説明

電気化学的電池を相互接続するための配置、燃料電池アッセンブリ、および燃料電池装置を製造する方法

発明は、陽極ガス拡散層(208)と陰極ガス拡散層(210)の間に挿入配置された膜電極アッセンブリ(MEA)と、前記陽極および陰極ガス拡散層(GDL)にそれぞれ結合された第1および第2の電流コレクターを有するタイプの電気化学的電池を相互接続するための配置であって、第1の電流コレクターが一つのセルの陽極側から隣接するセルの陰極側まで伸びており、セルコンポーネンツが一緒にクランプされているものに関する。第1の電気化学的電池(200a)の陽極ガス拡散層(GDL;208)と接触している第1の電流コレクター(206)は、隣接するセルの電気化学的に活性なコンポーネンツと電気化学的に接触することなく、不活性な導電性部材(204b)を介して、第2の隣接する電気化学的電池(200b)の陰極側に接続されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に電気化学的電池に関し、特に、サービス寿命を向上するようにMEA接触領域における腐食および/または毒化が低減された燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明が関係するタイプの燃料電池は、国際特許出願PCT/SE2007/050222およびPCT/SE2005/001514に開示されている。
【0003】
このタイプの燃料電池は典型的には以下のデザイン特徴/機能からなる:
1)陽極ガス室を作り出すシーリング機能。これは、それにより膜電極アッセンブリ(MEA)を陽極電流コレクターフォイルに密封する接着剤を使うことによって達成される。
【0004】
2)水素ガスを燃料電池装置中の異なるセルに分配するガス分配機能。これは、水素ガスのためのガスチャネルをもった支持板を形成することによって達成される。燃料電池は、接着剤および/またはクランプ手段によって支持板に取り付けられる。支持板からは、各セルの陽極ガス室に導かれている孔がある。
【0005】
3)好ましくは最小の抵抗で、セルの活性エリアに渡って均一な電流密度が得られるようなやり方で、一つのセルから電流を集めそれを隣接するセルに分配する電気的相互接続機能。
【0006】
4)クランプ特徴。燃料電池に締め付け力を課すことによって、セル内の内部抵抗を減少させる、即ち異なる材料間の接触抵抗および材料中の特定抵抗(例えば、ガス拡散層(GDL)を圧縮することによって、そのファイバー間接続が向上する)。電気的接触と同様にして、熱伝導性もまた締め付けによって向上し、それによりより多くの熱が反応層(即ち、電極)から放散されることができる。クランプ特徴は、電気的相互接続機能と密接にリンクしている。
【0007】
これら全ての特徴/機能が一緒に適用されて、燃料電池装置を形成する。
【0008】
上に挙げた特許出願による従来技術装置では、複数セルの燃料電池装置の相互接続機能は、一つのセルの陽極GDLから隣接するセルの陰極GDLに導かれている導電性電流コレクターフォイルによって得られる。隣接するセルのGDLには、陰極GDLに渡って電流を分配するクランプ手段への電気的インターフェース(接触エリア)(例えば、金メッキされた金属網)がある。GDLは従って、セルが一緒にクランプされているときにフォイルを網に対して押す、圧縮可能なエレメントとして働いている。
【0009】
このデザインの一つの不利な点は、電流コレクターフォイルが隣接するセルの陰極GDLを部分的に覆わなければならず(即ち、フォイルと網の間の相互接続エリアの下で)、それによりGDLのその部分とその下に横たわるMEAへの空気アクセスを阻害することである。
【0010】
このデザインのもう一つの不利な点は、電流コレクターフォイルが隣接するセルのMEAの陰極と電気化学的に接触するようになることができることである。これは、電気化学的陰極反応で作成された水(2H+2e+1/2O→HO)が電流コレクターフォイルと陰極GDLとMEAの間の電気化学的電解液を形成しているときに起こることができる。陰極の電気化学的ポテンシャルは、イオン(例えば、銅イオン)が導電性フォイルと多分その接着剤からも溶解することを引き起こす。イオンはそれからMEA中に搬送され、そこでそれらは触媒および陽子伝導性イオノマーの両方を毒化する。このように作成された水はまた、金メッキされた網と導電性フォイルの間にガルバーニ電池を形成し、それによりフォイルからイオンを溶解する。
【0011】
本願における図1に従ってデザインされた従来技術燃料電池装置での寿命実験は、500稼動時間後で45%より多くの性能が減少していることを示した。そのようなセル膜上の(エネルギー分散X線分光での)テスト後分析は、膜が恐らく陰極側における導電性テープから来る銅イオンを含んでいることを示した。
【発明の概要】
【0012】
よって、本発明の目的は、それにより腐食の問題が排除されるか少なくとも顕著に低減され、実効サービス寿命が延長される、電気化学的電池、特に燃料電池を直列に相互接続するための改良された配置を提供することである。発明の第二の目的は、熱がより容易に放散され、燃料電池が動作中により均一な温度を保持するように、燃料電池のコンポーネント間の熱伝導性を向上することである。これはまた、燃料電池の寿命も向上させる。
【0013】
これらの目的は、請求項1に規定された発明によって達成される。
【0014】
電気的接触を提供しながら隣接するセルの陰極から陽極電流コレクターを引き離すことによって、腐食とMEAへのイオンの放出が実効的に阻害される。
【0015】
発明の更なる側面では、請求項1に規定された配置からなる燃料電池アッセンブリを作成する方法も提供される。
【0016】
発明は、請求項1に規定された配置を組み込んだ燃料電池アッセンブリにも関する。
【0017】
ここで発明が、添付の図面を参照して記載される。図面は概略的な描写に過ぎず、実寸比率で描かれてはいない。記載中の「上」または「下」への言及は、燃料電池は使用においてはいかなる向きをも持つことができることを念頭に置きながら、図における向きと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、従来技術の燃料電池装置を描く。
【図2a】図2aは、発明の第一の実施形態を描く。
【図2b】図2bは、発明の第二の実施形態を描く。
【図3】図3は、発明の第三の実施形態を描く。
【図4a】図4aは、発明の第四の実施形態を描く。
【図4b】図4bは、折り畳みを描いた(いくつかのエレメントは示されていない)図4aの概略断面図である。
【図5a】図5aは、発明によるセルの製造を概略的に描く。
【図5b】図5bは、(クランプ手段が追加された)図5aのプロセスから得られたアッセンブルされたセルを通したB−Bにおける断面図である。
【図6】図6は、発明の概略的製作方式を描く。
【図7】図7は、陰極GDLが陽極GDLよりも大きいセル配置を示す。
【図8】図8は、フォイルの上の接着剤が導電性ではないフレームをもった実施形態を示す。
【図9】図9は、MEAがフレームの幅の一部分までにだけフレームの下に伸長している実施形態を示す。
【図10】図10は、発明において使用可能なクランプ手段を描く。
【図11】図11は、4セルユニットを描く。
【図12】図12は、図11のユニット中に使われた支持板を描く。
【図13】図13は、異なる4セルユニットの分極曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、最も近い従来技術による燃料電池装置を示す。それは、直列に相互接続された複数の燃料電池からなる(3セルが示されている)。スタックは支持板111上に設けられ、その上に全てのセルが載置されている。各セルは、陽極GDL108と陰極GDL110からなり、その間にMEA109が挿入配置されている。セル間の電気的相互接続は、一つのセルの陽極GDL108と隣接するセルの陰極GDL110に接続されており、よって一方の端において陽極電流コレクターとして機能し他方の端において陰極電流コレクターとして機能する、電流コレクターフォイル106’によって得られる。よって、フォイルは、支持板111上の(図中の中央の)一つのセルアッセンブリの底に設けられており、それはそのセルアッセンブリから外に伸び、(図中の左の)隣接するセルのMEA上に部分的によりかかるように更に伸び、隣接するセルの陰極GDL110と接触して終わる。
【0020】
各セルの上には、不活性な空気浸透性のクランプ部材104が設けられ、それは金メッキされた金属網または孔が開けられた鋼板であることができる。最後に、コンポーネントをきつく一体に保ち、内部抵抗を減少させるように、上板118がセルのアレイ全体の上に設けられる。上板には、ガス入口117がある。支持板の下には、好ましくは背面板(図1に図示せず)がある。
【0021】
図1にはっきりと見られるように、電流コレクターフォイル105、106’、106”は少なくとも部分的にはMEA109と接触する。セルの動作中、この接触はMEAとフォイルの間に起こる電気化学的反応を導くことができる。これらの反応は、事実フォイルの腐食を引き起こし、それによりイオンが放出され、イオンはそれ以降にMEAを毒化して、それによりセルアッセンブリの短縮された実効的寿命を引き起こす。これは、水が形成される高電気化学的ポテンシャルをもつ陰極側について特に本当である。陽極側については、導電性接着剤が、腐食を阻害する保護層として働いている。
【0022】
有害な腐食/毒化を排除するために、発明はデザインにおける改良を提供する、即ち、一つのセルからの電流コレクターフォイルが、それが接続されているMEAの陰極側と隣接するセルの陰極GDLと接触するようになることを防止するための措置が講じられる。
【0023】
よって、発明の最も一般的な側面では、隣接するセルへの電気的接触は代わりに、一つのセルの陽極側から伸びる電流コレクターフォイルを隣接するセルのクランプ手段の導電性部分に、そのセルのMEAまたは陰極GDLといかなる直接的な物理的接触をもすることなく、接続することによって達成される。クランプ手段の導電性部分は、陰極GDLと接触しており、それによりフォイルからの電気的接触を仲介し、それによりMEAの腐食と付随する毒化を回避する。
【0024】
「クランプ手段」という表現は、燃料電池を圧縮し電流を燃料電池に均一に分配する、一つまたはいくつかのコンポーネントを含む。クランプ手段は、不活性で高導電性を示す空気浸透性コンポーネント(クランプ部材)、例えばガス浸透のための開口部を有する金メッキされたステンレス鋼網または金メッキされた板/フォイル、を有することができる。他の実施形態では、クランプ手段は好適にパターン化されたクランプ板のみからなることができる。
【0025】
この電流コレクターフォイルの配置によって、電流は隣接するセルの陰極に移転される。このデザインの利点は、導電性フォイルコンポーネント(導電性接着剤を含む)が陽極条件下で電気化学的に不活性である必要があるだけであることにある。これは、クランプ手段だけが、隣接するセルのMEAの陰極側と陰極GDLと接触しているためである。
【0026】
「導電性フォイル」という用語は、導電性接着剤をもつ銅テープ、または導電性接着剤をもつまたはもたない錫(Sn)被覆銅フォイルを包含するものと取られるべきである。それはまた、熱拡張された黒鉛から作られた黒鉛フォイル、カーボンファイバー布、カーボン紙材料、上に列挙した材料の組み合わせのような、ただしそれらに限定されない、薄い炭素ベースの材料であっても良い。それはまた、その構造的性能がセル中の環境によって設定される要求を満たす限り、あらゆる他の導電性フォイル材料であることもできる。
【0027】
一般に、発明は、陽極ガス拡散層と陰極ガス拡散層の間に挿入配置された膜電極アッセンブリ(MEA)と、前記陽極および陰極ガス拡散層(GDL)にそれぞれ結合された第1および第2の電流コレクターを有するタイプの電気化学的電池を相互接続するための配置であって、第1の電流コレクターが一つのセルの陽極側から隣接するセルの陰極側まで伸びている導電性フォイルであることができ、セルコンポーネンツが一緒にクランプされているもの、を提供する。
【0028】
第1の電気化学的電池の陽極ガス拡散層と接触している第1の電流コレクターは、隣接するセルの電気化学的に活性なコンポーネンツと電気化学的に接触することなく、不活性な導電性クランプ部材を介して、第2の隣接する電気化学的電池の陰極側に接続されるように構成されている。
【0029】
好適には、絶縁エレメントの形のスペーサー部材が、第1のセルの陽極電流コレクターと第2の隣接するセルの陰極側の間に挿入配置され、電気的接続は前記不活性な導電性部材によって提供される。
【0030】
新しいデザインの第一の実施形態が図2aに描かれている。
【0031】
直列に接続された2つのセル200aと200bそれぞれが示されている。各々は、それぞれ陽極GDL208aと208b、陰極GDL210aと210b、MEA209aと209b、不活性な導電性クランプエレメント204aと204bからなる。
【0032】
導電性フォイル206が(左の)第1のセル200aの陽極部分の下に設けられ、第2の隣接するセル200bへの接続のために右へと伸びている。
【0033】
この実施形態では、絶縁スペーサー部材201が、陽極導電性フォイル206(図の左の、一つのセル200aの陽極側の下から伸びている)と隣接するセルのMEA209bの間に挿入配置されており、アッセンブリが先頭のクランプ板に押圧されたとき(例えば、先頭のクランプ板と図中に示されていない背面板を一緒に締め付ける/ねじ留めすることにより)、隣接するセル200bのクランプ手段コンポーネント204b(例えば金メッキされた網または鋼板)への電気的接続が確かなものとされ、同時にフォイル206が隣接するセル200bのMEA209bから電気化学的に絶縁されていることが確かなものとされるようになっている。よって、第1の電流コレクター206は、スペーサー部材201に対して前記不活性な導電性部材204bによってクランプされたとき、前記スペーサー部材201の上面と接触する伸長された部分を有する。
【0034】
この電気的接続の位置決めは、好ましくは凝縮水が電流コレクターフォイルとMEAの間に電気化学的電池を形成することができないように選択されるべきである。そのような電気化学的電池は、腐食プロセスにおいて放出されたイオンのための通路として働くことができてしまう。
【0035】
しかしながら、もし陽極フォイル206と隣接するセルの陰極の間の電気化学的電池の形成を避けることができるような他の対策が取られていれば、電気的接続の位置決めはより決定的に重要ではないであろう。例えば、スペーサー部材材料の表面を疎水化することまたは液体薄膜形成についての何らかの他のバリアを導入することによって、水はセル環境中の望ましくないスポットにそう容易には拡散しないであろう。
【0036】
図2bに描かれた、別の実施形態では、セルの一つ(図中の右のもの)のクランプ手段コンポーネント204b(例えば、金メッキされた網)は、隣接するセル(図中の左のもの)の電流コレクターフォイル206と接触するのに、それがセルアッセンブリから離れるように伸び、同じセルのMEAと接触するようにはならないように、角度をつけて下向きに曲げられている。絶縁スペーサー部材201は、クランプ手段コンポーネント(即ち、網)上に置かれ、上板218によって押し下げられ、それにより網204bを電流コレクターフォイル206に電気的に接続する。
【0037】
よって、この実施形態では、スペーサー部材の下面が、前記第1のセル200aの膜電極アッセンブリ(MEA)の一部と接触し、不活性な導電性部材204bが、前記スペーサー部材201の下面と電流コレクター206の間にクランプされる。前記スペーサー部材は好ましくは、セルの作製/アッセンブリ中に接着剤手段によって取り付けられる。
【0038】
ここで、不活性な導電性部材204bは、スペーサー部材201の底から上向きに、隣接するセル200bの陰極GDL210bと接触するまで伸びている。
【0039】
クランプ手段コンポーネント204(例えば、金メッキされた網)はまた、図2bに従って成形されたとき、クランプ手段コンポーネントのばね力が電気的接触を確かなものとするように、機械的一体性を有することもできる。
【0040】
前記スペーサー部材201は、好ましくは圧縮可能なクッションであり、好ましくは燃料電池環境中で不活性である多孔性のプラスチック材料で作られているべきである。好ましくは、凝縮水の液体薄膜形成を避けることができるように、材料または材料の表面はまた疎水性であるべきである。スペーサー部材に好適な材料の例は、多孔性のテトラフルオロエテン(PTFE)または類似の疎水性材料、多孔性のシリコンゴムまたは別の圧縮可能で不活性なプラスチック材料である。もし材料がそれ自体疎水性でなければ、それは好ましくはPTFEのような疎水性材料で被覆されるべきである。図2bに示されたスペーサー部材のための上に列挙された性質はまた、下記されここの他の図に描かれるフレーム構造のようなスペーサーの他の実施形態についても適用される。
【0041】
スペーサー部材201はまた非圧縮可能であることもできるが、これはクッションを正しく寸法決めすることおよび/またはコンポーネンツ208と210により圧縮可能なGDL材料が選択されることについてより高い要求を設定する。そのような場合には、それは非多孔性のPTFEまたはシリコンから作られることができる。
【0042】
図3は、図2aと2bからの基本原理を使って、どのように複数の燃料電池が本発明の更なる実施形態に従ってデザインされることができるかの概略的上方図描写である。
【0043】
支持板311は、底に設けられ、プラスチックの電気的に絶縁材料から作られることができ、水素供給システムを含む。図3で、コンポーネント311はまた、使用時に他のコンポーネンツに取り付けられて、よって支持板を形成する、プラスチックフォイルであることもできる。この支持板のデザインは、更なる発明的作業なしに当業者によって他の実施形態にも適用されることができる。支持板上には、導電性フォイル、例えば銅テープまたは黒鉛シート/フォイル/部材、が接着手段によって取り付けられる。陽極GDLは、フォイル上に取り付けられ、支持板331と導電性フォイル306を通して一つまたはいくつかの孔321が切り開けられる。支持板311とフォイル306の孔321を通して、陽極GDLのエリア310とその厚みによっておよそ規定される陽極燃料室に水素が供給される。
【0044】
MEA309は、陽極GDLの上に取り付けられ、支持板とフォイルの一部の上に伸びている。MEA309の上に本質的に陽極GDLと揃えられて、陰極GDLが設けられている。
【0045】
このステージまでは、(この例では)3つのセルは一つのピース(即ち、MEA,導電性フォイル、および中間支持板)として構築される。中間支持板は載置の目的のためだけに使われる。セルは図に示された破線Cに沿って切ることで離散的なコンポーネンツに分離され、セル間の短絡を避けるためにそれらの間に小さい距離をおいて支持板331上に位置付けされる。
【0046】
見られるように、フォイルはそれから、セルアッセンブリから離れるように(図の右に)伸びる「フラップ」325が形成されるように成形される。この「フラップ」は、下記されるように、スペーサー部材319を介して隣接するセルへの接触を作り出すために使われる。
【0047】
最後に、MEAとGDLのアッセンブリ全体を覆い、MEAコンポーネントの周縁の上に僅かに出て伸びるように、不活性な導電性クランプ手段コンポーネント304(例えば、金メッキされたガス浸透性金属網)が適用される。支持板の周縁においてその長い側(図3の上側)に沿って、スペーサー部材319が設けられている。図2aに示されたのと同じやり方で、フォイル306が上向きに曲げられ、その「フラップ」325がスペーサー部材319の上に置かれる。金網304の形のクランプ手段コンポーネントが、電気的接触を得るためにスペーサー部材319の上によりかかっているフォイルを覆う。
【0048】
よって、スペーサー部材319は、その一方の側のセル配置に隣接して位置し、各セルからの電流コレクター306はセル配置の縦方向に対して直角に伸びて、フラップ325を形成する。フラップ325は、フラップの一部が隣接するセルに隣接して位置するように、セルの大きさに対してオフセットされるように構成されており、前記フラップは、そこでそれが不活性な導電性部材304によってクランプされるところの前記スペーサー部材319の上面上に位置するように、それが属するセルの陽極側から上向きに伸びる。
【0049】
オプションで、GDL/MEA/GDLユニット/スタックは、フレーム構造320の提供によって取り囲まれることができ、それはスペーサー部材319と同じ材料で作られることができる。このフレームの目的は、i)MEAが導電性フォイル306の陽極部分の接着剤まで押し下げられることを確かなものとし、それにより接着シールのガス不通化性質を向上すること、ii)大きなシーリングエリアの必要を減らすこと、iii)それが活性エリアの上でより少なく上向きに曲がるように、クランプ手段コンポーネント(例えば、金メッキされた網)のためのより良い機械的サポートを提供すること、iv)支持板とクランプ手段の間の熱の移転を向上すること、である。フレーム構造のこの特定のデザイン側面は、発明的努力なしに当業者によってあらゆる他の実施形態に適用されることができる。よって、上に開示されたフレームは、ここに示される全ての実施形態に実装されることができる。
【0050】
このデザインは、(従来技術でのように)陽極室を密封するのに接着剤を使ったときに起き得る問題、即ち、水素ガスに過剰圧力がかけられたときに接着性能が十分ではなくMEAが陽極導電性フォイルから持ち上げられ得ること、を解決する。これにより、ガスの漏洩が起こり得る。この問題は、接着プラスチックがより柔らかくなりその粘着力が減少する、より高い温度において顕著になる。スペーサーフレームの目的はよって、この漏洩を防止して、いくつかのシステムにおいて優勢となり得る、より高い陽極室圧力において、このタイプの燃料電池の使用を可能とすることであり、そのような燃料電池システムデザインの例は、所謂「デッドエンド」システムである。
【0051】
図3のデザインでの一つの利点は、燃料電池をロール上に置かれた材料から連続的なやり方で回転式ダイカッティングによって作成することができることである。
【0052】
一つの好ましい実施形態では、電気的接触のためのスペーサーフレームとスペーサー部材は一つに一体化することができる。これは図4a、4bに概略的に描かれており、そこでは一つのセルの陽極側408からの電流コレクターフォイル406がスペーサーフレーム420の周りに巻かれ、それにより隣接するセルの陰極側410への接触を提供する。フォイル406のこの折り畳まれた部分は、セルを短絡させないために、第1のセル、即ちフォイルの属するセル、の部分から電気的に絶縁されていなければならない。隣接するセル上に接触エリア419が設けられており、そこでは導電性クランプ手段404(例えば、金メッキされた網)が電気的接触を提供する。425における絶縁は、フォイル上の絶縁材料の層として、またはコンポーネンツ間に挿入配置された絶縁材料の薄い部材として、提供されることができる。セルが短絡されない限り、あらゆる他の絶縁のやり方も当然可能である。
【0053】
別の好ましい実施形態が図5a、5bに概略的に描かれている。この実施形態では、6つのステップ(ここでステップ6は図5aにおけるAとAの間の断面と見ることができる)からなる、下記され図6に記載された製作方式に従って、例えば回転パンチングロボットにおいて、個々のセルを連続的なやり方で作成することができる。
【0054】
ステップ1:陽極へのガス入口/出口のために導電性フォイルに孔を作る。もし導電性接着剤が使われれば、図6に点線で示されるようにそれは上向きに置かれるべきである。オプションで、中間支持板を(図6に示されていない)導電性テープの下に置くことができる。
【0055】
ステップ2:導電性フォイル506上に陽極GDL508を置く。陽極GDLは、それが後のステップで上に置かれるであろう陰極GDL510と対応するように、孔の上に位置決めされるべきである。
【0056】
ステップ3:MEA509は、陽極GDLの上に置かれ、導電性フォイル506の接着剤によって取り付けられて密封されるべきであり、それにより各セルの陽極ガス区画を形成する。
【0057】
ステップ4:ここでフレーム構造520がMEAの上に置かれる。フレーム構造は、フレームの孔が各セルの陽極GDLの上に位置決めされるように、位置決めされるべきである。
【0058】
ステップ5:ここでフレームの孔の中に陰極GDLが置かれ、それからオプションで、ホットプレス工程が適用されてGDLをMEAとより良く一体化する。
【0059】
ステップ6:個々のセルコンポーネンツはここで、点線でカットすることによってお互いから分離される。セルコンポーネンツを製作方向に対して90度ひねることによって、図3でのようにそれらを支持板またはフォイル511上に置く。
【0060】
クランプ手段をもつ2つの接続されたセルが図5bに示されている。
【0061】
図5bには、発明の更なる実施形態が概略的に描かれている。燃料電池アッセンブリは、複数(2つ示されている)の燃料電池からなり、各々は、MEA509で分離された陽極GDL508と陰極GDL510からなり、全てのエレメントは支持板上に設けられている。導電性フォイル506は、セルの陽極側を跨いでその一方の側まで伸び、更に上向きに折り畳まれて隣接するセルのスペーサーフレーム520の上に置かれ、クランプ部材504と接触している、スペーサー部材は、例えばPoron(登録商標)のフレーム520の形で設けられ、前記フレームは、MEAとフォイル506をクランプするように設けられている。
【0062】
図7には、別の実施形態が描かれている。ここでは陰極GDL710は、セルの活性エリア709aを覆うことなく隣接するセル706aの電流コレクターフォイルが陰極GDL710とクランプ網704(または孔開きクランプ板)の間でクランプされることができるように、伸ばされている。陽極GDLは708で示される。クランプされたときに、クランプ網704は電流コレクターフォイル706aと陰極GDL710の両方と直接接触していることにどうか注意されたい。よって、陰極GDLはエッジにおいて剪断応力に晒され、従ってそれは好ましくはいくらかの機械的一体性を有するべきである。陽極側上の電流コレクターフォイルは706bで示され、陽極GDL708と接触している。構造を密封している接着剤はそれぞれ723と724で示される。シーリング領域は709bで示される。
【0063】
この実施形態では、電流コレクターフォイル706aは、フォイル706aと陰極GDL710またはMEA709の間の電気化学的接触を防止している層719で部分的に覆われ/被覆されている。前記層は好ましくは、フォイル706aの(図中で)上側の部分を覆うべきであり、凝縮水の薄膜形成を避けるために疎水性であるべきである。
【0064】
新たな材料
本発明は、導電性フォイルのために正しい材料を選ぶことによって更に改良することができる。このタイプの従来技術セル(特許出願の主題)では、銀被覆されたプラスチック球を含んだ、接着剤で被覆された銅フォイルが使われた。
【0065】
しかしながら、錫被覆された銅フォイルを代わりに電流コレクターフォイルとして使用したときに、導電性接着剤を必要とすることなく錫被覆された表面を直接使用することができるということが見出された。セルはよって、図8に描かれているようにデザインされ得る。それは、支持板811、それぞれのGDL808と810、GDLの間に挿入配置されたMEA809、金属網804、スペーサー部材801、導電性フォイル806、および先頭クランプ板818からなる。図8に示されたセルは単一のセルとして描かれているが、例3および5に記載された実施形態のように、このデザインは直列接続に使用することもできることに注意すべきである。
【0066】
導電性陽極フォイル806は、支持板811に面した側上に接着剤824を有する。MEAと陽極GDLに向けて面している側上では、エリア809aはいかなる接着剤でも被覆されていないが、陽極GDLは錫被覆された銅フォイルと直接接触している。
【0067】
陽極GDLエリア809aの周りのエリア、即ちエリア809bでは、両面テープまたは接着剤823が、陽極ガス区画を密封するのに置かれている。このデザインでは、接着剤823は導電性である必要はなく、従って銀含有接着剤からの銀の汚染の危険は排除することができることに注意することが重要である。
【0068】
図9には、発明性のあるアイデアが実装されている直列の2つの燃料電池200aと200bが断面で概略的に示されている。図は、特に垂直方向では、実寸比率ではない。
【0069】
よって、セルの厚みは実際には、その表面の大きさに対して図が示すよりもはるかに小さい。また、コンポーネンツの相対的厚みも実寸比率ではない。
【0070】
この特定の実施形態では、アッセンブリは本質的には図5bのセルアッセンブリと同じコンポーネンツからなる、即ち、支持板900(図5bでは明示的には示されていない)があり、その上に導電性フォイル906が接着剤手段によって取り付けられている。フォイル906上には、陽極GDL908があり、その上には陰極GDL910があり、それらのGDLの間に挿入配置されたMEA909がある。また、好ましくはPORON(登録商標)(登録商標はRogers Corporationに帰属する)のようなプラスチック泡材料で作られたフレーム構造920もある。図2のスペーサー部材201との関係で上述されたように、他の材料も当然可能である。アッセンブリの上には、上板(クランプ板)904があり、それはここでは特に記載しない好適な手段によってアッセンブリを一緒に保つ。クランプ板はまた、この実施形態では陰極電流コレクターとしても機能する。
【0071】
この実施形態の特定の特徴は、MEA909が、フレームの幅の一部分までにだけフレームの下に伸長していることである。もしフレームが例えば2mmであれば、MEAエッジは、およそ1mmフレームの下に伸長する。0.5mmまでもの小ささのMEAエッジだけが使われることができ、それでも適正な締め付けと漏洩阻止条件を維持することが可能である。このようにして、活性エリアが数cmであるとき、MEA材料の20%までもの多さを節約することができ、MEAは燃料電池の抜きん出て最も高価なコンポーネントであることから、それは製作コストを著しく削減する。
【0072】
装置を更に改良するために、好適な接着剤922、または糊を、フレーム920の底面、即ちMEA909と接触しているところのフレーム920の表面、の上に設けることができる。本発明の燃料電池装置での使用に好適な接着剤は、1)水溶性ではない、2)動作中の燃料電池の電気化学的環境において非反応性であり溶解抵抗性である、3)溶解されている化学成分は燃料電池を毒化すべきでない、4)80℃までの耐熱性である、べきである。そのような製品の例には、3MグループからのVHB型の接着剤がある。
【0073】
MEAの高さまたは厚さは20〜50μmだけであるので、圧縮可能なフレーム材料と接着剤/糊を、セルがクランプされたときに堅い密封を形成するように容易に適応させることができる。
【0074】
4セルユニットの好ましい実施形態のデザインが図11に概略的に描かれている。
【0075】
ここで、本発明の燃料電池は、3〜8セルの複数セルユニットである。前記ユニットは、0.2〜1.0mm、好ましくは0.3〜0.8mmの厚さで、陰極GDL1120a〜1120dへの適当なガスアクセスのために孔が開けられ、陰極電流コレクターとして使用される、金被覆されたステンレス鋼クランプ板1110を有する。陽極GDLは1125a〜1125dで示される。この燃料電池のクランプ手段1110は好適には16mm×45mmで、図10に示されるようなけ形状に結果としてなる、切り取られた(開けられた)孔を有する鋼板である。
【0076】
膜電極アッセンブリ1130a〜1130dは、好適にはGoreからのPrimea 5710であることができる。ガス拡散層(GDL)は、両電極上に設けられ、それらのマイクロ孔開き側がMEAの方に向けられている。
【0077】
陽極電流コレクター1140は、MEAとGDLに面した側上に導電性接着剤薄膜を有する錫被覆された銅フォイルで作られている。接着剤は、銀被覆されたポリマー球で満たされたアクリリック物質に基づくことができる。フォイルは、反対側上の接着剤によって支持板に取り付けられている。
【0078】
オプションで、陽極GDLとMEAに面した側上で、非導電性接着剤がMEA1130a〜1130dとフォイル1140a〜1140dの間のシーリングエリア中に置かれている、錫被覆された銅フォイルを使用することができる。前記シーリングエリアはよって、GDLエリアの周りのフレームの形状を有する(例えば、もしGDLが12×32mmの寸法を有しており、MEAが16×36mmの寸法を有していれば、それらがそれぞれフレームの内部および外部寸法である)。MEAとクランプ板1110の間には、陰極GDL1120の周りに、2mm幅の泡フレーム1150(好適な外寸16×36mm、内寸12×32mmで、例えばPoron(登録商標)4790-92-25041-04で作られている)が、MEAと泡フレームの間に接着剤(泡フレームと同じ寸法、3M F9469PC)を使って留められている。セル間の相互接続は、陽極電流コレクターフォイル1140の1mmを伸長して折り畳み、それをクランプ板1110と泡フレーム1150b〜1150dの間に置くことによってなされる。
【0079】
図11に示すユニットで使われた支持板が図12に描かれている。それは好適には接着剤によって一緒に結合された3層のポリマーフォイルのサンドイッチである。上層(燃料電池に最も近い)は、80℃までの熱に耐えることができ、熱せられたときに拡張しないプラスチック材料の0.1mmフォイルであり、中層は0.5mmPVCフォイルであり、下層は上層と同じまたは同様の材料の0.1mmフォイルであった。好適には2mm幅のチャネルが、中層に切り開けられ、板全体に渡って蛇状の構成で伸長され、各セルへの細長い開口を有する。実線1201は、支持板を通した水素ガスのフロー経路を描いている。点線1202は、フローチャネルの大きさ、即ち幅を描いている。陽極燃料電池区画への細長い開口1203も示されている。
【0080】
支持板1160は、金属性背面板1170(アルミニウムまたは鋼鉄)(冷却エレメントとしても働いている)に取り付けられている。この背面板は、長方形のクランプ板(1007)の最も長い側の方向に僅かに曲げられている。前記曲げの半径は、典型的には10〜25cmであるべきである。
【0081】
前記ユニット(図11の「b」)中のセル間の距離は、変えられても良い。もし距離が小さすぎれば、特により高いパワーレベルにおいてセルの冷却が阻害され得る。もし距離が大きすぎれば、セルの増大された広がりのために全体的な最大パワー密度が減少する。図11の距離「a」が10〜15mmである複数セルユニットについては、応用と他の幾何学的デザインパラメータに依存して、最適セル距離「b」は0.1〜8mm、好ましくは1〜5mmである。
【0082】
好ましくは、金メッキされたステンレス鋼クランプ板の上に、プラスチックカバー1180もあるべきである。前記プラスチックカバーも、背面板まで締め付けられて、セルに渡るクランプ力に貢献しても良い。また、プラスチックカバー1180の開口中に組み込まれたプラスチックダストフィルター1190(好ましくは疎水性)もあるべきであり、前記開口はセルの活性エリアに対応している。プラスチックカバーは、クランプ板1110a〜1110dがより薄く作られ、それによりより少ない材料コストでより容易に製造されることを可能とする。
【0083】
もし適当にクランプ板から電気的に絶縁されていれば、前記プラスチックカバーもまた金属性材料で作られてもよく、あるいは前記燃料電池が組み込まれている装置の金属性またはプラスチックのシャシーの一部であっても良い。
【0084】
活性エリア(即ち、GDLのエリア)を取り囲むフレーム部材1150は、好ましくはクランプ板に熱を伝えることができる圧縮可能で熱伝導性の材料で作られるべきである。更には、カバーへの熱の伝導を向上するために、クランプ板とプラスチックまたは金属性カバーの間に、熱伝導性材料(例えば、Gap Pad; The Bergquist Company)を置くことができる。
【0085】
ここで以下の非限定的な例によって発明が更に描写される。
【0086】
例1(従来技術)
これは、従来技術に従ったセルのデザインを使って行われた寿命実験の結果を記載する。ここで燃料電池は、各セルが2.25cmの活性表面を有する、4セルユニットとしてアッセンブルされた。曲げたプラスチックバーがこのアッセンブリのためのクランプ手段として使われた。
【0087】
使われた膜電極アッセンブリ(MEA)は、GoreからのPrimea 58(0.4mgPtcm−2の陰極、0.4mgPtcm−2の陽極、18μm厚の膜)であった。4個のMEAが使われ、各々は21mm×21mmのピースに切られていた。使われたガス拡散層(GDL)材料は、GoreからのCarbel製品であり、陰極側と陽極側のためのE-TEK Cloth Aを形成するようにそれらのマイクロ孔開き側がMEAの方に向けられていた。全てのGDL材料は15mm×15mmのピースに切られていた。
【0088】
支持板を形成するのに、各々0.8mm厚の3つのプラスチック(PVC)シートが使われた。これら3つのシートは上、中および下層とラベル付けされる。これらのシート上の印刷テンプレートに従って、孔が切り取られた。これらの孔は、それらにより水素ガスがセルに到達するチャネルを形成する。下層の孔は、外部ガス接続のために使われた。TESAによって供給された両面テープを使うことにより、このテープが中層の両側に取り付けられ、このテープを通しても孔とチャネルが切り取られ、それから上および下層の両方に取り付けられ、だから最終的には3層の支持板「サンドイッチ」になった。
【0089】
各セルについて、銅テープ(TESA, 4384)がそれから、電子伝導性の接着剤被覆側を上向きに面して、この支持板の上に接着された。上板への接着は、両面テープを使って、上板中のものに従って位置決めされたこのテープ中の孔を切り取ることで達成された。GDL材料の一ピース、15mm×15mm、活性エリア2.25cm、が孔の上に置かれ、よって陽極電流コレクターを形成した。MEAがそれからGDLの上に置かれ、GDLを覆っていないMEAの表面はそれから、例えば滑らかなテフロン(登録商標)のピースでMEAを柔らかく拭き降ろすことによって銅テープの接着剤に対して密封された。GDLの第2のピース、15mm×15mm、がそれからMEAの上に置かれて、陽極GDLと揃えられ、そしてこの上に、cm当り36孔の網の目を持った金網、15mm×15mm、が使われた。
【0090】
銅テープの形状は、ぎざぎざの形状に切られ、直列の次のセルの陽極電流コレクターを形成するように、陰極GDLの上だがこのセルのための金網の下に置かれた。
【0091】
純粋で乾いた水素が陽極で使われた一方、陰極は静かな空気雰囲気と接触させられた。水素フローは、質量流量計(Brooks Instruments)によって制御された。電流密度は負荷セル(TTI, LD300)によって制御された。
【0092】
4セルユニットは、最初に15秒間水素フローをオンにし、それから5分後に1Aに達するように5秒毎に電流をステップ状に増加してテストされた。電流はそれから1時間50分の間1Aに保たれた。電流はそれから5分後に0Aに達するように5秒毎にステップで減少された。この後、1時間の間水素ガスフローが閉じられてユニットは0Aに保たれた。このテストサイクルがそれから500時間超の動作時間に達するように250回超繰り返された。水素フローは、オンにされたとき、4セルユニットについての最大電流で消費される水素に対して100%過剰に保たれた。
【0093】
この寿命実験中のこのように製造された4セルユニットの第3のセルのセル電圧(運用サイクルで1時間50分1.0Aにあった後の電流のステップでの下げの時に0.8Aにある)が以下に示される。
【0094】
表1
時間/時間数 セル電圧/V
100 0.621
200 0.557
300 0.523
400 0.443
500 0.334
見られるように、0.8Aでの電圧(およびそれによるパワー出力と効率レベル)の形でのこのセルの性能は、実験中にほぼ50%まで減少した。
【0095】
例2(新規な締め付けをもつ銅テープ)
この例では、燃料電池は、各セルが2.25cmの活性表面を有する、4セルユニットとしてアッセンブルされた。このアッセンブリのためのクランプ手段として、3mmの直径を有する各セルのどちらかの側上の孔の中に、2つのスクリューが挿入された。これらのスクリューは、50mm×18mmの寸法でcm当り9孔の網の目サイズを有する金メッキされた鋼網を通して貫通し、銅テープとプラスチック泡材料がそれと燃料電池のGDL/MEAの間のいかなる接触をも防止した。スクリューはそれから、この金メッキされた網を通して、要求された締め付け圧力を達成するようにドリルで開けられた孔の中に挿入された。
【0096】
使われた膜電極アッセンブリ(MEA)は、GoreからのPrimea 58(0.4mgPtcm−2の陰極、0.4mgPtcm−2の陽極、18μm厚の膜)であった。4個のMEAが使われ、各々は21mm×21mmのピースに切られていた。使われたガス拡散層(GDL)材料は、GoreからのCarbel製品であり、陰極側と陽極側のためのE-TEK Cloth Aを形成するようにそれらのマイクロ孔開き側がMEAの方に向けられていた。全てのGDL材料は15mm×15mmのピースに切られていた。
【0097】
支持板を形成するのに、各々0.8mm厚の3つのプラスチック(PVC)シートが使われた。これら3つのシートは上、中および下層とラベル付けされる。これらのシート上の印刷テンプレートに従って、孔が切り取られた。これらの孔は、それらにより水素ガスがセルに到達するチャネルを形成する。下層の孔は、外部ガス接続のために使われた。TESAによって供給された両面テープを使うことにより、このテープが中層の両側に取り付けられ、このテープを通しても孔とチャネルが切り取られ、それから上および下層の両方に取り付けられ、だから最終的には3層の支持板「サンドイッチ」になった。
【0098】
各セルについて、銅テープ(TESA, 4384)がそれから、電子伝導性の接着剤被覆側を上向きに面して、この支持板の上に接着された。上板への接着は、両面テープを使って、上板中のものに従って位置決めされたこのテープ中の孔を切り取ることで達成された。GDL材料の一ピース、15mm×15mm、活性エリア2.25cm、が切り取られた孔の上に置かれ、よって陽極電流コレクターを形成した。MEAがそれからGDLの上に置かれ、GDLを覆っていないMEAの表面はそれから、例えば滑らかなテフロン(登録商標)のピースでMEAを柔らかく拭き降ろすことによって接着剤に対して密封された。GDLの第2のピース、15mm×15mm、がそれからMEAの上に置かれて、陽極GDLと揃えられ、そしてこの上に、cm当り36孔の網の目を持った金網、15mm×15mm、が使われた。
【0099】
15mm×15mmの活性GDL−MEAエリアを囲んで、プラスチック泡材料(PORON)の3mmフレームがMEAの上に置かれた。銅テープの一ピースの形状は、このセルのための泡フレームの形状に従うように、かつ直列の次のセルの陽極電流コレクターを形成するように切られた。泡の上だが一番上の金網の下に、銅テープが置かれ、細長い切れに折り畳まれて、非接着側が上金網と下の泡の両方に面し、よってこのセルの陰極電流コレクターが形成された。
【0100】
純粋で乾いた水素が陽極で使われた一方、陰極は静かな空気雰囲気と接触させられた。水素フローは、質量流量計(Brooks Instruments)によって制御された。電流密度は負荷セル(TTI, LD300)によって制御された。
【0101】
4セルユニットは、5分後に0.8Aに達するように5秒毎に電流をステップ状に増加してテストされた。電流はそれから1時間50分の間0.8Aに保たれた。電流はそれから5分後に0Aに達するように5秒毎にステップで減少された。この後、1時間の間水素ガスフローが閉じられてユニットは0Aに保たれた。このテストサイクルがそれから900時間超の動作時間に達するように450回超繰り返された。水素フローは、4セルユニット全体についての消費される水素総量に対して6%過剰に保たれた。
【0102】
この寿命実験中のこのように製造された4セルユニットの第3のセルのセル電圧(運用サイクルで1時間50分後に0.8Aにある)が以下に示される。
【0103】
表2
時間/時間数 セル電圧/V
100 0.562
200 0.57
300 0.565
400 0.562
500 0.547
600 0.552
700 0.547
800 0.545
900 0.537
これは、例2に従ったデザインでは(即ち、銅フォイルとGDL/MEAの間の直接接触を防止するようにプラスチック泡材料を使うことにより)、0.8Aでの電圧の形での性能は、900時間後に5%より少なく減少したことを示し、これにより例1のそれよりもはるかに優れた寿命性能を示した。
【0104】
例3(銅テープ+錫)
この例では、4セル燃料電池ユニットは、例2と同様にアッセンブルされたが、使われた銅テープは非接着側において酸化錫で被覆されていた(TESA, 4385)という違いがある。テープの向きも、各セルについて、支持板の上に接着されたときに銅テープの酸化錫被覆された側が上向きに面するように変えられていた。前と同様、このテープの孔は、支持板のそれらに従って切り取られ位置決めされた。Nolatoからの両面テープ(Adhesive EAD 478)を使うことによって、23mm×23mmのアウトラインが切り取られ、このアウトライン内で15mm×15mmの寸法の内側正方形が切り取られた。このテープのピースはそれから、上板の孔が接着剤の15mm×15mmの切り取られた孔内に位置しているように、酸化錫テープの上に置かれた。GDL材料の一ピース、15mm×15mm、活性エリア2.25cm、が15mm×15mmの切り取られた孔中に置かれ、よって陽極電流コレクターが形成された。MEA,陰極GDL、およびクランプ手段は例2と同じであった。
【0105】
4セルユニットは、最初に15秒間水素フローをオンにし、それから5分後に0.8Aに達するように5秒毎に電流をステップ状に増加してテストされた。電流はそれから1時間50分の間0.8Aに保たれた。電流はそれから5分後に0Aに達するように5秒毎にステップで減少された。この後、1時間の間水素ガスフローが閉じられてユニットは0Aに保たれた。このテストサイクルがそれから2000時間超の動作時間に達するように500回超繰り返された。時間110hから1220hの間、水素フローがオフにされた1時間のシャットオフ期間は使われなかった。水素フローは、オンにされた とき、4セルユニット全体について消費される水素総量に対して6%過剰に保たれた。
【0106】
この寿命実験中のこのように製造された4セルユニットの第3のセルのセル電圧(運用サイクルで1時間50分後に0.8Aにある)が以下に示される。
【0107】
表3
時間/時間数 セル電圧/V
100 0.552
200 0.538
300 0.528
400 0.541
500 0.505
600 0.513
700 0.495
800 0.487
900 0.48
1000 0.49
1100 0.487
1200 0.454
1300 0.516
1400 0.508
1500 0.503
1600 0.493
1700 0.482
1800 0.439
1900 0.482
2000 0.472
これは明らかに、例2と比較して、同様の初期性能にこの新しいデザインを使って到達することができることを示す。そして、2000h後の0.8Aにおける電圧に関する性能の減少は15%より少ない。
【0108】
例4
この例では、各セル1100a〜1100dが3.84cmの活性表面を有する、4セルユニットがアッセンブルされ、ユニットの寿命が調査された。寿命サイクル中の各50番目の運用サイクル内での30分後の1Aでの性能の変動が、以下の表4に提示されている。
【0109】
この燃料電池のクランプ手段1110は、16mm×45mm、1mm厚の鋼板で孔が切り取られて結果として図10に示されるような形状になったものである。
【0110】
4セルユニットの好ましい実施形態のデザインが図11に概略的に描かれている。
【0111】
ここで、本発明の燃料電池は、4セルの複数セルユニットである。膜電極アッセンブリ(MEA)1130a〜1130dは、GoreからのPrimea 5710であった。Sigracet 34BCの長方形ピース、12mm×32mm、が両電極上のガス拡散層(GDL)として使われ、それらのマイクロ孔開き側がMEAの方に向けられていた。陽極電流コレクター1140は、一方の側上に電子導電性接着剤薄膜を有する錫被覆された銅フォイルで作られていた。サプライヤーはTESA(製品番号4385)であった。接着剤は、銀被覆されたポリマー球で満たされたアクリリック物質に基づいていた。MEAとクランプ板1110の間には、陰極GDL1120の周りに、2mm幅の泡フレーム1150(外寸16×36mm、内寸12×32mm、Poron 4790-92-25041-04)が、MEAと泡フレームの間に接着剤(泡フレームと同じ寸法、3M F9469PC)を使って留められていた。セル間の相互接続は、陽極電流コレクターフォイル1140の1mmを伸長して折り畳み、それをクランプ板1110と泡フレーム1150b〜1150dの間に置くことによってなされた。
【0112】
図11に示すユニットで使われた支持板が図12に描かれている。それは接着剤によって一緒に結合された3層のポリマーフォイルのサンドイッチである。上層(燃料電池に最も近い)は、「オーバーヘッドフィルム品質」の、即ちおよそ80℃までの熱に耐えることができ、熱せられたときに拡張しないプラスチック材料の0.1mmフォイルであり、中層は0.5mmPVCフォイルであり、下層はオーバーヘッドフィルム品質の0.1mmフォイルであった。2mm幅のチャネルが、板全体に渡る蛇状で、各セルへの細長い開口を有するものとして、中層に切り開かれる。
【0113】
各セル間の横の距離、つまり各セルのクランプ板の間の距離は、1mmである。
【0114】
支持板の背後には、1mm厚のステンレス鋼背面板(寸法:45×67mm)が機械的サポートとして置かれた(冷却エレメントとしても働いている)。背面板は、クランプ板が背面板までクランプされているときにひずむように、150mmの半径で曲げられた。クランプ板と背面板を一緒に引っ張るスクリューは、セルが短絡されないようにプラスチックで作られた。クランプ板によってGDL上にかけられたクランプ圧は約10N/cmであった。
【0115】
セルは、以下の運用サイクルを使ってサイクルされた。まず水素フローがオンにされ(55ml/分)、電流が線形的に0から1Aまで30秒で増加された。それからセルは30分間1Aで運用された。この後、水素フローはオフにされ、電流が29分30秒間0Aにセットされた。述べられたサイクルが150回繰り返された。セル1は、常時10オームの抵抗で短絡された。
【0116】
表4
セル1 セル2 セル3 セル4
サイクル (V) (V) (V) (V)
1 0.595 0.629 0.608 0.637
50 0.629 0.656 0.642 0.681
100 0.641 0.659 0.641 0.680
150 0.644 0.663 0.643 0.681
200 0.653 0.664 0.645 0.678
250 0.651 0.666 0.645 0.680
300 0.653 0.660 0.643 0.684
350 0.647 0.656 0.637 0.676
400 0.645 0.652 0.638 0.677
450 0.644 0.649 0.632 0.676
500 0.644 0.653 0.630 0.676
550 0.642 0.646 0.630 0.672
600 0.641 0.649 0.631 0.670
650 0.634 0.643 0.626 0.664
700 0.634 0.637 0.624 0.662
750 0.634 0.638 0.616 0.658
800 0.638 0.637 0.618 0.658
850 0.639 0.637 0.619 0.658
900 0.631 0.632 0.615 0.656
950 0.632 0.627 0.614 0.654
1000 0.629 0.628 0.612 0.648
1050 0.627 0.619 0.602 0.642
1100 0.615 0.603 0.586 0.609
1150 0.597 0.565 0.544 0.577
例5
この例は、製作された4セル装置を記載する。セルは、ガス入口のための孔がレーザーカットされたプラスチックキャリア(Makrofol DE 1-4, T=0.1mm)上に構築された。プラスチックキャリアの両側には、接着剤(3M F9469PC)がシーリングエレメントとして置かれ、サポートフォイルアッセンブリを作りだした。4セルの各々は、2つの長方形のSigracet 34BCガス拡散層(GDL)、12×32mm、からなり、結果として3.84cm活性表面となる。膜電極アッセンブリ(MEA)は、GoreからのPrimea 5710であった。長方形ピース、16×36mm、が使われた。陽極電流コレクターは、一方の側上に電子導電性接着剤薄膜を有する錫被覆された銅フォイルで作られていた。サプライヤーはTESA(製品番号4385)であった。接着剤は、銀で満たされたアクリリック物質に基づいていた。接着剤側が上向きに置かれ、GDLとMEAがその表面に留められた。金メッキ(2μm)された2331鋼、0.8mm厚で16×36mmが、陰極電流コレクターとクランプ板の両方として使われた。クランプ板パターンは図10に描かれている。MEAと金メッキされたクランプ板の間には、陰極GDLの周りに、2mm幅の泡フレーム(外寸16×36mm、内寸12×32mm、Poron 4790-92-25041-04)が、MEAと泡フレームの間に接着剤(泡フレームと同じ寸法、3M F9469PC)を使って留められていた。セル間の相互接続は、陽極電流コレクターフォイルの1mmを伸長して折り畳み、それを金メッキされたクランプ板と隣接するセルの泡フレームの間に置くことによってなされた。セル間の距離は、1mmであった。
【0117】
装置は、ガスチャネルと底面からのガス入口および出口を含んだ彎曲した表面からなる背面板上に置かれた。セルは、以下の運用サイクルを使ってサイクルされた。
【0118】
まず水素フローがオンにされ(55ml/分)、開回路ポテンシャルが登録された。それから、15分間電圧が3.2と1Vの間で素早く変化させられる起動ステップが行われた。分極系列が続き、そこではポテンシャルが1時間3.4Vから2Vまで掃引されると共に電流が登録された。10個の分極系列が完了された。
【0119】

例6
図5bに描かれ例5で検討された、この発明のデザインを使うことによって、コストの観点から可能ないくつかの改良がある。この例では、例5に記載された4セルユニットが、1)導電性接着剤が陽極GDLに面しないように錫被覆された銅フォイルを逆さまにもった導電性テープ(タイプ TESA 4385)を裏返すこと。代わりに陽極GDLは錫被覆されたフォイルと直接接触しており、非導電性接着剤が活性エリアを囲むシーリングエリアで使われた(3M F9469PC)、2)4セルユニットのクランプ板の間の距離が1から5mmに増加されるように、セルが分離された。これはセルを接続しているフォイルの部分を引き伸ばすことによって可能とされた、3)活性エリア/合計エリアの比が増加されるように(即ち、GDLの寸法が14×34mmであった)、活性エリアを囲むフレーム部材の幅が2から1mmに減少された、ことによって改良された。デザインの改良は別々にと組み合わせての両方でテストされた。
【0120】
これらのセルの第10分極系列中の性能曲線が図13に与えられている。
【0121】

曲線Bは、曲線Aと同様の性能を示し、電流コレクターフォイルの陽極GDLへの接触抵抗は、導電性接着剤ありとなしとで同じであることを示している。
【0122】
曲線Cは、それが同じ活性エリアを有するので、低い電流において曲線AとBと同じ性能を有する。しかし、高い電流においては、燃料電池アッセンブリのより良い熱放散/冷却を与えるセル間のより大きな距離のために、この4セルユニットはAとBよりも良い性能を示す。
【0123】
曲線Dは、そのユニット中のより高い活性エリアのために低い電流においてA、BおよびCよりも高い性能を示す。しかし、高い電流においては、性能は曲線Cよりも良くない。よって、Cユニットはより良い熱放散を有する。
【0124】
曲線Eは、全ての変更を組み合わせたユニットの性能を示している。これは全ての曲線の中で最も良い性能を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極ガス拡散層(208)と陰極ガス拡散層(210)の間に挿入配置された膜電極アッセンブリ(MEA)と、前記陽極および陰極ガス拡散層(GDL)にそれぞれ結合された第1および第2の電流コレクターを有するタイプの電気化学的電池を相互接続するための配置であって、第1の電流コレクターが一つのセルの陽極側から隣接するセルの陰極側まで伸びており、セルコンポーネンツが一緒にクランプされており、
第1の電気化学的電池(200a)の陽極ガス拡散層(GDL;208a)と接触している第1の電流コレクター(206)は、隣接するセルの電気化学的に活性なコンポーネンツと電気化学的に接触することなく、不活性な導電性部材(204b;504;904;1110)を介して、第2の隣接する電気化学的電池(200b)の陰極側に接続されるように構成されている、ことを特徴とする配置。
【請求項2】
第1のセル(200a)の陽極電流コレクター(206)と第2の隣接するセル(200b)の陰極側の間に挿入配置された絶縁エレメント(201;319;420;520;801)を含み、電気的接続は前記不活性な導電性部材(204b)によって提供される、請求項1記載の配置。
【請求項3】
絶縁エレメントは、上面および下面を有し、スペーサー部材の下面が前記第2のセルの膜電極アッセンブリ(MEA)の一部と接触するように設けられた絶縁スペーサー部材(201a;319;420;520;801;920;1150)を含み、前記第1の電流コレクター(206)がクランプされたときに前記スペーサー部材(201a;319;420;520;801)の上面と接触する伸張された部分を有する、請求項2記載の配置。
【請求項4】
絶縁エレメント(201;319;420;520;801)の少なくとも上側は、凝縮水の薄膜形成を避けるために疎水性である、請求項2または3記載の配置。
【請求項5】
前記不活性な導電性部材(204b;304;404;504;604;804;1110)は、電流コレクターをスペーサー部材(201a;319;420;520;801)に対してクランプする、請求項4記載の配置。
【請求項6】
絶縁エレメントは、上面および下面を有し、スペーサー部材の下面が前記第1のセル(200a)の膜電極アッセンブリ(MEA)の一部と接触するように設けられた絶縁スペーサー部材(201)を含み、前記不活性な導電性部材(204b)は前記スペーサー部材(201)の下面と電流コレクター(206)の間にクランプされる、請求項1記載の配置。
【請求項7】
不活性な導電性部材(204b)はスペーサー部材(201)の底から上向きに、隣接するセル(200b)の陰極GDL(210b)と接触するまで伸びている、請求項6記載の配置。
【請求項8】
スペーサー部材(319)は、その一方の側のセル配置に隣接して位置しており、各セルからの電流コレクター(306)は、セル配置の縦方向に対して直角に伸びてフラップ(325)を形成し、前記フラップ(325)は、フラップの一部が隣接するセルに隣接して位置するようにセルの伸張部に対してオフセットされるように構成されており、前記フラップは、そこでそれが不活性な導電性部材(304)によってクランプされるところの前記スペーサー部材(319)の上面上に位置するようにそれが属するセルの陽極側から上向きに伸びている、請求項4または5記載の配置。
【請求項9】
前記スペーサー部材は、陰極GDLを囲むフレーム(420;520)として設けられている、請求項4から7のいずれかに記載の配置。
【請求項10】
各セルからの電流コレクター(406)は、セル配置の縦方向に対して直角に伸びてフラップ(425)を形成し、前記フラップ(425)は、フラップの一部が隣接するセルに隣接して位置するようにセルの伸張部に対してオフセットされるように構成されており、前記フラップは、そこでそれが不活性な導電性部材(404)によってクランプされるところの前記フレームの上面上に位置するようにそれが属するセルの陽極側から上向きに伸びてフレーム(420)上に折り畳まれている、請求項9記載の配置。
【請求項11】
不活性な導電性部材(404)とセル上のフラップの間にそこからフラップが伸びるところの絶縁材料(425)が設けられ、フラップと隣接するセル上の不活性な導電性部材(404)の間に電気的接触(419)がある、請求項10記載の配置。
【請求項12】
前記スペーサー部材(201;319;420;520;801)が、圧縮可能な材料で作られている、先行する請求項のいずれかに記載の配置。
【請求項13】
スペーサー部材(201;319;420;520;801)が、それが取り付けられるところのセルの厚さに適応された良く定義された厚さを有する硬くて本質的に圧縮不可能な材料で作られている、請求項1から11のいずれかに記載の配置。
【請求項14】
前記電流コレクター(206)は金属または黒鉛のような炭素ベースの材料で作られた導電性フォイルである、先行する請求項のいずれかに記載の配置。
【請求項15】
電気コレクターフォイル(706a)は、フォイル(706a)と陰極GDL(710)またはMEA(709)の間の電気化学的接触を防いでいる層(719)によって部分的に覆われている、請求項14記載の配置。
【請求項16】
導電性フォイル(806)は、陽極GDLおよびMEAに面した側全体に渡って導電性接着剤が設けられている、請求項14記載の配置。
【請求項17】
導電性フォイルは、少なくとも一つの側において錫で被膜された銅フォイルである、請求項16記載の配置。
【請求項18】
錫で被膜された銅フォイルは、シーリング(809b)の領域においてのみ接着剤で覆われている、請求項17記載の配置。
【請求項19】
接着剤で被膜されていない領域(809a)は陽極GDLと直接接触している、請求項17記載の配置。
【請求項20】
アッセンブリ中のセル間の距離は0.1〜8mm、好ましくは1〜5mmである。先行する請求項のいずれかに記載の配置。
【請求項21】
請求項1記載の配置で相互接続された複数の燃料電池を含む、燃料電池アッセンブリ。
【請求項22】
少なくとも2つの燃料電池を含む燃料電池装置を製造する方法であって、
導電性フォイル(506)、膜電極アッセンブリ(509)およびフレーム材料(520)を、導電性フォイルウェブが他のウェブよりも幅が広い、材料の連続したウェブとして提供し、
燃料電池の陽極へのガス入口/出口のために導電性フォイルに孔を作り、
導電性フォイル(506)上に陽極GDL(508)を置き、
陽極GDL上にMEAウェブ(509)を置き、
MEAの上にフレーム構造(520)を置き、
フレーム中に陰極GDLを置き、
GDLをMEAとよりよく一体化するようにホットプレス工程をオプションで施し、
個別のセルコンポーネントをお互いから切断によって分離し、
個別のセルを製作方向に対して90度ひねってそれらをサポート部材(51)上に置き、
請求項1記載の配置でセルを相互接続する、
ことを含む方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2010−537381(P2010−537381A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−521814(P2010−521814)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【国際出願番号】PCT/SE2008/050931
【国際公開番号】WO2009/025613
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(507119412)
【Fターム(参考)】