説明

電気光学ディスプレイを駆動する方法

【課題】電気光学ディスプレイを駆動する方法を提供すること。
【解決手段】複数の画素の各々が、2つの極限光学的状態を含む、少なくとも3つの光学的状態を表示することが可能である、複数の画素を有する双安定電気光学ディスプレイは、画素によって表示することができるグレーレベルの全ての間の遷移を達成することが可能な第1の駆動スキームと、画素の極限光学的状態のうちの1つにて終了する遷移のみを含有する第2の駆動スキームとを含む、方法によって駆動される。第2の駆動スキームの各遷移について、駆動されている前記画素の初期状態と最終状態との間で直接インパルスを印加するのに十分な期間にわたって、定電圧が印加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、以下に関連する。
(a)米国特許第6,504,524号
(b)米国特許第6,512,354号
(c)米国特許第6,531,997号
(d)米国特許第6,995,550号
(e)米国特許第7,012,600号および米国特許第7,312,794号、ならびに関連の米国特許出願第2006/0139310号および米国特許出願第2006/0139311号
(f)米国特許第7,034,783号
(g)米国特許第7,193,625号
(h)米国特許第7,259,744号
(i)米国特許出願第2005/0024353号
(j)米国特許出願第2005/0179642号
(k)米国特許第7,492,339号
(l)米国特許第7,327,511号
(m)米国特許出願第2005/0152018号
(n)米国特許出願第2005/0280626号
(o)米国特許出願第2006/0038772号
(p)米国特許第7,453,445号
(q)米国特許出願第2008/0024482号
(r)米国特許出願第2008/0048969号
(s)米国特許第7,119,772号
(t)米国特許出願第2008/0129667号
前述の特許および出願は、以下本明細書において、便宜上、集合的に「MEDEOD」(MEthods for Driving Electro−Optic Displays)出願として参照される。
【0002】
電気光学ディスプレイに関する背景用語および先端技術は、さらなる情報について読者が参照される、米国特許第7,012,600号で詳細に論議されている。したがって、この用語および先端技術を下記で簡潔に要約する。
【0003】
本発明は、電気光学ディスプレイ、特に双安定電気光学ディスプレイを駆動する方法と、そのような方法で使用するための装置とに関する。より具体的には、本発明は、ユーザ入力に対するディスプレイの迅速な応答を可能にする、駆動方法に関する。本発明は、排他的ではないが、特に、1つ以上の種類の荷電粒子が流体中に存在し、ディスプレイの外観を変化させるように電場の影響下で流体を介して移動させられる、粒子ベースの電気泳動ディスプレイとともに使用するためのものである。
【背景技術】
【0004】
材料またはディスプレイに適用されるような「電気光学」という用語は、画像技術におけるその従来の意味で、少なくとも1つの光学特性が異なる第1および第2の表示状態を有する材料であって、材料への電場の印加によって、その第1の表示状態からその第2の表示状態に変化させられる材料を指すために、本明細書で使用される。光学特性は、通常は、人間の目に知覚可能な色であるが、光の透過率、反射率、発光率、または機械読取を対象としたディスプレイの場合は、可視領域外の電磁波長の反射率の変化という意味の疑似色等の、別の光学特性であってもよい。
【0005】
「グレー状態」という用語は、画像技術におけるその従来の意味で、画素の2つの極限光学的状態の中間にある状態を指すために、本明細書で使用され、必ずしもこれら2つの極限状態の間の黒・白の遷移を示唆するとは限らない。例えば、以下で参照される特許および公開された出願のうちのいくつかは、中間の「グレー状態」が実際には薄青色となるように、極限状態が白および藍色である、電気泳動ディスプレイを説明している。実際には、既述のように、2つの極限状態間の遷移は、全く色変化でなくてもよい。
【0006】
「双安定」および「双安定性」という用語は、当技術分野におけるそれらの従来の意味で、少なくとも1つの光学特性が異なる第1および第2の表示状態を有する表示要素を備えるディスプレイであって、第1または第2の表示状態のうちのいずれか一方を呈するように、有限持続時間のアドレス指定パルスを用いて、所与の要素が駆動されてから、アドレス指定パルスが終了した後に、表示要素の状態を変化させるために必要とされるアドレス指定パルスの最小持続時間の少なくとも数倍、例えば、少なくとも4倍、その状態が続くようなディスプレイを指すために、本明細書で使用される。
【0007】
「インパルス」という用語は、時間に対する電圧の積分というその従来の意味で、本明細書で使用される。しかしながら、いくつかの双安定電気光学媒体は、電荷変換器の役割を果たし、そのような媒体では、インパルスの代替的な定義、すなわち、経時的な電流の積分(印加される全電荷に等しい)が使用されてもよい。媒体が電圧時間インパルス変換器または電荷インパルス変換器の役割を果たすかどうかに応じて、インパルスの適切な定義が使用されるべきである。
【0008】
以下の論議の大部分は、初期グレーレベルから最終グレーレベル(初期グレーレベルとは異なっても異ならなくてもよい)までの遷移を通して、電気光学ディスプレイの1つ以上の画素を駆動するための方法に焦点を合わせる。「波形」という用語は、1つの特定の初期グレーレベルから特定の最終グレーレベルまでの遷移を達成するために使用される、電圧対時間曲線全体を表すために使用される。通常は、そのような波形は、複数の波形要素を備え、その場合、これらの要素は、本質的に長方形であり(すなわち、所与の要素が、ある期間にわたる定電圧の印加を備える)、要素は、「パルス」または「駆動パルス」と呼ばれてもよい。「駆動スキーム」という用語は、特定のディスプレイのグレーレベルの間で全ての可能な遷移を達成するのに十分な一式の波形を表す。
【0009】
いくつかの種類の電気光学ディスプレイが公知であり、例えば、
(a)回転2色部材ディスプレイ(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、および特許文献9を参照)、
(b)エレクトロクロミックディスプレイ(例えば、非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、特許文献10、特許文献11、特許文献12を参照)、
(c)エレクトロウェッティングディスプレイ(非特許文献4、特許文献13を参照)、
(d)複数の荷電粒子が電場の影響下で流体を介して移動する、粒子ベースの電気泳動ディスプレイ(例えば、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24、特許文献25、特許文献26、特許文献27、特許文献28、特許文献29、特許文献30、特許文献31、特許文献32、特許文献33、特許文献34、特許文献35、特許文献36、特許文献37、特許文献38、特許文献39、特許文献40、特許文献41、および前述の特許文献42で論議されている他のMITおよびE Ink特許および出願を参照)である。
【0010】
電気泳動媒体のいくつかの異なる変化例がある。電気泳動媒体は、液体またはガス状流体を使用することができ、ガス状流体については、例えば、非特許文献5、非特許文献6、特許文献43、欧州特許出願第1,462,847号、第1,482,354号、第1,484,635号、第1,500,971号、第1,501,194号、第1,536,271号、第1,542,067号、第1,577,702号、第1,577,703号、および第1,598,694号、ならびに特許文献44、特許文献45、特許文献46を参照されたい。媒体は、多数の小さいカプセルを備えてカプセル化されてもよく、そのそれぞれは、液体懸濁化剤中に懸濁された電気泳動的に移動性の粒子を含有する内相と、内相を取り囲むカプセル壁とを備える。通常は、カプセルは、2つの電極間に位置付けられたコヒーレント層を形成するように、高分子バインダ内に保持される。あるいは、カプセル化電気泳動媒体中の離散マイクロカプセルを取り囲む壁は、連続相に置換されてもよく、したがって、電気泳動媒体が、電気泳動流体の複数の離散液滴と、高分子材料の連続相とを備える、いわゆる高分子分散電気泳動ディスプレイを生成する。例えば、特許文献47を参照されたい。本願の目的で、そのような高分子分散電気泳動媒体は、カプセル化電気泳動媒体の亜種と見なされる。別の変化例は、荷電粒子および流体が、通常は高分子薄膜である、キャリア媒体内に形成された複数の空洞内で保持される、いわゆる「マイクロセル電気泳動ディスプレイ」である。例えば、特許文献48、特許文献49を参照されたい。
【0011】
カプセル化電気泳動ディスプレイは、通常は、従来の電気泳動装置の集塊化および沈降失敗モードを被らず、多種多様な可撓性および剛性の基板上にディスプレイを印刷または被覆する能力等のさらなる利点を提供する。(「印刷」という言葉の使用は、パッチダイコーティング、スロットまたは押出コーティング、スライドまたはカスケードコーティング、カーテンコーティング等の事前計量コーティング、ナイフオーバーロールコーティング、フォワード・リバースロールコーティング等のロールコーティング、グラビアコーティング、浸漬コーティング、スプレーコーティング、メニスカスコーティング、スピンコーティング、ブラシコーティング、エアナイフコーティング、シルクスクリーン印刷工程、静電印刷工程、感熱印刷工程、インクジェット印刷工程、および他の同様な技術を含むが、これらに限定されない、あらゆる形態の印刷およびコーティングを含むことを目的とする。したがって、結果として得られるディスプレイは、可撓性となり得る。さらに、ディスプレイ媒体を(種々の方法を使用して)印刷することができるため、ディスプレイ自体を安価に作製することができる。
【0012】
電気泳動媒体は、(例えば、多くの電気泳動媒体では、粒子がディスプレイを通る可視光の透過を実質的に阻止するため)しばしば不透明であり、反射モードで動作するが、多くの電気泳動ディスプレイは、1つの表示状態が実質的に不透明であり、1つの表示状態が光透過性である、いわゆる「シャッタモード」で動作するよう作製することができる。例えば、前述の特許文献23および特許文献50、ならびに特許文献51、特許文献52、特許文献53、特許文献54、および特許文献55を参照されたい。電気泳動ディスプレイと同様であるが、電場強度の変動に依存する誘電泳動ディスプレイも、同様のモードで動作することができる。例えば、特許文献56を参照されたい。
【0013】
粒子ベースの電気泳動ディスプレイ、または同様の挙動を表示する他の電気光学ディスプレイ(そのようなディスプレイは、便宜上、以降で「インパルス駆動ディスプレイ」と呼ばれてもよい)の双安定または多重安定挙動は、従来の液晶(「LC」)ディスプレイの挙動と好対照である。ねじれネマチック液晶は双安定または多重安定ではないが、電圧変換器の役割を果たすため、そのようなディスプレイの画素に所与の電場を印加することにより、画素に以前存在していたグレーレベルにかかわらず、画素において特定のグレーレベルを生成する。さらに、LCディスプレイは、1つの方向(非透過性または「暗」から透過性または「明」)にしか駆動されず、電場を低減または排除することによって、より明るい状態からより暗い状態への逆遷移が達成される。最終的に、LCディスプレイの画素のグレーレベルは、電場の極性ではなく、その大きさのみに対して感受性があり、確かに技術的理由で、市販LCディスプレイは通常、頻繁な間隔で駆動場の極性を逆転させる。対照的に、双安定電気光学ディスプレイは、第1近似に対して、インパルス変換器の役割を果たすため、画素の最終状態は、印加される電場およびこの電場が印可される時間だけでなく、電場の印加の前の画素の状態にも依存する。
【0014】
高解像度ディスプレイを得るために使用される電気化学媒体が双安定であるか否かにかかわらず、ディスプレイの個々の画素は、隣接する画素からの干渉なしでアドレス可能でなければならない。この目的を達成する1つの方法は、「アクティブマトリクス」ディスプレイを生成するように、少なくとも1つの非線形要素が各画素に関連付けられている、トランジスタまたはダイオード等の非線形要素のアレイを提供することである。1つの画素をアドレス指定する、アドレス指定または画素電極が、関連非線形要素を通して適切な電圧源に接続される。通常は、非線形要素がトランジスタである時に、画素電極は、トランジスタのドレーンに接続され、この配設は、以下の説明で仮定されるが、本質的に任意であり、画素電極をトランジスタの電源に接続することができる。従来、高解像度アレイでは、画素は、行および列の2次元アレイで配設されるため、任意の特定の画素は、1つの特定行および1つの特定列の交差点によって一意的に画定される。各列における全てのトランジスタの電源が、単一の列電極に接続される一方で、各行における全てのトランジスタのゲートは、単一の行電極に接続され、再度、行への電源の割当および列へのゲートの割当は、従来的であるが、本質的に任意であり、所望であれば逆転させることができる。行電極は、所与の瞬間に1つの行のみが選択されること、すなわち、選択された行における全てのトランジスタが伝導性であることを確実にする等のために、選択された行電極に電圧が印加されている一方で、全ての他の行における全てのトランジスタが非伝導性のままであることを確実にする等のために、これらの選択されていない行に電圧が印加されていることを本質的に確実にする、行ドライバに接続される。列電極は、選択された行における画素を所望の光学的状態に駆動するように選択される電圧を種々の列電極に印加する、列ドライバに接続される。(前述の電圧は、従来、非線形アレイから電気光学媒体の反対側に提供され、ディスプレイ全体を横断して延在する、一般的な前面電極に対するものである。)「ラインアドレス時間」として知られている事前選択された間隔後、選択された行が選択解除され、次の行が選択され、列ドライバ上の電圧は、ディスプレイの次のラインが書かれるように変化させられる。この過程は、ディスプレイ全体が行ごとに書かれるように繰り返される。
【0015】
最初に、そのようなインパルス駆動電気光学ディスプレイに対処するための理想的な方法は、各画素が、その初期グレーレベルからその最終グレーレベルまで直接遷移するように、コントローラが画像の各書き込みを配設する、いわゆる「一般グレースケール画像フロー」となると思われる場合がある。しかしながら、必然的に、インパルス駆動ディスプレイ上に画像を書き込む際に、何らかの誤差がある。実践において遭遇するいくつかのそのような誤差は、以下を含む。
(a)以前の状態依存性。少なくともいくつかの電気光学媒体では、画素を新規の光学的状態に切り替えるために必要とされるインパルスは、現在かつ所望の光学的状態だけでなく、画素の以前の光学的状態にも依存する。
(b)滞留時間依存性。少なくともいくつかの電気光学媒体では、画素を新規の光学的状態に切り替えるために必要とされるインパルスは、画素がその種々の光学的状態において費やした時間に依存する。この依存性の正確な性質は、よく理解されていないが、一般に、画素がより長くその現在の光学的状態であるほど、より多くのインパルスが必要とされる。
(c)温度依存性。画素を新規の光学的状態に切り替えるために必要とされるインパルスは、温度に大きく依存する。
(d)湿度依存性。画素を新規の光学的状態に切り替えるために必要とされるインパルスは、少なくともいくつかの種類の電気光学媒体では、周囲湿度に依存する。
(e)機械的均一性。画素を新規の光学的状態に切り替えるために必要とされるインパルスは、ディスプレイの機械的変動、例えば、電気光学媒体または関連積層接着剤の厚さの変動の影響を受ける場合がある。他の種類の機械的不均一性が、媒体の異なる製造バッチ間の必然的変動、製造公差、および材料変動から発生する場合がある。
(f)電圧誤差。画素に印加される実際のインパルスは、ドライバによって送達される電圧の避けられないわずかな誤差のため、理論的に印加されるインパルスとは必然的にわずかに異なる。
【0016】
一般グレースケール画像フローは、「誤差の蓄積」現象を被る。例えば、温度依存性が、0.2L*(その場合、L*は、
=116(R/R1/3−16、
という通常のCIE定義を有し、式中、Rは反射率であり、Rは標準反射率値である)という誤差を、各遷移上の正の方向にもたらすと想像されたい。50回の遷移後、この誤差は、10L*まで蓄積する。おそらく、より現実的には、ディスプレイの理論的反射率と実際の反射率との間の差に関して表された、各遷移の平均誤差が±0.2L*であると仮定されたい。100回の成功した遷移後、画素は、2L*という予期された状態からの平均偏差を表示し、そのような偏差は、ある種類の画像の平均的観察者にとって明白である。
【0017】
この誤差の蓄積現象は、温度による誤差だけでなく、上記で記載される全ての種類の誤差にも該当する。前述の特許文献42で説明されているように、そのような誤差を補償することが可能であるが、限定された程度の精度にすぎない。例えば、温度誤差は、温度センサおよびルックアップテーブルを使用することによって補償することができるが、温度センサは、有限分解能を有し、電気光学媒体の温度とはわずかに異なる温度を読み出す場合がある。同様に、以前の状態依存性は、以前の状態を記憶し、多次元遷移マトリクスを使用することによって補償することができるが、コントローラのメモリは、記録することができる状態の数、および記憶することができる遷移マトリクスのサイズを限定し、この種類の補償の精度に制限を加える。
【0018】
したがって、一般グレースケール画像フローは、良好な結果を生じるために、印加されたインパルスの非常に正確な制御を必要とし、経験的に、電気光学ディスプレイの技術の現状では、一般グレースケール画像フローは市販のディスプレイで実行不可能であることが分かっている。
【0019】
ある状況下では、単一のディスプレイが複数の駆動スキームを使用することが望ましくてもよい。例えば、3つ以上のグレーレベルが可能なディスプレイは、全ての可能なグレーレベルの間で遷移を達成することができる、グレースケール駆動スキーム(「GSDS」)と、2つのグレーレベルの間のみで遷移を達成するモノクロ駆動スキーム(「MDS」)であって、GSDSよりも迅速なディスプレイの書換を提供するMDSとを使用してもよい。MDSは、ディスプレイの書換中に変更されている全ての画素が、MDSによって使用される2つのグレーレベルの間のみで遷移を達成している時に、使用される。例えば、前述の特許文献57は、グレースケール画像を表示することが可能であり、また、表示された画像に関するテキストをユーザが入力することを可能にするモノクロダイアログボックスを表示することも可能である、電子ブックまたは同様のデバイスの形態のディスプレイを説明している。ユーザがテキストを入力している時に、ダイアログボックスの迅速な更新のために、高速MDSが使用され、したがって、入力されているテキストの迅速確認をユーザに提供する。一方で、ディスプレイ上に示されたグレースケール画像全体が変更されている時には、より低速のGSDSが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】米国特許第5,808,783号明細書
【特許文献2】米国特許第5,777,782号明細書
【特許文献3】米国特許第5,760,761号明細書
【特許文献4】米国特許第6,054,071号明細書
【特許文献5】米国特許第6,055,091号明細書
【特許文献6】米国特許第6,097,531号明細書
【特許文献7】米国特許第6,128,124号明細書
【特許文献8】米国特許第6,137,467号明細書
【特許文献9】米国特許第6,147,791号明細書
【特許文献10】米国特許第6,301,038号明細書
【特許文献11】米国特許第6,870,657号明細書
【特許文献12】米国特許第6,950,220号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2005/0151709号明細書
【特許文献14】米国特許第5,930,026号明細書
【特許文献15】米国特許第5,961,804号明細書
【特許文献16】米国特許第6,017,584号明細書
【特許文献17】米国特許第6,067,185号明細書
【特許文献18】米国特許第6,118,426号明細書
【特許文献19】米国特許第6,120,588号明細書
【特許文献20】米国特許第6,120,839号明細書
【特許文献21】米国特許第6,124,851号明細書
【特許文献22】米国特許第6,130,773号明細書
【特許文献23】米国特許第6,130,774号明細書
【特許文献24】米国特許出願公開第2002/0060321号明細書
【特許文献25】米国特許出願公開第2002/0090980号明細書
【特許文献26】米国特許出願公開第2003/0011560号明細書
【特許文献27】米国特許出願公開第2003/0102858号明細書
【特許文献28】米国特許出願公開第2003/0151702号明細書
【特許文献29】米国特許出願公開第2003/0222315号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2004/0014265号明細書
【特許文献31】米国特許出願公開第2004/0075634号明細書
【特許文献32】米国特許出願公開第2004/0094422号明細書
【特許文献33】米国特許出願公開第2004/0105036号明細書
【特許文献34】米国特許出願公開第2005/0062714号明細書
【特許文献35】米国特許出願公開第2005/0270261号明細書
【特許文献36】国際公開第00/38000号
【特許文献37】国際公開第00/36560号
【特許文献38】国際公開第00/67110号
【特許文献39】国際公開第01/07961号
【特許文献40】欧州特許第1,099,207号明細書
【特許文献41】欧州特許第1,145,072号明細書
【特許文献42】米国特許第7,012,600号明細書
【特許文献43】米国特許出願公開第2005/0001810号明細書
【特許文献44】国際公開第2004/090626号
【特許文献45】国際公開第2004/079442号
【特許文献46】国際公開第2004/001498号
【特許文献47】米国特許第6,866,760号明細書
【特許文献48】米国特許第6,672,921号明細書
【特許文献49】米国特許第6,788,449号明細書
【特許文献50】米国特許第6,172,798号明細書
【特許文献51】米国特許第5,872,552号明細書
【特許文献52】米国特許第6,144,361号明細書
【特許文献53】米国特許第6,271,823号明細書
【特許文献54】米国特許第6,225,971号明細書
【特許文献55】米国特許第6,184,856号明細書
【特許文献56】米国特許第4,418,346号明細書
【特許文献57】米国特許第7,119,772号明細書
【非特許文献】
【0021】
【非特許文献1】O’Regan,B.,et al,Nature 1991,353,737
【非特許文献2】Wood,D.,Information Display,18(3),24(March 2002)
【非特許文献3】Bach,U.,etal.,Adv.Mater.,2002,14(11),845
【非特許文献4】Hayes,R.A.,et al.,“Video−Speed Electronic Paper Based on Electrowetting”,Nature,425,383−385(25 September 2003)
【非特許文献5】Kitamura,T.,et al,“Electrical toner movement for electronic paper−like display”,IDW Japan,2001,Paper HCSl−I
【非特許文献6】Yamaguchi,Y.,et al.,“Toner display using insulative particles charged triboelectrically”,IDW Japan,2001,Paper AMD4−4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
より具体的には、現行の電気泳動ディスプレイは、グレースケールモードで約700−900ミリ秒、モノクロモードで200−300ミリ秒の更新時間を有する。ユーザ入力によって必要とされるディスプレイの更新のために、特に、スタイラスおよびタッチセンサを使用してディスプレイ上に描画する、キーボードをタイプする、メニュー選択、およびテキストまたはカーソルのスクロール等の対話型アプリケーションのために、高速更新を有することが望ましい。したがって、従来技術の電気泳動ディスプレイは、対話型アプリケーションが限定されている。したがって、駆動手段と、ディスプレイの一部分(例えば、スタイラスの進路の下に位置する部分)が高速駆動スキームで更新されることを可能にする、対応する駆動方法とを、提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0023】
(本発明の概要)
したがって、一局面では、本発明は、2つの極限光学的状態を含む、少なくとも3つの光学的状態を表示することがそれぞれ可能である、複数の画素を有する双安定電気光学ディスプレイを駆動する方法を提供し、方法は、画素によって表示することができるグレーレベルの全ての間の遷移を達成することが可能な第1の駆動スキームを使用して、電気光学ディスプレイを駆動するステップと、画素の極限光学的状態のうちの1つにて終了する遷移のみを含有する、第2の駆動スキームを使用して、電気光学ディスプレイを駆動するステップとを含む。
【0024】
本発明のこの方法は、便宜上、以降では、本発明の「二重駆動スキーム」またはDDS方法と呼ばれてもよい。先述の論議から容易に明白となるように、この方法における第2の駆動スキームは、ディスプレイがスタイラス、ペン、キーボード、マウス、または同様の入力デバイスから入力を受け取るものである時に、呼び出されることを目的とする。第2の駆動スキームの最大遷移時間は、通常は、第1の駆動スキームよりも大幅に短くなる。第2の駆動スキームは、望ましくは、第2の駆動スキームの各(非ゼロ)遷移の波形が、第1の駆動スキームによって画定されるような初期状態と最終状態との間の第1のインパルスとして画定される、「直接」駆動スキームを備える。
【0025】
本発明は、DDS方法を実行するように配設されるディスプレイコントローラまたはディスプレイに及ぶ。第2の駆動スキームは、所望であれば、画素の極限光学的状態の1つにて終了しない、幾つかの遷移を含むように修正されてもよい。
【0026】
本発明のディスプレイは、上記で説明される種類の双安定電気光学媒体のうちのいずれかを利用してもよい。したがって、例えば、ディスプレイは、回転2色部材またはエレクトロクロミック材料、あるいは、流体中に配置され、かつ電場の影響下で流体を介して移動することが可能な複数の荷電粒子を備える、電気泳動材料を使用してもよい。そのような電気泳動材料において、荷電粒子および流体は、複数のカプセルまたはマイクロセル内に閉じ込められる。あるいは、荷電粒子および流体は、高分子材料を備える連続相によって取り囲まれる複数の離散液滴として存在してもよい。流体は、液体またはガス状であってもよい。電気泳動媒体は、染色流体中の一種類の電気泳動粒子、または未染色流体中の2つの異なる電気泳動移動度を有する電気泳動粒子を備えてもよい。
【0027】
本発明のディスプレイは、従来技術の電気光学ディスプレイが使用されている、任意の用途で使用されてよい。したがって、例えば、本ディスプレイは、電子ブック読取機、ポータブルコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、スマートカード、標識、腕時計、棚ラベル、およびフラッシュドライブで使用されてもよい。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
複数の画素の各々が、2つの極限光学的状態を含む、少なくとも3つの光学的状態を表示することが可能である、該複数の画素を有する双安定電気光学ディスプレイを駆動する方法であって、
該画素によって表示することができるグレーレベルの全ての間の遷移を達成することが可能な第1の駆動スキームを使用して、該電気光学ディスプレイを駆動することと、
該画素の該極限光学的状態のうちの1つにて終了する遷移のみを含有する、第2の駆動スキームを使用して、該電気光学ディスプレイを駆動することと
を含む、方法。
(項目2)
上記第2の駆動スキームの各遷移について、駆動されている上記画素の初期状態と最終状態との間で直接インパルスを印加するのに十分な期間にわたって、定電圧が印加される、項目1に記載の方法。
(項目3)
第2の波形の少なくとも1つの遷移は、等しいインパルスであるが異極性の一対のパルスを組み込む、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記第2の波形の少なくとも1つの遷移は、非ゼロ電圧の2つの期間の間にゼロ電圧の期間を組み込む、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記第2の駆動スキームは、上記第1の駆動スキームとDC均衡化される、項目1に記載の方法。
(項目6)
上記第2の駆動スキームは、グレースケール画像上で黒線または白線あるいはモノクロテキスト入力を描くために使用される、項目1に記載の方法。
(項目7)
項目1に記載の方法を実行するように配設される、ディスプレイコントローラまたはディスプレイ。
(項目8)
タッチセンサを有する、項目7に記載のディスプレイ。
(項目9)
回転2色部材またはエレクトロクロミック材料を含む、項目7に記載のディスプレイ。
(項目10)
流体中に配置され、かつ電場の影響下で該流体を介して移動することが可能な複数の荷電粒子を含む、電気泳動材料を含む、項目7に記載のディスプレイ。
(項目11)
上記荷電粒子および上記流体は、複数のカプセルまたはマイクロセル内に閉じ込められる、項目10に記載のディスプレイ。
(項目12)
上記電気泳動材料は、マイクロセルに閉じ込められる染色流体の中に、一種類の電気泳動粒子を含む、項目11に記載のディスプレイ。
(項目13)
上記荷電粒子および上記流体は、高分子材料を含む連続相によって取り囲まれる、複数の離散液滴として存在する、項目10に記載の電気光学ディスプレイ。
(項目14)
上記流体は、ガス状である、項目10に記載のディスプレイ。
(項目15)
項目7に記載のディスプレイを組み込む、電子ブック読取機、ポータブルコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、スマートカード、標識、腕時計、棚ラベル、またはフラッシュドライブ。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の方法で使用することができる、3ビット(8グレーレベル)グレースケール駆動スキームを示す。
【図2】図2は、本発明の方法で使用することができる、第1の4ビット(16グレーレベル)直接更新駆動スキームの非ゼロ波形を示す。
【図3】図3は、本発明の方法で使用することができる、第2の4ビット(16グレーレベル)直接更新駆動スキームの非ゼロ波形を示す。
【図4】図4は、既存のグレースケール画像上に黒線または白線を描くために使用されている、本発明の方法を示す。
【図5】図5Aおよび5Bは、本発明の直接更新駆動スキームに均衡パルス対を組み込むことによって達成することができる、グレーレベルの整合性の改善を示す。
【図6】図6は、本発明の方法で使用することができる、3ビット直接更新駆動スキームの非ゼロ波形を示す。
【図7】図7は、図6の3ビット駆動スキームの4ビット投影(以下で説明されるような)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
既に示されているように、本発明は、多重画素双安定電気光学ディスプレイを駆動する方法を提供する。この方法は、画素によって表示することができるグレーレベルの全ての間の遷移を達成することが可能な第1の駆動スキームと、画素の極限光学的状態のうちの1つにて終了する遷移のみを含有する、第2の駆動スキームとを使用する。第2の駆動スキームは、ユーザ入力に対するディスプレイの迅速な応答を可能にすることを目的とし、例えば、ユーザが、タッチスクリーンを組み込むディスプレイ上にてスタイラスで「書き」、そのようなタッチスクリーンは、ユーザの観点から電気光学媒体の前または後に位置してもよいことに留意されたい。
【0030】
この方法で第1の駆動スキームとして使用されてもよいもの等の標準グレースケール駆動スキームは、「飽和パルス」の長さの2倍から3倍である更新時間を有し、その場合、飽和パルスは、一方の極限光学的状態(「光学レール」)から他方の極限光学的状態(すなわち、黒から白、または白から黒)へディスプレイを駆動するインパルスを印加するために必要とされる持続時間を有する、パルスとして定義される。第2の高速駆動スキームは、飽和パルスの長さと同一の更新時間を有することができる。高速駆動スキームは、各遷移について、標準グレースケール駆動スキームによって画定されるような初期状態と最終状態との間で直接インパルスを印加するのに十分な期間にわたって、定電圧が印加される、「直接」駆動スキームから成ってもよい。
【0031】
しかしながら、そのような直接駆動スキームは、前述のMEDEOD出願において詳細に論議されているように、電気光学媒体の以前の状態依存性および他の問題により、大きなグレーレベル誤差(通常は、3〜10L*単位、この場合、L*は通常のCIE定義を有する)を生じることが分かっている。各波形についてインパルスを調整することにより、これらの誤差を低減することができる。米国特許出願公開第2006/0232531号の段落[0355](以下参照)で論議されているように、「FT」シーケンスの微調整を追加することにより、誤差をさらに低減することができる。そのようなFTシーケンスの長さは、直接インパルスの長さを加えた飽和パルスの長さよりも短くなるべきである。現在好ましい駆動スキームは、通常は、両方とも調整されたインパルスおよびFT配列を含有し、例が、添付図面の図1に示されている。図1は、3ビット(8グレーレベル)駆動スキームを示す。各波形は、13フレームの長さであり、各フレームは、20ミリ秒の長さであり、260msの総更新時間を生じる。これは、780msである標準グレースケール更新時間よりもはるかに速い。先頭の対角線要素は、0Vしか含有しないため、初期状態と最終状態との間で変化しない画素は、光反射率を変化させず、すなわち、これが、ローカル更新駆動スキームである。この駆動スキームは、2→1→2等の単純閉ループを見ることによって分かるように、DC不均衡であり、この閉ループ中に印加される正味インパルスは、+4フレームである。以下の表は、フレームごとの駆動スキームの各要素に対する単一ループについて、DC不均衡を提示する。DC均衡化遷移スキームは、任意の閉ループについてゼロの正味インパルスを有する。DC不均衡駆動は、継続的に使用されるとディスプレイの信頼性に悪影響を及ぼすことが分かっており、DC不均衡駆動スキームは、時折しか使用されないことが推奨される。
【0032】
【表1】

図1は、波形[8→5]および[8→6]におけるFTシーケンスを示す。波形[8→5]では、(+−)のFTシーケンスが、(++)の直接インパルスシーケンスに追加されている。波形[8→6]では、(−)のFTシーケンスが、(++)に追加されている。FTシーケンスが、グレーレベル誤差を低減している。
【0033】
本発明の好ましい形態は、一方が、標準グレースケール駆動スキームであり、他方が、以降で「直接更新」または「DU」駆動スキームモードと呼ばれる高速(通常は約260ms)駆動スキームである、一組の駆動スキームから成る。グレートーン誤差を1L*未満まで低減するように追加されたFTシーケンスを伴う直接インパルス構造から成る、DC均衡化駆動スキームについて、最長波形は、中間グレーレベル(すなわち、黒および白以外のグレーレベル)の間の遷移のための波長であることが分かっている。最長波形は、通常は、飽和パルスよりもはるかに長い。この種類の波形は、対話型アプリケーションには望ましくない。したがって、全てのグレーレベル(黒および白を含む)から黒または白への遷移のみを含有する、駆動スキームを提供することが有利であると分かっている。そのようなDU駆動スキームでは、黒または白の最終状態(4ビットグレースケールでは状態1および16、3ビットでは状態1および8、2ビットでは状態1および4)がない全ての波形は、黒または白で終了する各遷移について、標準グレーレベル駆動スキームによって画定されるようなインパルスを伴う直接波形を作製することによって生成される、4ビットDU駆動スキームを示す、図2に示されるように、0フレームのみから成る。図2に示された駆動スキームは、標準グレーレベル駆動スキームとDC均衡化される。黒または白ではない、最終状態を伴う全ての波形は、0Vフレームのみから成る。これは、DUモードの適用を、全ての画素の最終状態が黒または白である場合に適用するように限定する。これの実施例は、グレースケール画像上に白線または黒線を、またはグレースケール画像上にモノクロテキスト入力を描くためにタッチセンサを使用するステップを含む。そのような用途の説明図が図4に示されており、図中、セクション2および3では、白線および黒線がグレースケール画像上に書かれ、セクション4では、ディスプレイ全体が白で書かれている。
【0034】
DU駆動スキームはまた、均衡パルス対(すなわち、前述のMEDEOD出願のうちのいくつかで説明されているような、等しいインパルスであるが異極性のパルス対)、例えば、(+−)または(−+)を、直接インパルスの開始時に追加することによって、変動させられてもよい。均衡パルス対の例は、(+−、++−−、+++−−−等)である。均衡パルス対および直接インパルスの長さは、飽和パルスの長さを超えることができない。この種類のDU駆動スキームの実施例が図3に示されている。均衡パルス対の追加は、図5Aおよび5Bに示されるように、標準グレーレベル駆動スキームとDU駆動スキームとの間でDC均衡を保ちながら、グレーレベル誤差を低減することが示されており、その場合、図4と同じ試験が2つの場合において適用されており、試験の終了時のディスプレイの写真が示されている。図5Aでは、図2に示されるようなDU駆動スキームを使用して試験が行われ、図5Bでは、図3に示された駆動スキームを使用して試験が行われ、図5Aと比較して低減したグレーレベル誤差を伴った。DU駆動スキームはまた、非ゼロ電圧の期間の間にゼロ電圧の期間を含んでもよい。
【0035】
大部分のコントローラが4ビット演算のために設計されているため、2ビットおよび3ビットグレーレベル駆動スキームを作製し、次いで、図6および7に示されるように、それらを4ビット表現に投影することが有利であると分かっている。通常の3ビットDU遷移スキームが図6に示されている。ルックアップテーブルが4ビットのサイズである、コントローラについては、3ビット[1−8]から4ビット[1−16]の状態については[1 1 2 2 3 3 4 4 5 5 6 6 7 7 8 8]に従って状態を埋め、2ビット[1−4]から4ビット[1−16]については[1 1 1 1 2 2 2 2 3 3 3 3 4 4 4 4]に従って状態を埋めるという規則を使用して、16状態ルックアップテーブルを埋めることが有利であると分かっている。3ビットのそのような穴埋めの実施例が、4ビット投影における3ビット遷移スキームを示す、図7に示されている。
【0036】
先述の内容から、本発明の二重駆動スキーム方法は、電気光学ディスプレイ、特に、電気泳動ディスプレイのより高速な更新を提供することができ、したがって、デバイス設計者がより多くの対話型アプリケーションを作製することを可能にし、したがって、そのようなディスプレイを含有するデバイスの有用性を増加させることが分かるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する双安定電気光学ディスプレイを駆動する方法であって、該複数の画素のそれぞれは、少なくとも3つの光学的状態を表示することが可能であり、該少なくとも3つの光学的状態は、2つの極限光学的状態を含み、該方法は、
該複数の画素によって表示することが可能なすべてのグレーレベルの間の遷移を達成することが可能な第1の駆動スキームを使用して、該電気光学ディスプレイを駆動することと、
該複数の画素によって表示することが可能な該グレーレベルのそれぞれにおいて開始し、該複数の画素の該極限光学的状態のうちの1つにおいて終了する遷移のみを含む第2の駆動スキームを使用して、該電気光学ディスプレイを駆動することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第2の駆動スキームの各遷移について、駆動されている前記画素の初期状態と最終状態との間に定電圧が印加される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の波形の少なくとも1つの遷移は、等しいインパルスであるが異極性の一対のパルスを組み込む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の波形の少なくとも1つの遷移は、非ゼロ電圧の2つの期間の間にゼロ電圧の期間を組み込む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の駆動スキームは、前記第1の駆動スキームとDC均衡化される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の駆動スキームは、グレースケール画像上で黒線または白線あるいはモノクロテキスト入力を描くために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法を実行するように構成されているディスプレイコントローラまたはディスプレイ。
【請求項8】
タッチセンサを有する、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項9】
回転2色部材またはエレクトロクロミック材料を含む、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項10】
流体中に配置され、かつ、電場の影響下で該流体を介して移動することが可能な複数の荷電粒子を含む、電気泳動材料を含む、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記荷電粒子および前記流体は、複数のカプセルまたは複数のマイクロセル内に閉じ込められている、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記電気泳動材料は、マイクロセルに閉じ込められる染色流体の中に、一種類の電気泳動粒子を含む、請求項11に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記荷電粒子および前記流体は、高分子材料を含む連続相によって取り囲まれる、複数の離散液滴として存在する、請求項10に記載の電気光学ディスプレイ。
【請求項14】
前記流体は、ガス状である、請求項10に記載のディスプレイ。
【請求項15】
請求項7に記載のディスプレイを組み込む、電子ブック読取機、ポータブルコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話、スマートカード、標識、腕時計、棚ラベル、または、フラッシュドライブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−57975(P2013−57975A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−282104(P2012−282104)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2011−504241(P2011−504241)の分割
【原出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(500080214)イー インク コーポレイション (148)
【Fターム(参考)】