電気光学装置及び電子機器
【課題】例えば、液晶パネルの表示面に表示される画像の色むらを低減する。
【解決手段】バックライト159は、互いに異なる光源色光を出射する複数の光源151R、151G及び151B、並びにこれら光源色光から構成される光源光を液晶装置1に向かって反射するリフレクタ152を備えて構成されている。複数の光源151R、151G、及び151Bによれば、各光源から出射される光源色光である赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度を調整可能であり、絞り機構150による調整光の光量の調整と、液晶装置1の画素部における光の透過量の調整とを行う前段階で、光源光に含まれる各光源色光の光強度を調整可能である。
【解決手段】バックライト159は、互いに異なる光源色光を出射する複数の光源151R、151G及び151B、並びにこれら光源色光から構成される光源光を液晶装置1に向かって反射するリフレクタ152を備えて構成されている。複数の光源151R、151G、及び151Bによれば、各光源から出射される光源色光である赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度を調整可能であり、絞り機構150による調整光の光量の調整と、液晶装置1の画素部における光の透過量の調整とを行う前段階で、光源光に含まれる各光源色光の光強度を調整可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、プロジェクタ等の投写型表示装置のライトバルブとして用いることが可能な液晶装置等の電気光学装置、及びそのような電気光学装置を具備してなる投写型表示装置等の電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置を具備してなるプロジェクタ等の投写型表示装置では、光学系を構成する様々な光学要素で生じる光漏れや迷光のため、充分なコントラストが得られない。つまり、表示できる明るさの範囲であるダイナミックレンジが狭く、陰極線管(Cathode Ray Tube:CRT)を用いた既存の映像モニタと比較すると、画像品位が劣ってしまう問題点がある。また、各種の画像信号処理により画像品位の向上を図ろうとしても、ダイナミックレンジが固定されているために、充分な効果を発揮することができない問題点がある。これら問題点を解決するための解決策の一例として、言い換えればダイナミックレンジを拡大する方法の一例として、画像信号に応じて、光変調手段として用いられるライトバルブ等の電気光学装置に入射させる光量を変化させる方法が考えられる。
【0003】
しかしながら、光源が白色光源である場合、白色光源の発光スペクトルの変化は複雑であり、各色成分、即ち発光スペクトルを補正するための大規模な補正回路が必要となる。したがって、ライトバルブ等の電気光学装置を駆動するための駆動回路の回路構成が煩雑化してしまう問題点がある。また、表示領域に表示される画像の色分布に偏りがある場合、白色光源から出射される光源光の発光スペクトルのみを調整するだけでは画像の色合いを画像信号に対応した狙いの色合いに設定することが困難になる問題点がある。
【0004】
そこで、特許文献1は、光源の出力制御による調光を効率よく行うことができ、好ましくは画像の色分布に応じて光源光を調光可能な表示装置、及びその調光方法の一例を開示している。
【0005】
【特許文献1】特開2004−325629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、表示領域に表示される画像の各部分の色合いを画像信号に応じて十分に再現することが困難となる問題点がある。より具体的には、例えば、画像を構成する各部分画像における色合いは、光源光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光等の複数種の色光の夫々の発光スペクトルのばらつき、即ち、表示領域内の複数の部分領域に照射される光源光相互の発光スペクトルのばらつきにも依存し、複数の部分領域に渡って一様な色合いで画像を表示しようとしても、複数の部分領域相互で画像に色むらが生じてしまう問題点がある。
【0007】
加えて、赤色光、緑色光、及び青色光等の複数種の色光から構成される白色光が光源光として画素部に照射された場合、例えば、当該画素部に赤色を表示させようとしても、緑色光、或いは青色光等の他の色光が赤色光と共に画素部から出射されてしまい、表示領域に表示される画像のうち部分領域に表示される画像部分の色合いの色純度を高めることが技術的に困難となる問題点がある。
【0008】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、画像信号に応じた色合いで画像を表示でき、且つ画像の各部における色むらを低減可能な液晶装置等の電気光学装置、及びそのような電気光学装置をライトバルブ等の光変調手段として用いたプロジェクタ等の電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上の表示領域を構成する複数の部分領域の一の部分領域に形成された複数の第1画素部と、複数の部分領域のうち前記一の部分領域と異なる他の部分領域に形成された複数の第2画素部と、前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析し、前記一の部分領域から出射されるべき第1出射光を構成する複数種の第1色光の夫々の光強度を特定する特定手段と、前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の光源色光から構成される光源光を、前記複数種の光源色光の夫々の光強度が前記複数種の第1色光の夫々の光強度に基づいて調整された調整光として、前記複数の第1画素部に照射可能な光源手段と、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能な補正手段とを備える。
【0010】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置によれば、複数の第1画素部及び複数の第2画素部は、例えば、画素スイッチング用素子等の半導体素子が形成されたTFTアレイ基板上の表示領域において当該表示領域の各々一部を構成する一の部分領域及び他の部分領域に形成されている。これら複数の第1画素部によれば、例えば、画像のカラー表示に用いられる赤色光、緑色光、及び青色光の各色光に対応してこれら色光を出射可能である。このような複数の第1画素部は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光の夫々の色光を出射する3つの第1画素部の一群から一の部分領域が構成されていてもよいし、これら3つの第1画素部を一群とする複数の画素部群から一の部分領域が構成されていてもよい。また、他の部分領域も、複数の第1画素部による一の部分領域の構成と同様にして構成されていてもよい。
【0011】
特定手段は、前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析する。より具体的には、複数の第1画素部の夫々がこれら複数の第1画像信号の夫々に基づいて駆動されるため、一の部分領域から当該複数の第1画像信号に基づいて出射されるべき第1出射光を構成する複数種の第1色光の夫々の光強度、即ち、これら複数種の第1色光のスペクトルは、一の部分領域から当該複数種の第1色光が出射されるに先んじて、複数の第1画像信号が解析されることによって特定される。特定手段は、例えば、複数の第1画像信号を解析する。より具体的には、一の部分領域における複数の第1画素部の夫々から出射される光について、階調値を横軸、輝度を縦軸に取ったヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて、一の部分領域における複数種の第1色光の夫々の光強度を特定する。
【0012】
光源手段は、前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の光源色光から構成される光源光を、前記複数種の光源色光の夫々の光強度が前記複数種の第1色光の夫々の光強度に基づいて調整された調整光として、前記複数の第1画素部に照射可能である。
【0013】
複数種の光源色光は、例えば、互いに異なる波長を有する赤色光、緑色光、及び青色光である。光源光は、例えば、任意の光強度を各々有する赤色光、緑色光、及び青色光等の複数種の光源色光から構成される混色光である。このような光源光は、各光源色光を発生するLED等の光源からそのまま複数の第1画素部に出射されるのではなく、前記複数種の第1色光の夫々の光強度に基づいて、光源手段によって調整された調整光として複数の第1画素部に照射される。より具体的には、例えば、特定手段によって特定された複数種の第1色光のうち一の第1色光の光強度が、他の第1色光の光強度より大きいと解析された場合、光源手段は、第1出射光に含まれる一の第1色光が他の第1色光の光強度より大きくなるように、複数種の光源色光の光強度の夫々を調整する。
【0014】
したがって、光源手段によれば、光源光を構成する複数種の光源色光の夫々の光強度を調整しない場合に比べて、複数の第1画像信号に基づいて本来一の部分領域から出射されるべき第1出射光に近いスペクトルを有する調整光を複数の第1画素部に照射可能である。より具体的には、例えば、第1出射光を構成する複数種の第1色光の一の第1色光の一例である赤色光の光強度が、緑色光及び青色光等の他の第1色光の光強度より大きく、第1出射光によって一の部分領域に赤色の部分画像が表示されるべき場合には、予め複数の第1画像信号を解析した解析結果に基づいて、他の色光の光強度が高められた赤色光を含む光源光が調整光として複数の第1画素部に照射される。即ち、一の部分領域に単色の第1出射光が出射されるべきである場合、当該単色に対応する第1色光が複数の第1画素部を介して出射されるように、予めこれら複数の第1画素部に照射される光源光が、調整光として、即ち複数種の光源色光の夫々の光強度が調整された光として複数の第1画素部に照射される。
【0015】
補正手段は、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能である。
【0016】
第2出射光は、複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光から構成されているため、例えば、複数種の第1色光が赤色光、緑色光及び青色光である場合、他の部分領域に表示可能な部分画像、即ち表示領域に表示される画像のうち他の部分画像に表示される部分も、一の部分領域に表示される部分画像と同様にカラー表示可能である。ここで、例えば、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に表示される部分画像が、複数の第1画素部と、複数の第2画素部に供給される複数の画像信号とに基づいて、互いに同じ色合いで表示されるべき部分画像である場合、より具体的には、例えば、一の部分領域及び他の部分領域が相互に隣り合っており、これら部分画像に渡って同じ色合いの一様な部分画像が表示されるべきである場合、複数種の第1色光の夫々の光強度が複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、複数の第1画像信号が補正されることによって、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に表示される部分画像相互の色むらが低減可能になり、表示領域に表示される画像の表示品位を高めることが可能になる。
【0017】
加えて、光源手段から光源光がそのまま複数の第1画素部に照射されるのではなく、調整光として照射されるため、複数の第1画像信号を補正するのみ、或いは光源光を調整光として複数の第1画素部に照射するのみに比べて、複数の第1画像信号に基づいて本来出射されるべき第1出射光に近い色合いの光が一の部分画像から出射可能であり、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に表示される部分画像相互に生じる色むらをより効果的に低減可能である。
【0018】
よって、本発明の第1の発明に係る電気光学装置によれば、一の部分領域に表示される部分画像の色合いを複数の第1画像信号に基づいて表示されるべき本来の部分画像の色合に近づけることができ、一の部分領域及び他の部分領域に渡って表示される部分画像のむらを低減可能である。特に、本発明に係る電気光学装置によれば、表示領域全体で画像の色合いを調整するのではなく、表示領域を構成する複数の部分領域の夫々において当該部分画像の夫々に表示される部分画像の色合いを調整できることから、より細かい色合いの調整が可能である。したがって、本発明の第1の発明に係る電気光学装置によれば、単に第1画像信号を補正する場合のみ、或いは、光源光を調整する場合のみに比べて、高品位の画像を表示領域に表示できる。
【0019】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置の一の態様では、前記複数の第1画素部の夫々は、前記調整光を変調可能な液晶素子を有し、前記補正手段は、前記液晶素子に印加される印加電圧と、前記調整光のうち前記液晶素子を透過する透過光の透過率との相互関係を規定する電圧・透過率特性線のうち前記印加電圧に対する前記透過率の変化率が直線的に変化する範囲において前記液晶素子が駆動されるように、前記複数の第1画像信号の夫々を補正してもよい。
【0020】
この態様によれば、液晶素子は、第1画像信号に応じて第1画素部において当該液晶素子に印加される印加電圧によって駆動され、調整光を変調する。補正手段は、前記調整光のうち前記液晶素子を透過する透過光の透過率との相互関係を規定する電圧・透過率特性線、より具体的には、印加電圧(V)に応じて液晶が配向する配向状態によって規定される印加電圧に対する透過率(T)の特性線(即ち、V−T曲線)のうち、印加電圧に対して透過率が直線的に変化する範囲で第1画素部における調整光の透過率が制御可能なように、複数の第1画像信号を補正する。
【0021】
この態様によれば、電圧・透過率特性線上において、当該透過率が印加電圧に対して直線的に変化する範囲の両端側の範囲、より具体的には、印加電圧に対して液晶の配向が飽和してしまう範囲を避ける当該直線的に変化する範囲で、第1画素部における透過率の調整が可能であり、補正された第1画像信号に基づいて、第1画像信号に基づいて表示されるべき部分画像の色合いに近い色合いで当該部分画像を表示可能である。
【0022】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記光源手段は、前記複数種の光源色光の夫々を出射する複数の光源と、前記調整光のうち前記複数の第1画素部に照射される第1照射光の光量を前記複数の第2画素部に照射される第2照射光とは独立して調整可能な光量調整手段とを有していてもよい。
【0023】
この態様によれば、複数の光源は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光等の複数種の光源色光の夫々を出射可能なLED等の発光体である。このような複数の光源は、例えば、表示領域全体に対して一組設けられており、これら複数の光源から出射された光源光のうち複数の第1画素部に向かって照射される光が第1照射光であり、複数の第2画素部に向かって照射される光が第2照射光である。
【0024】
第1照射光は、部分領域毎に設けられ、且つ光量を絞ることが可能な絞り機構等の光量調整手段によって調整された後、一の部分領域を構成する複数の第1画素部に照射される。特に、この態様によれば、光量調整手段は、複数の第2画素部に照射される第2照射光とは独立して光量が調整可能であるため、例えば、一の部分領域から照射される第1出射光を構成する複数種の第1色光のうち、赤色光の光強度が他の緑色光及び青色光の光強度より大きい値で出射されるべき場合、即ち、一の部分領域に赤色、或いは赤みがかった色の部分画像が表示される場合には、赤色光の光強度が相対的に大きくなるように、他の緑色光及び青色光の夫々の光量が絞られる。このようにして光量が他の第1色光より相対的に高められた一の第1色光は、複数の第1画素部のうち当該一の第1色光を変調する第1画素部を介して変調された後、第1出射光の一部として出射される。尚、他の部分領域でも、一の部分領域と同様に、第2照射光の光量、より具体的には、第2照射光に含まれる複数種の光源色光のうち所定の光源色光が他の光源色光に比べて、優先的に複数の第2画素部に照射されるように、第2照射光の光量に対する絞り量が調整されていてもよい。
【0025】
したがって、この態様によれば、複数の部分領域毎に照射光の絞り量を調整可能であるため、各部分領域に表示されるべき部分画像の色合いに近い色合いで部分画像を表示可能である。
【0026】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記光源手段は、前記複数種の光源色光の夫々を出射する複数の光源を各々有し、且つ前記複数の部分領域毎に設けられた複数の光源光生成装置と、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が前記複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の光源光生成装置のうち前記一の部分領域に対応する光源光生成装置を制御可能な制御手段とを有していてもよい。
【0027】
この態様によれば、光源光生成装置は、赤色光、緑色光及び青色光等の複数種の光源色光の夫々を出射するLED等の複数の光源を一組有している。このような光源光生成装置は、複数の部分領域に対応するように、より具体的には、複数の部分領域の夫々に向かって光源光を出射可能なように複数の部分領域毎に設けられている。
【0028】
制御手段は、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が前記複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の光源光生成装置のうち前記一の部分領域に対応する光源光生成装置を制御可能である。したがって、この態様によれば、各部分領域の夫々に照射される照射光を制御回路等の制御手段によって制御可能であり、各部分領域において表示される部分画像の色合いを各画像信号に応じて表示されるべき部分画像の色合いに近い色合いで表示できる。
【0029】
加えて、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が前記複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の光源光生成装置のうち前記一の部分領域に対応する光源光生成装置が制御されるため、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に同じ色合いの部分画像が表示されるべき場合でも、一の部分領域及び他の部分領域に渡って表示される部分画像をこれら部分領域に渡って一様な色合いで表示可能である。
【0030】
本発明の第2の発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上の表示領域を構成する複数の部分領域の一の部分領域を構成しており、互いに異なる複数の第1色光を出射する複数の第1光源を有する複数の第1画素部と、複数の部分領域のうち前記一の部分領域と異なる他の部分領域を構成しており、互いにに異なる複数の第2色光を出射する複数の第2光源を有する複数の第2画素部と、前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析し、前記一の部分領域から出射されるべき第1出射光に含まれる複数種の第1色光の夫々の光強度を特定する特定手段と、前記第1出射光に含まれる複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能な補正手段とを備える。
【0031】
本発明の第2の発明に係る電気光学装置によれば、複数の第1画素部及び複数の第2画素部が表示領域において互いに異なる一の部分領域及び他の部分領域を構成している。このような複数の第1画素部及び複数の第2画素部の夫々は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光等の互いに異なる複数の第1色光及び互いに異なる複数の第2色光の夫々を出射する複数の第1光源及び複数の第2光源を有している。このような第1光源及び第2光源は、例えば、有機EL素子等の自発光光源であり、連続的に電流量を調整可能な駆動電流に応じて、発光量、言い換えれば、光源から出射される光の光強度を連続的に調整可能である。複数の第1画素部は、赤色光、緑色光及び青色光の夫々を出射する3つの第1画素部が一組の画素部群を構成し当該画素部群が一の部分領域を構成していてよいし、一つの画素部群によって一部分領域が構成されていてもよい。複数の第2画素部も、複数の第1画素部と同様に、他の部分領域を構成していればよい。
【0032】
特定手段は、上述の第1の発明に係る電気光学装置と同様に、前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析する。
【0033】
補正手段は、上述の第1の発明に係る前記複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能である。
【0034】
したがって、本発明の第2の発明に係る電気光学装置によれば、上述の第1の発明に係る電気光学装置と同様に、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に表示される部分画像相互の色むらが低減可能になり、表示領域に表示される画像の表示品位を高めることが可能になる。
【0035】
加えて、複数の第1画像信号に基づいて本来出射されるべき第1出射光に近い色合いの光が一の部分画像から出射可能であり、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に表示される部分画像相互に生じる色むらをより効果的に低減可能である。
【0036】
よって、本発明の第2の発明に係る電気光学装置によれば、一の部分領域に表示される部分画像の色合いを複数の第1画像信号に基づいて表示されるべき本来の部分画像の色合に近づけることができることに加え、一の部分領域及び他の部分領域に渡って表示される部分画像の色むらを低減可能である。特に、本発明の第2の発明に係る電気光学装置によれば、上述の第1の発明に係る電気光学装置と同様に、表示領域全体で画像の色合いを調整するのではなく、表示領域を構成する複数の部分領域の夫々において当該部分領域の夫々に表示される部分画像の色合いを調整できることから、より細かい色合いの調整が可能であり、高品位の画像を表示領域に表示できる。
【0037】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を備えている。
【0038】
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、色再現性、即ち画像信号に応じて表示されるべき画像の色合いに近い色合いの画像を表示可能な、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。
【0039】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら本発明に係る電気光学装置及び電子機器の各実施形態を説明する。
【0041】
(第1実施形態)
先ず、図1乃至図7を参照しながら、本発明の第1の発明に係る電気光学装置及びそのような電気光学装置を具備してなる電子機器の各実施形態を説明する。図1は、本発明の第1の発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置モジュール100を備えて構成されたプロジェクタ120の構成を図式的に示した図である。図2は、液晶装置モジュール100が備える液晶装置1の構成の概略を示した平面図であり、図3は、図2のIII−III´断面図である。図4は、液晶装置1の画像表示領域を構成する画素部の回路構成を示した回路図である。図5は、液晶装置モジュール100の電気的な構成を示したブロック図である。図6は、液晶に印加される印加電圧と、画素部を透過する光の透過率との相互関係を示した特性図である。
【0042】
図1において、プロジェクタ120は、本発明の第1の発明に係る「電気光学装置」の一例である液晶装置モジュール100、及び投射レンズ系154を備えて構成されている。プロジェクタ120は、液晶装置モジュール100から出射された光を投射レンズ系154を介してスクリーン158に投射し、スクリーン158に画像を表示する。
【0043】
液晶装置モジュール100は、液晶装置1、複数の絞り機構150、及びバックライト159を備えて構成されている。
【0044】
バックライト159は、互いに異なる光源色光を出射する複数の光源151R、151G及び151B、並びにこれら光源色光から構成される光源光を液晶装置1に向かって反射するリフレクタ152を備えて構成されている。複数の光源151R、151G及び151Bの夫々は、不図示の制御装置の制御下で動作する電源から供給される駆動電流によって各々が赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光源色光を出射するLED等の自発光素子である。複数の光源151R、151G及び151Bに供給される駆動電流は、上述の制御装置による制御下で動作する電源によって調整される。より具体的には、後述するように、画像信号に基づいて液晶装置1の画素部から出射されるべき出射光が出射可能となるように、複数の光源151R、151G及び151Bの夫々に供給される駆動電流が調整される。したがって、複数の光源151R、151G、及び151Bの夫々から出射される光源色光から構成される光源光は、プロジェクタ120の動作時において、その光強度が調整され、調整光L1としてバックライト159から液晶装置1に向かって出射される。
【0045】
複数の光源151R、151G、及び151Bによれば、各光源から出射される光源色光である赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度を調整可能であり、絞り機構150による調整光L1の光量の調整と、液晶装置1の画素部における光の透過量の調整とを行う前段階で、光源光に含まれる各光源色光の光強度を調整可能である。
【0046】
複数の絞り機構150は、本発明の「光量調整手段」の一例であり、バックライト159と共に、本発明の「光源手段」の一例を構成している。複数の絞り機構150は、不図示の制御装置の制御下で調整光L1の光量を調整し、液晶装置1に調整光L1を照射光L2として照射する。
【0047】
尚、後述するように、複数の絞り機構150の夫々は、液晶装置1の画像表示領域を構成する複数の部分領域の夫々に対応して配置されており、調整光L1のうちこれら複数の部分領域の夫々に照射される照射光L2の夫々を互いに独立して調整可能なように構成されている。
【0048】
次に、図2及び図3を参照しながら、液晶装置1の全体構成を説明する。ここでは、液晶装置1の一例として、TFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動される駆動回路内蔵型の液晶パネルを挙げる。
【0049】
図2及び図3において、液晶装置1では、TFTアレイ基板10と、TFTアレイ基板10に対向配置された対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10及び対向基板20間には液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10及び対向基板20は、本発明の「表示領域」の典型例である画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52を介して相互に接着されている。
【0050】
画像表示領域10aは、複数の部分領域160から構成されている。複数の部分領域160の夫々は、複数の画素部から構成されており、各画素部から出射された光に応じて、カラー表示が可能である。プロジェクタ120の動作時には、複数の部分領域160の夫々に表示される部分画像によって画像表示領域10aに表示された画像がスクリーン153に投射される。
【0051】
尚、照射光L2(図1参照)は、液晶装置1から見てTFTアレイ基板10側から液晶装置1に照射される。このような照射光L2のうち、複数の部分領域160の一の部分領域に照射される光が、本発明の「第1照射光」の一例であり、複数の部分領域160のうち当該一の部分領域と異なる他の部分領域に照射される光が、本発明の「第2照射光」の一例である。
【0052】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
【0053】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0054】
画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺のいずれかに沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。尚、走査線駆動回路104を、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿って設けるようにしてもよい。この場合、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿って設けられた複数の配線によって、二つの走査線駆動回路104は互いに接続される。
【0055】
対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これら上下導通端子及び上下導通材106により、TFTアレイ基板10及び対向基板20間で電気的な導通をとることができる。
【0056】
図3において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0057】
尚、図2及び図3には図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101や走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路,並びに複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路が形成されていてもよい。本実施形態では、サンプリング回路やプリチャージ回路のほか、製造途中や出荷時の当該液晶装置1の品質、欠陥等を検査するための検査回路等が形成されていてもよい。
【0058】
次に、図4を参照しながら、画像表示領域10aを構成する複数の画素部の電気的な構成を説明する。尚、以下では、出射可能な色光毎に複数の画素部の夫々を区別して説明しない場合には、参照符号として画素部に72を付し、色光毎に区別して説明する場合には、出射可能な色光に応じて画素部に72R、72G、及び72Bの参照符号を付している。
【0059】
図4において、画像表示領域10aを構成する複数の画素部72は、画像表示領域10aにおいて図4中のX方向及びY方向に沿ってマトリクス状に形成されている。画素部72は、画素電極9a、トランジスタ素子30、及び、液晶素子50aを備えている。トランジスタ素子30は、画像信号が供給されるデータ線6aと、画素電極9aとに電気的に接続されている。トランジスタ素子30は、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する画素スイッチング用TFTである。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0060】
トランジスタ素子30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、トランジスタ素子30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるトランジスタ素子30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0061】
液晶層50に含まれる液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、照射光L2(図1参照)を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素部単位で印加された電圧に応じて照射光L2に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素部72の単位で印加された電圧に応じて照射光L2に対する透過率が増加され、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射される。
【0062】
特に、画像表示領域10aには、各画素部72における画素電極9aの電位及び対向電極21の固定電位の電位差に応じて液晶に印加された電圧と、複数のサブフィールドにおいて画素部72に印加された電圧の組み合わせとに応じて、1フレームを構成する各フィールドにおける画素部の輝度が設定される。蓄積容量70は、固定電位線300に電気的に接続されており、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶素子50aと並列に付加されている。
【0063】
複数の画素部72は、赤色光、緑色光、及び青色光の夫々を透過させる画素部72R、72G、及び72Bから構成されており、これら3種類の画素部72R、72G、及び72Bが、カラー表示可能な一組の表示単位を構成している。
【0064】
部分領域160aは、本発明の「一の部分領域」の一例であり、画素部72R、72G、及び72Bの夫々を2つずつ含む一群の画素部群から構成されている。部分領域160bは、本発明の「他の部分領域」の一例であり、部分領域160aと同様に、画素部72R、72G、及び72Bの夫々を2つずつ含む一群の画素部群から構成されている。したがって、部分領域160aを構成する画素部72R、72G、及び72Bが、本発明の「複数の第1画素部」の一例であり、部分領域160bを構成する画素部72R、72G、及び72Bが、本発明の「複数の第2画素部」の一例である。
【0065】
図1に示した照射光L2のうち、液晶装置1におけるTFTアレイ基板10側から部分領域160aに入射する光が、本発明の「第1照射光」の一例であり、照射光L2のうち、液晶装置1におけるTFTアレイ基板10側から部分領域160bに入射する光が、本発明の「第2照射光」の一例である。これら部分領域160a及び160bの夫々に入射する照射光は、各部分領域160a及び160bに対応する絞り機構150によって相互に独立して光量が調整されている。
【0066】
部分領域160a及び160bの夫々は、部分領域160a及び160bの夫々を構成する画素部72R、72G、及び72Bの動作に応じて、赤色光、緑色光、及び青色光のうち少なくとも2種類の色光からなる混色光を出射可能である。また、部分領域160a及び160bの夫々は、赤色光、緑色光、及び青色光を単色の色光として出射することも可能である。ここで、画像信号Si(i=1、・・・、n)のうち、部分領域160aを構成する画素部72R、72G、及び72Bに対して所定のタイミング、より具体的には、走査信号Gj(j=1、・・・、m)のうち所定の走査信号に応じて、書き込まれる画像信号が、本発明の「第1画像信号」の一例である。このような画像信号に応じて、部分領域160aから出射されるべき赤色光、緑色光、及び青色光の夫々が、本発明の「複数種の第1色光」の一例であり、これら色光が単色光で、或いは混色光として部分領域160aからスクリーン158に出射されるべき光が、本発明の「第1出射光」の一例である。また、部分領域160aと同様に、プロジェクタ120の動作時において、部分領域160bから出射される光が、本発明の「第2出射光」の一例である。
【0067】
尚、各部分領域160は、赤色光、緑色光、及び青色光を出射可能な3つの画素部72R、72G、及び72Bを一組と画素部群から構成されていてもよいし、当該部分領域160の夫々を構成する画素部の個数が部分領域160相互で異なっていてもよい。
【0068】
次に、図5を参照しながら、液晶装置モジュール100の電気的な接続構成を説明する。
【0069】
図5において、液晶装置モジュール100は、画像信号供給回路300、タイミング制御回路400、本発明の「特定手段」の一例である特定回路500、本発明の「補正手段」の一例である画像信号補正回路620、制御信号処理回路630、絞り機構制御回路621、絞り機構150、光源制御回路622、光源用電源623、バックライト159、及び液晶装置1を備えて構成されている。
【0070】
液晶装置1は、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、及び表示部110を備えて構成されている。表示部110は、その画像表示領域10aに配列された複数の画素部72から構成されている。
【0071】
タイミング制御回路400は、各部で使用される各種タイミング信号を出力するように構成されている。より具体的には、タイミング制御回路400の一部であるタイミング信号出力手段により、最小単位のクロックであり各画素を走査するためのドットクロックが作成され、このドットクロックに基づいて、Yクロック信号CLY、反転Yクロック信号CLYinv、Xクロック信号CLX、反転Xクロック信号XCLinv、YスタートパルスDY及びXスタートパルスDXが生成される。
【0072】
尚、複数の画素部72から構成される表示部110にデータ線をプリチャージするプリチャージ信号供給回路が液晶装置1の一部として、或いはその外部回路として設けられている場合、タイミング制御回路400は、当該プリチャージ信号供給回路を駆動するためのプリチャージ用選択信号NRGを表示部110に供給してもよい。このようなプリチャージ信号供給回路は、画像信号VIDの電圧の極性に対応させ、且つ基準電位である固定電位に対して正極性及び負極性の夫々に対応したプリチャージ信号を表示部110に供給してもよい。
【0073】
画像信号供給回路300は、画像信号VIDを生成し、当該画像信号VIDを画像信号補正回路620及び特定回路500に供給する。尚、説明の便宜上、部分領域160aを構成する複数の画素部72に供給される複数の画像信号Siを一括して画像信号VIDと表記している。
【0074】
特定回路500は、部分領域160aを構成する複数の画素部72に供給される画素信号VIDを解析する。部分領域160aを構成する複数の画素部72の夫々がこれら複数の画像信号VIDの夫々に基づいて駆動されるため、部分領域160aから当該画像信号VIDに基づいて出射されるべき出射光を構成する光、即ち、部分領域160aから出射される赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度であるスペクトルが解析される。
【0075】
より具体的には、例えば、特定回路500は、例えば、部分領域160aを構成する各画素部72に供給される画像信号VIDを解析することによって、当該画像信号に基づいて複数の画素部72の夫々から出射される赤色光、緑色光、及び青色光の夫々について、階調値を横軸、輝度を縦軸に取ったヒストグラムを作成する。特定回路500は、当該作成されたヒストグラムデータに基づいて、部分領域160aにおいて出射されるべき赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度を特定する。このような解析は、画像信号VIDによって部分領域160aにおける画素部72が駆動されるに先んじて実行され、解析結果に関するデータD1が画像信号補正回路620に供給される。
【0076】
特定回路500は、部分領域160aを構成する各画素部72に供給される画像信号VIDを解析することによって得られた解析結果に基づいて、絞り機構制御回路621及び光源制御回路622の夫々に制御信号C1及びC2の夫々を供給する。
【0077】
絞り機構制御回路621は、複数の絞り機構150を駆動する駆動信号C3を供給する。複数の絞り機構150は、部分領域160aから出射されるべき出射光が出射されるように、調整光L1に含まれる赤色光、緑色光、及び青色光等の各色光の光量を調整し、照射光L2を液晶装置1に照射する。
【0078】
光源制御回路622は、制御信号C2の供給に応じて、光源用電源623に制御信号C3を供給する。光源用電源623は、制御信号C3に基づいて、バックライト159に含まれる複数の光源151R、151G、及び151Bに駆動電流を供給する。
【0079】
画像信号補正回路620は、特定回路500から供給されたデータD1に基づいて、画像信号VIDを補正し、当該補正された画像信号VIDcを液晶装置1に供給する。このような画像信号補正回路620は、部分領域160aから出射される赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度が、部分領域160bから出射される光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度に近づくように、第1画像信号を補正可能である。
【0080】
より具体的には、部分領域160a及び160bの夫々において表示される部分画像は、カラー表示可能であるため、例えば、部分領域160a及び部分領域160bの夫々に表示される部分画像が、互いに同じ色合いで表示されるべき部分画像である場合、画像信号VIDcに応じて部分領域160aに部分画像が表示されることによって、部分領域160a及び160b相互で部分画像の色合いを近づけることが可能である。即ち、画像表示領域10aを構成する部分領域160毎に画像信号VIDを補正することによって、部分領域160毎に表示すべき部分画像が画像信号に応じた狙いの色合いで表示可能になるだけでなく、部分領域160の夫々に表示される部分画像相互の色合いも揃えることが可能である。特に、互いに隣接する部分領域160間では、部分画像の色合いを揃えることによって、画像信号に応じて一様な色合いで画像を表示可能であり、部分画像相互の色むらが低減可能になる。
【0081】
加えて、複数の光源151から出射された、赤色光、緑色光、及び青色光の各色光を含む光源光は、調整光L1として絞り機構150に入射し、部分領域160毎に光量が絞られた照射光として、各部分領域160に入射する。したがって、部分領域160aから出射される光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光のうち、赤色光の光強度が他の緑色光及び青色光の光強度より大きい値で出射されるべき場合、即ち、部分領域160aに赤色、或いは赤みがかった色の部分画像が表示される場合には、赤色光の光強度が相対的に大きくなるように、他の緑色光及び青色光の夫々の光量を絞り機構150によって絞っておくことも可能である。
【0082】
このように、液晶装置モジュール100によれば、バックライト159から光源光がそのまま部分領域160aに入射するのではなく、照射光L2として照射されるため、画像信号VIDを補正するのみ、或いは光源151から出射される光源光を調整光L1として部分領域160aの複数の画素部72に照射するのみに比べて、画像信号VIDに基づいて部分領域160aから本来出射されるべき光に近い色合いの光が出射可能であることに加え、複数の部分領域160の夫々に表示される部分画像相互に生じる色むらをより効果的に低減可能である。加えて、部分領域160から出射される出射光によって表示される部分画像の色純度を高めることも可能である。
【0083】
次に、図6を参照しながら、画像信号VIDを補正する際に補正の目標とされる条件を説明する。尚、図6には、ノーマリーホワイトモードで駆動される画素部72の透過率及び印加電圧相互の関係を示す特性線が示されている。
【0084】
図6に示すように、画素部72では、画素部72に供給された画像信号に応じて画素電極9a及び対向電極21に生じる電圧が、液晶素子50aに印加電圧として印加され、画素部72における光の透過率が制御可能になっている。
【0085】
画像信号補正回路620は、液晶素子50aに印加される印加電圧Vと、照射光L2のうち部分領域160aを構成する画素部72が備える液晶素子50aを透過する透過光の透過率との相互関係を規定する電圧・透過率特性線CLのうち印加電圧Vに対する透過率Tの変化率が直線的に変化する範囲、即ち、図中印加電圧V1及びV2間のΔVの電圧範囲において液晶素子50aが駆動されるように、画像信号VIDを補正する。
【0086】
このように画像信号補正回路620が画像信号VIDを補正することによって、特性線CL上において、透過率Tが印加電圧Vに対して直線的に変化する範囲の両端側の範囲、より具体的には、印加電圧Vに対して液晶の配向が飽和してしまう範囲を避けた範囲で、部分領域160aを構成する画素部72における透過率Tの調整が可能である。補正された画像信号VIDcによれば、画像信号VIDに基づいて部分領域160aに表示されるべき部分画像の色合いに近い色合いで部分領域160aに部分画像を表示可能である。
【0087】
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置モジュール100によれば、部分領域160aに表示される部分画像の色合いを画像信号VIDに基づいて表示されるべき本来の部分画像の色合いに近づけることができることに加え、部分領域160a及び160bに渡って表示される部分画像の色むらを低減可能である。
【0088】
特に、本実施形態に液晶装置モジュール100によれば、画像表示領域10a全体で画像の色合いを調整するのではなく、画像表示領域10aを構成する複数の部分領域160の夫々において当該部分領域の夫々に表示される部分画像の色合いを調整できることから、画像表示領域10a全体で画像の色合いを調整する場合に比べて、より細かい色合いの調整が可能である。
【0089】
したがって、本実施形態に係る液晶装置モジュール100発によれば、単に画像信号VIDを補正する場合のみ、或いは、光源光を調整する場合のみに比べて、高品位の画像を画像表示領域10aに表示できる。これに伴い、プロジェクタ120によってスクリーン158に表示される画像の表示品位も高めることが可能である。
【0090】
(変形例)
次に、図7を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置モジュールの変形例、及び当該変形例に係る液晶装置モジュールを備えたプロジェクタを説明する。図7は、本例に係る液晶装置モジュール100a、及び液晶装置モジュール100aを具備してなるプロジェクタ120aの構成を図式的に示した図である。尚、以下では、上述の液晶装置モジュール100及びプロジェクタ120と共通する部分に共通の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。加えて、図7では、上述の液晶装置モジュール100及びプロジェクタ120と、本例に係る液晶装置モジュール100a及びプロジェクタ120aとの相違点を主に図示している。
【0091】
図7において、液晶装置モジュール100aは、複数の光源光生成装置153a、153b、及び153c、並びに制御装置156を備えている点で上述の液晶装置モジュール100と相違する。
【0092】
複数の光源光生成装置153a、153b、及び153cは、制御装置156と共に、本発明の第1の発明の「光源手段」の一例を構成している。
【0093】
複数の光源光生成装置153a、153b、及び153cの夫々は、赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光源光を出射する光源151R、151G、及び151B、並びにリフレクタ152を備えて構成されている。複数の光源光生成装置153a、153b、及び153cの夫々は、液晶装置1の画像表示領域10aを構成する複数の部分領域160の夫々に対応して配置されており、これら光源光生成装置153a、153b、及び153cの夫々から出射された調整光が照射光L2として、各光源光生成装置に対応する部分領域160に照射される。
【0094】
制御装置156は、複数の部分領域160の夫々を構成する画素部72に供給される画像信号に基づいて、光源151R、151G、及び151Bの夫々の光強度が適切な値となるように、複数の光源光生成装置153a、152b、及び153cの駆動を制御する。より具体的には、各部分領域160に表示される部分画像の色合いが、画像信号VIDに基づいて本来部分領域160に表示されるべき部分画像の色合いとなるように、制御装置156の制御下で、複数の光源光生成装置153a、153b、及び153cの夫々の駆動が相互に独立に制御される。
【0095】
例えば、上述の液晶装置モジュール100と同様に、例えば、光源光生成装置153aが部分領域160aに対応している場合には、部分領域160aに表示される部分画像の色合いが、部分領域160bに表示される部分画像の色合いに近づくように、光源光生成装置153aの駆動が制御される。
【0096】
したがって、本例に係る液晶装置モジュール100aによれば、各部分領域160の夫々に照射される照射光L2を構成する色光毎にその光量を制御回路156等の制御手段によって調整可能であり、各部分領域160において表示される部分画像の色合いを各画像信号に応じて表示されるべき部分画像の色合いに近い色合いにすることができる。
【0097】
加えて、部分領域160a及び部分領域160bの夫々に同じ色合いの部分画像が表示されるべき場合でも、部分領域160a及び部分領域160bに渡って表示される部分画像をこれら部分領域に渡って一様な色合いにすることが可能である。
【0098】
(第2実施形態)
次に、図8及び図9を参照しながら、本発明の第2の発明に係る電気光学装置及びそのような電気光学装置を具備してなる電子機器の各実施形態を説明する。図8は、本実施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示したブロック図である。図9は、本実施形態に係る有機EL装置の画像表示領域の一部の構成を具体的に示した平面図である。
【0099】
図8において、有機EL装置200の全体構成を示すブロック図である。有機EL装置200は、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス駆動方式で駆動される表示装置であり、画素部170R、170G及び170Bを一組とするカラー表示可能な複数の単位画素部群171、走査線駆動回路104、データ線駆動回路101、本発明の「特定手段」の一例である特定回路192、本発明の「補正手段」の一例である画像信号補正回路191、並びに、画像信号供給回路190を備えて構成されている。
【0100】
有機EL装置200の画像表示領域210には、縦横に配線されたデータ線114及び走査線112が設けられており、それらの交点に対応する各画素部170R、170G、及び170Bがマトリクス状に配列されている。画素部170R、170G及び170Bの夫々は、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)の各色の光を出射可能な光源として有機EL素子172R、172G、及び172Bを有している。したがって、有機EL装置200は、画像表示領域210にカラー画像を表示可能である。
【0101】
画素表示領域210には各データ線114に対して配列された画素部170R、170G及び170Bに対応する電源供給線117が設けられている。
【0102】
走査線駆動回路104及びデータ線駆動回路101は、画素表示領域210の周辺に位置する周辺領域に設けられている。走査線駆動回路104は複数の走査線112に走査信号を順次供給する。データ線駆動回路101は、画像表示領域210に配線されたデータ線114に画像信号を供給する。尚、走査線駆動回路104の動作とデータ線駆動回路101の動作とは、同期信号線160を介して相互に同期が図られる。
【0103】
電源供給線117には、外部回路から画素部170R、170G、及び170Bの夫々を駆動するための画素駆動用電源が供給される。画素部70R、170G、及び170Bの夫々は、TFTを用いて構成されるスイッチング用トランジスタ176及び駆動用トランジスタ174、並びに保持容量178を有している。スイッチング用トランジスタ176のゲート電極には走査線112が電気的に接続されており、スイッチング用トランジスタ176のソース電極にはデータ線114が電気的に接続され、スイッチング用トランジスタ176のドレイン電極には駆動用トランジスタ174のゲート電極が電気的に接続されている。駆動用トランジスタ174のドレイン電極には、電源供給線117が電気的に接続されており、駆動用トランジスタ174のソース電極には有機EL素子172R、172G、及び172Bの夫々の陽極が電気的に接続されており、各有機EL素子が発光可能に構成されている。
【0104】
画像信号供給回路190は、液晶装置モジュール200の動作時に、画像信号補正回路191及び特定回路192の夫々に画像信号VIDを供給する。
【0105】
特定回路192は、上述の液晶装置モジュール100と同様に、画像信号供給回路190から供給された画像信号VIDを解析し、その解析結果を含むデータD1を画像信号補正回路191に供給する。特定回路192は、後述するように、画像表示領域210を構成する複数の部分領域の一の部分領域から出射されるべき出射光に含まれる赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度を特定する。
【0106】
画像信号補正回路191は、データD1に基づいて、画像信号VIDを補正し、補正された画像信号VIDcをデータ線駆動回路101に供給する。画像信号補正回路191は、後述するように、画像表示領域210を構成する複数の部分領域の一の部分領域から出射される出射光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光の夫々に光強度が、他の部分領域から出射される出射光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度に近づくように、当該一の部分領域を構成する画素部に供給される画像信号VIDを画像信号VIDcに補正している。
【0107】
図9において、画像表示領域210は、複数の部分領域260から構成されている。複数の部分領域260の夫々は、画素部170R、170G、及び170Bの夫々を含んで構成されている。本実施形態では、部分領域260は、画素部170R、170G、及び170Bを一組含んで構成されている。したがって、有機EL装置200の動作時に、各部分領域260は、赤色光、緑色光、及び青色光の少なくとも2つの色光を含んでなる混色光、或いは、これら色光を単色光として出射可能である。
【0108】
尚、このような部分領域260は、本実施形態のように、赤色光、緑色光及び青色光の夫々を出射する3つの画素部170R、170G及び170Bが一組の画素部群171を構成し、当該画素部群171が一の部分領域260を構成していてもよいし、複数の画素部群によって一つの部分領域が構成されていてもよい。また、互いに異なる複数の部分領域260相互において、これら部分領域260の夫々に含まれる画素部群171の群数が異なっていてもよい。
【0109】
複数の部分領域260のうち、本発明の「一の部分領域」の一例である部分領域260aから有機EL装置200の動作時に出射される出射光が、本発明の「第1出射光」の一例であり、本発明の「他の部分領域」の一例である部分領域260bから出射される出射光が、本発明の「第2出射光」の一例である。したがって、有機EL装置200の動作時に、部分領域260aから出射されるべき出射光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光が、本発明の「複数種の第1色光」の一例であり、部分領域260bから出射される出射光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光が本発明の「複数種の第2色光」の一例である。
【0110】
有機EL装置200では、部分領域260a及び260bに表示される部分画像の色合いが相互に等しく表示されるように、画像信号補正回路191及び特定回路192の動作により、本発明の「第1画像信号」の一例である、部分領域260aの画素部に供給される画像信号VIDを補正することによよって、部分領域260aから出射される赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度が調整される。即ち、有機EL装置200によれば、画像表示領域210を構成する部分領域260相互で独立して、各部分領域260に表示される部分画像の色合いを調整可能である。加えて、部分領域260aだけでなく、他の部分領域260でも部分領域260aと同様に部分画像の色合いを調整可能である。
【0111】
したがって、有機EL装置200によれば、上述の液晶装置モジュール100と同様に、互いに異なる部分領域260の夫々に表示される部分画像相互の色むらが低減可能になり、画像表示領域210に表示される画像の表示品位を高めることが可能になる。
【0112】
特に、本実施形態に係る有機EL装置200によれば、上述の液晶装置モジュール100と同様に、画像表示領域210全体で画像の色合いを調整するのではなく、画像表示領域210を構成する複数の部分領域260の夫々において当該部分領域の夫々に表示される部分画像の色合いを独立して調整できることから、より細かい色合いの調整が可能であり、高品位の画像を画像表示領域210に表示できる。
【0113】
加えて、有機EL装置200によれば、上述の液晶装置モジュール100と同様に、部分領域260に表示される部分画像の色純度を高めることも可能である。
【0114】
次に、図10及び図11を参照しながら、上述の有機EL装置200を具備してなる各種電子機器を説明する。図10は、本実施形態に係る電子機器の一例であるモバイル型コンピュータの構成を示した斜視図である。図11は、本実施形態に係る電子機器の他の例であって、上述した有機EL装置を具備してなる携帯型電話機の構成を示した斜視図である。
【0115】
図10において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、図示しない有機EL装置を用いて構成された表示部1005を有する表示ユニット1206とを備えている。表示部1005は、赤、緑、青の光の三原色の光を出射可能であり、フルカラー表示で画像を表示できる。表示部1005は、その画像表示領域を構成する部分領域毎に部分画像の色合いを調整可能であるため、高品位で画像を表示できる。
【0116】
図11において、携帯型電話機1300は、複数の操作ボタン1302と共に、上述の有機EL装置200を有する表示部1305を備える。表示部1305は、フルカラー表示で画像を表示でき、上述の表示部1005と同様に高品質の画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の第1の発明に係る電気光学装置を具備してなる電子機器の一例の構成を図式的に示した図である。
【図2】本発明の第1の発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置モジュールの一部を構成する液晶装置の平面図である。
【図3】図1のIII−III´断面図である。
【図4】本発明の第1の発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置モジュールの一部を構成する液晶装置の表示部における電気的な構成を示した回路図である。
【図5】本発明の第1の発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置モジュールの電気的な構成を示したブロック図である。
【図6】液晶素子に印加される印加電圧及び透過率の相互関係(ノーマリーホワイト)の一例を示した特性図である。
【図7】本発明の第1の発明に係る電気光学装置の変形例を備えた電子機器の構成を図式的に示した図である。
【図8】本発明の第2の発明に係る電気光学装置の一例である有機EL装置の電気的に構成を示したブロック図である。
【図9】本発明の第2の発明に係る電気光学装置の一例である有機EL装置の表示部の一部の具体的な構成を示した平面図である。
【図10】本発明の第2の発明に係る電気光学装置を具備してなる電子機器の一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の発明に係る電気光学装置を具備してなる電子機器の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0118】
1・・・液晶装置、72,72R,72G,72B,172R,172G,172B・・・画素部、100,100a・・・液晶装置モジュール、150・・・絞り機構、153a,153b,153c・・・光源光生成装置、156・・・制御装置、159・・・バックライト、192,500・・・特定回路、191,620画像信号補正回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、プロジェクタ等の投写型表示装置のライトバルブとして用いることが可能な液晶装置等の電気光学装置、及びそのような電気光学装置を具備してなる投写型表示装置等の電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置を具備してなるプロジェクタ等の投写型表示装置では、光学系を構成する様々な光学要素で生じる光漏れや迷光のため、充分なコントラストが得られない。つまり、表示できる明るさの範囲であるダイナミックレンジが狭く、陰極線管(Cathode Ray Tube:CRT)を用いた既存の映像モニタと比較すると、画像品位が劣ってしまう問題点がある。また、各種の画像信号処理により画像品位の向上を図ろうとしても、ダイナミックレンジが固定されているために、充分な効果を発揮することができない問題点がある。これら問題点を解決するための解決策の一例として、言い換えればダイナミックレンジを拡大する方法の一例として、画像信号に応じて、光変調手段として用いられるライトバルブ等の電気光学装置に入射させる光量を変化させる方法が考えられる。
【0003】
しかしながら、光源が白色光源である場合、白色光源の発光スペクトルの変化は複雑であり、各色成分、即ち発光スペクトルを補正するための大規模な補正回路が必要となる。したがって、ライトバルブ等の電気光学装置を駆動するための駆動回路の回路構成が煩雑化してしまう問題点がある。また、表示領域に表示される画像の色分布に偏りがある場合、白色光源から出射される光源光の発光スペクトルのみを調整するだけでは画像の色合いを画像信号に対応した狙いの色合いに設定することが困難になる問題点がある。
【0004】
そこで、特許文献1は、光源の出力制御による調光を効率よく行うことができ、好ましくは画像の色分布に応じて光源光を調光可能な表示装置、及びその調光方法の一例を開示している。
【0005】
【特許文献1】特開2004−325629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された技術によれば、表示領域に表示される画像の各部分の色合いを画像信号に応じて十分に再現することが困難となる問題点がある。より具体的には、例えば、画像を構成する各部分画像における色合いは、光源光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光等の複数種の色光の夫々の発光スペクトルのばらつき、即ち、表示領域内の複数の部分領域に照射される光源光相互の発光スペクトルのばらつきにも依存し、複数の部分領域に渡って一様な色合いで画像を表示しようとしても、複数の部分領域相互で画像に色むらが生じてしまう問題点がある。
【0007】
加えて、赤色光、緑色光、及び青色光等の複数種の色光から構成される白色光が光源光として画素部に照射された場合、例えば、当該画素部に赤色を表示させようとしても、緑色光、或いは青色光等の他の色光が赤色光と共に画素部から出射されてしまい、表示領域に表示される画像のうち部分領域に表示される画像部分の色合いの色純度を高めることが技術的に困難となる問題点がある。
【0008】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、画像信号に応じた色合いで画像を表示でき、且つ画像の各部における色むらを低減可能な液晶装置等の電気光学装置、及びそのような電気光学装置をライトバルブ等の光変調手段として用いたプロジェクタ等の電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上の表示領域を構成する複数の部分領域の一の部分領域に形成された複数の第1画素部と、複数の部分領域のうち前記一の部分領域と異なる他の部分領域に形成された複数の第2画素部と、前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析し、前記一の部分領域から出射されるべき第1出射光を構成する複数種の第1色光の夫々の光強度を特定する特定手段と、前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の光源色光から構成される光源光を、前記複数種の光源色光の夫々の光強度が前記複数種の第1色光の夫々の光強度に基づいて調整された調整光として、前記複数の第1画素部に照射可能な光源手段と、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能な補正手段とを備える。
【0010】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置によれば、複数の第1画素部及び複数の第2画素部は、例えば、画素スイッチング用素子等の半導体素子が形成されたTFTアレイ基板上の表示領域において当該表示領域の各々一部を構成する一の部分領域及び他の部分領域に形成されている。これら複数の第1画素部によれば、例えば、画像のカラー表示に用いられる赤色光、緑色光、及び青色光の各色光に対応してこれら色光を出射可能である。このような複数の第1画素部は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光の夫々の色光を出射する3つの第1画素部の一群から一の部分領域が構成されていてもよいし、これら3つの第1画素部を一群とする複数の画素部群から一の部分領域が構成されていてもよい。また、他の部分領域も、複数の第1画素部による一の部分領域の構成と同様にして構成されていてもよい。
【0011】
特定手段は、前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析する。より具体的には、複数の第1画素部の夫々がこれら複数の第1画像信号の夫々に基づいて駆動されるため、一の部分領域から当該複数の第1画像信号に基づいて出射されるべき第1出射光を構成する複数種の第1色光の夫々の光強度、即ち、これら複数種の第1色光のスペクトルは、一の部分領域から当該複数種の第1色光が出射されるに先んじて、複数の第1画像信号が解析されることによって特定される。特定手段は、例えば、複数の第1画像信号を解析する。より具体的には、一の部分領域における複数の第1画素部の夫々から出射される光について、階調値を横軸、輝度を縦軸に取ったヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムに基づいて、一の部分領域における複数種の第1色光の夫々の光強度を特定する。
【0012】
光源手段は、前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の光源色光から構成される光源光を、前記複数種の光源色光の夫々の光強度が前記複数種の第1色光の夫々の光強度に基づいて調整された調整光として、前記複数の第1画素部に照射可能である。
【0013】
複数種の光源色光は、例えば、互いに異なる波長を有する赤色光、緑色光、及び青色光である。光源光は、例えば、任意の光強度を各々有する赤色光、緑色光、及び青色光等の複数種の光源色光から構成される混色光である。このような光源光は、各光源色光を発生するLED等の光源からそのまま複数の第1画素部に出射されるのではなく、前記複数種の第1色光の夫々の光強度に基づいて、光源手段によって調整された調整光として複数の第1画素部に照射される。より具体的には、例えば、特定手段によって特定された複数種の第1色光のうち一の第1色光の光強度が、他の第1色光の光強度より大きいと解析された場合、光源手段は、第1出射光に含まれる一の第1色光が他の第1色光の光強度より大きくなるように、複数種の光源色光の光強度の夫々を調整する。
【0014】
したがって、光源手段によれば、光源光を構成する複数種の光源色光の夫々の光強度を調整しない場合に比べて、複数の第1画像信号に基づいて本来一の部分領域から出射されるべき第1出射光に近いスペクトルを有する調整光を複数の第1画素部に照射可能である。より具体的には、例えば、第1出射光を構成する複数種の第1色光の一の第1色光の一例である赤色光の光強度が、緑色光及び青色光等の他の第1色光の光強度より大きく、第1出射光によって一の部分領域に赤色の部分画像が表示されるべき場合には、予め複数の第1画像信号を解析した解析結果に基づいて、他の色光の光強度が高められた赤色光を含む光源光が調整光として複数の第1画素部に照射される。即ち、一の部分領域に単色の第1出射光が出射されるべきである場合、当該単色に対応する第1色光が複数の第1画素部を介して出射されるように、予めこれら複数の第1画素部に照射される光源光が、調整光として、即ち複数種の光源色光の夫々の光強度が調整された光として複数の第1画素部に照射される。
【0015】
補正手段は、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能である。
【0016】
第2出射光は、複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光から構成されているため、例えば、複数種の第1色光が赤色光、緑色光及び青色光である場合、他の部分領域に表示可能な部分画像、即ち表示領域に表示される画像のうち他の部分画像に表示される部分も、一の部分領域に表示される部分画像と同様にカラー表示可能である。ここで、例えば、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に表示される部分画像が、複数の第1画素部と、複数の第2画素部に供給される複数の画像信号とに基づいて、互いに同じ色合いで表示されるべき部分画像である場合、より具体的には、例えば、一の部分領域及び他の部分領域が相互に隣り合っており、これら部分画像に渡って同じ色合いの一様な部分画像が表示されるべきである場合、複数種の第1色光の夫々の光強度が複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、複数の第1画像信号が補正されることによって、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に表示される部分画像相互の色むらが低減可能になり、表示領域に表示される画像の表示品位を高めることが可能になる。
【0017】
加えて、光源手段から光源光がそのまま複数の第1画素部に照射されるのではなく、調整光として照射されるため、複数の第1画像信号を補正するのみ、或いは光源光を調整光として複数の第1画素部に照射するのみに比べて、複数の第1画像信号に基づいて本来出射されるべき第1出射光に近い色合いの光が一の部分画像から出射可能であり、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に表示される部分画像相互に生じる色むらをより効果的に低減可能である。
【0018】
よって、本発明の第1の発明に係る電気光学装置によれば、一の部分領域に表示される部分画像の色合いを複数の第1画像信号に基づいて表示されるべき本来の部分画像の色合に近づけることができ、一の部分領域及び他の部分領域に渡って表示される部分画像のむらを低減可能である。特に、本発明に係る電気光学装置によれば、表示領域全体で画像の色合いを調整するのではなく、表示領域を構成する複数の部分領域の夫々において当該部分画像の夫々に表示される部分画像の色合いを調整できることから、より細かい色合いの調整が可能である。したがって、本発明の第1の発明に係る電気光学装置によれば、単に第1画像信号を補正する場合のみ、或いは、光源光を調整する場合のみに比べて、高品位の画像を表示領域に表示できる。
【0019】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置の一の態様では、前記複数の第1画素部の夫々は、前記調整光を変調可能な液晶素子を有し、前記補正手段は、前記液晶素子に印加される印加電圧と、前記調整光のうち前記液晶素子を透過する透過光の透過率との相互関係を規定する電圧・透過率特性線のうち前記印加電圧に対する前記透過率の変化率が直線的に変化する範囲において前記液晶素子が駆動されるように、前記複数の第1画像信号の夫々を補正してもよい。
【0020】
この態様によれば、液晶素子は、第1画像信号に応じて第1画素部において当該液晶素子に印加される印加電圧によって駆動され、調整光を変調する。補正手段は、前記調整光のうち前記液晶素子を透過する透過光の透過率との相互関係を規定する電圧・透過率特性線、より具体的には、印加電圧(V)に応じて液晶が配向する配向状態によって規定される印加電圧に対する透過率(T)の特性線(即ち、V−T曲線)のうち、印加電圧に対して透過率が直線的に変化する範囲で第1画素部における調整光の透過率が制御可能なように、複数の第1画像信号を補正する。
【0021】
この態様によれば、電圧・透過率特性線上において、当該透過率が印加電圧に対して直線的に変化する範囲の両端側の範囲、より具体的には、印加電圧に対して液晶の配向が飽和してしまう範囲を避ける当該直線的に変化する範囲で、第1画素部における透過率の調整が可能であり、補正された第1画像信号に基づいて、第1画像信号に基づいて表示されるべき部分画像の色合いに近い色合いで当該部分画像を表示可能である。
【0022】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記光源手段は、前記複数種の光源色光の夫々を出射する複数の光源と、前記調整光のうち前記複数の第1画素部に照射される第1照射光の光量を前記複数の第2画素部に照射される第2照射光とは独立して調整可能な光量調整手段とを有していてもよい。
【0023】
この態様によれば、複数の光源は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光等の複数種の光源色光の夫々を出射可能なLED等の発光体である。このような複数の光源は、例えば、表示領域全体に対して一組設けられており、これら複数の光源から出射された光源光のうち複数の第1画素部に向かって照射される光が第1照射光であり、複数の第2画素部に向かって照射される光が第2照射光である。
【0024】
第1照射光は、部分領域毎に設けられ、且つ光量を絞ることが可能な絞り機構等の光量調整手段によって調整された後、一の部分領域を構成する複数の第1画素部に照射される。特に、この態様によれば、光量調整手段は、複数の第2画素部に照射される第2照射光とは独立して光量が調整可能であるため、例えば、一の部分領域から照射される第1出射光を構成する複数種の第1色光のうち、赤色光の光強度が他の緑色光及び青色光の光強度より大きい値で出射されるべき場合、即ち、一の部分領域に赤色、或いは赤みがかった色の部分画像が表示される場合には、赤色光の光強度が相対的に大きくなるように、他の緑色光及び青色光の夫々の光量が絞られる。このようにして光量が他の第1色光より相対的に高められた一の第1色光は、複数の第1画素部のうち当該一の第1色光を変調する第1画素部を介して変調された後、第1出射光の一部として出射される。尚、他の部分領域でも、一の部分領域と同様に、第2照射光の光量、より具体的には、第2照射光に含まれる複数種の光源色光のうち所定の光源色光が他の光源色光に比べて、優先的に複数の第2画素部に照射されるように、第2照射光の光量に対する絞り量が調整されていてもよい。
【0025】
したがって、この態様によれば、複数の部分領域毎に照射光の絞り量を調整可能であるため、各部分領域に表示されるべき部分画像の色合いに近い色合いで部分画像を表示可能である。
【0026】
本発明の第1の発明に係る電気光学装置の他の態様では、前記光源手段は、前記複数種の光源色光の夫々を出射する複数の光源を各々有し、且つ前記複数の部分領域毎に設けられた複数の光源光生成装置と、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が前記複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の光源光生成装置のうち前記一の部分領域に対応する光源光生成装置を制御可能な制御手段とを有していてもよい。
【0027】
この態様によれば、光源光生成装置は、赤色光、緑色光及び青色光等の複数種の光源色光の夫々を出射するLED等の複数の光源を一組有している。このような光源光生成装置は、複数の部分領域に対応するように、より具体的には、複数の部分領域の夫々に向かって光源光を出射可能なように複数の部分領域毎に設けられている。
【0028】
制御手段は、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が前記複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の光源光生成装置のうち前記一の部分領域に対応する光源光生成装置を制御可能である。したがって、この態様によれば、各部分領域の夫々に照射される照射光を制御回路等の制御手段によって制御可能であり、各部分領域において表示される部分画像の色合いを各画像信号に応じて表示されるべき部分画像の色合いに近い色合いで表示できる。
【0029】
加えて、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が前記複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の光源光生成装置のうち前記一の部分領域に対応する光源光生成装置が制御されるため、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に同じ色合いの部分画像が表示されるべき場合でも、一の部分領域及び他の部分領域に渡って表示される部分画像をこれら部分領域に渡って一様な色合いで表示可能である。
【0030】
本発明の第2の発明に係る電気光学装置は上記課題を解決するために、基板上の表示領域を構成する複数の部分領域の一の部分領域を構成しており、互いに異なる複数の第1色光を出射する複数の第1光源を有する複数の第1画素部と、複数の部分領域のうち前記一の部分領域と異なる他の部分領域を構成しており、互いにに異なる複数の第2色光を出射する複数の第2光源を有する複数の第2画素部と、前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析し、前記一の部分領域から出射されるべき第1出射光に含まれる複数種の第1色光の夫々の光強度を特定する特定手段と、前記第1出射光に含まれる複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能な補正手段とを備える。
【0031】
本発明の第2の発明に係る電気光学装置によれば、複数の第1画素部及び複数の第2画素部が表示領域において互いに異なる一の部分領域及び他の部分領域を構成している。このような複数の第1画素部及び複数の第2画素部の夫々は、例えば、赤色光、緑色光及び青色光等の互いに異なる複数の第1色光及び互いに異なる複数の第2色光の夫々を出射する複数の第1光源及び複数の第2光源を有している。このような第1光源及び第2光源は、例えば、有機EL素子等の自発光光源であり、連続的に電流量を調整可能な駆動電流に応じて、発光量、言い換えれば、光源から出射される光の光強度を連続的に調整可能である。複数の第1画素部は、赤色光、緑色光及び青色光の夫々を出射する3つの第1画素部が一組の画素部群を構成し当該画素部群が一の部分領域を構成していてよいし、一つの画素部群によって一部分領域が構成されていてもよい。複数の第2画素部も、複数の第1画素部と同様に、他の部分領域を構成していればよい。
【0032】
特定手段は、上述の第1の発明に係る電気光学装置と同様に、前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析する。
【0033】
補正手段は、上述の第1の発明に係る前記複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能である。
【0034】
したがって、本発明の第2の発明に係る電気光学装置によれば、上述の第1の発明に係る電気光学装置と同様に、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に表示される部分画像相互の色むらが低減可能になり、表示領域に表示される画像の表示品位を高めることが可能になる。
【0035】
加えて、複数の第1画像信号に基づいて本来出射されるべき第1出射光に近い色合いの光が一の部分画像から出射可能であり、一の部分領域及び他の部分領域の夫々に表示される部分画像相互に生じる色むらをより効果的に低減可能である。
【0036】
よって、本発明の第2の発明に係る電気光学装置によれば、一の部分領域に表示される部分画像の色合いを複数の第1画像信号に基づいて表示されるべき本来の部分画像の色合に近づけることができることに加え、一の部分領域及び他の部分領域に渡って表示される部分画像の色むらを低減可能である。特に、本発明の第2の発明に係る電気光学装置によれば、上述の第1の発明に係る電気光学装置と同様に、表示領域全体で画像の色合いを調整するのではなく、表示領域を構成する複数の部分領域の夫々において当該部分領域の夫々に表示される部分画像の色合いを調整できることから、より細かい色合いの調整が可能であり、高品位の画像を表示領域に表示できる。
【0037】
本発明に係る電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置を備えている。
【0038】
本発明に係る電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、色再現性、即ち画像信号に応じて表示されるべき画像の色合いに近い色合いの画像を表示可能な、投射型表示装置、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。また、本発明に係る電子機器として、例えば電子ペーパなどの電気泳動装置等も実現することが可能である。
【0039】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら本発明に係る電気光学装置及び電子機器の各実施形態を説明する。
【0041】
(第1実施形態)
先ず、図1乃至図7を参照しながら、本発明の第1の発明に係る電気光学装置及びそのような電気光学装置を具備してなる電子機器の各実施形態を説明する。図1は、本発明の第1の発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置モジュール100を備えて構成されたプロジェクタ120の構成を図式的に示した図である。図2は、液晶装置モジュール100が備える液晶装置1の構成の概略を示した平面図であり、図3は、図2のIII−III´断面図である。図4は、液晶装置1の画像表示領域を構成する画素部の回路構成を示した回路図である。図5は、液晶装置モジュール100の電気的な構成を示したブロック図である。図6は、液晶に印加される印加電圧と、画素部を透過する光の透過率との相互関係を示した特性図である。
【0042】
図1において、プロジェクタ120は、本発明の第1の発明に係る「電気光学装置」の一例である液晶装置モジュール100、及び投射レンズ系154を備えて構成されている。プロジェクタ120は、液晶装置モジュール100から出射された光を投射レンズ系154を介してスクリーン158に投射し、スクリーン158に画像を表示する。
【0043】
液晶装置モジュール100は、液晶装置1、複数の絞り機構150、及びバックライト159を備えて構成されている。
【0044】
バックライト159は、互いに異なる光源色光を出射する複数の光源151R、151G及び151B、並びにこれら光源色光から構成される光源光を液晶装置1に向かって反射するリフレクタ152を備えて構成されている。複数の光源151R、151G及び151Bの夫々は、不図示の制御装置の制御下で動作する電源から供給される駆動電流によって各々が赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光源色光を出射するLED等の自発光素子である。複数の光源151R、151G及び151Bに供給される駆動電流は、上述の制御装置による制御下で動作する電源によって調整される。より具体的には、後述するように、画像信号に基づいて液晶装置1の画素部から出射されるべき出射光が出射可能となるように、複数の光源151R、151G及び151Bの夫々に供給される駆動電流が調整される。したがって、複数の光源151R、151G、及び151Bの夫々から出射される光源色光から構成される光源光は、プロジェクタ120の動作時において、その光強度が調整され、調整光L1としてバックライト159から液晶装置1に向かって出射される。
【0045】
複数の光源151R、151G、及び151Bによれば、各光源から出射される光源色光である赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度を調整可能であり、絞り機構150による調整光L1の光量の調整と、液晶装置1の画素部における光の透過量の調整とを行う前段階で、光源光に含まれる各光源色光の光強度を調整可能である。
【0046】
複数の絞り機構150は、本発明の「光量調整手段」の一例であり、バックライト159と共に、本発明の「光源手段」の一例を構成している。複数の絞り機構150は、不図示の制御装置の制御下で調整光L1の光量を調整し、液晶装置1に調整光L1を照射光L2として照射する。
【0047】
尚、後述するように、複数の絞り機構150の夫々は、液晶装置1の画像表示領域を構成する複数の部分領域の夫々に対応して配置されており、調整光L1のうちこれら複数の部分領域の夫々に照射される照射光L2の夫々を互いに独立して調整可能なように構成されている。
【0048】
次に、図2及び図3を参照しながら、液晶装置1の全体構成を説明する。ここでは、液晶装置1の一例として、TFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動される駆動回路内蔵型の液晶パネルを挙げる。
【0049】
図2及び図3において、液晶装置1では、TFTアレイ基板10と、TFTアレイ基板10に対向配置された対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10及び対向基板20間には液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10及び対向基板20は、本発明の「表示領域」の典型例である画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域に設けられたシール材52を介して相互に接着されている。
【0050】
画像表示領域10aは、複数の部分領域160から構成されている。複数の部分領域160の夫々は、複数の画素部から構成されており、各画素部から出射された光に応じて、カラー表示が可能である。プロジェクタ120の動作時には、複数の部分領域160の夫々に表示される部分画像によって画像表示領域10aに表示された画像がスクリーン153に投射される。
【0051】
尚、照射光L2(図1参照)は、液晶装置1から見てTFTアレイ基板10側から液晶装置1に照射される。このような照射光L2のうち、複数の部分領域160の一の部分領域に照射される光が、本発明の「第1照射光」の一例であり、複数の部分領域160のうち当該一の部分領域と異なる他の部分領域に照射される光が、本発明の「第2照射光」の一例である。
【0052】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。シール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のギャップ材が散布されている。
【0053】
シール材52が配置されたシール領域の内側に並行して、画像表示領域10aの額縁領域を規定する遮光性の額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。但し、このような額縁遮光膜53の一部又は全部は、TFTアレイ基板10側に内蔵遮光膜として設けられてもよい。
【0054】
画像表示領域10aの周辺に位置する周辺領域のうち、シール材52が配置されたシール領域の外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺のいずれかに沿い、且つ、前記額縁遮光膜53に覆われるようにして設けられている。尚、走査線駆動回路104を、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102が設けられたTFTアレイ基板10の一辺に隣接する2辺に沿って設けるようにしてもよい。この場合、TFTアレイ基板10の残る一辺に沿って設けられた複数の配線によって、二つの走査線駆動回路104は互いに接続される。
【0055】
対向基板20の4つのコーナー部には、両基板間の上下導通端子として機能する上下導通材106が配置されている。他方、TFTアレイ基板10にはこれらのコーナー部に対向する領域において上下導通端子が設けられている。これら上下導通端子及び上下導通材106により、TFTアレイ基板10及び対向基板20間で電気的な導通をとることができる。
【0056】
図3において、TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線が形成された後の画素電極9a上に、配向膜が形成されている。他方、対向基板20上には、対向電極21の他、格子状又はストライプ状の遮光膜23、更には最上層部分に配向膜が形成されている。液晶層50は、例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜間で、所定の配向状態をとる。
【0057】
尚、図2及び図3には図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101や走査線駆動回路104等に加えて、画像信号線上の画像信号をサンプリングしてデータ線に供給するサンプリング回路,並びに複数のデータ線に所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路が形成されていてもよい。本実施形態では、サンプリング回路やプリチャージ回路のほか、製造途中や出荷時の当該液晶装置1の品質、欠陥等を検査するための検査回路等が形成されていてもよい。
【0058】
次に、図4を参照しながら、画像表示領域10aを構成する複数の画素部の電気的な構成を説明する。尚、以下では、出射可能な色光毎に複数の画素部の夫々を区別して説明しない場合には、参照符号として画素部に72を付し、色光毎に区別して説明する場合には、出射可能な色光に応じて画素部に72R、72G、及び72Bの参照符号を付している。
【0059】
図4において、画像表示領域10aを構成する複数の画素部72は、画像表示領域10aにおいて図4中のX方向及びY方向に沿ってマトリクス状に形成されている。画素部72は、画素電極9a、トランジスタ素子30、及び、液晶素子50aを備えている。トランジスタ素子30は、画像信号が供給されるデータ線6aと、画素電極9aとに電気的に接続されている。トランジスタ素子30は、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する画素スイッチング用TFTである。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、・・・、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0060】
トランジスタ素子30のゲートに走査線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、・・・、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、トランジスタ素子30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるトランジスタ素子30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、・・・、Snが所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、・・・、Snは、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0061】
液晶層50に含まれる液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、照射光L2(図1参照)を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各画素部単位で印加された電圧に応じて照射光L2に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各画素部72の単位で印加された電圧に応じて照射光L2に対する透過率が増加され、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストを持つ光が出射される。
【0062】
特に、画像表示領域10aには、各画素部72における画素電極9aの電位及び対向電極21の固定電位の電位差に応じて液晶に印加された電圧と、複数のサブフィールドにおいて画素部72に印加された電圧の組み合わせとに応じて、1フレームを構成する各フィールドにおける画素部の輝度が設定される。蓄積容量70は、固定電位線300に電気的に接続されており、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極21との間に形成される液晶素子50aと並列に付加されている。
【0063】
複数の画素部72は、赤色光、緑色光、及び青色光の夫々を透過させる画素部72R、72G、及び72Bから構成されており、これら3種類の画素部72R、72G、及び72Bが、カラー表示可能な一組の表示単位を構成している。
【0064】
部分領域160aは、本発明の「一の部分領域」の一例であり、画素部72R、72G、及び72Bの夫々を2つずつ含む一群の画素部群から構成されている。部分領域160bは、本発明の「他の部分領域」の一例であり、部分領域160aと同様に、画素部72R、72G、及び72Bの夫々を2つずつ含む一群の画素部群から構成されている。したがって、部分領域160aを構成する画素部72R、72G、及び72Bが、本発明の「複数の第1画素部」の一例であり、部分領域160bを構成する画素部72R、72G、及び72Bが、本発明の「複数の第2画素部」の一例である。
【0065】
図1に示した照射光L2のうち、液晶装置1におけるTFTアレイ基板10側から部分領域160aに入射する光が、本発明の「第1照射光」の一例であり、照射光L2のうち、液晶装置1におけるTFTアレイ基板10側から部分領域160bに入射する光が、本発明の「第2照射光」の一例である。これら部分領域160a及び160bの夫々に入射する照射光は、各部分領域160a及び160bに対応する絞り機構150によって相互に独立して光量が調整されている。
【0066】
部分領域160a及び160bの夫々は、部分領域160a及び160bの夫々を構成する画素部72R、72G、及び72Bの動作に応じて、赤色光、緑色光、及び青色光のうち少なくとも2種類の色光からなる混色光を出射可能である。また、部分領域160a及び160bの夫々は、赤色光、緑色光、及び青色光を単色の色光として出射することも可能である。ここで、画像信号Si(i=1、・・・、n)のうち、部分領域160aを構成する画素部72R、72G、及び72Bに対して所定のタイミング、より具体的には、走査信号Gj(j=1、・・・、m)のうち所定の走査信号に応じて、書き込まれる画像信号が、本発明の「第1画像信号」の一例である。このような画像信号に応じて、部分領域160aから出射されるべき赤色光、緑色光、及び青色光の夫々が、本発明の「複数種の第1色光」の一例であり、これら色光が単色光で、或いは混色光として部分領域160aからスクリーン158に出射されるべき光が、本発明の「第1出射光」の一例である。また、部分領域160aと同様に、プロジェクタ120の動作時において、部分領域160bから出射される光が、本発明の「第2出射光」の一例である。
【0067】
尚、各部分領域160は、赤色光、緑色光、及び青色光を出射可能な3つの画素部72R、72G、及び72Bを一組と画素部群から構成されていてもよいし、当該部分領域160の夫々を構成する画素部の個数が部分領域160相互で異なっていてもよい。
【0068】
次に、図5を参照しながら、液晶装置モジュール100の電気的な接続構成を説明する。
【0069】
図5において、液晶装置モジュール100は、画像信号供給回路300、タイミング制御回路400、本発明の「特定手段」の一例である特定回路500、本発明の「補正手段」の一例である画像信号補正回路620、制御信号処理回路630、絞り機構制御回路621、絞り機構150、光源制御回路622、光源用電源623、バックライト159、及び液晶装置1を備えて構成されている。
【0070】
液晶装置1は、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、及び表示部110を備えて構成されている。表示部110は、その画像表示領域10aに配列された複数の画素部72から構成されている。
【0071】
タイミング制御回路400は、各部で使用される各種タイミング信号を出力するように構成されている。より具体的には、タイミング制御回路400の一部であるタイミング信号出力手段により、最小単位のクロックであり各画素を走査するためのドットクロックが作成され、このドットクロックに基づいて、Yクロック信号CLY、反転Yクロック信号CLYinv、Xクロック信号CLX、反転Xクロック信号XCLinv、YスタートパルスDY及びXスタートパルスDXが生成される。
【0072】
尚、複数の画素部72から構成される表示部110にデータ線をプリチャージするプリチャージ信号供給回路が液晶装置1の一部として、或いはその外部回路として設けられている場合、タイミング制御回路400は、当該プリチャージ信号供給回路を駆動するためのプリチャージ用選択信号NRGを表示部110に供給してもよい。このようなプリチャージ信号供給回路は、画像信号VIDの電圧の極性に対応させ、且つ基準電位である固定電位に対して正極性及び負極性の夫々に対応したプリチャージ信号を表示部110に供給してもよい。
【0073】
画像信号供給回路300は、画像信号VIDを生成し、当該画像信号VIDを画像信号補正回路620及び特定回路500に供給する。尚、説明の便宜上、部分領域160aを構成する複数の画素部72に供給される複数の画像信号Siを一括して画像信号VIDと表記している。
【0074】
特定回路500は、部分領域160aを構成する複数の画素部72に供給される画素信号VIDを解析する。部分領域160aを構成する複数の画素部72の夫々がこれら複数の画像信号VIDの夫々に基づいて駆動されるため、部分領域160aから当該画像信号VIDに基づいて出射されるべき出射光を構成する光、即ち、部分領域160aから出射される赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度であるスペクトルが解析される。
【0075】
より具体的には、例えば、特定回路500は、例えば、部分領域160aを構成する各画素部72に供給される画像信号VIDを解析することによって、当該画像信号に基づいて複数の画素部72の夫々から出射される赤色光、緑色光、及び青色光の夫々について、階調値を横軸、輝度を縦軸に取ったヒストグラムを作成する。特定回路500は、当該作成されたヒストグラムデータに基づいて、部分領域160aにおいて出射されるべき赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度を特定する。このような解析は、画像信号VIDによって部分領域160aにおける画素部72が駆動されるに先んじて実行され、解析結果に関するデータD1が画像信号補正回路620に供給される。
【0076】
特定回路500は、部分領域160aを構成する各画素部72に供給される画像信号VIDを解析することによって得られた解析結果に基づいて、絞り機構制御回路621及び光源制御回路622の夫々に制御信号C1及びC2の夫々を供給する。
【0077】
絞り機構制御回路621は、複数の絞り機構150を駆動する駆動信号C3を供給する。複数の絞り機構150は、部分領域160aから出射されるべき出射光が出射されるように、調整光L1に含まれる赤色光、緑色光、及び青色光等の各色光の光量を調整し、照射光L2を液晶装置1に照射する。
【0078】
光源制御回路622は、制御信号C2の供給に応じて、光源用電源623に制御信号C3を供給する。光源用電源623は、制御信号C3に基づいて、バックライト159に含まれる複数の光源151R、151G、及び151Bに駆動電流を供給する。
【0079】
画像信号補正回路620は、特定回路500から供給されたデータD1に基づいて、画像信号VIDを補正し、当該補正された画像信号VIDcを液晶装置1に供給する。このような画像信号補正回路620は、部分領域160aから出射される赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度が、部分領域160bから出射される光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度に近づくように、第1画像信号を補正可能である。
【0080】
より具体的には、部分領域160a及び160bの夫々において表示される部分画像は、カラー表示可能であるため、例えば、部分領域160a及び部分領域160bの夫々に表示される部分画像が、互いに同じ色合いで表示されるべき部分画像である場合、画像信号VIDcに応じて部分領域160aに部分画像が表示されることによって、部分領域160a及び160b相互で部分画像の色合いを近づけることが可能である。即ち、画像表示領域10aを構成する部分領域160毎に画像信号VIDを補正することによって、部分領域160毎に表示すべき部分画像が画像信号に応じた狙いの色合いで表示可能になるだけでなく、部分領域160の夫々に表示される部分画像相互の色合いも揃えることが可能である。特に、互いに隣接する部分領域160間では、部分画像の色合いを揃えることによって、画像信号に応じて一様な色合いで画像を表示可能であり、部分画像相互の色むらが低減可能になる。
【0081】
加えて、複数の光源151から出射された、赤色光、緑色光、及び青色光の各色光を含む光源光は、調整光L1として絞り機構150に入射し、部分領域160毎に光量が絞られた照射光として、各部分領域160に入射する。したがって、部分領域160aから出射される光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光のうち、赤色光の光強度が他の緑色光及び青色光の光強度より大きい値で出射されるべき場合、即ち、部分領域160aに赤色、或いは赤みがかった色の部分画像が表示される場合には、赤色光の光強度が相対的に大きくなるように、他の緑色光及び青色光の夫々の光量を絞り機構150によって絞っておくことも可能である。
【0082】
このように、液晶装置モジュール100によれば、バックライト159から光源光がそのまま部分領域160aに入射するのではなく、照射光L2として照射されるため、画像信号VIDを補正するのみ、或いは光源151から出射される光源光を調整光L1として部分領域160aの複数の画素部72に照射するのみに比べて、画像信号VIDに基づいて部分領域160aから本来出射されるべき光に近い色合いの光が出射可能であることに加え、複数の部分領域160の夫々に表示される部分画像相互に生じる色むらをより効果的に低減可能である。加えて、部分領域160から出射される出射光によって表示される部分画像の色純度を高めることも可能である。
【0083】
次に、図6を参照しながら、画像信号VIDを補正する際に補正の目標とされる条件を説明する。尚、図6には、ノーマリーホワイトモードで駆動される画素部72の透過率及び印加電圧相互の関係を示す特性線が示されている。
【0084】
図6に示すように、画素部72では、画素部72に供給された画像信号に応じて画素電極9a及び対向電極21に生じる電圧が、液晶素子50aに印加電圧として印加され、画素部72における光の透過率が制御可能になっている。
【0085】
画像信号補正回路620は、液晶素子50aに印加される印加電圧Vと、照射光L2のうち部分領域160aを構成する画素部72が備える液晶素子50aを透過する透過光の透過率との相互関係を規定する電圧・透過率特性線CLのうち印加電圧Vに対する透過率Tの変化率が直線的に変化する範囲、即ち、図中印加電圧V1及びV2間のΔVの電圧範囲において液晶素子50aが駆動されるように、画像信号VIDを補正する。
【0086】
このように画像信号補正回路620が画像信号VIDを補正することによって、特性線CL上において、透過率Tが印加電圧Vに対して直線的に変化する範囲の両端側の範囲、より具体的には、印加電圧Vに対して液晶の配向が飽和してしまう範囲を避けた範囲で、部分領域160aを構成する画素部72における透過率Tの調整が可能である。補正された画像信号VIDcによれば、画像信号VIDに基づいて部分領域160aに表示されるべき部分画像の色合いに近い色合いで部分領域160aに部分画像を表示可能である。
【0087】
以上説明したように、本実施形態に係る液晶装置モジュール100によれば、部分領域160aに表示される部分画像の色合いを画像信号VIDに基づいて表示されるべき本来の部分画像の色合いに近づけることができることに加え、部分領域160a及び160bに渡って表示される部分画像の色むらを低減可能である。
【0088】
特に、本実施形態に液晶装置モジュール100によれば、画像表示領域10a全体で画像の色合いを調整するのではなく、画像表示領域10aを構成する複数の部分領域160の夫々において当該部分領域の夫々に表示される部分画像の色合いを調整できることから、画像表示領域10a全体で画像の色合いを調整する場合に比べて、より細かい色合いの調整が可能である。
【0089】
したがって、本実施形態に係る液晶装置モジュール100発によれば、単に画像信号VIDを補正する場合のみ、或いは、光源光を調整する場合のみに比べて、高品位の画像を画像表示領域10aに表示できる。これに伴い、プロジェクタ120によってスクリーン158に表示される画像の表示品位も高めることが可能である。
【0090】
(変形例)
次に、図7を参照しながら、本実施形態に係る液晶装置モジュールの変形例、及び当該変形例に係る液晶装置モジュールを備えたプロジェクタを説明する。図7は、本例に係る液晶装置モジュール100a、及び液晶装置モジュール100aを具備してなるプロジェクタ120aの構成を図式的に示した図である。尚、以下では、上述の液晶装置モジュール100及びプロジェクタ120と共通する部分に共通の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。加えて、図7では、上述の液晶装置モジュール100及びプロジェクタ120と、本例に係る液晶装置モジュール100a及びプロジェクタ120aとの相違点を主に図示している。
【0091】
図7において、液晶装置モジュール100aは、複数の光源光生成装置153a、153b、及び153c、並びに制御装置156を備えている点で上述の液晶装置モジュール100と相違する。
【0092】
複数の光源光生成装置153a、153b、及び153cは、制御装置156と共に、本発明の第1の発明の「光源手段」の一例を構成している。
【0093】
複数の光源光生成装置153a、153b、及び153cの夫々は、赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光源光を出射する光源151R、151G、及び151B、並びにリフレクタ152を備えて構成されている。複数の光源光生成装置153a、153b、及び153cの夫々は、液晶装置1の画像表示領域10aを構成する複数の部分領域160の夫々に対応して配置されており、これら光源光生成装置153a、153b、及び153cの夫々から出射された調整光が照射光L2として、各光源光生成装置に対応する部分領域160に照射される。
【0094】
制御装置156は、複数の部分領域160の夫々を構成する画素部72に供給される画像信号に基づいて、光源151R、151G、及び151Bの夫々の光強度が適切な値となるように、複数の光源光生成装置153a、152b、及び153cの駆動を制御する。より具体的には、各部分領域160に表示される部分画像の色合いが、画像信号VIDに基づいて本来部分領域160に表示されるべき部分画像の色合いとなるように、制御装置156の制御下で、複数の光源光生成装置153a、153b、及び153cの夫々の駆動が相互に独立に制御される。
【0095】
例えば、上述の液晶装置モジュール100と同様に、例えば、光源光生成装置153aが部分領域160aに対応している場合には、部分領域160aに表示される部分画像の色合いが、部分領域160bに表示される部分画像の色合いに近づくように、光源光生成装置153aの駆動が制御される。
【0096】
したがって、本例に係る液晶装置モジュール100aによれば、各部分領域160の夫々に照射される照射光L2を構成する色光毎にその光量を制御回路156等の制御手段によって調整可能であり、各部分領域160において表示される部分画像の色合いを各画像信号に応じて表示されるべき部分画像の色合いに近い色合いにすることができる。
【0097】
加えて、部分領域160a及び部分領域160bの夫々に同じ色合いの部分画像が表示されるべき場合でも、部分領域160a及び部分領域160bに渡って表示される部分画像をこれら部分領域に渡って一様な色合いにすることが可能である。
【0098】
(第2実施形態)
次に、図8及び図9を参照しながら、本発明の第2の発明に係る電気光学装置及びそのような電気光学装置を具備してなる電子機器の各実施形態を説明する。図8は、本実施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示したブロック図である。図9は、本実施形態に係る有機EL装置の画像表示領域の一部の構成を具体的に示した平面図である。
【0099】
図8において、有機EL装置200の全体構成を示すブロック図である。有機EL装置200は、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス駆動方式で駆動される表示装置であり、画素部170R、170G及び170Bを一組とするカラー表示可能な複数の単位画素部群171、走査線駆動回路104、データ線駆動回路101、本発明の「特定手段」の一例である特定回路192、本発明の「補正手段」の一例である画像信号補正回路191、並びに、画像信号供給回路190を備えて構成されている。
【0100】
有機EL装置200の画像表示領域210には、縦横に配線されたデータ線114及び走査線112が設けられており、それらの交点に対応する各画素部170R、170G、及び170Bがマトリクス状に配列されている。画素部170R、170G及び170Bの夫々は、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)の各色の光を出射可能な光源として有機EL素子172R、172G、及び172Bを有している。したがって、有機EL装置200は、画像表示領域210にカラー画像を表示可能である。
【0101】
画素表示領域210には各データ線114に対して配列された画素部170R、170G及び170Bに対応する電源供給線117が設けられている。
【0102】
走査線駆動回路104及びデータ線駆動回路101は、画素表示領域210の周辺に位置する周辺領域に設けられている。走査線駆動回路104は複数の走査線112に走査信号を順次供給する。データ線駆動回路101は、画像表示領域210に配線されたデータ線114に画像信号を供給する。尚、走査線駆動回路104の動作とデータ線駆動回路101の動作とは、同期信号線160を介して相互に同期が図られる。
【0103】
電源供給線117には、外部回路から画素部170R、170G、及び170Bの夫々を駆動するための画素駆動用電源が供給される。画素部70R、170G、及び170Bの夫々は、TFTを用いて構成されるスイッチング用トランジスタ176及び駆動用トランジスタ174、並びに保持容量178を有している。スイッチング用トランジスタ176のゲート電極には走査線112が電気的に接続されており、スイッチング用トランジスタ176のソース電極にはデータ線114が電気的に接続され、スイッチング用トランジスタ176のドレイン電極には駆動用トランジスタ174のゲート電極が電気的に接続されている。駆動用トランジスタ174のドレイン電極には、電源供給線117が電気的に接続されており、駆動用トランジスタ174のソース電極には有機EL素子172R、172G、及び172Bの夫々の陽極が電気的に接続されており、各有機EL素子が発光可能に構成されている。
【0104】
画像信号供給回路190は、液晶装置モジュール200の動作時に、画像信号補正回路191及び特定回路192の夫々に画像信号VIDを供給する。
【0105】
特定回路192は、上述の液晶装置モジュール100と同様に、画像信号供給回路190から供給された画像信号VIDを解析し、その解析結果を含むデータD1を画像信号補正回路191に供給する。特定回路192は、後述するように、画像表示領域210を構成する複数の部分領域の一の部分領域から出射されるべき出射光に含まれる赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度を特定する。
【0106】
画像信号補正回路191は、データD1に基づいて、画像信号VIDを補正し、補正された画像信号VIDcをデータ線駆動回路101に供給する。画像信号補正回路191は、後述するように、画像表示領域210を構成する複数の部分領域の一の部分領域から出射される出射光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光の夫々に光強度が、他の部分領域から出射される出射光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度に近づくように、当該一の部分領域を構成する画素部に供給される画像信号VIDを画像信号VIDcに補正している。
【0107】
図9において、画像表示領域210は、複数の部分領域260から構成されている。複数の部分領域260の夫々は、画素部170R、170G、及び170Bの夫々を含んで構成されている。本実施形態では、部分領域260は、画素部170R、170G、及び170Bを一組含んで構成されている。したがって、有機EL装置200の動作時に、各部分領域260は、赤色光、緑色光、及び青色光の少なくとも2つの色光を含んでなる混色光、或いは、これら色光を単色光として出射可能である。
【0108】
尚、このような部分領域260は、本実施形態のように、赤色光、緑色光及び青色光の夫々を出射する3つの画素部170R、170G及び170Bが一組の画素部群171を構成し、当該画素部群171が一の部分領域260を構成していてもよいし、複数の画素部群によって一つの部分領域が構成されていてもよい。また、互いに異なる複数の部分領域260相互において、これら部分領域260の夫々に含まれる画素部群171の群数が異なっていてもよい。
【0109】
複数の部分領域260のうち、本発明の「一の部分領域」の一例である部分領域260aから有機EL装置200の動作時に出射される出射光が、本発明の「第1出射光」の一例であり、本発明の「他の部分領域」の一例である部分領域260bから出射される出射光が、本発明の「第2出射光」の一例である。したがって、有機EL装置200の動作時に、部分領域260aから出射されるべき出射光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光が、本発明の「複数種の第1色光」の一例であり、部分領域260bから出射される出射光を構成する赤色光、緑色光、及び青色光が本発明の「複数種の第2色光」の一例である。
【0110】
有機EL装置200では、部分領域260a及び260bに表示される部分画像の色合いが相互に等しく表示されるように、画像信号補正回路191及び特定回路192の動作により、本発明の「第1画像信号」の一例である、部分領域260aの画素部に供給される画像信号VIDを補正することによよって、部分領域260aから出射される赤色光、緑色光、及び青色光の夫々の光強度が調整される。即ち、有機EL装置200によれば、画像表示領域210を構成する部分領域260相互で独立して、各部分領域260に表示される部分画像の色合いを調整可能である。加えて、部分領域260aだけでなく、他の部分領域260でも部分領域260aと同様に部分画像の色合いを調整可能である。
【0111】
したがって、有機EL装置200によれば、上述の液晶装置モジュール100と同様に、互いに異なる部分領域260の夫々に表示される部分画像相互の色むらが低減可能になり、画像表示領域210に表示される画像の表示品位を高めることが可能になる。
【0112】
特に、本実施形態に係る有機EL装置200によれば、上述の液晶装置モジュール100と同様に、画像表示領域210全体で画像の色合いを調整するのではなく、画像表示領域210を構成する複数の部分領域260の夫々において当該部分領域の夫々に表示される部分画像の色合いを独立して調整できることから、より細かい色合いの調整が可能であり、高品位の画像を画像表示領域210に表示できる。
【0113】
加えて、有機EL装置200によれば、上述の液晶装置モジュール100と同様に、部分領域260に表示される部分画像の色純度を高めることも可能である。
【0114】
次に、図10及び図11を参照しながら、上述の有機EL装置200を具備してなる各種電子機器を説明する。図10は、本実施形態に係る電子機器の一例であるモバイル型コンピュータの構成を示した斜視図である。図11は、本実施形態に係る電子機器の他の例であって、上述した有機EL装置を具備してなる携帯型電話機の構成を示した斜視図である。
【0115】
図10において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、図示しない有機EL装置を用いて構成された表示部1005を有する表示ユニット1206とを備えている。表示部1005は、赤、緑、青の光の三原色の光を出射可能であり、フルカラー表示で画像を表示できる。表示部1005は、その画像表示領域を構成する部分領域毎に部分画像の色合いを調整可能であるため、高品位で画像を表示できる。
【0116】
図11において、携帯型電話機1300は、複数の操作ボタン1302と共に、上述の有機EL装置200を有する表示部1305を備える。表示部1305は、フルカラー表示で画像を表示でき、上述の表示部1005と同様に高品質の画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の第1の発明に係る電気光学装置を具備してなる電子機器の一例の構成を図式的に示した図である。
【図2】本発明の第1の発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置モジュールの一部を構成する液晶装置の平面図である。
【図3】図1のIII−III´断面図である。
【図4】本発明の第1の発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置モジュールの一部を構成する液晶装置の表示部における電気的な構成を示した回路図である。
【図5】本発明の第1の発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶装置モジュールの電気的な構成を示したブロック図である。
【図6】液晶素子に印加される印加電圧及び透過率の相互関係(ノーマリーホワイト)の一例を示した特性図である。
【図7】本発明の第1の発明に係る電気光学装置の変形例を備えた電子機器の構成を図式的に示した図である。
【図8】本発明の第2の発明に係る電気光学装置の一例である有機EL装置の電気的に構成を示したブロック図である。
【図9】本発明の第2の発明に係る電気光学装置の一例である有機EL装置の表示部の一部の具体的な構成を示した平面図である。
【図10】本発明の第2の発明に係る電気光学装置を具備してなる電子機器の一例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の発明に係る電気光学装置を具備してなる電子機器の他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0118】
1・・・液晶装置、72,72R,72G,72B,172R,172G,172B・・・画素部、100,100a・・・液晶装置モジュール、150・・・絞り機構、153a,153b,153c・・・光源光生成装置、156・・・制御装置、159・・・バックライト、192,500・・・特定回路、191,620画像信号補正回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の表示領域を構成する複数の部分領域の一の部分領域に形成された複数の第1画素部と、
複数の部分領域のうち前記一の部分領域と異なる他の部分領域に形成された複数の第2画素部と、
前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析し、前記一の部分領域から出射されるべき第1出射光を構成する複数種の第1色光の夫々の光強度を特定する特定手段と、
前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の光源色光から構成される光源光を、前記複数種の光源色光の夫々の光強度が前記複数種の第1色光の夫々の光強度に基づいて調整された調整光として、前記複数の第1画素部に照射可能な光源手段と、
前記複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能な補正手段と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記複数の第1画素部の夫々は、前記調整光を変調可能な液晶素子を有し、
前記補正手段は、前記液晶素子に印加される印加電圧と、前記調整光のうち前記液晶素子を透過する透過光の透過率との相互関係を規定する電圧・透過率特性線のうち前記印加電圧に対する前記透過率の変化率が直線的に変化する範囲において前記液晶素子が駆動されるように、前記複数の第1画像信号の夫々を補正すること
を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記光源手段は、前記複数種の光源色光の夫々を出射する複数の光源と、前記調整光のうち前記複数の第1画素部に照射される第1照射光の光量を前記複数の第2画素部に照射される第2照射光とは独立して調整可能な光量調整手段とを有すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記光源手段は、前記複数種の光源色光の夫々を出射する複数の光源を各々有し、且つ前記複数の部分領域毎に設けられた複数の光源光生成装置と、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が前記複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の光源光生成装置のうち前記一の部分領域に対応する光源光生成装置を制御可能な制御手段とを有すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項5】
基板上の表示領域を構成する複数の部分領域の一の部分領域を構成しており、互いに異なる複数の第1色光を出射する複数の第1光源を有する複数の第1画素部と、
複数の部分領域のうち前記一の部分領域と異なる他の部分領域を構成しており、互いにに異なる複数の第2色光を出射する複数の第2光源を有する複数の第2画素部と、
前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析し、前記一の部分領域から出射されるべき第1出射光に含まれる複数種の第1色光の夫々の光強度を特定する特定手段と、
前記第1出射光に含まれる複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能な補正手段と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の電気光学装置を具備してなること
を特徴とする電子機器。
【請求項1】
基板上の表示領域を構成する複数の部分領域の一の部分領域に形成された複数の第1画素部と、
複数の部分領域のうち前記一の部分領域と異なる他の部分領域に形成された複数の第2画素部と、
前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析し、前記一の部分領域から出射されるべき第1出射光を構成する複数種の第1色光の夫々の光強度を特定する特定手段と、
前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の光源色光から構成される光源光を、前記複数種の光源色光の夫々の光強度が前記複数種の第1色光の夫々の光強度に基づいて調整された調整光として、前記複数の第1画素部に照射可能な光源手段と、
前記複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能な補正手段と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記複数の第1画素部の夫々は、前記調整光を変調可能な液晶素子を有し、
前記補正手段は、前記液晶素子に印加される印加電圧と、前記調整光のうち前記液晶素子を透過する透過光の透過率との相互関係を規定する電圧・透過率特性線のうち前記印加電圧に対する前記透過率の変化率が直線的に変化する範囲において前記液晶素子が駆動されるように、前記複数の第1画像信号の夫々を補正すること
を特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記光源手段は、前記複数種の光源色光の夫々を出射する複数の光源と、前記調整光のうち前記複数の第1画素部に照射される第1照射光の光量を前記複数の第2画素部に照射される第2照射光とは独立して調整可能な光量調整手段とを有すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記光源手段は、前記複数種の光源色光の夫々を出射する複数の光源を各々有し、且つ前記複数の部分領域毎に設けられた複数の光源光生成装置と、前記複数種の第1色光の夫々の光強度が前記複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の光源光生成装置のうち前記一の部分領域に対応する光源光生成装置を制御可能な制御手段とを有すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電気光学装置。
【請求項5】
基板上の表示領域を構成する複数の部分領域の一の部分領域を構成しており、互いに異なる複数の第1色光を出射する複数の第1光源を有する複数の第1画素部と、
複数の部分領域のうち前記一の部分領域と異なる他の部分領域を構成しており、互いにに異なる複数の第2色光を出射する複数の第2光源を有する複数の第2画素部と、
前記複数の第1画素部に供給される複数の第1画素信号を解析し、前記一の部分領域から出射されるべき第1出射光に含まれる複数種の第1色光の夫々の光強度を特定する特定手段と、
前記第1出射光に含まれる複数種の第1色光の夫々の光強度が、前記他の部分領域から出射される第2出射光を構成し、且つ前記複数種の第1色光の夫々に対応する複数種の第2色光の夫々の光強度に近づくように、前記複数の第1画像信号を補正可能な補正手段と
を備えたことを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の電気光学装置を具備してなること
を特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−109706(P2009−109706A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281390(P2007−281390)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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