説明

電気二重層キャパシタ、その制御方法及びこれを用いた蓄電システム並びに二次電池

【課題】 正電極及び/または負電極の電極電位を制御することにより、長寿命性能に優れた電気二重層キャパシタを提供する。
【解決手段】 電気二重層キャパシタ1の正電極10に切替スイッチ28が接続され、切替スイッチ28の端子aには電源または負荷が、端子bには、抵抗30を介して補助電極20が接続されている。切替スイッチ28を端子a側として電気二重層キャパシタの充放電を繰り返し、放電量が下限閾値以下となり、または内部抵抗が上限閾値以上となった場合に、切替スイッチ28を端子a側から端子b側に切り替え、正電極10と補助電極20間を抵抗30を介して閉回路状態とし、正電極10を抵抗放電する。これにより、正極電位が低下し、副反応を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用電源や電力貯蔵用電源として用いられる電気二重層キャパシタ、その制御方法及びこれを用いた蓄電システム並びに二次電池の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
電気二重層キャパシタは、正電極、負電極及び陽・陰イオンを含む溶液(電解液)で構成され、正負各電極と電解液との界面にできる非常に薄い絶縁層、即ち、電気二重層を誘電体として利用して、正電極にマイナスイオン、負電極にプラスイオンを吸着・放出することにより電荷を蓄電・放電できる電気化学デバイスである。
【0003】
このような電気二重層キャパシタにおいて、理論的には正電極および負電極が陰イオンおよび陽イオンを吸脱着することによって電荷を蓄電・放電するので、化学反応を伴わず、化学二次電池に比べて長寿命であることが一般的である。
【0004】
例えば、下記特許文献1にも、高容量且つ長寿命である電気二重層キャパシタが開示されている。
【特許文献1】特開2002−359155号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の技術においては、電気二重層キャパシタ内に存在する微量の不純物が充電および放電中に化学反応を起こし、正電極と負電極の電極電位のバランスが貴側或いは卑側に移動する。また、酸素類の存在下では電荷移動を伴わない酸化反応が進行し、電極電位が貴側に移動する。これらの現象が継続すると、電極材料及び電解液材料が酸化あるいは還元される電極電位に到達し、それらの材料の劣化が進行して電気二重層キャパシタの寿命が短くなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、正電極及び/または負電極の電極電位を制御することにより、長寿命性能に優れた電気二重層キャパシタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも一方が分極性電極である一対の電極と隔離板と電解液とを含む電気二重層キャパシタであって、正電極と直列接続され、負電極とは独立して正電極の充電状態を制御する補助電極を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、少なくとも一方が分極性電極である一対の電極と隔離板と電解液とを含む電気二重層キャパシタであって、負電極との間で充電することにより、正電極とは独立して負電極の充電状態を制御する補助電極を備えたことを特徴とする。
【0009】
ここで、上記補助電極は分極性電極であるのが好適である。
【0010】
また、本発明は、上記電気二重層キャパシタの制御方法であって、放電量または内部抵抗が所定の閾値に到達したときに、前記正電極と負電極間を開回路状態とし、前記正電極と補助電極間を抵抗を介して閉回路状態として前記正電極を放電し、その後前記正電極と補助電極間を開回路状態にすることを特徴とする。
【0011】
ここで、上記電気二重層キャパシタは、正電極の電位を測定するための参照電極を備えるのが好適である。また、この参照電極は、分極性電極であるのが好適である。また、上記参照電極は、金属とその金属の酸化物とを接触させて平衡電位を保つ参照電極であることを特徴とし、特に上記金属がアルミニウムであるのが好適である。
【0012】
また、本発明は、上記電気二重層キャパシタの制御方法であって、前記正電極の電位が所定の閾値に到達したときに、前記正電極と負電極間を開回路状態とし、前記正電極と補助電極間を抵抗を介して閉回路状態として前記正電極を放電し、その後前記正電極と補助電極間を開回路状態にすることを特徴とする。
【0013】
ここで、上記補助電極は、分極性電極であるのが好適である。
【0014】
また、本発明は、上記電気二重層キャパシタの制御方法であって、前記電気二重層キャパシタの放電量または内部抵抗が所定の閾値に到達したときに、前記正電極と負電極間を開回路状態とし、前記負電極と補助電極間で充電し、その後前記負電極と補助電極間を開回路状態にすることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の電気二重層キャパシタは、負電極の電位を測定するための参照電極を備えるのが好適である。この参照電極は、分極性電極であるのが好適である。また、上記参照電極は、金属とその金属の酸化物とを接触させて平衡電位を保つ電極であるのが好適である。また、上記金属は、アルミニウムであるのが好適である。
【0016】
また、本発明は、電気二重層キャパシタの制御方法であって、前記正電極の電位が所定の閾値に到達したときに、前記正電極と負電極間を開回路状態とし、前記負電極と補助電極間で充電し、その後前記負電極と補助電極間を開回路状態にすることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、上記電気二重層キャパシタを電源として用いた蓄電システムであることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、正負一対の電極を有する二次電池であって、正電極と抵抗を介して直列接続され、負電極とは独立して正電極の充電状態を制御する補助電極を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、補助電極により正電極及び/または負電極の充電状態を制御し、電極電位を適正な値に維持するので、電極材料及び電解液材料の劣化を抑制でき、電気二重層キャパシタの長寿命化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0021】
図1には、本発明にかかる電気二重層キャパシタの一実施形態の構成例が示される。図1において、正電極10及び負電極12が隔離板(セパレータ)14を介して交互に積層されており、これら正電極10、負電極12及び隔離板14には電解液が含浸されている。また、正電極10及び負電極12には、それぞれリード線16、18が接続されている。
【0022】
上記正電極10及び負電極12は、電極活物質となる活性炭、カーボンブラックなどの導電材とポリ弗化ビニリデン等の結着材とをn−メチルピロリドン等の溶媒中で混合したスラリーを、アルミニウムから成る集電基板に塗布・乾燥し、圧延して分極性電極としたものである。なお、正電極10及び負電極12のうち少なくとも一方を分極性電極とすればよい。この場合、他方の電極は、電気二重層キャパシタの充放電に伴い、電解液を可逆的または非可逆的に酸化・還元するものでも、あるいは電極自身が可逆的または非可逆的に酸化・還元されるものでもよい。例えば、正電極10を活性炭を主物質とした分極性電極とし、負電極12を白金電極とした場合、正電極10では陰イオンの吸着・脱離で充放電に対応し、負電極12では電解液の還元・酸化で充放電に対応してキャパシタとして機能することができる。この他、電極自身が酸化・還元を起こすものとして、MCoO、MNiO、MMn、Ni(OH)、PbO、SnO(Mは一価の金属)等から形成された電極があり、分極性電極とこれら非分極性電極とを組み合わせたあらゆる構成が可能である。また、隔離板14は、ガラス繊維等のイオン透過性の材料により構成されている。
【0023】
本実施形態において特徴的な点は、正電極10及び負電極12とは別に補助電極20を備えることである。この補助電極20は、正電極10と直列接続され、負電極12とは独立して正電極10の充電状態を制御する機能、及び/または、負電極12との間で充電することにより、正電極10とは独立して負電極12の充電状態を制御する機能を有する。
【0024】
上記補助電極20は、分極性電極ならば限定されないが、電気二重層キャパシタ内の異種物質をできるだけ除去するために、活性炭、カーボンブラック等の導電材とポリ弗化ビニリデン等の結着材とをn−メチルピロリドンなどの溶媒中で混合したスラリーを、アルミニウムから成る集電基板に塗布・乾燥し、圧延したものを用いるのが好適である。
【0025】
図1に示されるように、補助電極20は、正電極10−負電極12間のイオンの移動を妨げず、且つ、正電極10−補助電極20間、あるいは負電極12−補助電極20間のイオンの移動ができるように、正電極10、負電極12及び隔離板14で構成される電極群にさらに隔離板14を介して設置される。また、補助電極20にもリード線22が接続されている。ただし、補助電極20の配置、大きさは、図1に示される例に限定されない。
【0026】
なお、上記図1においては、電極群及び補助電極20等を収容する筐体並びに集電基板は図示を省略している。
【0027】
図2には、本発明にかかる電気二重層キャパシタの他の実施形態の構成例が示され、図1と同一要素には同一符号が付されている。図2において特徴的な点は、正電極10、負電極12及び隔離板14で構成される電極群にさらに隔離板14を介して参照電極24が配置されていることである。この参照電極24は、正電極10及び/または負電極12の電位の測定に使用される。
【0028】
上記参照電極24は、その平衡電位が安定し、再現性の良い材料により構成される分極性電極である。例えば、水溶液系では標準水素電極が用いられ、H+e=1/2Hの電極反応に対して触媒作用を持つ白金黒つき白金の電極表面に、水素イオンが存在する溶液内で水素ガスを通気する構造としたもの等がある。その平衡電位Eeqは、以下に示されるネルンストの式によって、
eq=E+(RT/F)lnaH+−(RT/2F)ln(pH2/p
ここで、
: 水素電極の標準電極電位
H+ : 水素イオン(H)の活量
H2 : 水素の分圧
: 標準圧力
で与えられる。
【0029】
また、参照電極24としては、その他に銀−ハロゲン化銀電極、水銀−水銀化合物電極などを使用することもできる。
【0030】
以上に述べた参照電極24の材料は、2種あるいはそれ以上の化合物間の化学変化が可逆的で且つその平衡状態が安定していれば特に限定されず、例えば金属とその金属の酸化物とを接触させて平衡電位を保つように構成される。本発明では、アルミニウム酸化物を含んだアルミニウムシートとアルミニウムリードを接触させてアルミニウムと酸化アルミニウムとの平衡状態を作り出し、これを参照電極24として使用した。具体的には、日本蓄電器工業株式会社製エッチドアルミニウムシート30CBとアルミニウムテープとを溶接し、アルミニウムテープをそのまま電極リードとしたものを使用したが、上記の基準
電極の条件を満足できるものならこの限りでない。以後、本明細書では、上記日本蓄電器工業株式会社製エッチドアルミニウムシート30CBとアルミニウムテープとを溶接して作製した参照電極24を、Al/AlOx電極と言う。
【0031】
上記Al/AlOx電極は、室温下、1.0mol/l四弗化硼酸テトラエチルアンモニウムプロピレンカーボネート溶液中において、100〜200mV vs. SHE(標準水素電極)で平衡状態を保つ。
【0032】
図2に示されるように、参照電極24は正電極10−負電極12間のイオンの移動を妨げず、且つ、正電極10−参照電極24間、あるいは負電極12−参照電極24間のイオンの移動ができるように、正電極10、負電極12、補助電極20および隔離板14で構成される電極群にさらに隔離板14を介して設置される。また、参照電極24にもリード線26が接続されている。ただし、参照電極24の配置、大きさは、図2に示される例に限定されない。
【0033】
一般に、電気二重層キャパシタは、充放電を繰り返した場合、電極電位が徐々に貴側へと変化する。充電中に正極電位が2000mV vs. Al/AlOxを超えるとイオン吸着とは異なる副反応が正電極10上で開始される。それと同時に電気二重層キャパシタの放電量が減少し、内部抵抗が増加する。
【0034】
そこで、この副反応が開始される時あるいは開始される前の状態で、正電極10だけを還元あるいは負電極12だけを還元すれば、正電極10及び負電極12を卑側に変化させることができ、上記副反応を抑制できる。本実施形態にかかる電気二重層キャパシタにおいては、以下に述べる方法により正電極10または負電極12の還元を行う。
【0035】
1.正電極10−補助電極20間で放電することにより正電極10の充電状態を制御する方法。
図3には、正電極10−補助電極20間で放電することにより正電極10の充電状態を制御する構成が示される。図3において、本実施形態にかかる電気二重層キャパシタ1の正電極10と負電極12との間に充電用の電源または電力供給先である負荷を接続し、電源または負荷と正電極10との間に切替スイッチ28を介在させる。この場合、電源または負荷は、切替スイッチ28の端子aに接続されている。また、この切替スイッチ28の端子bには、抵抗30を介して補助電極20が接続されており、切替スイッチ28により正電極10の接続先が電源または負荷と補助電極20との間で切り替えられる。
【0036】
図3に示される構成において、正電極10−負電極12間で電気二重層キャパシタを充電あるいは放電する場合は、切替スイッチ28を端子a側とし、正電極10を電源または負荷と接続する。また、正電極10を放電して充電状態を制御する場合には、切替スイッチ28を端子a側から端子b側に切り替える。
【0037】
図4には、上記切替スイッチ28を切り替えて電気二重層キャパシタ1を動作させた場合の正電極10及び負電極12の電極電位、放電量並びに内部抵抗の変化の様子が示される。
【0038】
図4に示されるように、切替スイッチ28を端子a側として電気二重層キャパシタ1の充放電を繰り返すと、正電極10、負電極12間の定格電圧ΔEを維持したまま、時間の経過とともに電極電位が上昇する。ここで、前述したように、正極電位が2000mV vs. Al/AlOxを超えると電気二重層キャパシタ1の放電量が減少し、内部抵抗が増加する。そこで、電気二重層キャパシタの放電量または内部抵抗をモニターし、放電量が所定の閾値(下限閾値)以下となり、または内部抵抗が所定の閾値(上限閾値)以上となった場合に、切替スイッチ28を端子a側から端子b側に切り替え、正電極10と負電極12間を開回路の状態として電気二重層キャパシタ1の充放電を停止する。また同時に、正電極10と補助電極20間を10/x〜10/xΩ(x:電気二重層キャパシタ1の静電容量)の抵抗30を介して閉回路状態とし、正電極10を抵抗放電する。これにより、図4に示されるように、正極電位が低下する。
【0039】
なお、上記電気二重層キャパシタの内部抵抗は、電気二重層キャパシタを運用回路から切り離し、その両電極間の内部インピーダンスを交流インピーダンス計により1000Hzにおいて測定し、これを内部抵抗に代用することによりモニターできる。あるいは、両電極を外部の所定の負荷抵抗に接続し、数ミリ秒〜数秒間放電した場合の電圧降下により内部抵抗をモニターしてもよい。さらに、電気二重層キャパシタを運用回路から切り離せない場合には、当該回路において放電動作を行った場合の電圧降下により内部抵抗をモニターできる。
【0040】
また、上記電気二重層キャパシタの放電量も、内部抵抗の場合と同様に、電気二重層キャパシタを外部の所定の負荷抵抗に接続し、または運用回路において放電動作を行わせ、放電電流及び両電極間の電圧降下を測定することによりモニターできる。
【0041】
次に、抵抗放電を任意の条件で終了した後、切替スイッチ28を端子b側から端子a側に戻して正電極10と補助電極20間を開回路状態にし、正電極10と負電極12を閉回路状態として充電すると、図4に示されるように、正電極10、負電極12間が定格電圧ΔEとなり、正電極10の電極電位が上記充放電の停止時よりも低下する。これにより、前述した副反応を抑制できる。
【0042】
上記放電量あるいは内部抵抗の閾値は、任意に設定できる。ただし、放電量の閾値については、商品価値(経時的に安定な放電量の維持率と放電量とのバランスがとれていること)を考慮すると、電気二重層キャパシタ1の初期の放電量の50%以上、内部抵抗の閾値については、初期の内部抵抗の200%以下であることが望ましい。これらの数値の範囲外では、電気二重層キャパシタとして運用し得る能力に欠けるおそれがあるからである。なお、放電量の閾値が初期の放電量の100%に近づくほど制御回数が増加することになり、現実的ではなくなるが、電気二重層キャパシタの長寿命化を図るためには、望ましくは閾値を初期の放電量の80%以上、さらに望ましくは90%以上、最も望ましくは100%以上とするのがよい。また、内部抵抗の閾値についても同様に、初期の内部抵抗の100%に近づくほど制御回数が増加することになり、現実的ではなくなるが、電気二重層キャパシタの長寿命化を図るためには、望ましくは閾値を初期の内部抵抗の150%以下、さらに望ましくは110%以下、最も望ましくは100%とするのがよい。
【0043】
また、図3に示されるように、電気二重層キャパシタが参照電極24を具備している場合には、正電極10の電極電位を参照電極24に対してモニターしてもよい。正電極10の電極電位が所定の閾値(上限閾値)に到達した場合に、切替スイッチ28を端子a側から端子b側に切り替え、正電極10と負電極12間を開回路状態とし、正電極10と補助電極20間を上記同様に抵抗放電する。抵抗放電を任意の条件で終了した後、切替スイッチ28を端子b側から端子a側に戻して正電極10と補助電極20間を開回路状態にし、正電極10と負電極12を閉回路状態にする。
【0044】
上記電極電位の閾値は、任意に設定できる。ただし、例えば参照電極24にAl/AlOx電極を使用し、活性炭をアルミニウム基板に充填または塗布した活性炭Al複合電極を正電極10として使用した場合、この電極は室温ないし60℃において約2000mV vs. Al/AlOx〜約2500mV vs. Al/AlOx付近に酸化波を有するので、正電極10の電極電位の閾値は、約2500mV vs. Al/AlOx以下が望ましい。なお、この電極電位が卑側になるほど制御回数が増加することになり、現実的ではなくなるが、電気二重層キャパシタの長寿命化を図るためには、電極電位の閾値を1800mV vs. Al/AlOx以下とするのがより望ましく、さらに卑側にすればさらに望ましい。
【0045】
また、参照電極24として上記Al/AlOx電極以外の、任意の電位Eなる電極を使用し、活性炭をアルミニウム基板に充填または塗布した活性炭Al複合電極を正電極10として使用した場合にも、この正電極10の電極電位の閾値は任意に設定できる。閾値は、この任意の電位Eなる電極の平衡電位がEのとき、参照電極24に対して2300−EmV以下が望ましい。なお、上記Al/AlOx電極と同様に、この任意の電極の電極電位が卑側になるほど制御回数が増加することになり、現実的ではなくなるが、電気二重層キャパシタの長寿命化を図るためには、電極電位の閾値を参照電極24に対して1600−EmV以下とするのがより望ましく、さらに卑側にすればさらに望ましい。
【0046】
2.負電極12−補助電極20間で充電することにより負電極12の充電状態を制御する方法。
図5には、負電極12−補助電極20間で充電することにより負電極12の充電状態を制御する構成が示され、図3と同一要素には同一符号が付されている。図5において、切替スイッチ32は電気二重層キャパシタ1の負電極12側に接続されており、切替スイッチ32の端子cが電源または負荷と接続され、端子dが安定化電源34の負極端子側に接続されている。また、安定化電源34の正極端子側は、電気二重層キャパシタ1の補助電極20に接続されている。
【0047】
図5に示される構成において、正電極10−負電極12間で電気二重層キャパシタ1を充電あるいは放電する場合は、切替スイッチ32を端子c側とし、負電極12を電源または負荷と接続する。また、負電極12を充電して充電状態を制御する場合には、切替スイッチ32を端子c側から端子d側に切り替える。
【0048】
図6には、上記切替スイッチ32を切り替えて電気二重層キャパシタ1を動作させた場合の正電極10及び負電極12の電極電位、放電量並びに内部抵抗の変化の様子が示される。
【0049】
図6に示されるように、切替スイッチ32を端子c側として電気二重層キャパシタ1の充放電を繰り返すと、正電極10、負電極12間の定格電圧ΔEを維持したまま、時間の経過とともに電極電位が上昇する。ここで、前述したように、正極電位が2000mV vs. Al/AlOxを超えると電気二重層キャパシタ1の放電量が減少し、内部抵抗が増加する。そこで、電気二重層キャパシタ1の放電量または内部抵抗をモニターし、放電量が所定の閾値(下限閾値)以下となり、または内部抵抗が所定の閾値(上限閾値)以上となった場合に、切替スイッチ32を端子c側から端子d側に切り替え、正電極10と負電極12間を開回路の状態として電気二重層キャパシタ1の充放電を停止する。また同時に、負電極12が安定化電源34の負極端子側に接続される。これにより、負電極12と補助電極20との間で充電し、負電極12の電位を低下させる。
【0050】
次に、補助電極20−負電極12間の充電を任意の条件で終了した後、切替スイッチ32を端子d側から端子c側に戻して補助電極20と負電極12間を開回路状態にし、正電極10と負電極12を閉回路状態として電源から電気二重層キャパシタ1を充電する。これにより、図6に示されるように、正電極10、負電極12間が定格電圧ΔEとなり、正電極10の電極電位が上記充放電の停止時よりも低下するので、前述した副反応を抑制できる。
【0051】
なお、上記放電量あるいは内部抵抗の閾値は、図3及び図4で述べたものと同様に決定できる。また、図5に示されるように、電気二重層キャパシタ1が参照電極24を具備している場合には、正電極10の電極電位を参照電極24に対してモニターし、正電極10の電極電位が所定の閾値(上限閾値)に到達した場合に、上述した負電極12と補助電極20との間で充電する操作を行ってもよい。この場合の閾値も図3及び図4で述べたものと同様である。
【0052】
なお、以上の実施形態では、本発明を電気二重層キャパシタに適用した例を説明したが、必ずしも電気二重層キャパシタには限定されず、本発明は他の二次電池にも適用できる。
【実施例】
【0053】
以下、本発明の具体例を実施例として説明する。
【0054】
電極活物質として使用する活性炭を次の様なプロセスで製造した。昭和高分子株式会社製ショウノール BRP−510Fを180℃で硬化・不融化した後、粗粉砕、炭化・焼成を行い、水蒸気賦活、微粉砕を経て活性炭を得た。この活性炭を活物質Aとした。
【0055】
活物質A、電気化学工業株式会社製デンカブラック HS−100及びシグマアルドリッチジャパン株式会社製PVdF(ポリ弗化ビニリデン)を質量配合比100.0:5.0:5.5 で混合したものにゴードー溶剤株式会社製1‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)を250質量部加えて電極スラリーとした。
【0056】
この電極スラリーを日本蓄電器工業株式会社製酸化アルミシート30CB(t=0.030mm)の一方の面に塗布・乾燥・圧延し、50.0mm(内、塗布部40.0mm)×20.0mmに裁断し、未塗布部にt=3.0mmのアルミテープを溶接したものを電極とした。
【0057】
この電極から、質量0.115g、厚み0.13mm(充填密度0.55g/cc、空間体積45mcc)を選別して正電極とし、質量0.125g、厚み0.16mm(充填密度0.52g/cc、空間体積65mcc)の電極を選別して負電極とした。
【0058】
また、補助電極に質量0.115g、厚み0.13mm(充填密度0.55g/cc、空間体積45mcc)を選別して使用した。
【0059】
参照電極は、日本蓄電器工業株式会社製酸化アルミシート30CB(t=0.030mm)を50.0mm×20.0mmに裁断し、幅3.0mm、長さ50.0mmのアルミテープの長さ20.0mmを切り出した30CBに重ねて溶接したものを使用した。
【0060】
以上のようにして製造した正電極2枚、負電極2枚を用い、正電極の充填面と負電極の充填面とを日本板硝子株式会社製隔離板NI040Aを介して対向させ、且つ、補助電極及び参照電極も上記隔離板NI040Aを介して配置し、断面方向で、補助電極−隔離板−負電極−隔離板−正電極−隔離板−正電極−隔離板−負電極−隔離板−参照電極の順序で積層したものを電極群とした。
【0061】
この電極群をアルミニウムラミネート容器に挿入し、次いで、富山薬品株式会社製1.0M 四弗化ホウ酸テトラエチルアンモニウムプロピレンカーボネート溶液を電解液として電極群の総空間体積に対して10vol.%以上過剰量注液し、10Torr(1330Pa)以下で1時間減圧後、余剰液をダンピングし、容器を融着・密閉して電気二重層キャパシタセルとした。
【0062】
この電気二重層キャパシタセルを25±5℃環境下において電流10.0mA、正電極−負電極間の設定電圧3.2Vで10時間定電圧充電し、次いで1時間休止後、電流値10.0mAで電圧1.0Vまで放電した。
【0063】
さらに、電流値10.0mA、設定電圧3.0Vで1.5時間定電流−定電圧充電し、次いで、1時間休止後、電流値10.0mAで電圧1.0Vまで放電する充放電サイクルを3回行った。充電後あるいは放電後、正電極−負電極間を交流インピーダンス計(北斗電工株式会社製 電気化学測定システム HZ−3000)を用いて1000Hzにおける内部インピーダンスを内部抵抗の代用として測定した。
【0064】
3回目の放電エネルギーをEとして、この電気二重層キャパシタの静電容量をCとしたとき、E=1/2・C・(V−V)が成り立つCを求めて、初期の静電容量とした。
【0065】
なお、説明を記載していない電圧V、Vは、電気二重層キャパシタの正電極−負電極間の電圧を示し、V=3.0V、V=1.0Vである。
【0066】
以上に述べた電気二重層キャパシタの寿命性能評価として次の寿命試験を行った。
【0067】
[比較例]
上記充放電終了後、70℃において定格電圧3.0Vで連続的に定電圧充電を行った。ある任意の時間定電圧充電を行った後充電を止め、1時間休止後に電流値10.0mAで電圧1.0Vまで放電した。この操作を繰り返し、定電圧充電時間の総時間が500時間となったときの放電量の維持率、すなわち初期の放電量に対する500時間経過後の放電量の割合を求めた。また、充電後あるいは放電後、正電極−負電極間の1000Hzにおける内部インピーダンスを測定して内部抵抗の代用とした。
【0068】
[実施例1]
図1に示される、正電極10、負電極12及び補助電極20を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、充電時間50時間毎に放電量を測定し、放電量が初期の50%に減少したときに、図3に示された回路で、切替スイッチ28を端子b側とし、正電極10−補助電極20間を1時間抵抗放電した。その後、切替スイッチ28を端子a側とし、寿命試験を継続した。
【0069】
[実施例2]
図1に示される、正電極10、負電極12及び補助電極20を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、充電時間50時間毎に放電量を測定し、放電量が初期の80%に減少したときに、図3に示された回路で、切替スイッチ28を端子b側とし、正電極10−補助電極20間を1時間抵抗放電した。その後、切替スイッチ28を端子a側とし、寿命試験を継続した。
【0070】
[実施例3]
図1に示される、正電極10、負電極12及び補助電極20を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、充電時間50時間毎に放電量を測定し、放電量が初期の90%に減少したときに、図3に示された回路で、切替スイッチ28を端子b側とし、正電極10−補助電極20間を1時間抵抗放電した。その後、切替スイッチ28を端子a側とし、寿命試験を継続した。
【0071】
[実施例4]
図1に示される、正電極10、負電極12及び補助電極20を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、充電時間50時間毎に1000Hzにおける内部インピーダンスを測定し、内部インピーダンスが初期の200%に増加したときに、図3に示された回路で、切替スイッチ28を端子b側とし、正電極10−補助電極20間を1時間抵抗放電した。その後、切替スイッチ28を端子a側とし、寿命試験を継続した。
【0072】
[実施例5]
図1に示される、正電極10、負電極12及び補助電極20を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、充電時間50時間毎に1000Hzにおける内部インピーダンスを測定し、内部インピーダンスが初期の150%に増加したときに、図3に示された回路で、切替スイッチ28を端子b側とし、正電極10−補助電極20間を1時間抵抗放電した。その後、切替スイッチ28を端子a側とし、寿命試験を継続した。
【0073】
[実施例6]
図1に示される、正電極10、負電極12及び補助電極20を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、充電時間50時間毎に放電量を測定し、放電量が初期の50%に減少したときに、図5に示された回路で、切替スイッチ32を端子d側とし、補助電極20−負電極12間を、その電極間の電圧が500mV増加するように1時間定電圧充電した。その後、切替スイッチ32を端子c側とし、寿命試験を継続した。
【0074】
[実施例7]
図1に示される、正電極10、負電極12及び補助電極20を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、充電時間50時間毎に放電量を測定し、放電量が初期の80%に減少したときに、図5に示された回路で、切替スイッチ32を端子d側とし、補助電極20−負電極12間を、その電極間の電圧が500mV増加するように1時間定電圧充電した。その後、切替スイッチ32を端子c側とし、寿命試験を継続した。
【0075】
[実施例8]
図1に示される、正電極10、負電極12及び補助電極20を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、充電時間50時間毎に1000Hzにおける内部インピーダンスを測定し、内部インピーダンスが初期の200%に増加したときに、図5に示された回路で、切替スイッチ32を端子d側とし、補助電極20−負電極12間を、その電極間の電圧が500mV増加するように1時間定電圧充電した。その後、切替スイッチ32を端子c側とし、寿命試験を継続した。
【0076】
[実施例9]
図1に示される、正電極10、負電極12及び補助電極20を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、充電時間50時間毎に1000Hzにおける内部インピーダンスを測定し、内部インピーダンスが初期の150%に増加したときに、図5に示された回路で、切替スイッチ32を端子d側とし、補助電極20−負電極12間を、その電極間の電圧が500mV増加するように1時間定電圧充電した。その後、切替スイッチ32を端子c側とし、寿命試験を継続した。
【0077】
[実施例10]
図2に示される、正電極10、負電極12、補助電極20及び参照電極24を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、正電極10−参照電極24の電極電位を測定し、正電極10の電極電位が2500mVに到達したときに、図3に示された回路で、切替スイッチ28を端子b側とし、正電極10−補助電極20間を1時間抵抗放電した。その後、切替スイッチ28を端子a側とし、寿命試験を継続した。なお、50時間毎に電気二重層キャパシタの放電量(充電量)を測定した。
【0078】
[実施例11]
図2に示される、正電極10、負電極12、補助電極20及び参照電極24を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、正電極10−参照電極24の電極電位を測定し、正電極10の電極電位が2000mVに到達したときに、図3に示された回路で、切替スイッチ28を端子b側とし、正電極10−補助電極20間を1時間抵抗放電した。その後、切替スイッチ28を端子a側とし、寿命試験を継続した。なお、50時間毎に電気二重層キャパシタの放電量(充電量)を測定した。
【0079】
[実施例12]
図2に示される、正電極10、負電極12、補助電極20及び参照電極24を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、正電極10−参照電極24の電極電位を測定し、正電極10の電極電位が1800mVに到達したときに、図3に示された回路で、切替スイッチ28を端子b側とし、正電極10−補助電極20間を1時間抵抗放電した。その後、切替スイッチ28を端子a側とし、寿命試験を継続した。なお、50時間毎に電気二重層キャパシタの放電量(充電量)を測定した。
【0080】
[実施例13]
図2に示される、正電極10、負電極12、補助電極20及び参照電極24を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、正電極10−参照電極24の電極電位を測定し、正電極10の電極電位が2500mVに到達したときに、図5に示された回路で、切替スイッチ32を端子d側とし、補助電極20−負電極12間を、その電極間の電圧が500mV増加するように1時間定電圧充電した。その後、切替スイッチ32を端子c側とし、寿命試験を継続した。なお、50時間毎に電気二重層キャパシタの放電量(充電量)を測定した。
【0081】
[実施例14]
図2に示される、正電極10、負電極12、補助電極20及び参照電極24を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、正電極10−参照電極24の電極電位を測定し、正電極10の電極電位が2000mVに到達したときに、図5に示された回路で、切替スイッチ32を端子d側とし、補助電極20−負電極12間を、その電極間の電圧が500mV増加するように1時間定電圧充電した。その後、切替スイッチ32を端子c側とし、寿命試験を継続した。なお、50時間毎に電気二重層キャパシタの放電量(充電量)を測定した。
【0082】
[実施例15]
図2に示される、正電極10、負電極12、補助電極20及び参照電極24を備えた電気二重層キャパシタにおいて、比較例と同様の寿命試験を行った。この際、正電極10−参照電極24の電極電位を測定し、正電極10の電極電位が1800mVに到達したときに、図5に示された回路で、切替スイッチ32を端子d側とし、補助電極20−負電極12間を、その電極間の電圧が500mV増加するように1時間定電圧充電した。その後、切替スイッチ32を端子c側とし、寿命試験を継続した。なお、50時間毎に電気二重層キャパシタの放電量(充電量)を測定した。
【0083】
以上に述べた各実施例及び比較例の結果が表1に示される。
【表1】

【0084】
表1に示されるように、70℃において定格電圧3.0V で連続的に定電圧充電した場合に、定電圧充電時間の総時間が500時間経過したときの放電量の維持率は、何れの実施例も比較例以上の値となっている。これにより、本発明は電気二重層キャパシタの長寿命化を達成できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明にかかる電気二重層キャパシタの一実施形態の構成例を示す図である。
【図2】本発明にかかる電気二重層キャパシタの他の実施形態の構成例を示す図である。
【図3】図1または図2の電気二重層キャパシタにおいて、正電極−補助電極間で放電することにより正電極の充電状態を制御する構成を示す図である。
【図4】図3の回路により電気二重層キャパシタを動作させた場合の正電極及び負電極の電極電位、放電量並びに内部抵抗の変化の様子を示す図である。
【図5】図1または図2の電気二重層キャパシタにおいて、負電極−補助電極間で充電することにより負電極の充電状態を制御する構成を示す図である。
【図6】図5の回路により電気二重層キャパシタを動作させた場合の正電極及び負電極の電極電位、放電量並びに内部抵抗の変化の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
10 正電極、12 負電極、14 隔離板、16、18、22、26 リード線、20 補助電極、24 参照電極、28、32 切替スイッチ、30 抵抗、34 安定化電源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が分極性電極である一対の電極と隔離板と電解液とを含む電気二重層キャパシタであって、正電極と直列接続され、負電極とは独立して正電極の充電状態を制御する補助電極を備えたことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項2】
少なくとも一方が分極性電極である一対の電極と隔離板と電解液とを含む電気二重層キャパシタであって、負電極との間で充電することにより、正電極とは独立して負電極の充電状態を制御する補助電極を備えたことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
【請求項3】
前記補助電極が分極性電極であることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項4】
前記電気二重層キャパシタの放電量または内部抵抗が所定の閾値に到達したときに、前記正電極と負電極間を開回路状態とし、前記正電極と補助電極間を抵抗を介して閉回路状態として前記正電極を放電し、その後前記正電極と補助電極間を開回路状態にすることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタの制御方法。
【請求項5】
前記正電極の電位を測定するための参照電極を備えることを特徴とする請求項1記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項6】
前記参照電極が分極性電極であることを特徴とする請求項5記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項7】
前記参照電極が金属とその金属の酸化物とを接触させて平衡電位を保つ電極であることを特徴とする請求項5記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項8】
前記参照電極の金属がアルミニウムであることを特徴とする請求項7記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項9】
前記正電極の電位が所定の閾値に到達したときに、前記正電極と負電極間を開回路状態とし、前記正電極と補助電極間を抵抗を介して閉回路状態として前記正電極を放電し、その後前記正電極と補助電極間を開回路状態にすることを特徴とする請求項5記載の電気二重層キャパシタの制御方法。
【請求項10】
前記補助電極が分極性電極であることを特徴とする請求項2記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項11】
前記電気二重層キャパシタの放電量または内部抵抗が所定の閾値に到達したときに、前記正電極と負電極間を開回路状態とし、前記負電極と補助電極間で充電し、その後前記負電極と補助電極間を開回路状態にすることを特徴とする請求項2記載の電気二重層キャパシタの制御方法。
【請求項12】
前記負電極の電位を測定するための参照電極を備えることを特徴とする請求項2記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項13】
前記参照電極が分極性電極であることを特徴とする請求項12記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項14】
前記参照電極が金属とその金属の酸化物とを接触させて平衡電位を保つ参照電極であることを特徴とする請求項12記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項15】
前記参照電極の金属がアルミニウムであることを特徴とする請求項14記載の電気二重層キャパシタ。
【請求項16】
前記正電極の電位が所定の閾値に到達したときに、前記正電極と負電極間を開回路状態とし、前記負電極と補助電極間で充電し、その後前記負電極と補助電極間を開回路状態にすることを特徴とする請求項12記載の電気二重層キャパシタの制御方法。
【請求項17】
請求項1〜8記載の電気二重層キャパシタを電源として用いたことを特徴とする蓄電システム。
【請求項18】
正負一対の電極を有する二次電池であって、
正電極と抵抗を介して直列接続され、負電極とは独立して正電極の充電状態を制御する補助電極を備えることを特徴とする二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−324591(P2006−324591A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−148250(P2005−148250)
【出願日】平成17年5月20日(2005.5.20)
【出願人】(000004374)日清紡績株式会社 (370)
【Fターム(参考)】