電気コネクタ。
【請求項4】
前記複数のコンタクトピンにおいて隣り合うコンタクトピンの前記第2辺部どうしは、前記第1辺部の延在方向で前記所定間隔を開けて並べて配置され、
前記突出部は、互い対向する前記第2辺部に向かって前記第1辺部の延在方向に突出して設けられている、
請求項3記載の電気コネクタ。
【請求項5】
前記シールドケースは、前記第1辺部を囲む円筒被覆部と、
前記第2辺部を囲む直方形状被覆部と、を有する、
請求項3記載の電気コネクタ。
【請求項6】
前記複数のコンタクトピンは、マトリクス状に前記所定間隔を空けて配列された4つのコンタクトピンである、
請求項1から5のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項7】
前記突出部は、平板状である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
【請求項8】
前記突出部は、前記直方形状被覆部内に位置する前記第2辺部の上端から下端に亘る部位から突出して設けられている、
請求項5記載の電気コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2012−243650(P2012−243650A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−114033(P2011−114033)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]